JP5890640B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
例えば、遊技盤に設けられた始動入賞口に遊技球が入賞すると、遊技盤中の図柄表示装置に表示される図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止した図柄が予め定めた大当たり図柄となった場合に大当たり状態となり、遊技者が大量の出球を獲得できるようになっている。このような遊技機では、遊技の興趣を高めるために様々な表示演出が行われる。
例えば、特許文献1には、大当たりになると図柄表示装置の表示内容に連動して役物を左右に動作させる構成が開示されている。また、特許文献2には、図柄が所定の組合せになると、役物を遊技盤の前後方向に移動させる構成が開示されている。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、可動役物(装飾体)を、固定された本体部分と、本体部分に付設されて進退動作することにより可動役物の全体形状に大きな変化を与える複数の可動片と、から構成し、各可動片の進退方向を工夫することによって演出効果を高めた遊技機を提供するものである。
各可動片の進退方向を工夫することによって可動役物の全体形状に大きな変化を与え、演出効果を高めることができる。
図1は本発明の実施形態に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機を示した全体正面図であり、図2は各種盤面部品を搭載した遊技盤の正面図である。
遊技盤1の前面側には、ガラス板を支持したガラス枠2が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤1の下部には遊技球を貯留する受け皿部3と、受け皿部内の遊技球を発射する発射レバー4が設けられている。また、受け皿部3の上面には遊技機用ボタンスイッチや、遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン(何れも図示せず)が設けられている。
遊技盤1の裏面には、液晶画面、主制御基板とサブ制御基板等、遊技の進行、演出に関わる裏部品を組み付けた合成樹脂製の機構板(何れも図示せず)が開閉自在に装着されている。遊技盤1における遊技領域1aの周囲には、発射レバー4を操作することにより発射装置から発射された遊技球を遊技領域1aの上部に案内したり、アウト口10に案内する外レールR1、及び内レールR2が設けられている。
遊技盤1のほぼ中央部には、中央が開口したセンター部材5が配置される。センター部材5の内部には図柄表示装置6が配置されている。図柄表示装置6は、例えば、液晶表示装置等の液晶表示パネルによって構成され、通常動作状態の時は、図示しない特別図柄画像が表示される。また、いわゆる特別遊技状態の時は、特別遊技状態であることを示す演出画像等が表示される。
センター部材5の下方には、図柄表示装置6の特別図柄を可変表示させるための可変入賞装置11が設けられている。また、図柄表示装置6の左右の盤面には、普通図柄表示装置16に表示される普通図柄を作動させるためのゲート12が設けられている。さらに可変入賞装置11の右方には、特別遊技状態の一つである大当たり状態のときに開成状態になる開閉扉を有する大入賞口13が設けられている。
可変入賞装置11は、図柄表示装置6を可変表示させるための左右一対の開閉爪(可動片)を有する電動式チューリップを備えて構成される。
普通図柄表示装置16に表示される普通図柄は、1個または複数個の図柄を変動表示可能であり、普通図柄始動口としてのゲート12が遊技球を検出することを条件に、その図柄が乱数制御等により所定時間可変して停止するようになっている。
また図柄表示装置6に表示される特別図柄は、停止図柄が予め定められた図柄の組合せ、例えば同一図柄の組合せとなった場合に大当たり状態となるように構成されている。また特別図柄は可変入賞装置の電動式チューリップの開成動作により遊技球が誘導される下始動口(図示していない)において遊技球を検出することを条件に乱数制御等により表示がスクロールする等、所定の変動パターンで所定時間変動(可変)して図柄で停止するようになっている。その際、有効ライン上に2個の停止図柄が同一となった場合に、リーチ状態が発生し、このリーチ状態において、有効ライン上の最後の停止図柄が既に停止している2個の図柄と同一となった場合に大当たり状態が発生する。なお、特別図柄としては、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄等が使用可能である。
装飾体31は、集合形態における文字、図形、或いは符号を正規の視認姿勢(視認方向、本例では垂直方向)から所定角度傾斜した斜めの切断線S1、S2に沿って分割された複数の分割片40、50、60から成る。切断線S1と切断線S2の延びる方向は平行ではなく、交差する方向である。各切断線S1、S2は、文字列「abc」を不規則な位置で直線的に分断するため、各分割片40、50、60が分離した際には連続した文字とはならない。
切断線S1は、垂直方向に対して反時計回り方向へ45度程度回動した方向に延びる直線であり、鋭い刃物により切断した時に形成される切断線(直線)をイメージしている。また、切断線S2は、垂直方向に対して時計回り方向へ45度程度回動した方向に延びる直線であり、鋭い刃物により切断した時に形成される切断線をイメージしている。本例では、二本の切断線S1、S2は、下端部を近接させた状態で90度異なった方向へ延びている。
