JP5896356B2 - ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明はナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を製造する方法に関する。
近年、液晶表示素子や半導体素子等の電子部品の絶縁膜材料として有用なナフタレン環を持つケイ素化合物が利用されている。
ナフタレン環を側鎖に有するシリコーン共重合体は、半導体素子製造時におけるリソグラフィー工程において ArF露光(193nm)のような200nm以下の遠紫外線領域での短波長の露光波長で透過性が良く、遠紫外線領域で使用するのに適した材料である(特許文献1参照)。
また、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を利用することで、優れた平滑性を持ち、かつ、高クラック耐性、高透過性、高耐熱性、高耐溶剤性の特性を有する膜を形成できる新規シリコーン重合体を得る事ができる(特許文献2参照)。
また、テレコミュニケーション分野での導波管への応用において、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物をゾルゲル組成物に誘導することで、低伝搬損失と高屈折率の非常に望ましい特性を有する化合物を得ることができる(特許文献3参照)。
以上のように、電子材料の分野において、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物は有用であり、その安価な合成方法が望まれる。
これらナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物は、一般的には、ハロゲン化ナフタレンを原料として、
(1)グリニャール反応、次いでハロシラン、またはアルコキシシランとのカップリング反応を用いる方法(非特許文献1参照)、および、
(2)ハロゲン化ナフタレンとトリアルコキシヒドロシランをロジウム触媒と塩基の存在下に反応させる方法(特許文献4参照)により製造される。
一般的な製造法のうち、(2)のロジウム触媒を使用する方法はロジウム触媒が高価であり、使用する原料もブロモナフタレンに限られており、原料費が高価という問題がある。ブロモナフタレンは、クロロナフタレンに比べ分子量が大きいので原料の使用量が多くなり、試薬メーカー(東京化成工業)のカタログに記載の単価をクロロナフタレンと比較したところ、1−ブロモナフタレンの500gの単価=16200円、1−クロロナフタレンの500gの単価=13300円とブロモナフタレンが高価であった。以上から(2)のロジウム触媒を使用する方法は、原料費が高いので製造コストが高くなるという問題がある。従って、最も安価にナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を合成するには、(1)のグリニャール反応により製造し、かつ安価なクロロナフタレンを原料に使用して製造することが必要であった。
しかし、ブロモナフタレンと比較して、クロロナフタレンは、グリニャール試薬の合成において、マグネシウムとの反応性が低いため、グリニャール試薬合成において汎用されている安価なテトラヒドロフラン(THF)を溶媒として使用した場合に反応が進行しないという問題があった。この問題を解決する方法として、THFでなく、テトラヒドロピランを溶媒として使用する方法が報告されている(特許文献5参照)。しかし、テトラヒドロピランの500mLの単価は、21100円(東京化成工業)と高価であり、製造コストが高くなるという問題があった。
また、上記特許文献(特許文献5)には、クロロナフタレンのグリニャール試薬をケイ素化合物と反応させてナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物の合成についての記載はない。
一方、法規制の点から見ると、ブロモナフタレンは化審法新規化学物質であり、使用には届け出が必要であり、使用量が限られるという問題があるが、クロロナフタレンは化審法既存化学物質であり、使用には届け出の必要が無く、使用量に制限は無いという利点がある。
以上のように、電子材料の原料として有用なナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物をクロロナフタレンを原料にして、安価で大量に合成する製造方法は知られていない。
特開2008−195908号公報 特開2009−280666号公報 特表2011−518237号公報 特開2007−277168号公報 特開2008−174471号公報
J.Am.Chem.Soc.、アメリカ、1994年 2月、第116巻、3号、p1027
本発明は、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を製造する方法を提供することにある。
すなわち本発明は、一般式
Cl
(式中、Rはナフチル基を表す)
で表されるクロロナフタレン化合物とマグネシウムを、THFと芳香族有機溶媒の混合溶媒中で反応開始剤として、一般式
Br
(式中、R はフェニル基またはナフチル基であり、フェニル基またはナフチル基は、置換基を有してもよい)
で表される芳香族臭化物を加えて反応させてグリニャール試薬を調製し、これに、一般式
O−R-OR
(式中、R、Rは、脂肪族炭化水素基を表し、RとRは、同一でも良い。Rは脂肪族炭化水素基を表す。)
で表されるポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を加えて、グリニャール溶液を調製したのち、シラン化合物を反応させて、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を製造するケイ素化合物の製造方法である。
