JP6049909B2 - 加湿器 - Google Patents

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Description

本発明は、加湿器に関する。
空気を加湿する加湿器として例えば気化式加湿器がある。気化式加湿器は、吸水性能を有する加湿材を備え、水分を含有させた加湿材表面を気流が通過する際に、加湿材中の水分を気流と熱交換させることで気化蒸発させ、空気の加湿を行う。従来より、気化式加湿器は、加湿性能の向上、及び長期間にわたる加湿性能の維持が求められている。
気化式加湿器において、特に加湿材の風上側端部や風下側端部では、通風による気化が進みやすいため、給水中に含まれるシリカ成分やミネラル成分といったスケール成分濃度が濃縮されやすく、スケールが堆積しやすいという課題があった。そして、この課題を解決すべく様々な方法及び装置が検討されている。なお、シリカ成分は、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸コロイド等である。また、ミネラル成分は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸カルシウム等である。
例えば従来、透湿性チューブを備え、透湿性チューブのうちスケール成分の析出量が部分的に偏るスケール析出領域に樹脂コーティングを施すことで、当該領域における透湿性を低下させて蒸発量を減少させる加湿器があった(特許文献1)。特許文献1に記載の加湿器は、スケール析出領域に樹脂コーティングを施すことで、スケール成分の析出を抑制し、透湿性チューブの部分的な劣化を抑制して耐久性の向上を図っている。
また従来、銅線、粉粒状銅又は多数の開口を有する銅板若しくは網体からなる銅を含有し、さらに炭素繊維又は銅以外の金属線を含有させた吸水性加湿材があった(特許文献2)。特許文献2に記載の吸水性加湿材は、銅を含有させることで細菌の発生を抑制することを図っている。また、特許文献2に記載の吸水性加湿材は、銅と炭素繊維とが電気化学的電位差を有し、電解質である水を両物質間に介することでイオン化されることを利用して、スケールの析出の抑制を図っている。
特開2007−155201号公報([0021]、図1) 特開平7−318117号公報([0021]〜[0023]、図1)
しかしながら、特許文献1に記載の透湿性チューブは、水を供給する側の透湿性チューブ表面に樹脂コーティングを施しているため、透湿性チューブ本来の加湿性能を低下させてしまうという課題があった。また、特許文献1に記載の透湿性チューブは、風上側の透湿性チューブ側面のみに樹脂コーティングを施しているため、風下側や透湿性チューブと給水との界面で、透湿性チューブ本体への局所的なスケール付着を防げず白粉が飛散してしまい、室内等が汚染され且つ加湿性能が低下してしまう、という課題があった。
また、特許文献2に記載の吸水性加湿材は、スケール析出を抑制するほど給水をイオン化することは難しく、風上側への局所的なスケール付着も抑制できないため、吸水性加湿材本体にスケールが堆積してしまい加湿性能が低下してしまう、また、付着したスケールが白粉飛散してしまい室内等が汚染される、という課題があった。
本発明は、上述のような課題を背景としてなされたものであり、スケールの付着を抑制し加湿性能の低下を抑制する加湿器を得ることを目的とする。
本発明に係る加湿器は、水が含浸される加湿材と、前記加湿材に水分を供給する水供給手段と、前記加湿材に水分を供給する水供給手段に水分を供給する給水手段と、前記加湿材に空気を供給する送風手段と、を備え、前記水供給手段は、前記加湿材のうち最も前記送風手段側に位置する風上側端面、及び前記風上側端面の反対側に位置する風下側端面のうち少なくとも何れかの面に設けられ、平均繊維束方向が平均送風方向と直交し且つ前記加湿材の上下方向と平行になるように前記加湿材を覆うものである。
本発明は、加湿材に水分を供給する水供給手段である吸水材が、加湿材のうち最も送風手段側に位置する風上側端面、及び風上側端面の反対側に位置する風下側端面のうち少なくとも何れかの面に設けられるため、スケールが加湿材に付着することを抑制できる。したがって、本発明によれば、加湿性能の低下を抑制できる。また、付着したスケールの白粉飛散も抑制できる。
本発明の実施の形態1に係る加湿器100の基本構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の加湿材1を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の吸水材2の形状を示す図である。 図3の吸水材2を展開した状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の吸水材2から加湿材1への給水浸透方向及び吸水材2中の流水方向を示す概略図である。 比較例に係る加湿器200の基本構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100及び比較例に係る加湿器200について連続加湿実験を行った結果を示す図である。 