なお、各切断線S1、S2の延びる方向は、垂直線方向であってもよい。
第1の可動片50は、ベース本体70によって図4(b)に示した傾斜方向D2へ進退自在に支持された第1の可動ベース部材80に固定されている。第1の可動片50及び第1の可動ベース部材80は、ベース本体70、及び第1の可動ベース部材80に跨って搭載した第1の駆動機構90により傾斜方向D2に直線的に進退駆動される。
第2の可動片60は、第1の可動ベース部材80に搭載した第2の駆動機構100によって図4(c)に示した傾斜方向D4へ直線的に進退するように構成されている。
図5に示すようにベース本体70は前面に前カバー71を備え、前カバー71の前面にはプリント基板76、化粧板77が順次組み付けられる。ベース本体70の前面と前カバー71との間に形成される空間には第1の駆動機構90を構成する各部品が収容される。前カバー71の背面には裏カバー78が組み付けられる。
なお、各分割片40、50、60に文字、図形、模様、或いは符号を表示することは必須要件ではなく、各分割片の外形輪郭、形状自体が文字、図形、符号等々を表示していてもよい。
可動役物30を構成する装飾体31は、第1及び第2の駆動機構90、100によって集合形態(図3、図4(a)、図5(a))と、分散形態(図4(c)、図5(c))との間を進退、変形することができる。
図3等に示した集合形態においては、固定片40の端縁40aと第1の可動片50の端縁50aとが密着しており、第1の可動片50の他端縁50bと第2の可動片60の端縁60aとが密着している。そして、各分割片40、50、60の前面に跨って描かれた文字である「abc」が連続した図柄として視認できる。各分割片は、文字「abc」が切断線S1、S2によって不規則に分断されるように構成、配置されている。
次に、図4(c)、図5(c)に示した最終の分散形態では、第1の可動片50に対して第2の可動片60が離間する。この際の第2の可動片60の移動方向は、切断線S2の延長方向D3ではなく、延長方向D3に対して所定角度θ2だけずれた傾斜方向D4となっている。このため、第2の可動片60は、第1の可動片50に対して大きく離間し、遊技盤前面に広く展開した印象を与える。
しかも中間形態において第1の可動片50が移動する方向D2と、第2の可動片60の移動方向D4とは略90度ずれているため、変形動作における変化の方向性が多様となり、可動範囲が広くなり、この結果として変形時の意外性が高まり、遊技内容に多様な変化を与えることができる。
各分割片の表面に記載された文字等(或いは、各分割片自体の形状)は、分散形態においては各切断線によって分断されているため、連続した文字としては認識することができない。
第1の駆動機構90は、集合形態にある各分割片40、50、60から第1及び第2の可動片50、60を離間させたり、初期位置(集合形態)に復帰させるための手段であり、第2の駆動機構100は第1の可動片50から第2の可動片60を離間させたり初期位置に復帰させるための手段である。
第1の駆動機構90は、ベース本体70の裏面側に固定されたモータ91と、ベース本体の前面側に回転自在に軸支され、且つモータの出力軸に固定された駆動ギヤ92と、ベース本体の前面側に回転自在に軸支され、且つ駆動ギヤ92により回転駆動される従動ギヤ93と、第1の可動ベース部材80に固定されてベース本体70へ向けて突出し且つ従動ギヤ93と噛合するラックギヤ95aを備えたラックギヤ部材95と、ベース本体70の前面に固定されてラックギヤ部材95を所定の直線軌道(傾斜方向D2)に沿ってガイドするガイド部材96と、を備える。
モータ91の正逆転駆動により従動ギヤ93が正転、逆転することにより、ラックギヤ部材95(第1の可動ベース部材80)がガイド部材96に沿って傾斜方向D2へ進退する。
ベース本体70のガイド部材96の上端部に近い部位にはフォトインタラプタ97が配置され、フォトインタラプタ97は、図9(a)、図12(a)に示したようにラックギヤ部材95が初期位置にあることを検知する。
前カバー71にはラックギヤ部材95の移動経路と対応する位置にスリット71aが貫通形成されており、このスリット71内にラックギヤ95から突出したピンを移動自在に遊嵌することにより、ラックギヤ部材を安定してガイドするようにしている。
第2の駆動機構100は、第1の可動ベース部材80の背面側に固定されたモータ101と、第1の可動ベース部材80の内部(前ケース片81と中間ケース片82との間)において回転自在に軸支されてモータの出力軸に一体化された駆動ギヤ102と、駆動ギヤ102と隣接配置されてこれと噛合した状態で回転自在に軸支された従動ギヤ103と、中間ケース片82の前面に設けた軸支部82aによって一端に設けた回動軸(或いは軸穴)105aを回動自在に軸支された揺動片105と、第1の可動ベース部材80の内部に差し渡した二本の並行なガイド棒110に一端に設けた挿通穴111aを挿通されることによって傾斜方向D4へ進退自在にガイドされる第2の第2の可動ベース部材111と、を備える。第2の可動片60は第2の可動ベース部材111に固定される。
