JP5886633B2 - 中種発酵と赤外線焼成による連続製パン法およびこの方法で製造されたパン類 - Google Patents

中種発酵と赤外線焼成による連続製パン法およびこの方法で製造されたパン類 Download PDF

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Description

本発明は、仕込み量が多い工場規模で製造するための中種連続製パン法において中種の発酵を比較的低温に長時間保持する工程および遠赤外線焼成工程を有することを特徴とするものであり、低温中種法と遠赤外線焼成との組み合わせにより中種の発酵時間が比較的短時間でありながら風味と、硬さ、弾力性、凝集性からなる食感が良好であると共に揮発性成分の少ないパン類を製造する中種連続製パン法およびこの方法で製造されたパン類に係る技術を提供するものである。
製パン法は、ストレート法(直捏ね法とも呼ばれる)と中種法とに大別される。ストレート法は、小麦粉、水、砂糖、油脂、食塩、酵母などの全ての製パン原材料を一度に混捏、発酵させる方法で、風味良好なパンが得られるのが長所である。その反面、発酵の温度、時間は厳密に管理する必要があり、生地は機械耐性に劣るなどの欠点があり大量生産には適さない方法であることはよく知られている。
中種法は、製パン原材料の一部を混捏発酵させた後、残りの原材料を加えて本捏ねする方法で、出来上がったパンの内層のきめが細かく、ソフトで老化が遅いパンができる。その反面、製パンには長時間が必要で、通常行われる2〜4時間で発酵させる中種製パン法では、風味がストレート法に比べて劣るなどの欠点があった。
近年、こうした中種法の欠点を改良して、長所を活かす製パン法が考案されている。それらの方法に共通するのは、中種を比較的低温に長時間保持することにより風味を補うことである。しかしながら、低温中種法では、酵母の発酵に伴って発生する炭酸ガスによりパン生地が膨張することによって生地自体が断熱材となり、生地の外側と中心部とで熱が伝導しにくくなる。すなわち、外側は雰囲気温度に冷やされて温度が低下するが、中心部は発酵熱により温度が上昇するため、中種の量が増えるほど外側と中心部との温度差が拡大して、発酵状態が不均一となるという問題があった。
そこで、さらなる工夫として中種の中心部温度を短時間で雰囲気温度にまで下げるために、中種の大きさを制限して低温に保持する(特許文献1)、中種の捏ね上げ温度を低めにして生地中心部の温度上昇を抑える(特許文献2)などの方法が検討され提案されてきた。しかしながら、特に、仕込み量が多い場合には中種の外側と中心部とに温度差が発生し、焼き上げたパン製品のボリューム、風味や食感が必ずしも満足できるものとはならないなど、低温長時間発酵の中種製パン法は工場規模の大量生産に適したものではなかった。
そこで、中種の捏上げ温度、中種の温度履歴を制御することによって、工場規模の大量生産においても中種の外側と中心部との温度差の発生を抑えることにより、焼き上げたパン製品のボリューム、風味や食感が良好となる中種製パン法を提供することを課題として、小麦粉、イースト、水、その他の製パン材料を混合し、15〜24℃で捏上げた中種を、0〜15℃の環境下で10〜20時間置き、次いで13〜28℃で5〜15時間置いて昇温させてから本捏を行う中種発酵熟成パン類の連続製造方法が提案された(特許文献3)。
さらに改善された方法として、中種を比較的低温に長時間保持する製法において、中種を低温に長時間保持する製法の利点を維持しつつ、工場規模の大量生産に適用でき、しかも、ボリューム、風味および食感が良好でありながら、中種の発酵時間を短縮することができる中種連続製パン法が提案された。その方法では、6〜15時間の範囲で行う中種の発酵時間に応じてイーストの添加量を調整し、且つ、中種の発酵時の環境温度を5〜20℃の範囲内で調整して生地の外側と中心部の温度差を5℃以内とし、中種の発酵が未熟でも過熟でもない最適な熟成状態とすることにより風味と食感が良好なパン類を製造する中種連続製パン法(特許文献4)の条件による中種の調製が行われた。
