JP2007145811A - ビフェニル誘導体の製造方法 - Google Patents

ビフェニル誘導体の製造方法 Download PDF

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【課題】安価で容易に入手可能な原料を使用することにより工業的に生産性に優れたビフェニル誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるビフェニル誘導体の製造方法において、下記一般式(2)で示されるベンゼン誘導体の塩素原子をマグネシウム金属と反応させ、グリニャール試薬に転化し、該グリニャール試薬同士を触媒存在下でカップリング反応させることを特徴とする。


Figure 2007145811




Figure 2007145811

(ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜4の整数、a及びbは、整数でありaとbの合計が1〜8とする。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ビフェニル誘導体の製造方法に関し、さらに詳しくは、工業的に優れたビフェニル誘導体の製造方法に関する。
ビフェニル誘導体は、有機化学・高分子化学分野で広く用いられる化合物であり、ファインケミカル、医農薬原料、樹脂・プラスチック原料、電子情報材料、光学材料など、工業用途として多岐にわたる分野で有用な化合物である。
ビフェニル誘導体の製造方法としては、芳香族ハロゲン化物を出発基質とすることが知られている。特許文献1はニッケル触媒存在下で、芳香族塩素化物のグリニャール試薬と芳香族臭素化物とを反応させる方法を提案している。一方、非特許文献1及び2は、芳香族ヨウ素化物又は芳香族臭素化物をマグネシウムと反応させ、グリニャール試薬に転化した後、塩化鉄(III)触媒を用い、酸化剤の共存下、グリニャール試薬同士をカップリングさせる製造方法を提案している。
しかし、特許文献1に記載された方法では、グリニャール試薬と反応させる基質が芳香族塩素化物になった場合、ビフェニル誘導体の収率は低く、工業的に適用できるものではなかった。また、非特許文献1及び2に記載された製造方法は、出発基質として反応性が高いものの、高価な芳香族ヨウ素化物又は芳香族臭素化物を使用するため、製造されたビフェニル誘導体も高価なものとなってしまっていた。
特開昭63−295520号公報(実施例1,2,3,4) オーガニック・レターズ(ORGANIC LETTERS) Vol.7,No.3 (2005),491−493 オーガニック・レターズ(ORGANIC LETTERS) Vol.7,No.10 (2005),1943−1946
本発明の目的は、安価で容易に入手可能な原料を使用することにより工業的に生産性に優れたビフェニル誘導体の製造方法を提供することである。
本発明のビフェニル誘導体の製造方法は、下記一般式(1)で示されるビフェニル誘導体の製造方法において、下記一般式(2)で示されるベンゼン誘導体の塩素原子をマグネシウム金属と反応させ、グリニャール試薬に転化し、該グリニャール試薬同士を触媒存在下でカップリング反応させることを特徴とする。
Figure 2007145811
(ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、nは、1〜4の整数とする。)
Figure 2007145811
(ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、nは、1〜4の整数とする。)
本発明のビフェニル誘導体の製造方法は、安価な芳香族塩素化物を出発基質として使用することから、低コストでグリニャール試薬を中間体として生成することができ、このグリニャール試薬同士をカップリング反応させることにより効率的にビフェニル誘導体を高い生産性の下に製造することができる。
以下に本発明の詳細を記載する。
本発明のビフェニル誘導体の製造方法は、下記一般式(2)で示されるベンゼン誘導体を出発基質とする。
Figure 2007145811
(ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、nは、1〜4の整数とする。)
前記式(2)において、nは、1〜4の整数であり、好ましくは1である。nが1のときに、より安価な出発基質が使用でき、さらに本反応において置換基による立体的な反応阻害効果が少ないためより効率的に反応が進行するからである。
