JP4271614B2 - 焼成装置及び物品の焼成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品などの物品を焼成する装置及び方法に関し、特に、連続して物品を搬入及び搬出して焼成するのに好適な焼成装置及び物品の焼成方法に関する。
物品、例えば、パン、焼き菓子など焼成処理を伴って調理される食品の製造では、成形した生地などの被焼成物をコンベヤで搬送しながら焼成する方法がある(例えば特許文献1参照。)。このような方法で用いられる焼成炉は、搬送路に沿って長く形成されており、例えば、トンネル式オーブンは、コンベヤを包囲する形状に形成されている。ここで、まとまった量の被焼成物を製造する場合には、特に、均一な焼成状態のものを得るために炉内の温度管理が重要である。一般に、オーブンの炉内は、炉内気温を検出して制御している。しかしながら、オーブンの熱源は、従来、ガス、薪などの直火を用いており、暖められた空気が炉内を対流し被焼成物に接触して焼成するため、炉の部分によって温度が異なったり、空気が暖まるのに時間がかかったりする。この結果、部分ごとに被焼成物が受ける熱に差が出たり、炉内の温度調節に時間がかかったりして、場所、時間などによって焼きムラが生じる場合がある。焼きムラは、例えば、物品の焼き色の濃淡や焦げ部分の厚みの大小、全体の大きさや風合いなどとして物品に発現する。焼きムラの発生を軽減するために、輻射熱を発生する遠赤外線パネルを設けたオーブンが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。遠赤外線は放射方向に安定した量の熱を発生させることができるため、対流熱に比して温度分布を小さくすることができ、より確実に所定の熱を供給することができる。
特開平10−248473号公報 特開2003−310140号公報
トンネル式オーブンのように被焼成物の搬送を伴うオーブンは、被焼成物の搬送方向に長い炉を有し、また搬送に伴う気流が存在するため、搬送方向に温度が変化しやすい。このため、特に、焼成時間が短い製品や、比較的低温で焼き色が付けられる製品など、温度に敏感な製品では、一時的に発生する低温期や高温期の影響を受けるおそれがある。例えば、被焼成物を間欠的に供給する場合、被焼成物の有無によって熱供給量と炉内温度の関係が変化して、被焼成物投入直後の加熱制御が遅れて、一連の被焼成物の前側とそれ以降とで焼き色が異なる場合がある。
そこで、本発明では、炉内温度変化により迅速に対応できる焼成装置を提供することを課題とする。
また、併せて、本発明では、炉内温度変化により迅速に対応できる物品を焼成する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は第1発明として、被焼成物を収容可能な炉を備え、炉内に遠赤外線を放射する輻射内壁と、輻射内壁の温度及び炉内気温に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御する温度管理手段とを備える焼成装置を提供する。
第1発明によれば、遠赤外線の放射波長及び強さに影響し、且つ気流の影響を受けにくい輻射内壁の温度と、炉内の実際の気温とに基づいて輻射内壁への熱供給量を制御する。したがって、輻射内壁周辺の炉内の温度状態と輻射内壁による加熱状態とをより精密且つ確実に把握して炉内の加熱条件(焼成条件)をより安定に維持することができる。したがって、本発明に係る焼成装置によれば、より安定した焼成が可能であり、焼成の程度が均一な焼成物を得ることができる。
また本発明の第2発明は、第1発明において、前記温度管理手段は、少なくとも2ヶ所における輻射内壁の温度と、前記2ヶ所近傍の炉内気温に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御することを特徴とするものである。
この発明によれば、炉内の少なくとも2ヶ所の内壁温度を用いることにより、より広い領域の温度変化に対応できる。したがって、特に、炉内において状況が異なる場合、例えば、被焼成物の有無や外気の導入などが異なる場合にも、炉全体の状況を把握して焼成条件をより安定に維持することができる。
また、本発明の第3発明は、第2発明において、前記炉は入口と出口とを有し、前記炉の入口から炉の内部を通って出口まで被焼成物を搬送する搬送手段を備え、前記温度管理手段は、搬送方向において異なる前記少なくとも2ヶ所の輻射内壁の温度および前記2ヶ所近傍の炉内温度に基づいて前記熱供給量を制御することを特徴とするものである。
