本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1において、部品供給装置1は液晶パネル等の基板2に部品3を搭載する部品搭載手段を備えた部品搭載装置4に対してトレイ5に収納された部品3を供給するものであり、トレイ供給部6、トレイ移送部7、トレイ回収部8及びトレイ移載部9を含んで構成され、その全体が筐体10で覆われている(図2も併せて参照)。このトレイ供給部6、トレイ移送部7及びトレイ回収部8は筐体10内において一の方向(X方向)に並列した状態で基台11上に配設されている。部品供給装置1は部品搭載装置4にX方向と直交するY方向に付設していると共に、電気的に接続された状態となっている。以下、部品供給装置1を起点として部品搭載装置4が配設されているY方向側を「後方側」と称し、その逆側を「前方側」と称する。
次に、トレイ5について説明する。トレイ5には図示しない複数の凹部が格子状に形成されており、この凹部内に部品3が収納されている。また、トレイ5は矩形板状のパレット12に保持された状態で供給され、パレット12の4つのコーナ部には凸部12aが形成されている(図4参照)。凸部12aはその上面の高さが少なくともパレット12に保持された状態のトレイ5の上面の高さ以上となるよう設計されており、パレット12を段積みした場合、下段のパレット12の凸部12aが上段のパレット12の下面に当接する(図3参照)。
次に、図1、図3及び図4を参照してトレイ供給部6について説明する。トレイ供給部6は、部品搭載手段へ供給される部品3を収納したトレイ5をトレイ移載部9による取出位置まで供給するものであり、段積みされた複数のトレイ5が載置されるトレイ載置ステージ13を備えている。トレイ載置ステージ13の前方側の上面には取手14が設けられており、またトレイ載置ステージ13は図示しないスライド機構を備えたスライドテーブル15によってY方向にスライド自在に保持されている。
図1及び図4において、トレイ載置ステージ13のX方向を挟んだ両側外方の各位置には、垂直方向(Z方向)に延びた支柱16Aが一側につき複数本(ここでは2本)立設されている。また、トレイ載置ステージ13の後方側の外方の位置にもZ方向に延びた支柱16Bが複数本(ここでは2本)立設されている。作業員が取手14を把持してトレイ載置ステージ13をY方向にスライドさせる際、パレット12は支柱16AによってX方向への移動が規制されるとともに、支柱16Bによって後方側への移動が規制される。
図3において、スライドテーブル15の下面にはZ方向に延びたロッド17と、同じくZ方向に延びた板状部材18が結合している。ロッド17と板状部材18は、基台11の上板11aに形成された開口部11bを貫通した状態で昇降自在に配設されている。また、ロッド17には上板11aの下方に固定して設けられた駆動モータを有する第1駆動部19が装着されている。
第1駆動部19の駆動によってロッド17、トレイ載置ステージ13、スライドテーブル15及び板状部材18は昇降する。また、トレイ載置ステージ13を上昇させることによって、最上段のトレイ5をトレイ取出位置A1まで移動させることができる。このトレイ取出位置A1は、後述するトレイ移載部9に備えられた移載アーム41によって最上段のトレイ5を保持したパレット12が取り出される位置となっており、トレイ載置ステージ13自体をトレイ取出位置A1まで上昇させることもできる。また、トレイ載置ステージ13を基台11の直上近傍まで下降させた所定の位置は、作業員がトレイ5を補充するトレイ補充位置A2となっている。このように、ロッド17及び第1駆動部19は、段積みされた複数のトレイ5のうち最上段のトレイ5が取り出されるトレイ取出位置A1と、トレイ載置ステージ13にトレイ5を新たに補充するトレイ補充位置A2との間でトレイ載置ステージ13を昇降させるステージ昇降機構となっている。以下、トレイ載置ステージ13、スライドテーブル15及びロッド17を合わせたものを「供給側リフター20」と称する。
図3において、板状部材18には切欠き部18aが上下方向の一定の範囲に亘って形成されている。また、上板11aの下方であって板状部材18とY方向において同一直線上の位置には、第1の検出センサS1、第2の検出センサS2が上下方向に間隔L1を開けた状態で配設されている。ここでの検出センサの種類としては、所定位置において板状部材18の有無を検出可能なものであればよく、検査光軸がY方向に配設されて板状部材18の有無を検出する方式のものが挙げられる。さらに光学検出方式として遮光型、反射型のいずれであってもよく、検出センサの数も任意である。板状部材18が昇降する際、その本体部18bと切欠き部18aは第1の検出センサS1、第2の検出センサS2から発せられる検査光軸上を通過する。
図3において、トレイ取出位置A1をX方向に挟んだ両側外方の各位置には、第1の受光部U1、第1の発光部U2がそれぞれ設けられている。第1の受光部U1は第1の発光部U2からX方向に発せられる検査光軸上に配設されており、第1の受光部U1による受光の有無によってトレイ取出位置A1におけるトレイ5の有無を検出することができる。つまり、最上段のトレイ5がトレイ取出位置A1に供給された状態では、第1の発光部U2からの検査光は当該最上段のトレイ5によって遮断されて第1の受光部U1に入射しない。
次に、図3、図4及び図5を参照してトレイ移送部7について説明する。トレイ移送部7はトレイ供給部6から供給されたトレイ5を個別に所定の位置へ移送するものであって、第1のトレイ移送部21A、第2のトレイ移送部21B(図5(a)参照)を含んで構成される。
