このようなテーピング部品供給装置500において、取り扱われるテーピング部品連4は、例えば、図29に示すように、リール90に巻き付けられた状態で収容されるか、あるいは、図30に示すように、テーピング部材26を所定の長さ単位で、つづら折状に折り畳んで収容箱91に収容されている。そのため、テーピング部材26には、曲がり癖やつづら折跡が存在することとなる。このような曲がり癖やつづら折跡が存在するような場合であっても、テーピング部品供給装置500においてガイド溝527によりガイドされている限りは特に問題が生じないものの、ガイド溝527が存在しない箇所においては、以下のような問題が生じるような場合がある。具体的に図面を用いて説明する。
図31のテーピング部品供給装置500の上面図及び図32の側面図に示すように、例えば、テーピング部品連4の収容形態が図30に示すようなつづら折状の収容形態であって、テーピング部品供給装置500のガイド溝527に収容されているテーピング部品連4の図示左方端部において、部品23が存在しないような場合には、図33及び図34に示すように、テーピング部品連4の送り移動が行なわれても、装置本体端部よりテーピング部材26のみが突出されることとなる。このような場合にあっては、開放状態をされたチャック13にて部品23の保持を行なうことができず、その結果として部品23を介してテーピング部材26の保持を行なうことができない。
さらに、図33に示すように、このような上記装置端部より突出されたテーピング部材26において、つづら折の折り目92が位置されているような場合にあっては、テーピング部材26が図示上方に向けて、折り曲げられた状態で配置されることとなる。
さらに、このような状態にて、図35及び図36に示すように、ハサミ型の切断刃514にて、突出された状態のテーピング部材26の切断を行なおうとすると、テーピング部材26のつづら折の折れ目92の存在により、上記ハサミを構成する夫々の刃の間にテーピング部材26を巻き込む場合があり、このような場合にあっては、テーピング部材26の切断を行なうことができないこととなる。なお、図33及び図34の状態におけるテーピング部品供給装置500の斜視図が図37であり、図35及び図36の状態におけるテーピング部品供給装置500の斜視図が図38である。
さらに、テーピング部材26が巻き込まれることにより、テーピング部品供給装置500による夫々の部品23の供給が中断されることとなって、部品実装装置における部品実装の効率を低下させることとなる。
このようなテーピング部品連4におけるテーピング部材26の材質、厚さ、硬さ等は様々であり、これら様々な種類のテーピング部材26毎に、切断刃514自体の構造を変えて確実な切断を行なうことは困難である。
なお、このようにテーピング部品連の先端部分において、部品が存在しないような場合は、例えば、図39に示すつづら折状のテーピング部品連204のように、保持されている部品223の素子部224が大きな形状を有しており、整列配置される部品223間の互いの干渉を防止するために、1箇所飛ばしで、夫々の部品223がテーピング部材26に保持されるようなものが用いられる場合に生じ得る。このようなテーピング部品連204が用いられるような場合にあっては、テーピング部材26において部品223が固定されていない部分が存在することとなり、上述のような問題が生じることが考えられる。
また、例えば、保持されている夫々の部品の形状によっては、テーピング部材26を折り畳んだ状態で、つづら折状の折り目付近において、部品同士が絡まり易いような場合もある。このような部品同士の絡まりを防止するために、図40に示すテーピング部品連304においては、テーピング部材26の折り目392付近にて、部品323を保持しない部分が設けられている。このようなテーピング部品連304が用いられるような場合にあっては、テーピング部材26において部品323が固定されていない部分が存在することとなり、上述のような問題が生じることが考えられる。
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、複数の部品が整列配置された状態でベーステープに固定されたテーピング部品連を装置端部から所定量だけ突出されるように送り動作を行なうとともに、当該突出されたベーステープを切断することで、上記夫々の部品を個別に供給するテーピング部品供給装置において、上記ベーステープへの上記部品の固定の有無や上記ベーステープへの折り目部分等の有無に拘わらず、当該ベーステープの切断を確実に行なうことができ、効率的な部品供給を行なうことができるテーピング部品供給装置及び供給方法、並びにこのようなテーピング部品供給装置を備える部品実装装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の第1態様によれば、複数の部品が整列配置された状態でベーステープに固定されたテーピング部品連より、上記夫々の部品を、基板への実装のために個別に供給するテーピング部品供給装置において、
