JP5891356B2 - 加湿装置および加湿空気清浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、室内の空気を加湿するために使用され、加湿手段としてのフィルタを有する加湿装置および加湿空気清浄装置に関するものである。
従来、この種の加湿装置には、繊維径3〜15μmの繊維を20〜80質量%含有する吸水性シートを成形してフィルタとしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その加湿手段としてのフィルタについて図6を参照しながら説明する。図6に示すように、加湿フィルタ101は吸水性シートとしての不織布102からなり、コルゲート構造を構成単位とし、水が充填された貯水部103から自然吸水する。吸水した加湿フィルタ101に、乾燥空気を通過させて、加湿空気を得るものである。
特開2005−156006号公報
このような従来の加湿装置においては、加湿水として通常水道水が使用され、水道水中にはCaなどのスケール成分が含まれている。そのため、吸水性シート全体に乾燥空気を通過させる構造では、長期間加湿すると吸水性シート全体に水に含まれるスケールが析出することになる。そして析出したスケールによって吸水が妨げられ、吸水速度が低下するため、より長期間にわたって吸水性能を維持することができないという課題があった。また加湿性能が十分ではないという課題があった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、長期間にわたって吸水性能が維持でき、加湿性能が優れた加湿装置および加湿空気清浄装置を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、吸込口と、吹出口を有する本体と、前記吸込口と前記吹出口とを連通する通風経路内に、送風手段と、前記吸込口から吸込んだ空気を加湿する加湿手段を備え、前記加湿手段は、加湿水を貯める上面が開口したトレイと、このトレイに一定量の加湿水を供給する給水タンクと、前記トレイに供給された加湿水に下端部を浸漬した加湿フィルタと、前記加湿フィルタの上部で接触して加湿フィルタに前記トレイの水を供給する給水体と、前記加湿フィルタおよび前記給水体の形状を保持する枠体とを備え、前記枠体は側面に通風用の開口部と非通風状態の側面部とを有し、前記非通風状態の側面部に給水体を固定する固定化部材を備え、前記加湿フィルタは前記枠体の内部に保持され、前記給水体は前記非通風状態の側面部において前記枠体の外側で前記固定化部材で挟み込まれたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、加湿フィルタおよび給水体は枠体によって形状が保持されることとなる。通風経路の外部に設置した給水体では水の蒸発が起こらないため、給水体へのスケール成分の析出が生じにくい状態となる。この結果、給水体ではスケールによる吸水の阻害が発生せず、長期間にわたり安定的に給水体から加湿フィルタに水供給が行われるものである。水道水中に含まれるスケール成分が加湿フィルタに析出して、加湿フィルタの吸水性能が低下しても、非通風状態である前記給水体にはスケール成分の析出が生じにくいために吸水が阻害されず、長期間にわたり安定的に前記給水体から加湿フィルタに水供給が行われるものである。これによって、加湿フィルタにスケール成分が析出しても水が不足することが無く、水の気化を行うことができるものである。
本発明の実施の形態1の加湿装置を示す概略断面図 本発明の実施の形態1の加湿フィルタの設置状態を示す概略斜視図 本発明の実施の形態1の加湿フィルタの設置状態を示す側面図 本発明の実施の形態1の給水体の繊維構造を示す概略図 本発明の実施の形態1の給水体のリブ構造を示す概略図 本発明の実施の形態1の枠体を示す概略斜視図 本発明の実施の形態2の加湿フィルタの設置状態を示す概略斜視図 本発明の実施の形態2の加湿フィルタの構造を示す概略図 従来の加湿装置を示す概略斜視図
