JP5882520B1 - 貯槽構造および貯槽の施工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外槽ライナが防液堤の外側型枠を兼用する工事を、外槽ライナ工事が1段に限らず多段に防液堤工事と干渉せずに独立的に先行工事できる貯槽構造及び貯槽の施工法を提供すること。【解決手段】本発明は、防液堤を備えた外槽及び内槽を備えてなる貯槽であって、前記外槽に、自立可能な外槽側ライナを備えたことを特徴とし、また、前記外槽側ライナはスチフナを設けてなり、前記防液堤の内側型枠を兼用し、前記外槽側ライナは複数備えられ、各前記外槽側ライナ同士が裏当金突合せ溶接により接合されていることを特徴とする。【選択図】図3A

Description

本発明は、ガス貯蔵タンクに係り、主に、液化天然ガス(LNG)を貯蔵する貯槽構造および貯槽の施工法に関するものである。
天然ガスは、化石燃料の中でも二酸化炭素の排出量が少ないエネルギー源として知られ、その埋蔵量も多いと言われ安定供給が見込まれている。
こうした背景のもと、石油や石炭に代わる液化天然ガス(以下、「LNG」と言う。)を貯蔵する低温貯槽設備の導入も進んでいる。
このLNG貯槽として、図10に示すように、内槽、外槽からなる二槽構造のものが知られている。図10Aに示す貯槽は、内槽側板a3、内槽屋根a5、内槽底板a7と、外槽側ライナa2、外槽屋根a4、外槽底板a6の二重槽からなる。この二重槽内にLNGが貯蔵される。内槽および外槽は、金属製で構築され、さらに、その外側に、災害時のLNG漏えいを拡散しないようにコンクリート壁からなる防液堤a1を備えたものである。
この図10Aに示す構造では、貯槽スペースの外に防液堤を設けるスペースが必要となることから、図10Aに示す構造に代えて、図10Bに示す構造も採用されるに至っている。
図10Bに示す貯槽は、内槽側板b3、内槽屋根b5、内槽底板b7と、外槽側ライナb2、外槽屋根b4、外槽底板b6とからなり、この外槽側ライナb2にPC(プレストレストコンクリート)からなるPC防液堤b1を一体化したものである。この二重槽内にLNGが貯蔵される。かかる構造とすることで、従来の防液堤スペースを削減することができ、同スペースを利用してLNG貯槽の大型化も図ることができる。
この種の二重槽構造に、LNGを貯蔵する場合は、LNGを液化したまま低温貯蔵として内槽が働き、その外側の外槽はその気化圧に耐え得る構造となっている。さらに漏れ防止等のため、外槽側ライナにPC防液堤が設けられている。
防液堤に外槽側ライナを兼用させコンクリート外槽側ライナとして一体化して構築する例としては、特許文献にも見られる。
特開平6−34098号公報 特開2015−48621号公報
従来知られている貯槽の構築法として、特許文献に見られる防液堤と外槽側ライナとを一体化して構築するものはあるが、まず外槽側ライナを構築した後に内槽側板を構築するものである。従って、外槽側ライナが出来上がるまでは、内槽側板の構築工程に入れず、その工期に時間がかるものであった。
即ち、PC防液堤の施工が先行しその作業エリアが内槽及びその底部の底部保冷作業と干渉する為、内槽の立ち上げ時期を待つ必要があった。また、PC防液堤施工用の内側型枠、その足場構築が内槽側板上部に張り出すため、内槽側板組立の支障となりPC防液堤、外槽側ライナの施工進捗を優先する必要があった。また、PC防液堤施工用の材料や足場の吊り込み時やコンクリート打設時などに、その直下で行われる内槽側板や屋根構築の作業について相互に作業制限を受けていた。さらには、PC防液堤、外槽側ライナの完成後に屋根浮上を行うため、内槽を単独であるいは並行して完成することができなかった。
この点で、たとえば特許文献2では、外槽側ライナと防液堤の内側型枠とを兼用させるとする技術思想が開示される。しかしながら、特許文献2を含む従来技術では、外槽側ライナ設置→防液堤外側型枠建込→コンクリート打設、との工程を1段ずつ行わねばならない。このため、従来技術では、1段ごとに外槽施工と防液堤に係る鉄筋コンクリート施工との取合いが生じ、工期面において十分な早期性を確保できないばかりでなく、安全面においては取合いによる上下作業、錯綜作業がリスクを発生させる点が問題である。
