JP5137878B2 - 気液接触材料及び該気液接触材料を備えた汚染物質除去装置 - Google Patents

気液接触材料及び該気液接触材料を備えた汚染物質除去装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体や液晶デバイスなどが製造されるクリーンルームに供給する空気からの有害物質除去方法に使用する気液接触材料、及び水が滴下された該気液接触材料を気体が通過し、該気体中の汚染物質を除去するための汚染物質除去装置に関する。
半導体や液晶の製造環境は、クリーンルームと呼ばれる空気中の塵埃を除去した空間で行われるが、従来の塵埃に加えて分子状汚染物質(AMCs)を除去することが求められており、エアワッシャーと呼ばれる汚染物質除去装置が設置されることも多くなっている。
この種の汚染物質除去装置は、空気中のアンモニアや二酸化硫黄などの水溶性成分を、気液接触により水に溶解させて除去するものであり、高い除去能力、低い通気抵抗、省スペースが求められる。また、外調機に設置する場合には、加湿器としても使用されるため、加湿時の高い飽和効率が求められる。
従来のこの種の汚染物質除去装置としては、空気に直接水を噴霧する方式(特許文献1)、気液接触材料に水を噴霧する方式(特許文献2)があるが、飽和効率を高めるには循環水量を大きくする必要があり、高圧でスプレーすることも相まってポンプ動力が大きい。また、噴霧した水は下流に飛散するためエリミネータが必要であり、通気抵抗が大きい。
金属製斜行ハニカムを気液接触材料とし、この気液接触材料に水を滴下する方式(特許文献3)はハニカム構造のため通気抵抗が少なく、ポンプ動力も小さい。しかし、下流への水の飛散があり、これを抑えるにはエリミネータが必要である。
気液接触材料の下流に親水性エリミネータを設置し,エリミネータでも気液接触を行わせて気液接触材料を小さくした方式(特許文献4)もあるが,これによると2.5m/s時の圧力損失は105Pa,飽和効率95%,装置サイズは0.3mである。
特開平10−192642号公報 特開2002−005474号公報 特開2003−222363号公報 特開2006−341194号公報
半導体や液晶を製造する工場での外気量は非常に大きく,100,000〜2,000,000m/h以上に達する。そして、外気を処理する装置には,常に省エネルギーが求められている。
本発明の目的は、従来の除去装置より通気抵抗が小さく,コンパクトな装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の開孔を有する吸水シートを特殊なヒダ折り状に加工した気液接触材料を発明し、これに水を滴下して空気中の汚染物質を除去する装置を完成した。
本発明は、ガス状化学物質を含む空気を導入し、該化学物質を取り込むための水を供給することにより該空気を加湿し、該空気中の化学汚染物質の少なくとも一部を供給水中に取り込み、該空気中から除去する工程を有する有害物質除去方法に用いる気液接触材料であって、吸水性シートから成り、該吸水性シートが、繊維径3〜15μmの有機合成繊維を20〜80質量%含有し、該吸水性シートの構成繊維の少なくとも一部が熱融着しており、該吸水性シートの密度が、0.2〜0.5g/cmであり、該吸水性シートに、一個当たりの面積が0.75〜7.1mm(φ1〜3mm)で、エッジが明瞭な開孔が設けられており、該開孔の間隔が3〜20mmであって、且つ開孔の配列が千鳥状であり、該吸水性シートがヒダ折り構造であり、該ヒダ折り構造のピッチが3〜10mmであり、該ヒダ折り構造の内、折り返し部以外の該吸水性シートが、該空気の主たる流れ方向に対してなす角度θがtanθ<0.1を満たすことを特徴とする。
さらに,ヒダ折り構造の吸水性シートの上端および下端に,ヒダ折り部分と同じ材質の吸水性シートを密着させたことを特徴とする。
そして、前記折り返し部の開孔が実質上閉塞しているのが好ましく、該吸水性シートの、厚みの吸水膨潤率が1.5以下であり、70℃での加速連続試験において4ヶ月以上の吸水膨潤率が1.5以下であるのが好ましい。