本発明の請求項1記載の加湿装置は、吸込口と、吹出口を有する本体と、前記吸込口と前記吹出口とを連通する通風経路内に、送風手段と、前記吸込口から吸込んだ空気を加湿する加湿手段を備え、前記加湿手段は、加湿水を貯める上面が開口したトレイと、このトレイに一定量の加湿水を供給する給水タンクと、前記トレイに供給された加湿水に下端部を浸漬した加湿フィルタと、前記加湿フィルタの上部で接触して加湿フィルタに前記トレイの水を供給する給水体と、前記加湿フィルタおよび前記給水体の形状を保持する枠体とを備え、前記枠体は側面に通風用の開口部と非通風状態の側面部とを有し、前記非通風状態の側面部に給水体を固定する固定化部材を備え、前記加湿フィルタは前記枠体の内部に保持され、前記給水体は前記非通風状態の側面部において前記枠体の外側で前記固定化部材で挟み込まれたことを特徴とする。これにより、加湿フィルタおよび給水体は枠体によって形状が保持される。通風経路の外部に設置した給水体では水の蒸発が起こらないため、給水体へのスケール成分の析出が生じにくい状態となる。この結果、給水体ではスケールによる吸水の阻害が発生せず、長期間にわたり安定的に給水体から加湿フィルタに水供給が行われるものである。また、水が不足しやすい加湿フィルタの上部が、常に湿潤した状態を保たれ長期間にわたって吸水性を維持でき、長期にわたり加湿性能に優れた加湿装置とすることができる。また、固定化部材を使って給水体を枠体に接触させることによって、給水体の位置が安定して固定されることができる。
また、給水体の水の吸上げ速度が、加湿フィルタよりも速いことを特徴とする。水が重力に逆らって毛細管力によって上昇していく場合、加湿フィルタ底部の水面から離れるほど加湿速度は低下していく傾向にある。加湿フィルタ単独で、その底部を水につけて空気を通過させた場合、加湿フィルタの下部は湿っているが、上部は水が不足する傾向が生じる。特に加湿フィルタを長時間使用してスケールが付着してくると、顕著に加湿フィルタの上部で水の不足による乾燥現象が観察される。本発明では、加湿フィルタよりも吸水速度が速い給水体を用いることによって、給水体から加湿フィルタの上部に対して水が供給される。そのため、水が不足しやすい加湿フィルタの上部が、常に湿潤した状態を保たれ長期間にわたって吸水性を維持でき、加湿性能に優れた加湿装置とすることができる。
また、給水体が繊維編物であることを特徴とする。給水体を繊維編物とすることにより、編物の形状・目の細かさ・厚みなどを変化させることが容易となり、加湿フィルタの大きさや通風速度から決まる加湿装置の水の蒸発量を最大にするために、最適な値に給水体を設計することができる。また、繊維編物では、枠体の形状にあわせて自由に変形させることができる。例えば曲面をもつ枠体形状であっても、枠体に沿った形に給水体を変形させ、吸水速度を確保することができる。また、網目の細かさを変えることによって、吸水速度を変化させることができる。
また、繊維編物が経編(たてあみ)であり、前記給水体を前記トレイに配置した時に、前記編物のたて糸の方向が前記給水体の高さ方向と略一致していることを特徴とする。これによって、糸を伝って水が広がっていきやすい向きが高さ方向となり、上方に素早く水を吸上げて給水速度を向上させることができる。
また、繊維編物にリブを設け、リブ方向が前記給水体の高さ方向と略一致していることを特徴とする。繊維のリブ方向は、繊維で構成される溝が連通した形状になっており、リブの溝を伝って水の毛細管現象が発生することにより、蛇行することなく高さ方向に直線的に水が吸上げられるため、給水速度を向上させることができる。
また、給水体に親水加工を施したことを特徴とする。親水加工を施すことにより、編物の保水性と吸水力を向上させることができる。ここで、編物の保水性とは、編物が水を保持する能力を指す。編物の吸水性とは、編物が水を吸水する能力であり、水を吸上げる速度が高く、編物の質量あたりの吸水する水量が高い場合に吸水性が高いことを示す。また、編物の親水性とは、編物の表面が水になじむ性質を指し、表面の接触角の低いものは親水性が高いことを表す。これによって、給水体から加湿フィルタへの水供給量を増加させることができる。
