JP5888270B2 - 車両の上部車体構造 - Google Patents

車両の上部車体構造 Download PDF

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Description

この発明は、ルーフパネルと、該ルーフパネルの後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダと、該リヤヘッダ前方で上記ルーフパネルに固定されたアンテナ部材と、を備えたような車両の上部車体構造に関する。
従来、車両の上部車体構造としては、図9に示す構造が知られている。
すなわち、車室を上方から覆うルーフパネル91を設け、このルーフパネル91の後部には雨樋部92を一体形成し、該雨樋部92は、ルーフパネル91の後部91aから車両下方に延びる縦面部92aと、該縦面部92aの下端から後方に向けて略水平に延び、図示しないリフトゲート用のヒンジブラケットを取付ける取付け面部92bと、この取付け面部92bの後端から下方に延びる段下げ部92cと、段下げ部92cの下端から後方に向けて略水平に延び、後部開口部の上縁に相当する略水平部92dと、この略水平部92dの後端から上方に立上るウエザストリップ嵌着用(シール部材嵌着用)の立上り部92eと、を備えている。
また、上述のルーフパネル91の下面と、略水平部92dとの間には、車幅方向に延びるリヤヘッダ93を接合固定し、このリヤヘッダ93を含んでルーフパネル91の車室側にはトップシーリング94を取付けている。ここで、リヤヘッダ93の前部は接着剤を用いて、ルーフパネル91の下面に接着されており、リヤヘッダ93の後部は上記略水平部92dにスポット溶接にて接合固定されている。
アンテナ部材95は本来、ルーフパネル91の前部に取付けられるが、図9に示すように、該アンテナ部材95をルーフパネル91の後部に位置変更して取付ける場合には、アンテナ固定部95aとリヤヘッダ93の前部とがオーバラップする関係上、充分なアンテナ取付け作業スペースが確保できなかった。
一方、特許文献1に開示されているように、アンテナ部材をルーフパネルの後部に取付ける場合、ルーフパネルの下面に車幅方向に延在するルーフスティフナのような板状部材を設け、アンテナ取付け面の剛性向上を図って、ルーフパネル後部へのアンテナ部材の取付けを可能と成した構造があるが、上記ルーフスティフナ(板状部材)は車幅方向の略全幅にわたって延びる部材である関係上、車体重量が増加する問題点があった。
そこで、車両軽量化の観点から、図9で示す従来構造のリヤヘッダに比較して、その車両前後方向の長さを短くし、該リヤヘッダをルーフパネル下面ではなく、ルーフパネル後端の縦面部92a(図9参照)に接合し、ルーフパネルの後部上面にアンテナ部材を取付けることが考えられるが、この場合には、ルーフパネル上面に取付けられるアンテナ部材の取付部位周辺のルーフパネル剛性が低下し、車両走行時の走行風やルーフパネルのワックスがけ時の負荷あるいは積雪重量等によりアンテナ部材のアンテナ本体部が不所望に揺動するという問題点があった。
特開2012−131338号公報
この発明は、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性、特にルーフパネルの上下方向の剛性を高めることができ、車両の軽量化を図りつつ、アンテナ部材の取付け作業スペースを確保することができる車両の上部車体構造の提供を目的とする。
この発明による車両の上部車体構造は、ルーフパネルと、該ルーフパネルの後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダと、上記リヤヘッダ前方で上記ルーフパネルに固定されたアンテナ部材と、を備えた車両の上部車体構造であって、上記ルーフパネルが、その後部に車両下方に延びる縦面部を有し、該縦面部の前側に上記リヤヘッダの前部が接合されており、上記リヤヘッダの前部と上記ルーフパネル下面とに接合された補強部材を備え、上記補強部材が、上記アンテナ部材の後方に設けられており、上記補強部材が、車両正面視でルーフパネル下面側に開口した断面略ハット形状であり、上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部が上記ルーフパネル下面に車両前後方向に接合されることにより、車両正面視で上記ルーフパネル下面と上記補強部材とで閉断面部が形成されたものである。
上記構成によれば、車両正面視で断面略ハット形状の補強部材と、ルーフパネル下面とで閉断面部を形成したので、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性、特に、ルーフパネルの上下方向の剛性を高めることができる。
