以下に、本発明にかかる実施の形態1、2を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる部品供給装置(テープフィーダ)5の構成について、図1−3を用いて説明する。部品供給装置5は、基板に半導体部品やチップ部品などの部品を実装する装置である部品実装装置(図示せず)に用いられ、部品実装装置内において部品を収容したキャリアテープを送ることにより、部品実装装置に部品を供給する。
まず図1を参照して、部品供給装置5の構成および機能を説明する。図1に示すように、部品供給装置5は本体部5aを備える。本体部5aの下面を部品実装装置のフィーダベース12aに沿わせるように固定して、部品供給装置5が部品実装装置内に固定装着される。なお、本明細書では、図1における左右方向をX方向、前後方向をY方向、上下方向をZ方向とする。
本体部5aの内部には、供給リール(図示せず)から引き出されたキャリアテープ14を導くテープ経路5cが設けられている。テープ経路5cは、本体部5aに開口したテープ導入口5dから、部品実装装置の実装ヘッド9によって部品が取り出される部品吸着位置P1まで連通して設けられている。テープ経路5cにおいてキャリアテープ14が送られる方向をテープ送り方向Dとする。テープ導入口5dは、本体部5aのテープ送り方向Dの上流端部に位置される。部品実装装置にて部品実装作業を継続して実行する過程においては、1つの供給リールへの収納分を単位ロットとする複数のキャリアテープ14が、部品供給装置5のテープ導入口5dからテープ経路5c内に順次挿入される。
本実施の形態1に示す部品実装装置においては、先行して送られるキャリアテープ14(1)(以下、先行テープ14(1)と略記する)の末尾端部(後端部)と、先行テープ14(1)の後に後続して送られるキャリアテープ14(2)(以下、後続テープ14(2)と略記する)の先頭端部(前端部)とを継ぎ合わせるテープスプライシングを行うことなく、それぞれが分離された状態のまま、テープ導入口5dに順次挿入して供給するスプライシングレス方式を採用している。
テープ経路5cにおけるテープ送り方向Dの上流側、下流側には、それぞれ第1の駆動装置20A、第2の駆動装置20Bが配設されている。第1の駆動装置20Aは、テープ導入口5dに対しテープ送り方向Dの下流側近傍に配置され、第2の駆動装置20Bは、部品吸着位置P1の近傍に配置される。第1の駆動装置20A、第2の駆動装置20Bは、(第1の)スプロケット21A、(第2の)スプロケット21Bをそれぞれモータ(図示せず)で回転駆動させることにより、スプロケット21A、21Bに係合しているキャリアテープ14をテープ送り方向Dへ送る。
テープ送り方向Dの上流側に設けられた第1の駆動装置20Aは、テープ導入口5dから導入されたキャリアテープ14をテープ送り方向Dの下流側に送る機能を有している。図2に示すように、第1の駆動装置20Aのスプロケット21Aは、キャリアテープ14の送り孔14dに係合する複数の送り歯21aを有する。スプロケット21Aをモータによって回転駆動させるとともに、複数の送り歯21aをキャリアテープ14の送り孔14dに嵌入させてキャリアテープ14と係合された状態で回転させることで、キャリアテープ14がテープ送り方向Dにピッチ送りされる。図2では、スプロケット21Aを反時計回り(回転方向R)に回転させると、キャリアテープ14がテープ送り方向Dの下流側に送られる。なお、図2ではスプロケット21Bを図示しているが、これは説明のために図示するものであり、スプロケット21Aとスプロケット21Bの配置関係は図1と異なっている。
テープ送り方向Dの下流側に設けられた第2の駆動装置20Bは、キャリアテープ14を実装ヘッド9により部品が取り出される部品吸着位置P1に向かってテープ送り方向Dへピッチ送りする。第2の駆動装置20Bの上方には、キャリアテープ14をガイドするテープ押さえ部23が配設されている。テープ押さえ部23の取り出し開口部23aを介して、キャリアテープ14に保持された部品が実装ヘッド9の吸着ノズル9aによって取り出される。すなわち、開口部23aに存在する部品吸着位置P1に部品を位置決めする様に、部品供給装置5は部品実装装置に部品が収納されたキャリアテープ14を供給する。
また、第1の駆動装置20A、第2の駆動装置20Bのスプロケット21A、21Bの動作モードとしては、キャリアテープ14をテープ送り方向Dに送る回転方向R、R’およびその逆方向への空転が許容される空転モードと、モータによって回転方向R、R’又はその逆方向に回転駆動される駆動モードとが存在する。空転モードと駆動モードの切り替えは、後述する部品供給装置5が備える制御部26によって制御される。
第1の駆動装置20Aのスプロケット21Aの下方には、キャリアテープ14をスプロケット21Aの外周面に対してテープ厚み方向(Z方向)に付勢することにより、スプロケット21Aの送り歯21aとキャリアテープ14の送り孔14dとを係合させる第1の付勢部30が配設されている。第1の付勢部30は、スプロケット21Aとの間にテープ経路5cを画定する。第1の付勢部30は通常、図2に示す圧縮バネ33によって上方に付勢されている。第1の付勢部30によってキャリアテープ14がスプロケット21A側に付勢されるテープ経路5c内の位置を第1の付勢位置P2とする。
また本体部5aにおいて、テープ経路5cをテープ厚み方向(Z方向)に挟んで第1の付勢部30とは逆側、かつ第1の付勢位置P2のテープ送り方向Dの下流側近傍には、揺動部41が配置されている。揺動部41は、一端側に接触端部41aを、他端側に検出端部41bを有し、接触端部41aと検出端部41bとの間にある支点41cを中心として、上下方向に揺動する。この揺動部41は、第1の付勢位置P2でのキャリアテープ14の先行テープ14(1)と後続テープ14(2)との重なり状態などに応じて上下方向に揺動する。
なお、本実施の形態1における揺動部41は、2つの揺動部、すなわち第1の揺動部48Aと第2の揺動部48Bにより構成されている。第1の揺動部48Aは、テープ経路5cに対してテープ厚み方向の上側に配置されるとともに、一端に(第1の)接触端部41aを有し、支点41cとは異なる支点41eを中心として上下方向に揺動する。第2の揺動部48Bは、テープ経路5cに対してテープ厚み方向の上側に配置されるとともに、第1の揺動部48Aの(第1の)接触端部41aとはテープ幅方向(Y方向)において異なる位置に(第2の)接触端部41dを設けた一端と、検出端部41bを設けた他端とを有する。第2の揺動部48Bは、支点41cにて第1の揺動部48Aと接続しており、第1の揺動部48Aとの接続箇所である支点41cを揺動支点として上下方向に揺動する。第2の揺動部48Bの揺動支点である支点41cは、第1の揺動部48Aにおいて、第1の揺動部48Aの揺動支点である支点41eよりも接触端部41a側に位置される。
第1の揺動部48Aの接触端部41aは、第1の揺動部48Aの一端側にて下方に突出した突起部である。同様に、第2の揺動部48Bの接触端部41d及び検出端部41bもそれぞれ、第2の揺動部48Bの一端側及び他端側にて下方へ突出した突起部である。