出発基質の具体例としては、o−クロロベンゾトリフルオライド、m−クロロベンゾトリフルオライド、p−クロロベンゾトリフルオライド、ジ(トリフルオロメチル)−クロロベンゼン、トリ(トリフルオロメチル)−クロロベンゼン、テトラ(トリフルオロメチル)−クロロベンゼン、o−クロロ−フルオロベンゼン、m−クロロ−フルオロベンゼン、p−クロロ−フルオロベンゼン、クロロ−ジフルオロベンゼン、クロロ−トリフルオロベンゼン、クロロ−テトラフルオロベンゼンなどが挙げられ、中でも好ましいのは、o−クロロベンゾトリフルオライド、m−クロロベンゾトリフルオライド、p−クロロベンゾトリフルオライド、o−クロロ−フルオロベンゼン、m−クロロ−フルオロベンゼン、p−クロロ−フルオロベンゼンである。
本発明において、前記式(2)のベンゼン誘導体の塩素原子をマグネシウム金属と反応させて、グリニャール試薬に転化する。グリニャール試薬への転化反応は、特に制限されることなく、公知の転化反応を利用することができる。
マグネシウム金属は、特に限定されないが、粉末状のものを用いることが好ましい。
グリニャール試薬に転化する反応は、脱水された系で行われる。脱水した溶媒を用いること或いは安価なグリニャール試薬を添加し、水を除去することが好ましい。
また、マグネシウム金属の表面酸化皮膜をとり、反応性を高めるため、ヨウ素、臭素或いは、これらを含む安価な化合物を添加するとよい。このような化合物の例としては、ヨウ化メチル、臭化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチル等が好ましく挙げられる。
本発明の製造方法において、グリニャール試薬同士のカップリング反応に用いられる触媒は、Fe、Ag、Cu、Co、Zn、Ni、Pd金属またはその化合物が好ましく挙げられ、化合物としては、これら金属の塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、アセチルアセトナート塩、炭酸塩、水酸化物、硝酸塩が好ましく用いられる。中でも塩化第一鉄(II)、塩化第二鉄(III)、臭化第一鉄、臭化第二鉄が好ましい。
また、触媒の使用量は、出発基質1モルに対し、0.01モル%〜20モル%を用いるのが好ましく、0.05モル%〜10モル%がさらに好ましい。触媒の使用量を上記の範囲とすることにより、カップリング反応を効率良くかつ経済的に行うことができる。
本発明の製造方法は、カップリング反応を酸化剤の共存下で行うことが好ましい。酸化剤共存下では、カップリング反応で還元された触媒が容易に酸化され、再生されるため、触媒のターンオーバー数が向上し、反応収率が向上するからである。
酸化剤としては、金属を酸化できるものであれば、特に限定されるものではないが、取り扱いおよび生成物との分離の観点から、ハロゲン化脂肪族炭化水素が好ましく、炭素数1〜5のハロゲン化脂肪族炭化水素がより好ましい。具体的には、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモメタン、ジブロモメタン、トリブロモメタン、テトラブロモメタン、クロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、ブロモエタン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テトラブロモエタン、クロロプロパン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、クロロブタン、ジクロロブタン、クロロペンタン、ジクロロペンタン、ブロモプロパン、ジブロモプロパン、トリブロモプロパン、ブロモクロロメタン、ブロモクロロエタンなどが挙げられる。中でも好ましいのは、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロエタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、ブロモメタン、ジブロモメタン、ブロモエタン、ジブロモエタン、ジブロモプロパンであり、さらに好ましくは、ジクロロプロパンである。
また、酸化剤の使用量は、出発基質1モルに対し、0.1モル倍量〜5モル倍量用いるのが好ましく、0.2モル倍量〜3モル倍量がより好ましい。0.1モル倍量より少ないと酸化剤による触媒再生の効果が少なく、5モル倍量よりも多いと、未反応の酸化剤が残存し、目的物の単離精製で負荷がかかり、非効率的である。
本発明の製造方法に用いる溶媒は、反応を効率よく進行させることができるものであれば、いずれの溶媒でも任意に選択できるが、好ましくは、グリニャール試薬が生成しやすいエーテル系溶媒が好ましい。溶媒の具体例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロプロピルメチルエーテル、メチル−ターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。中でも好ましいのは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、シクロプロピルメチルエーテル、メチル−ターシャリーブチルエーテルである。