本発明によれば、工業的に有利にグリニャール試薬を調製することができる。また、本発明によれば、電子材料の原料として有用なナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を、安価で大量に合成することができる。
本発明は、一般式
Cl
(式中、Rはナフチル基を表す)
で表されるクロロナフタレン化合物とマグネシウムを、THFと芳香族有機溶媒の混合溶媒中で反応開始剤として、一般式
Br
(式中、R はフェニル基またはナフチル基であり、フェニル基またはナフチル基は、置換基を有してもよい)
で表される芳香族臭化物を加えて反応させてグリニャール試薬を調製し、これに、一般式
O−R-OR
(式中、R、Rは、脂肪族炭化水素基を表し、RとRは、同一でも良い。Rは脂肪族炭化水素基を表す。)
で表されるポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を加えて、グリニャール溶液を調製したのち、シラン化合物を反応させて、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を製造するケイ素化合物の製造方法である。
以下に本発明の具体的内容について詳細に説明する。
本発明においては一般式
Cl
で表されるクロロナフタレン化合物を使用する。
は、ナフチル基であり、置換基を有してもよい。Rは具体的には1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−(2−メチル)ナフチル基、1−(2−メトキシ)ナフチル基などが挙げられ、好ましくは1−ナフチル基、2−ナフチル基である。
Clで表されるクロロナフタレン化合物は、例えば、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−クロロナフタレンと2−クロロナフタレンの混合物、1−クロロ−2−メチルナフタレン、1−クロロ−4−メチルナフタレン、1−クロロ−6−メトキシナフタレン、1−クロロ−2−メトキシナフタレンなどが挙げられ、好ましくは1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−クロロナフタレンと2−クロロナフタレンの混合物である。
グリニャール反応で用いられるマグネシウムは、グリニャール調製で通常用いられる削状のものが好ましく用いられる。
本発明においては、マグネシウムは、好ましくはクロロナフタレン化合物に対して、1モル倍より多く、2モル倍以下用いる。当モルでは反応が実質的に完結しない場合があり、また2モル倍以上では反応終了時に未反応のマグネシウムを除去しなければならない場合がある。
マグネシウムは、クロロナフタレン化合物に対して、より好ましくは1.01〜1.5モル倍、さらにより好ましくは1.05〜1.3モル倍使用する。
本反応は、THFと芳香族有機溶媒の混合溶媒中で実施され、これにより、クロロナフタレン化合物の転化率およびグリニャール試薬の収率が向上する。
芳香族有機溶媒は、芳香族炭化水素または芳香族エーテルが好ましい。芳香族炭化水素としてはトルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、シメン、メシチレン、1−メチルナフタレン、ジメチルナフタレンなどが挙げられ、特にトルエン、キシレン、クメンが好ましい。芳香族エーテルとしてはアニソール、エトキシベンゼン、ジメトキシベンゼン、1−メトキシナフタレンなどが挙げられ、特にアニソールが好ましい。芳香族有機溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で使用するTHFおよび芳香族有機溶媒は、通常、蒸留処理、脱水剤等により脱水処理したものを用いる。THFと芳香族有機溶媒の混合溶媒の使用量は、マグネシウムに対して、通常2〜50重量倍、好ましくは5〜30重量倍である。
混合溶媒中のTHFと芳香族有機溶媒のモル比率は、通常THF/芳香族有機溶媒=1/5〜5/1であり、好ましくはTHF/芳香族有機溶媒=1/2〜2/1である。
本反応では、反応開始剤として
Br
で表される芳香族臭化物を用いる。は、フェニル基、または、ナフチル基であり、フェニル基、または、ナフチル基は、置換基を有してもよい。反応開始剤とは、マグネシウムの表面を改質し、マグネシウムとクロロナフタレン化合物との反応性を向上させるものである。一般的に用いられる反応開始剤には、ヨウ素、ジブロモエタン、ブロモエタンなどが挙げられるが、使用には安全上の注意が必要であるのに対して、芳香族臭化物は毒性、法規制がなく、安全に使用できるという利点がある。反応開始剤としてヨウ素、ジブロモエタン、ブロモエタンを用いた後に芳香族臭化物を用いても良いし、芳香族臭化物のみを用いても良い。
は、例えば、フェニル基、4−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メトキシフェニル基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、4−メトキシフェニル基、1−ナフチル基である。
Brで表される芳香族臭化物とは例えば、ブロモベンゼン、4−ブロモトルエン、4−ブロモアニソール、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレンなどが挙げられ、好ましくはブロモベンゼン、4−ブロモトルエン、4−ブロモアニソール、1−ブロモナフタレンである。
Brで表される芳香族臭化物は、1種類使用してもよく、2種以上を混合して用いても良い。
芳香族臭化物の使用量は、経済的な面も考慮すると、マグネシウムに対して、通常0.3モル倍以下が好ましく、0.05モル倍〜0.1モル倍がより好ましい。
