JP2011144944A - 加湿装置 - Google Patents

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美緒 織部
Miyuki Otomo
みゆき 大友
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Abstract

【課題】乾燥した室内空気を加湿する加湿装置において、長期間にわたって安定的に高い加湿性能を得ることを目的とする。
【解決手段】空気の吸込口11と吹出口12を有する本体13と、この吸込口11と吹出口12を連通する風路14内に、加湿フィルタ15と、トレイ16と、水供給手段と、送風手段としてのファン17とを備えた加湿装置であって、前記加湿フィルタ15の構成基材が表地18と裏地19、およびこの表地18と裏地19とを繋ぐ連結糸20で構成されているダブルラッセル編地であり、前記編地を構成する糸のうち、連結糸20が単繊維径10μm以上の繊維を束ねた糸を含み、導水性を有することを特徴とすることにより、長期間にわたって高い導水効果を維持し、安定的に加湿性能が得られる加湿装置を得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、乾燥した室内空気を加湿する加湿装置に関するものである。
従来、この種の加湿装置には、繊維径3〜15μmの繊維を20〜80質量%含有する吸水性シートを成形して加湿フィルタとするものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その加湿フィルタについて図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、加湿フィルタ101は吸水性シートとしての不織布102からなり、コルゲート構造を構成単位とし、水が充填された貯水部103から自然吸水する。前記不織布102が、繊維径3〜15μmの繊維を20〜80質量%含有し、少なくとも一部が熱溶着していることにより、加湿性能に優れ、耐久性を有する加湿フィルタ101を得ることができる。
また、この種の加湿装置には、1.1dtex以下の極細繊維を含んでなる布帛を加湿フィルタとするものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
以下、その加湿フィルタについて図6を参照しながら説明する。
図6に示すように、加湿装置は、プラスチック製の四角形をなす枠体201で構成され、貯水部202はプラスチック製容器であり、この容器内に水203が充填されている。この反対側に設けられた加湿部には、1.1dtex以下の極細繊維を含んでなる布帛が加湿フィルタ204として固定されている。この枠体201の上部には、布帛と同幅の隙間が設けられており、この隙間から加湿フィルタ204を構成する布帛の一部を貯水部202に垂らし込んで、水に浸漬させることで、貯水部202の水が布帛を通して加湿部に運ばれ、そこで空気中に自然蒸散されて、雰囲気を加湿する。
特開2005−156006号公報 特開2006−90637号公報
このような従来の加湿装置においては、加湿フィルタは不織布を吸水性シートとしたコルゲート構造体であるために、伸縮性がなく、汚れが付着した際に構造を変化させて洗浄することができず、不織布を構成する繊維間に入り込んだ汚れを十分に落としきることができないため、長期間にわたって安定的に加湿性能を得ることが難しいという課題を有していた。また、不織布を構成する繊維は無秩序に存在し、吸水の方向性を制御することが難しく、より高い導水効果が得られにくいという課題を有していた。
また、別の加湿装置においては、加湿フィルタが極細繊維を含む場合、その極細繊維の弾性が小さいため、形状安定性を得ることが難しく、高い吸水性と形状安定性を両立するためには、極細繊維以外の繊維を混合する必要があり、必ずしも極細繊維100重量%と同程度の高い加湿性能を得ることはできないという課題を有していた。また、自然蒸散による加湿を期待しており、その加湿性能が雰囲気の温湿度に大きく左右されるが、加湿性能を増すために強制的に空気と接触させた場合には、圧力損失が高く、装置としての消費電力が増えたり騒音が発生したりするという課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、長期間にわたって高い導水効果を維持し、安定的に加湿性能が得られる加湿装置を提供することを目的とする。