また図2に示すように、第1の揺動部48Aには、第2の揺動部48Bの下側への揺動を相対的に規制する第2の揺動部48Bに対するストッパーとなる突起部49が設けられている。
図2に示すように、第1の揺動部48Aには第2の付勢部46が取り付けられている。本実施の形態1における第2の付勢部46は、支点41eに取り付けられたバネ(図示せず)と、第1の揺動部48Aの他端に取り付けられたローラとにより構成される。第2の付勢部46は、テープ経路5c内の先行テープ14(1)をテープ厚み方向に付勢する(本実施の形態1では下方に付勢する)。第2の付勢部46によってキャリアテープ14がテープ厚み方向に付勢可能なテープ経路5c内の位置を第2の付勢位置P3とする。第2の付勢部46は、第2の付勢位置P3において、先行テープ14(1)によってテープ厚み方向に移動が制限される位置と移動が制限されない位置との間で移動可能である。第2の付勢部46は、先行テープ14(1)によって移動が制限されない場合(先行テープ14(1)がテープ経路5c内の第2の付勢位置P3をテープ送り方向Dに通過する等して第2の付勢位置P3にない場合)、第1の揺動部48Aを接触端部41aが上昇する方向に相対的に付勢する。
また本体部5aにおいて、第2の揺動部48Bにおける検出端部41bの高さ位置を検出するための第1の検出手段42が設けられている。本実施の形態1における第1の検出手段42としては、例えば光の遮光を利用したフォトセンサ43が用いられている。第1の検出手段42のフォトセンサ43は、第2の揺動部48Bの検出端部41bを挟むように配置されている。第1の検出手段42は、検出端部41bがフォトセンサ43の検出光を遮断する高さ位置にあるか否かを検出する。
また本体部5aにおいて、第1の付勢部30によってキャリアテープ14が付勢される付勢位置P2に対してテープ送り方向Dの下流側には、テープ経路5c内におけるキャリアテープ14の有無を検出するための第2の検出手段44(図1)が設けられている。第2の検出手段44はテープ経路5cを挟むように配置されるとともに、第1の検出手段42と同様にフォトセンサ45が用いられている。第2の検出手段44は、キャリアテープ14がフォトセンサ45の検出光を遮断する位置にあるか否かを検出し、テープ経路5cの所定位置におけるキャリアテープ14の到達、通過を検出する。
また本体部5aには、部品供給装置5が備える第1の駆動装置20Aなどの各構成部に電気的に接続されるとともに、それぞれの構成部の動作を制御する制御部26が設けられている。制御部26は部品実装装置が備える制御装置(図示せず)にも接続されている。
なお以降の説明においては、キャリアテープ14の一例として、図3に示すように、ベーステープ14bの一部に部品を収容する収容部14aを形成し、収容部14aを覆うようにトップテープ14cを設けたエンボステープを用いた場合について説明する。図3に示すように、ベーステープ14bのうちトップテープ14cが配置されない部分には送り孔14dが形成されている。なお、図2では、テープ経路5c内にキャリアテープ14が挿入されていない非挿入時の状態が示される。
次に、図1、2で説明した部品供給装置5の各構成部材を用いて、図3に示されるキャリアテープ14をテープ経路5c内に順次挿入してテープ送り方向Dに送る方法について、図4a―4dを用いて説明する。
図4aは、先行テープ14(1)を挿入した状態を示す。具体的には、先行テープ14(1)が第1の付勢位置P2でのスプロケット21Aと第1の付勢部30との間に配置されるとともに、先行テープ14(1)の前端は、テープ送り方向Dにおいて第1の付勢位置P2と第2の付勢位置P3との間に位置している。
このとき、先行テープ14(1)の前端は第2の付勢部46のローラの位置(第2の付勢位置P3)に到達しておらず、第2の付勢位置P3の第2の付勢部46は先行テープ14(1)によってテープ厚み方向への移動が制限されない。よって、第2の付勢部46は、接触端部41a及び支点41cが上昇する方向に、支点41eを中心として第1の揺動部48Aを回動させている。第1の揺動部48Aの接触端部41aが上昇することで、第1の揺動部48Aの接触端部41aおよび第2の揺動部48Bの接触端部41bと、第1の付勢部30との間に空間が形成される。
このとき、支点41cが上昇されていることにより、支点41cで第1の揺動部48Aに接続する第2の揺動部48Bも、接触端部41dが上昇する方向に回動されている。これにより、図4aに示すように、第2の揺動部48Bの検出端部41bは第1の検出手段42のフォトセンサ43を遮る位置に下がり、第1の検出手段42の検出端部41bに対する検出結果はONになっている。すなわち、第1の検出手段42は、検出端部41bがフォトセンサ43を遮断する位置にあることを検出する。
次に、図4aに示す状態から先行テープ14(1)をテープ送り方向Dにさらに送った状態を図4bに示す。具体的には、図4bに示すように、先行テープ14(1)の前端が、第2の付勢部46によって付勢される第2の付勢位置P3よりもテープ送り方向Dの下流側であって、さらに、第2の駆動装置20Bのスプロケット21Bと係合する位置も超えるように位置されている。
このとき、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの前端部は第2の付勢部46をテープ送り方向Dの下流側に通過しているため、第2の付勢部46は先行テープ14(1)によって下方へのテープ厚み方向の移動が制限されている。すなわち、第2の付勢部46は第1の揺動部48Aの他端とともにキャリアテープ14の先行テープ14(1)のテープ厚み分上方に位置される。このように第1の揺動部48Aの他端側が上方に押し出されることにより、第1の揺動部48Aの接触端部41aが相対的に下がるように、第1の揺動部48Aは支点41eを中心として回動される。
具体的には、図4bに示すように、第1の揺動部48Aの一端側にある接触端部41aが第1の付勢部30上の先行テープ14(1)の上面に接触するとともに、先行テープ14(1)を介して下方側にある第1の付勢部30に間接的に当接する。このとき第2の揺動部48Bは、第1の揺動部48Aの突起部49に当接しており、下側への検出端部41bの揺動が相対的に規制されている。第2の揺動部48Bの接触端部41dは、第1の揺動部48Aの接触端部41aと異なり先行テープ14(1)に接触せず、先行テープ14(1)から微小な距離だけ浮き上がっている。また、第2の揺動部48Bの接触端部41dは第1の揺動部48Aの接触端部41aよりもテープ送り方向Dの上流側に位置されている。
図4bには、第1の付勢位置P2でのスプロケット21Aと先行テープ14(1)との間に先行テープ14(1)の後に後続して送られる後続テープ14(2)が既に挿入された状態を示す。すなわち、第1の付勢位置P2において、先行テープ14(1)と後続テープ14(2)がともにスプロケット21Aに向かって付勢されており、後続テープ14(2)はスプロケット21Aに係合している。
次に、図4bに示す状態から第1の付勢位置P2での後続テープ14(2)をテープ送り方向Dにさらに深く挿入した(送った)状態を図4cに示す。具体的には、後続テープ14(2)の前端が、第2の揺動部48Bの接触端部41dに接触するとともに、第1の揺動部48Aの接触端部41aに接触している。