第3発明によれば、搬送手段によって被焼成物を炉外から炉内に、また炉内から炉外に搬送することができ、被焼成物を連続的に供給することができる。また、搬送方向において異なる少なくとも2ヶ所の内壁温度及び空気温度に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御することにより、搬送、すなわち搬送手段の駆動の有無や速度の変化、被焼成物の搬送の有無などに伴う炉内温度の変化により迅速に対応して、炉内の加熱条件を安定化することができる。したがって、第3発明の焼成装置によれば、被焼成物を連続的により安定して焼成することができ、均一に焼成された焼成物を効率よく得ることができる。
また、本発明の第4発明は、第3発明において、前記温度管理手段は、少なくとも前記炉の入口領域と中央領域の輻射内壁の温度および空気温度に基づいて前記熱供給量を制御することを特徴とするものである。
第4発明によれば、搬送方向の入口領域の内壁温度に基づいて熱供給量を制御することにより、搬送に伴う温度変化に迅速に対応することができる。同時に、搬送方向の中央領域の内壁温度及び空気温度にも基づいて熱供給量を制御することにより、炉内全体の加熱状態を考慮して熱供給することができる。したがって、第4発明の焼成装置によれば、搬送に伴う加熱条件の変化を抑制して、より均一に焼成された焼成物を得ることができる。
なお、本発明において炉の「入口領域」とは、入口により近く、且つ所定の温度条件(焼成条件)に制御可能な部分である。また、炉の「中央領域」とは、入口における温度変化を直接的には受けず、入口領域における熱供給を加味した温度変化を受ける部分である。したがって、適当な中央領域は、炉中の搬送距離の中間点に限定されず、炉の長さや搬送速度によって、炉の入口寄りや出口寄りに適宜、調整される。
また、本発明の第5発明は、物品を搬送しながら焼成する物品の焼成方法であって、物品に遠赤外線を放射する輻射体を用いて加熱し、前記輻射体の温度及びその近傍の炉内気温に基づいて輻射体への熱供給量を制御することを特徴とするものである。
第5発明では、輻射体を用いて物品を加熱するため、対流熱の場合と比較してより均一に焼成することができる。また、輻射体の温度とその近傍の気温に基づいて輻射体への熱供給量を制御するため、気体の対流による影響を低減して温度変化により迅速に対応することができるとともに、輻射体からの遠赤外線の放射をより確実に制御することができる。したがって、第5発明の焼成方法によれば、物品をより安定した加熱条件(焼成条件)で焼成することができ、より均一に焼成された焼成物を得ることができる。
本発明によれば、炉内温度変化により迅速に対応できる焼成装置、および、炉内温度変化により迅速に対応できる物品を焼成する方法を提供することにより、より均一に焼成された焼成物を得ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る焼成装置を示しており、パン、焼き菓子などの製造に適するトンネルオーブン1である。トンネルオーブン1は、筒状に形成された焼成炉3と、焼成炉3を貫通して設けられるコンベヤ5とを備えている。ここで、コンベヤ5は、本発明の搬送手段に対応する。コンベヤ5は、公知のトンネルオーブンと同様の構成とすることができ、本実施形態では、図2に示すように天板100を載置できるチェーンコンベヤである。
焼成炉3は、断熱性の筒状外壁8を有し、内部に上部加熱手段10,11,12と下部加熱手段14,15,16とを備えている。上部加熱手段10,11,12は、コンベヤ5の上方に、コンベヤ5の搬送方向に沿って設けられており、コンベヤ5の搬送面5a方向に熱を供給する。下部加熱手段14,15,16は、コンベヤ5の搬送面5aの下方にコンベヤ5の搬送方向に沿って設けられており、本実施形態では、コンベヤ5の上下のチェーン移動経路の間に設置されている。下部加熱手段14,15,16は、コンベヤ5の搬送面5a方向、すなわち上方に熱を供給する。上部加熱手段10,11,12および下部加熱手段14,15,16は、バーナーなど燃焼等によって加熱空気を供給し得る公知の手段であり、本実施形態では、複数のガスバーナー17,18である。なお、図1において各下部加熱手段14,15,16および上部加熱手段10の熱供給方向に遮板20,21が設けられており、バーナーからの熱を分散させて局所的な過熱部分の発生を抑制している。