また、加湿装置の低消費電力化・低騒音化を実現することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明は、空気の吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタを配置するためのトレイと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段とを備えた加湿装置であって、前記加湿フィルタの構成基材が表地と裏地、およびこの表地と裏地とを繋ぐ連結糸で構成されているダブルラッセル編地であり、前記編地を構成する糸のうち、連結糸が単繊維径10μm以上の繊維を束ねた糸を含み、導水性を有するものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、空気の吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタを配置するためのトレイと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段とを備えた加湿装置であって、前記加湿フィルタの構成基材が表地と裏地、およびこの表地と裏地とを繋ぐ連結糸で構成されているダブルラッセル編地であり、前記編地を構成する糸のうち、連結糸が単繊維径10μm以上の繊維を束ねた糸を含み、導水性を有するという構成にしたことにより、長期間にわたって高い導水効果を維持し、安定的に加湿性能が得られる加湿装置を得ることができる。また、加湿装置の低消費電力化・低騒音化を実現することができる。
本発明の実施の形態1の加湿装置を示す概略断面図 本発明の実施の形態1の加湿フィルタを示す概略斜視図 本発明の実施の形態2の加湿フィルタの連結糸を示す概略断面図 本発明の実施の形態3の加湿フィルタを示す概略斜視図 従来の加湿フィルタの一例を示す概略斜視図 同加湿装置の一例を示す概略断面図
本発明の請求項1記載の加湿装置は、空気の吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタを配置するためのトレイと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段とを備えた加湿装置であって、前記加湿フィルタの構成基材が表地と裏地、およびこの表地と裏地とを繋ぐ連結糸で構成されているダブルラッセル編地であり、前記編地を構成する糸のうち、連結糸が単繊維径10μm以上の繊維を束ねた糸を含み、導水性を有することを特徴とする。
以下、単繊維は「繊維」、単繊維を束ねたものを「糸」と表現する。これにより、加湿フィルタへの吸水の方向性を容易に制御することができ、吸水速度が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。同時に、十分な太さの繊維を使うことにより、連結糸に弾性を付与することができ、加湿フィルタの形状を安定的に保つことが可能となる。ここでいう導水性とは、繊維あるいは糸が保持した水を、隣接するあるいは連なる繊維あるいは糸へと伝える性質を示す。
また、連結糸が3本以上の繊維を束ねた糸から構成されるものであっても良い。これにより、連結糸中での毛管現象が起きやすくなり、より導水効果が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。
また、連結糸が合成樹脂を含むものであっても良い。これにより、連結糸に弾性を付与することができ、使用中の変形に対しても、加湿フィルタの形状を安定的に保つことが可能となる。また、高い耐久性を得ることができる。
また、連結糸を構成する素材表面での水接触角が90°以下であるという構成にしても良い。これにより、連結糸表面での水なじみ性が向上し、より導水効果が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。
また、連結糸を構成する繊維材質の公定水分率が10%以下であっても良い。これにより、その表面に水を付着させて導水性を得るために、すなわち、連結糸の内部には水を吸い込まないために、水に汚れが含まれる場合であっても、汚れが繊維の内部まで入り込まず、表面にのみ付着するため、その汚れは容易に除去することができ、加湿フィルタを清潔に保つことができる。ここでいう公定水分率とは、20℃65%RHの環境下における繊維の水分率とする。
また、加湿フィルタを構成する繊維のうち、少なくとも連結糸に吸水材を担持しても良い。これにより、連結糸表面での水なじみ性が向上し、より導水効果が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。
また、加湿フィルタの高さ方向における吸水速度が25mm/10min以上であっても良い。これにより、加湿に必要な水量をすばやく加湿フィルタに供給することができ、高い加湿性能を得ることができる。
また、加湿フィルタにおける放湿速度が15ml/10min以上であっても良い。これにより、加湿フィルタに供給した水をすばやく加湿することができ、高い加湿性能を得ることができる。
