JP5885013B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
本構成によれば、コネクタハウジングに装着されるリテーナは、シールリングを端子金具の突出部の先端側から押さえると共に、端子金具と係合する係合部を有するため、端子金具のキャビティからの抜けを防止し、かつ、シールリングのズレを防止することができる。
また、ボルトの締め付け作業性を向上させることができる。
本発明に係るコネクタは、キャビティを有するコネクタハウジングと、前記キャビティに収容されたときに前記コネクタハウジングから突出状態となる突出部を有する端子金具と、前記コネクタハウジングのうち前記端子金具の前記突出部の根本部分に対応して形成されたシールリング収容凹部と、前記シールリング収容凹部に収容され前記端子金具が貫通して前記端子金具と前記シールリング収容凹部の内壁との間をシールするシールリングと、前記コネクタハウジングに装着され前記シールリングを前記端子金具の前記突出部の先端側から押さえると共に、前記端子金具と係合する係合部を有するリテーナと、を備え、前記突出部には、貫通孔が設けられており、前記貫通孔に挿通されたボルトがナットと螺合した状態で相手側接続部材が締め付けられて固定されているものであり、前記リテーナには、前記ナットを保持するナット保持部が設けられているところに特徴を有する。
本構成によれば、コネクタハウジングに装着されるリテーナは、シールリングを端子金具の突出部の先端側から押さえると共に、端子金具と係合する係合部を有するため、端子金具のキャビティからの抜けを防止し、かつ、シールリングのズレを防止することができる。
また、ナット保持部をハウジングに設けないで済むため、シールリングやリテーナの装着時における障害物がなくなり、シールリングやリテーナの装着が容易になる。
前記端子金具は、雄タブ端子である。
このようにすれば、シールリングの取付構造を簡素化できる。
リテーナと保持壁との間には、リテーナ装着時のスペースを確保できる分だけ離間させる必要があるが、本構成によれば、保持壁を支持部の少なくとも一部を一対の保持壁間に挿通させることで、支持部を一対の保持壁間に挿通させない場合と比較して、リテーナ装着時に必要なリテーナとナット保持部との間のスペースを少なくすることができ、コネクタを小型化することが可能になる。
以下、本発明の一実施形態のコネクタ10について、図1〜図16を参照して説明する。
このコネクタ10は、ハイブリット自動車や電気自動車等の車両において走行用の動力源を構成するバッテリ、インバータ、モータなどの装置(図示せず)の間に配索されるワイヤーハーネスの端末部に装着するものであり、本実施形態では、モータ、インバータ間におけるモータ側の端末に接続され、モータ側の機器のケースに取り付けられるようになっている。以下では、上下方向については図2を基準として説明し、図2の右方を前方、左方を後方として説明する。
このような形状の電線11は、送電特性が良く、また、外気に触れる面積が大きいため放熱性が良いことに加えて、フラット形状であることにより折り曲げが容易になるため電線11の配索がしやすいという特徴を有する。
突出部23は、電線接続部21の前方に連なる根元部分にシールリング45が装着されるシールリング装着部22を有している。突出部23のうちシールリング装着部22の前方には、矩形の係合孔25と、係合孔25の前方にてボルト65の軸部65Bを挿通可能な円形のボルト孔24(本発明の構成の「貫通孔」の一例)とが貫通形成されている。
なお、雄端子金具20を押出成形に代えて、断面円形状の金属を扁平な形状に押し潰して扁平な形状に成形するようにしてもよい。
各端子収容室31には、図6に示すように、雄端子金具20を挿通可能な扁平な形状のキャビティ32と、キャビティ32の前方に段差状に拡径されて連なるシールリング収容凹部33と、図5に示すように、シールリング収容凹部33の前方に連なるリテーナ装着凹部34と、ハウジング30の前端部にてナット64を保持するナット保持部37と、を備えている。
シールリング収容凹部33は、シールリング45をほぼ隙間なく装着可能な横長(左右方向に長い)の長円形状をなしており、キャビティ32の前端から全周に亘って段差状に拡径されている。
端子収容室31(のリテーナ装着凹部34の第二凹部34B)の下壁31B(底壁)は、リテーナ装着凹部34よりも前方(図5の右方)に延出されるとともに、延出された部分には、ナット64を保持するナット保持部37が形成されている。
左右一対の保持壁38,38の間は、図14に示すように、前後に開口する挿通部40となっている。これにより前方からナット64を一対の保持壁38,38間の挿通部40に挿通できる。また、後述するリテーナ50の仮保持位置(図12の位置)において、リテーナ50の縮径突部56を挿通部40に挿通できるようになっている。これにより保持壁38,38の後端を閉塞する場合と比較して、縮径突部56が挿通される部分だけハウジング30を後方に延出する必要がないため、ハウジング30の前後方向における小型化を図ることができる。
このシールリング45の中央部には、雄端子金具20の突出部23を挿通可能な扁平な形状の端子挿通孔46が形成されている。
シールリング45の外周面及び端子挿通孔46の内面には、波形のリップが形成されている。