焼成炉3の内部空間は、コンベヤによる被焼成物の搬送を妨げない範囲でコンベヤ5の走行方向に複数に仕切られている。図1では、筒状外壁8の内部空間を等間隔で仕切る2つの仕切り部25,26が設けられており、内部空間は、入口8a側からそれぞれ第1ゾーン30、第2ゾーン32、第3ゾーン34に形成されている。第1ゾーン30、第2ゾーン32、第3ゾーン34は、それぞれ独立して温度条件や加熱条件を制御できるようになっている。
第2ゾーン32および第3ゾーン34の上部加熱手段11,12の下方には、上部加熱手段11,12からコンベヤ5の搬送面5aを遮断するように板状の輻射部材37が設けられている。これにより、第2ゾーン32および第3ゾーン34における内部空間(炉)は、実質的に上面が輻射部材37で構成され、側面および下面が筒状外壁8の内面によって形成された空間となっている。すなわち、輻射部材37は、本発明の輻射内壁に対応している。
輻射部材37は、熱によって良好に遠赤外線を放射する部材である。また、熱を炉内により均一に供給するため、伝熱性が良好であることが好ましい。典型的には、金属板を用いることができ、例えば、アルミ合金板は、食品焼成における温度において良好な耐熱性を有するため、好ましい。また、さらに、公知の良好に遠赤外線を放射する材料、例えば、セラミック、具体的には、酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ナトリウム等の金属酸化物や希土類酸化物を有する部材を用いることができる。例えば、輻射部材37としては、アルミ合金などの金属板にセラミック粒子を溶射等によって膜状に付加した板材を良好に用いることができる。なお、炉内温度に耐え得る材料であれば、例えばウレア系などの合成樹脂へ混練等によって付加したパネル等を用いることもできる。本実施形態の輻射部材37は、アルミ合金板にパンチングによって形成された複数の穴38を備えている板材であり、穴38によって、輻射部材37全体への伝熱および炉内空気の対流を用いた加熱が可能となっている。
トンネルオーブン1は、温度管理手段を備えている。温度管理手段は、第1〜第3ゾーン30,32,34のそれぞれの上部加熱手段10,11,12および下部加熱手段14,15,16の熱供給量を、各場所の温度情報に基づいて制御する。第1ゾーン30には、図示しないが、上部加熱手段10の近傍に上部気温センサが、下部加熱手段14の近傍に下部気温センサが、それぞれ設けられている。また、第2ゾーン32および第3ゾーン34でも、下部加熱手段15,16の近傍に図示しない下部気温センサが設けられている。温度管理手段は、これらの温度情報検出手段に基づいて公知の方法で上部加熱手段10,11,12および下部加熱手段14,15,16の熱供給量を制御する。
第2および第3のゾーン32,34の上部には、図2に第2ゾーン32を例に挙げて示すように、輻射部材37の下面、すなわち遠赤外線放射面の温度を測定する内壁温度センサ41a,41bとその近傍の炉内気温を測定する炉内気温センサ43a,43bとが設けられている。図2に示す形態では、第2ゾーン32の入口近傍、すなわち入口領域に内壁温度センサ41aと炉内気温センサ43aが、第2ゾーン32の中央、すなわち中央領域に、内壁温度センサ41bと炉内気温センサ43bが、それぞれ設けられている。内壁温度センサ41a,41bおよび炉内気温センサ43a,43bは、それぞれ公知の温度情報検出手段とすることができ、例えば、熱電対とすることができる。
図2に示す第2ゾーン32の温度管理手段40は、これらの内壁温度センサ41a,41bおよび炉内気温センサ43a,43bに加えて、これらの温度情報を受信する制御手段45を備えている。制御手段45は、内壁温度センサ41a,41bおよび炉内気温センサ43a,43bからの温度情報に基づいて上部加熱手段32の熱供給量を制御する。ここで、遠赤外線放射体は、放射体が保有する熱によってその輻射熱(遠赤外線)の波長および強さを制御できることが公知である。また、炉内気温センサ43a,43bに基づく温度調節は、オーブンにおいて公知の方法である。したがって、これらの温度情報を用いて、炉の特性や被焼成物に応じて規定される焼成温度等を考慮することで、炉内、すなわち第2ゾーン32の加熱条件を一定に保つことができる。なお、上部加熱手段32の熱供給量の制御は、ガス供給量やエア供給量の調節や、複数のバーナーの駆動および停止の動作など、公知の方法で行うことができる。