図5(a)において、第1のトレイ移送部21Aはトレイ5を保持したパレット12が載置される板状の第1テーブル22を備えている。この第1テーブル22の一側部には垂直方向に延びた起立部22aが形成されており、また起立部22aの下端部には水平方向に延出した水平部22bが形成されている。この第1テーブル22の高さは、その上面に載置されたパレット12の上面の高さが、トレイ取出位置A1に供給された最上段のトレイ5を保持したパレット12の上面の高さH1(図3参照)と一致するよう設定されている。
第1テーブル22の下方にはY方向に延びたレール溝23aを上面に有するガイドレール23が備えられており、レール溝23aには図示しないガイドブロックがY方向に移動自在に嵌合している。水平部22bの下面はこのガイドブロックと結合しており、ガイドレール23に備えられた駆動モータ24を駆動することによって、第1テーブル22は図4、図5(b)に示す第1の位置B1と、第1の位置B1から後方側に設定された第2の位置B2との間を水平移動する(図5(b)の矢印a)。このように、ガイドレール23及び駆動モータ24は、第1テーブル22をY方向に水平移動させる第1テーブル移動機構25(図6参照)となっている。
第2のトレイ移送部21Bはトレイ5を保持したパレット12が載置される板状の第2テーブル26を備えている。図3及び図5(c)において、第2テーブル26の下方にはシリンダ27が設けられており、その上方から突出したロッド27aが第2テーブル26の下面に結合している。シリンダ27の駆動によりロッド27aは上下に突没し、これにより第2テーブル26は第1の位置B1と、第1の位置B1から垂直下方に位置する第3の位置C1との間を昇降する(図5(c)の矢印b)。この第3の位置C1は、第2テーブル26にパレット12を介して載置されたトレイ5の上面の高さH2が第1テーブル22、起立部22a、水平部22bに囲まれた空間に位置するよう設定されている。第2テーブル26が下降したとき、第1テーブル22と第2テーブル26は上下方向に平行に配設された状態となる。このように、シリンダ27は、第1の位置B1及び第2の位置B2の高さ位置と、第1テーブル22の下方において水平方向に移動可能な高さ位置との間で第2テーブル26を昇降させる昇降機構(第2テーブル昇降機構28(図6参照))となっている。
図3において、シリンダ27には水平方向に延びたプレート部材29が結合されている。このプレート部材29の一側部の下方には前述したガイドレール23と同一構造のガイドレール30が備えられており、ガイドレール30の上面に形成されたレール溝30a(図4参照)に嵌合する図示しないガイドブロックにプレート部材29の下面が結合している。ガイドレール30に備えられた駆動モータ31を駆動することによって第2テーブル26はY方向に移動する。これにより、第2テーブル26は第3の位置C1と、第2の位置B2の垂直下方であって第3の位置C1と同一高さにある第4の位置C2との間を水平移動することができる(図5(c)の矢印c)。上記構成において、プレート部材29、ガイドレール30及び駆動モータ31は、第2テーブル26をY方向に水平移動させる第2テーブル移動機構32(図6参照)となっている。
したがって第2テーブル26の移動態様としては、図5(c)に示すように、第1の位置B1と第3の位置C1との間の移動(矢印b)、第3の位置C1と第4の位置C2との間の移動(矢印c)に加え、第4の位置C2と第2の位置B2との間の移動(矢印d)の6通りがある。
次に、図1、図3及び図4を参照してトレイ回収部8について説明する。トレイ回収部8は、部品搭載手段への部品3の供給によって空になったトレイ5(以下、「使用済みトレイ5A」と称する)を回収するものであって、検出センサの数を除いてトレイ供給部6とは構成上同一である。すなわち、トレイ回収部8は使用済みトレイが回収(載置)されるトレイ回収ステージ33を備えており、前方側の上面には取手34が設けられている。また、トレイ回収ステージ33は図示しないスライド機構を備えたスライドテーブル35によってY方向にスライド自在に保持されている。
図4において、トレイ回収部8には支柱16A,16Bと同様の支柱36A,36Bが立設されている。また図3において、スライドテーブル35の下面にはZ方向に延びたロッド37と板状部材38が固着しており、ロッド37には上板11aの下方に固定して設けられた駆動モータを有する第2駆動部39が装着されている。
第2駆動部39の駆動によってロッド37、トレイ回収ステージ33、スライドテーブル35及び板状部材38は昇降する。これにより、後述するトレイ移載部9を構成する移載アーム41によって使用済みトレイ5Aが移載される使用済みトレイ移載位置D1までトレイ回収ステージ33を上昇させることができる(図3参照)。また、トレイ回収ステージ33を基台11の直上近傍まで下降させた所定の位置は、作業員が部品供給装置1から使用済みトレイ5Aを取り出して回収するトレイ回収位置D2となっている。
上記構成において、ロッド37及び第2駆動部39は、使用済みトレイ5Aがトレイ回収ステージ33上に移載される使用済みトレイ移載位置D1と、トレイ回収ステージ33に回収された使用済みトレイ5Aを部品供給装置1から取り出すためのトレイ回収位置D2との間でトレイ回収ステージ33を昇降させるトレイ回収ステージ昇降機構となっている。以下、トレイ回収ステージ33、スライドテーブル35及びロッド37を合わせたものを「回収側リフター40」と称する。