本発明はこうした従来技術に係る問題点を解決することを企図したものであり、外槽側ライナが防液堤の外側型枠を兼用する工事を、外槽ライナ工事が1段に限らず多段に防液堤工事と干渉せずに独立的に先行工事できる貯槽構造及び貯槽の施工法を提供することを目的とする。詳細には、外槽側ライナの構造を防液堤の施工に多段的であっても拘束されずに自立可能な構造とし、防液堤の構築の型枠としても使用できる貯槽構造及び貯槽の施工法を提供することを目的とするものである。また、自立可能な外槽側ライナとすることで、外槽側ライナの構築、防液堤の構築、内槽側板の構築、内槽屋根及び外槽屋根の構築などを、それぞれ、独立あるいは並行して施工可能とし、外槽側ライナおよび防液堤、内槽側板、内槽屋根及び外槽屋根の各構築が完了したときに、内槽屋根と内槽側板、外槽屋根と外槽側ライナをそれぞれ上方で取り付けて貯槽として完成させることの可能な貯槽構造及び貯槽の施工法を提供することを目的とするものである。即ち、この貯槽の構築において、内槽に関わる作業が最も時間・工数がかかるので、外槽側ライナ、PC防液堤、内槽屋根および外槽屋根を並行して作業することで効率の良い工事工程を実現する貯槽構造及び貯槽の施工法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の一態様に係る貯槽構造は、防液堤の内部に施工され自立補助手段が加えられた外槽側ライナと、前記外槽側ライナの内側に施工される内槽を備えた貯槽構造とを備えたことを特徴とする。すなわち、本発明は、防液堤を備えた外槽及び内槽を備えてなる貯槽であって、前記外槽に、自立可能な外槽側ライナ(以下、単に「側ライナ」ともいう。)を備えたことを特徴とする貯槽構造を提供するものである。また、前記外槽側ライナはスチフナを設けてなり、前記防液堤の内側型枠を兼用する構成とすることもできる。さらに、前記外槽側ライナは複数の周曲された平板が上下方向及び/もしくは周回方向に連接されてなり、各前記複数の周曲された平板同士が裏当金突合せ溶接により接合されている構成とすることもできる。
ここで、「自立補助手段が加えられ」とは、本願の外槽側ライナが建て方される際に起立の保持を強化するためのあらゆる機構をいい、周方向に曲げられた平板材たる外槽側ライナの凸面及び/もしくは凹面の周回方向もしくは/及び重力方向に一定の寸法間隔でスチフナが接合されることで側ライナ全体の剛性を高める態様、当該外槽側ライナの平断面において少なくとも部分的に屈曲もしくは折り曲げ加工された構造を採用することで形状的に側ライナの剛性を高める態様、外槽側ライナの板厚を一定以上の寸法とすることで側ライナの剛性を高める態様、外槽側ライナを比較的初期段階で周回方向に連綿と結合させて環状を形成させることで環状体としての剛性を高める態様、外槽側ライナの周回方向にスチフナもしくは補助板を接合したうえで該外槽側ライナを周回方向に連綿と巻回させて環状を形成させつつ当該スチフナもしくは補助板をも結合させてバンド状の環状体を形成させることでリブ付環状体としての剛性を高める態様、外槽側ライナの凸面に表面からスタッドジベル等の部材が突合するように設けることで側ライナの剛性を高める態様、外槽側ライナとこれに積層もしくは連接される外層側ライナとの接合部分に裏当板等を仮設もしくは本設的に設置することで接合部分の剛性を高める態様等が採用されてよく、このいずれもが本願の技術思想に包摂される。この自立補助手段が外槽側ライナに加えられることによって、該側ライナの建て方の際に自立状態を多層にわたって保持することが可能となる。ここで「多層」とは、1枚ものである外槽側ライナが複数層に亘って上下方向に積層されることをいう(以下、特記無き限り同様)。
