JP7236877B2 - 加湿装置、換気装置及び空気調和機 - Google Patents

加湿装置、換気装置及び空気調和機 Download PDF

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Description

本発明は、加湿空気を生成する加湿装置、換気装置及び空気調和機に関する。
加湿空気を生成する加湿装置における加湿方式には、自然蒸発式、電熱式、水スプレー式及び超音波式といった方式がある。自然蒸発式の加湿装置は、他の方式の加湿装置に比べてランニングコストを抑えやすいことから、特に長時間運転される場所での使用に有用である。
自然蒸発式の加湿装置には様々な形態がある。その中で、経時的な加湿能力の変化が少なく、長時間の使用に適した加湿方式としては「滴下式」及び「流下式」がある。滴下式又は流下式の加湿装置は、空気調和機といった業務用の加湿装置に使用される傾向がある。
滴下式又は流下式の加湿装置には、加湿用保水材を用いたものがある。滴下式又は流下式の加湿方式を用いた加湿装置として、特許文献1には、加湿用保水材に機械的強度とともに高い水の分散性を持たせるために、ポリエステル等の樹脂繊維からなる不織布に粒径の小さいシリカ微粒子を添着することで、加湿用保水材全体への水の保水性を担保する構成が開示されている。
特開平1-283129号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、加湿用保水材自体に高い水分散性を持たせることができるものの、水分散性を持たせるために添着したシリカ微粒子によって加湿用保水材が乾燥している時に環境中からの臭気物質も吸着してしまい、加湿時の加湿用保水材への通水によって臭気物質が一斉に再放散されることで、悪臭となる問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、加湿能力を確保しつつ、加湿用保水材への臭気の吸着を低減する加湿装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、給水源に接続された給水機構と、疎水性材料を用いて板状に形成されており、給水機構の下方に設置されて、給水機構から給水される水を保水して、表面を流通する空気を加湿する加湿用保水材とを有する。加湿用保水材は、親水化処理が施された親水化処理部位を備える。
本発明によれば、加湿能力を確保しつつ、加湿用保水材への臭気の吸着を低減する加湿装置を得られるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る加湿装置の構成を示す図 実施の形態1に係る加湿装置の加湿体の斜視図 実施の形態1に係る加湿装置の加湿用保水材の斜視図 実施の形態1に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図 本発明の実施の形態2に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図 本発明の実施の形態3に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図 本発明の実施の形態4に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図 本発明の実施の形態5に係る換気装置の一例を示す図 実施の形態5に係る空気調和機の一例を示す図
以下に、本発明の実施の形態に係る加湿装置、換気装置及び空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る加湿装置の構成を示す図である。加湿装置1は、給水源に接続された給水機構40と、給水機構40の下方に設置されて、加湿用保水材2aを備えた加湿体20を備える。加湿用保水材2aは、給水機構40から給水される水を保水して、表面を流通する空気を加湿する。給水機構40は、水道設備と一体の給水源に接続されて加湿体20に加湿用の水を送水する給水管3と、給水管3を通じて水が供給される貯水槽12とを備える。給水管3には、給水系の電磁弁である給水弁3aが設置されている。給水弁3aは、加湿用の水を貯水槽12に供給するか、遮断するかを切り替える。また、給水弁3aは、貯水槽12に給水する水の圧力と流量とを調整する。給水機構40は、塵の侵入を防ぐストレーナを含んでもよい。