図3において、板状部材38には切欠き部38aが上下方向の一定の範囲に亘って形成されている。また、上板11aの下方であって板状部材38とY方向において同一直線上の位置には、第3の検出センサS3、第4の検出センサS4、第5の検出センサS5が上下方向に一定の間隔L2、L3を開けた状態で配設されている。ここでの検出センサの種類や数も任意である。板状部材38が昇降する際、板状部材38の本体部38bと切欠き部38aは第3の検出センサS3、第4の検出センサS4、第5の検出センサS5から発せられる検査光軸上を通過する。
図3において、使用済みトレイ移載位置D1をX方向に挟んだ両側外方の各位置には、第2の受光部U3、第2の発光部U4がそれぞれ設けられている。第2の受光部U3は第2の発光部U4からX方向に発せられる検査光軸上に配設されており、第2の受光部U3による受光の有無によって、使用済みトレイ移載位置D1での使用済みトレイ5Aの有無を検出することができる。つまり、最上段の使用済みトレイ5Aが使用済みトレイ移載位置D1に位置した状態では、第2の発光部U4からの検査光は最上段の使用済みトレイ5Aによって遮断されて第2の受光部U3に入射しない。
次に、図1を参照してトレイ移載部9について説明する。トレイ移載部9はトレイ供給部6、トレイ移送部7、トレイ回収部8の間でトレイ5を保持したパレット12の取り出し及び移載を行うものであって、複数(ここでは4つ)の吸着ノズル41aを有する移載アーム41を備えている。移載アーム41に内蔵された吸着機構を駆動させることによって、パレット12の4つのコーナ部近傍を吸着ノズル41aで同時に吸着可能となっている。
移載アーム41の上面には図示しないシリンダのロッド42が結合しており、シリンダを駆動させることによってロッド42は上下に突没し、これにより移載アーム41はトレイ供給部6、トレイ移送部7、トレイ回収部8の上方で昇降可能となっている。なお、移載アーム41はトレイ取出位置A1、第1の位置B1、使用済みトレイ移載位置D1の高さまで下降することができる。さらに、移載アーム41は図示しないX軸移動機構によってトレイ供給部6からトレイ回収部8の間までのX方向の移動が可能となっており、吸着機構、シリンダ及びX軸移動機構はパレット移載機構43(図6参照)を構成している。
ここで、トレイ取出位置A1、第1の位置B1及び使用済みトレイ移載位置D1は平面視してX方向に並列して設定されている(図4参照)。したがって、一の水平方向(X方向)のみの移動によって移載アーム41を各位置の上方に移動させることができ、その結果、移動機構の簡易化と作業タクトの向上を図ることができる。
次に、図2を参照して筐体10について説明する。筐体10の前方側の面には窓44a、45aを有する供給側扉44、回収側扉45がそれぞれトレイ補充位置A2、トレイ回収位置D2に対応した位置に形成されている。トレイ5の補充作業は、作業員が供給側扉44を開け、トレイ補充位置A2まで下降したトレイ載置ステージ13を手前側(前方側)にスライドさせて部品供給装置1の外に引き出し、トレイ載置ステージ13上にパレット12を段積みすることによってなされる。また使用済みトレイ5Aの回収作業は、作業員が回収側扉45を開け、トレイ回収位置D2まで下降したトレイ回収ステージ33を手前側にスライドさせて部品供給装置1の外に引き出し、トレイ回収ステージ33上に段積みされたパレット12を取り出すことによってなされる。また、供給側扉44、回収側扉45の上方の位置には、供給側扉開閉要求スイッチ46、回収側扉開閉要求スイッチ47がそれぞれ設けられている。
また、部品供給装置1には供給側扉ロック機構48、回収側扉ロック機構49が備えられており(図6参照)、作業員に対する安全性の確保の観点から、通常、供給側扉44は供給側扉ロック機構48によってロックされ、回収側扉45は回収側扉ロック機構49によってロックされた状態となっている(ロック解除の詳細は後述する)。
次に、図1を参照して部品搭載装置4について説明する。部品搭載装置4は、バックアップ部50と、吸着ノズル51aを備えた部品搭載手段としての搭載ヘッド51を含んで構成されている。バックアップ部50は図示しない基板位置決め機構によって所定の作業位置に位置決めされた基板2を下方から支持する。搭載ヘッド51は、図示しないヘッド移動機構によって第2の位置B2の上方から位置決めされた基板2の上方までの間を移動することができるとともに、図示しないヘッド昇降機構によって昇降可能となっている。また、搭載ヘッド51に内蔵された吸着機構を駆動させることによって、吸着ノズル51aで部品3を吸着可能となっている。このように、搭載ヘッド51、ヘッド移動機構及びヘッド昇降機構は、部品搭載機構52(図6参照)を構成する。
次に、図6を参照して部品搭載装置4が備える制御部53の構成について説明する。制御部53は、部品搭載動作制御部54、部品残数監視部55、パレット移送動作制御部56、パレット移載動作制御部57、リフター状態監視部58、供給側リフター制御部59、回収側リフター制御部60、及び扉開閉制御部61を含んで構成されている。また制御部53は、第1駆動部19、第2駆動部39、第1〜第5の検出センサS1〜S5、第1の受光部U1、第2の受光部U3、第2テーブル昇降機構28、第1テーブル移動機構25、第2テーブル移動機構32、パレット移載機構43、部品搭載機構52、供給側扉開閉要求スイッチ46、回収側扉開閉要求スイッチ47、供給側扉ロック機構48、回収側扉ロック機構49及び報知部62と接続されている。