テープ送り方向Dに挿入された後続テープ14(2)の前端が揺動部41に近づき、先に揺動部41の第2の揺動部48Bの接触端部41dに接触して、第1の揺動部48Aの接触端部41aの位置まで押し込まれる。これにより、第2の揺動部48Bが支点41cを中心として反時計方向に回動される。この回動に伴って第2の揺動部48Bの検出端部41bは上昇する。具体的には、図4cに示すように、第1の検出手段42のフォトセンサ43を遮らない位置まで検出端部41bが上がる。これにより、第1の検出手段42の検出端部41bに対する検出結果はOFFになる。すなわち、第1の検出手段42は、検出端部41bがフォトセンサ43の検出光を遮断しない高さ位置にあることを検出する。
このように、後続テープ14(2)の前端が第1の揺動部48Aの接触端部41aの位置(後続テープ待機位置ST1)まで押し込まれ、第2の揺動部48Bの接触端部41dに接触することに応じて、第1の検出手段42の検出端部41bに対する検出結果はOFFとなる。
制御部26は、第1の検出手段42の検出結果がOFFとなったことにより、後続テープ14(2)の前端が後続テープ待機位置ST1まで押し込まれ、第2の揺動部48Bの接触端部41dに接触したと判断する。すなわち、後続テープ14(2)の前端の後続テープ待機位置ST1への到着を検出する。
後続テープ待機位置ST1に到着した後続テープ14(2)の前端は、第1の揺動部48Aの接触端部41aに接触している。このとき、図4cに示すように、第1の揺動部48Aの接触端部41aにより後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへの進行が規制される。すなわち、第1の揺動部48Aの接触端部41aは後続テープ14(2)のテープ送り方向Dのストッパとして機能している。第1の揺動部48Aの接触端部41aが後続テープ14(2)のストッパとして機能する場合での揺動部41の姿勢を第1の揺動姿勢S1とする。
次に、図4cに示す状態から先行テープ14(1)をテープ送り方向Dにさらに送った状態を図4dに示す。具体的には、第2の駆動装置20Bのスプロケット21Bを駆動して、図4dに示すように、先行テープ14(1)の後端が第2の付勢部46によって付勢される第2の付勢位置P3をテープ送り方向Dに超える位置まで先行テープ14(1)を送る。
図4dに示すように、先行テープ14(1)の後端が第2の付勢位置P3を通過しているため、第2の付勢部46は先行テープ14(1)によってテープ厚み方向への移動が制限されない。よって、第2の付勢位置P3の第2の付勢部46は、第1の揺動部48Aの接触端部41a及び支点41cが上昇する方向に第1の揺動部48Aを相対的に付勢する。
第1の揺動部48Aの支点41cの上昇に伴い、支点41cで第1の揺動部48Aに接続する第2の揺動部48Bも接触端部41dが上昇する方向に間接的に付勢される。これにより、第2の揺動部48Bの検出端部41bが下がり、第1の検出手段42の検出端部41bに対する検出結果は再びONとなる。
第1の揺動部48Aの接触端部41aと第2の揺動部48Bの接触端部41dはともに上昇し、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへの進行を規制しない位置に退避される。すなわち、第1の揺動部48Aの接触端部41aによる後続テープ14(2)に対するテープ送り方向Dへのストッパ機能が解除される。ストッパ機能が解除される場合での揺動部41の姿勢を第2の揺動姿勢S2とする。
先行テープ14(1)がテープ送り方向Dに通過した第1の付勢位置P2において、第1の付勢部30は上方に移動し、後続テープ14(2)に直接当接してテープ厚み方向に付勢し、後続テープ14(2)をスプロケット21Aに係合させている。
以上、図4a−4dを用いて、本実施の形態1における部品供給装置5におけるキャリアテープ14のセット方法について説明したが、その後、先行テープ14(1)の後端が第2の検出手段44のフォトセンサ45(図1)をテープ送り方向Dに通過すると、第2の検出手段44の検出結果がONからOFFに変わる。これにより、第2の検出手段44は先行テープ14(1)の通過(又は有無)を検出する。
本実施の形態1では、第2の検出手段44の先行テープ14(1)の通過の検出結果がONからOFFに変わったときに、制御部26により第1の駆動装置20Aのスプロケット21Aの動作モードを空転モードから駆動モードに切り替えて、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへのテープ送りを行うように制御している。本実施の形態1では、第1の揺動部48Aの接触端部41aによる後続テープ14(2)のストッパ位置(後続テープ待機位置ST1)から第2の検出手段44のフォトセンサ45における遮光位置までの距離が予め決められており、スプロケット21Aによる後続テープ14(2)のピッチ送り速度も予め決められている。これを利用して、前述した制御を行うことで、後続テープ14(2)のテープ送りの開始から所定時間経過したときに、後続テープ14(2)の前端がフォトセンサ45における遮光位置を通過することとなる。後続テープ14(2)のテープ送りを開始してから所定時間経過してもフォトセンサ45の検出結果がOFFからONに変わらない場合には、制御部26は後続テープ14(1)が抜け落ちてしまったエラーと判断する。これにより、後続テープ14(1)の抜けを検出することができる。
以上、本実施の形態1では特に、図4cに示すように、第1の揺動部48Aを後続テープ14(2)のストッパとして機能させるとともに、第1の揺動部48Aとは別体である第2の揺動部48Bの揺動を利用して後続テープ14(2)の後続テープ待機位置ST1への到着を検出している。
上述したように、本実施の形態1における部品供給装置5によれば、揺動部41は、第1の付勢位置P2にて後続テープ14(2)が先行テープ14(1)に重ねて配置された状態にて、第1の揺動部48Aの接触端部41aが後続テープ14(2)の前端に当接して後続テープ待機位置ST1にてストッパとして機能する第1の揺動姿勢S1となる。また、先行テープ14(1)がテープ送り方向Dに送られて、先行テープ14(1)の後端側部分が第2の付勢位置P3を通過した状態にて、揺動部41は第2の付勢部46によりテープ厚み方向に相対的に付勢され、揺動部41の接触端部41aによる後続テープ14(2)に対するストッパ機能が解除される第2の揺動姿勢S2となる。このようにして揺動部41が第1、第2の揺動姿勢S1、S2との間で上下方向に揺動される一方で、第1の検出手段42は、第2の揺動部48Bの検出端部41bの高さ位置を検出することで、揺動部41の揺動姿勢を検出する。
このような構成によれば、第1の検出手段42は、第1の揺動部48Aの接触端部41aが後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端に当接し、揺動部41が第1の揺動姿勢S1にあることを検出することができる。揺動部41における第1の揺動姿勢S1を検出することにより、先行テープ14(1)と後続テープ14(2)が第1の付勢位置P1にて重ねて配置され、後続テープ14(2)の前端が後続テープ待機位置ST1に配置されていることを検出することができる。