また、空気導入時の加湿フィルタの受風面における空気流路が、下部よりも上部のほうが狭いことを特徴とするものであっても良い。これにより、上部における加湿が促進され、加湿の進まない下部からの吸水が効率的に行われるようになる。また、下部は乾燥しにくいために、水中不純物の析出が起きにくく、加湿フィルタ全体への導水効果を安定的に維持することができる。
また、空気導入方向に対する加湿フィルタの厚みが4mm以上であっても良い。これにより、連結糸の長さが4mm以上確保されることになり、加湿フィルタに十分な水量を保持することができる。さらに、空気と、加湿フィルタ上の水との接触時間が十分に確保され、高い加湿性能を得ることができる。
また、加湿フィルタを構成するダブルラッセル編地の表地と裏地に開口を有し、送風手段から送られる空気が、編地の表裏面に垂直に導入される構成であっても良い。これにより、空気の流路を確保しながら、空気と、加湿フィルタ上の水との高い接触確率を得ることができるために、高い加湿性能を得ることができる。
また、表裏面のうち、空気の上流に位置する開口が、下流に位置する開口よりも大きいことを特徴とするものであっても良い。これにより、空気と、加湿フィルタ上の水との接触確率が高まり、より高い加湿性能を得ることができる。
また、加湿フィルタが抗菌性を有するものであっても良い。これにより、加湿フィルタにおける雑菌やカビなどの繁殖を防止でき、清潔に保つことができる。
また、トレイが、加湿フィルタの洗浄槽を兼ねるものであっても良い。これにより、加湿フィルタを洗浄する作業が容易になり、ユーザーの手間を省くことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、加湿装置は、空気の吸込口11と吹出口12を有する本体13と、この吸込口11と吹出口12を連通する風路14内に、空気を加湿するための加湿フィルタ15と、加湿フィルタ15を配置するためのトレイ16と、加湿フィルタ15に水を供給するための水供給手段としてのタンク(図示しない)と、加湿フィルタ15に空気を送る送風手段としてのファン17とを備えた加湿装置である。加湿フィルタ15の構成基材は図2に一例を示すようなダブルラッセル編地である。ダブルラッセル編地とは、表地18と裏地19、およびこの表地と裏地とを繋ぐ連結糸20で構成されている編地を指す。
図2に示すダブルラッセル編地は、単繊維径10μm以上の繊維を3本以上束ねた連結糸20を用いて作成しており、導水性を有する。編地の表地18と裏地19を形成する編目には、3本以上の繊維を束ねた連結糸20が編みこまれており、すなわち、ひとつの編目からは6本以上の繊維が延びている。ダブルラッセル編地の設置方向はとくに指定するものではないが、編地の表地18および裏地19に開口を有する場合には、空気が、その開口に垂直に導入される構成とすることにより、空気の流路を確保しながら、空気と、加湿フィルタ15上の水との高い接触確率を得ることができるために、高い加湿性能を得ることができる。
このような構成によれば、ダブルラッセル編地からなる加湿フィルタ15の連結糸20が導水性を有することにより、加湿フィルタ15の水なじみ性が向上し、加湿フィルタ15への吸水速度が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。
連結糸20が3本以上の繊維を束ねた糸を含むことにより、連結糸20中での毛管現象が起きやすくなり、より導水効果が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。より好ましくは10本以上の繊維を束ねた糸を含むのが良い。これにより、加湿フィルタ15上に十分な水量を吸水することができる。3本以上の繊維を束ねた糸としては、たとえば、167T/48fや330T/10fのような長繊維マルチフィラメント、33T/1fのような長繊維モノフィラメントを3本以上ひきそろえたもの、1.5dの短繊維を3本以上よりあわせたものなどを用いることができる。
また、連結糸20を構成する繊維の単繊維径が10μm以上であれば、連結糸20の弾性を高めることができ、加湿フィルタ15の形状を安定的に保つことが可能となる。加湿フィルタ15としての形状が安定していれば、加湿部分を安定的に保つことができ、また、形状変化にともなう空気の漏洩などを防止することもでき、加湿性能を安定的に得ることができる。弾性を高めることにより、汚れが付着した際の洗浄が容易になり、長期間にわたって安定的に加湿性能を得ることが可能となる。連結糸20を構成する繊維に単繊維径が10μm未満の繊維が含まれる場合でも、単繊維径10μm以上の繊維を混在させて束ねることにより、細い繊維の断裂や変形を防止でき、同様の効果が得られるようになる。単繊維径が10μmの繊維は、たとえば材質がポリエステルのモノフィラメントでは繊度1.1dtex程度のものである。このとき、単繊維の円周は約30μmである。繊維は必ずしも円形である必要はなく、たとえば、W断面などの異形糸を用いても良い。異形糸では繊維径を規定することは難しいため、断面周囲が30μm以上あることを目安とすれば良い。