本反応は、通常、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行われ、例えばマグネシウム、THFおよび芳香族有機溶媒からなる混合液に、クロロナフタレン化合物を添加することにより実施される。クロロナフタレン化合物の添加は、連続的であってもよいし、断続的であってもよい。反応温度は、通常、20℃〜反応液の還流温度の範囲で行い、50℃〜反応液の還流温度の範囲が好ましく、70℃〜反応液の還流温度がより好ましい。
このようにして得られたグリニャール試薬の具体的な化合物としては例えば、1−ナフチルマグネシウムクロリド、2−ナフチルマグネシウムクロリド、1−ナフチルマグネシウムクロリドと2−ナフチルマグネシウムクロリドの混合物、1−(2−メチルナフチル)マグネシウムクロリド、1−(4−メチルナフチル)マグネシウムクロリド、1−(6−メトキシナフチル)マグネシウムクロリド、1−(2−メトキシナフチル)マグネシウムクロリドなどが挙げられる。
このようにして得られたグリニャール試薬はTHF単独、または、THFと芳香族有機溶媒の混合溶媒に溶解性が悪く、反応途中でグリニャール試薬が析出して撹拌が困難な状況になる。よってグリニャール試薬を溶解させる溶媒を添加することが効果的である。
本発明では、グリニャール試薬に下記一般式
O−R-OR
で表されるポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を加えて、グリニャール溶液を調製する。
ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物のR、Rは、脂肪族炭化水素基を表し、RとRは同一でも良い。R、Rは、酸素原子を有する脂肪族炭化水素基でもよい。R、Rは、好ましくはメチル基、エチル基である。Rは脂肪族炭化水素基を表し、酸素原子を有する脂肪族炭化水素基でもよい。好ましくはジエチレングリコール構造の残基、トリエチレングリコール構造の残基、ジプロピレングリコール構造の残基、トリプロピレングリコール構造の残基を表す。
本発明で使用されるポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物は、具体的には、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられ、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテルが好ましい。
本発明においてポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物の添加量は、反応で使用するTHFの同量以下が好ましく、コスト面を考慮するとTHFに対して1/4以下が好ましい。
本発明では、グリニャール溶液を調製したのち、シラン化合物を反応させて、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を製造する。
本発明では、好ましくは一般式
4−nSiX
(式中、Rは炭化水素基を表し、Xは、ハロゲン原子、または炭素数1から5のアルコキシ基を表し、nは1から4の整数を表す。)
で表されるシラン化合物を用いる。
は炭化水素基を表し、例えば、炭素数1から10の直鎖状、分枝状、環状、架橋状炭化水素基が挙げられる。その中でグリニャール試薬との反応のし易さから炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基であるメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、分枝状炭化水素基であるイソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等が好ましい。原料入手の観点からメチル基、エチル基が特に好ましい。nが1から2のときはRが2置換以上存在することになるが、Rは同一でも異なっていても良い。
Xは、ハロゲン原子、または炭素数1から5のアルコキシ基を表し、ハロゲン原子の中では、原料が容易に入手できる塩素原子が特に好ましく、炭素数1から5のアルコキシ基ではメトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
一般式
4−nSiX
で表されるシラン化合物は、例えば、正珪酸メチル、正珪酸エチル、正珪酸プロピル、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、プロピルトリクロロシランなどが挙げられ、好ましくは正珪酸メチル、正珪酸エチルである。
ラン化合物とグリニャール試薬の反応時には、反応溶媒として芳香族有機溶媒を共存させても良い。芳香族有機溶媒としては、芳香族炭化水素が挙げられ、トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼンなどが挙げられる。本発明では好ましくはトルエン、ベンゼンが用いられ、さらに好ましくはトルエンが用いられる。これらの芳香族炭化水素を1種または、2種以上組合せて使用してもよい。芳香族炭化水素は、用いなくても良いし、用いる場合にはシラン化合物に対して0.1〜10モル倍、0.5〜5モル倍使用することが好ましい。
ラン化合物とグリニャール試薬の反応は、反応装置にシラン化合物または、シラン化合物と芳香族炭化水素の混合液を仕込み、グリニャール溶液を滴下することが好ましい。ナフタレン環が1つ置換した化合物を製造するためには、始めに仕込むシラン化合物はグリニャール試薬に対して過剰であることか好ましく、1.5当量以上がより好ましく、2当量以上がさらに好ましい。
ラン化合物とグリニャール試薬の反応温度は、20℃から反応液の還流温度の範囲が好ましく、30℃〜90℃がより好ましい。