また、枠体の給水体と接する面に凹凸を設けたことを特徴とする。これにより、枠体と給水体の密着面の間に形成される空隙の大きさを、凹凸の大きさによって制御することができ、毛細管現象をより効率的に発現させ、給水体の吸水量および吸水速度を向上させる効果を得ることができる。また、凹凸によって給水体との摩擦力が大きくなり、枠体に給水体を安定して固定させることができる。
また、枠体は、側面に通風用の開口部を備えるとともに、上部の少なくとも一部に上方開口部を備え、前記上方開口部で加湿フィルタと給水体が接触していることを特徴とする。枠体の上方に開口部を設けることによって、通風路に影響を与えずに加湿フィルタの上部から水を供給することができ、加湿フィルタの圧力損失をあげずに加湿量と加湿速度の安定性を確保することができる。また、必要な開口部を確保しながら加湿フィルタを枠によって保護することができ、変形・破損などを防止することができる。
また、加湿装置の通風経路内に、集塵手段を備えたことを特徴とする。これによって、吸込口から吸い込まれた空気中のホコリや雑菌を集塵手段で捕集して、より清潔な空気を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、加湿装置は、吸込口11と、吹出口12を有する本体13と、吸込口11と吹出口12を連通する通風路14内に送風手段15としてのファンと、加湿フィルタ16と給水体17を設けている。貯水部18は、水タンク(図示せず)から供給される水をためるトレー形状であり、上部が開放になって通風路を形成している。貯水部18には、水タンクと一体となった調整弁の働きによって、常に一定量の水19が保持されるようになっている。加湿フィルタ16および給水体17の下部は水と接している。吸込口11から導入された乾燥した空気は、送風手段15によって湿潤した加湿フィルタ16に送り込まれ、加湿フィルタ16で水が気化して吹出口12から加湿空気が放出される。
加湿フィルタ16の設置状態を示す概略斜視図を図2に、側面図を図3に示す。一点破線は貯水部18の水位を表す。加湿フィルタ16は、枠体20の内部に保持された状態で貯水部18の上に配置され、その下部を水に浸漬している。枠体20の外周部には、給水体17が覆うように配置されており、枠体20の側面部20aにおいて、固定化部材21としての樹脂板で挟み込まれている。通風路に導入された乾燥空気は、枠体20の開口した一方側の側面から加湿フィルタ16を通過して、反対側の開口側面を抜けて加湿空気となる。枠体20の側面部20aは樹脂板で非通風状態となっており、給水体17は枠体外周部の非通風経路20bに配置されている。
給水体17の下部である給水体下部17aは貯水部の水に浸漬されており、毛細管力によって水が吸上げられている。枠体20の側面部20aは板状で非通風の状態になっており、上面の一部には開口が設けられている。給水体17の上部である給水体上部17b付近には、枠体20の開口部があり、給水体17と加湿フィルタ16の上部が接している。給水体17の下部から毛細管力によって吸上げられた水は、上部の給水体上部17bを通過して、加湿フィルタの上部に水が落下するように供給される。加湿フィルタ16および給水体17は枠体20によって形状が保持されている。また、枠体20は、貯水部18の溝18aにあわせて位置決めされて設置されおり、着脱自在である。
加湿フィルタ16は、一般的に加湿用に用いられているものを使用できる。セルロース等の紙や木質素材をコルゲート形状に加工したもの、絹・毛・綿・麻等の天然繊維、レーヨン・アセテート・トリアセテート等の合成繊維をコルゲート状にしたもの、吸水性のあるセラミックスハニカムなどを用いることができる。
加湿フィルタ16は、下端部から毛細管現象により吸水が可能である。図2ではコルゲート形状によって水が下端部から加湿フィルタ16の全体に広がっていく。加湿フィルタ16のコルゲート構造の隙間を乾燥空気が流れることによって水の蒸発が起こり、加湿空気が下流側から排出される。水の蒸発は、加湿フィルタ16の全体で起こるため、下部は水が潤沢に存在し十分に湿っていても、上部に行くほど水の量が低下していき乾燥しやすくなる。このため、加湿フィルタ16にスケールが付着して吸水性能が低下すると、加湿フィルタの上部を有効に使うことができず、加湿装置の加湿量が低下するという課題があった。