本発明によれば、ポンプ動力の低減及び噴霧水の飛散防止を図ることができると共に、通気抵抗の低減、飽和効率の増大、及び除去装置の小型化を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置を備えた外調機を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料の通孔の配列例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料の通孔の別の配列例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料の変形例を示す平面図である。 (a),(b),(c),(d)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る空気中汚染物質の除去装置における気液接触材料の変形例を示す平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る汚染物質除去装置を備えた外調機を示す模式図であり、この外調機10のチャンバー11内には、気流方向に沿って上流側から順次、プレフィルター12、メインフィルター13、空気中汚染物質の除去装置14、送風機15、及びHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルター16がそれぞれ設けられている。
汚染物質除去装置14は、処理対象の空気の気流方向(図1中の右から左に向かう矢印方向)に直交するように並設される複数段(図1では2段)の気液接触材料17と、各気液接触材料17の下方に配置される水槽18と、水槽18から各気液接触材料17の上方まで配設される循環水配管19と、循環水配管19の途中に設けられる循環ポンプ20とを備えて構成されている。
気液接触材料17を構成する構造体の基材となるシートは吸水性シート21であり、この吸水性シート21は、空気清浄装置に必要とされる水分を吸水・保水する特長を有するものである。一般的に必要とされる“吸水”のレベルを一概に規定することは難しい。市販品において、加湿機等で吸水性と称する濾材を調査した結果、バイレック法にて10分間の吸水速度が80〜120mmであった。従って、120mm/10分以上であると、蒸発する水に対して、水の供給が十分に行き届くと判断できる。以上から、本発明においては、バイレック法にて10分間に120mm以上の吸い上げ高さを示すものを吸水性シート21として用いた。
吸水性シート21の製造方法については、様々な方法が開示されているが、安価で、繊維配合、目付、厚みなどを制御しやすい点、孔開け加工等の後加工を行いやすい点から、不織布が好ましい基材の一つである。不織布の製法としてはスパンボンド法、メルトブロー法、乾式法(サーマルボンド法、レジンボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、ステッチボンド法)、湿式法等の方法がある。しかし、均一性、吸水性を高レベルで発現させる点から、本発明で主として使用する3〜15μmの繊維とその他の構成繊維を均一に混合できること、できあがったシートの目付け分布が均一で、必要以上に目付けを上げる必要がないこと、吸水のむらが少ないことから、他の不織布の製法と比べると湿式法がもっとも好ましい方法である。また、使用する繊維長が比較的短いことから、後述する開孔25を均一にあけることができ、エッジからの毛羽発生が少ない、明瞭な開孔25を開けることが容易となる。
次に、本発明で使用する吸水性シート21を構成する繊維について説明する。
本発明で使用する繊維としては、親水性を阻害しないもの、不織布に加工したときヒダ折り加工適性を発現するものであれば特に制限はない。中でも黴やバクテリア等に耐久性のある繊維を使用することが好ましく、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ナイロン系繊維などの有機合成繊維、難燃性が必要とされる場合は塩化ビニル・塩化ビニリデン系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維などのエンプラ繊維、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維等の無機繊維が例示される。しかしながら、後述する抗菌防黴剤を併用すれば、親水性を阻害しない繊維として、レーヨン繊維、木材パルプ、非木材パルプ、獣毛繊維やシルク繊維等を用いることも可能である。