すなわち、部品供給装置5において、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端側部分が先行テープ14(1)に重ねて配置された状態にて、第1の揺動部48Aが後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの進行を制限するとともに、第1の検出手段42は揺動部41の揺動を利用して後続テープ14(2)が正常に挿入されていることを確認している。これにより、先行テープ14(1)と後続テープ14(2)をテープ送り方向Dに順次送って部品吸着位置P1に部品を供給するに際し、効率的なキャリアテープ14の供給を行うことができる。
また本実施の形態1における部品供給装置5によれば、揺動部41の2つの揺動部である第1の揺動部48Aと第2の揺動部48Bを用いて、後続テープ14(2)に対するストッパと、後続テープ14(2)の到着の検出を分けて機能させることができる。このような構成によれば、2つの揺動部48A、48Bの接続箇所である第2の揺動部48Bの揺動支点(支点41c)の位置を調整可能とすることで、後続テープ14(2)に対する第1の揺動部48Aによるストッパを精度良く行いつつ、第2の揺動部48Bによる検出精度を高め、後続テープ14(2)の到着を感度良く検出することが可能となる。したがって、簡単な構成を用いて、後続テープ14(2)の到着を感度良く検出しながら、効率的なキャリアテープ14の供給を行うことができる。
また本実施の形態1における部品供給装置5によれば、制御部26は、第2の検出手段44が先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端の通過を検出してから所定時間内に後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端の通過が検出されない場合にエラーと判定する。エラーを判定することにより、第1の付勢位置P2において第1の付勢部30によって後続テープ14(2)が正常にテープ厚み方向に付勢されていない、すなわち、後続テープ14(2)が第1の付勢位置P2において抜け落ちてしまったことを検出することができる。したがって、簡単な構成で、後続テープ14(2)の抜けを精度良くかつ早く検出することができ、より効率的なキャリアテープ14の供給を行うことができる。
また本実施の形態1における部品供給装置5によれば、第2の付勢位置P3の第2の付勢部46は、先行テープ14(1)によってテープ厚み方向の移動が制限される場合には、揺動部41(第1の揺動部48A)の接触端部41aをテープ経路5c外へ退避させるように(上昇する方向に)相対的に付勢せず、先行テープ14(1)によってテープ厚み方向の移動が制限されない場合には、揺動部41を相対的に付勢して、揺動部41の接触端部41aをテープ経路5c外へ(上昇する方向に)退避させる。これにより、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端が第1の付勢部30(第1の付勢位置P2)および第2の付勢部46(第2の付勢位置P3)をテープ送り方向Dに通過して、後続テープ14(2)のみが第1の付勢位置P2の第1の付勢部30によって付勢されるようになったときに、第2の付勢位置P3の第2の付勢部46を用いて揺動部41を相対的に付勢して、揺動部41の接触端部41aを動作させ、テープ経路5c外へ退避させる。これにより、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへの進路を確保している。よって、より簡単な構成で、効率的なキャリアテープ14の供給を行うことができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における部品供給装置105について、図5−図9eを用いて説明する。本実施の形態2では、新たにレバー147が設けられるとともに、本体部105a、第1の付勢部130、揺動部141、第1の検出手段142及び第2の付勢部146の構成が実施の形態1と異なっており、それ以外の構成は実施の形態1と同様である。
図5は、本実施の形態2における部品供給装置105の構成説明図であり、図6は、本実施の形態2における部品供給装置105が備える第1の駆動装置20Aおよび揺動部141の周辺構成を示す図である。
図5、6に示すように、第1の付勢位置P2にてスプロケット21Aの下方には、キャリアテープ14をスプロケット21Aに対してテープ厚み方向に付勢する第1の付勢部130が配設されている。本実施の形態2における第1の付勢部130は、キャリアテープ14がテープ厚み方向に1枚配置された場合での第1の高さ位置と、キャリアテープ14がテープ厚み方向に2枚重ねて配置された場合での第2の高さ位置との間にて、高さ方向に移動可能である。
また本体部105aには、実施の形態1と同様の位置に、揺動部141が配置されている。実施の形態2における揺動部141は、実施の形態1における揺動部41と異なり1つの揺動部141から構成される。
揺動部141は、一端側に接触端部141aを、他端側に検出端部141bを有し、接触端部141aと検出端部141bとの間にある支点141cを中心として回動して、上下方向に揺動する。揺動部141が支点141cを中心として揺動すると、揺動部141の支点141cを挟んで両端側に位置する接触端部141aおよび検出端部141bは互いに逆方向へ移動する。なお、揺動部141は通常、支点141cを中心に揺動部141の接触端部141aが下がる方向へ付勢されている。
揺動部141の接触端部141aは、第1の付勢部130に対して直接的に、又は第1の付勢部130によりテープ厚み方向に付勢されているキャリアテープ14を介して間接的に第1の付勢部130に接触する。第1の付勢部130に直接又は間接的に接触した状態において、第1の付勢部130の高さ方向の移動に応じて、揺動部141の接触端部141aは上下方向に移動する。
揺動部141はさらに、一端側の接触端部141aと揺動の中心である支点141cとの間に、下方へ延びるレバー147を備える。レバー147は、揺動部141の支点141cに対して接触端部141aが配置される側である一端側に配置されており、レバー147が揺動する方向は接触端部141aが揺動する方向と同方向である。レバー147は、テープ経路5cにおけるキャリアテープ14が通過するテープ幅方向(Y方向)の領域に重ならないように、テープ幅方向においてキャリアテープ14とは異なる位置に配置されている。
また本体部105aにおいて、揺動部141における他端側の検出端部141bの高さ位置を検出するための第1の検出手段142が設けられている。本実施の形態2における第1の検出手段142としては、実施の形態1と同様に、光の遮光を利用したフォトセンサ143が用いられている。