また、補強部材は、リヤヘッダの前部とルーフパネル下面とに接合され、アンテナ部材の後方に局部的に設けられており、車幅方向の略全幅にわたって設けられるものではなく、さらに、リヤヘッダの前端はルーフパネル後部の縦面部に接合され、その車両前後方向の長さが短いものであるから、車両の軽量化を図ることができる。
加えて、補強部材は、アンテナ部材の後方に設けられているので、アンテナ部材の取付け作業スペースを確保することができる。
要するに、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性の向上と、車両の軽量化と、アンテナ部材の取付け作業スペースの確保と、を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部と、上記ルーフパネル下面との接合部が車両前後方向に延びるように形成されたものである。
上記構成によれば、上記接合部が車両前後方向に延びるので、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性、特に、ルーフパネルの上下方向の剛性をさらに高めることができる。
この発明の一実施態様においては、上記補強部材の断面略ハット形状の底面部が、車両前方側ほど上記ルーフパネル側に傾斜するよう形成されており、該傾斜した底面部に上記アンテナ部材用のハーネスが取付けられたものである。
上記構成によれば、補強部材の底面部にアンテナ部材用のハーネスを取付けたので、該ハーネスが不要な方向へ折曲げられることがないので、ハーネス取付け時の取り回しが容易となる。
この発明の一実施態様においては、上記アンテナ部材が、アンテナ本体部と、該アンテナ本体部を上記ルーフパネル上面に固定するアンテナ固定部と、を有し、車両平面視で上記アンテナ固定部の後端が、上記補強部材の前端近傍となるよう形成されたものである。
上記構成によれば、最も応力が集中するアンテナ固定部の後端近傍に、上記閉断面部が位置するので、応力集中時の耐力の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記アンテナ固定部の車幅方向の幅よりも、上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部により形成された両側のルーフパネル接合部間の幅が、広く設定されたものである。
上記構成によれば、アンテナ固定部の車幅方向の幅よりも、上記ルーフパネル接合部間の幅(いわゆるスパン)が広いので、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性をより一層高めることができる。
この発明によれば、上記ルーフパネルが、その後部に車両下方に延びる縦面部を有し、該縦面部の前側に上記リヤヘッダの前部が接合されており、上記リヤヘッダの前部と上記ルーフパネル下面とに接合された補強部材を備え、上記補強部材が、上記アンテナ部材の後方に設けられており、上記補強部材が、車両正面視でルーフパネル下面側に開口した断面略ハット形状であり、ハット形状の両側のフランジ部が上記ルーフパネル下面に車両前後方向に接合されることにより、車両正面視でルーフパネル下面と補強部材とで閉断面部が形成されたものであるから、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性(特に、ルーフパネルの上下方向の剛性)向上と、車両の軽量化と、アンテナ部材の取付け作業スペースの確保と、を達成することができる。
本発明の車両の上部車体構造を備えた車両の側面図 車両の上部車体構造を示す側面図 車両の上部車体構造を示す正面図 ハーネスを省略した状態の上部車体構造の斜視図 ハーネスを取付けた状態の上部車体構造の斜視図 車両の上部車体構造を示す底面図 補強部材の斜視図 (a)は補強部材の側面図、(b)は補強部材の平面図 従来の車両の上部車体構造を示す側面図
ルーフパネル剛性の向上と、車両の軽量化と、アンテナ部材の取付け作業スペースの確保と、を達成するという目的を、ルーフパネルと、該ルーフパネルの後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダと、上記リヤヘッダ前方で上記ルーフパネルに固定されたアンテナ部材と、を備えた車両の上部車体構造において、上記ルーフパネルが、その後部に車両下方に延びる縦面部を有し、該縦面部の前側に上記リヤヘッダの前部が接合されており、上記リヤヘッダの前部と上記ルーフパネル下面とに接合された補強部材を備え、上記補強部材が、上記アンテナ部材の後方に設けられており、上記補強部材が、車両正面視でルーフパネル下面側に開口した断面略ハット形状であり、上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部が上記ルーフパネル下面に車両前後方向に接合されることにより、車両正面視で上記ルーフパネル下面と上記補強部材とで閉断面部を形成するという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、車両の上部車体構造を示すが、まず、図1を参照して車体構造を概略的に説明する。