上記テーピング部品連を保持するとともに、当該テーピング部品連を上記テーピング部品供給装置の装置端部から所定量だけ突出させるように、上記テーピング部品連の送り動作を行なうテーピング部品送り装置と、
上記装置端部から突出された突出位置と、上記装置端部に格納される格納位置との間で進退移動可能であって、上記テーピング部品送り装置による上記テーピング部品連の送り動作と同期されて上記格納位置から上記突出位置に移動されるとともに、上記突出されるベーステープの側面と略直交する方向への当該突出されるベーステープの移動を規制するテープ移動規制部と、
上記テーピング部品送り装置により上記装置端部から突出され、かつ、上記テープ移動規制部により上記規制が行なわれた状態の上記テーピング部品連に対して、上記ベーステープの切断を行ない、当該切断されたベーステープに固定された上記部品を個別に供給可能とさせるハサミ型の切断装置と、を備えることを特徴とするテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、上記テーピング部品送り装置は、上記テーピング部品連の上記装置端部よりの突出開始のタイミングと、上記所定量の突出完了のタイミングとを同期させて、上記テープ移動規制部の上記格納位置から上記突出位置への移動を行なう第1態様に記載のテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、上記テープ移動規制部は、上記ベーステープの側面と接触することで、上記ベーステープの当該側面と略直交する方向への移動幅を規制する第1態様又は第2態様に記載のテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、上記夫々の部品は、各素子部にリード端子が形成されたラジアル型の部品であって、
上記ベーステープは、
当該ベーステープの側面における一方の端部近傍に配置され、かつ、上記リード端子を当該側面に固定するリード端子固定領域と、
上記側面における他方端部であって、上記ハサミ型の切断装置による切断開始側端部とを有し、
上記テープ移動規制部は、上記切断開始側端部近傍、及び上記リード端子固定領域との接触を防止可能な上記側面における略中央の領域にて、上記ベーステープと接触可能である第1態様から第3態様のいずれか1つに記載のテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、上記ハサミ型の切断装置が備える夫々の切断刃のうちの上記装置端部側に配置されている当該切断刃が配置されている側の上記ベーステープの側面と接触可能に、上記テープ移動規制部が配置される第1態様から第4態様のいずれか1つに記載のテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、上記テープ移動規制部は、上記ベーステープとの接触端部を備え、
当該接触端部は、上記ベーステープの側面に形成された夫々の送り孔部との係合を防止可能に、当該送り孔部の径よりも大きく形成される第1態様から第5態様のいずれか1つに記載のテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、上記テーピング部品連は、上記ベーステープの側面沿いに、つづら折状又はリール巻き状にて収容された状態より、上記テーピング部品供給装置に供給される第1態様から第6態様のいずれか1つに記載のテーピング部品供給装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、第1態様から第7態様のいずれか1つに記載のテーピング部品供給装置と、
上記テーピング部品連を、上記テーピング部品供給装置に供給可能に収容するテーピング部品収容部と、
上記テーピング部品供給装置より個別に供給される上記夫々の部品を、上記基板に実装する実装ヘッドと、
上記基板を保持する基板保持部とを備えることを特徴とする部品実装装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、複数の部品が整列配置された状態でベーステープに固定されたテーピング部品連を装置端部より所定量だけ突出させるように、上記テーピング部品連の送り動作を行なうテーピング部品送り装置と、当該テーピング部品送り装置により上記装置端部から突出された状態の上記テーピング部品連に対して、上記ベーステープの切断を行ない、当該切断されたベーステープに固定された上記部品を個別に供給可能とさせるハサミ型の切断装置とを用いて、上記夫々の部品を、基板への実装のために個別に供給するテーピング部品供給方法であって、
上記テーピング部品送り装置によって上記突出されるベーステープの側面と略直交する方向への当該突出されるベーステープの移動を規制しながら、上記切断装置により当該規制された状態の上記ベーステープの切断を行なうことを特徴とするテーピング部品供給方法を提供する。