また本体部105aにおいて、第2の付勢位置P3にてレバー147とテープ厚み方向に対向する位置には第2の付勢部146が設けられている。第2の付勢部146はテープ経路5cの下方側に設けられており、通常は上方に向かって付勢されている。上方にキャリアテープ14が存在せずテープ厚み方向の移動が制限されない場合には、第2の付勢部146は揺動部141のレバー147の下端部に直接当接して、揺動部141の接触端部141aを上昇させるように上方へ付勢する。一方で、上方にキャリアテープ14が存在しテープ厚み方向の移動が制限される場合には、第2の付勢部146は揺動部141のレバー147に当接しない位置までキャリアテープ14によって下方へ退避されるため、レバー147を付勢しない。
このように構成される本実施の形態2の部品供給装置105において、第1の付勢部130による上方への付勢力は、揺動部141の接触端部141aによる下方への付勢力よりも大きく設定される。また、第2の付勢部146による上方への付勢力は、揺動部141のレバー147による下方への付勢力よりも大きく設定される。
なお、図6では、テープ経路5c内にキャリアテープ14が挿入されていない非挿入時の状態が示される。
次に、図6に示すA−A断面、B−B断面およびC−C断面における各部の構成について、図7(イ)、(ロ)、(ハ)を用いて説明する。なお、A−A断面は、スプロケット21Aの送り歯21aが最も下方に位置される箇所(第1の付勢位置P2に対応する箇所)で、B−B断面は、揺動部141の接触端部141aと第1の付勢部130とが対向する箇所で、C−C断面は、揺動部141のレバー147と第2の付勢部146とが対向する箇所である(第2の付勢位置P3に対応する箇所)。なお、図7においても、図6と同様にテープ経路5c内にキャリアテープ14が挿入されていない非挿入時の状態を示す。
図7(イ)に示すように、A−A断面において、第1の付勢部130の当接面130aには凹部130bが形成されている。凹部130bは、エンボス型のキャリアテープ14の収容部14aを通過させるために、テープ送り方向D(X方向)に延在して形成されている。また当接面130aにおいて、第1の付勢部130がスプロケット21Aに接近する際に送り歯21aに相当する範囲には、逃がし部130cが設けられており、送り歯21aと第1の付勢部130との干渉が避けられるようになっている。図7(イ)では、送り歯21aが逃がし部130cに配置された状態にて、スプロケット21Aと当接面130aとが接触した状態を示す。
図7(ロ)に示すように、B−B断面においても、第1の付勢部130の当接面130aに凹部130bが形成されている。B−B断面においては、当接面130aから第1の付勢部130の下端部までの長さはA−A断面における長さよりも短く設定されている。またB−B断面では、スプロケット21Aの送り歯21aが第1の付勢部130に近接しないため、逃がし部130cが設けられておらず、当接面130aと凹部130bとは略平行に形成される。B−B断面における第1の付勢部130の上方には、揺動部141の接触端部141aが配置されている。
図7(ハ)に示すように、C−C断面において、揺動部141の下方には第2の付勢部146が配置されている。図7(ハ)に示すように、キャリアテープ14によって第2の付勢部146のテープ厚み方向への移動が制限されない場合には、第2の付勢部146は揺動部141のレバー147を上方へ押し上げるように付勢する。第2の付勢部146によるレバー147の押し上げに伴って、揺動部141の接触端部141aも上方へ移動するように押し上げられるため、図7(ロ)に示すように、接触端部141aは第1の付勢部130にテープ厚み方向で接触しない位置T1まで上昇し移動されている。本実施の形態2では、図7(ロ)に示される第1の付勢部130と接触端部141aの間の隙間は、キャリアテープ14のエンボス型の収容部14aを除くベーステープ14bとトップテープ14cとの厚み分よりも若干大きく設定される。
次に、図5、6で説明した部品供給装置105の各構成部を用いて、キャリアテープ14をテープ経路5c内に順次挿入して供給する方法について、図8a―図8fおよび図9a―図9eを用いて説明する。図8a―図8fは、テープ送り方向D沿いに見た部品供給装置105のテープセット方法の動作説明に関する各構成部を動作順に時系列で示し、図9a―図9eは、図8a―8eの状態に対応する各構成部の断面図を示す。なお、図9a―図9eにおける(イ)、(ロ)、(ハ)は、図7の(イ)、(ロ)、(ハ)と同様に、それぞれA−A断面、B−B断面、C−C断面における断面図を示す。
図8aは、先行して送られる先行テープ14(1)がテープ経路5c内に挿入された状態を示す。具体的には、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの前端が、第1の付勢位置P2と第2の付勢位置P3との間に位置されるまで先行テープ14(1)がテープ送り方向Dに送られている。
図8aに示される各構成部および先行テープ14(1)の状態を、図9aの断面図を用いて説明する。図9aの(イ)に示すように、A−A断面においては、先行テープ14(1)は、スプロケット21Aと第1の付勢部130の間に挟まれるように、第1の付勢部130の当接面130a上に配置されている。先行テープ14(1)の収容部14aは、第1の付勢部130の凹部130bに配置され、スプロケット21Aの送り歯21aは、先行テープ14(1)の送り孔14dおよび逃がし部130c内に配置されている。第1の付勢部130の当接面130aとスプロケット21Aの間に、先行テープ14(1)が挿入されることにより、スプロケット21Aに対して第1の付勢部130は、先行テープ14(1)のエンボス型の収容部14aを除くベーステープ14bとトップテープ14cとの厚み分だけ下方に移動している。
図9aの(ロ)に示すように、B−B断面における先行テープ14(1)は、第1の付勢部130の当接面130a上に配置される。
図9aの(ハ)に示すように、C−C断面においては、先行テープ14(1)が存在せず第2の付勢部146のテープ厚み方向への移動が制限されないため、第2の付勢部146は揺動部141の一端側の接触端部141a側のレバー147を上方へ押し上げるように付勢する。これにより、図9aの(ロ)に示すように、揺動部141の接触端部141aも、第1の付勢部130上の先行テープ14(1)の上面に接触しない位置T1に維持される。
図8a、9aに示される状態においては、第1の付勢位置P2にて第1の付勢部130によってテープ厚み方向に付勢されるのは先行テープ14(1)のみであり、第1の付勢部130はその付勢高さ位置の第1の高さ位置H1に位置されている。また、図8aに示すように、揺動部141の検出端部141bの高さ位置を検出する第1の検出手段142およびキャリアテープ14の通過または有無を検出する第2の検出手段44においては、フォトセンサ143および45からの光が遮光されていないため、第1の検出手段142および第2の検出手段44の検出結果がともにOFFとなっている。