使用する繊維は、繊維径は3〜15μmの範囲のものを用いる。この範囲の繊維を用いることで吸水性シート21内における表面積が大きくなり、毛細管現象による吸い上げ効果が大きくなる。しかしながら、3μmより小さい場合は、シートが高密度となり吸水性が阻害されるので好ましくない。15μmを超えると繊維間が広くなり、繊維間の表面張力を十分に利用できないため、吸水性が低下し好ましくない。さらに好ましくは、3〜10μmの範囲のものである。
本発明においては繊維径3〜15μmの有機合成繊維を、20〜80質量%使用することが、吸水性を維持する上で必要である。20質量%より少ない場合は、繊維間隔が広くなり吸水性が低下し好ましくない。80質量%より多い場合はシートが高密度となり吸水性が低下し好ましくない。
本発明において、吸水性シート21を構成する繊維の少なくとも一部分が融着している。融着部分がないと吸水性シート21の強度が弱く、堅さが不足し、ヒダ折り等加工が出来ないだけでなく、使用中に保水した水の重みで、気液接触材料が坐屈し、実用上好ましくない。吸水性シート21の強度維持だけでなく開孔加工、エレメント構成単位から気液接触材料への加工(型付け、枠付け等)を潤滑に行うためにも必要不可欠な要素である。
構成する繊維の少なくとも一部分が融着している状態とは、構成繊維の少なくとも一部分が融着している状態、部分的に加熱加圧あるいはピンソニック等によりドット状に部分的に融着させる方法、低融点の繊維を一部混合し加熱融着させる方法等により融着している状態が挙げられる。融着させる面積、融着させるための低融点繊維の混合量等は、本発明の気液接触材料17の性能を阻害しない範囲、すなわち吸水性シート21の吸水速度が120mm/10分未満にならないよう適宜調整することが必要である。
この吸水速度を発現する為の低融点繊維の配合量は40質量%以下が好ましく、40質量%を超えると、繊維同士の接着部分が増加しすぎて、シートが高密度になりやすく、吸水速度が低下するため好ましくない。
また、本発明の吸水性シート21においては、必要に応じて、抗菌防黴剤を吸水性シートと併用することができる。抗菌防黴剤とは、細菌類に対して有効な抗菌作用と黴類に対して有効な防黴作用を併せ持ち、好ましくは抗ウイルス性を有する薬剤であり、例えば細菌類の繁殖を抑制または死滅させ、且つ黴類の繁殖または発芽を抑制するなどの効果を発現するものである。具体的には、ベンズイミダゾール系、イソチアゾリン系、ピリチオン系、有機ヒ素系、有機銅系、有機ヨード系、有機銀系などの抗菌防黴剤が挙げられる。
本発明で用いる吸水性シート21に抗菌防黴剤を担持させる方法としては、上記の吸水性シート基材にバインダーを利用して塗工または含浸するなどの方法によって抗菌防黴剤を担持させる方法、および基材の原料となる樹脂や金属などに練り混むなどの手段によって担持する方法が挙げられる。また、上記の方法以外に湿式抄紙法における内添のように原料繊維をシート化する過程で、抗菌防黴剤を内添担持させる方法が挙げられる。
抗菌防黴剤を基材の吸水性シート21に担持させるには、基材との反応により定着させること、あるいは接着剤を用いて定着させる方法が挙げられる。接着剤としては、水系、溶剤系などの液状のもの、粉体状のもの、繊維状のものが挙げられる。
具体的には、液状のものとしては、天然ゴム、SBR、NBR等のラテックス、アクリル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、エチレン、ポリビニルアルコール、これらの共重合体のエマルジョン等の有機系バインダー、アルミナゾル、シリカゾル、水ガラス等の無機系バインダーが挙げられる。粉体状のものとしてはホットメルト系樹脂が挙げられる。繊維状のものとしては、基材不織布の構成繊維を溶融させ抗菌防黴剤を融着させる方法、フィブリル化繊維などによる凝集体により定着させる方法が挙げられる。これらの中から吸水性を阻害しない範囲で適宜使用することができる。