本発明の上記第1態様によれば、テーピング部品供給装置において、テーピング部品送り装置による上記テーピング部品連の送り動作により、装置端部から突出されるベーステープの側面と接触されることで、当該ベーステープにおける側面と略直交する方向への当該突出されたベーステープの移動を規制するテープ移動規制部が備えられていることにより、上記突出されたベーステープを平面的に略直線状に保つことができる。
特に、このような上記テーピング部品連は、つづら折状やリール巻き状にて収容されていることが多いため、送り移動されて上記装置端部より突出された状態では、折り目や巻き跡の存在により略直線状とならないような場合がある。このような場合にあっては、上記ハサミ型の切断装置では、上記ベーステープの巻き込みを生じるような場合もあり、確実な切断を行なうことができないような場合もある。しかしながら、このように略直線状に保つことで、上記ベーステープの巻き込み等を防止し、確実かつ円滑な切断動作を行なうことができる。したがって、効率的な部品供給を行なうことが可能となる。
また、上記テープ移動規制部は、上記装置端部に格納されて、その他の動作の邪魔とならない位置である格納位置と、上記ベーステープの突出位置と合わせて設定された突出位置との間で進退移動可能であるとともに、上記ベーステープの移動を規制しながら、上記送り動作と同期して、上記格納位置から上記突出位置に移動可能とされているため、上記送り動作の際に、確実に上記ベーステープの移動を規制することができる。
本発明の上記第2態様によれば、上記テーピング部品送り装置が、上記テーピング部品連の上記装置端部よりの突出開始のタイミングと、上記所定量の突出完了のタイミングとを同期させて、上記テープ移動規制部の上記格納位置から上記突出位置への移動を行なうことにより、具体的にかつ容易に上記同期した動作を実現することができる。
本発明の上記第3態様によれば、上記テープ移動規制部が、上記ベーステープの側面と接触することで、上記ベーステープの当該側面と略直交する方向への移動幅を規制することで、確実に上記突出されたベーステープを略直線状に保つことができる。特に、このように移動幅の規制を行なうことで、上記切断装置による切断には影響ない程度に上記ベーステープが僅かに移動されているような状態を許容しながら、当該許容範囲を超えて移動されるような場合に、上記側面と接触することで上記規制を行なうものである。
本発明の上記第4態様によれば、上記ベーステープの側面において、上記テープ移動規制部との接触可能領域が限定されていることで、当該テープ移動規制部と上記部品との干渉や、当該テープ移動規制部と上記切断装置との干渉を確実に防止することができ、上記テープ移動規制部の設置により、円滑な送り動作が阻害されることを確実に防止できる。
本発明のその他の態様によれば、上記テープ移動規制部の配置を上記ハサミ型の切断装置の構造を考慮して決定することで、より簡単な構成で確実な効果を達成することができる。
また、上記テープ移動規制部の接触端部と、上記ベーステープの夫々の送り孔部との関係を考慮することで、上記ベーステープの円滑な送り動作を実現することができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1の実施形態にかかるテーピング部品供給装置5を複数台、着脱可能に装備し、夫々のテーピング部品供給装置5から個別的かつ連続的に供給される夫々の部品を基板に実装する部品実装装置101の外観斜視図(一部透過有り)を図1に示し、テーピング部品供給装置5の外観拡大斜視図を図2に示す。
図1に示すように、部品実装装置101は、その図示奥側に複数本の部品供給ガイド2を整列配置させて備えており、これらの部品供給ガイド2には、その下方に配置された部品収容部3からテーピング部品連4が供給されるようになっている。また、図2にも示すように、夫々の部品供給ガイド2の図示手前側先端には、夫々のテーピング部品供給装置5が連結されている。
さらに、部品実装装置101は、夫々のテーピング部品供給装置5から供給される夫々の部品を個別に保持するとともに、夫々の部品を基板の上方まで搬送する部品搬送装置が備えられている。部品搬送装置は、夫々の部品を個別に保持する複数のチャック13と、夫々のチャック13が固定されるとともに、3つのプーリ7、8、及び9によって平面的に略三角形状に張力が付加されながら支持されている部品搬送体の一例である環状のベルト6と、プーリ7の回転駆動を行なうモータ10とを備えている。なお、ベルト6は、例えば、ゴム、又は合成樹脂により形成されている。
このように部品搬送装置において、ベルト6に夫々のチャック13が固定され、3つのプーリ7、8、及び9によりベルト6の走行駆動が行なわれることで、テーピング部品供給装置5から供給された部品23を、チャック13により保持して、ベルト6の回動によって、部品搬送装置を介して夫々のテーピング部品供給装置5と反対側に位置される部品移替体19の近傍へと部品23の搬送を行なうことが可能となっている。