ラン化合物とグリニャール試薬の反応時間は、30分から30時間が好ましく、1時間から10時間がより好ましい。
本発明のケイ素化合物の製造方法で製造されたケイ素化合物は、下記一般式
4−n SiX n−1
(式中、Rはナフチル基を表し、Rは炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子、または炭素数1から5のアルコキシ基を表し、nは1から4の整数を表す。)
で表される。
1はナフチル基であり、置換基を有してもよい。Rは具体的には1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−(2−メチル)ナフチル基、1−(2−メトキシ)ナフチル基などが挙げられ、好ましくは1−ナフチル基、2−ナフチル基である。
は、炭化水素基を表し、例えば、炭素数1から10の直鎖状、分枝状、環状、架橋状炭化水素基が挙げられる。その中でグリニャール試薬との反応のし易さから炭素数1〜5の直鎖状炭化水素基であるメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、分枝状炭化水素基であるイソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基等が好ましい。またはのときはRが2置換以上存在することになるが、Rは同一でも異なっていても良い。
Xは、ハロゲン原子、または炭素数1から5のアルコキシ基を表し、ハロゲン原子の中では、原料が容易に入手できる塩素原子が好ましく、炭素数1から5のアルコキシ基ではメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
一般式
4−n SiX n−1
で表されるナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物は、例えば、1−ナフチルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリエトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリエトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシランと2−ナフチルトリメトキシシランの混合物、1−ナフチルトリエトキシシランと2−ナフチルトリエトキシシランの混合物、1−ナフチルトリクロロシシラン、2−ナフチルトリクロロシラン、1−ナフチルトリクロロシランと2−ナフチルトリクロロシランの混合物、メチル(1−ナフチル)ジメトキシシラン、メチル(2−ナフチル)ジメトキシシラン、メチル(1−ナフチル)ジメトキシシランとメチル(2−ナフチル)ジメトキシシランの混合物、メチル(1−ナフチル)ジクロロシシラン、メチル(2−ナフチル)ジクロロシラン、メチル(1−ナフチル)ジクロロシランとメチル(2−ナフチル)ジクロロシランの混合物、1−(2−メチルナフチル)トリメトキシシラン、1−(2−メチルナフチル)トリエトキシシランなどが挙げられ、好ましくは1−ナフチルトリメトキシシラン、2−ナフチルトリメトキシシラン、1−ナフチルトリメトキシシランと2−ナフチルトリメトキシシランの混合物である。
生成したナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物は、反応終了後、発生したマグネシウム塩をろ過により除去した後、溶媒を濃縮等で除去し、目的物を蒸留により得ることができる。クロロマグネシウム塩((MgCl(OMe))は、溶解度が低く1回ろ過するだけで除去が可能である。一方、ブロモマグネシウム塩((MgBr(OMe))は、溶解度が良いので1回ろ過してもろ液を濃縮すると再度マグネシウム塩の沈殿が生じるのでろ過操作を繰り返す必要があり面倒である。この点からもクロロナフタレン化合物を原料に使用することは、ブロモナフタレン化合物を原料にする場合より有利である。
本発明のケイ素化合物の製造方法では、好ましくは本発明でグリニャール試薬を溶解するために用いているポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物の中でも、特にトリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点=216℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点=215℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点=212℃)を使用することが好ましい。
トリエチレングリコールジメチルエーテル(沸点=216℃)、トリプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点=215℃)、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル(沸点=212℃)を使用することにより、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を蒸留する時に、下式に示すように、
Figure 0005896356
ナフタレンのグリニャール試薬が微量の水分と反応して加水分解したナフタレン(融点=80−82℃)が、濃縮時にコンデンサーに付着することを防止することができる。これらのポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物の沸点はナフタレンの沸点(沸点=218℃)に近いため、ナフタレンを濃縮で留去する際、ナフタレンを溶解して同時に留去され、ナフタレンがコンデンサーに付着することを防ぐことができる。