本発明によれば、外槽側ライナの施工を防液堤の構築に依存せずに先行して行うことができる。また、本発明によれば、外槽側ライナの溶接を内面からのみの溶接継手とすることができ、側ライナ作業は貯槽内側からのみのかかわりで施工可能となり防液堤の作業に干渉しない。このため、側ライナを境に、内側と外側との施工を物理的に分離することができるから、側ライナの外側の作業足場を準備することを不要とする経済的な効果のみならず、側ライナ側の施工と防液堤側の施工とが入り混じることで生じ得る落下事故等の起こる余地をなくすという安全上の効果も奏されることとなる。この場合においては特に、外槽側ライナを自立可能に構築するので、単に外槽側ライナを防液堤型枠と兼用したこと以上の効果として、側ライナの多層分の先行施工が可能となるから、単層ごとに行うしかなかったために1層ごとに取合い作業・入れ替わり作業が発生せざるを得なかった特許文献2等からの工期的制約から解放され、工期短縮、安全性確保を一層推進することができる。
また、本発明は、前記側ライナを用い、その外側にコンクリートを打設形成することができ、また、該コンクリートとして、プレストレストコンクリートを用いて貯槽構造を提供するものである。
本発明によれば、自立した外槽側ライナを型枠として用いることができ、この外槽側ライナと外側に設けられる型枠との間にコンクリートを打設することで、外槽側ライナとプレストレストコンクリート防液堤(PC防液堤)とを一体化することができる。また、外槽側ライナが防液堤のコンクリート打設用の内側型枠を兼用するので、防液堤の作業は貯槽の外面からのみの係わりで施工可能となり、貯槽内面で行われる内槽に係わる作業に干渉しない。この場合に、特に、外槽側ライナを自立可能に構築することで、側ライナの多層分の先行施工を可能とした結果、従来よりも一層の工期短縮、安全性確保を推進することができる点については上記と同様である。
また、本発明は、前記スチフナは、帯状で断面が平板状或いはL字形状もしくはT字形状をしており前記側ライナの周回方向に巻くように設けられていることを特徴とする貯槽構造を提供するものである。上記構成によれば、外槽側ライナに自立強度を確保する一定以上の剛性、すなわち多層分自立可能とする程度の剛性を持たせることもできる結果として、外槽側ライナの板厚を相対的に薄くすることができる。
ここで、上記構成に係る本発明において、オプションとして鉄筋受架台をコンクリート打ち込み用にセットし、かかる鉄筋受架台もしくは上記スチフナに接合させもしくはこれらを貫通させるように鉄筋をあらかじめセットしたものを外槽側ライナと一体加工しておくようにしてもよい。このようにした場合には、タンク施工現場での鉄筋工の作業を最小化できるとともに、鉄筋工と型枠工との交錯、鉄筋工とその他職種工との交錯を最小化できるから、安全上の懸念事項を減少させ、より一層の安全性が物理的に担保された施工環境を実現することが可能となる。
また、上記課題を解決するために本発明の一態様に係る貯槽の施工法は、内槽側板の施工工程と、予め自立補助手段を外槽側ライナに付設する工程と、前記自立補助手段が付設された外槽側ライナを施工する工程と、前記外槽側ライナを内側型枠としこれと相対する外側型枠を施工する工程と、前記外槽側ライナと前記外側型枠との間にコンクリートを打設して防液堤を施工する工程とを備えてなる。前記自立補助手段として、前記外槽側ライナにスチフナを設ける構成をとることもできる。本発明の別態様として、これらの構成に加えてさらに、内槽屋根及び外槽屋根を組み立てもしくは準備する工程とを備え、内槽側板上部の形成工程が完了した後、前記内槽屋根を前記内槽側板の上部側に連結し、外槽側ライナ上部の形成工程が完了した後、前記外槽屋根を前記外槽側ライナの上部側に連結するとする構成をとることもできる。
本発明によれば、外槽側ライナを自立形とし、この外槽側ライナを用いて防液堤を構築することで、外槽側ライナ及び内槽側板の各施工を、防液堤側すなわち外槽側ライナよりも外側の各種工事の施工とは並行かつ独立して進めることができる。さらには、内槽屋根及び外槽屋根の施工を、外槽側ライナ、内槽側板の各施工と並行、独立して進めることができる。