また、部品移替体19の近傍にまで搬送された部品23は、チャック13から部品移替体19へと部品23の受け渡しを行ない、さらに、部品移替体19により保持された部品23はヘッド20(実装ヘッドの一例である)へと移し替えられ、その下方に配置されたXYテーブル22(基板保持部の一例である)上に保持された基板への当該部品23の実装動作がヘッド20により行なうことが可能とされている。なお、このような部品実装装置101における夫々の動作は、図示しない制御装置により互いの動作が関連付けられて統括的に行なうことが可能となっている。
また、図2のテーピング部品供給装置5に示すように、テーピング部品連4は、素子24とこの素子24に形成された少なくとも2本のリード端子(リード線)25とを有するいわゆるラジアル型の部品23が複数個、整列配置して一体的な状態とされたものである。具体的には、テーピング部品連4は、夫々の部品23を所定の間隔ピッチでもって整列配置させるとともに、この整列配置させた状態にて、夫々のリード端子25をベーステープの一例であるテーピング部材26にテーピングして固定する構成を有している。テーピング部品供給装置500は、このような構成のテーピング部品連4を、夫々の素子24を上方、リード端子25を下方に位置させた状態で、かつ、上記部品搬送装置の夫々のチャック13に保持される部品23の2本のリード端子25を結ぶ延長線が略直線状になるように、チャック13に供給可能に構成されている。なお、このようなテーピング部材26は、例えば、紙材料や樹脂材料等で形成することができる。また、このようなラジアル型の部品としては、例えば、抵抗体やコンデンサ等の部品がある。
また、このようなテーピング部品連4は、図20に示すように、リール90に巻き付けられた状態、あるいは、図21に示すように、所定の長さ単位でもってつづら折状に折り曲げられて、収容箱91に収容された状態で、部品収容部3に収容されて、夫々のテーピング部品供給装置5に供給可能とされている。
ここで、このテーピング部品供給装置5の上面図(平面図)を図3に示し、その側面図を図4に示し、図2、図3、及び図4を用いて、テーピング部品供給装置5の詳細な構造について説明する。
図2、図3及び図4に示すように、テーピング部品供給装置5は、本体フレーム12と、この本体フレーム12の図示上面に長手方向に沿って形成され溝状の部分であって、テーピング部品連4の送り移動を案内するガイド溝27と、このガイド溝27に位置されるテーピング部材26の夫々の送り孔28にラチェット状に係合して、断続的な送り動作(すなわち、ピッチ送り動作)を行なわせる送り体29と、この送り体59と連動してチャック13を開放するチャック開放体30と、チャック13によってテーピング部品連4における夫々の部品23のリード端子25を保持した状態にてテーピング部材26を切断するハサミ型の切断装置14と、さらに、これらの送り体29、チャック開放体30、切断装置14を駆動するためのカム31と、このカム31を駆動するための駆動体としての機能を有するシリンダー32とを備えている。なお、本実施形態においては、送り体29、カム21、及びシリンダー32を主要な部品として、テーピング部品連4の送り動作を行なうテーピング部品送り装置が構成されている。
また、図3に示すように、ガイド溝27には、本体フレーム12におけるガイド溝27の図示左端に位置された部品23のリード端子25を、図示上方に向けて付勢しながら、当接可能な部品検出部33が設けられており、当該位置に部品23が配置されている場合と配置されていない場合とでの部品検出部33の停止位置の相違により、当該位置(すなわち、供給待機位置)における部品23の有無を検出することが可能となっている。また、このような検出結果を用いて、シリンダー32によるカム31の駆動量を制御することも可能とされている。
また、図4に示すように、カム31は、2つの摺動孔34夫々にピン35を係合させて、その状態にてシリンダー32による往復移動が行なわれるようになっている。
また、カム31のチャック開放カム面36には伝達機構37を介して、チャック開放体30が連結されている。この伝達機構37は、チャック開放カム面36にピン38を当接させたレバー39と、このレバー39を支軸40で保持したレバー41と、このレバー41を軸支した支軸42等により構成されている。
また、カム31には、切断刃開閉カム面43と、切断刃移動カム面44とを有し、切断刃開閉カム面43には支軸45で軸支されたレバー46のピン47が係合され、このレバー46を介して切断装置14における夫々の切断刃14aを開閉するようになっている。
また、切断刃移動カム面44には支軸48で軸支されたレバー49のピン50が係合されており、さらに、このレバー49の遊端側には上述の送り体29が連結され、さらにこの遊端にはレバー51を介して夫々の切断刃14aが連結されている。