吸水性シート21の目付は、100〜300g/mが好ましい。100g/mより小さいと剛度が小さくなるので、ヒダ折り加工が難しくなることがある。また、気液接触材料17の強度も小さいものとなることがある。300g/mより大きいと厚みが大きくなり、気液接触材料17内での吸水性シート21の占有体積が大きくなり、気液接触材料17の通気度が低下し、過剰に保水し、下流へ水が飛散するので好ましくない。
吸水性シート21の密度は、0.2〜0.5g/cmの範囲である。0.2g/cm未満の場合、保水性は大きいが、繊維間が広く吸水性は低下し、加湿性能が低下する。また、吸水性シート21が柔らかく、開孔加工、ヒダ折り加工等の気液接触材料17への加工が困難となり好ましくない。0.5g/cmを超えると保液性、吸水性とも低下し好ましくない。
本発明は、実使用上は吸水性シート21を厚さ方向に通過するよう通気するが、実用上の通気度を得るために吸水性シート21にエッジが明瞭な開孔25を設ける。エッジが明瞭な開孔25とは、吸水性シート21の繊維が開孔部分に実質的にはみ出ていない状態、あるいは開孔25内部に繊維が残っていない状態をいう。
エッジが明瞭な開孔25を設ける方法としては、熱で溶融する方法、パンチングで開ける方法が好ましい方法として挙げられる。現在市場に見られる気液接触材料17に用いられる吸水性シート21の開孔方法として、不織布製法の中では、スパンレース法が挙げられる。この方法は、プレーンなカードウェブをナックルの高いメッシュ上に乗せ、高圧水流を噴射して繊維を偏在化させることで開孔25を設ける方法であるが、繊維を柱状水流で動かす事により開孔25を作るので、エッジが不明瞭で、開孔25内部とともに、繊維が残りやすく、明瞭なエッジを得ることが難しい。このスパンレース法による吸水性シート21は、プリーツ状構造体のように、吸水性シート21の厚み方向に通気させる気液接触材料17に使用する場合には、後述する理由により好ましくない。
開孔25を開ける目的は、通気性を向上させることが1つある。また別の目的として、気液接触材料17内に複雑な風の流れを起こして出来るだけ気液接触材料17内の空気の通過経路を長く複雑にして、吸水性シート21との接触時間を長くし、その結果、加湿量を大きくする目的もある(乱流効果)。しかしながら、開孔25のエッジが明瞭でない場合、吸水時に水膜を形成しやすく、通気性が阻害され、見かけの開孔面積の割には通気抵抗が大きくなる。
本発明の開孔25の形状について特に制限はないが、加湿用水から発生する添着物により開孔25が閉塞しにくい形状としては、円、あるいは真円に近い楕円が好ましい形状である。開孔25の面積は0.75〜7.1mm(φ1〜3mm)である。
0.75mmより小さいと、保水により開孔25が閉塞し易い。また、十分な通気性を確保するには多数の開孔25を開ける必要がある。7.1mmより大きいと、空気が選択的に開孔25に流れ込み乱流効果が少なくなる。また、シート強度が低下することによって、気液接触材料17の強度が低下し好ましくない。さらに、大きな空隙に選択的に、空気が流れ、通気の方向にむらができ、加湿量が低下する。
開孔25同士の間隔としては、3〜20mmである。ここで間隔は孔の中心間の距離である。3mmより小さいと開孔数が大きくなる。すなわち開孔面積が大きくなり、吸水性シートの性能が低下する。また、シート強度が弱くなる。20mmより大きいと開孔25の効果が少ない。
開孔25の配列としては、ランダム、縦横一列に並んだ並行配列(図5参照)、2列以上の隣り合う列、あるいは2行以上の隣り合う行が重ならない様に互い違いに並んだ千鳥配列等があるが、本発明では開口の配列が千鳥配列(図4参照)である。
開孔25を設けたシートをヒダ折り加工するとき、特に折り返し部22,23が折り目となる形状(矩形波形、三角波形、鋸歯状波形など)のとき、折り目(図4,5の破線参照)は開孔25の列に沿って付きやすい。開孔数が多すぎたり、開孔25の間隔が細かくなったりすると、規定のヒダ折りのピッチ近傍に開孔25の列が存在することが多くなり、結果として規定のピッチからずれた開孔25の列に沿って折れてしまい、ヒダ折りの高さを均一に加工するのが難しくなる。並列配列にくらべ千鳥配列では、開孔25が折り目にかかる数が少なくなるので(図4参照)、ヒダ折り加工し易くなり好ましい。