本発明のケイ素化合物の製造方法では、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物とナフタレンを留去した後に、目的とするナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を純度良く蒸留精製できる。
本発明のケイ素化合物の製造方法により、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を法規制の問題が無く、安価、大量に製造できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。
以下の実施例において、測定には下記装置を使用し、原料は試薬メーカー(東京化成工業、和光純薬工業、ナカライテスク、信越化学工業)から購入した一般的な試薬を用いた。
IR測定
島津製作所製 IR Prestige−21を使用した。
GC測定
島津製作所製 GC−2010シリーズを使用した。カラムはJ&W製DB−5を使用し、面積百%で純度を算出した。
HNMR測定
日本電子製 400MHz NMR測定器を使用した。
屈折率測定
アタゴ製 アッベ屈折計 DR−A1を使用した。
融点測定
ヤナコ機器開発研究所製 微量融点測定装置 MP−J3を使用した。
実施例1
ナフチルトリメトキシシランの合成例
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、マグネシウム15.9gとTHF125g、トルエン160gを仕込み、窒素気流下、70℃に昇温した。次いで反応開始剤として4−ブロモアニソールを少量加えた後、72−74℃でクロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)100gを1時間で滴下した。滴下終了後、74℃で5時間熟成し冷却後、トリエチレングリコールジメチルエーテル54.7gを加えて沈殿を溶解し、グリニャール溶液を調製した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度はクロロナフタレンの混合物1.5%、ナフタレン97.3%であった。反応により生成したナフチルマグネシウムクロリドはメタノールと反応してナフタレンとなる。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1L4つ口フラスコに、正珪酸メチル285gを仕込み、窒素気流下、80℃に昇温し、グリニャール溶液を80〜85℃の温度で1時間で滴下した。滴下終了後、80〜85℃で3時間熟成後冷却し、反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物1.1%、ナフタレン4.4%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)81.0%、ジナフチルジメトキシシランの混合物8.6%であった。
マグネシウム塩をろ過し、ろ液の溶媒を留去し、減圧度1Torrで蒸留して、110〜115℃の留分を85.0g得た。得られた留分のGC分析の結果、GC純度99.2%で、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)であった。
ナフチルトリメトキシシラン1位置換体は下記の化学式で示される。
Figure 0005896356
得られたナフチルトリメトキシシランの混合物のスペクトルデータを下記に示す。
IR(KBr)cm−1:3055,2941、2839,1587、1504、1458,1080
mp:31−34℃
実施例2
実施例1において、反応開始剤として4−ブロモアニゾールの代わりにブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を得た。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物3.8%、ナフタレン94.6%であった。
実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を用いて、ナフチルトリメトキシシランを製造した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物3.2%、ナフタレン4.9%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)81.9%、ジナフチルジメトキシシランの混合物8.0%であった。
実施例3
実施例1において、反応開始剤として4−ブロモアニソールの代わりに1−ブロモナフタレンを、芳香族有機溶媒としてトルエンの代わりにアニソールを、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物としてトリエチレングリコールジメチルエーテルの代わりにジエチレングリコールエチルメチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を得た。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物3.0%、ナフタレン96.6%であった。
実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を用いて、ナフチルトリメトキシシランを製造した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物2.5%、ナフタレン9.6%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)77.8%、ジナフチルジメトキシシランの混合物6.1%であった。
実施例4