比較例に係る加湿器200の加湿材101に付着するスケール108の様子を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第1の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第2の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第3の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第4の変形例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る加湿器100の吸水材2に形成された切り込み11を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿器100の吸水材2の形状を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿器100の吸水材2の風上端部被覆部2bを示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿器100の第1変形例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿器100の第2変形例を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿器100の第3変形例を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る加湿器100の吸水材2に樹脂コーティング13が施された状態を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る加湿器100の加湿材1に樹脂コーティング13が施された状態を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の給水の流れ方を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の吸水材2の平均繊維束方向有無における流水性速度比を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100の加湿材1へのスケール付着量比と加湿性能低下率を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る加湿器100の吸水材2の吸い上げ速度を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る加湿器100の加湿材1へのスケール付着量比を示す図である。 本発明の実施の形態3に係る加湿器100の初期加湿性能比を示す図である。 本発明の実施の形態4に係る加湿器100の加湿材1へのスケール付着量比を示す図である。 本発明の実施の形態5に係る加湿器100の加湿材1へのスケール付着量比を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る加湿器100のパイプ23の概略を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る加湿器100の加湿材1へのスケール付着量比を示す図である。 本発明の実施の形態6に係る加湿器100のパイプ23の切れ込みを示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100のガイド24の概略図である。 本発明の実施の形態1に係る加湿器100のガイド24に挿入した加湿材1及び吸水材2を示す概略図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る加湿器100の基本構成を示す図である。図2は、実施の形態1に係る加湿器100の加湿材1を示す図である。図3は、実施の形態1に係る加湿器100の吸水材2の形状を示す図である。図4は図3の吸水材2を展開した状態を示す図である。
図1に示されるように、加湿器100は、加湿材1と、吸水材2と、ドレンパン3と、排水管4と、給水管5と、滴下ノズル6と、送風手段14と、を備えている。以下、各構成について詳細に説明する。なお、図1では、空気の流れを送風方向7で示している。
加湿材1は、水分を内部に含浸し通風によって気化できる部材で構成され、図2に示されるように、天面1a、風上側端面1b、及び風下側端面1cを有する。吸水材2は、自身に供給された水を加湿材1に供給するための部材であり、天面1a、風上側端面1b、及び風下側端面1cを覆っている。吸水材2は、平均繊維束方向への吸水性に優れた部材で構成され、天面2aと、風上端部被覆部2bと、風下端部被覆部2cと、を有するように加工されている。ここで、「平均繊維束方向」とは、糸状の繊維が束となって形成されている吸水材2において、その糸状の繊維が束として揃っている平均的な方向と定義する。なお、平均繊維束方向を有する吸水材とは、平均繊維束方向とその垂直方向とで吸水材を流れる水の流水速度、あるいは滴下速度が異なり、平均繊維束方向への水の流水速度、あるいは滴下速度が速いものと定義する。
天面2aは、加湿材1の天面1a全体を覆う部材であり、滴下ノズル6から排出される水が供給される部材である。風上端部被覆部2bは、加湿材1の風上側端面1bを覆う、縦に(上下に)細長形状の部材である。風下端部被覆部2cは、加湿材1の風下側端面1cを覆う、縦に(上下に)細長形状の部材である。風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cは、スケールが析出し始める加湿材1の端部に設けられ、加湿材1の風よけとして機能する。板状の加湿材を複数枚均等に配置する場合、図32に示すような凹形状のガイド24を持った固定冶具に加湿材1の角を差し込んで固定する。そのガイド24に図33に示すように風上端部被覆部2b又は風下端部被覆部2cの下部先端を加湿材1と一緒に差し込むことで吸水材2と加湿材1を固定できる。また、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの上部と下部の中間位置に加湿材1と一緒に挟み込める櫛形状のガイドを設置してもよい。風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの幅は、例えば、約0.5〜約2.0mm程度であることが好ましい。本実施の形態1では、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの幅が1〜2mmのものを用いている。
ドレンパン3は、例えば上面が開口した箱形状の部材で構成され、加湿材1の表面で気化せずに滴下した水を受け止める。排水管4は、ドレンパン3の内部に溜まった水を排出するための配管である。給水管5は、加湿材1に水を供給するための配管である。