連結糸20は合成樹脂を含むものであれば、連結糸20に弾性を付与することができ、使用中の変形に対しても、加湿フィルタ15の形状を安定的に保つことが可能となる。たとえば、加湿フィルタ15を洗浄する際には、編地を押したり、こすったり、水中ですすいだりすることなどが考えられるが、そのような変形にも耐えうる加湿フィルタ15を得ることができる。また、高い耐久性も同時に得ることができる。合成樹脂としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨン、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどが挙げられるが、これら自身を繊維として連結糸20としても良いし、これらを紙や綿、羊毛などの天然繊維表面に被覆するなどしたものを連結糸20としても良い。
また、連結糸20の公定水分率が10%以下であれば、連結糸20の内部には水を吸い込まず、連結糸20の表面に水を付着させて導水性を得るために、連結糸20に汚れが付着した場合にも、容易に除去することができ、加湿フィルタ15を清潔に保つことができる。公定水分率が10%以下の繊維としては、たとえば、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、綿、アセテート、トリアセテート、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ベンゾエート、ポリクラールなどが挙げられる。
また、加湿フィルタ15の高さ方向における吸水速度が25mm/10min以上であれば、加湿に必要な水量をすばやく加湿フィルタに供給することができ、高い加湿性能を得ることができる。加湿フィルタ15の高さ方向における吸水速度は、JISL1907「繊維製品の吸水性試験方法」に規定される「バイレック法」を用いて測定することができる。10分間で吸水高さが25mmに到達しない場合は、加湿フィルタの受風面に保持される水量が不足し、十分な加湿性能が得られないことがある。
また、加湿フィルタ15における放湿速度が15ml/10min以上であれば、加湿フィルタ15に供給した水をすばやく放湿することができ、高い加湿性能を得ることができる。放湿速度は、加湿フィルタ15に空気を送る送風手段としてのファン17の出力を制御して風量を変化させたり、加湿フィルタ15の面積を増減したりすることによって制御することができる。
また、加湿フィルタ15は、つねに空気と水にさらされるため、雑菌やカビなどが繁殖しやすいが、加湿フィルタ15が抗菌性を有するものであれば、それらの繁殖を防止でき、清潔に保つことができる。加湿フィルタ15へ抗菌性を付与する方法としては、たとえば、繊維製造時に抗菌剤を練りこんだり、繊維、糸、または加湿フィルタ15を抗菌剤の水溶液または水分散液に浸漬したりするなどの手段がある。抗菌剤としては、銀・銅・亜鉛などの金属イオンを含むもの、第四級アンモニウム塩類、イミダゾール化合物類、クレゾール、ソルビン酸等の薬剤を含むもの、リゾチーム、セルラーゼ、プロテアーゼなどの酵素を含むもの、カテキン類、竹抽出物、ヒノキ抽出物などの天然成分抽出物を含むものなどがある。また、防カビ効果の高い、有機窒素化合物、硫黄系化合物、有機酸エステル類、ベンザゾール化合物などを含んでも良い。加湿フィルタ15が水中で使用される特性上、水に対する溶解度の低い材料を用いるのがより良い。
また、トレイ16が、加湿フィルタ15の洗浄槽を兼ねるものであれば、ユーザーが洗浄のための場所やたらいなどを探す手間を省くことができ、トレイ16の内部で加湿フィルタ15を洗浄することができるために、加湿フィルタ15を洗浄する作業が容易になる。トレイ16の形状としては、加湿フィルタ15が収まり、かつトレイ16の内部で加湿フィルタ15を洗浄できるサイズであって、平面またはゆるやかな曲面から構成されるものが良い。凹凸の多い形状には汚れが詰まりやすい。トレイ16内部に、加湿フィルタ15の自動洗浄機構を設ければ、よりユーザーの手間を軽減することができる。
(実施の形態2)
図3において、図1および図2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3には、導水性を有する連結糸20の表面状態の一例を示す。図3において(a)は吸水性の粒子31を担持したもの、(b)は繊維表面を荒げて親水化したものである。上記構成により、連結糸20表面での水なじみ性が向上し、より導水効果が高まるために、高い加湿性能を得ることができる。
