JP5888270B2 - 車両の上部車体構造 - Google Patents
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Description
すなわち、車室を上方から覆うルーフパネル91を設け、このルーフパネル91の後部には雨樋部92を一体形成し、該雨樋部92は、ルーフパネル91の後部91aから車両下方に延びる縦面部92aと、該縦面部92aの下端から後方に向けて略水平に延び、図示しないリフトゲート用のヒンジブラケットを取付ける取付け面部92bと、この取付け面部92bの後端から下方に延びる段下げ部92cと、段下げ部92cの下端から後方に向けて略水平に延び、後部開口部の上縁に相当する略水平部92dと、この略水平部92dの後端から上方に立上るウエザストリップ嵌着用(シール部材嵌着用)の立上り部92eと、を備えている。
アンテナ部材95は本来、ルーフパネル91の前部に取付けられるが、図9に示すように、該アンテナ部材95をルーフパネル91の後部に位置変更して取付ける場合には、アンテナ固定部95aとリヤヘッダ93の前部とがオーバラップする関係上、充分なアンテナ取付け作業スペースが確保できなかった。
また、補強部材は、リヤヘッダの前部とルーフパネル下面とに接合され、アンテナ部材の後方に局部的に設けられており、車幅方向の略全幅にわたって設けられるものではなく、さらに、リヤヘッダの前端はルーフパネル後部の縦面部に接合され、その車両前後方向の長さが短いものであるから、車両の軽量化を図ることができる。
加えて、補強部材は、アンテナ部材の後方に設けられているので、アンテナ部材の取付け作業スペースを確保することができる。
要するに、アンテナ部材後方のルーフパネル剛性の向上と、車両の軽量化と、アンテナ部材の取付け作業スペースの確保と、を達成することができる。
図面は、車両の上部車体構造を示すが、まず、図1を参照して車体構造を概略的に説明する。
車体前部において上下方向に延びる閉断面構造のヒンジピラー1と、上部において後方に向けて斜め上方に延びる閉断面構造のフロントピラー2と、上部において車両前後方向に延びる閉断面構造のルーフサイドレール3と、前後方向中間部において上下方向に延びる閉断面構造のセンタピラー4と、下部において車両前後方向に延びる閉断面構造のサイドシル5と、で囲繞されたフロントドア開口6を形成している。
さらに、車室の上方をルーフパネル9で覆う一方、車室に連通する後部開口部をリフトゲート10で開閉可能に覆っている。
上述のフロントドア開口6には、フロントドア(図示せず)が開閉可能に取付けられ、リヤドア開口8には、リヤドア(図示せず)が開閉可能に取付けられ、ルーフパネル9の後部上面部には、無線信号を送受信するアンテナ本体部11とアンテナ固定部12とを備えたアンテナ部材としてのルーフアンテナ13(詳しくは、ルーフトップアンテナ)が取付けられている。
ここに、上述のアンテナ固定部12はアンテナ本体部11をルーフパネル9の上面に固定するものである。
この雨樋部14は、ルーフパネル9の後部9aから車両下方に延びる縦面部14aと、該縦面部14aの下端から後方に向けて略水平に延び、図1で示したリフトゲート10用のヒンジブラケットを取付ける取付け面部14bと、この取付け面部14bと、この取付け面部14bの後端から下方に延びる段下げ部14cの下端から後方に向けて略水平に延び、後部開口部の上縁に相当する略水平部14dと、この略水平部14dの後端から上方に立上るウエザストリップ嵌着用(シール部材嵌着用)の立上り部14eと、を備えている。
ここで、上記両者14a,15aおよび14b,15bの接合には、何れもスポット溶接手段を用いることができるので、従来のリヤヘッダのようにその前部を接着剤を用いてルーフパネルに接着する構造と比較して、ルーフパネル9の後部剛性を確実かつ格段に向上させることができ、車体上側の後部車体剛性の大幅な向上を図っている。
図7は補強部材17の斜視図、図8の(a)は補強部材17の側面図、図8の(b)は補強部材17の平面図である。
上述の補強部材17は、図7,図8に示すように、底面部17Aと、この底面部17Aの左右両端から上方に延びる側面部17B,17Bと、各側面部17B,17Bの上端から車幅方向外方へ一体に折曲げ形成されたフランジ部17C,17Cと、上記底面部17Aおよび側面部17B,17Bの後端からハット形状の外側へ向けて一体に折曲げ形成されたリヤフランジ部17Dと、を剛板にて一体形成したものである。
上述のルーフアンテナ13は、リヤヘッダ15の前方でルーフパネル9に固定されており、詳しくは、車両平面視でアンテナ固定部12の後端が、補強部材17の前端近傍となるように配置されている。
要するに、上述の閉断面部20の形成により、ルーフアンテナ13後方のルーフパネル剛性、特に、ルーフパネル9の上下方向の剛性を高めるように構成したものである。