ここで、加湿フィルタには、風を通しながら水を保持するという2つの機能が求められるため、従来は通風し易いコルゲート不織布のような低圧力損失の形状および材質しか使用することができなかった。一方、本発明では、加湿フィルタ16と非通風状態になるように設置した給水体17が別の部材であるため、給水体17には水を吸上げるという単一機能に適した材質または形状を選択することができ、給水体17から加湿フィルタ16に水を供給できる構成とすることにより、加湿フィルタ16を常に湿った状態に保つことができ、通過する加湿対象空気が十分に水分と接触することができ、その結果、加湿効果を長期間維持できるものである。
本発明の構成では、加湿フィルタ16よりも吸水速度が速い給水体17を用いることによって、給水体17から加湿フィルタ16の上部に対して水が供給される。また、給水体17の側面部は、枠体20と固定化部材21によって通風路から隔離させており、空気への水の蒸発が起こらないため、給水体17にはスケールの析出がおこりにくく、吸水速度が低下しにくい。そのため、水が不足しやすい加湿フィルタ16の上部が、常に湿潤した状態を保たれ長期間にわたって吸水性を維持でき、長期にわたり加湿性能に優れた加湿装置とすることができる。
また、加湿フィルタ16の高さ方向における吸水速度は、25mm/10min以上であることが好ましい。これによって、加湿に必要な水量をすばやく加湿フィルタ16に供給することができ、高い加湿性能を得ることができる。給水体17は、装置に使用される加湿フィルタよりも吸水速度を高くすることが望ましい。
加湿フィルタ16および給水体17の高さ方向における吸水速度は、吸水性評価方法である「バイレック法」を用いて測定することができる。バイレック法とは、鉛直につるした試験片の下端を水中に浸し、一定時間放置後の水の上昇高さを吸水速度で示すものである。加湿装置では、10分間で吸水高さが25mm程度の吸水速度が必要である。
加湿フィルタでは、吸水と放湿のバランスが重要なため、給水速度を確保しながら、放湿に適した通風空間を確保する必要がある。そのため、繊維密度や網目の大きさを極端に小さくすることには限界があった。一方、給水体では、給水速度のみを追及した最適構造をとることができ、加湿フィルタよりも繊維密度を密にし、網目を細かくすることで給水速度を加湿フィルタよりも早くすることができる。また、繊維の太さや繊維束の間隔、編物の場合には編み方を変化させて吸水速度を向上させることもできる。
繊維編物を給水体として用いる場合、繊維の糸の向きが重要である。繊維構造の吸水しやすい方向と高さ方向が一致すると、貯水部18から給水体17を経由して、加湿フィルタ16の上部に十分な水量が吸上げられる。
また、繊維編物が経編(たてあみ)であり、前記給水体を前記トレイに配置した時に、前記編物のたて糸の方向が前記給水体の高さ方向と略一致していることを特徴とする。これによって、糸を伝って水が広がっていきやすい向きが高さ方向となり、上方に素早く水を吸上げて給水速度を向上させることができる。
一般的に、布地は織物と編物の2つに代表される。織物はたて糸とよこ糸を相互に一定角度で直線状に交錯させて布地としたものであり、編物は、1本又は2本以上の編糸でループをつくり、これに連ねて新しいループを連続的に作って布地を編成したものである。編物には緯編(よこあみ)と経編(たてあみ)があり、この類別によって編成方法も異なる。並列した編み針に糸を90度の方向から供給し、ループを作らせ、縦に連綴させる緯編に対し、経編では、並列した編み針に対した編針に対し、糸を同方向から供与し、ループ編成をさせたのち、隣接するループに次々とつづらせたものである。経編みの糸の拡大構造を図4に示す。縦方向にループを連ね、隣接する糸をくぐらせることによって編物の布地が構成されている。ここで、図4に太線で示す一本の糸に着目すると、経編を構成する1本の糸22は、ループを作りながら、上方に向かって糸がつながっている。水は、糸と糸をまたがって伝わるよりも、1本の糸を伝わるほうが、移動速度が速くなる。糸は細い繊維を束ねたものであり、繊維束が水を保持できるミクロンオーダーの微小間隙を形成するため、繊維の方向に沿って水が伝わりやすい。ここで、毛細管力は、微小間隙であるほど力が強くなる性質をもつ。