ところで、成形したパン生地の焼成において、遠赤外線を利用する技術に関しては多くの提案がなされている。例えば、オーブン釜の焼成炉内において、遠赤外線放射体に抵抗加熱体を埋設した面状ヒータの上火加熱ユニット、下火加熱ユニットが駆体の天井部及び底部の炉内面にそれぞれ装着され、遠赤外線放射体に抵抗加熱体を埋設した面状ヒータの加熱体ユニットは上火加熱ユニット及び下火加熱ユニットであって、炉床も兼ねており、これらの加熱体ユニットによって焼成室を構成し、それらの容積は上位程大きく、下位程小さくした自然対流式のオーブン釜(特許文献5)や、被焼成物を収容可能な炉を備え、炉内に遠赤外線を放射する輻射内壁と、輻射内壁の温度及び炉内気温に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御する温度管理手段を備え、輻射内壁の温度とその近傍の空気温度の両方に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御することにより、その輻射内壁周辺の炉内の温度状態と輻射内壁による加熱状態とをより精密且つ確実に把握して炉内の加熱条件をより安定に維持することができるコンベア式の焼成炉(特許文献6)などが提案されている。
特公昭56−46731号公報 特開平4−207148号公報 特開平11-196758号公報 特開2006-262781号公報 特開2001-193933号公報 特開2005−295930号公報
従来の中種低温発酵調製法に係るパン製造法は、工場規模の大量生産に適するばかりでなく、最終的に焼き上げたパン製品のボリューム、風味および食感が良好であり、市場の評価はある程度高いものであった。しかしながら、中種の発酵時間が15〜35時間と長時間であることが、今日の流通の変化に合理的に対応できないという新たな課題が生じた。夕方に受注を受けた翌日にはパンを提供することが通常となった今日においては、受注量の確定前に見込みで中種の発酵を行わなくてはならないという問題が生じた。こうした見込みで中種の発酵を行うことがないようにすること、すなわち製造時間の短縮が求められるようになった。こうした問題の解決を目指して改良されたパン製造法が提案されてきた。
また、中種発酵に際しては、一般に、発酵時間の長さに応じて各種のアルコール、エステル、アルデヒト、有機酸などが増加するため、低温発酵により発酵時間が長くなりすぎると好ましくない発酵臭が生じることとなり、発酵時間が長くなることによる香りに関わる発酵産物が増加し過ぎないようにすること、つまりパン製品の香りを改善することが求められていた。
本発明の中種連続製パン法は、従来の中種を比較的低温に長時間保持する中種製パン法における長所を維持しながら、15ないし35時間と製造時間が長くかかるという問題、受注量の確定前に見込みで中種の発酵を行わなくてはならないという従来の問題を解決することができると共に、さらなるパン製品の品質の改善を目指すものであり、中種を比較的低温に長時間保持する方法の利点を維持しつつも、工場規模の大量生産に適し、しかも、ボリューム、風味および食感が良好でありながら、中種の発酵時間を短縮する製パン技術を提供するものである。そして、本発明は、中種連続製パン法と遠赤外線を利用した焼成との組み合わせることにより、アルコール系の揮発成分量が少なく、風味および食感が良好でありながら、酸臭や刺激臭を感じさせないパン類を提供することを可能としたものである。