図8aに示す状態から、第1の付勢位置P2に位置する先行テープ14(1)をテープ送り方向Dにさらに送った状態を図8bに示す。具体的には、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの前端が、揺動部141のレバー147および第2の付勢位置P3の第2の付勢部146よりもテープ送り方向Dの下流側に位置されるまで先行テープ14(1)をテープ送り方向Dに送った状態を示す。このとき、第2の付勢位置P3の第2の付勢部146上のテープ経路5c内には先行テープ14(1)が存在するため、第2の付勢部146のテープ厚み方向の移動が制限される。よって、第2の付勢部146は揺動部141の接触端部141a側のレバー147をテープ厚み方向の上方に向かって押し上げるように付勢しない。なお、図8bでは、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの前端が、第2の検出手段44のフォトセンサ45を通過した状態を示しており、第2の検出手段44の検出結果はOFFからONに変わっている。
図8bに示される各構成部および先行テープ14(1)の状態を図9bの断面図を用いて説明する。図9bの(ハ)に示すように、第2の付勢部146上には先行テープ14(1)が配置されている。先行テープ14(1)の上端位置はテープ経路5cによって画定されているため、第2の付勢位置P3の第2の付勢部146が先行テープ14(1)の厚み分だけ下がる。これにより、第2の付勢部146と揺動部141との接触が解除され、揺動部141はレバー147および接触端部141aが下がる方向へ揺動可能となる。
図9bの(ロ)に示すように、B−B断面において、揺動部141の一端側の接触端部141aは微小な隙間分だけ下がり、当接面130a上の先行テープ14(1)の上面に接触する。一方で、図9bの(ハ)に示すように、C−C断面においては、揺動部141のレバー147は、B−B断面における接触端部141aの下がり幅よりも小さい距離分だけ下がって静止している。
図8bに示す状態から、先行テープ14(1)に続いて後続テープ14(2)を挿入し状態を図8cに示す。具体的には、第1の付勢位置P2のテープ経路5cにおいて、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端側の部分に、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端がテープ厚み方向(Z方向)に重ねて配置されるまで、後続テープ14(2)をテープ送り方向Dに挿入して送る。
このとき、第1の付勢部130はスプロケット21Aとの間の先行テープ14(1)の上側に挿入された後続テープ14(2)により押し下げられて、第1の高さ位置H1よりも低い第2の高さ位置H2に位置される。また揺動部141の接触端部141aは、先行テープ14(1)の上面に接触しているとともに、テープ送り方向Dに挿入され送られた後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端に当接されている。
図8cに示される各構成部、先行テープ14(1)および後続テープ14(2)の状態を、図9cの断面図を用いて説明する。図9cの(イ)に示すように、A−A断面においては、当接面130a上の先行テープ14(1)の上に後続テープ14(2)がテープ厚み方向に重ねて配置される。第1の付勢部130は、後続テープ14(2)の厚み分だけさらに下がっており、先行テープ14(1)を介して後続テープ14(2)をスプロケット21A側に付勢する第2の高さ位置H2に位置される。
図9cにおいて、A−A断面における第1の付勢部130の下方への移動(第1の高さ位置H1から第2の高さ位置H2への移動)に伴い、B−B断面においても第1の付勢部130および先行テープ14(1)が同じ距離分だけ下方へ移動する。ここで、図8b、9bにて説明した通り、第2の付勢位置P3の第2の付勢部146は、そのテープ経路5c内の第2の付勢部146上に配置された先行テープ14(1)によって下方へ退避されているため、揺動部141の接触端部141aおよびレバー147は下方へ揺動可能な状態にある。したがって、B−B断面においては、揺動部141の接触端部141aが、第1の付勢部130の当接面130a上の先行テープ14(1)の上面に接触するように下がる。B−B断面における接触端部141aの下降に伴い、図9cの(ハ)に示すように、揺動部141のレバー147は、B−B断面における接触端部141aの下がり幅よりも小さい距離分だけ下がって静止している。
また図8cに示すように、揺動部141の接触端部141aが後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端に当接しているため、後続テープ14(2)はテープ送り方向Dへの進行が制限される。すなわち、揺動部141の接触端部141aが後続テープ14(2)のテープ送り方向Dのストッパとして機能している。一方で、テープ経路5c内の先行テープ14(1)によるテープ送り方向Dへの進行は制限されていない。このような状態では、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへの進行を制限した状態にて、先行テープ14(1)のみをテープ送り方向Dに送ることが可能となる。
図8cに示すように、揺動部141の一端側にある接触端部141aが下がることに伴い、揺動部141の他端側にある検出端部141bは上昇している。これにより、第1の検出手段142においてフォトセンサ143からの光が検出端部141bにより遮光されるため、第1の検出手段142は検出端部141bの高さ位置を検出する(検出結果がONに変わる)。第1の検出手段142が揺動部141の一端側の検出端部141bの高さ位置を検出することにより、揺動部141は他端側の接触端部141aが下がる方向へ揺動していることがわかる。これにより、接触端部141aが下方へ移動可能となるように、揺動部141の接触端部141aと直接又は間接的に接触する第1の付勢部130が、第1の高さ位置H1よりも低い第2の高さ位置H2へ移動したということがわかる。第1の付勢部130が第2の高さ位置H2にある場合には、先行テープ14(1)が新たに挿入された後続テープ14(2)を介して第1の付勢部130によってスプロケット21A側に付勢されている。したがって、後続テープ14(2)が正常に挿入・付勢されていると判断することができる。
このように、本実施の形態2では、揺動部141の接触端部141aが後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへのストッパとして機能すると同時に、揺動部141の検出端部141bの高さ位置を検出することで、後続テープ14(2)が正常に挿入されているかどうかを判断している。なお、テープ経路5c内に後続テープ14(2)を挿入しても、第1の検出手段142の検出結果がOFFのままである場合には、揺動部141の接触端部141aが下がっておらず、第1の付勢部130は第1の高さ位置H1にある又は先行テープ14(1)が下がっていないことがわかる。すなわち、第1の付勢部130によって付勢されているキャリアテープ14は先行テープ14(1)の1枚のみ又は先行テープ14(1)と第1の付勢部130との間に後続テープ14(2)が挿入されて先行テープ14(1)が下がっていない場合であり、後続テープ14(2)は正常に付勢されていないと判断することができる。