加湿装置1は、空気を取り込む吸気口1aと、空気を吐出する吐出口1bとを備えている。加湿体20の通風風上側又は通風風下側には、加湿体20へ空気を送り込み、再び空気を吹出すための送風機5が組み込まれている。図1においては、加湿体20の通風風上側に送風機5が組み込まれた状態を示している。送風機5は、吸気口1aから流入して吐出口1bから流出する気流を形成する。
加湿装置1は、加湿体20で加湿されずに残った水を外部に排出する排水管4を備える。また、加湿装置1は、送風機5及び給水弁3aといった機器の操作などを行う制御装置6と、排水を受容し外部に排水するドレンパン7と、を備える。排水管4は、ドレンパン7に接続されている。ドレンパン7及び排水管4は、加湿用保水材2aから加湿されずに残った水を排水するための排水部である。排水部は、加湿体20の下方に設けられている。
給水源側との接続部分を除く給水機構40の各接続部分は、全てドレンパン7の上方に集約されていることが好ましい。
図2は、実施の形態1に係る加湿装置の加湿体の斜視図である。図3は、実施の形態1に係る加湿装置の加湿用保水材の斜視図である。加湿用保水材2aは、図3において矢印Zで示す方向である第1の方向に沿って並べられる。加湿用保水材2aは、疎水性材料を用いて板状に形成されている。図3に示すように、加湿用保水材2aは平板状である。図2に示すように、複数の加湿用保水材2aは、互いに間隔を空けて設置される。図2に示すように、加湿体20の上部には、拡散部材30が接触されている。拡散部材30は、複数の加湿用保水材2aを並べる第1の方向に沿って延びるように配置され、一つの拡散部材30に複数の加湿用保水材2aがまとめて接触する。図1に示すように、加湿用保水材2aは、開口が設けられたケーシング10に収容されて固定される。ケーシング10は、下側が開放された箱状のケーシング上部10aと、枠状のケーシング下部10bとを有する。ケーシング上部10aは、貯水槽12及び拡散部材30に加え、加湿用保水材2aの上部を内部に収容する。ケーシング下部10bは、間隔を空けて並べられた複数の加湿用保水材2aを配列方向と下方向とから覆う。
加湿体20は、ドレンパン7上に少なくとも一つが設置される。加湿体20を複数設置する場合には、給水機構40は、複数の加湿体20で共用することができる。
図2に示すように、加湿用保水材2aの上方には、加湿用保水材2aに供給するための水を蓄える貯水槽12が設置される。貯水槽12には、給水管3から水を注入する給水口11が設けられている。
ケーシング10は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、ポリスチレン(PolyStyrene:PS)樹脂、又はポリプロピレン(PolyPropylene:PP)樹脂を含む熱可塑性のプラスチック材料を用いて、射出成型といった成型法によって形成されている。
ケーシング10のうち加湿用保水材2aと接触する部分には、加湿用保水材2aの位置を規制する位置決め用の突起が設けられている。加湿用保水材2aは含水時に軟化し、水の重さで変形するものもあるため、ケーシング10と接触する加湿用保水材2aの外周部分で加湿用保水材2aの位置を規制することによって、加湿用保水材2a間の流路の寸法を確保し、均一に空気が流れるようにすることができる。
これにより、加湿体20の圧力損失の低下が抑えられ、加湿用保水材2aの全面が有効に加湿面として使用されるため、加湿用保水材2aが歪んだ場合に比べて加湿量が増加する効果が期待できる。
貯水槽12の底面には拡散部材30へ水を滴下するための複数の注水孔12aが形成されている。貯水槽12と拡散部材30とは一体に組み合わされ、その一体部品がケーシング上部10aに挟まれて保持されている。検知された水位をフィードバックして、図1に示す制御装置6によって給水弁3aの開閉を制御してもよい。
貯水槽12は、ABS樹脂、PS樹脂またはPP樹脂を含む熱可塑性のプラスチックを材料として、射出成型といった成型法によって形成されている。貯水槽12は、材料に樹脂材料を使用しているため、表面が平滑であれば水における接触角は大きく、概ね90度以上あり、表面は疎水性である。したがって、貯水槽12は、内表面には水が残りにくく、衛生性に優れている。なお、ここでは、疎水性は接触角が90度以上、親水性は接触角が40度以上90度未満、超親水性は接触角が40度未満とする。