また、本発明は、前記内槽屋根と外槽屋根とを組み立てる工程には、前記内槽屋根と前記外槽屋根との間に仮支柱を取り付ける工程を含み、前記内槽屋根を組み立てる工程には、内槽側板に沿って内槽屋根を空気圧にて浮上させるための仮屋根を取り付ける工程と、シール部を取り付ける工程とを含むことを特徴とする貯槽の施工法を提供するものである。
本発明によれば、外槽側ライナ、内槽側板の各施工と並行して内槽屋根及び外槽屋根の施工を進めることができるので、外槽側ライナ、内槽側板がそれぞれ出来上がる段階で、内槽屋根及び/もしくは外槽屋根との接続を行うことができる。
また、本発明は、前記外槽側ライナの施工工程は、たとえばスチフナプレートの付設を含めた自立補助手段の付設を加えたことで多層の自立性を維持する剛性を有する側ライナを所定枚数取り付け、前記側ライナの外側に設けられる外側型枠との間にコンクリートを打設し、防液堤を外槽側ライナと一体化して形成する工程を含んでなることを特徴とする貯槽の施工法を提供するものである。
本発明によれば、外槽側ライナを多層分にわたって自立形とすることを可能としたうえで先行させることで、これと相対する防液堤の外側型枠の施工にあたっては片側だけの施工で済むから、コンクリート打設前の現場要搬入資材を少なくできる。よって、コンクリート打設工事の前工事における現場錯綜状況を整然としたものに変え、安全性の一層の向上、資材置き場の節約、工期の一層の短縮を実現することができる。
本発明によれば、外槽側ライナの構造として多層分を独立して自立可能な構造を用い、外槽側ライナを型枠として防液堤を構築でき、また、内槽側板の施工と、外槽側ライナの施工の各施工の優先順位が問われないので、施工全体の工期を大幅に短縮できる。また、上記自立可能とすることで、施工途中における倒壊を防止することができる。さらには、強風、地震等が発生した場合でも倒壊を防止し安全な施工環境を実現することができる。
また、本発明は、前記内槽屋根と外槽屋根とを組み立てる工程には、前記内槽屋根と前記外槽屋根との間に仮支柱を取り付ける工程を含み、前記内槽屋根を組み立てる工程には、仮屋根部を取り付ける工程と、シール部を取り付ける工程とを含むことを特徴とする貯槽の施工法を提供するものである。
本発明によれば、内槽側板の施工、外槽側ライナの施工の各工程の進捗に係わりなく、内槽屋根および外槽屋根を組み立てる工程を進めるとともに、浮上用機構を内外槽施工側・防液堤施工側の取合い/錯綜なしに構築でき、すなわち防液堤側施工が内槽側板、外槽側ライナの工事に依存しない施工環境を実現できるので全体の工期短縮に寄与できる。また、内槽側板及び内槽屋根が完成した時点で内槽屋根の上に外槽屋根を乗せた状態で屋根を浮上させるので防液堤の施工進捗に係わらず内槽を完成することが出来る。
また、本発明は、前記外槽側ライナの施工工程は、スチフナを備えた剛性の側ライナを所定枚数取り付け、前記側ライナの外側に設けられる外側型枠との間にコンクリートを打設することで外槽側ライナと一体化される防液堤を形成していく工程を含んでなることを特徴とする貯槽の施工法を提供するものである。
さらにまた、本発明の別態様において、前記外槽側ライナは複数の周曲された平板が上下方向及び/もしくは周回方向に連接されてなり、各前記複数の周曲された平板同士が裏当金突合せ溶接にて接合されている構成をとることもできる。また、本発明は、上記の構成に加えて、前記内槽工程は内槽側板を立設する内槽側板施工工程を含み、前記内槽側版の施工に連動させて該内槽側板の上部に内槽屋根を取り付ける内槽屋根施工工程と、前記内槽側板及び前記外槽側ライナが組み上がってから前記内槽屋根及び外槽屋根を前記外槽側ライナと接合する側板屋根接合工程とをさらに含む構成をとることもできる。
総じて本発明によれば、外槽側ライナの施工工程において、外槽側ライナの外側のコンクリートの打設を容易にでき、防液堤を外槽側ライナに一体化して構築できる。