また、図3及び図4に示すように、テーピング部品供給装置5においては、ガイド溝27に沿ったテーピング部品連4の送り動作によって、本体フレーム12の図示左端である装置端部12aより突出されるテーピング部材26の突出動作を案内するテープガイド60(テープ移動規制部の一例である)が備えられている。
ここで、このテープガイド60を上面から見た部分拡大模式図を図5に示すとともに、突出されたテーピング部品連4の突出動作を案内している状態の部分拡大模式斜視図を図6に示す。図5及び図6に示すように、テープガイド60は、その先端部分において平面的に略U字形状に折り曲げられた構成を有しており、突出されるテーピング部材26の側面における略中央付近の領域と接触されることで、テーピング部材26がテープガイド60の配置されている側への移動を規制する規制部60a(接触端部の一例である)がその先端部分に形成されている。
また、図5に示すように、テープガイド60の規制部60aは、その先端部がテーピング部材26の側面から僅かに離間されるように、テープガイド60の内側に向けて曲げられている。さらに、図6に示すように、テーピング部材26は、その側面における図示上方側端部近傍に配置されて、部品23の夫々のリード端子25を当該側面に固定するリード端子固定領域R1と、図示下方側端部であるハサミ型の切断装置14による切断開始側端部26aとを有しており、規制部60aは、リード端子固定領域R1と切断開始側端部26aの近傍とを避けるように、当該側面の略中央の領域R2において、テーピング部材26と接触可能とされている。
このように、テープガイド60が構成されていることにより、上記テーピング部材26の側面に略直行する方向であって、テープガイド60が配置されている方向への当該突出されるテーピング部材26の移動を規制することが可能となるとともに、テーピング部材26の側面と規制部60aとが接触される場合であっても、部品23のリード端子25及び切断装置14の夫々の切断刃14aと規制部60aとの干渉を防止することが可能となっている。また、テープガイド60の規制部60aは、テーピング部材26に形成されている夫々の送り孔28の径よりも大きく形成されることが望ましい。このように形成することで、送り動作の際に、規制部60aが送り孔28に引っ掛かるという状況が発生することを未然に防止することができるからである。
また、このテープガイド60は、送り体29に固定されており、送り体29の移動、すなわち、送り体29によるテーピング部材26の送り動作と同期して、本体フレーム12の装置端部12aより突出移動されることが可能となっている。具体的には、テープガイド60は、本体フレーム12の装置端部12aより突出されることなく、格納される位置である格納位置(図3及び図4に示す状態の位置である)と、装置端部12aより突出された位置である突出位置との間で、テーピング部材26の送り動作と同期されて進退移動することが可能とされている。
このような構成のテーピング部品供給装置5において、テーピング部品連4の送り搬送と個片への切断、さらにチャック13への受け渡しについて図面を用いて具体的に説明する。
まず、図3及び図4は、テーピング部品供給装置5において、テーピング部品連4の送り動作における初期位置状態を示しており、カム31はシリンダー32により最も左方に移動された状態とされている。この状態においては、切断装置14における夫々の切断刃14aが本体フレーム12側に位置されている。
つまり、チャック13と夫々の切断刃14aとは近接して配置されているため、チャック13により保持された部品23が搬送される際に、夫々の切断刃14aと夫々のチャック13とが互いに干渉しないように、夫々の切断刃14aを本体フレーム12側に移動させているのである。
また、図3及び図4に示す初期位置状態においては、切断装置14における夫々の切断刃14aは開放状態とされており、後述するテーピング部品連4の送り動作により、上記開放された夫々の切断刃14aの間を、テーピング部材26が通過することとなる。
次に、シリンダー32が駆動されて、カム31の右方への移動が開始された状態におけるテーピング部品供給装置5の上面図を図7に示し、その側面図を図8に示す。図8に示すように、カム31の右方への移動の初期において、カム31におけるチャック開放カム面36上をピン38が昇ることにより、レバー41が支軸42を回転中心として図示左方に回動し、これにより図7に示すように、チャック開放体30がチャック13方向へと移動する。
チャック13は、固定爪52と、この固定爪52に対して開閉する可動爪53とを備え、可動爪53の内面側に弾性体54を取り付けた構成としたものであり、可動爪53のテーピング部品供給装置5側には、チャック開放体30と係合する係合部55が設けられている。
チャック13がこのような構成を有していることにより、チャック開放体30と係合部55とを係合させることで、図7に示すようにチャック13を開放することができ、当該係合を解除することでチャック13を閉止することができる。