車体前部において上下方向に延びる閉断面構造のヒンジピラー1と、上部において後方に向けて斜め上方に延びる閉断面構造のフロントピラー2と、上部において車両前後方向に延びる閉断面構造のルーフサイドレール3と、前後方向中間部において上下方向に延びる閉断面構造のセンタピラー4と、下部において車両前後方向に延びる閉断面構造のサイドシル5と、で囲繞されたフロントドア開口6を形成している。
また、上述のセンタピラー4と、ルーフサイドレール3と、サイドシル5と、後部において上下方向に延びる閉断面構造のリヤピラー7と、で囲繞されたリヤドア開口8を形成している。
さらに、車室の上方をルーフパネル9で覆う一方、車室に連通する後部開口部をリフトゲート10で開閉可能に覆っている。
上述のフロントドア開口6には、フロントドア(図示せず)が開閉可能に取付けられ、リヤドア開口8には、リヤドア(図示せず)が開閉可能に取付けられ、ルーフパネル9の後部上面部には、無線信号を送受信するアンテナ本体部11とアンテナ固定部12とを備えたアンテナ部材としてのルーフアンテナ13(詳しくは、ルーフトップアンテナ)が取付けられている。
ここに、上述のアンテナ固定部12はアンテナ本体部11をルーフパネル9の上面に固定するものである。
図2は車両の上部車体構造を示す側面図、図3は同正面図、図4はハーネスを省略した状態で示す上部車体構造の斜視図、図5はハーネスを取付けた状態で示す上部車体構造の斜視図、図6は上部車体構造を示す底面図である。なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印Rは車両の後方を示し、矢印UPは車両の上方を示す。
図2において、ルーフパネル9の後部には雨樋部14を一体形成している。
この雨樋部14は、ルーフパネル9の後部9aから車両下方に延びる縦面部14aと、該縦面部14aの下端から後方に向けて略水平に延び、図1で示したリフトゲート10用のヒンジブラケットを取付ける取付け面部14bと、この取付け面部14bと、この取付け面部14bの後端から下方に延びる段下げ部14cの下端から後方に向けて略水平に延び、後部開口部の上縁に相当する略水平部14dと、この略水平部14dの後端から上方に立上るウエザストリップ嵌着用(シール部材嵌着用)の立上り部14eと、を備えている。
また、図2に示すように、ルーフパネル9の後方において上述の縦面部14aと略水平部14dとの間には、車幅方向に延びるリヤヘッダ15をスポット溶接手段等の接合手段にて取付け、ルーフパネル9後方とリヤヘッダ15との間には、車幅方向に延びるヘッダ閉断面16を形成している。
このリヤヘッダ15は図2に示すように、前側に位置して上下方向に延びる前面部15aと、後側に位置して前後方向に延びる後面部15bと、をスラント部15cを介して車両側面視で略L字状に形成したものであって、上記縦面部14aの前部にリヤヘッダ15の前面部15aを接合し、上記略水平部14dの下部にリヤヘッダ15の後面部15bを接合したものである。
ここで、上記両者14a,15aおよび14b,15bの接合には、何れもスポット溶接手段を用いることができるので、従来のリヤヘッダのようにその前部を接着剤を用いてルーフパネルに接着する構造と比較して、ルーフパネル9の後部剛性を確実かつ格段に向上させることができ、車体上側の後部車体剛性の大幅な向上を図っている。
しかも、図2,図3に示すように、ルーフアンテナ13の取付け位置と対応して、車幅方向の略中央部におけるリヤヘッダ15の前面部15aの前部とルーフパネル9下面との間には単一の補強部材17を接合固定している。
図7は補強部材17の斜視図、図8の(a)は補強部材17の側面図、図8の(b)は補強部材17の平面図である。
図2〜図8に示すように、この補強部材17は、車両正面視でルーフパネル9下面側に開口(車両上方側へ開口)した断面略ハット形状に形成されており、上述のアンテナ部材としてのルーフアンテナ13の後方に設けられている。