部品搭載動作制御部54は、部品搭載機構52を作動制御することによって、第2の位置B2に移動した第1テーブル22又は第2テーブル26上のトレイ5から部品3を吸着ノズル51aによって取り出し、所定の作業位置に位置決めされた基板2に搭載する搭載作業を実行する。すなわち、第2の位置B2は、トレイ供給部6から移載されたトレイ5に収納された部品3を部品搭載手段に供給する部品供給位置となっている。
部品残数監視部55は、第2の位置B2に供給されたトレイ5に収納された部品3の残数を監視する。具体的には、搭載ヘッド51によってトレイ5から部品3が取り出される都度、トレイ5に収納された部品3の数を減算することによって部品3の残数を監視する。
パレット移送動作制御部56は、第1テーブル移動機構25を作動制御することによって、第1テーブル22のY方向への移動を実行する。また、第2テーブル昇降機構28及び第2テーブル移動機構32を作動制御することによって第2テーブル26のY方向への移動及び昇降動作を実行する。
パレット移載動作制御部57は、パレット移載機構43を作動制御することによって、移載アーム41でトレイ取出位置A1にて最上段のトレイ5を保持したパレット12を取り出し、第1の位置B1に移動した第1テーブル22又は第2テーブル26に移載する。また、移載アーム41で第1の位置B1に移動した第1テーブル22又は第2テーブル26から部品搭載手段による搭載作業によって部品3が取り出されて空となったトレイ5(使用済みトレイ5A)を保持したパレット12を取り出し、使用済みトレイ移載位置D1にてトレイ回収ステージ33に移載する。すなわち、第1の位置B1は、トレイ供給部6からトレイ5を保持したパレット12が第1テーブル22又は第2テーブル26に移載されるトレイ移載位置となっているとともに、第1テーブル22又は第2テーブル26から使用済みトレイ5Aを保持したパレット12が取り出される使用済みトレイ取出位置となっている。
このように、第1テーブル22、第2テーブル26は、トレイ供給部6からトレイ5が移載される第1の位置B1と、トレイ供給部6から移載されたトレイ5に収納された部品3を部品搭載手段に供給する第2の位置B2との間で移動する第1のトレイ移送手段、第2のトレイ移送手段となっている。また、移載アーム41はトレイ供給部6からトレイ5を取り出して第1の位置B1に位置する第1の移送手段又は第2の移送手段に移載するとともに、第1の位置B1に位置する第1の移送手段又は第2の移送手段から使用済みトレイ5Aを取り出してトレイ回収部8に移載するトレイ移載手段となっている。
リフター状態監視部58は、第1の受光部U1、第1〜第5の検出センサS1〜S5による検査光の受光状態に基づいて供給側リフター20(トレイ載置ステージ13)、回収側リフター40(トレイ回収ステージ33)の昇降状態を監視する。ここでの監視状況に基づいて、制御部53はトレイ載置ステージ13に載置されたトレイ5の残量、トレイ回収ステージ33に載置された使用済みトレイ5Aの量を検出する。ここで、図7を参照して各リフターの具体的な監視方法について説明する。以下、第1の受光部U1、第1〜第5の検出センサS1〜S5が検査光を受光していない状態を「ON」、検査光を受光している状態を「OFF」とする。
まず、供給側リフター20について説明する。図7(a)において、第1の検出センサS1、第2の検出センサS2が共にON、第1の受光部U1がOFFである場合(図8参照)、トレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置した「第1状態」であると判断する。次に、少なくとも第2の検出センサS2がOFFである場合(図9参照)、トレイ載置ステージ13は第1状態よりも上昇しているものの、上面に載置されたパレット12の残量が多い「第2状態」であると判断する。次に、第1の検出センサS1がOFF、第2の検出センサS2がONである場合(図10参照)、トレイ載置ステージ13がトレイ取出位置A1の近傍まで上昇し、上面に載置されたパレット12の残量が少ない「第3状態」であると判断する。次に、第1の検出センサS1、第2の検出センサS2、第1の受光部U1がONである場合(図12参照)、トレイ載置ステージ13がトレイ取出位置A1まで上昇し、トレイ載置ステージ13上のパレット12が空となった「第4状態」であると判断する。
このように本実施の形態では、トレイ取出位置A1のX方向における両側に第1の受光部U1と第1の発光部U2を配設するとともに、第1の検出センサS1、第2の検出センサS2を上下方向に配設し、各位置での検査光の受光の有無に基づいて供給側リフター20(トレイ載置ステージ13)の高さ位置を検出し、また検出結果に基づいてトレイ載置ステージ13上のトレイ5の残量を検出するようにしている。すなわち、第1の受光部U1、第1の発光部U2、第1の検出センサS1及び第2の検出センサS2は、トレイ載置ステージ13上のトレイの残量を検出するトレイ残量検出手段となっている。また、トレイ残量検出手段は、トレイ載置ステージ13の高さ位置に基づいてトレイ5の残量を検出する。
次に、回収側リフター40について説明する。図7(b)において、少なくとも第3の検出センサS3がOFFである場合(図8、図9参照)、トレイ回収ステージ33はトレイ回収位置D2から離れた所定の位置まで上昇しており、その上面に載置されたパレット12は空若しくはその数が少なく回収に十分な余裕がある「第5状態」であると判断する。次に、第3の検出センサS3のみがONである場合(図10参照)、トレイ回収ステージ33は第5状態よりも下降しており、その上面には一定量のパレット12が段積みされてトレイ回収のための余裕が少ししかない「第6状態」であると判断する。次に、第3の検出センサS3、第4の検出センサS4がONである場合(図11参照)、トレイ回収ステージ33は第6状態よりもさらに下降し、その上面に段積みされたパレット12は満杯となった「第7状態」であると判断する。次に、第3〜第5の検出センサS3〜S5がONである場合は(図12参照)、トレイ回収ステージ33がトレイ回収位置D2まで下降している「第8状態」であると判断する。