また、チャック13においては、固定爪52で個片となったテーピング部品連4の位置決めを行ない、可動爪53の内面側の弾性体54の適度な弾性により上記個片化された部品23の確実な保持を行なうことが可能となっている。
また、図8に示すように、チャック13が開放した状態においては、ピン50が切断刃移動カム面44を昇ることにより、レバー49を介して送り体29が駆動されて、これによりテーピング部品連4が、開放されたチャック13内へと送られることとなる。
このとき、部品搬送装置において、夫々のチャック13は、テーピング部品連4の受け取りのために停止状態、すなわち、夫々のチャック13を固定するベルト6の走行が停止された状態とされておりため、レバー51、及び夫々の切断刃14aの保持体56を介して、夫々の切断刃14aをチャック13側の方向へと移動させても、夫々のチャック13と夫々の切断刃14aとが干渉することもない。
なお、保持体56は支軸57によって軸支されたものであり、その遊端側がレバー51により左方に移動させられることによって夫々の切断刃14aがチャック13側の方向へと移動されるのである。
また、このようなテーピング部品連4の送り動作に同期されて、図3及び図4に示す格納位置P1に位置されていたテープガイド60が、突出されるテーピング部材26の側面と接触されることで、テープガイド60側の方向へのテーピング部材26の曲がり移動を規制しながら、テーピング部材26の突出動作の案内を行なう。このような上記突出動作の案内が行なわれることで、装置端部12aよりのテーピング部材12の突出動作の際に、テーピング部材12を略直線的に送り出すことができる。
さらに、シリンダー32を駆動させて、カム31が図示右方に移動された状態におけるテーピング部品供給装置5の上面図を図9に示し、その側面図を図10に示す。図9及び図10に示すように、このような状態においては、レバー49により送り体29が完全に送り動作を行なった状態となっている。また、ピン38はチャック開放カム面36を略下降した状態となっており、この状態であればレバー41が右方へ回動することにより、チャック開放体30が図示右方に移動され、その結果として、開放状態にあったチャック13が略閉止された状態となる。すなわち、テーピング部品連4の先端側において、夫々のリード端子25がチャック13によって保持された状態とされる。
また、このようなチャック13による夫々のリード端子25の保持動作とともに、カム31が最も図示右方へと移動されることで、ピン47が切断刃開閉カム面43を完全に昇り切った状態とされ、支軸45によって軸支されたレバー46の左端側から下方に下げられて、これによって夫々の切断刃14aが完全に閉じられて、この結果として、テーピング部品連4において整列配置されている部品23と部品23との間の位置においてテーピング部材26が切断され、先端部に位置されていた部品23と当該部品23を固定するテーピング部材26が個片となり、この個片がチャック13により保持された状態となる。
また、図9及び図10に示すように、夫々の切断刃14aによるテーピング部材26の切断の際においても、テープガイド60によりテーピング部材26の折れ曲がり等が規制されており、チャック13の部品23の保持動作による間接的なテーピング部材26の保持と併せて、テーピング部材26の位置の規制が行なわれている。なお、図9及び図10に示すテープガイド60の位置が突出位置P2となっている。
このようなテーピング部材26の切断が行なわれると、次に、シリンダー32の駆動によりカム31は図3及び図4に示す初期位置状態へと復帰されることとなる。この復帰の際、カム31が左方に戻されて、ピン38がチャック開放カム面36を登ることとなるが、このときにチャック13を開放してしまうと、チャック13が保持している部品23が脱落してしまうこととなるので、これを防止する対策が必要となる。
そこで、本実施形態においては、伝達機構37にて、レバー39のピン38がチャック開放カム面36を上昇する際に、このレバー39が時計方向に回動するのみで、レバー41は左方へ押されず、この結果としてチャック開放体30によるチャック13の開放は行なわれず、よってチャック13に保持された部品23の脱落も生じない。
また、夫々の切断刃14aは開放した後、再びテーピング部品供給装置5の本体フレーム12側に移動されることで、部品23を保持したチャック13の搬送動作を阻害しないようにされている。もちろん、送り体29も元の状態へと復帰されて、次回の送り動作に備えることとなる。
ここで、格納位置P1に位置された状態のテープガイド60と、ハサミ型の切断装置14が備える夫々の切断刃14aとの平面的な配置関係を模式的に示す模式説明図を図11(A)に示し、さらに、突出位置P2に位置された状態のテープガイド60と、テーピング部材26の切断動作を行なっている状態の夫々の切断刃14aとの平面的な配置関係を示す模式説明図を図11(B)に示す。なお、図11(A)及び(B)においては、テープガイド60、夫々の切断刃14a、及びテーピング部材26の断面を示すことで、夫々の平面的な配置関係を示している。