上述の補強部材17は、図7,図8に示すように、底面部17Aと、この底面部17Aの左右両端から上方に延びる側面部17B,17Bと、各側面部17B,17Bの上端から車幅方向外方へ一体に折曲げ形成されたフランジ部17C,17Cと、上記底面部17Aおよび側面部17B,17Bの後端からハット形状の外側へ向けて一体に折曲げ形成されたリヤフランジ部17Dと、を剛板にて一体形成したものである。
そして、図2〜図6に示すように、補強部材17のリヤフランジ部17Dを、リヤヘッダ15の前面部15aにスポット溶接手段にて接合固定している。この実施例では、リヤフランジ部17Dと、リヤヘッダ15の前面部15aと縦面部14aとの3枚を重ね合せて、スポット溶接することで、補強部材17の支持剛性向上を図っている。
また、図2,図3に示すように、補強部材17のハット形状の両側のフランジ部17C,17Cは、接着剤18,18を用いて、ルーフパネル9の下面に車両前後方向に延びるよう接合固定しており、これにより、図3に示すように、車両正面視でルーフパネル9下面と補強部材17とで閉断面部20を形成している。
上述のルーフアンテナ13は、リヤヘッダ15の前方でルーフパネル9に固定されており、詳しくは、車両平面視でアンテナ固定部12の後端が、補強部材17の前端近傍となるように配置されている。
換言すれば、図2に示すように、アンテナ固定部12の後端と、補強部材17の前端と、の間にはクリアランスが設けられており、これにより、ルーフアンテナ13の取付け作業スペースの確保を図ると共に、補強部材17の前端をアンテナ固定部12の後端に対して近接させることで、最も応力が集中するアンテナ固定部12の後端近傍に、上記閉断面部20を位置させて、応力集中時の耐力向上を図るように構成している。
要するに、上述の閉断面部20の形成により、ルーフアンテナ13後方のルーフパネル剛性、特に、ルーフパネル9の上下方向の剛性を高めるように構成したものである。
また、上述の補強部材17は、そのリヤフランジ部17Dがリヤヘッダ15の前面部15aにスポット溶接固定された実質的に片持ち構造であるが、図2〜図5に示すように、該補強部材17は側面視でトライアングル構造に形成されており、ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cをルーフパネル9下面に接着固定することで、上記トライアングル構造によりルーフパネル9の剛性を効果的に高めるように構成している。
さらに、上記ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cとルーフパネル9下面との接合部(接着剤18参照)が車両前後方向に延びることで、ルーフアンテナ13に外力が作用した時のルーフパネル9の耐力向上を図るように構成している。つまり、上述の接合部(接着剤18参照)が車両前後方向に延びることにより、ルーフアンテナ13後方のルーフパネル剛性、特に、ルーフパネル9の上下方向の剛性をさらに高めるように構成したものである。
また、図7に示すように、補強部材17の底面部17Aはフラット形状(平坦な面形状)に形成されており、図2に示す如く該底面部17Aが車両前方側ほどルーフパネル9側に傾斜するように形成されている。つまり、補強部材17の底面部17Aは前高後低状のスラント形状に形成されている。
そして、図5に示すように、ルーフアンテナ13のアンテナ固定部12からルーフパネル9下方へ突出するアンテナ部12aには、アンテナ部材用のハーネス21(つまり、アンテナハーネス)が設けられており、このハーネス21は合成樹脂製のハーネスクリップ22を用いて、上記底面部17Aに取付けられている。
図5,図6に示すように、上述のハーネスクリップ22による取付け位置よりも、さらに車室側に延びるハーネス21の他部は、合成樹脂製の別のハーネスクリップ23,24を用いて、リヤヘッダ15のスラント部15cに支持されており、ハーネス21が不要な方向へ折曲げられたり、垂れ下がったりすることを防止すべく構成している。
図6に示すように、ルーフアンテナ13におけるアンテナ固定部12の車幅方向の幅L1よりも、補強部材17におけるハット形状の両側のフランジ部17C,17Cにより形成された両側のルーフパネル接合部間(つまり、接着剤18,18間)の幅L2(いわゆるスパン)が広く設定されている。すなわち、L1<L2の関係式が成立するように構成されている。これにより、ルーフアンテナ13後方のルーフパネル剛性をより一層高めるように構成したものである。
図4,図5に示すように、上述の補強部材17はルーフアンテナ13と対応して車幅方向の略中央部一箇所に局部的に設けられており、リヤヘッダ15の左右両側(車幅方向の左右両側)には、該リヤヘッダ15とサイドパネルとを接合する左右のヒンジレイン25,25が設けられている。