今日は市場に評価され受け容れられているパン製品であっても、更なる品質の向上したパン製品を求めることは消費者の自然の理であり、これに答えることは食品メーカーが忘れてはならない課題である。本発明はこうした求めに応じることができる製パン技術を開発し、従来得ることができなかった品質のパン製品を提供することを可能としたものである。本発明における中種調製工程と遠赤外線による焼成を組み合わせることによる利点は、主に、本明細書中の図1〜図10、表2および表3の結果に示されている、
本発明は、中種を比較的低温に長時間保持する製法において、中種を比較的低温に長時間保持する製法の利点を維持しつつ、工場規模の大量生産に適し、ボリューム、風味および食感が良好でありながら、発酵臭の減少した中種連続製パン法およびパン類を提供することを目的とするものである。また、本発明は、これまでの発酵工程を変更することなく、中種連続パン製造において、遠赤外線焼成を採用することによりパン製品に含まれる揮発性物質を低下させ、発酵臭、刺激臭を改善したパン類の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は以下の技術的事項から構成される。
(1)中種の発酵を低温で行う仕込み量が多い工場規模の中種連続製パン法において、16〜20℃の中種温度となるように捏上げた後、6〜15℃の環境温度で10〜15時間の範囲内で中種の発酵を行って最適な熟成状態の中種とする中種調製工程および、成形されたパン生地をコンベヤで搬送しながらトンネル式のオーブンにより連続焼成する遠赤外線焼成工程を有し、前記中種調製工程における中種の発酵が、6〜12℃の第1の環境温度で5〜6時間、11〜15℃で第1の環境温度よりも高い第2の環境温度で5〜9時間行われ、総中種発酵時間が10〜15時間であり、前記オーブンが、ガスバーナと、ガスバーナからコンベヤの搬送面を遮断するように設けられた遠赤外線を放射する輻射部材と、蒸気発生装置とを備えており、前記遠赤外線焼成工程において、水蒸気雰囲気で連続焼成することにより、風味、硬さ、弾力性、凝集性が改善され、かつアルコール系揮発性成分の含有量が遠赤外線を放射しない焼成工程を経たパン類と比べ少ないパン類を製造することを特徴とする中種連続製パン法。
(2)前記輻射部材が、前記オーブン内に対流を生じさせるための複数の穴を備えている上記(1)に記載の中種連続製パン法。
(3)前記オーブンが、入口ゾーンと、中央ゾーンと、出口ゾーンとを有し、前記入口ゾーンに前記蒸気発生装置が配置されている上記(1)または(2)に記載の中種連続製パン法。
)中種の発酵時間に応じてイーストの添加量を調整して生地の外側と中心部の温度差の発生を2〜4℃の範囲内に抑える上記(1)から(3)のいずれかに記載の中種連続製パン法。
)中種には発酵力の弱いイーストを加え、本捏には発酵力の強いイーストを加える上記()に記載の中種連続製パン法。
本発明によれば、従来の中種を比較的低温に長時間保持する中種製パン法における長所を有しながら、中種製造に時間が長くかかるため受注量の確定前に見込みで中種の発酵を行わなくてはならないという問題を解決することができる。すなわち、中種を比較的低温に長時間保持する方法の利点を維持しつつ、工場規模の大量生産に適し、ボリューム、風味および食感が良好でありながら、中種の発酵時間を短縮することができる中種連続製パン法およびパン類を提供することができる。さらに、本発明により、従来得られなかった風味および食感が良好でありながら、酸臭および刺激臭を感じさせないパン類を提供することが可能となった。