図11(A)に示すように、格納位置P1に位置されている状態のテープガイド60の内側には、開放された状態の夫々の切断刃14aが配置されている。このような状態においても、夫々の切断刃14aとテープガイド60との干渉が防止可能なように、夫々の切断刃14aの開放幅W2よりもテープガイド60の幅W1が大きくなるように、テープガイド60が形成されている。
また、図11(B)に示すように、突出位置P2にテープガイド60が位置されるとともに、夫々の切断刃14aも装置端部12a側に退避された退避位置P3から、僅かに突出された位置である切断位置P4に移動されることとなる。さらに、この切断位置P4において、夫々の切断刃14aが閉止されて、テーピング部材26の切断動作が行なわれることとなる。このような位置関係にて、夫々の切断刃14aとテープガイド60の規制部60aとの干渉を防止して、確実な切断動作の実施を実現するために、規制部60aの長さ寸法L3は、格納位置P1から突出位置P2までのテープガイド60の移動距離L1と、退避位置P3から切断位置P4までの夫々の切断刃14aの移動距離L2とを考慮して決定される。また、併せて、規制部60aの長さ寸法L3の決定にあたっては、テープガイド60が格納位置P1に位置された状態において、他の構成部材との干渉を防止することも考慮する必要がある。
次に、テーピング部品連4の先端部分において、テーピング部材26に部品23が固定されていない部分を有しているような状況にて、テーピング部品供給装置5によりテーピング部品連4の送り動作が行なわれるような場合について、図面を用いて説明する。なお、このようにテーピング部材26において部品が固定されていない部分が存在するような状況は、例えば、図39や図40に示すテーピング部品連204、304が用いられるような場合に生じることが考えられる。
まず、このような状態にあるテーピン部品連4を送り動作可能に保持した状態、すなわち、上記送り動作の初期位置状態(上述した図3、及び図4に相当する状態)にあるテーピング部品供給装置5の上面図を図12に示し、その側面図を図13に示す。
図12及び図13に示すように、テーピング部品供給装置5においては、カム31がシリンダー32により最も左方に移動された状態とされており、この状態においては、夫々の切断刃14aが退避位置P3に位置されるとともに開放状態とされている。また、本体フレーム12の装置端部12aの近傍におけるガイド溝27には、テーピング部品連4における部品23が保持されていない部分、すなわち、テーピング部材26しか存在しない部分が位置されている。さらに、テープガイド60は、格納位置P1に位置されており、テープガイド60の規制部60aが、上記テーピング部材26の側面に接触された状態とされている。
次に、シリンダー32が駆動されて、カム31の右方への移動が開始された状態におけるテーピング部品供給装置5の上面図を図14に示し、その側面図を図15に示し、さらにその斜視図を図18に示す。なお、この状態は、上述した図7及び図8に示す状態に相当するものである。
図14、図15、及び図18に示すように、カム31の右方への移動により、送り体29が駆動されて、テーピング部品連4が、装置端部12aより突出されるように送り出されることとなる。また、チャック開放体30がチャック13の係合部55と係合されることにより、チャック13が開放された状態となっており、このチャック13内に部品23のリード端子25を配置させることが可能とされる。しかしながら、テーピング部品連4の先端部分には、部品23が固定されていないため、部品23のリード端子25がチャック13内に配置されることはない。
また、このテーピング部品連4の送り動作に同期されて、格納位置P1に位置されていたテープガイド60が、テーピング部材26の位置の規制を行ないながら、突出位置P2へと移動される。したがって、例えば、テーピング部材26につづら折の折り目部分が存在し、図14において突出された状態のテーピング部材26が、図示上方に向けて折り曲がろうとするような場合であっても、テープガイド60によりテーピング部材26の図示上方への移動が規制されているため、テーピング部材26は折り曲がることはない。よって、図14に示すように、テーピング部材26を略図示直線的な状態に保ちながら、上記送り動作を行なうことができる。なお、図17に示すように、切断装置14の夫々の切断刃14aは、退避位置P3から切断位置P4へと移動されている。
その後、さらに、シリンダー32を駆動させて、カム31が図示右方に移動された状態におけるテーピング部品供給装置5の上面図を図16に示し、その側面図を図17に示し、さらにその斜視図を図19に示す。なお、この状態は、上述した図9及び図10に示す状態に相当するものである。