このように本実施の形態では、複数の検出センサS3〜S5を上下方向に配設し、各位置での検査光の受光の有無に基づいて回収側リフター40(トレイ回収ステージ33)の高さ位置を検出し、また当該検出結果に基づいてトレイ回収ステージ33上の使用済みトレイ5Aの量を検出するようにしている。すなわち、第3の検出センサS3、第4の検出センサS4及び第5の検出センサS5は、トレイ回収ステージ33上の使用済みトレイ5Aの量を検出する使用済みトレイ量検出手段となっている。また、使用済みトレイ残量検出手段は、トレイ回収ステージ33の高さ位置に基づいて使用済みトレイ5Aの量を検出する。なお、検出センサをさらに設け、供給側リフター20(回収側リフター40)の昇降状態及び段積みされたトレイ5の量をさらに細分化して監視するようにしてもよい。
供給側リフター制御部59は、第1の受光部U1による検査光の受光状態に基づいて供給側リフター20の昇降動作を制御する。具体的には、第1の受光部U1への検査光の入射が遮断されるまで供給側リフター20を上昇させ、移載アーム41によって最上段のパレット12が取り出される都度、供給側リフター20を1パレット分上昇させて第1の受光部U1への検査光の入射を再び遮断し、最上段のトレイ5をトレイ取出位置A1に供給する。したがって、トレイ載置ステージ13からパレット12が取り出される都度、供給側リフター20は上昇するとともに段積みされたパレット12の数は減少する。また、供給側リフター制御部59は作業員による供給側扉開閉要求スイッチ46の操作、又は第1の検出センサS1、第2の検出センサS2による検査光の受光状態に応じて供給側リフター20を昇降させる。
回収側リフター制御部60は、第2の受光部U3による検査光の受光状態に基づいて回収側リフター40の昇降動作を制御する。具体的には、使用済みトレイ移載位置D1にてパレット12がトレイ回収ステージ33上に移載されることによって第2の受光部U3への検査光の入射が遮断される都度、回収側リフター40を1パレット分下降させる。すなわち、移載アーム41によるトレイ回収ステージ33へのパレット12の移載は、トレイ回収ステージ33又はトレイ回収ステージ33に既に移載された最上段のパレット12が、使用済みトレイ移載位置D1よりも1パレット分下降した位置で行われる(図8〜図12参照)。このように、トレイ回収ステージ33にパレット12が移載される都度、回収側リフター40は下降するとともにパレット12の数は増加する。また、回収側リフター制御部60は作業員による回収側扉開閉要求スイッチ47の操作、又は第3〜第5の検出センサS3〜S5による検査光の受光状態に応じて回収側リフター40を昇降させる。
扉開閉制御部61は、作業員による供給側扉開閉要求スイッチ46の操作を受け、供給側リフター20の作動状況に応じて供給側扉44のロック・ロック解除を実行する。また、作業員による回収側扉開閉要求スイッチ47の操作を受け、回収側リフター40の作動状況に応じて回収側扉45のロック解除を実行する。
報知部62は部品搭載装置4に備えられた警告音発生装置等から成る報知手段であり、供給側扉44、回収側扉45のロックが解除された場合、トレイ載置ステージ13上のパレット12が空になった場合、トレイ回収ステージ33上のパレットが満杯となった場合に、警告音等を発生させて作業員に報知する。
本発明の部品供給装置1は以上のような構成から成り、次に、当該装置を用いてトレイ5に収納された部品3を部品搭載手段へ供給する部品供給動作について説明する。まず、制御部53はトレイ載置ステージ13に段積みされた最上段のトレイ5がトレイ取出位置A1に位置するまで供給側リフター20を上昇させる。次に、制御部53は最上段のトレイ5を保持したパレット12を移載アーム41によって取り出す。パレット12の取り出し後、制御部53は供給側リフター20を1パレット分上昇させることによって最上段のトレイ5をトレイ取出位置A1に供給する。
次に、制御部53は移載アーム41に保持されたパレット12を第1の位置B1に移動した第1テーブル22又は第2テーブル26に移載する。ここで、図13及び図14を参照してトレイ移送部7でのトレイ移送動作について詳しく説明する。図13(a)はパレット12が載置された第1テーブル22が第2の位置B2に位置し、またパレット12が載置された第2テーブル26が第1の位置B1に位置した状態を示している。このとき、第2の位置B2ではトレイ5から部品3を搭載ヘッド51によって取り出して基板2に搭載する搭載作業が実行されている。なお、第2の位置B2に移動した第1テーブル22に載置されたトレイ5を対象とした搭載作業が完了するまでの間に(すなわち当該トレイ5から全ての部品3が取り出されるまでの間に)、制御部53は移載アーム41を介してトレイ供給部6から第2テーブル26にトレイ5を移載する。
図13(a)に示す状態から、制御部53は第2テーブル26を第3の位置C1まで下降させ(図13(b)の矢印b1)、次に第4の位置C2まで移動させる(図13(c)の矢印c1)。そして、第1テーブル22上のトレイ5から全ての部品3が取り出されるまで第2テーブル26を第4の位置C2で待機させる。