給水口11は、貯水槽12へ水を供給するため、加湿体20の上部であって、加湿用保水材2aよりも上方に設けられる。給水口11の形状は給水管3に合わせた形状とし、容易に抜けないようにかえし構造を形成したり、ホースバンドで縛ったりしてもよい。給水口11は、加湿用保水材2aの上部から水を供給できる構造であれば位置等に制約はないが、給水管3と給水口11とのつなぎ目から水漏れが発生した場合を考慮すると、空気流の風上側に配置することが好ましい。
空気流の風上側に給水口11を配置することで、給水管3と給水口11とのつなぎ目から漏れた水は、気流に乗り、風下側、すなわち加湿用保水材2a側へ導かれて加湿体20に吸収されるため、加湿体20の風下側への水の飛散を少なくすることができる。
加湿量に対して給水量が過剰な場合、加湿されずに排水部から流れ出て無駄になる水量が増大するため、給水口11には、水量を絞るための機構を設けて、貯水槽12へ供給する水量を調整することが好ましい。水量調整の際には、加湿体20の最大加湿量よりも多い水量を供給できるようにする必要がある。なお、水量調節のために、金属メッシュ又は多孔質材料を用いて水量を調整するものでも機能上問題ない。
拡散部材30は、多孔質の板材で形成される。拡散部材30は、貯水槽12から滴下した水を吸収して加湿体20へ水を送るため、素材の表面は極力親水性が高いほうが、浸透性が良好になり通水できる流量が増加する。また、拡散部材30は、常に水に触れるため、水によって劣化しにくい材料で形成されることが好ましい。水によって劣化しにくい材料には、樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PlyEhylene Terephthalate:PET)樹脂といったポリエステル、セルロース及びチタン、銅又はステンレスといった金属を例示できる。また、素材表面の親水度を増すために、拡散部材30に親水化処理を施してもよい。
拡散部材30の下端と加湿用保水材2aの上端とは、一部分が接触して設置されている。拡散部材30と加湿用保水材2aとが接触していれば、加湿用保水材2aの毛細管力の作用により水が淀みなく加湿用保水材2aに流下する。拡散部材30と加湿用保水材2aとの組み立て時のばらつき、および輸送中の振動の影響を加味し、拡散部材30の下端と加湿用保水材2aの上端とを互いに差込むようにして、拡散部材30と加湿用保水材2aとを連結してもよい。
なお、拡散部材30は、上方に位置する貯水槽12から滴下する水を第1の方向に均等に拡散するために設けられている。すなわち、拡散部材30は、第1の方向に並べて配置された複数の加湿用保水材2aに均一に水を供給するために設けられている。したがって、複数の加湿用保水材2aが一体化されて、複数の加湿用保水材2a同士の間で第1の方向に水を拡散できる場合、又は加湿用保水材2aの上部を折り曲げて隣り合う加湿用保水材2a同士を接触させる場合には、加湿用保水材2a自体が拡散部材30と同様の水の拡散機能を有することになる。また、拡散部材30を用いる代わりに、加湿用保水材2aを注水孔12aの内部に直接挿入させることもできる。これらの場合には、拡散部材30を用いずに、貯水槽12から加湿用保水材2aに水を直接滴下させる構成であっても機能上問題ない。拡散部材30を用いる構成においては、拡散部材30は、給水機構40の一部分をなす。
図4は、実施の形態1に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図である。加湿用保水材2aは、拡散部材30と同様に多孔質の板材で形成される。加湿体20の材料である加湿用保水材2aの好適な条件は、図4に示すように上部のみに親水化処理部位22aが設けられており、それ以外の部分は疎水性材料で形成された水の拡散性に乏しい多孔質板であることである。疎水性材料には、樹脂であるPET、ポリエステル、又は金属であるチタン、銅、ステンレスを例示できる。