このトンネルオーブン1によれば、特に焼き色など表面の仕上がりへの影響が大きいより後の焼成工程部分、すなわち、第2ゾーン32及び第3ゾーン34に輻射部材37が設けられて、輻射熱を利用する構成となっている。このため、被焼成物により均一な熱を加えることができる。そして、内壁温度センサと炉内気温センサとが設けられることにより、炉内の気温だけでなく、輻射内壁(輻射部材37)によって供給される熱量についても考慮して焼成条件を制御することができる。例えば、輻射部材37が比較的低温の場合、すなわち温度を低下させる因子によって急激に炉内気温が低下しやすい状況や、輻射部材37が比較的高温の場合、すなわち炉内気温が上昇し続ける状況を把握して輻射部材37への熱供給量を制御することができ、より迅速且つ確実な温度制御をすることができる。特に、内壁温度センサ41a,41b及び炉内気温センサ43a,43bが、第2ゾーン32内のそれぞれ2ヶ所に設けられているため、ゾーン全体の温度を把握して、より均一な温度(焼成)条件にすることができる。第3ゾーン34も、第2ゾーン32と同様である。
さらに、外部(本実施形態では、第2ゾーン32に対する第1ゾーン30の温度環境、第3ゾーン34に対する第2ゾーン32の温度環境)からの影響を受けやすい入口領域に内壁温度センサ41aおよび炉内気温センサ43aが設けられることにより、外部からの影響をより迅速に検出して、迅速に熱供給量を制御して、加熱条件(温度)を均一化することができる。さらに、各加熱手段からの熱供給量により迅速に応答する中央領域に内壁温度センサ41b及び炉内気温センサ43bが設けられているため、ゾーン全体の加熱条件(温度)の状態を把握して熱供給量を制御することができる。したがって、この焼成装置(トンネルオーブン1)によれば、加熱条件をより安定に維持して安定した焼成を行うことができる。
次に、本実施形態のトンネルオーブン1を例として、本発明に係る焼成方法の一実施形態について説明する。例としては、ロールパンを焼成する場合について説明する。すなわち、ロールパンの生地および焼成によって得られるロールパンが、本発明の被焼成物、或いは物品に対応する。
本発明の焼成方法では、物品を搬送しながら焼成する。すなわち、コンベヤ5にロールパンの生地102を載せて、所定の速度で焼成炉3の入口8aから出口8bまで搬送する間に生地を完全に焼成する。本実施形態では、図2に示すように、生地102を所定の大きさの天板100に所定の複数個ずつ配置して、天板100をコンベヤ5に載せて搬送する。これにより、生地102を搬送面5a上に安定かつ整列して載せて搬送できる。
入口8aを通った生地102は第1ゾーン30に搬入される。第1ゾーン30では、公知の方法により、上部加熱手段10及び下部加熱手段14のガスバーナー17,18による直火によって生地102を加熱する。すなわち、対流熱を使用して生地102を加熱する。第1ゾーン30における加熱条件(焼成条件)は、図示しない上部気温センサ及び下部気温センサによって検出される温度情報に基づいて、予め決定された加熱条件となるように図示しない制御手段によって調節される。具体的には、ガスバーナー17,18へのガス供給量や駆動されるガスバーナーの数などを制御する。
第1ゾーン30で加熱された生地102は、続いて第2ゾーン32、次いで第3ゾーン34へと搬送される。第2ゾーン32及び第3ゾーン34での加熱方法(焼成方法)は、焼成条件が別個に設定される他は同じであるため、第2ゾーン32の場合を例に挙げて図2を参照して説明する。
第2ゾーン32では、生地102を、主として上部加熱手段11のガスバーナー18によって加熱される輻射部材37からの輻射熱及び下部加熱手段15によって加熱する。第2ゾーン32における加熱条件(焼成条件)は、入口領域及び中央領域にそれぞれ1つずつ設けられた内壁温度センサ41a,41b及び炉内気温センサ43a,43b、および図示しない下部気温センサによって検出される温度情報に基づいて調節する。下部加熱手段15に関する制御は、第1ゾーン30の場合と同様、公知の方法とすることができる。上部加熱手段11の制御は、温度管理手段40によって、入口領域と中央領域の複数箇所から得られる複数の温度情報に基づいて行う。すなわち、制御手段45で各内壁温度センサ41a,41bおよび炉内気温センサ43a,43bからの温度情報を受信し、この温度情報と予め決定された加熱条件(温度)とに基づいて、上部加熱手段11であるガスバーナー17の動作やガス供給量などを制御する。これにより、上部加熱手段11から輻射部材37への熱供給量を制御し、供給される熱量、すなわち輻射面の温度によって放射される遠赤外線の波長や強さが変化する輻射部材37からの輻射熱の供給を制御する。