中種発酵時間と遠赤外線焼成の有無によるパン製品の「硬さ」の経時変化の違いを示す。(以下の図において、「4hr」、「12hr」は中種発酵時間が4時間、12時間であることを示し、「通常」は遠赤外線焼成ではない通常の焼成であること、「遠赤」は遠赤外線を利用した焼成を行ったことを意味する。) 中種発酵時間と遠赤外線焼成の有無によるパン製品の「弾力性」の経時変化の違いを示す。 中種発酵時間と遠赤外線焼成の有無によるパン製品の「凝集性」の経時変化の違いを示す。 中種発酵時間と遠赤外線焼成の有無によるパン製品の「揮発成分総検出量」の変化を示す。 実施例1と同様にして製造したパン製品の遠赤外線焼成の有無による「アルコール系揮発成分」の検出量の違いを示す。 実施例1と同様にして製造したパン製品の遠赤外線焼成の有無による「焼き香り」の検出量の違いを示す。 水蒸気雰囲気と遠赤外線焼成の有無による「硬さ」の経時変化の違いを示す。 水蒸気雰囲気と遠赤外線焼成の有無による「弾力性」の経時変化の違いを示す。 水蒸気雰囲気と遠赤外線焼成の有無による「凝集性」の経時変化の違いを示す。 水蒸気雰囲気と遠赤外線焼成の有無による「揮発成分総検出量」の変化を示す。
本発明は、中種の発酵を低温で行う仕込み量が多い工場規模の中種連続製パン法であって、中種調製工程の温度、発酵時間の制御と遠赤外線を利用した焼成工程との組み合わせに特徴を有するものであり、両工程を組み合わせることによりこれまでには達成することができなかった優れた品質のパン製品を製造することを可能としたものである。さらに詳しくは、中種調製工程において、16〜23℃の中種温度となるように捏上げた後、6〜15℃の環境温度で10〜15時間の範囲内で発酵を行って最適な熟成状態の中種とする工程および遠赤外線焼成工程の組合せにより、風味、硬さ、弾力性、凝集性が改善され、かつ揮発性成分の含有が少ないパン類を製造することを可能とした中種連続製パン法およびこの方法により製造されたパン製品を提供するものである。本発明により製造されるパン類としては食パンやロールパンなどを挙げることができる。
[中種調製工程]
まず、本発明の中種調製工程について説明する。
本発明中種調製工程は、中種の発酵を低温で行う仕込み量が多い工場規模の中種連続製パン法において、10〜15時間の範囲で行う中種の発酵に応じてイーストの添加量を調整し、且つ、中種の発酵時の環境温度を好ましくは6ないし15℃の範囲内で調整して生地の外側と中心部の温度差の発生を抑え、好ましくは該温度差を2〜4℃以内とし、中種の発酵が未熟でも過熟でもない最適な熟成状態とすることにより風味と食感が良好なパン類を製造するための工程である。イーストの添加量および中種発酵時の環境温度を調整して、酢酸および/または乳酸の少なく、風味と食感が良好なパン類を製造する中種調製工程である。
イーストは、中種と本捏とに分割して加えること、好ましくは中種には発酵力の弱いイーストを加え、本捏には発酵力の強いイーストを加えること、また、中種発酵時の環境温度に応じて環境湿度を調整することが好ましい。
[イーストの種類]
一般的な中種法では、汎用・超高糖生地用イーストを中種調製工程のみで使用している(分割投入しない)が、本発明は中種調製工程と本捏工程とで異なる種類のイーストを使用することが好ましい。中種調製工程では、発酵力が極めて穏やかで持続性に富んでおり、長時間発酵を行う製法に適したもの(低発酵力・長時間中種用イースト)を使用し、本捏工程では、発酵力が強く、糖配合適性が低糖から高糖の配合にも適した非常に耐糖性に優れたもの(汎用・超高糖生地用イースト)を使用することが好ましい。本捏工程のイーストは、砂糖を分解するインベルターゼ活性が非常に低いため、焼成したパン着色が淡くなる特色も有する。なお、従来の低温長時間発酵の中種製パン法で用いるものと比べ発酵力が強いため、投入するイースト量は少なくなる。
[イーストの投入量]
イーストの量を増やすと一定量まではイーストの増殖数を増やすことができ、その数とパンの体積に密接な関係が認められることが知られている。従来の低温長時間発酵の製法と比べ中種へのイースト投入量を適度に増やすことにより、中種の発酵時間が比較的短くとも充分な発酵が得られるようにした。但し、イーストを過度に増量すると好ましくない発酵臭が強くなるため、単純に増量すれば良いというわけではない。
[中種発酵時の環境温度など]