このようにして得られた吸水性シート21をヒダ折り状に加工し、主たる空気の流れ方向に対して一定の角度を持って該吸水性シート21が配置されている構造とすることで、飽和効率が高く、通気抵抗が低く,下流への水の飛散のない気液接触材料とすることが出来る(図2参照)。
ここで主たる空気の流れ方向とは、本発明の気液接触材料17を設置する汚染物質除去装置14の風洞を流れる空気の方向のことをいう。
ヒダ折り形状は空気中の塵埃などの汚染物質を除去するフィルターに一般的に見られる形状であり,通気抵抗を少なくし,粉じんなどの汚染物質の保持容量を上げることを目的としている。本発明でのヒダ折りの目的は,フィルター同様に通気抵抗を小さくすることである。一方,汚染物質は水で洗い流されるため,その保持容量を上げる必要はない。もう一つの目的は,開孔25から飛散する水を対面の吸水性シート21に衝突させることにより,水の飛散をなくすのが重要な目的である。
このヒダ折り構造はランダムでも構わないが、圧力損失低減の観点から一定の規則性を持った方がより好ましい。規則性の例としては、正弦波形(図8(a)参照)、矩形波形(図8(b)参照)、三角波形(図8(c)参照)、鋸歯状波形(図8(d)参照)などがあげられるがこの限りではない。これらの規則性を持ったヒダ折り構造は、折り高さと、ピッチが重要なパラメータとなる。
ヒダ折りの高さは好ましくは10〜100mmの範囲で、ピッチは3〜10mmの範囲で、所望する加湿量、圧力損失により任意に選択することが出来る。
一定のピッチを保ちヒダ折り構造を維持するために、ビードと呼ばれる線状のホットメルト樹脂を、ヒダ折り加工時の吸水性シートの流れ方向に、一定の間隔で塗布する方法と、スタビライザーと呼ばれる櫛状の治具を一定間隔で挿し込む方法が例示されており,必要に応じて使用することが出来る。
実使用時を考えると、ヒダ折り加工した気液接触材料17は、折り返し部22,23以外は、主たる空気の流れ方向に対して角度θをもって吸水性シート21が配置されることになる。具体的に角度θは図3に示されるものである。例えば、矩形波形ではtanθ=0となり、三角波形の例ではいわゆるプリーツ構造でありtanθは折り高さとピッチで決まる。このように該角度θはヒダ折りの高さやピッチと密接に関連している。
下流への水の飛散を少なくし、乱流効果を得るためには、主たる空気の流れ方向のまま直線的に開孔25を通過しない構造や、開孔25を通過した空気がヒダ折りの直ぐ隣りにある対面の吸水性シート21に直進を阻害され、吸水性シート21から水滴が飛んだ場合にも水滴が対面の吸水性シート21に衝突、吸収される構造が考えられる。この構造を実現するためには、具体的には、角度θはtanθ<0.1である。
一方、ヒダ折り構造の折り返し部22,23は、下流への水の飛散を少なくし、乱流効果を期待する観点からは、開孔25がないことが好ましい。該折り返し部22,23に開孔25がある場合、主たる空気の流れ方向はそのまま直線的に該開孔25を通過するため、選択的に該開孔25に空気が流れ込み、さらに該開孔25を通過した空気はそのまま下流へと流れてしまう。結果、下流への水の飛散が発生する。気液接触材料17の製造上、あらかじめ開孔25を設けない方法は位置合わせに手間がかかり、ロスも多くなるため現実的でない。よって、何らかの手段でヒダ折り加工後に開孔25を閉塞する方法が良い。具体的には、樹脂などで閉塞する方法や、折り返しの谷底部にヒダ折りの形状に合わせた棒状の部材27若しくは板状の部材を設けて閉塞する方法(図7参照)が考えられる。また、三角波形や鋸歯状波形の場合にはスタビライザー26を用いて折り返し部を鋭角に折りつぶすことで実質上閉塞している状態としても良い(図6参照)。
ヒダ折り構造の吸水性シート21の上端および下端には,ヒダ折り部分と同じ材質の吸水性シート21a,21bを密着させる。これにより,上端及び下端でのバイパスリークを防ぐことができる。また,上端では滴下された水はいったん吸水性シート21aに染みこみ,毛細管現象によって,下のヒダ折り構造の吸水性シート21を均一に湿潤させることができる。上端の吸水性シート21aの開孔25は必ずしも必要ではないが,下端の吸水性シート21bでは,流下してきた水を下の水槽などに落下させるために必要である。