第1テーブル22上のトレイ5から全ての部品3が取り出されたならば、制御部53は第1テーブル22を第2の位置B2から第1の位置B1まで移動させ(図13(d)の矢印a1)、次に第2テーブル26を第2の位置B2まで上昇させる(図13(e)の矢印d1)。すなわちここでは、第1テーブル22に移載されたトレイ5を対象とした搭載作業が行われている間にトレイ5を載置した第2テーブル26を第1テーブル22の下方に移動させ、第1テーブル22上のトレイ5から全ての部品3が取り出されて当該第1テーブル22を第2の位置B2から退避させた後に第2テーブル26を上昇させて第2の位置B2に位置させるようにしている。そして、制御部53は第2テーブル26上のトレイ5を対象とした搭載作業を実行する。
次に、第2テーブル26上のトレイ5を対象とした搭載作業中に、制御部53は第1テーブル22上の使用済みトレイ5Aを保持したパレット12を移載アーム41によって取り出し、使用済みトレイ移載位置D1にてトレイ回収ステージ33に移載する。その後、制御部53はトレイ取出位置A1に供給されたトレイ5を保持したパレット12を移載アーム41によって取り出し、第1の位置B1にて第1テーブル22に移載する。これにより、第1テーブル22上には部品3を収納したトレイ5が新たに載置される。なお、トレイ回収ステージ33上にパレット12が移載されたならば、制御部53は回収側リフター40を1パレット分下降させる。
次に、制御部53は第2テーブル26上のトレイ5に収納された全ての部品3が取り出されるまで第1テーブル22を第1の位置B1で待機させる。そして、第2テーブル26上のトレイ5に収納された全ての部品3が取り出されたならば、制御部53は第2テーブル26を第2の位置B2から第4の位置C2まで下降させ(図14(a)の矢印d2)、次に第1テーブル22を第1の位置B1から第2の位置B2に移動させる(図14(b)の矢印a2)。すなわちここでは、第2テーブル26に載置されたトレイ5を対象とした搭載作業が完了して当該第2テーブル26を第2の位置B2から下降させた後に、トレイ5を載置した第1テーブル22を第2の位置B2に移動させるようにしている。そして、制御部53は第1テーブル22上のトレイ5を対象とした搭載作業を実行する。
また、第1テーブル22を第1の位置B1から第2の位置B2に移動させるのと同時に、制御部53は第2テーブル26を第4の位置C2から第3の位置C1まで移動させる(図14(b)の矢印c2)。次に、制御部53は第2テーブル26を第3の位置C1から第1の位置B1まで上昇させる(図14(c)の矢印b2)。そして、第1テーブル22上のトレイ5を対象とした搭載作業中に、制御部53は第2テーブル26上の使用済みトレイ5Aを保持したパレット12を移載アーム41によって取り出してトレイ回収ステージ33に移載し、その後、トレイ取出位置A1に供給されたトレイ5を保持したパレット12を取り出して第2テーブル26に移載する。これにより、第2テーブル26上には部品3を収納したトレイ5を保持したパレット12が新たに載置される。
このように、本実施の形態では第1テーブル22又は第2テーブル26に(パレット12を介して)載置された使用済みトレイ5Aをトレイ回収ステージ33に回収するトレイ回収動作中に、第2テーブル26又は第1テーブル22に移載されたトレイ5を第2の位置B2へ移動させるようにしている。これにより、第2の位置B2から使用済みトレイ5Aを退避させてトレイ5を新たに第2の位置B2へ供給(移送)するまでの時間を大幅に短縮して搭載作業の中断を抑制することができる。その結果、部品搭載装置4(部品搭載手段)に対するトレイ5(部品3)の供給効率を高めて生産性を向上させることができる。特に、第1テーブル22を第2の位置B2から退避させる場合においては、図13(c)に示すように、第2テーブル26を第2の位置B2の直下である第4の位置C2に位置させておくことで第2の位置B2へのトレイ5の供給時間を大幅に短縮することができる。これは、第1テーブル22と第2テーブル26にそれぞれ第1テーブル移動機構25と第2テーブル移動機構32を設けていることにより実現されている。なお、ここでのトレイ回収動作とは、第2の位置B2から第1テーブル22又は第2テーブル26を退避させる動作から、移載アーム41によってトレイ使用済みトレイ5Aがトレイ回収ステージ33に移載される動作までの一連の動作をさす。
次に、図15を参照して供給側リフター20の動作について詳しく説明する。なお、以下に説明する動作は部品搭載装置4に予め記憶された供給側リフター制御プログラムに基づいて実行される。まず、制御部53は第1の受光部U1の受光状態を判断する(ST1)。ここで第1の受光部U1がOFFである場合、制御部53は供給側リフター20を上昇させる(ST2)。次に、制御部53は供給側リフター20を上昇させる過程で第1の受光部U1の受光状態を判断し(ST3)、第1の受光部U1がONとなるまで供給側リフター20の上昇を継続させる。そして、制御部53は第1の受光部U1がONとなったタイミングで供給側リフター20の上昇を停止させる(ST4)。
次に、(ST1)で第1の受光部U1がONである場合、又は(ST4)にて供給側リフター20の上昇を停止させた後、制御部53はトレイ載置ステージ13に載置されたパレット12が空(ゼロ)であるか否かを、リフター状態監視部58による監視状況に基づいて判断する(ST5)。すなわち、供給側リフター20が第4状態である場合(図12参照)、パレット12は空であると判断する。