実施例1において、反応開始剤として4−ブロモアニソールの代わりに1−ブロモナフタレンを、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物としてトリエチレングリコールジメチルエーテルの代わりにジエチレングリコールジエチルエーテルを用いた以外は実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を得た。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物0%、ナフタレン96.3%であった。
実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を用いて、ナフチルトリメトキシシランを製造した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物0%、ナフタレン6.3%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)80.6%、ジナフチルジメトキシシランの混合物7.0%であった。
実施例5
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた1L4つ口フラスコに、マグネシウム31.4gとTHF804gを仕込み、窒素気流下、45℃に昇温した。次いで反応開始剤としてブロモベンゼンを少量加えた後、加熱還流しながらクロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)200gとトルエン120gの溶液を4時間で滴下した。滴下終了後、15時間加熱還流し、冷却後、ジエチレングリコールジエチルエーテル100gを加えて沈殿を溶解してグリニャール溶液を調製した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物3.7%、ナフタレン93.8%であった。
実施例1と同様にして、ナフチルマグネシウムクロリドの溶液を用いて、ナフチルトリメトキシシランを製造した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物2.2%、ナフタレン18.9%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)63.4%、ジナフチルジメトキシシランの混合物6.1%であった。
実施例6
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた100mL4つ口フラスコに、マグネシウム3.1gとTHF25g、トルエン32gを仕込み、窒素気流下、70℃に昇温した。次いで反応開始剤として4−ブロモアニソールを少量加えた後、72−75℃でクロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)20gを1時間で滴下した。滴下終了後、75℃で5時間熟成し冷却後、トリエチレングリコールジメチルエーテル10.7gを加えて沈殿を溶解し、グリニャール溶液を調製した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物2.5%、ナフタレン96.6%であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコに、正珪酸メチル41.2g、トルエン18gを仕込み、窒素気流下、78℃まで昇温し、グリニャール溶液を76〜78℃の温度で1時間で滴下した。滴下終了後、75〜78℃で3時間熟成後冷却し、反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物2.7%、ナフタレン6.6%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)82.3%、ジナフチルジメトキシシランの混合物10.9%であった。
実施例7
1−ナフチルトリエトキシシランの合成例
実施例1において、クロロナフタレンの混合物の代わりに1−クロロナフタレンを用い、有機シランとして正珪酸メチルの代わりに正珪酸エチルを用いた以外は実施例1と同様にして、1−ナフチルトリエトキシシランを製造した。
減圧度0.1Torrで蒸留して、121〜123℃の留分を得た。得られた留分のGC分析の結果、GC純度99.3%で、1−ナフチルトリエトキシシランであった。1―ナフチルトリエトキシシランは下記の化学式で示される。
Figure 0005896356
得られた1−ナフチルトリエトキシシランのスペクトルデータを下記に示す。
H−NMR(CDCl3:δ):1.28(t,9H),3.92(q,6H),7.46−7.54(m,2H),7.68−7.73(m,H),7.78−7.90(m,3H),8.21(s,H)
20:1.527
比較例1
溶媒のTHFを単独で使用した場合
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた100mL4つ口フラスコに、マグネシウム3.1gとTHF35.5gを仕込み、窒素気流下、46℃に昇温した。次いで、反応開始剤としてジブロモエタンを少量加えた後、昇温して加熱還流しながら1時間でクロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)20.1gを滴下した。2時間加熱還流し冷却後、反応液の一部をサンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物100%であった。ナフチルマグネシウムクロリドの生成は確認できなかった。
比較例2
反応開始剤としてクロロナフタレンの混合物を加えた場合