繊維束に続いて毛細管力が強いのが、網目や繊維同士の重なりで形成されるミリメートルオーダーの小間隙である。網目や繊維の重なりが一定の配列を示して管状になっていると、管の向きに沿って水が移動し易くなる。繊維編物では、リブと呼ばれる布地の表面に盛り上がって見える筋を形成することができる。図5は、繊維編物で形成したリブの概略図であり、下から上に向かって溝が形成されている。リブの溝方向は、管が蛇行せず、直線的に吸水することができるので、吸水高さを高く維持でき、給水体17の保水量を高めることができる。
給水体には吸水性の繊維を用いても良い。吸水性の繊維としては、公定水分率が0.4%以上の繊維を用いることができる。たとえば合成繊維ではポリエステル、アクリル、ナイロン、ビニロン、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、トリアセテート、プロミックスなどが挙げられる。天然繊維としては、絹、毛、綿、麻などが挙げられる。ポリビニルアルコールスポンジ、ナイロンマイクロファイバーなどを用いても良い。セルロース等の紙や木質素材、絹・毛・綿・麻等の天然繊維、レーヨン・アセテート・トリアセテート等の合成繊維、吸水性のあるセラミックスを用いてもよい。
給水体の強度保持のため、吸水性繊維と非吸水性繊維を混合して用いても良い。例えば、吸水性の繊維として公定水分率2.0%のアクリルと、非吸水性繊維としての公定水分率0%のポリエチレンを用いてもよい。強度と付与するためには、たとえば、ポリエステル、アクリル、ナイロン、ビニロン、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、アセテート、トリアセテート、プロミックスなどを用いることができる。
吸水性を高める形状として、繊維からなる素材において、隣り合う繊維間隔を狭くして毛細管現象を生じやすくする構成、繊維同士を重ね合わせて隙間を作る構成、繊維を屈曲させて隙間を作る構成、繊維と樹脂を積層して隙間を作る構成、スポンジ形状に加工して空隙を小さくする構成などが挙げられる。また、ポリエステルマイクロファイバーなど微細構造を持つ構造にすれば、非吸水性繊維であっても毛細管現象を生じやすくすることができる。
給水体には親水加工を行っても良い。例えば、糸を構成する繊維の少なくとも一部に、親水化材としてのシリカゲルを担持することにより、繊維間の毛管現象が起きやすくなり、給水体の吸水速度を向上することができ、より高い加湿性能の加湿装置を得ることができる。ここで、編地の親水性とは、編地の表面が水になじむ性質を指し、表面の接触角の低いものは親水性が高いことを表す。
親水化材は、編地、糸または繊維に担持させることで編地、糸または繊維に親水性を与えるものであり、吸水速度を高めるものを指す。親水化材としては、シリカゲルやゼオライトなどの無機化合物、コットンリンタなどの糸片などが挙げられる。また、ポリエチレングリコールなどの高分子が挙げられる。親水化材を担持する方法としては、これらの粒子を、バインダを用いて基材表面に接着すれば良い。バインダの種類はとくに指定するものではなく、担持する粒子、基材表面性質、および使用環境などを考慮して適したものを選択すれば良い。また、親水性塗料を塗布したり、繊維に親水性素材を練りこんだりするなどしても良い。
加湿フィルタ16の上方の少なくとも一部に給水体17が接触するときの効果を詳細に説明する。加湿フィルタ16のみで長期間加湿すると、貯水部18としての水槽内の貯水に含まれるスケール成分の析出により、吸水が阻害される。これは、加湿フィルタ16の下部からCa等のスケール等を含む水が吸水され、水が蒸発するとその場所にスケール成分が析出されるためである。スケールが付着すると導水経路が狭くなり、毛細管現象が起こりにくくなり、吸水速度は徐々に低下するものである。
一方、給水体17は、通風路に接する面積が少ないため、水の蒸発が起こりにくく、スケール成分の析出が生じにくい。そのため吸水速度は長期的に低下せずに持続する。給水体17から加湿フィルタ16の上部に供給された水は、重力と毛細管現象の作用によって加湿フィルタ16を下方に向かって移動していく。ここで、繊維間の隙間を利用した毛細管現象による水の移動とは異なり、重力による水の移動ではスケールが導水経路を狭くしてもスケールの外側を水が伝わって落下していくため、スケール付着の影響を受けずに水の移動が行われる。