図16、図17、及び図19に示すように、チャック13は完全に閉止されているものの、この部分におけるテーピング部材26には部品23が固定されていないため、部品23を介して、チャック13によりテーピング部材26が支持されることはない。しかしながら、上述したように、テープガイド60によりテーピング部材26の移動が規制されているため、テーピング部材26が折り目部分の存在にも拘わらず、平面的に略直線状態に保たれる。
このような状態において、切断位置P4に位置された夫々の切断刃14aが完全に閉止されることで、装置端部12aより突出されたテーピング部材26を確実に切断することができる。
なお、上述のテーピング供給装置5においては、図11(A)及び(B)に示すように、上面より見て、図示上方側にテープガイド60が配置されているが、このようなテープガイド60の配置は、ハサミ型の切断装置14の夫々の切断刃14aの配置を考慮して決定することができる。すなわち、図11(A)及び(B)に示すように、夫々の切断刃14aのうちの装置端部12a側に配置されている切断刃14aが配置されているテーピング部材26の側面と接触可能なようにテープガイド60を設置することが好ましい。例えば、テーピング部材26につづら折れの折れ目部分が存在して、折り曲げられた状態とされるような場合においては、ハサミの構造により、図11(A)において、図示下側方向に折り曲げられた状態では切断を円滑に行なうことができるのに対して、図示上側方向に折り曲げられた状態では、夫々の切断刃14a間にテーピング部材26を巻き込むような場合があり、円滑な切断動作が阻害される恐れがあるからである。したがって、このような問題を未然に防止すべく、切断装置14の構造を考慮して、テープガイド60の設置位置を決定する必要がある。
また、上述においては、テーピング部品連4がつづれ折れ状で収容され、テーピング部材26にその折り目部分が存在するような場合について説明したが、テーピング部品連4がリール状に収容され、テーピング部材26に曲がり跡がついているような場合であっても、テープガイド60の設置により同様な効果を得ることができる。
また、図5に示すように、略直線状に送り出されたテーピング部材26の側面に、テープガイド60の規制部60aが接触されるような場合について説明したが、このような場合についてのみ、本実施形態が限定されるものではない。例えば、このような場合に代えて、略直線状に送り出されたテーピング部材26の側面と、規制部60aとの間に、所定の隙間が設けられるような場合であってもよい。このようにすることで、テーピング部材26が略直線状に送り出されるような場合には、規制部60aと接触することもなく、円滑な送り動作を実現することができ、テーピング部材26が折れ曲がった状態で送り出され、この折れ曲がった状態が切断装置14による円滑な切断動作が阻害されるような限度(すなわち、テーピング部材26の移動幅)を超えるような場合に初めて規制部60aと接触されて、このような状態のテーピング部材26の折れ曲がりを矯正することができる。
上記実施形態によれば、テーピング部品供給装置5において、装置端部12aより突出されるように送り出されるテーピング部品連4に対して、テーピング部材26の側面と接触されることで、当該側面と略直交する方向へのテーピング部材26の移動を規制し、テーピング部材26を平面的に略直線状態に保つテープガイド60が備えられていることにより、つづら折の折り目やリールの巻き跡がテーピング部材26に存在するような場合であっても、上記規制によりテーピング部材26を確実に略直線状に保ちながら、切断装置14による切断動作を、円滑かつ確実に行なうことができる。
特に、テーピング部品連4の先端部分において、部品23が固定されていないような部分が存在するような場合にあっては、チャック13による部品23を介したテーピング部材26の支持を行なうことができず、テープガイド60によるテーピング部材26の規制は効果的なものとなる。
さらに、このようなテープガイド60を設けるような場合であっても、テーピング部品連4の送り出し動作と同期されて、テープガイド60が格納位置P1と突出位置P2との間で進退移動が行なわれるため、チャック13のよる部品23の搬送動作を阻害することもない。
また、テープガイド60における規制部60aの先端部分が、接触されるテーピング部材26の側面から僅かに離間するように、テープガイド60の内側に向けて折り曲げられた構成とされていること、さらに、規制部60aの大きさが、テーピング部材26に形成されている夫々の送り孔28の径よりも大きくなるように形成されていることにより、テーピング部材26の側面への規制部60aが接触されるような場合であっても、規制部60aが当該側面に引っ掛かり、円滑な送り動作を阻害するというような問題の発生を未然に防止することができる。
したがって、テーピング部品供給装置において、つづら折状あるいはリール状のテーピング部品連4、204、304の収容形態にも拘わらず、送り出されたテーピング部材の確実な切断を行なうことができ、効率的な部品供給を実現することができる。
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。