本発明の貯槽構造は、外槽側ライナとして、例えばスチフナを付けることを含めた自立補助手段を付設されたことで多層にわたる自立可能性が強化した外槽側ライナを実現しているので、これを防液堤の内側型枠を兼用するものとして利用することで、1層ごとの交錯を取り除いた多層にわたる内・外の別途・並行作業を可能とする施工環境を提供することができる。この内側型枠は取り外すことなく防液堤と一体化できるから、型枠の設置、取り外しの工期を削減できる。また本発明の施工法によれば、外槽側ライナを多層分自立して構築できるのでこの外槽側ライナを用いて防液堤の施工を、外槽側ライナの多層分施工完了後に、外槽側ライナより内側の各種工事の施工とは物理的に隔離された状況で独立して一挙に進めることができ、また一方で、外槽側ライナより内側においては、その外槽側ライナより外側の防液堤施工に係る各種工事と独立、並行して内槽側板の構築等内側の各種工事を追うことができる。また、内槽屋根及び外槽屋根の構築・設置も内槽側板および外槽側ライナの上部で支持できる状態になることを待たずに行うことができので、従来より一層の工期短縮ができ、貯槽建設の全体工期を短縮することができる。
本発明の一実施形態に係る貯槽の施工の基礎工程を説明する図であり、その全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の施工の基礎工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の施工のうち外槽側ライナ及びそれに付設する自立補助手段の一としてのスチフナを説明するための概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側ライナ、内槽側板、内槽屋根の各施工の初期工程を説明する図であり、その全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側ライナ、内槽側板、内槽屋根の各施工の初期工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行工程を説明する図であり、その全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行と同時に屋根の浮上のための事前処理工程を説明する図であり、その全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行と同時に屋根の浮上のための事前処理工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行と同時に屋根の浮上のための準備工程を説明する図であり、その全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行と同時に屋根の浮上のための準備工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板の施工と、内・外槽屋根の浮上処理工程、内槽屋根と内槽側板の取付工程を説明する図であり、全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側板の施工と、内・外槽屋根の浮上処理工程、内槽屋根と内槽側板の取付工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の内・外部付属品の取付工程と内・外槽屋根の外槽屋根と外槽側板(側ライナ)の取付工程を説明する図であり、その全体図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の内・外部付属品の取付工程と内・外槽屋根の外槽屋根と外槽側板(側ライナ)の取付工程を説明する図であり、その一部拡大図を示す図である。 本発明の一実施形態に係る貯槽の完成にいたる工程を説明する図であり、全体構造を説明する図でもある。 