これらの各ヒンジレイン25,25の上部は、図示しない接着剤を用いて、ルーフパネル9の下面に接合固定されており、車幅方向略中央に位置する単一の補強部材17と、車幅方向の左右両側に位置するヒンジレイン25,25との両者により、アンテナ固定部12後方のルーフパネル剛性を、さらに高めるように構成している。
なお、図2において、26はトップシーリングであり、上述の補強部材17はルーフパネル9とトップシーリング26とリヤヘッダ15との三者で形成されるデッドスペースに配設されたものである。また、図4において、27はアンテナ固定部12よりも前方において、ルーフパネル9の下面に沿って設けられ左右のルーフサイドレール3,3間を車幅方向に連結するルーフレインフォースメントであり、このルーフレインフォースメント27は図示しない接着剤を用いて、ルーフパネル9の下面に接着固定されている。
このように、上記実施例の車両の上部車体構造は、ルーフパネル9と、該ルーフパネル9の後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダ15と、上記リヤヘッダ15前方で上記ルーフパネル9に固定されたアンテナ部材(ルーフアンテナ13参照)と、を備えた車両の上部車体構造であって、上記ルーフパネル9が、その後部に車両下方に延びる縦面部14aを有し、該縦面部14aの前側に上記リヤヘッダ15の前部が接合されており、上記リヤヘッダ15の前部と上記ルーフパネル9下面とに接合された補強部材17を備え、上記補強部材17が、上記アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の後方に設けられており、上記補強部材17が、車両正面視でルーフパネル9下面側に開口した断面略ハット形状であり、上記補強部材17の断面略ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cが上記ルーフパネル9下面に車両前後方向に接合されることにより、車両正面視で上記ルーフパネル9下面と上記補強部材17とで閉断面部20が形成されたものである(図2,図3参照)。
この構成によれば、車両正面視で断面略ハット形状の補強部材17と、ルーフパネル9下面とで閉断面部20を形成したので、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)後方のルーフパネル9の剛性、特に、ルーフパネル9の上下方向の剛性を高めることができる。
また、補強部材17は、リヤヘッダ15の前部とルーフパネル9下面とに接合され、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の後方に局部的に設けられており、車幅方向の略全幅にわたって設けられるものではなく、さらに、リヤヘッダ15の前端はルーフパネル9後部の縦面部14aに接合され、その車両前後方向の長さが、図9で示した従来構造のそれと比較して、短いものであるから、車両の軽量化を図ることができる。
加えて、補強部材17は、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の後方に設けられているので、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の取付け作業スペースを確保することができる。
要するに、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)後方のルーフパネル9の剛性の向上と、車両の軽量化と、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の取付け作業スペースの確保と、を達成することができる。
また、上記補強部材17の断面略ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cと、上記ルーフパネル9下面との接合部(接着剤18,18参照)が車両前後方向に延びるように形成されたものである(図2,図4参照)。
この構成によれば、上記接合部が車両前後方向に延びるので、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)後方のルーフパネル9の剛性、特に、ルーフパネル9の上下方向の剛性をさらに高めることができる。
さらに、上記補強部材17の断面略ハット形状の底面部17Aが、車両前方側ほど上記ルーフパネル9側に傾斜するよう形成されており、該傾斜した底面部17Aに上記アンテナ部材用のハーネス21が取付けられたものである(図5参照)。