また、溶媒の使用量については、前記式(2)で示されるベンゼン誘導体、グリニャール試薬および生成物の溶解性やスラリー濃度または反応液の性状に応じ、任意の量で構わないが、好ましくは、前記式(2)で示されるベンゼン誘導体に対し、0.5〜100モル倍量である。0.5モル倍量未満だと、グリニャール試薬の収率が低くなり、100モル倍量を超えると生産性が悪く、非経済的なプロセスとなる。
本発明の製造方法において、カップリング反応の反応温度は、45〜100℃が好ましく、55〜70℃がさらに好ましい。反応温度が45℃より低いと、反応がほとんど進行せず、例え反応が進行したとしても、途中で停止することがあり、また反応温度が100℃を超えると、グリニャール試薬が反応する前に分解することがあり好ましくない。
本発明の製造方法において、カップリング反応の際に、目的とする下記一般式(1)で示されるビフェニル誘導体と共に、下記一般式(3)で示されるハロゲン化ビフェニル誘導体が副生することから、ビフェニル誘導体を含む組成物が得られる。
Figure 2007145811
(ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、nは、1〜4の整数とする。)
Figure 2007145811
(ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜4の整数、a及びbは、整数でありaとbの合計が1〜8とする。)
本発明の製造方法によって得られたビフェニル誘導体を含む組成物は、前記式(3)で示されるハロゲン化ビフェニル誘導体の含量が20重量%以下であることが好ましく、0.01重量%〜20重量%がより好ましい。ハロゲン化ビフェニル誘導体が20重量%を超えると、ファインケミカル、医農薬原料、樹脂・プラスチック原料、電子情報材料、光学材料などの原料として用いると、最終製品の品質低下を引き起こすからである。すなわち、最終製品の純度低下、着色、強度低下、光学特性低下などの品質上の問題が発生し好ましくない。
従って、本発明の製造方法において、副生するハロゲン化ビフェニル誘導体の含量が多い場合には、得られたカップリング反応液からハロゲン化ビフェニル誘導体の分離除去操作を行い、その含量をできる限り少なくし、目的のビフェニル誘導体を単離することが好ましい。単離方法は、蒸留精製法、晶析法、抽出法、シリカ等によるカラム分離、擬似移動床吸着分離法などが好ましく挙げられ、いずれの単離方法を用いてもよいが、なかでも蒸留精製がより好ましい。また、これら単離方法のうち複数の方法を組み合わせて精製し、さらに純度を高めることもできる。
本発明において、反応液中に、活性なマグネシウム等が残存している可能性があることから、反応液に水又は酸性水を加え、反応で生成したマグネシウム塩を水相に除去した後、得られた油相から、ビフェニル誘導体を単離する方法が好ましい。例えば、蒸留精製法は、単蒸留、精留、減圧蒸留、常圧蒸留のいずれを用いても構わないが、好ましくは、減圧蒸留が用いられる。蒸留精製において、目的のビフェニル誘導体よりハロゲン化ビフェニル誘導体の方が高沸点であるため、ビフェニル誘導体を留出させ、ハロゲン化ビフェニル誘導体をできる限り留出させずに、缶残等に残すなどの蒸留操作が必要である。
本発明の製造方法は、いずれかの単離方法で、得られたビフェニル誘導体中のハロゲン化ビフェニル誘導体含量を0.01重量%〜20重量%にすることが好ましく、さらに好ましくは0.01重量%〜5重量%とするとよい。ハロゲン化ビフェニル誘導体含量を上記の範囲内とすることにより、ビフェニル誘導体を原料とする最終製品の純度、着色、強度、光学特性などの品質を維持することができる。
本発明の製造方法により得られたビフェニル誘導体は、多岐にわたる分野で種々の化合物へ変換することが可能であり、安価かつ効率よく工業的に得られることの意義は大きい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いている試薬類のメーカーグレードは、記載のない限りいずれも1級レベル以上に相当するものである。
実施例1
テトラヒドロフラン143.6g(1.99mol;nacalai tesque社製)、マグネシウム粉末16.1g(0.664mol;中央工産社製)、を温度計付き反応器に投入し、系内を窒素置換しながら、撹拌した。ターシャリー-ブチルマグネシウムクロライド2g(0.017mol;東京化成社製)を添加し、系内の水分を除去した。次にo−クロロベンゾトリフルオライド10g(0.0554mol;MITENI社製)を投入し、続いて、臭化エチル2g(0.018mol;nacalai tesque社製)を加えた。暫く撹拌し、発熱が起こることを確認した。次に反応液温度35〜50℃に保ちながら、o−クロロベンゾトリフルオライド90g(0.499mol)を滴下した。滴下終了後、45℃で3時間撹拌しながら、熟成した。グリニャール試薬の収率は91%であった。