次に、図8cに示す状態から、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dへの供給が進み第1の付勢位置P2での先行テープ14(1)と後続テープ14(2)との重なりが解除された状態を図8dに示す。具体的には、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端が、後続テープ14(2)との重なりが解除されて、第1の付勢位置P2と第2の付勢位置P3との間に位置されるまで先行テープ14(1)をテープ送り方向Dに送った状態を示す。図8dに示すように、第1の付勢部130は、第1の付勢部130上のテープ経路5c内を抜けた先行テープ14(1)の厚み分だけ上方へ移動して、後続テープ14(2)のみをテープ厚み方向にスプロケット21に対して付勢している。すなわち、第1の付勢部130は、第2の高さ位置H2から第1の高さ位置H1に上昇している。第1の付勢部130の上昇に伴い、第1の付勢部130に接触している揺動部141の接触端部141aも上方へ移動されるとともに、第1の付勢部130上のテープ経路5c外へ退避している。
図8dに示される各構成部、先行テープ14(1)および後続テープ14(2)の状態を図9dの断面図を用いて説明する。図9dの(イ)に示すように、A−A断面においては、第1の付勢部130の当接面130a上のテープ経路5c内には、後続テープ14(2)のみが配置されている。図9dの(ロ)に示すように、B−B断面においては、先行テープ14(1)の後端部が揺動部141の接触端部141aの下方のテープ経路5c内をテープ送り方向Dに通過しており先行テープ14(1)は存在しない。揺動部141の接触端部141aは、第1の付勢部130の当接面130a上に接触するように、先行テープ14(1)のエンボス型の収容部14aを除くベーステープ14bとトップテープ14cとの厚み分だけ下方に移動している。図9dの(ハ)に示すように、C−C断面においては、第2の付勢部146上のテープ経路5c内に先行テープ14(1)が存在し、第2の付勢部146のテープ厚み方向の移動が制限されている。
次に、図8dに示す状態から先行テープ14(1)の供給がさらに進んだ状態を、図8eに示す。具体的には、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端が第2の付勢部146をテープ送り方向Dに通過した状態を示す。図8eに示すように、第2の付勢部146は先行テープ14(1)によってテープ厚み方向への移動が制限されていない。
図8eに示される各構成部、先行テープ14(1)および後続テープ14(2)の状態を、図9eの断面図を用いて説明する。図9eの(ハ)に示すように、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端が第2の付勢部146をテープ送り方向Dに通過したことにより、第2の付勢部146上のテープ経路5c内には先行テープ14(1)が存在せず、第2の付勢部146は先行テープ14(1)によってテープ厚み方向の移動が制限されなくなり、揺動部141のレバー147を上方へ押し上げるように付勢する。これにより、揺動部141の一端側の接触端部141aが上昇する。具体的には、図9eの(ロ)に示すように、接触端部141aと第1の付勢部130との間に、図8aに示されるキャリアテープ14が挿入されていない非挿入時と同様の大きさの隙間が形成されるまで接触端部141aが上方の位置T1へ移動する。このように、接触端部141aと第1の付勢部130との間に隙間が形成されることにより、接触端部141aによる後続テープ14(2)のストッパが解除され、後続テープ14(2)をテープ送り方向Dに送ることが可能となる。
このように、第2の付勢部146が揺動部141を付勢して、揺動部141の接触端部141aを押し上げてテープ経路5c外へ退避させることで、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへの進路が確保される。
次に、図8eに示す状態から先行テープ14(1)の供給がさらに進んだ状態を図8fに示す。具体的には、先行テープ14(1)のテープ送り方向Dの後端が、キャリアテープ14の通過又は有無を検出する第2の検出手段44のフォトセンサ45を通過する状態を示す(第2の検出手段44の検出結果がON(有)からOFF(無)に変わる)。
図8fに対応するA−A断面、B−B断面およびC−C断面の断面図は、前述した図9eと同様であるため、図示および説明を省略する。
図8fに示すように第2の検出手段44の検出結果がONからOFFに変わったときに、実施の形態1と同様に制御部26によりスプロケット21Aの動作モードを空転モードから駆動モードに切り替えて、後続テープ14(2)のテープ送りを行うように制御している。
図8fで説明したように後続テープ14(2)がテープ送り方向Dに送られると、その後、前述した図8a〜図8fまでの動作が再度実施されるとともに、以降この動作が繰り返される。このようにして、先行テープ14(1)と後続テープ14(2)とを分離した状態のまま、テープ経路5c内のテープ送り方向Dに順次挿入して供給するスプライシングレス方式によるキャリアテープ14のテープ送りが行われる。
上述したように、本実施の形態2における部品供給装置105によれば、スプロケット21Aと第1の付勢部130上とのテープ経路5cにおいて、第1の付勢部130がキャリアテープ14が2枚(2つ)配置された状態の第2の高さ位置H2にある場合に、揺動部141の接触端部141aが先行テープ14(1)上に重ねて挿入された後続テープ14(2)のテープ送り方向Dの前端に当接して後続テープ14(2)のテープ送り方向Dのストッパとして機能し、第1の付勢部130がキャリアテープ14が1枚(1つ)配置された状態の第1の高さ位置H1にある場合に、揺動部141の接触端部141aが上昇しテープ経路5c外へ退避してストッパ機能が解除されるように、第1の付勢部130の高さ方向の移動に応じて、揺動部141の接触端部141aが上下方向に揺動して移動するとともに、第1の検出手段142は、揺動部141の一端側の接触端部141aの移動に伴って移動する他端側の検出端部141bの高さ位置を検出することで、第1の付勢部130の高さ位置を検出する。
すなわち、部品供給装置105において、第1の付勢部130上のテープ経路5c内の先行テープ14(1)上に後続テープ14(2)が重ねて挿入され第1の付勢部130が第2の高さ位置H2にある場合には、揺動部141の接触端部141aが後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへのストッパとして機能するとともに、第1の検出手段142が揺動部141の検出端部141bの高さ位置を検出して、第1の付勢部130が第2の高さ位置H2にあることを検出している。これにより、後続テープ14(2)を待機させると同時に、先行テープ14(1)とともに後続テープ14(2)が正常に挿入されていることを確認することもできる。このように、揺動部141の揺動を利用することにより、先行テープ14(1)の供給中に後続テープ14(2)を予め挿入して待機させるとともに、後続テープ14(2)の挿入を精度良く検知することができる。すなわち、簡単な構成により、効率的なキャリアテープ14の供給を行うことができる。