従って、給水体下部17aから給水体上部17b、そして加湿フィルタ16の順に水が伝わるため、長期間使用してスケールが付着しても、加湿フィルタ16全体が長期間にわたって湿った状態となり、長期間にわたって安定的な気化を行うことができる。
図6に枠体20の一例を示す。枠体20は、通風路に沿って対向する側面にそれぞれ開口部24を備えた箱状のものである。開口部24から、ハニカム状の加湿フィルタ16を着脱自在に配置することができる。これによって、加湿フィルタの洗浄や交換を容易にすることができる。枠体の上面には給水体上部17bと加湿フィルタ16を接触させるために設けた別の開口部24aを備えている。枠体20には、側面に固定化部材21を固定するための勘合部と突起25を備えている。突起25を目印として給水体17を位置決めして設置することができる。また、枠体20および固定化部材21の表面には縦方向に向かって直線的に彫られた凹凸模様が施されている。凹凸によって生じる隙間によって、給水体17の毛細管現象によって水が上方に吸上げる作用に加えて、給水体17と枠体20および、給水体17と固定化部材21の隙間にも水が保持される。このような構造をとることによって、給水体周辺の水保持量が増加して給水体がさらに乾燥しにくくなり、給水体17の位置がずれにくく、安定して加湿性能維持できる加湿装置を得ることができる。
なお、図1においては、送風手段15としてのファンは加湿フィルタ16の上流に位置し、加湿フィルタ16に空気を吹出す構成としているが、送風手段15を下流に設けて加湿フィルタ16から空気を吸込む構成としてもよく、その作用効果に差異を生じない。送風手段15としては、たとえば、ターボファン、シロッコファンなどが挙げられる。
また、図1の加湿フィルタ16の下流部に集塵フィルタ27を備えることによって、加湿空気清浄装置とすることができる。吸込口11から本体13に導入された空気は、貯水部18から非通風経路20bを通じて吸い上げた水を保持した加湿フィルタ16を通過して加湿され、さらに集塵フィルタ27を通過して粒子の除去が行われ、吹出口12から清浄化された加湿空気を放出する。集塵フィルタ27は、ガラス繊維、合成樹脂繊維、スポンジ等の一般的に空気清浄フィルタとして用いられるものを使用することができる。
以上の構成により、加湿と粒子の除去を行いながら、長期間にわたり安定的な気化と空気清浄を行うことができる加湿空気清浄装置を得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。図7および図8に示すように、加湿フィルタ16は、枠体20の内部に保持された状態で貯水部18の上に配置され、その下部を水に浸漬している。加湿フィルタ16は上方から見た場合、V字型になるように折り曲げた状態で配置されている。加湿フィルタ16は、開口率の大きい表面の編地28と裏面の編地29を、3本以上の繊維を束ねた糸30が連結してなる立体編物により構成している。立体編物からなる加湿フィルタ16は、通風方向に対して開口が斜めに空いている。加湿される乾燥空気は、立体編物の表面の編地28から入り、糸30の周囲を流れて裏面の編地29から抜け、加湿空気となる。立体編物は厚みがあるため、V字型に形成された折り曲げ部は繊維が密集した状態で屈曲している。加湿フィルタ16としては、立体編物以外の編物、織物を用いてもよい。セルロース等の紙や木質素材をメッシュ形状に加工したもの、絹・毛・綿・麻等の天然繊維、レーヨン・アセテート・トリアセテート等の合成繊維を目の粗い状態で板状にしたものを用いてもよい。
枠体20の外周部には、給水体17が覆うように配置されており、枠体20の側面において、固定化部材21としての樹脂板で挟み込まれている。給水体下部17aは貯水部の水に浸漬されており、毛細管力によって水が吸上げられている。枠体20の側面は板状で非通風の状態になっており、上面の一部には開口が設けられている。給水体17と加湿フィルタ16の上部端面が接しており、給水体17の下部から毛細管力によって吸上げられた水は、給水体上部17bを通過して、加湿フィルタの上端部を伝わって、繊維に沿って水が落下するように供給される。加湿フィルタ16および給水体17は枠体20によって形状が保持されている。また、枠体20は、貯水部18の溝18aにあわせて位置決めされて設置されおり、着脱自在である。