イーストの発酵力と生地温度には相関があることが知られており、低温域から最も発酵力が高まると言われる生地温度35〜38℃に至るまでほぼ右肩上がりのグラフを描く。本発明では、従来の低温長時間発酵の製法と比べて環境温度を昇温することで生地温度を昇温させ、中種の発酵時間が比較的短くとも充分な発酵が得られるようにしたものであり、中種発酵温度は6〜15℃とし、発酵時間は10〜15時間とした。生地の環境湿度も中種発酵時間に応じて調整することが好ましく、例えば、本発明の製パン法では、環境湿度の調整を従来の発酵時間が4時間の中種製パン法と比べ高く、従来の発酵時間が24時間の中種製パン法と比べ低い範囲で行うことが好ましい。
これらの条件は組み合わせて中種の熟成の度合いを検証する必要がある。中種の熟成の度合いは、生地のpHやイーストによるガス発生曲線によっても確認することができる。生地の熟成が若めになるとpHが高く滴定酸度は低くなる傾向がある。また、ガス発生曲線がプラトーに到達(頭打ち)する以前の生地は発酵が不充分で未熟な状態であり、頭打ちとなり一定時間経過後に熟成の最高点に到達し、以後時間が経ち過ぎると発酵が進みすぎた過熟な状態となる。
[生地の外側と中心部の温度差]
生地の外側と中心部の温度差が大きくなると発酵状態が不均一となるため、温度差は限りなくゼロに近くすることが好ましい。しかしながら、工場での連続製パン法において温度差をゼロにすることは極めてコストが高くなるため、中種の発酵時間に応じて生地の外側と中心部の温度差が許容温度内となるようにするのが合理的である。許容できる中種の外側と中心部の温度差は、中種の発酵時間により異なる。従来の中種を15〜35時間発酵させる製法においては、温度差は10℃以内であれば良いが、本発明のように中種を10〜15時間発酵させる製法においては、温度差は5℃以内好ましくは2〜4℃とすることが好ましい。
[遠赤外線による焼成]
遠赤外線による焼成工程は、発酵し、成形されたパン生地を焼成することができるものであれば特に限定されるものではなく、パン類や焼き菓子類など焼成処理を伴って調理される食品の焼成に使用されている遠赤外線焼成技術が利用できる。食品類の焼成装置には、成形した生地などの被焼成物をコンベヤで搬送しながら焼成する装置や石焼釜などと称される固定の竪型窯などに分類され、これらの焼成装置において遠赤外線を利用することもよく知られている。例えば、コンベヤで搬送しながら焼成する連続焼成装置としては、搬送路に沿って長く形成されトンネル状のコンベヤを包囲する炉壁が形成されている。こうした焼成装置は、ガス対流トンネルオーブンと称されるものであり、連続移動炉床が設置され、製品の焼成過程において性質の異なった遠赤外線加熱が可能となる。焼成工程は、入り口、中央、出口の3ゾーンに分けることができ、それぞれには、上火、下火の6区分となし熱を供給すると遠赤外線効果を最大限に引き出すことができる。遠赤外線放射パネルは、専用の石とセラミックスなどが使用され、これらを加熱することにより遠赤外線が放射される。
トンネル式のオーブンの焼成ゾーンにおいては、例えば、ガスバーナなどの加熱手段と被焼成物中間には、加熱手段からコンベヤの搬送面を遮断するように板状の輻射部材が設けられている。これにより、炉内の空間は実質的に上面が輻射部材から囲まれて構成され、側面および下面が筒状外壁の内面によって形成された空間となっている。輻射部材は、加熱によって遠赤外線を放射する部材が利用される。遠赤外線放射部材は、典型的には食品焼成における温度において良好な耐熱性を有し、遠赤外線を効率よく放射する材料、例えば、セラミック、具体的には、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ナトリウムなどの金属酸化物や希土類酸化物を有する部材が用いられる。例えば、輻射部材としては、アルミ合金などの金属板にセラミック粒子を溶射などによって膜状に付加した板材を用いることができる。また、輻射部材には、複数の穴を備えている板材とすることにより、穴によって、輻射部材全体への伝熱および炉内空気の対流を用いた加熱が可能となっていることが好ましい。