滴下ノズル6は、給水管5に接続される部材であり、吸水材2の上面全体に水が均一に供給されるように構成される。滴下ノズル6は、例えばステンレス製で直径1mmのものであり、吸水材2の天面2aと風上端部被覆部2bとの境界付近の真上約3mmの位置に加湿材1の個数と同数の5本設置した。送風手段14は、加湿材1に空気を供給するものである。送風手段14は、送風方向7が加湿材1の風上側端面1b(加湿材1のうち最も送風手段側に位置する面)を向かうように設けられる。
なお、加湿材1は、好ましくは、樹脂製の部材又は金属製の板状で構成される。加湿材1は、さらに好ましくは、立体的な網目構造を持つ繊維を絡ました形状又は発泡形状で構成される。ここで、樹脂製の部材は、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維などの化学繊維やフェルトなどの不織布などが挙げられる。また、金属製の部材は、例えば、チタン、ステンレス鋼、銅、アルミ、鉄、ニッケルなどが挙げられる。なお、金属製部材の場合は金属部材の溶出や腐食等を抑制するため、例えば金属部材表面に錫のようなメッキを施してもよい。
また、加湿材1は、例えば、チタン製の発泡金属で空隙率82%、呼び穴径200μm、高さ875mm、幅30mm、厚み1mmの部材で構成される。また、加湿材1は、板状の部材をギャップ長5mmの等間隔で並列に5枚配置することで構成される。加湿材1の枚数や寸法、設置間隔は、これに限るものではなく製品の仕様に合うように選定すればよい。
また、吸水材2は、平均繊維束方向がある任意方向を持ち、その方向に流水性、吸水性の良い材質であれば特に限定しないが、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維などの化学繊維やフェルトなどの不織布で形成されているものがよい。ただし、吸水材2は平均繊維束方向を有さなくても、風上端部被覆部2b又は風下端部被覆部2cの長手方向に滴下速度が速いものであれば前記に限るものではなく、例えば加湿材1に水分を供給する他の手段として、パイプのような形状のものを用いても良い。本実施の形態1に係る吸水材2は、アクリル系繊維製で空隙率50%、厚み2mmのものを用いている。
また、前記材質の吸水材2を前記加湿材1として用いてもよく、吸水材2と加湿材1が同材質となってもよい。吸水材2の材質を加湿材1に用いる場合、平均繊維束方向は特に限定しないが、好ましくは加湿材上下方向と同じ方向になるように設置するのが良い。これは、加湿材上下方向と同じ方向に設置すると滴下速度が速いため、スケールが析出する前に水が流れ落ちるためである。ただし、本実施の形態1で選定した前記アクリル系繊維製の吸水材2は、前記チタン製加湿材1より表面積が小さいため、前記加湿材1と同等の加湿性能にするためには加湿材の枚数を増やすなどが必要となる。
また、1枚の吸水材2を加工して、天面2a、風上端部被覆部2b、及び風下端部被覆部2cをなるべく一体となるように設けるのが好ましいが、端材が極力出ないように個別に加工した各部で加湿材1を覆ってもよい。その場合は、天面2aからの給水が、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cに浸透するように、天面2a、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの少なくとも一部を接地させるように設けることが好ましい。
また、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの幅は、風よけの役割を有していれば特に限定しないが、加湿材1の端部とほぼ同じ幅の約0.5〜約2.0mm程度であることが好ましい。ただし、加湿材1の端部の気化の進行を抑制できれば、加湿材1の端部の幅と同一でなくてもよい。例えば、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの幅は、加湿材1の端部の幅と同一でなくても、風よけとしての役割を有し剛体性を有していれば0.5mm以下でもよい。また例えば、風よけとしての役割を有し例えば複数枚均等に配置された加湿材1のギャップ長を閉塞させなければ2mm以上でもよい。
また、風上端部被覆部2bの断面形状は、風よけの役割を有していれば、例えば、円筒形、三角形、V字形、四角形等の種々の形状を採用できる。ただし、風上端部被覆部2bの断面形状としては、板状の吸水材形状をそのまま利用できる四角形であることが好ましい。また、風上端部被覆部2bは、風よけの役割に加え加湿量を増加させるため、通風を乱流化させる凹凸が加工されていてもよい。なお、このことは風下端部被覆部2cについても同様である。ただし、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの形状は異なっていてもよい。
また、滴下ノズル6は、少なくとも一本以上設けられ、加湿材個数と同数が好ましいが、給水を吸水材2に供給できれば加湿材個数以下でも、又は加湿材個数以上でもよく、天面2aに水をなるべく均一に供給することを考慮して複数本設けられることが好ましい。滴下ノズル6の材質は、例えばステンレス製としたが、給水を吸水材2に供給できればこれに限るわけではなく、樹脂製のノズルでもよい。また、滴下ノズル6は、天面2aに水をなるべく均一に供給することを考慮して、天面2aと風上端部被覆部2bとの境界付近(例えば、天面2aのうち風上端部被覆部2b側の端部)に設けられることが好ましい。滴下ノズル6の設置高さは、3mmに限るわけではなく吸水材2に直接接触させてもよい。また、高さ3mm以上でも吸水材2に確実に滴下でき、かつ吸水材2以外に飛散しなければ特に限定はしない。
また、滴下ノズル6の排出口側の開口位置は、吸水材2の天面2aのうち、好ましくは送風によって滴下された水が、加湿材1の風下側(後方)に流れてしまうことを考慮し、加湿材1の風上側(前方)に設けられる。