ここで、パレット12が空でない場合、制御部53はトレイ載置ステージ13に載置されたパレット12の残数(残量)が少ないかを判断する(ST6)。ここで供給側リフター20が第2状態である場合(図9参照)、制御部53はパレット12の残数が十分であると判断して前述の(ST1)に戻る。
一方、供給側リフター20が第3状態である場合(図10参照)、制御部53はパレット12の残数が少ないと判断し、次に第2の位置B2に供給されたトレイ5に収納された部品3の残数が少ないかを判断する(ST7)。そして、部品残数が少ない場合、制御部53は(ST1)に戻って前述と同様の動作を実行する。つまり、ここでは第2の位置B2に供給されたトレイ5から全ての部品3が取り出され、空となったトレイ5(使用済みトレイ5A)がトレイ回収部8に回収され、その後、移載アーム41によるトレイ取出位置A1でのトレイ5の取り出し動作が実行されるまで供給側リフター20の下降を保留するようにしている。なお、部品残数を少ないと判断する基準値は作業員が任意に設定する。
一方、部品残数が十分である場合、制御部53は供給側リフター20を下降させる(ST8)(図16の矢印e)。そして、制御部53はトレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2まで下降したか否か、すなわち供給側リフター20が第1の状態であるか否かを確認し(ST9)、トレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置したタイミングで下降を停止させる(ST10)(図16参照)。ここでは、第2の位置B2に供給されたトレイ5に収納された部品3の残数が少なくなるまで((ST7)で部品残数が少ないと判断されるまで)トレイ載置ステージ13をトレイ補充位置A2で待機させる。このようにしてトレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2まで下降している間に、作業員が供給側扉開閉要求スイッチ46を操作して供給側扉44を開け、トレイ5の補充作業を行う。
また、(ST5)でパレット12が空である場合、制御部53は警告音を発生させてパレット補充の報知を行い(ST11)、次に供給側リフター20を下降させる(ST12)。そして、制御部53は供給側リフター20を下降させる過程でトレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置したか否かを判断し(ST13)、トレイ補充位置A2に位置したタイミングで下降を停止させる(ST14)。その後、作業員による前述のトレイ補充作業が行われる。
このように、本実施の形態では、トレイ載置ステージ13上のトレイ5の残量が少なくなったことをトレイ残量検出手段が検出している状態においては、移載アーム41によるトレイ5(パレット12)の取り出し動作が実行されるタイミングを除いて、トレイ載置ステージ13をトレイ補充位置A2に移動させるようにしている。したがって、作業員に対するトレイ載置ステージ13の下降待ち時間の発生を抑制し、トレイ補充作業の効率を大幅に向上させることができる。
次に、図17を参照して回収側リフター40の動作について詳しく説明する。なお、以下に説明する動作は部品搭載装置4に予め記憶された回収側リフター制御プログラムに基づいて実行される。まず、制御部53は第2の受光部U3の受光状態を判断する(ST15)。ここで、第2の受光部U3がONである場合、制御部53は回収側リフター40を1パレット分下降させる(ST16)。
一方、第2の受光部U3がOFFである場合、制御部53は回収側リフター40を上昇させる(ST17)。そして、制御部53は回収側リフター40を下降させる過程で第2の受光部U3の受光状態を判断し(ST18)、第2の受光部U3がONとなったタイミングで回収側リフター40の上昇を停止させ、当該停止位置から回収側リフター40を1パレット分下降させる(ST19)。
次に、制御部53はかかる状態で第2の受光部U3の受光状態を監視し(ST20)、移載アーム41によってパレット12が移載されて第2の受光部U3がONとなったときに、回収側リフター40を1パレット分下降させる(ST21)。次に、制御部53はトレイ回収ステージ33に載置されたパレット12が満杯の状態であるか否かを、リフター状態監視部58による監視状況に基づいて判断する(ST22)。すなわち、回収側リフター40が第7の状態である場合(図11参照)、パレット12は満杯であると判断する。
ここで、パレット12が満杯でない場合、制御部53はパレット12の回収に余裕があるか否かを判断する(ST23)。すなわち、回収側リフター40が第5状態である場合(図9参照)、制御部53はパレット12の回収に十分な余裕があると判断して前述の(ST20)に戻る。一方、回収側リフター40が第6状態である場合(図10参照)、制御部53はパレット12の回収に少しの余裕しかないと判断し、次に、第2の位置B2に供給されたトレイ5に収納されている部品3の残数が少ないかを判断する(ST24)。
ここで部品残数が少ない場合、制御部53は(ST20)に戻り、以後同様の動作を実行する。つまり、ここでは第2の位置B2に供給されたトレイ5から全ての部品3が取り出され、空となったトレイ5(使用済みトレイ5A)を保持したパレット12が移載アーム41によって取り出されて使用済みトレイ移載位置D1にてトレイ回収ステージ33上に移載される回収動作が実行されるまで供給側リフター20の下降を保留するようにしている。