次に、塩化鉄(III)2.70g(0.0166mol;和光純薬社製)にテトラヒドロフラン3g(0.04mol)を加えた液に、1,2−ジクロロエタン65g(0.664mol;nacalai tesque社製)を加え、触媒含有溶液を調製した。これを上記グリニャール試薬溶液に、反応液温度45〜60℃に保ちながら滴下し、カップリング反応を行った。滴下終了後、65℃で3時間反応を行った。反応終了後、冷却し、反応液を水に展開し、ジエチルエーテル(nacalai tesque社製、特級)で油層を抽出し、これに内部標準物質であるアセトフェノン(nacalai tesque社製、特級)を加えて、ガスクロマトグラフィー法(カラム:GLサイエンス社製:イナートキャップ1 長さ60m×径0.25mm、膜厚0.40μm)で分析した。o−クロロベンゾトリフルオライドに対する2,2′−トリフルオロメチルビフェニルの収率は69%であった。また、副生したクロロ2,2′−トリフルオロメチルビフェニルは、2,2′−トリフルオロメチルビフェニルに対して、11重量%であった。
実施例2
実施例1において、触媒を塩化鉄(III)から鉄(III)アセチルアセトナート5.86g(0.0166mol;和光純薬社製)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。o-クロロベンゾトリフルオライドに対する2,2′−トリフルオロメチルビフェニルの収率は48%であった。また、副生したクロロ2,2′−トリフルオロメチルビフェニルは、2,2′−トリフルオロメチルビフェニルに対して、6.7重量%であった。
実施例3
実施例1において、1,2−ジクロロエタンを1,2−ジブロモエタン124.7g(0.664mol;和光純薬社製)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。o−クロロベンゾトリフルオライドに対する2,2′−トリフルオロメチルビフェニルの収率は38%であった。また、副生したクロロ2,2′−トリフルオロメチルビフェニルは、2,2′−トリフルオロメチルビフェニルに対して、29重量%であった。
実施例4
実施例1において、1,2−ジクロロエタンを1,2−ジクロロプロパン75.0g(0.664mol;和光純薬社製)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。o−クロロベンゾトリフルオライドに対する2,2′−トリフルオロメチルビフェニルの収率は72%であった。また、副生したクロロ2,2′−トリフルオロメチルビフェニルは、2,2′−トリフルオロメチルビフェニルに対して、8.5重量%であった。
実施例5
実施例4において、塩化鉄(III)2.70g(0.0166mol;和光純薬社製)にテトラヒドロフラン3g(0.04mol)を加えた液に、1,2−ジクロロプロパン75.0g(0.664mol;和光純薬社製)を加えた触媒含有溶液へ反応液温度を45〜60℃に保ちながら、グリニャール試薬溶液を滴下した以外は、実施例4と同様に反応を行った。o−クロロベンゾトリフルオライドに対する2,2′−トリフルオロメチルビフェニルの収率は73%であった。また、副生したクロロ2,2′−トリフルオロメチルビフェニルは、2,2′−トリフルオロメチルビフェニルに対して、1.7重量%であった。
実施例6
実施例1において、o−クロロベンゾトリフルオライドをm−クロロベンゾトリフルオライド(MITENI社製)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。m−クロロベンゾトリフルオライドに対する3,3′−トリフルオロメチルビフェニルの収率は41%であった。また、副生したクロロ3,3′−トリフルオロメチルビフェニルは、3,3′−トリフルオロメチルビフェニルに対して、10.5重量%であった。
実施例7
実施例4において、o−クロロベンゾトリフルオライド10gをp−クロロフルオロベンゼン7.2g(0.0554mol;和光純薬社製)に変更し、およびo−クロロベンゾトリフルオライド90gをp−クロロフルオロベンゼン65.2g(0.499mol;和光純薬社製)に変更した以外は、実施例4と同様に反応を行った。p−クロロフルオロベンゼンに対する4,4′−ジフルオロビフェニルの収率は55%であった。また、副生したクロロ4,4′−ジフルオロビフェニルは、4,4′−ジフルオロビフェニルに対して、3.5重量%であった。