次に、加湿器100の加湿動作について説明する。
図1に示されるように、給水管5から排出される水は、滴下ノズル6を介して加湿材1の天面1aに供給される。加湿材1の天面1aに供給された水は、滴下して毛細管現象にて加湿材1内部に含浸する。加湿材1内部に含浸した水は、加湿材1全体に拡散するとともに、送風手段14のファンが回転することで加湿材1の表面で気化して空気が加湿される。加湿材1に供給された水のうち気化せずに滴下した水は、加湿材1の下部からドレンパン3に流れ落ち、排水管4の内部を通って排水される。
図5は本発明の実施の形態1に係る加湿器100の吸水材2から加湿材1への給水浸透方向及び吸水材2中の流水方向を示す概略図である。図5に示されるように、吸水材2は、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの平均繊維束方向が、平均送風方向と直交し加湿材1の上下方向と平行になるように、風上側端面1b及び風下側端面1cを覆うように設けられる。なお、矢印21は、吸水材2から加湿材1への浸透方向を示し、矢印22は、吸水材2中の流水方向を示す。
図21は、吸水材2がない場合((a)比較例)と本実施の形態1に記載した吸水材2を設置した場合((b)実施の形態1)とで加湿材1及び吸水材2中の給水の流れ方の違いを比較した模式図である。図21(a)の比較例より、滴下ノズル6から給水を加湿材1上部に滴下すると、滴下された箇所から徐々に加湿材1へ不均一な状態で広がっていくため、加湿材1中の保水状態や滴下速度にばらつきが生じる。加湿材1中の保水状態や滴下速度にばらつきが生じると、局所的なスケール成分の濃縮が起こりスケールの析出原因になる。一方、図21(b)の実施の形態1では、比較例と同じ滴下流量の給水が平均繊維束方向に流水速度が速い吸水材2に滴下され、一旦保水される。その後、給水が給水を潤沢に保水した吸水材を介して加湿材1上部から均一に供給される。また、加湿材1の風上端部及び風下端部にも、吸水材2と接している面から給水が供給される。このように、本実施の形態1の図1のような構成にすることで給水を加湿材1へ均一に供給することができ、局所的なスケールの析出を抑制することができる。
図22に、吸水材2の平均繊維束方向有無における水の滴下速度比(=吸水材A又は吸水材Bでの水の滴下速度/吸水材Aでの水の滴下速度)を示す。吸水材Aは平均繊維束方向を有さず、吸水材Bは平均繊維束方向を有している。図22に示したように、平均繊維束方向を有する吸水材Bの方が、平均繊維束方向を有さない吸水材Aより水の滴下速度が速い、すなわち水の流水性が良いことがわかる。なお、吸水材2を設置しても滴下する流量は従来と同じである。吸水材2には、従来、加湿されずにドレンパンに流れ落ちる給水の一部が流れ、かつ加湿材風上端部及び風下端部に給水を供給しながら吸水材自体からも蒸散するため、排水量は従来と同じ、又は減らすことができる。
このように吸水材2を設置した加湿器100のような構成にすることで、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cでは、給水中のスケール成分が濃縮、析出される前に、給水が平均繊維束方向に速やかに流れる。このため、吸水材2自身へのスケールの析出を抑制することができ、吸水材2自身からも気化するため、加湿性能も向上させることができる。
図6は比較例に係る加湿器200の基本構成を示す図である。図6に示されるように、比較例に係る加湿器200は、本実施の形態1の加湿器100とは異なり、吸水材2が設けられない構成となっている。
まず、図6を用いて、比較例に係る加湿器200の加湿動作について説明する。図6に示されるように、給水管105から排出される水は、滴下ノズル106を介して加湿材101の天面101aに供給される。加湿材101の天面101aに供給された水は、滴下して毛細管現象にて加湿材101内部に含浸する。加湿材101内部に含浸した水は、加湿材101全体に拡散するとともに、送風方向107から送風手段114のファンが回転することで加湿材101の表面で気化して空気が加湿される。加湿材101に供給された水のうち気化せずに滴下した水は、加湿材101の下部からドレンパン103に流れ落ち、排水管104の内部を通って排水される。
図7は本発明の実施の形態1に係る加湿器100及び比較例に係る加湿器200について連続加湿実験を行った結果を示す図である。具体的には、図7は、スケール付着量(kg/m)及び加湿性能(%)の評価結果を示す図である。加湿器100,200を用いて、風速3m/s、加湿材1の一枚に対して滴下流量20ml/minで1シーズン相当の運転時間1000hrまで連続加湿試験を行った。
比較例に係る加湿器200について連続加湿試験を行ったところ、以下の結果が得られた。
(1)スケール付着量は約126kg/mであり、スケールが加湿材101の端部に局所的に堆積した。
(2)加湿性能は、初期加湿性能100%に対し、スケール付着量の増加に伴い低下傾向であり約85%まで低下した。
これに対し、本実施の形態1の加湿器100について連続加湿試験を行ったところ、以下の結果が得られた。
(1)スケール付着量は約12kg/mであった。
(2)加湿性能は、初期100%であり約97%まで低下したが、ほとんど初期加湿性能を維持していた。
このように、本実施の形態1の加湿器100は、比較例に係る加湿器200に比べて、スケール付着量を約1/10以下に抑制することができた。また、本実施の形態1の加湿器100は、比較例に係る加湿器200に比べて、局所的なスケール付着はほとんど見られなかった。すなわち、本実施の形態1の加湿器100は、図8のようにスケール108が加湿材1に付着することがない。
図8は比較例に係る加湿器200の加湿材101に付着するスケール108の様子を示す図である。具体的には、図8は、図6に示される加湿器200を用いて連続加湿試験を行うことで発生したスケール108の発生位置を示す図である。