(a)に示す吸水性の粒子31としては、シリカゲルやゼオライトなどの無機化合物、コットンリンタなどの繊維片などが挙げられる。これらの粒子を、バインダを用いて基材表面に接着すれば良い。バインダの種類はとくに指定するものではなく、担持する粒子、基材表面性質、および使用環境などを考慮して適したものを選択すれば良い。また、粒子ではないが、ポリエチレングリコールなどの高分子を被覆しても良い。また、(b)のように、繊維表面を荒げて凹凸を形成し親水化する方法としては、酸処理やプラズマ照射などの手段が挙げられる。
また、連結糸20を構成する素材表面での水接触角を90°以下にするのが良い。素材表面での水接触角は、前述のように吸水性の粒子を担持したり、親水性高分子を塗布したり、繊維表面に酸処理やプラズマ照射などを施すなどの方法によって90°以下とすることができる。連結糸20の導水効果は、連結糸20の材質による吸水のみならず、素材表面における毛管現象によるものも期待できる。毛管現象は、一般的にh=2Tcosθ/ρgrで表される。ここで、h:吸水高さ(mm)、T:表面張力(N/m)、θ:接触角(rad)、ρ:液体密度(kg/m)、g:重力加速度(m/s)、r:管の半径(m)である。すなわち、素材表面での水の接触角θが小さくなれば、吸水高さhは増大し、毛管現象が起こりやすくなる。すなわち、加湿フィルタ15における導水効果が向上する。素材表面での水の接触角は、一般的な合成樹脂繊維であるポリエステル表面で70°前後、アクリル表面では80°前後である。
(実施の形態3)
図4において、図1、図2、および図3と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4には、表地と裏地に開口を有するダブルラッセル編地を基材とした加湿フィルタ15の一例を示す。加湿フィルタ15をトレイ16に配置したとき、加湿フィルタ15の表地開口41は、下部よりも上部のほうが狭く、下部の面風速は上部よりも遅い。また、加湿フィルタ15の裏地開口42は、表地開口41よりもさらに細かい。加湿フィルタ15の厚みAは4mm以上である。空気は、図4中の矢印で示すように、加湿フィルタ15の表裏開口に垂直に導入される。
空気導入時の加湿フィルタ15の受風面において、下部43の面風速が上部よりも遅いものであれば、上部44における加湿が促進され、加湿の進まない下部43からの吸水が効率的に行われるようになる。また、下部43は乾燥しにくいために、水中不純物の析出が起きにくく、加湿フィルタ15全体への導水効果を安定的に維持することができる。面風速は、加湿フィルタ15の表地開口41を、下部43より上部44を密にする以外にも、加湿フィルタ15に空気を送る送風手段としてのファン17の出力を制御して上下部へ送り込む風量を変化させたり、加湿フィルタ15の受風面積を増減したりすることによっても制御することができる。
また、空気導入方向に対する加湿フィルタ15の厚みが4mm以上あれば、連結糸20の長さが4mm以上確保されることになり、加湿フィルタ15に十分な水量を保持することができる。さらに、空気と、加湿フィルタ15上の水との接触時間が十分に確保され、高い加湿性能を得ることができる。加湿フィルタ15の厚みは、ダブルラッセル編地の表裏間隔を4mm以上とすることによって確保しても良いし、または編地を複数枚積層することによって確保しても良い。すなわち、厚み3mmの編地を4枚積層して厚み12mmの加湿フィルタ15としても良い。
また、加湿フィルタ15を構成するダブルラッセル編地の表地と裏地に開口を有し、送風手段から送られる空気が、編地の表地開口41および裏地開口42に垂直に導入される構成であれば、空気の流路を確保しながら、空気と、加湿フィルタ15上の水との高い接触確率を得ることができるために、高い加湿性能を得ることができる。ダブルラッセル編地の場合、編地の表裏面に平行に空気を導入する構成にすることもできるが、この場合には、空気流路をふさぐように存在する多量の連結糸20によって圧力損失が増大するため、空気は、表裏面に垂直に導入するほうが好ましい。
また、表裏面のうち、空気の上流に位置する開口が、下流に位置する開口よりも大きいものであれば、加湿フィルタ15上の水との接触確率が高まり、より高い加湿性能を得ることができる。
ダブルラッセル編地の吸水高さ評価
開口サイズ、連結糸、束数、および表面吸水性の異なる4種類のダブルラッセル編地について、バイレック法を用いて、その吸水速度を測定した。すべてのサンプルは表裏面に開口を有し、その開口の形状はすべて六角形、編地の厚みはすべて8mmである。サンプルを40mm×200mmにカットしたものを試験片とし、それぞれの表地に水性マーカーでラインをひいた。これにより、吸水時にはそのラインが溶けるため、吸水高さを明確に知ることができる。試験片の下部20mmを水に浸し、10分経過後の吸水高さを測定し、速度として評価した。