押さえ部51は、図8に示すように、シールリング45とほぼ同形状の横長の長円形状をなし、ほぼ一定の厚み(前後方向の寸法)で形成され、中心部には、雄端子金具20の突出部23が挿通される端子挿通孔52が形成されている。
押さえ部51の上部には、凹部が形成されているとともに、この凹部から係止部53が突出している。
係止部53は、押さえ部51の長円の丸みを帯びた最上端よりもわずかに上方に突出しており、図9に示すように、係止部53の前端が段差状に切り立つ段差部53Aとされ、その上端から後方に傾斜状に低くなる形状をなす。シールリング45が装着された状態で、リテーナ50がシールリング45を押さえつける所定位置まで挿入されると、図15に示すように、ハウジング30のリテーナ装着凹部34に設けられた係止孔35の孔縁に係止部53の前端の段差部53Aが係止されてリテーナ50が位置決めされる。
縮径突部56は、張り出し部55に対して幅方向の中間部に形成されており、ナット保持部37の一対の保持壁38,38の間の寸法(挿通部40の寸法)よりもわずかに小さい幅寸法となっている。支持部54の上面における後端部からは前方に向けて片持ち状に延びる撓み片57が設けられており、この撓み片57の先端部(上端部)には、上方に突出する係合部58が設けられている。
この係合部58の段差部58Aが、図2に示すように、雄端子金具20の突出部23に設けられた係合孔25の孔縁に係合(係止)することで、雄端子金具20の後方への抜けが規制されるようになっている。
端末シール凹部43内の内壁には、係止孔部44が設けられ、ゴム栓押さえ61の係止爪61Aが係止孔部44に係止されることでゴム栓60が位置決めされている。
図11に示すように、ハウジング30の後端部の端末シール凹部43にゴム栓60及びゴム栓押さえ61をはめ込むとともに、シールリング45をハウジング30の開放部36を通してシールリング収容凹部33にはめ込む。
次に、図12,図13に示すように、リテーナ50をハウジング30の開放部36から通し、縮径突部56が一対の保持壁38,38の間に挿通された状態の仮保持位置(図12の右側のリテーナ50の位置、図13のリテーナ50の位置)まで挿入する。
次に、図16に示すように、電線11の端末に接続された雄端子金具20をハウジング30の後方からゴム栓60及びゴム栓押さえ61の電線挿通孔を通してキャビティ32に挿入し、更に、シールリング45の端子挿通孔46及びリテーナ50の端子挿通孔52を通し、リテーナ50の係合部58が雄端子金具20の突出部23の係合孔25に挿通される(係合する)位置まで挿入する。
また、ナット64をナット保持部37の一対の保持壁38,38の所定位置に挿通する(保持する)。このとき、ナット64は、一対の保持壁38,38により回転不能に保持されるとともに、ナット64のネジ穴64Aと雄端子金具20のボルト孔24とが連通する。
(1)コネクタ10は、キャビティ32を有するハウジング30(コネクタハウジング)と、キャビティ32に収容されたときにハウジング30から突出状態となる突出部23を有する雄端子金具20(端子金具)と、コネクタハウジング30のうち雄端子金具20の突出部23の根本部分に対応して形成されたシールリング収容凹部33と、シールリング収容凹部33に収容され雄端子金具20が貫通して雄端子金具20とシールリング収容凹部33の内壁との間をシールするシールリング45と、コネクタハウジング30に装着されシールリング45を雄端子金具20の突出部23の先端側から押さえると共に、雄端子金具20と係合する係合部58を有するリテーナ50とを備えている。
これにより、コネクタハウジング30に装着されたリテーナ50は、シールリング45を雄端子金具20の突出部23の先端側から押さえることで、シールリング45のズレを防止することができるとともに、雄端子金具20と係合する係合部58を有するため、雄端子金具20のキャビティ32からの抜けを防止することができる。
(3)突出部23には、ボルト孔24(貫通孔)が設けられており、ボルト孔24を挿通させたボルト65をナット64と螺合させ相手側端子の雄タブTb(相手側接続部材)を締め付けて固定するため、突出部23を相手側端子に強固に接続することができる。
(5)ナット保持部37は、一対の保持壁38,38を有し、リテーナ50は、シールリング45を押さえる押さえ部51と、押さえ部51をシールリング45とは反対側から支持する支持部54とを有し、支持部54の少なくとも一部は、一対の保持壁38,38間に挿通される。
リテーナ50と保持壁38,38との間には、リテーナ装着時のスペースを確保できる分だけ離間させる必要があるが、本実施形態によれば、支持部54の少なくとも一部の縮径突部56を一対の保持壁38,38間に挿通させることで、支持部54を一対の保持壁38,38間に挿通させない場合と比較して、リテーナ装着時に必要なリテーナ50とナット保持部37との間のスペースを少なくすることができ、コネクタ10を小型化することが可能になる。