図10―12は、本実施の形態1、2の比較例における部品供給装置205の第1の駆動装置220A周辺の構成を示す。本実施の形態1、2における部品供給装置5、105では、揺動部41、141の接触端部41a、141aが後続テープ14(2)のストッパとして機能しているが、比較例における部品供給装置205では、スプロケット221A側に向かってテープ厚み方向に付勢する付勢部230のテープ送り方向Dの下流側端部に設けられたストッパ機構231が先行テープ214(1)の後に後続して送られる後続テープ214(2)のストッパとして機能している。
具体的には、図10に示すように、第1の駆動装置220Aのスプロケット221Aの下方に、圧縮バネ233によって上方に付勢される付勢部230が設けられている。付勢部230は、その上面のテープ送り方向Dの上下流の両端部がテーパカットされた台形状のレバー部を主体としており、下流側の端部にはキャリアテープ214の下流側への移動を停止させるためのストッパ機構231が立設されている。
図11は、図10におけるA−A断面を示す。ストッパ機構231は、付勢部230の一方側の端部に立設されており、付勢部230から上方に延出した支持部231aの上端に、後続テープ214(2)の先端部に当接してこの後続テープ214(2)の進行を規制する規制部231bを、当接面230aの上方に延出させている。規制部231bと当接面230aとの間には、テープ厚み方向における1つのキャリアテープ214のみのテープ送り方向Dへの進行を許容する隙間として開口部232が設けられている。
図12は、スプロケット221Aに向かってテープ厚み方向に付勢する付勢部230上に供給対象のキャリアテープ214を装着した状態を示す。キャリアテープ214の下面が当接面230aによって支持されるとともに、キャリアテープ214の収容部214bが凹部230b内に収容される。
次に、図13a−13cを用いて、比較例にかかる部品供給装置205によるキャリアテープ214のセット方法について説明する。まず図13aは、先行テープ214(1)がスプロケット221Aに係合した状態でテープ送りされている状態を示す。このとき、先行テープ214(1)は付勢部230の規制部231bに阻まれることなく、開口部232を通過してテープ送りされる。
次いで、後続テープ214(2)を追加してセットする。すなわち、図13bに示すように、後続テープ214(2)のテープ送り方向Dの下流側の前端部をスプロケット221Aと先行テープ214(1)との間に挿入する。このとき、先行テープ214(1)を支持している付勢部230は圧縮バネ233の付勢力に抗して後続テープ14(2)の厚み分だけ下方に押し下げられ、これに伴って規制部231bが付勢部230とともに下降する。これにより、規制部231bは、後続テープ214(2)の下流側へのテープ送りを阻止する高さに位置する。
この状態で先行テープ214(1)のテープ送り方向Dへのテープ送りが進行すると、付勢部230によって付勢された先行テープ214(1)は、後続テープ214(2)をスプロケット221Aに対して押し付けながら、後続テープ214(2)と付勢部230との間に挟まれた状態からテープ送り方向Dの下流側へ離脱する。これにより、図13cに示すように、圧縮バネ233により上方に付勢された付勢部230は先行テープ214(1)の厚み相当分だけ上方へ押し上げられ、付勢部230によりスプロケット221Aに向かって付勢されている後続テープ214(2)はスプロケット221Aと係合する。付勢部230から先行テープ214(1)が抜けたことにより、後続テープ214(2)は規制部231bに対して相対的に下方に移動し、付勢部230の規制部231bに阻まれることなく開口部232を通過してテープ送り方向Dへテープ送り可能となる。
上述した比較例にかかる部品供給装置205によれば、本実施の形態1、2にかかる部品供給装置5、105と同様に、先行テープ214(1)と後続テープ214(2)とを接続テープ等を用いて直接的に継ぎ合わせるテープスプライシングを行うことなく、先行テープ214(1)および後続テープ214(2)を順次挿入して供給することができる。一方で、比較例にかかる部品供給装置205では、キャリアテープ214を付勢する付勢部230と、後続テープ214(2)のテープ送り方向Dのストッパとして機能するストッパ機構231とが一体的に動作している。このような構成によれば、例えば、後続テープ214(2)を通過させる開口部232の大きさがキャリアテープ214の厚みによって拘束されるなど、構成部の寸法に制限が生じる場合がある。それに対して、本実施の形態1、2にかかる部品供給装置5、105では、キャリアテープ14を付勢する第1の付勢部30、130と、後続テープ14(2)のテープ送り方向Dへのストッパ機構として機能する揺動部41、141とは別々の構成であり一体的に動作しない。このような構成によれば、比較例と異なり、構成部の寸法に制限が生じにくくなる。したがって、簡単な構成を用いながら、良好な寸法性能を得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態1、2に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、本実施の形態1、2では、キャリアテープ14として、部品を収容するエンボス型(例えば、下側に凸状に型押しされた様な形状)の収容部14aを備えるエンボステープを用いる場合について説明したが、このような場合に限らず例えば、小型部品をテープの厚み内で収納して保持して厚みが比較的小さい紙テープを用いても良い。このような場合であっても、部品供給装置5、105では、第1の付勢部30、130や揺動部41、141を用いて、紙テープの厚みの変化を利用したキャリアテープのテープ送りを行うことができるため、エンボステープの場合と同様に、キャリアテープの供給を精度良く行うことができる。
また、本実施の形態1、2では、第1の検出手段42、142および第2の検出手段44がそれぞれフォトセンサ43、143およびフォトセンサ45を備える場合について説明したが、このような場合に限らず、揺動部41、141の検出端部41b、141bの高さ位置やテープ経路5c内におけるキャリアテープ14の有無を検出できるものであれば、その他の構成を採用しても良い。
また、本実施の形態1、2では、後続テープ14(2)の抜けを検出する方法として、後続テープ14(2)のテープ送りのタイミング制御を行う場合について説明したが、このような方法に限らない。例えば、スプロケット21Aの正転・逆転を検出することにより、後続テープ14(2)の抜けを判断するようにしても良い。
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。