さらに、上記ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cとルーフパネル9下面との接合部(接着剤18参照)が車両前後方向に延びることで、ルーフアンテナ13に外力が作用した時のルーフパネル9の耐力向上を図るように構成している。つまり、上述の接合部(接着剤18参照)が車両前後方向に延びることにより、ルーフアンテナ13後方のルーフパネル剛性、特に、ルーフパネル9の上下方向の剛性をさらに高めるように構成したものである。
これらの各ヒンジレイン25,25の上部は、図示しない接着剤を用いて、ルーフパネル9の下面に接合固定されており、車幅方向略中央に位置する単一の補強部材17と、車幅方向の左右両側に位置するヒンジレイン25,25との両者により、アンテナ固定部12後方のルーフパネル剛性を、さらに高めるように構成している。
また、補強部材17は、リヤヘッダ15の前部とルーフパネル9下面とに接合され、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の後方に局部的に設けられており、車幅方向の略全幅にわたって設けられるものではなく、さらに、リヤヘッダ15の前端はルーフパネル9後部の縦面部14aに接合され、その車両前後方向の長さが、図9で示した従来構造のそれと比較して、短いものであるから、車両の軽量化を図ることができる。
加えて、補強部材17は、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の後方に設けられているので、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の取付け作業スペースを確保することができる。
要するに、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)後方のルーフパネル9の剛性の向上と、車両の軽量化と、アンテナ部材(ルーフアンテナ13)の取付け作業スペースの確保と、を達成することができる。
さらに、上記補強部材17の断面略ハット形状の底面部17Aが、車両前方側ほど上記ルーフパネル9側に傾斜するよう形成されており、該傾斜した底面部17Aに上記アンテナ部材用のハーネス21が取付けられたものである(図5参照)。
さらにまた、上記アンテナ部材(ルーフアンテナ13)が、アンテナ本体部11と、該アンテナ本体部11を上記ルーフパネル9上面に固定するアンテナ固定部12と、を有し、車両平面視で上記アンテナ固定部12の後端が、上記補強部材17の前端近傍となるよう形成されたものである(図2,図6参照)。
加えて、上記アンテナ固定部12の車幅方向の幅L1よりも、上記補強部材17の断面略ハット形状の両側のフランジ部17C,17Cにより形成された両側のルーフパネル接合部間(接着剤18,18間)の幅L2が、広く設定されたものである(図3,図6参照)。
この発明のアンテナ部材は、実施例のルーフアンテナ13に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
11…アンテナ本体部
12…アンテナ固定部
13…ルーフアンテナ(アンテナ部材)
14a…縦面部
15…リヤヘッダ
17…補強部材
17A…底面部
17C…フランジ部
20…閉断面部
21…ハーネス
Claims (5)
- ルーフパネルと、
該ルーフパネルの後方に車幅方向に接合されたリヤヘッダと、
上記リヤヘッダ前方で上記ルーフパネルに固定されたアンテナ部材と、を備えた車両の上部車体構造であって、
上記ルーフパネルが、その後部に車両下方に延びる縦面部を有し、
該縦面部の前側に上記リヤヘッダの前部が接合されており、
上記リヤヘッダの前部と上記ルーフパネル下面とに接合された補強部材を備え、
上記補強部材が、上記アンテナ部材の後方に設けられており、
上記補強部材が、車両正面視でルーフパネル下面側に開口した断面略ハット形状であり、
上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部が上記ルーフパネル下面に車両前後方向に接合されることにより、車両正面視で上記ルーフパネル下面と上記補強部材とで閉断面部が形成された
車両の上部車体構造。 - 上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部と、上記ルーフパネル下面との接合部が車両前後方向に延びるように形成された
請求項1記載の車両の上部車体構造。 - 上記補強部材の断面略ハット形状の底面部が、車両前方側ほど上記ルーフパネル側に傾斜するよう形成されており、
該傾斜した底面部に上記アンテナ部材用のハーネスが取付けられた
請求項1または2記載の車両の上部車体構造。 - 上記アンテナ部材が、アンテナ本体部と、該アンテナ本体部を上記ルーフパネル上面に固定するアンテナ固定部と、を有し、
車両平面視で上記アンテナ固定部の後端が、上記補強部材の前端近傍となるよう形成された
請求項1〜3の何れか1項に記載の車両の上部車体構造。 - 上記アンテナ固定部の車幅方向の幅よりも、上記補強部材の断面略ハット形状の両側のフランジ部により形成された両側のルーフパネル接合部間の幅が、広く設定された
請求項4記載の車両の上部車体構造。
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