中間ケース片82には揺動片105の背面に設けたピンを遊嵌させることにより回動軸105aを中心とした揺動片の揺動をガイドする円弧状のスリット82bと、第2の可動ベース部材111の他のピンを遊嵌させることにより可動ベース部材の傾斜方向D4への直線移動をガイドする直線状のスリット82cが形成されている。スリット82bの近傍に設けた穴82dからはフォトインタラプタ85の一部が前方へ突出しており、揺動片105に設けた被検知部を検知する。フォトリンタラプタは揺動片の位置を検知することにより、制御手段が第2の可動片60の位置を把握する。
モータ101が従動ギヤ103を図8の時計回り方向へ回転させることにより、ピン103aが第1の長穴105b内を右方向へ移動して回動軸105aを中心として揺動片105を時計回り方向へ揺動させるため、第2の長穴105c内にピン111bを遊嵌させた第2の可動ベース部材111はガイド棒110に沿って傾斜方向D4(下向き)へ移動する。
可動役物30が、図9(a)、図12(a)に示した集合形態(初期状態)から図11(e)、図14(e)に示した分散形態に変形する手順、及び各駆動機構の動作を説明する。
まず、初期状態では、図示のように第1の駆動機構90を構成する従動ギヤ93がラックギヤ部材95を初期位置に保持しているため、第1の可動ベース部材80が斜め下向きに突出していない非突出位置にあり、固定片40に対する各可動片50、60の位置関係は、図4(a)、図5(a)に示した状態にある。この時、第2の駆動機構100では、従動ギヤ103のピン103aが上方に位置していることによって揺動片105を最上昇位置に保持しているため、揺動片105の先端側の第2の長穴105c内に遊嵌したピン111bを介して第2の可動ベース部材111も最上昇位置に保持されている。
この状態では、図4(a)、図5(a)のように「abc」の文字は連続した視認可能な状態にある。
第2の駆動機構100を作動させるために制御手段は、図10(c)の状態に移行してからモータ101を駆動して従動ギヤ103を図10(c)の時計回り方向(図13(c)の反時計回り方向)へ回転させる。すると、従動ギヤのピン103aが第1の長穴105b内を右方向へ移動することにより、揺動片105が回動軸105aを中心として下向き(図10(c)の時計回り方向)に揺動し、先端の第2の長穴105cにピン111bを遊嵌させた第2の可動ベース部材111をガイド棒110に沿って傾斜方向D4へ下降させる。第2の駆動機構100の作動によって第2の可動片60は図10(d)(図13(d))の状態を経て図11(e)(図14(e))の分散形態に移行する。この時点でフォトインタラプタ85が揺動片105に設けた被検知部を検知することにより、制御手段は装飾体が分散形態に移行したことを判定し、モータ101を停止させる。
次いで制御手段はモータ91を逆転駆動し、従動ギヤ93を図10(c)の反時計回り方向(図13(c)の時計回り方向)へ回転させることにより、ラックギヤ部材95及び第1の可動ベース部材80を斜め上向き(傾斜方向D2)に上昇開始させる。ラックギヤ部材95が図9(a)、図12(a)の最上昇位置に達した時点で、制御手段はフォトインタラプタ97からの検知信号を受けてモータ91を停止させる。
このため、集合形態においてはコンパクトでありながら、分散形態においては遊技盤面上に可動片を大きく展開させることが可能となり、変形動作における変化の方向性を多様化し、遊技中の演出内容に変化を与えて多様化することが可能となる。
このように本発明によれば、各可動片の進退方向を工夫することによって可動役物の全体形状に大きな変化を与え、演出効果を高めることができる。
また、第1の可動片を固定片により支持された第1の可動ベース部材により支持し、第2の可動片を第1の可動ベース部材に支持された第2の可動ベース部材により支持したため、部品点数を減少させて構成をコンパクト化することができる。従って、配置スペースに制限がある遊技盤面内にコンパクトに配置することができる。
また、第1の可動片を駆動する第1の駆動機構と、第2の可動片を駆動する第2の駆動機構を、夫々ベース本体、第1の可動ベース部材により夫々支持したので、部品点数を減少させて構成をコンパクト化することができる。従って、配置スペースに制限がある遊技盤面内にコンパクトに配置することができる。
なお、パチンコ遊技機の他の詳細な構成については図示説明していないが、本願発明の技術的範囲中にパチンコ遊技機、及び遊技盤が含まれることに疑いがない。
Claims (1)
- 遊技盤面上を進退自在に支持された可動役物を備えた遊技機であって、
前記可動役物は、複数個の分割片が集合した集合形態と、前記各分割片が離間した分散形態との間を変形、原形復帰自在に構成された装飾体を備え、
前記装飾体は、所定の複数の切断線に沿って分割された複数の分割片から成り、
前記複数の分割片は、固定された固定片と、該固定片に隣接配置され該固定片と近接した近接位置と該近接位置から離間した離間位置との間を進退する第1の可動片と、該第1の可動片と隣接配置され該第1の可動片と近接した近接位置と該近接位置から離間した離間位置との間を進退する第2の可動片と、を少なくとも備え、
前記第1の可動片、及び前記第2の可動片が一体となって前記固定片から離間する方向へ移動した後で、前記第2可動片が前記第1可動片から離間する方向へ移動することを特徴とする遊技機。
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