親水化処理には、高電圧源を用いて疎水性材料の多孔質の板材にプラズマビームを照射し、多孔質の板材の表面の分子を解離させることで親水性を持たせるプラズマ処理を適用できる。疎水性材料で形成された多孔質の板材にパターン化されたプラズマビームを照射することで、上部のみに親水化処理部位22aを設けた加湿用保水材2aを得ることができる。
また、多孔質の板材に対しては、バインダー及び親水化剤を用いて親水化処理を行うこともできる。バインダーにはフェノール類の樹脂を例示できる。親水化剤にはアルミナ、シリカ、タルク又はカーボンブラックの微粒子を分散させた液を例示できる。バインダー及び親水化剤を用いる親水化処理は、溶融させたバインダーをシート材に付着させてから、親水化剤を塗布することで行える。バインダーをシート材に付着させる際のパターン又は、親水化剤を塗布するパターンをシート材の上部のみとすることで、上部のみに親水化処理部位22aを設けた加湿用保水材2aを得ることができる。ローラ又はスプレーを用いて親水化剤を塗布することにより、親水化剤の塗布パターンを容易に変更できる。
ただし、拡散部材30よりも吸水性の良い素材を加湿用保水材2aに用いると、拡散部材30の内部に水が拡散する前に加湿用保水材2aが水を吸ってしまうため、各加湿用保水材2aへの水の供給の均一度が低下する可能性がある。この場合は、拡散部材30の鉛直方向の寸法を大きくすることで対策できる。なお、加湿体20全体の高さ方向に寸法の制約がある場合は、拡散部材30の鉛直方向への寸法にも制約が加わるため、拡散部材30よりも吸水性が低い素材を加湿用保水材2aに使用して、拡散部材30の鉛直方向の寸法を小さくすることが好ましい。
図3に示すように、加湿用保水材2aの表面には、凸部21が設けられている。凸部21によって、加湿用保水材2a同士の間隔の保持が図られる。凸部21は、加湿用保水材2aに冶具を押し当て、冶具を押し当てた部分を塑性変形させることで形成することができる。加湿用保水材2a上の凸部21の配列位置が異なる2種類の加湿用保水材2aを交互に配列することで、加湿用保水材2aの間隔を一定に保つ機能が得られる。なお、加湿体20は、第1の方向に沿って加湿用保水材2aの間隔が一定に保たれていればよく、一定間隔に加湿用保水材2aの板厚分の間隔で歯が形成された櫛を加湿用保水材2aに噛み合わせて間隔を保持したものでもよいし、波状に成形された加湿用保水材2aをハニカム状に積層することで間隔を保持する構造であってもよい。
加湿用保水材2aのうちケーシング下部10bに覆われる部分は、加湿の際に通風され、ケーシング上部10aに覆われる部分は、加湿の際に通風されないことになる。加湿用保水材2aの上部に設けられた親水化処理部位22aの高さ方向の寸法は、加湿の際に通風される高さYの通風範囲に含まれないようにY1以下とする。すなわち、親水化処理部位22aは、流通する空気が通過しない部分に形成されている。つまり、親水化処理部位22aは、流通する空気の流れに沿った方向から見て、ケーシング10の開口と重ならない部分に形成されている。高さYの通風範囲に親水化処理部位22aが含まれてしまう場合、親水化のために一般的に使用されるシリカ微粒子等の影響で、加湿用保水材2aが乾燥している際に放置されたり通風されたりすると、空気中に含まれる臭気成分がシリカ微粒子に吸着してしまう。このため、親水化処理部位22aが高さYの通風範囲に含まれないようにし、かつ、図4に矢印Xで示す加湿用保水材2aの通風方向に水が浸透するように親水化処理部位22aの高さ寸法Y1を大きく取ることが重要である。
実施の形態1に係る加湿装置1は、貯水槽12から拡散部材30を経て加湿用保水材2aに供給される水が、加湿用保水材2aの上部に設けられた親水化処理部位22aによって加湿用保水材2aの通風方向に拡散されるため、加湿有効面積を広げ加湿量を確保することが可能となる。
親水化処理部位22aを設けない場合、樹脂又は金属の多孔質板で作成された加湿用保水材は疎水性であるため、拡散部材から加湿用保水材に給水された水が通風方向に拡散せずに、重量作用によって鉛直方向にそのまま流下していく。この場合、加湿用保水材の流通する空気に晒される部分の面積よりも実際に加湿に使用される加湿有効面積は減少し、設計値よりも加湿量の低下が懸念される。実施の形態1に係る加湿装置では、加湿用保水材2aに親水化処理部位22aを設けているため、加湿量が設計値よりも低下することを防止できる。