次に、本発明の実施形態2を図17及び図18を参照して説明する。実施形態1では、ナット保持部37は、ハウジング30に設けられていたが、実施形態2では、図17に示すように、ナット保持部72をリテーナ70と一体に形成し、ハウジング30には設けないようにしたものである。また、実施形態1では、ハウジング30の係止孔35及びリテーナ50の係止部53は、1つの端子収容室31及び1つのリテーナ50につき上部に1個づつであったが、実施形態2では、図18に示すように、ハウジング80の係止孔35,81及びリテーナ70の係止部53,76は、1つの端子収容室31及び1つのリテーナ70につき上下2個ずつ設けられている。他の部分は実施形態1と同一であるため、実施形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
ナット保持部72は、外周が六角形のナット64を回転不能に保持する左右一対の保持壁73,73と、保持壁73,73の下端から内方に張り出してナット64を載置可能な載置部74とを有する。
左右一対の保持壁73,73の間は、前後に開口する挿通部となっている。この挿通部により、前方からナット64をナット保持部72に挿通できる。
また、図18に示すように、ハウジング80には、天井壁80Aの係止孔35に加えて、底壁80Bに長方形状の係止孔81が設けられる一方、リテーナ70には、上端部の係止部53に加えて、下端部の係止部76が設けられている。
係止部76は、片持ち状に後方に延出された撓み片の先端部(下端部)に形成されており、係止部76の前端が段差状に切り立つ段差部76Aとされ、その先端から後方に傾斜状に低くなる形状をなす。なお、下端の係止部76の前後方向の長さは、上端の係止部53よりも長くなっている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、2個の雄端子金具20が装着されるコネクタ10について説明したが、これに限られず、1個又は3個以上の端子金具が装着されるコネクタに適用することも可能である。例えば、3相交流を伝送可能な3本の電線11を2組備えた6本の電線11の端末に装着された6個の端子金具が装着されるコネクタとしてもよい。
11…電線
12…導体部
13…絶縁被覆
20…雄端子金具(端子金具)
21…電線接続部
22…シールリング装着部
23…突出部
24…ボルト孔(貫通孔)
25…係合孔
30,80…ハウジング
31…端子収容室
32…キャビティ
33…シールリング収容凹部
34…リテーナ装着凹部
35,81…係止孔
36…開放部
37,72…ナット保持部
38,73…保持壁
39,74…載置部
40…挿通部
45…シールリング
46…端子挿通孔
50,70…リテーナ
51…押さえ部
52…端子挿通孔
53,76…係止部
53A,76A…段差部
54,71…支持部
55…張り出し部
56…縮径突部
58…係合部
58A…段差部
64…ナット
64A…ネジ穴
65…ボルト
Tb…雄タブ
Claims (4)
- キャビティを有するコネクタハウジングと、
前記キャビティに収容されたときに前記コネクタハウジングから突出状態となる突出部を有する端子金具と、
前記コネクタハウジングのうち前記端子金具の前記突出部の根本部分に対応して形成されたシールリング収容凹部と、
前記シールリング収容凹部に収容され前記端子金具が貫通して前記端子金具と前記シールリング収容凹部の内壁との間をシールするシールリングと、
前記コネクタハウジングに装着され前記シールリングを前記端子金具の前記突出部の先端側から押さえると共に、前記端子金具と係合する係合部を有するリテーナと、を備え、
前記突出部には、貫通孔が設けられており、前記貫通孔に挿通されたボルトがナットと螺合した状態で相手側接続部材が締め付けられて固定されているものであり、
前記ハウジングには、前記ナットを保持するナット保持部が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記ナット保持部は、一対の保持壁を有し、
前記リテーナは、前記シールリングを押さえる押さえ部と、前記押さえ部を前記シールリングとは反対側から支持する支持部とを有し、
前記支持部の少なくとも一部は、前記一対の保持壁間に挿通されることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。 - キャビティを有するコネクタハウジングと、
前記キャビティに収容されたときに前記コネクタハウジングから突出状態となる突出部を有する端子金具と、
前記コネクタハウジングのうち前記端子金具の前記突出部の根本部分に対応して形成されたシールリング収容凹部と、
前記シールリング収容凹部に収容され前記端子金具が貫通して前記端子金具と前記シールリング収容凹部の内壁との間をシールするシールリングと、
前記コネクタハウジングに装着され前記シールリングを前記端子金具の前記突出部の先端側から押さえると共に、前記端子金具と係合する係合部を有するリテーナと、を備え、
前記突出部には、貫通孔が設けられており、前記貫通孔に挿通されたボルトがナットと螺合した状態で相手側接続部材が締め付けられて固定されているものであり、
前記リテーナには、前記ナットを保持するナット保持部が設けられていることを特徴とするコネクタ。 - 前記端子金具は、雄タブ端子であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のコネクタ。
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