本実施形態では、第2ゾーン32全体において統一した制御を行うことにより、第2ゾーン32全体を所定の温度に維持する。例えば、内壁温度センサ41a,41b及び炉内気温センサ43a,43bより検出される温度情報を、予め組み込んだ演算や算術平均(相乗平均、相加平均など)によって処理し、処理結果に応じてガスバーナーの火力を調節する。本実施形態では、相乗平均を用いることにより、内壁温度や入口領域及び中央領域における温度差などを良好に反映させて火力を調節してより安定な焼成条件を維持することが可能である。
なお、上部加熱手段11の熱供給量の制御は、例えば、入口領域と中央領域以降など、領域に応じて異ならせてもよい。具体的には、第2ゾーン32内のコンベヤ5搬送方向に配列された複数のガスバーナー17全体を均一な熱供給状態となるように制御してもよいし、一時的に所定の領域における熱供給状態を他と異ならせるように制御してもよい。
本実施形態のトンネルオーブン1では、第2ゾーン32、第3ゾーン34において、特に上部からの加熱は、主に、輻射部材37からの輻射熱に依存するが、炉内の空気から生地102への伝熱による加熱も存在することはもちろんである。この空気からの伝熱は、ある程度、炉内気温センサ43a,43bからの温度情報に基づいて、適宜制御手段45によって、制御することが可能である。
このようにして第2ゾーン32で生地102を所定の加熱条件で加熱し、第3ゾーン34まで搬送する。第3ゾーン34では、第2ゾーン32における温度管理と同様の方法によって、生地102が搬送される空間、すなわち炉内の加熱条件を制御して生地102を加熱する。コンベヤ5によって生地102が筒状外壁8の外、すなわち、出口8bから焼成炉3の外まで搬出されることによって、焼成が終了する。
本発明の焼成方法によれば、特に第2ゾーン32および第3ゾーン34における焼成温度をより安定に維持できるため、生地102をより均一な温度条件で焼成することができる。したがって、搬送時期が異なる生地102の間での加熱条件の変化が小さいため、均一な焼成状態の複数の被焼成物を得ることができる。この方法では、特に、各温度領域、すなわち第2ゾーン32及び第3ゾーン34の入口領域における内壁温度情報および炉内気温情報に基づいて輻射部材37への熱供給量を調節するため、外部からの影響による温度変化に迅速に対応することができる。したがって、例えば、生地102が断続的に供給される場合など、被焼成物が搬入されることによって温度が変化する場合も、連続する被焼成物群の初期の段階から所定の加熱条件での焼成が可能となる。また、各温度領域(第2ゾーン32、第3ゾーン34)の中央領域の内壁温度情報および炉内気温情報に基づいて輻射部材37への熱供給量を調節するため、温度領域全体の温度変化にも確実に対応することができる。例えば、被焼成物が断続的に供給される場合など、被焼成物が搬入されない期間などに熱供給量が過剰になって炉内(ゾーン内)の温度が上昇した場合なども、輻射部材37への熱供給量を減少させるなどして炉内温度を一定に保ち、連続する被焼成物群の初期の段階においても所定の加熱条件で焼成することができる。また、入口領域での温度低下を検出して熱供給量を増大させるときも、中央領域では所定の条件を維持していることを加味して熱供給量を設定することができるため、中央領域が過熱状態になることを抑制することができ、初期の温度低下に基づく熱供給量の増加による焼き過ぎが起こることも抑制できる。
また、穴38を有する輻射部材37を用いることにより、輻射部材37の温度を対流熱によってより迅速に上げることが可能となっており、より迅速に安定した焼成条件を達成することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
本発明に係る焼成装置及び焼成方法は、パンの焼成に限定されず、焼き菓子、たこ焼き、お好み焼き、ステーキ、焼き魚、トーストなど種々の食品の焼成、加熱に適用することができる。また、食品に限定されず、溶着用シートの加熱など熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる作業における加熱や予備加熱の工程においても適用しうる。