また、遠赤外線による焼成工程の入り口ゾーンで加熱水蒸気を噴射することにより遠赤外線による焼成効果を最大限に増加させることができる。蒸気雰囲気とするには、加熱水蒸気の噴射あるいは炉内への水の滴下などにより行うことができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例により限定されるものではない。
表1に示した配合Aの材料を用いて、食パンを製造した。表1は小麦粉350kg仕込みでの割合であり、小麦粉量を100%としたときの、中種調製工程、本捏工程における他の材料の比率(ベーカリーパーセント)を示している。
本実施例においては、
試験例1(中種捏上げ温度22℃、発酵条件(環境温度13℃、湿度90%)発酵時間12時間)、遠赤外線ガスオーブン焼成(以下、12h遠赤とも称する。)
比較例1(中種捏上げ温度22℃、発酵条件(環境温度13℃、湿度90%)発酵時間12時間)、通常のガスオーブン焼成(以下、12h通常とも称する。)
比較例2(中種捏上げ温度24.5℃、発酵条件(環境温度27℃、湿度75%)、発酵時間4時間)、通常のガスオーブン焼成(以下、4h通常とも称する。)
比較例3(中種捏上げ温度24.5℃、発酵条件(環境温度27℃、湿度75%)、発酵時間4時間)遠赤外線ガスオーブン焼成(以下、4h遠赤とも称する。)
表1に示すように、中種製造工程の条件などを違えて製造したパンの比較試験を行った。
パンの焼成には、試験例1比較例3では遠赤外ガスオーブンを使用し、比較例1、2では遠赤外線を放射する装置を有さない通常のガスオーブンを使用した。
なお、表1中、「L3’−H2’」とあるのは、低速回転で3分間、高速回転で2分間撹拌することを意味する。他の類似した表記も同様の意味である。捏上げ温度の測定は、外側温度として生地表層より1cmのところを3点、内側温度として中心部2点の温度を測定し、これら5点の平均温度で表した。
表1中、本捏工程については、捏ね上げ温度、フロアタイム、ベンチタイム、および焼成温度・時間は同一条件となっている。なお、表1中、「L2‘−H5’↓L3‘−H4’」とあるのは、低速回転で2分間、高速回転で5分間撹拌した後に油脂を投入し、その後低速回転で3分間、高速回転で4分間撹拌することを意味する。他の類似した表記も同様の意味である。
得られた食パンの硬さ、弾力性および凝集性の経時変化を測定して図1,2,3に示す。「D+」に続く数値は製造後の経過日数を示す。例えば「D+1」は製造後1日を経過していることを示す。
[測定条件]
測定に使用した機器:Texture Analyser Xtplus (Stable micro system社製)、使用プランジャー:径40mm、シリンダー型、プランジャー速度:1mm/s、測定方法:50%圧縮×2サイクル、サンプル:食パン(カムス製造品 クラム中央部を測定。
[測定項目と食感との関係および測定結果]
測定項目と食感との関係は次に示す。
硬さ:数値が高い食品は硬い食感、低い食品は柔らかい食感。
弾力性:数値が高い食品は弾力的な食感、低い食品は塑性のあるつぶれやすい食感。
凝集性:数値が高い食品は飲み込みやすい食感、低い食品は団子になり易く飲み込みがたい食感、数値が低い食品は、もちもち、ふんわり、弾力的食感、低い食品はつぶれやすい食感。
上記4種の製品の官能評価の結果は、4時間発酵した比較例2では弾力的でやや噛みごたえのある食感であった。12時間発酵した比較例1では最も柔らかく口溶けの良い食感であった。本発明の試験例1は、比較例1と2との中間程度の食感であり、程よい噛みごたえがありながらもやわらかい傾向がみられた。