さらに、加湿用保水材2aが乾燥した状態で放置、通風等された場合に空気中に含まれる臭気成分が加湿用保水材2aに吸着することなく、加湿シーズン初め等の長期のブランクの後に加湿を行う状況下においても、臭気の再放散を抑制し、空気質に優れた加湿運転が可能となる。
以上のように、実施の形態1に係る加湿装置は、加湿能力を確保しつつ、加湿用保水材2aへの臭気の吸着を抑制することができる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図である。実施の形態2に係る加湿用保水材2bは、親水化処理部位22bが一定の長さY2の間隔を空けて複数設けられている。
実施の形態2に係る加湿用保水材2bは、給水した水が加湿用保水材2bを鉛直方向に伝っていく際に、親水化処理部位22bに水を伝わせて通風方向に対して水を分散させていくことができる。このため、通風されない範囲の高さ寸法Y1が、通風されない範囲全体に親水化処理部位22aを設けても通風方向に沿う水の分散が不十分となる寸法であっても、実施の形態2に係る加湿用保水材2bは、通風方向に水を分散させることができる。
このとき、親水化処理部位22bの高さ寸法ΔYは、0.05≦ΔY/(ΔY+Y2)≦0.1を満たすとよい。図4で示した実施の形態1の親水化処理部位22aの高さ寸法Y1は、加湿用保水材2aの面積を有効に活用すると、加湿用保水材2aの高さ寸法の5%未満となる。このため、実施の形態2に係る加湿用保水材2bは、通風方向に水を分散させる目的においては、0.05≦ΔY/(ΔY+Y2)が適当となる。また、臭気吸着の観点からは、加湿用保水材2bの表面積のうち親水化処理部位22bが占める面積の割合は小さい方がよく、面積割合で10%以下に抑制することで、全面が親水化処理されていた加湿用保水材と比較して、臭気発生を90%抑制することができる。したがって、加湿用保水材2aの表面のうち、親水化処理部位22bが占める割合は、5%以上10%以下であるとよい。
人の嗅覚の感度は、通常は濃度の対数をとると感度の指標となると言われている。したがって、人の嗅覚の感度で考えると、臭気発生を90%抑制する実施の形態2に係る加湿用保水材2bは、嗅覚の感度では臭気を半減できることになる。臭気発生のリスクが大きくない場合、かつ、加湿量を十分に確保する必要がある場合には、実施の形態2の加湿用保水材2bを用いることで、実施の形態1の加湿用保水材2aよりも加湿用保水材2bの枚数を減らしてコスト低減を図ることができ、通風方向に水を分散させることが可能となり、かつ、空気中の臭気物質の吸着も抑制できる。
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図である。実施の形態3に係る加湿用保水材2cは、高さ寸法Y3の間隔を空けて高さ寸法ΔY3の親水化処理部位22cが複数設けられている。親水化処理部位22cの下方端と風下側端面との間には角度θの傾斜が付けられており、親水化処理部位22cは、流通する空気の上流側の端部の高さが下流側の端部の高さ以下となっている。親水化処理部位22cは、流通する空気の流れに沿った方向に延びている。
貯水槽12から拡散部材30を経て加湿用保水材2cに給水された水は、加湿用保水材2cを伝って重力の影響で鉛直方向に流れる。親水化処理部位22cが傾斜しているため、親水化処理部位22cに到達した水は、親水性の高い親水化処理部位22cの面に沿って拡散する。したがって、加湿用保水材2cの風上側端面側に給水を多く集めながら給水及び加湿が行われる。
角度θは、親水化されていない部位を鉛直方向に流れる水の速度V1、親水化処理部位22cを水平方向に流れる水の速度V2、加湿用保水材2cの鉛直方向寸法、水平方向寸法に応じて適宜決定される。通常の加湿用材料を用いる場合には、θは45度から90度の間の角度であることが好ましい。
加湿体20に流入する空気を事前に加熱して導入する場合等、加湿用保水材2cの風上側端面の加湿量が非常に大きく、水中に含まれているカルシウムイオン由来のスケール成分が風上側端面で析出しやすい。実施の形態3に係る加湿装置は、実施の形態2よりも加湿用保水材2cの風上側端面に給水を集中させることが可能となり、加熱加湿を行うなどの風上側の加湿負荷が高い条件で使用される場合には、スケール成分の早期析出を抑制することが可能となる。
実施の形態4.