図8に示されるように、スケール108は、加湿材101の風上側端面101b及び加湿材101の風下側端面101cにおいて局所的に析出する。一旦、スケール核が生成されると、スケールの析出が促進され加湿材101の表面や内部に広がっていき、特に、スケール108は、加湿材101の風上側端面101bにおいて、加湿材101の端部の外側にも堆積する。
ここで、加湿器の加湿材の端部にスケールが析出し堆積する原理について説明する。加湿材に給水される水は、一般的に水道水が使用される。水道水中には、シリカ成分(例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸コロイド等)やミネラル成分(例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸カルシウム等)といったスケール成分が含まれる。後述の連続加湿試験においても、水道水に炭酸カルシウムを溶解させ、カルシウム硬度を100mgCaCO3/L以上の高濃度に調整した模擬水を用いた。
このスケール成分を含む水が加湿材の表面で加湿されると、スケール成分の濃度が濃縮されていき、飽和溶解濃度を超えると固形成分(スケール)として加湿材に析出する。その析出したスケールを核として加湿材の端部内だけでなく、加湿材の外側にも堆積していく。このようにシリカ成分及びミネラル成分の少なくとも一方から生成されるスケール成分が、加湿材に析出し堆積していくと、加湿材を目詰まりさせて加湿性能が低下してしまう。また、スケール成分は、加湿材の風上側端面1bや加湿材の風下側端面1cのように、加湿材の気化しやすい部分から析出し始め加湿材の全体に広がっていくとともに、加湿材の風上側端面では加湿材の外側にも堆積しスケール白粉飛散の原因となってしまう。
これに対して、本実施の形態1に係る加湿器100は、水が含浸される加湿材1と、加湿材1に水分を供給する吸水材2と、吸水材2に水分を供給する給水管5及び滴下ノズル6と、加湿材1に空気を供給する送風手段14と、を備え、吸水材2は、加湿材1の天面1aと、加湿材1のうち最も送風手段側に位置する風上側端面1b、及び風上側端面1bの反対側に位置する風下側端面1cのうち少なくとも何れかの面に設けられる。このため、スケール108が加湿材1の端部に付着することを抑制でき、スケール108が白粉飛散することを抑制できる。したがって、スケール108が堆積して加湿材1の目詰まりすることを抑制できる。
このようにして、加湿性能の低下を抑制し長寿命な加湿器100を得ることができる。
また、天面2aは加湿材1の天面1aを覆う形状を有する。このため、天面2aは滴下ノズル6からの給水を潤沢に保水できる 。したがって、天面2aに接触している加湿材1の上端部全面から、風上端部被覆部2bと接触している加湿材1の風上側端面1b、及び風下端部被覆部2cと接触している加湿材1の風下側端面1cに均一に給水することができる。このようにして、スケール108が加湿材1の端部に付着することを抑制できる。なお、天面2aは加湿材1の天面1aを覆わないで、加湿材1の天面2aの一部のみに設けられるように構成してもよい。
なお、吸水材2が劣化した場合には、吸水材2のみを廃棄して交換すればよい。このようにすることで、長寿命な加湿材1を得ることができる。
また、吸水材2が、天面1a、風上側端面1b、及び風下側端面1cに設けられる例について説明したが、これに限定されるものではない。吸水材2が、天面1a、風上側端面1b、及び風下側端面1cのうち少なくとも何れかの面に設けられていればよい。このように構成しても、スケール108が加湿材1に付着することを抑制できる。したがって、加湿性能の低下を抑制できる。
図9は本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第1の変形例を示す図である。図9に示されるように、吸水材2の天面2aの上方に給水貯水部9を設け、滴下ノズル6から排出される水を給水貯水部9に滴下するように構成してもよい。この場合には、例えば、給水貯水部9の底部の一部に開口部10を設け、給水貯水部9の内部に供給された水を開口部10を通じて吸水材2に浸透するようにしてもよい。
図10は本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第2の変形例を示す図である。図10に示されるように、吸水材2は、天面2aと、風上端部被覆部2bと、によって構成されている。すなわち、吸水材2は、風下端部被覆部2cを有さない構成となっている。
このように、図10の加湿器100は、図1の加湿器100とほぼ同様の実験結果が得られた。すなわち、図10のように加湿器100を構成しても、図1のように加湿器100と同様の効果を奏することができる。
図11は本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第3の変形例を示す図である。図11に示されるように、加湿材1の数だけ天面2aを設け、加湿材1毎に天面2aを設けてもよい。図11のように加湿器100を構成しても、加湿器100を図1のように構成した場合とほぼ同様の実験結果が得られた。
図12は本発明の実施の形態1に係る加湿器100の第4の変形例を示す図である。図12に示されるように、スケールが析出し始める風上側端面1bの下部のみに風上端部被覆部2bを設置してもよい。なお、図12の構成では、風上端部被覆部2bに水を供給しなくてもよいが、好ましくは天面2aだけでなく風上端部被覆部2bにも供給してもよい。図12のように加湿器100を構成しても、加湿器100を図1のように構成した場合とほぼ同様の実験結果が得られた。図23に、比較例と図7及び図9〜図12までの構成で連続加湿試験したときの加湿材へのスケール付着量比と加湿性能低下率を示す。スケール付着量比とは、実施の形態1でのスケール付着量を比較例に対する比率で示した値と定義する。加湿性能低下率とは、初期加湿性能100%から低下した率と定義する。図23を見てもわかるように、実施の形態1の図7及び図9〜図12のような構成にすることで加湿材1へのスケール付着量を抑制でき、加湿性能を維持できる。
実施の形態2.