物性検査結果からは、本発明の製品(12h遠赤外焼成)は4品の中でD+1〜D+5までいずれも「やわらかい」数値を示している(図1)。弾力性については高い数値を示していて「噛みごたえ」のある結果となった(図2)。凝集性については、一番「ふんわり」した傾向にある(図3)。
以上を総合すると、本発明の12時間発酵と遠赤外線焼成を組み合わせて製造した製品は、他の製法の製品と比較して、「やわらかい」にもかかわらず「もどりのある生地」が得られ、遠赤外線効果により通常製法より「ふんわり」した食感になっている。
実施例1における試験例1(12hr遠赤)で製造した本発明の食パン製品および比較例1(12h通常)、比較例2(4h通常)、比較例3(4h遠赤)について、一日放置後(D+1)のパンクラムに残存する揮発成分を抽出ガスクロマトグラフ/質量分析法(GC/MS)により測定し、その結果を図4および表2に示す。揮発成分としては、酸、エステル、加熱焼成由来の化合物類、脂質由来の不明の化合物類、発酵由来のカルボニル系化合物、発酵由来のアルコール系化合物などが検出された。アルコール系化合物には、主としてアルコール臭の原因となるエタノール、酸、イースト臭の原因となるイソブタノール、麦芽臭の原因となるイソアミルアルコールが含まれていた。各製品共に発酵由来のアルコール系化合物が多量に検出されたが、本発明の試験例1においては最も低い値を示した。比較例2が発酵由来の揮発成分が最も多く、中でも特徴的なのは、アルコール系の成分および油脂由来成分の検出量が多い傾向が見受けられた。また、本発明の遠赤外線焼成品は、他の製品に比べ「鼻を衝くアルコール系の揮発成分」が少ない傾向を見受けられた。
本発明においては、パン独特の「酸っぽい系香」が遠赤外線焼成により減少する結果となった。
製造したパン製品に含まれる揮発成分をさらに詳細に測定して、遠赤外線を利用した焼成による揮発成分への影響を検討した。
実施例1における試験例1で製造した本発明の食パン製品(12h遠赤)および比較例1のパン製品(12h通常)を一日放置後(D+1)のパンクラムに残存する揮発成分を抽出しガスクロマトグラフ/質量分析法(GC/MS)により測定した。アルコール系揮発成分量、および焼き香の結果を図5、6に示す。なお、焼き香りとしては、食パンの揮発成分の比較試料中の物質「ジアセチル、2−メチルブタナール、イソ吉草酸アルデヒド、2−フラフラール、ベンズアルデヒド」の検出量の和で表した。
図4、5,6から明らかのように、本発明の遠赤外線焼成品は通常の焼成品と比べて、揮発成分総量が少なく、アルコールや酸のような「鼻をつくにおい」が少ない、「焼き香り」が多い結果が得られた。その結果、遠赤外線焼成によりパン独特の「酸っぽい香」が減少することが確認された。また、「焼き香り」の割合が高く、香ばしい香りがするパンが製造されることが示唆された。
遠赤外線焼成を実施している焼成工程を水蒸気雰囲気とすることによりパン製品の物性値および食感を改善した。パン製品の製造工程は、焼成工程を水蒸気雰囲気とする以外は実施例の試験1と同様にしてパン製品を製造した。
焼成工程を水蒸気雰囲気とするには、トンネルオーブン入り口にある「ヒートライザー」という蒸気発生装置により水蒸気雰囲気にした。
本発明の試験例1と比較例1を水蒸気雰囲気の有無に分けて,硬さ、弾力性、凝集性の掲示変化を測定し、その結果を図7,8,9に示す。硬さ、弾力性、凝集性の変化を測定した。官能評価からは、水蒸気雰囲気とした場合には、食感として「もちもち感」が増加し、「しっとりさ」も通常の雰囲気での焼成と比較して増加している。物性検査結果からは、水蒸気(12h通常)雰囲気にすることにより柔らかくはなるが、特に遠赤外線焼成を水蒸気雰囲気下に行うことにより長期間弾力性を保持することができることが判明した。
実施例4において水蒸気雰囲気中で焼成したパン製品に含まれる揮発成分を測定して、遠赤外線を利用した焼成による揮発成分への影響を検討した。