その結果を表1に示す。
Figure 2011144944
連結糸が10本の繊維を束ねた糸からなる(1)(2)では、10分間の吸水高さ、すなわち吸水速度が25mm/10min以上であった。連結糸の束数が2本で、かつ吸水性のない(3)では、ほとんど吸水しなかったが、連結糸に吸水材としてのポリエチレングリコールを塗布した(4)では、吸水速度が大幅に向上した。
連結糸が同じで開口サイズの異なる(1)と(2)を比較したとき、開口サイズの大きい(2)のほうが吸水速度に優れていた。これは、開口サイズが小さい(1)においては、単位体積あたりの連結糸密度が(2)よりも高く、吸上げた水を高さ方向だけでなく連結糸方向へも導水していることから、編地としては十分な水量を吸上げた場合でも、高さ方向の速度としては緩やかになったものと考えられる。
加湿フィルタにおける放湿速度は、導入する空気の量や、面積によって制御することができるが、少なくとも、加湿フィルタには、放湿に必要な水量を供給する必要がある。たとえば(1)の場合、10分後の吸水量は2.3gであったため、放湿速度15ml/10minを得るためには、本実施例のサンプルの約7倍の面積、すなわち70000mmが最小必要面積であるといえる。
本発明にかかる加湿装置は、長期間にわたって高い導水効果を維持し、安定的に加湿性能が得られる加湿装置を提供することを可能とするものである。また、加湿装置の低消費電力化・低騒音化を実現することを可能とするものであるので、家庭用・業務用加湿装置、加湿機能付空気清浄装置、空気調和装置等として有用である。
11 吸込口
12 吹出口
13 本体
14 風路
15 加湿フィルタ
16 トレイ
17 ファン
18 表地
19 裏地
20 連結糸
31 粒子
41 表地開口
42 裏地開口
43 下部
44 上部
101 加湿フィルタ
102 不織布
103 貯水部
201 枠体
202 貯水部
203 水
204 加湿フィルタ

Claims (14)

  1. 空気の吸込口と吹出口を有する本体と、この吸込口と吹出口を連通する風路内に、空気を加湿するための加湿フィルタと、前記加湿フィルタを配置するためのトレイと、前記加湿フィルタに水を供給するための水供給手段と、前記加湿フィルタに空気を送る送風手段とを備えた加湿装置であって、前記加湿フィルタの構成基材が表地と裏地、およびこの表地と裏地とを繋ぐ連結糸で構成されているダブルラッセル編地であり、前記編地を構成する糸のうち、連結糸が単繊維径10μm以上の繊維を束ねた糸を含み、導水性を有することを特徴とする加湿装置。
  2. 連結糸が3本以上の繊維を束ねた糸から構成される請求項1に記載の加湿装置。
  3. 連結糸が合成樹脂を含む請求項1または2に記載の加湿装置。
  4. 連結糸を構成する素材表面での水接触角が90°以下である請求項1乃至3いずれかに記載の加湿装置。
  5. 連結糸を構成する繊維材質の公定水分率が10%以下である請求項1乃至4いずれかに記載の加湿装置。
  6. 連結糸に吸水材を担持したことを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の加湿装置。
  7. 加湿フィルタの高さ方向における吸水速度が25mm/10min以上である請求項1乃至6いずれかに記載の加湿装置。
  8. 加湿フィルタの放湿速度が15ml/10min以上である請求項1乃至7いずれかに記載の加湿装置。
  9. 空気導入時の加湿フィルタの受風面における空気流路が、下部よりも上部のほうが狭いことを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の加湿装置。
  10. 空気導入方向に対する加湿フィルタの厚みが4mm以上である請求項1乃至9いずれかに記載の加湿装置。
  11. 加湿フィルタを構成するダブルラッセル編地の表地と裏地に開口を有し、送風手段から送られる空気が、編地の表裏面に垂直に導入される構成である請求項1乃至10いずれかに記載の加湿装置。
  12. 表裏面のうち空気の上流に位置する開口が、下流に位置する開口サイズよりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の加湿装置。
  13. 加湿フィルタが抗菌性を有する請求項1乃至12いずれかに記載の加湿装置。
  14. トレイが、加湿フィルタの洗浄槽を兼ねる請求項1乃至13いずれかに記載の加湿装置。
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