比較例1
テトラヒドロフラン143.6g(1.99mol;nacalai tesque社製)、マグネシウム粉末16.1g(0.664mol;中央工産社製)、を温度計付き反応器に投入し、系内を窒素置換しながら、撹拌した。ターシャリー-ブチルマグネシウムクロライド2g(0.017mol;東京化成社製)を添加し、系内の水分を除去した。次にo−クロロベンゾトリフルオライド10g(0.0554mol;MITENI社製)を投入し、続いて、臭化エチル2g(0.018mol;nacalai tesque社製)を加えた。暫く撹拌し、発熱が起こることを確認した。次に反応液温度35〜50℃に保ちながら、o−クロロベンゾトリフルオライド90g(0.499mol)を滴下した。滴下終了後、45℃で3時間撹拌しながら、熟成した。グリニャール試薬の収率は91.0%であった。
次に、無水塩化ニッケル3.59g(0.028mol;nacalai tesque社製)をテトラヒドロフラン30gに溶かした溶液を上記グリニャール試薬溶液に、液温40℃で保持しながら、ゆっくりと投入した。次に、反応温度60℃に保ちながらo−クロロベンゾトリフルオライド100gを滴下した。反応終了後、実施例1と同様にしてガスクロマトグラフィー法で分析した。o−クロロベンゾトリフルオライドに対する2,2′-トリフルオロメチルビフェニルの収率は2%であった。また、クロロ2,2′-トリフルオロメチルビフェニルの副生は認められなかった。
実施例8
実施例1で得られた反応液100gを300mlの分液ロートに入った3%塩酸水溶液100gに投入し、室温で30分間良く混合し、30分静置した。静置後、分液して、油相78.3gを取得した。そして、この油相を減圧下で単蒸留した。初留カット後、真空度1.33kPaの条件下、100〜130℃での留出分17.3gを取得した。取得した留出液中の2,2′-トリフルオロメチルビフェニルの濃度は95.6重量%であり、クロロ2,2′-トリフルオロメチルビフェニルの濃度は3.5重量%であった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示されるビフェニル誘導体の製造方法において、下記一般式(2)で示されるベンゼン誘導体の塩素原子をマグネシウム金属と反応させ、グリニャール試薬に転化し、該グリニャール試薬同士を触媒存在下でカップリング反応させるビフェニル誘導体の製造方法。
    Figure 2007145811
    (ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、nは、1〜4の整数とする。)
    Figure 2007145811
    (ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、nは、1〜4の整数とする。)
  2. 前記式(2)において、前記置換基Aの数nが1である請求項1に記載のビフェニル誘導体の製造方法。
  3. 前記触媒が、Fe、Ag、Cu、Co、Zn、Ni、Pdから選ばれる少なくとも1つの金属又はその化合物である請求項1又は2に記載のビフェニル誘導体の製造方法。
  4. 前記カップリング反応が、酸化剤の共存下で行われる請求項1〜3のいずれかに記載のビフェニル誘導体の製造方法。
  5. 前記酸化剤が、ハロゲン化脂肪族炭化水素である請求項4に記載のビフェニル誘導体の製造方法。
  6. 前記カップリング反応の反応温度が、45〜100℃である請求項1〜5のいずれかに記載のビフェニル誘導体の製造方法。
  7. 前記ビフェニル誘導体を蒸留精製し、下記一般式(3)で示されるハロゲン化ビフェニル誘導体の含有量を0.01重量%〜20重量%とする請求項1〜6のいずれかに記載のビフェニル誘導体の製造方法。
    Figure 2007145811
    (ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜4の整数、a及びbは、整数でありaとbの合計が1〜8とする。)
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法で得られたビフェニル誘導体を含む組成物であって、下記一般式(3)で示されるハロゲン化ビフェニル誘導体の含有量が0.01重量%〜20重量%であるビフェニル誘導体組成物。
    Figure 2007145811
    (ただし、Aは、トリフルオロメチル基、フッ素から選ばれる少なくとも1つを表し、Xは、ハロゲン原子を表し、nは、1〜4の整数、a及びbは、整数でありaとbの合計が1〜8とする。)
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