一方、部品残数が十分である場合、制御部53は回収側リフター40を下降させる(ST25)(図16の矢印f)。そして、制御部53はトレイ回収ステージ33がトレイ回収位置D2まで下降したか否か、すなわち回収側リフター40が第8状態であるか否かを確認し(ST26)、トレイ回収ステージ33がトレイ回収位置D2に位置したタイミングで下降を停止させる(ST27)(図16参照)。ここでは、第2の位置B2に供給されたトレイ5に収納された部品3の残数が少なくなるまで((ST24)で部品残数が少ないと判断されるまで)トレイ回収ステージ33をトレイ回収位置D2で待機させる。このようにしてトレイ回収ステージ33がトレイ回収位置D2まで下降している間に、作業員が回収側扉開閉要求スイッチ47を操作して回収側扉45を開け、使用済みトレイ5Aの回収作業を行う。
また、(ST22)でパレット12が満杯の状態である場合、制御部53は警告音を発生させてパレット回収の報知を行い(ST28)、次に回収側リフター40を下降させる(ST29)。そして、制御部53は回収側リフター40を下降させる過程でトレイ回収ステージ33がトレイ回収位置D2に位置したか否かを判断し(ST30)、トレイ回収位置D2に位置したタイミングで下降を停止させる(ST31)。その後、作業員による前述のトレイ回収作業が行われる。
このように、本実施の形態では、トレイ回収ステージ33上の使用済みトレイ5Aの残量が多くなったことを使用済みトレイ量検出手段が検出している状態においては、トレイ移載手段による使用済みトレイ5Aの回収動作が実行されるタイミングを除いて、トレイ回収ステージ33をトレイ回収位置D2に移動させるようにしている。したがって、作業員に対するトレイ回収ステージ33の下降待ち時間の発生を抑制し、トレイ回収作業の効率を大幅に向上させることができる。なお、トレイ載置ステージ13(トレイ回収ステージ33)を下降させる基準となるトレイ量は作業員が任意に設定し、その量となる位置に検出センサを配置することはいうまでもない。
次に、図18を参照して供給側扉44又は回収側扉45のロック・ロック解除について説明する。なお、以下に説明する動作は、部品搭載装置4に予め記憶された扉開閉プログラムに基づいて実行される。また、各扉での動作フローは共通しているため、回収側扉45について特段の説明を要する場合を除き、供給側扉44に限定して説明する。
作業員により、供給側扉開閉要求スイッチ46が押されると扉開閉プログラムが実行され、まず制御部53は供給側扉ロック機構48による供給側扉44のロック状態を判断する(ST32)。そして、供給側扉44がロック解除状態である場合、制御部53は供給側扉44をロックし(ST33)、供給側リフター制御プログラムに基づいた供給側リフター20の作動を開始する(ST34)。なお、作業員によるトレイ補充作業又はトレイ回収作業は、供給側扉44又は回収側扉45のロック解除時になされる。
一方、(ST32)において供給側扉44がロック状態である場合、制御部53はパレット移載機構43の駆動が停止中であるか否か、すなわち移載アーム41によるパレット12の移載又は取り出し動作が停止中であるか否か(回収側扉45においては、移載アーム41による使用済みトレイ5Aを保持したパレット12の移載動作が停止中であるか否か)を判断する(ST35)。そして、パレット移載機構43の駆動が停止中である場合、制御部53は供給側リフター制御プログラムに基づいた供給側リフター20の作動を終了する(ST36)。
次に、制御部53はトレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置しているか否かを判断する(ST37)。ここで、トレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置していない場合には供給側リフター20を下降させる(ST38)。そして、制御部53は供給側リフター20を下降させる過程でトレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置したか否かを判断し(ST39)、当該位置にトレイ載置ステージ13が位置したタイミングで下降を停止させる(ST40)。
次に、トレイ補充位置A2までトレイ載置ステージ13が下降したならば、制御部53は供給側扉44のロックを解除し(ST41)、次に、警告音を発生させることによってロックを解除した旨の報知を行う(ST42)。また、(ST37)でトレイ載置ステージ13がトレイ補充位置A2に位置している場合には、制御部53は(ST41)のロック解除を実行し、その後、(ST42)のロック解除報知を実行する。
以上説明したように、本発明によれば、第1テーブル22又は第2テーブル26に載置された使用済みトレイ5Aをトレイ回収部8に回収するトレイ回収動作中に第2テーブル26又は第1テーブル22に移載されたトレイ5を第2の位置B2へ移動させるようにしている。したがって、第2の位置から使用済みトレイ5Aを退避させて新たなトレイ5が搬入されるまでのタイムロスを大幅に軽減し、部品搭載手段(部品搭載装置4)に対する部品3(トレイ5)の供給効率を高めることができる。
また、本実施の形態においてはトレイ供給部6とトレイ回収部8は第1テーブル22、第2テーブル26を挟んだ両側にそれぞれ配置されている。このようなレイアウトを採用することにより、部品供給装置1のコンパクト化を実現することができるとともに、部品搭載手段に対する部品3の供給作業の効率化を向上させることができる。
なお、本実施の形態では第1テーブル22を第1の移送手段、第2テーブル26を第2の移送手段としているが、第2テーブル26を第1の移送手段、第1テーブル22を第2の移送手段としてもよい。