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた100mL4つ口フラスコに、マグネシウム3.1gとTHF10gを仕込み、窒素気流下、62℃に昇温した。次いで、反応開始剤としてクロロナフタレンの混合物を少量加えた後、昇温して加熱還流しながら、クロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)19.4g、THF17.4g、トルエン11.5gの溶液を1時間で滴下した。ジエチレングリコールジエチルエーテル20gを加えて、3.5時間加熱還流し冷却後、反応液の一部をサンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物47.7%、ナフタレン50.5%であった。ナフチルマグネシウムクロリドの生成収率は悪かった。
比較例3
溶媒のTHFの代わりにジブチルエーテルを使用した場合
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた100mL4つ口フラスコに、マグネシウム3.9gとジブチルエーテル20.8gを仕込み、窒素気流下、40℃に昇温した。次いで反応開始剤として1−ブロモナフタレンを少量加えた後、84℃でクロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)23.4gとジブチルエーテル42.8gの溶液を3時間で滴下した。滴下終了後、88℃で2.5時間熟成し冷却後、反応液の一部をサンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物76.1%、ナフタレン22.7%であった。ナフチルマグネシウムクロリドの生成収率は悪かった。
比較例4
溶媒のTHFの代わりにジエチレングリコールエチルメチルエーテルを使用した場合
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコに、マグネシウム6.5gとジエチレングリコールエチルメチルエーテル73g、トルエン23gを仕込み、窒素気流下、79℃に昇温した。次いで反応開始剤としてブロモベンゼンを少量加えた後、80−84℃でクロロナフタレンの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)40gを2時間で滴下した。滴下終了後、80℃で3.5時間熟成し冷却後、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル18gを加えて沈殿を溶解し、グリニャール溶液を調製した。反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物1.5%、ナフタレン97.7%であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mL4つ口フラスコに、正珪酸メチル112gを仕込み、80℃に昇温し、グリニャール溶液を80〜85℃で1時間滴下した。滴下終了後、80〜85℃で3.5時間熟成後冷却し、反応液を一部サンプリングし、メタノール/THF中に加えてGC分析した結果、GC純度は、クロロナフタレンの混合物1.4%、ナフタレン38.9%、ナフチルトリメトキシシランの混合物(1位置換体:2位置換体=9:1)53.9%、ジナフチルジメトキシシランの混合物2.3%であった。ナフチルマグネシウムクロリドの生成収率は悪かった。グリニャール試薬を調製した時点でナフタレンが多量に生じていた。
比較例5
ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を加えなかった場合
攪拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた200mL4つ口フラスコに、マグネシウム2.8g、THF21g、アニソール26gを仕込み、窒素気流下、70℃に昇温した。次いで反応開始剤として1−ブロモナフタレンを少量加えた後、72−75℃でクロロナフタレンの混合物(1置換体:2置換体=9:1)17.6gを1時間で滴下した。滴下終了後、72−77℃で5時間熟成後冷却したところ、グリニャール試薬が析出しフラスコ全体がスラリー状になり攪拌が困難になった。

Claims (3)

  1. 一般式
    1Cl
    (式中、R1はナフチル基を表す)
    で表されるクロロナフタレン化合物とマグネシウムを、THFと芳香族有機溶媒の混合溶媒中で反応開始剤として、一般式
    Br
    (式中、R はフェニル基またはナフチル基であり、フェニル基またはナフチル基は、置換基を有してもよい)
    で表される芳香族臭化物を加えて反応させてグリニャール試薬を調製し、これに、一般式
    O−R-OR
    (式中、R、Rは、脂肪族炭化水素基を表し、RとRは同一でも良い。Rは脂肪族炭化水素基を表す。)
    で表されるポリアルキレングリコールジアルキルエーテル化合物を加えて、グリニャール溶液を調製したのち、シラン化合物を反応させて、ナフタレン環が1つ置換したケイ素化合物を製造するケイ素化合物の製造方法。
  2. シラン化合物が、一般式
    4−nSiX
    (式中、Rは炭化水素基を、Xはハロゲン原子、または炭素数1から5のアルコキシ基、nは1から4の整数を表す。)
    で表され、ケイ素化合物が、下記一般式
    4−n SiX n−1
    (式中、Rはナフチル基を表し、Rは炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子、または炭素数1から5のアルコキシ基を表し、nは1から4の整数を表す。)
    で表される請求項1に記載のケイ素化合物の製造方法。
  3. グリニャール溶液をシラン化合物の溶液に滴下する請求項1または請求項2に記載のケイ素化合物の製造方法。
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