このような構成とすることにより、加湿フィルタ16は目が粗く通気性の良い状態でありながら、十分な水量を給水体から得ることができ、常に湿潤した状態にすることできる。このとき、単位体積あたりの繊維密度は、加湿フィルタ16よりも給水体17のほうが密となり、その結果として、給水体17のほうが多くの繊維間隙が発生するため、給水速度は加湿フィルタよりも給水体のほうが速くなる。また、給水体17の側面部は、枠体20と固定化部材21によって通風路から隔離させており、空気への水の蒸発が起こらないため、給水体17にはスケールの析出がおこりにくく、吸水速度が低下しにくい。そのため、水が不足しやすい加湿フィルタ16の上部が、常に湿潤した状態を保たれ長期間にわたって吸水性を維持でき、長期にわたり加湿性能に優れた加湿装置とすることができる。
本発明にかかる加湿装置および加湿空気清浄装置は、長期間にわたり安定的な水供給と気化を行うことを可能とするものであるので、家庭用、あるいは業務用として使用される加湿装置、加湿機能付空気清浄装置等として有用である。
11 吸込口
12 吹出口
13 本体
14 通風路
15 送風手段
16 加湿フィルタ
17 給水体
17a 給水体下部
17b 給水体上部
18 貯水部
18a 溝
19 水
20 枠体
20a 側面部
20b 非通風経路
21 固定化部材
22 経編を構成する1本の糸
23 リブ
24 開口部
24a 開口部
25 突起
26 凹凸形状
27 集塵フィルタ
28 表面の編地
29 裏面の編地
30 糸
101 加湿フィルタ
102 不織布
103 貯水部



Claims (9)

  1. 吸込口と、吹出口を有する本体と、前記吸込口と前記吹出口とを連通する通風経路内に、送風手段と、前記吸込口から吸込んだ空気を加湿する加湿手段を備え、前記加湿手段は、加湿水を貯める上面が開口したトレイと、このトレイに一定量の加湿水を供給する給水タンクと、前記トレイに供給された加湿水に下端部を浸漬した加湿フィルタと、前記加湿フィルタの上部で接触して加湿フィルタに前記トレイの水を供給する給水体と、前記加湿フィルタおよび前記給水体の形状を保持する枠体とを備え、前記枠体は側面に通風用の開口部と非通風状態の側面部とを有し、前記非通風状態の側面部に給水体を固定する固定化部材を備え、前記加湿フィルタは前記枠体の内部に保持され、前記給水体は前記非通風状態の側面部において前記枠体の外側で前記固定化部材で挟み込まれたことを特徴とする加湿装置。
  2. 給水体の水の吸上げ速度が、加湿フィルタよりも速いことを特徴とする請求項1記載の加湿装置。
  3. 給水体が繊維編物であることを特徴とする請求項1または2記載の加湿装置。
  4. 繊維編物が経編であり、前記給水体を前記トレイに配置した時に、前記編物のたて糸の方向が前記加湿フィルタの高さ方向と略一致していることを特徴とする請求項3記載の加湿装置。
  5. 繊維編物にリブを設け、リブの溝方向が前記給水体の高さ方向と略一致していることを特徴とする請求項3または4記載の加湿装置。
  6. 給水体に親水加工を施したことを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の加湿装置。
  7. 枠体の給水体と接する面に凹凸を設けたことを特徴とする請求項1からいずれか1項に記載の加湿装置。
  8. 枠体は、側面に通風用の開口部を備えるとともに、上部の少なくとも一部に上方開口部を備え、前記上方開口部で加湿フィルタと給水体が接触していることを特徴とする請求項1からいずれか1項に記載の加湿装置。
  9. 請求項1からいずれか1項に記載の加湿装置の通風経路内に、集塵手段を備えた加湿空気清浄装置。
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