図13は本発明の実施の形態2に係る加湿器100の吸水材2に形成された切り込み11を示す図である。図13に示されるように、本実施の形態2では、実施の形態1とは異なり、天面2a、風上端部被覆部2b、及び風下端部被覆部2cの平均繊維束方向に、細かい複数の切り込み11を入れ流水性を向上させている。
図13に示されるように、吸水材2の全面にランダムに複数の切り込み11が形成されている。切り込み11は、例えば、約5mmの長さ、約0.1mmの深さ、及び約0.1mmの幅を有する。切り込み11の平均切り込み方向は、吸水材2の平均繊維束方向と平行である。
なお、切り込み11の長さ、深さ、及び幅は、吸水材2の平均繊維束方向への水の流水性が向上すれば特に限定しないが、長さは約1mm〜約1cm程、深さは約0.1〜約0.5mm程、及び幅は約0.1〜約0.5mm程であることが好ましい。
また、吸水材2に切り込み11を形成する箇所は、天面2a、風上端部被覆部2b、及び風下端部被覆部2cの各部のみ、又はいずれか2つの組み合わせでもよいが、天面2a、風上端部被覆部2b、及び風下端部被覆部2cの全面に形成することが好ましい。
本実施の形態2の加湿器100を用いて、実施の形態1と同様の連続加湿試験を行い、結果を比較したところ、次の(1)〜(3)の比較結果が得られた。
(1)風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの流水性は、図24に示すように水の滴下速度比で比較すると約1.1倍向上した。
(2)風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cへのスケール付着量を約3/4に抑制できた。
(3)加湿材1へのスケール付着量を約2/3に抑制できた。図25に示すように比較例と比較すると、加湿材1へのスケール付着量を約1/10以下に抑制できた。
以上のように、本実施の形態2に係る加湿器100は、吸水材2に切り込み11を形成している。このため、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cから加湿材1に供給される水の量が増える。したがって、加湿材1に付着するスケールの量をさらに抑制することができる。
このようにして、滴下ノズル6から吸水材2に供給する水量を増やすことなく、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの流水性を向上させることができる。このため、スケール堆積による加湿材1の目詰まりをさらに抑制できる。したがって、より加湿性能の低下を抑制でき、より長寿命な加湿器100を得ることができる。
実施の形態3.
図14は本発明の実施の形態3に係る加湿器100の吸水材2の形状を示す図である。
図15は本発明の実施の形態3に係る加湿器100の吸水材2の風上端部被覆部2bを示す図である。
本実施の形態3では、実施の形態1とは異なり、図14、図15に示されるように、風上端部被覆部2bの表面に複数の突起12を設けている。突起12は、例えば、厚み2mm、幅1mm、長さ2mmの四角形状であり、送風手段14の送風方向と直交する方向に突出している。突起12は、長さ方向に千鳥状に設けられている。
本実施の形態3に係る加湿器100を用いて、実施の形態1と同様の連続加湿試験を行った結果を比較したところ、図26に示すように実施の形態1に係る加湿器100と比べて、加湿性能が約1.1倍向上するという比較結果が得られた。
以上のように、本実施の形態3に係る加湿器100は、風上端部被覆部2bの表面に突起12を設けている。このため、風速を増加させることなく送風を乱流化できるため、加湿性能が向上するとともに、加湿材1へのスケール付着量も抑制することができる。したがって、スケール堆積による加湿材1の目詰まりを抑制でき、高い加湿性能を持つ長寿命な加湿器100を得ることができる。
図16は本発明の実施の形態3に係る加湿器100の第1変形例を示す図である。図17は本発明の実施の形態3に係る加湿器100の第2変形例を示す図である。図18は本発明の実施の形態3に係る加湿器100の第3変形例を示す図である。
なお、本実施の形態3においては、突起12が四角形状である例について説明したが、これに限定されない。例えば、図16に示されるように、突起12が円錐形状であってもよい。また例えば、図17に示されるように、突起12が円柱形状であってもよい。また例えば、図18に示されるように、突起12が羽状であってもよい。また例えば、突起12が台形状であってもよい。このように、送風を乱流下できるような形状であれば、種々の形状の突起12を採用することができる。
また、本実施の形態3においては、風上端部被覆部2bを設ける際に突起12を成型してもよいし、成型した風上端部被覆部2bに突起12を貼り付けてもよい。風上端部被覆部2bの断面が円筒形、三角形、V字状でも同様な突起12を設置すれば、実施の形態1,2と同様に加湿性能を向上させることができる。