焼成装置の炉の形状は、ラックオーブン、リールオーブンなど、コンベクションオーブンなどどのような形式でも良いが、炉の位置ごとに変化しやすく、また炉の位置ごとの加熱調節が要求されることが多いトンネルオーブンに好適である。トンネルオーブンは、本実施形態のような直線状に限定されず、U字、蛇行等の曲線状や、らせんなどの三次元形状でも良い。また、本実施形態のトンネルオーブンは、搬送方向に3つのゾーンに区分けされていたが、区分けされていなくてもよいし、2つ或いは3以上のゾーンに区分けされていてもよい。
また、温度情報検出部位は、1ヶ所であってもよいが、2ヶ所以上であることが好ましい。また、内壁温度検出部位と炉内気温検出部位は、本実施形態のように互いに近傍に設定されていると、その部分の炉内の温度条件を確実に把握できるため好ましいが、異なる部位において内壁温度と炉内気温とを検出してもよい。また、内壁温度検出部位数と炉内気温検出部位数とが異なっていてもよい。
図1,2に示したトンネルオーブン1の焼成炉3内を、予め所定の温度まで加熱しておいた後、ミルクロールパンの生地を連続的に供給し、天板100ごとの得られるミルクロールパンの焼き色を検査した。なお、試料は、図3に示すようにコンベヤ5上に、幅方向に5枚の天板を並べて焼成炉3内に供給した場合の中央の天板(s)のパンの焼き色の平均とした。
また、比較例として、トンネルオーブン1において輻射部材37を設けず、第1ゾーン30と同様の温度管理手段を第2ゾーン32及び第3ゾーン34においても適用して同様の焼成を行い、焼き色を検査した。
これらの結果を図4に示す。
図4から明らかなように、本実施例においては、初期の段階から良好な焼き色が得られたのに対し、比較例では天板が10枚程度通り過ぎるまでは焼き色が薄く、焼成温度が低くなった。これは、被焼成物である生地102を供給することによる温度変化への対応が遅れているためと考えられる。また、実施例では、天板を連続して多数枚供給していっても比較的均一な焼き色(図4では、焼き色番号5と6の間)のパンが得られたが、比較例では、その触れ幅が大きく、炉内の環境が定常的になっても焼き色の均一性が小さかった。このことから、輻射部材37を用いたオーブンにおいて所定の温度領域の入口領域と中央領域の両方における内壁温度情報および炉内気温情報に基づいて加熱手段の熱供給量を制御する本発明では、安定した焼成条件を維持できることがわかった。なお、実施例と比較例における焼き色の差異は、輻射部材37の輻射熱を利用した場合の方が対流熱を利用した場合よりも効率よく焼成できるためである。
本発明の焼成装置の一実施の形態の概略断面図である。 図1の焼成装置の部分拡大断面図である。 本発明の一実施例におけるサンプル採取位置を示す上面図である。 本発明の一実施例および比較例における焼き色分布を示すグラフである。
符号の説明
1 トンネルオーブン
3 焼成炉
5 コンベヤ
5a 搬送面
8 筒状外壁
8a 入口
8b 出口
10,11,12 上部加熱手段
14,15,16 下部加熱手段
17,18 ガスバーナー
20,21 遮板
25,26 仕切り部
30 第1ゾーン
32 第2ゾーン
34 第3ゾーン
37 輻射部材
38 穴
40 温度管理手段
41a,41b 内壁温度センサ
43a,43b 炉内気温センサ
45 制御手段
100 天板
102 被焼成物

Claims (1)

  1. 被焼成物として食品を収容可能な炉と、
    炉内に遠赤外線を放射する輻射内壁と、
    輻射内壁の温度及び炉内気温に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御する温度管理手段とを備え
    前記炉は入口と出口とを有し、前記炉の入口から炉の内部を通って出口まで被焼成物を搬送する搬送手段を備え、
    前記炉の内部空間は、前記搬送手段の走行方向に複数のゾーンに仕切られて、該複数のゾーンはそれぞれ独立して温度条件や加熱条件が制御され、
    前記温度管理手段は、前記複数のゾーンのうち少なくとも1つのゾーン内において、当該ゾーンの入口領域と中央領域の輻射内壁の温度および炉内空気温度に基づいて輻射内壁への熱供給量を制御することを特徴とする、焼成装置。

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