この構成によれば、補強部材17の底面部17Aにアンテナ部材用のハーネス21を取付けたので、該ハーネス21が不要な方向へ折曲げられることがないので、ハーネス21取付け時の取り回しが容易となる。
さらにまた、上記アンテナ部材(ルーフアンテナ13)が、アンテナ本体部11と、該アンテナ本体部11を上記ルーフパネル9上面に固定するアンテナ固定部12と、を有し、車両平面視で上記アンテナ固定部12の後端が、上記補強部材17の前端近傍となるよう形成されたものである(図2,図6参照)。
この構成によれば、最も応力が集中するアンテナ固定部12の後端近傍に、上記閉断面部20が位置するので、応力集中時の耐力の向上を図ることができる。
加えて、上記アンテナ固定部12の車幅方向の幅L1よりも、上記補強部材17の断面略ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cにより形成された両側のルーフパネル接合部間(接着剤18,18間)の幅L2が、広く設定されたものである(図3,図6参照)。
この構成によれば、アンテナ固定部12の車幅方向の幅L1よりも、上記ルーフパネル接合部間の幅(いわゆるスパン)L2が広いので、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)後方のルーフパネル9の剛性をより一層高めることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のアンテナ部材は、実施例のルーフアンテナ13に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、ルーフパネルと、該ルーフパネルの後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダと、該リヤヘッダ前方で上記ルーフパネルに固定されたアンテナ部材と、を備えたような車両の上部車体構造について有用である。
9…ルーフパネル
11…アンテナ本体部
12…アンテナ固定部
13…ルーフアンテナ(アンテナ部材)
14a…縦面部
15…リヤヘッダ
17…補強部材
17A…底面部
17C…フランジ部
20…閉断面部
21…ハーネス

Claims (5)

  1. ルーフパネルと、
    該ルーフパネルの後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダと、
    上記リヤヘッダ前方で上記ルーフパネルに固定されたアンテナ部材と、を備えた車両の上部車体構造であって、
    上記ルーフパネルが、その後部に車両下方に延びる縦面部を有し、
    該縦面部の前側に上記リヤヘッダの前部が接合されており、
    上記リヤヘッダの前部と上記ルーフパネル下面とに接合された補強部材を備え、
    上記補強部材が、上記アンテナ部材の後方に設けられており、
    上記補強部材が、車両正面視でルーフパネル下面側に開口した断面略ハット形状であり、
    上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部が上記ルーフパネル下面に車両前後方向に接合されることにより、車両正面視で上記ルーフパネル下面と上記補強部材とで閉断面部が形成された
    車両の上部車体構造。
  2. 上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部と、上記ルーフパネル下面との接合部が車両前後方向に延びるように形成された
    請求項1記載の車両の上部車体構造。
  3. 上記補強部材の断面略ハット形状の底面部が、車両前方側ほど上記ルーフパネル側に傾斜するよう形成されており、
    該傾斜した底面部に上記アンテナ部材用のハーネスが取付けられた
    請求項1または2記載の車両の上部車体構造。
  4. 上記アンテナ部材が、アンテナ本体部と、該アンテナ本体部を上記ルーフパネル上面に固定するアンテナ固定部と、を有し、
    車両平面視で上記アンテナ固定部の後端が、上記補強部材の前端近傍となるよう形成された
    請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の上部車体構造。
  5. 上記アンテナ固定部の車幅方向の幅よりも、上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部により形成された両側のルーフパネル接合部間の幅が、広く設定された
    請求項4記載の車両の上部車体構造。
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