また、本実施の形態3においては、突起12が風上端部被覆部2bに設けられる例について説明したが、突起12が風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cの少なくとも何れかに、少なくとも1つ設けられていてもよい。このように突起12を設けても、上述した本実施の形態3の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図19は本発明の実施の形態4に係る加湿器100の吸水材2に樹脂コーティング13が施された状態を示す図である。図19に示されるように、本実施の形態4では、実施の形態1とは異なり、風上端部被覆部2bの表面に樹脂コーティング13を施している。樹脂コーティング13は、例えば、フッ素コーティングである。
本実施の形態4の加湿器100を用いて、実施の形態1と同様の連続加湿試験を行い結果を比較したところ、次の(1)及び(2)の比較結果が得られた。
(1)樹脂コーティング13が施された風上端部被覆部2bの表面へのスケール付着量は、樹脂コーティング13が施されていない風上端部被覆部2bへのスケール付着量と比較して約1/2であった。
(2)樹脂コーティング13が施された風上端部被覆部2bを有する吸水材2で覆われた加湿材1へのスケール付着量は、樹脂コーティング13が施されていない風上端部被覆部2bを有する吸水材2で覆われたスケール付着量の約1/2であった。比較例と本実施の形態4とで加湿材1へのスケール付着量を比較した結果を図27に示す。図27を見てもわかるように、加湿材1へのスケール付着量を比較例と比べて約1/10以下に抑制できた。
以上のように、本実施の形態4に係る加湿器100は、風上端部被覆部2bの表面に樹脂コーティング13を施している。このため、風上端部被覆部2bへのスケールの付着を抑制できる。したがって、加湿性能の低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態4においては、風上端部被覆部2bに樹脂コーティング13を施す例について説明したが、加湿材1の風上側端部に樹脂コーティング13を直接施してもよく、風上側端面1bだけでなくその両側面2mm幅まで樹脂コーティング13を施してもよい。このように構成しても、風上端部被覆部2bに樹脂コーティング13を施した場合とほぼ同様の結果を得ることができた。
また、本実施の形態4においては、風上端部被覆部2bの風上側の面のみに樹脂コーティング13を施す例について説明したが、風上端部被覆部2bのうちで加湿材1と接する面以外の面に樹脂コーティング13を施してもよい。樹脂コーティング13の膜厚はミクロンオーダーであるため、樹脂コーティング13が風上端部被覆部2bに浸透してもよい。
図20は本発明の実施の形態4に係る加湿器100の加湿材1に樹脂コーティング13を施した状態を示す図である。図20に示されるように、加湿材1の風が直接当たる加湿材1の風上側端面1bに樹脂コーティング13を施してもよい。
このように、加湿材1に樹脂コーティング13を直接施すと、樹脂コーティング13を施した面の加湿性能は低下するものの、従来よりも加湿材1へのスケール付着を一層抑制できる。具体的には、加湿材1の両側面に加えて加湿材1の風上側端部に樹脂コーティング13を施すことで、樹脂コーティング13を風上側の透湿性チューブ側面のみに施した従来の加湿器(例えば上述した特許文献1)よりも、加湿材1へのスケール付着を一層抑制できる。
なお、風上側端面1bに加えてその両側面に樹脂コーティング13を施してもよい。このとき、加湿材1の両側面に施される樹脂コーティング13の幅は、加湿材1の端部の気化の進行、スケール付着を抑制できれば特に限定しないが、風上端部被覆部2bの幅と同様に0.5〜2.0mm程度であることが好ましい。
なお、本実施の形態4においては、樹脂コーティング13がフッ素コーティングである例について説明したが、これに限定されない。樹脂コーティング13は、風上端部被覆部2bにおける気化を抑制できればよく、塩化ビニルコーティングやシリコンコーティング等が施されていてもよい。そして、加湿材1又は吸水材2に樹脂コーティング13を施すことで、撥水性を向上させることができる。
実施の形態5.
本発明の実施の形態5では、吸水材2の全体に親水化コーティングを施した以外は、実施の形態1の図1と同様の構成及び仕様である。親水化コーティングは、加湿材1に塗布及び固着でき、かつ長期耐久性を有していれば特に限定しないが、例えば1〜2%の濃度のコロイダルシリカコーティングなどが好ましい。比較例と本実施の形態5とで加湿材1へのスケール付着量を比較した結果を図28に示す。図28を見てもわかるように、加湿材1へのスケール付着量を比較例と比べて約1/10以下に抑制できた。
以上のように、実施の形態5に係る加湿器100は、吸水材2に親水化コーティングを施すことで、風上端部被覆部2b及び風下端部被覆部2cを流れる給水の滴下速度をさらに上げることができるため、吸水材2本体及び加湿材1本体へのスケール付着量を抑制できる。なお、吸水材2への親水化コーティングは、吸水材2全体に行わなくてもよく、天面1aと風上端部被覆部2b又は風下端部被覆部2cのどちらか一方に施されていれば、同様の結果が得られる。また、加湿材1本体へも親水化コーティングを行ってもよい。加湿材1にも親水化コーティングすることで加湿材1での水の拡散速度、流水速度を上げることができ、スケール付着量をさらに抑制することができる。
実施の形態6.