図7は、本発明の実施の形態4に係る加湿装置の加湿用保水材の正面図である。実施の形態4に係る加湿用保水材2dは、高さ寸法Y4の間隔を空けて高さ寸法ΔY4の親水化処理部位22dが複数設けられている。親水化処理部位22dの下方端と風下側端面との間には角度θの傾斜が付けられており、親水化処理部位22dは、流通する空気の上流側の端部の高さが下流側の端部の高さ以上となっている。親水化処理部位22dは、風上側端面から第1の長さΔXの部分には設けられていない。第1の長さΔXは、3mm以上10mm以下である。親水化処理部位22dは、流通する空気の流れに沿った方向に延びている。
貯水槽12から拡散部材30を経て加湿用保水材2dに給水された水は、重力の影響で鉛直方向に加湿用保水材2dを伝って流れる。親水化処理部位22dには角度θが設けられているため、親水化処理部位22dに到達した水は重力の影響を受けながら親水性の高い親水化処理部位22dに沿って拡散しやすい。したがって、加湿用保水材2dの風下側に給水を多く集めながら給水及び加湿が行われる。
風上側端面から第1の長さΔX分の隙間を設けて親水化処理部位22dは配置されているため、風上側端面からΔXの範囲には水が給水されない。風上側端面からΔXの範囲内は、加湿量に相当する物質伝達量が大きくなる範囲であるが、この範囲には水が流れていないため、風上端面側における水中のカルシウムイオンに起因するスケール成分の濃縮が生じない。親水化処理部位22dと風下側端面との間の角度θは、90度から135度の間の角度であることが好ましい。
実施の形態3では加湿量が大きい風上側端面側に水を集めて、スケール成分の濃縮を抑制することを狙っているが、加湿体20に流入する空気が非常に乾燥している場合には、水を集めているにもかかわらず風上側端面でスケール成分の濃縮が起こってしまう。このような条件では、給水した水を風上側に集めているために、結果的に風上側端面でのスケールの析出量が増大してしまい、スケール発生の問題が早期に生じてしまう。
実施の形態4の構成を選択することで、加湿体20に流入する空気が非常に乾燥した条件である場合にも、実施の形態1から実施の形態3と同様の効果を発揮しつつ、風上側端面におけるスケール成分の析出を抑制できる。
このように、実施の形態4に係る加湿装置は、加湿体20の風上側端面における加湿量が大きく、実施の形態3における給水を風上側端面に集める対策でも過乾燥を防ぐことができない条件下でも過乾燥を防止できる。具体的には、加熱前の空気が低温低湿度の空気であるために加温後に10%RH以下の極低湿度空気となって加湿体20に導入される条件で使用される場合に好適である。
実施の形態5.