実施例3と同様の測定条件により測定した結果を図10および表3に示す。 これらの結果から明らかのように、本発明の水蒸気雰囲気で遠赤外線により焼成した製品は、水蒸気雰囲気を用いないで遠赤外線焼成した焼成品と比べて、揮発成分総量は幾分減少している。また、酸性分、加熱由来成分、発酵由来のカルボニル系化合物の検出量が減少している。一方、水蒸気雰囲気にすることにより油脂由来の成分が増加している。 油脂由来の成分は、パン焼成後の「麦芽臭、リンゴ様臭、ココナッツ臭、・発酵臭」などパン独特の揮発臭に影響を与える成分である。
このように、遠赤外線焼成とスチーム雰囲気での焼成を組み合わせることにより、「酸っぽい香」が減少することが確認された。
好ましい中種の調製条件を検討するために中種温度、環境温度、生地の内外温度差、中種発酵時間を変化させて中種を調製した。製造条件を表4に示す。遠赤外線焼成を利用して焼きあげたパン製品の特性を実施例1と同様にして測定した結果、同様の優れた品質のパン製品が得られた。
本発明の中種調製工程と遠赤外線焼成を組み合わせた製パン法の対象となるパン製品とは、フランスパン、食パン、菓子パン、デニッシュペストリーの他、中華まんじゅう、イーストドーナッツなどのイーストを使用するパン製品全てを含むものであり、風味、硬さ、弾力性、凝集性が改善され、かつ揮発性成分の含有が少ないパン製品である。殊に、遠赤外線焼成と低温中種発酵との相乗効果により、効率の良い放射エネルギーがパン生地に照射され、パン素材には「しっかり」と火が通り、中身は「ふっくら」と焼き上がり、ふんわり、しっとりとした食感のパン製品が製造されると同時に、いやな揮発成分に邪魔されないでパン原料本来の風味付与することが可能となる。こうして製造されたパン製品はこれまでには達成することがかなわなかった優れた性状を有するものであり、本発明は、食生活を豊かにし、パン製品のさらなる発展を図れる優れた技術である。

Claims (5)

  1. 中種の発酵を低温で行う仕込み量が多い工場規模の中種連続製パン法において、16〜20℃の中種温度となるように捏上げた後、6〜15℃の環境温度で10〜15時間の範囲内で中種の発酵を行って最適な熟成状態の中種とする中種調製工程および、成形されたパン生地をコンベヤで搬送しながらトンネル式のオーブンにより連続焼成する遠赤外線焼成工程を有し、
    前記中種調製工程における中種の発酵が、6〜12℃の第1の環境温度で5〜6時間、11〜15℃で第1の環境温度よりも高い第2の環境温度で5〜9時間行われ、総中種発酵時間が10〜15時間であり、
    前記オーブンが、ガスバーナと、ガスバーナからコンベヤの搬送面を遮断するように設けられた遠赤外線を放射する輻射部材と、蒸気発生装置とを備えており、
    前記遠赤外線焼成工程において、水蒸気雰囲気で連続焼成することにより、風味、硬さ、弾力性、凝集性が改善され、かつアルコール系揮発性成分の含有量が遠赤外線を放射しない焼成工程を経たパン類と比べ少ないパン類を製造することを特徴とする中種連続製パン法。
  2. 前記輻射部材が、前記オーブン内に対流を生じさせるための複数の穴を備えている請求項1に記載の中種連続製パン法。
  3. 前記オーブンが、入口ゾーンと、中央ゾーンと、出口ゾーンとを有し、前記入口ゾーンに前記蒸気発生装置が配置されている請求項1または2に記載の中種連続製パン法。
  4. 中種の発酵時間に応じてイーストの添加量を調整して生地の外側と中心部の温度差の発生を2〜4℃の範囲内に抑える請求項1ないし3のいずれかに記載の中種連続製パン法。
  5. 中種には発酵力の弱いイーストを加え、本捏には発酵力の強いイーストを加える請求項に記載の中種連続製パン法。
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