また、通常不織布は水に浸ることにより厚みが増大することがよくある。該吸水性シート21の、厚みの吸水膨潤率が1.5以下であり、70℃での加速連続試験において4ヶ月以上の吸水膨潤率が1.5以下であるが好ましい。1.5より大きい場合、吸水性シート21の厚みが厚くなり、気液接触材料17の圧損が大きくなるため好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において本実施例に限定されるものではない。
繊維径7μmのポリエステル繊維を50質量%含有し、さらに40質量%の低融点繊維および10質量%のパルプ繊維を含有する不織布を湿式抄紙法により製造し、さらに熱カレンダー処理を施し低融点繊維を熱融着し、密度は0.28g/cm3、目付けは210g/m2である吸水性シート21とした。さらに該吸水性シート21にベンズイミダゾール系抗菌防黴剤を、アクリル樹脂バインダーとともに含浸処理することで抗菌防黴加工した。さらに該吸水性シート21に3.14mm2(φ2mm)、間隔6.5mmの千鳥配列の開孔25をパンチングにより設け、さらに折り高さ90mm、ピッチ6mmでプリーツ加工し、主たる空気の流れ方向に対して配置された吸水性シート21の角度θがtanθ=±0.033とした。さらに上端および下端にホットメルトで吸水性シート21a,21bを密着させたものを気液接触材料17とした(実施例)。プリーツのピッチ保持にはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製のスタビライザー23を使用し、プリーツの折り返し部22,23の開孔25は実質上閉塞した状態とした。
実施例に使用された吸水性シート21の吸水性、吸水膨潤率を評価したところ、表1の通りであった。
Figure 0005137878
実施例の気液接触材料17を、空気の流れ方向に対して直列に2段設置とし(図1参照)、水空気比(循環水量/空気風量)を0.04とした場合の通気抵抗,飽和効率は表2の通りである。また、設置長さは0.2mであり、上記した特許文献4と比較して通気抵抗を40%以上低減し,設置長さも2/3である。また、3m/sで通風させても,水の飛散は全くない。
Figure 0005137878
また,風速2.5m/sでの除去率の例は表3のとおりである。
Figure 0005137878
本発明は、水が滴下された気液接触材料17を気体が通過し、該気体中の汚染物質を除去するための汚染物質除去装置14に用いられ、半導体や液晶デバイスなどが製造されるクリーンルームに供給する空気からの有害物質除去に好適に使用される。
14 汚染物質除去装置
17 気液接触材料
21 吸水性シート
21a 吸水性シート(上端側)
21b 吸水性シート(下端側)
22 折り返し部
23 折り返し部
25 開孔

Claims (3)

  1. ガス状化学物質を含む空気を導入し、該化学物質を取り込むための水を供給することにより該空気を加湿し、該空気中の化学汚染物質の少なくとも一部を供給水中に取り込み、該空気中から除去する工程を有する有害物質除去方法に用いる気液接触材料であって、
    吸水性シートから成り、該吸水性シートが、繊維径3〜15μmの有機合成繊維を20〜80質量%含有し、該吸水性シートの構成繊維の少なくとも一部が熱融着しており、該吸水性シートの密度が、0.2〜0.5g/cm3であり、該吸水性シートに、一個当たりの面積が0.75〜7.1mm2(φ1〜3mm)で、エッジが明瞭な開孔が設けられており、該開孔の間隔が3〜20mmであって、且つ開孔の配列が千鳥状であり、該吸水性シートが三角波形のヒダ折り構造であり、該ヒダ折り構造の高さが10〜100mmの範囲で、ピッチが3〜10mmの範囲で、かつ、該ヒダ折り構造の内、折り返し部以外の該吸水性シートが、該空気の主たる流れ方向に対してなす角度θがtanθ<0.1を満たし、前記折り返し部の開孔が実質上閉塞していることを特徴とする気液接触材料。
  2. ヒダ折り構造の吸水性シートの上端および下端に,ヒダ折り部分と同じ材質の吸水性シートを密着させたことを特徴とする請求項1記載の気液接触材料。
  3. 請求項1又は2に記載の気液接触材料を備えていることを特徴とする汚染物質除去装置。

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