図8は、本発明の実施の形態5に係る換気装置の一例を示す図である。図9は、実施の形態5に係る空気調和機の一例を示す図である。換気装置200及び空気調和機300は、実施の形態1に係る加湿装置1を備える。
図8に示されるように、換気装置200は、家屋の外部ODの空気を家屋250の室内IDに取り込む。換気装置200の空気取入口201は、加湿装置1の吸気口1aに接続される。吸気口1aから加湿装置1に流入した外部ODの空気は、加湿装置1によって加湿される。加湿された外部ODの空気は、吐出口1bから室内IDに供給される。このように、加湿装置1を備えた換気装置200は、外部ODの空気を加湿して家屋250の室内IDに供給することができる。
図9に示されるように、空気調和機300は、室外機301と室内機302と、加湿装置1とを有する。室外機301は家屋250の外部ODに設置され、室内機302は家屋250の室内IDに設置される。室内機302は、加湿装置1を備える。室外機301からは、室内機302の熱交換器303に冷媒が供給される。室内機302の送風機304は、空気取入口305から室内IDの空気を取り入れて、熱交換器303に送る。熱交換器303を通過して熱交換した空気の供給先は、切替器306によって、加湿装置1と空気放出口307に直接接続される通路308とに切り替えられる。図9は、熱交換器303を通過した空気の供給先が加湿装置1である場合、すなわち熱交換器303を通過した空気を加湿している状態を示している。
熱交換器303を通過した空気は、加湿装置1の吸気口1aに流入した後、加湿装置1によって加湿される。加湿された外部ODの空気は、吐出口1bから加湿装置1の外へ吐出され、空気放出口307から室内IDに供給される。熱交換器303を通過した空気を加湿する必要がない場合、切替器306は、熱交換器303を通過した空気の供給先を、通路308とする。熱交換器303を通過した空気は、通路308を通過した後、空気放出口307から室内IDに供給される。このように、空気調和機300は、外部ODの空気を加湿して家屋250の室内IDに供給することができる。また、空気調和機300は、加湿の必要がない場合は、熱交換器303を通過した空気を、加湿しないで室内IDに供給することができる。
なお、上記の説明においては、換気装置200及び空気調和機300が実施の形態1に係る加湿装置1を備える例を説明したが、換気装置200及び空気調和機300は、実施の形態2から実施の形態4の加湿用保水材2b,2c,2dのいずれかを用いた加湿装置1を備えてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 加湿装置、1a 吸気口、1b 吐出口、2a,2b,2c,2d 加湿用保水材、3 給水管、3a 給水弁、4 排水管、5,304 送風機、6 制御装置、7 ドレンパン、10 ケーシング、10a ケーシング上部、10b ケーシング下部、11 給水口、12 貯水槽、12a 注水孔、20 加湿体、21 凸部、22a,22b,22c,22d 親水化処理部位、30 拡散部材、40 給水機構、200 換気装置、201,305 空気取入口、250 家屋、300 空気調和機、301 室外機、302 室内機、303 熱交換器、306 切替器、307 空気放出口、308 通路。

Claims (7)

  1. 給水源に接続された給水機構と、
    疎水性材料を用いて板状に形成されており、前記給水機構の下方に設置されて、前記給水機構から給水される水を保水して、表面を流通する空気を加湿する加湿用保水材とを有し、
    前記加湿用保水材は、親水化処理が施された親水化処理部位を備え、
    前記加湿用保水材は、開口が設けられたケーシングに収容されており、
    前記親水化処理部位は、流通する空気の流れに沿った方向から見て、前記開口と重ならない部分に形成されていることを特徴とする加湿装置。
  2. 給水源に接続された給水機構と、
    疎水性材料を用いて板状に形成されており、前記給水機構の下方に設置されて、前記給水機構から給水される水を保水して、表面を流通する空気を加湿する加湿用保水材とを有し、
    前記加湿用保水材は、親水化処理が施された親水化処理部位を備え、
    前記親水化処理部位は、鉛直方向に間隔を空けて前記加湿用保水材に複数設けられており、
    前記加湿用保水材の表面のうち、前記親水化処理部位が占める割合は、5%以上10%以下であることを特徴とする加湿装置。
  3. 前記親水化処理部位は、前記流通する空気の流れに沿った方向に延びており、前記流通する空気の上流側の端部の高さが下流側の端部の高さ以下であることを特徴とする請求項に記載の加湿装置。
  4. 前記親水化処理部位は、前記流通する空気の流れに沿った方向に延びており、前記流通する空気の上流側の端部の高さが下流側の端部の高さ以上であることを特徴とする請求項に記載の加湿装置。
  5. 前記親水化処理部位は、前記加湿用保水材の風上側端面から通風方向に第1の長さの部分以外の部分に設けられていることを特徴とする請求項に記載の加湿装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の加湿装置を備えることを特徴とする換気装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の加湿装置を備えることを特徴とする空気調和機。
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