本発明の実施の形態6は、加湿材1に水分を供給する手段である平均繊維束方向を有する吸水材2の代わりに、図29に示すように加湿材1と接している側に複数の孔を持つパイプ23を用い、滴下ノズル6がパイプ23と接続されている。それ以外は、実施の形態1の図11と同様の構成及び仕様である。パイプ23は、吸水材2のように平均繊維束方向を持たなくてもパイプ内を給水がスムーズに流れるため、加湿材1と接している側の孔から給水を均一に供給できるとともに、加湿材1の風上端部及び風下端部をパイプ23で被覆しているため、加湿材1へのスケール付着量も抑制できる。また、パイプ23表面からは蒸発しないため、スケールはパイプ23表面に付着しない。
パイプ23は、加湿材1と接している側に少なくとも1つ以上の孔あるいは長孔を持ち、加湿材1の風上端部又は風下端部を被覆していれば、樹脂製又は金属製の円管や多角管でもよい。樹脂製円管では、例えばポリプロピレン、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレンなどの材質を用いるのが良い。金属製円管では、銅管、アルミ管などもあるが耐久性等を考慮しステンレス管が好ましい。本実施の形態6では、外径2.0mm/内径1.0mmのステンレス製管を用い、加湿材1と接する側にφ0.5mmの孔を加湿材上部に6か所、風上端部及び風下端部側に8か所ずつ空けたものを用いた。それ以外は実施の形態1の図11と同様の構成及び仕様で連続加湿試験を行った。その結果、図30に示すように、実施の形態6では、比較例と比べて加湿材1へのスケール付着量を約1/10以下に抑制できた。
なお、パイプ径や加湿材1と接する側の孔径は、前記に限るものではなく、従来に比べ大幅な圧力損失にならず耐久性を有して加工できれば特に限定しないが、例えば、加湿材幅0.5〜2.0mmに対し、外径φ0.5〜約2.0mm、孔径φ0.1〜1.5mmであることが好ましい。
また、加湿材1と接している側は孔でなくてもよく、図31に示したように切れ込みのようなスリット25でもよい。スリット25の幅は、加湿材1に給水を供給できれば特に限定しないが、加湿材幅0.5〜2.0mmに対し、外径φ0.5〜約2.0mmのパイプ径で0.1〜1.5mm程度が好ましい。
以上のように、実施の形態6に係る加湿器100は、吸水材2の代わりにパイプ23を用いても加湿材1本体へのスケール付着量も抑制できる。
なお、給水管5及び滴下ノズル6が、本発明の給水手段に相当する。
1 加湿材、1a 天面、1b 風上側端面、1c 風下側端面、2 吸水材、2a 天面、2b 風上端部被覆部、2c 風下端部被覆部、3 ドレンパン、4 排水管、5 給水管、6 滴下ノズル、7 送風方向、8 スケール、9 給水貯水部、10 開口部、11 切り込み、12 突起、13 樹脂コーティング、14 送風手段、21 矢印、22 矢印、23 パイプ、24 ガイド、25 スリット、100 加湿器、101 加湿材、101a 天面、101b 風上側端面、101c 風下側端面、103 ドレンパン、104 排水管、105 給水管、106 滴下ノズル、107 送風方向、108 スケール、114 送風手段、200 加湿器。

Claims (13)

  1. 水が含浸される加湿材と、
    前記加湿材に水分を供給する水供給手段と、
    前記加湿材に水分を供給する水供給手段に水分を供給する給水手段と、
    前記加湿材に空気を供給する送風手段と、を備え、
    前記水供給手段は、
    記加湿材のうち最も前記送風手段側に位置する風上側端面、及び前記風上側端面の反対側に位置する風下側端面のうち少なくとも何れかの面に設けられ、平均繊維束方向が平均送風方向と直交し且つ前記加湿材の上下方向と平行になるように前記加湿材を覆う
    加湿器。
  2. 前記水供給手段は吸水材である
    請求項1に記載の加湿器。
  3. 前記水供給手段は、前記加湿材の天面にも設けられ、前記加湿材の天面全体を覆う
    請求項1又は請求項2に記載の加湿器。
  4. 前記水供給手段は、
    ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、若しくはアクリル系繊維の化学繊維又はフェルトの不織布で構成されている
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載の加湿器。
  5. 前記水供給手段には、該水供給手段の平均繊維束方向に向かって切り込みが形成されている
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載の加湿器。
  6. 記風上側端面及び前記風下側端面のうち少なくとも何れかの面に設けられた前記水供給手段の表面には、少なくとも1つの突起が前記送風手段の送風方向と直交する方向に形成されている
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載の加湿器。
  7. 前記水供給手段の風上端部被覆部の表面には水の蒸発を抑制する樹脂コーティングが施されている
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載の加湿器。
  8. 前記水供給手段は樹脂で構成される
    請求項1に記載の加湿器。
  9. 前記水供給手段全体には、水の滴下速度を速くする親水化コーティングが施されている 請求項1〜請求項の何れか一項に記載の加湿器。
  10. 平均繊維束方向を有する前記水供給手段は、平均繊維束方向を有さない前記水供給手段より、平均繊維束方向への水の滴下速度が速い
    請求項1〜請求項の何れか一項に記載の加湿器。
  11. 前記水供給手段と前記加湿材とが接している面から前記加湿材に給水が供給される
    請求項1〜請求項1の何れか一項に記載の加湿器。
  12. 前記水供給手段は樹脂製又は金属製のパイプである
    請求項1に記載の加湿器。
  13. 前記加湿材の天面と、該加湿材の風上側端面及び前記風下側端面のうち少なくとも何れかの面に接している前記樹脂製又は金属製パイプ面側に、少なくとも一つ以上の孔又はスリットを備え、該孔又はスリットから給水が前記加湿材に供給される
    請求項1に記載の加湿器。
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