本発明の一実施形態に係る外槽側板(側ライナ)の施工に関し、外槽側板の溶接、取付工程を説明する図であり、内槽側板、外槽側板、防液堤の並行して施工が進められる全体説明図を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る外槽側板(側ライナ)の施工に関し、外槽側板の溶接、取付工程を説明する図であり、外槽側板(側ライナ)の突き合わせ溶接の施工を説明するための説明図である。 本発明の一実施形態に係る外槽側板(側ライナ)の施工に関し、外槽側板の溶接、取付工程を説明する図であり、外槽側板(側ライナ)の裏当金付き突き合わせ溶接の施工を説明するための説明図である。 本発明の背景技術としての内槽、外槽からなる二槽構造の貯槽を説明する図であり、貯槽と独立して防液堤を備える貯槽構造を示す図である。 本発明の背景技術としての内槽、外槽からなる二槽構造の貯槽を説明する図であり、外槽側板と防液堤を一体化した貯槽構造を示す図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。まず、本発明の一実施形態に係る貯槽全体の施工工程と貯槽構造とについて説明する。施工としては、大きく分けて、内槽側板の施工、外槽側ライナに係る自立補助手段の付設施工、外槽側ライナの施工、防液堤の施工、内槽屋根の施工、外槽屋根の施工を備えてなる。また、基礎版等の施工と、それに伴う排水機構の施工、また、内槽屋根の施工と外槽屋根の施工とに関連しての浮上用機構の施工などが、それぞれ必要に応じて行われる。また、貯槽構造としては、内槽側板、外槽側ライナ、防液堤、内槽屋根及び外槽屋根からなる、基本構造がある。
また、本発明に係わる機構として、内槽屋根及び外槽屋根が組み立てられた後、内槽側板、外槽側ライナのそれぞれ当該屋根が取り付け固定されたのちは、不要となる浮上用機構などがある。従来の構造、工法は、防液堤を構築するに際し、コンクリートの打設のために、内側型枠、外側型枠を必要とすることから、防液堤の施工、外槽側ライナの施工等、優先順があった。本発明では、外槽側ライナを自立形とすることに着目し、かかる制限がなく内槽の構築、内槽屋根及び外槽屋根の組み立て、内部工事等を並行もしくは先行して進めることができることになる。この点についての詳細は以下に順を追って明らかとなる。
まず本発明の一実施形態に係る貯槽の施工の基礎工程を図1により説明する。図1Aの全体図において、貯槽の土台となる支持杭1が所定数打ちこまれ、底板となる基礎版、底部ライナ2を施工する。その上部の円周囲に、内槽側板の土台となる内槽アニュラ(図示略)、内槽側板を取り付けるアンカーストラップ3を設置する。また外槽側ライナとなる側ライナ5を設置する。外槽側ライナ5はたとえばスチールで形成されている。貯槽の外周を一部拡大して図1Bに示す。
図1Bにおいて、外槽側ライナ5には、強度を保つために要所にスチフナ(以下、「スチフナプレート」ともいうが、形状はプレートに限定されない。)6が取り付けられている。図1Cは本発明の一実施形態に係る貯槽の施工のうち外槽側ライナ及びそれに付設する自立補助手段の一としてのスチフナを説明するための概念的斜視図である。図1Cに概念的に示されるように、自立補助手段の一としてのスチフナは外槽側ライナのたとえばタンク外面側(すなわち防液堤施工側)に平面を上下方向にとり、側面が外槽側ライナの周壁面に取り付け・接合されるように、たとえば事前に(鉄工所等で)組み立てられる。より詳細には、スチフナは上下方向に取り付けられる。この取付はたとえば溶接によることができる。
図1Cに示されるように、外槽側ライナのタンク外面側にはさらにスタッドジベル510が一定間隔で上下左右方向に取り付けられている。スタッドジベル510は、たとえば外槽側ライナ5に金属を採用した場合に当該金属面と(後に施工される)防液堤のコンクリートとの定着を増強させ金属面をコンクリートに固定するための金属部品である。また、外槽側ライナ5は一枚板を周壁状に曲げ加工して形成される。当該外槽側ライナは2枚または複数枚を予め地上で繋ぎブロック化して組み立てても良い。外槽側ライナ5の積層方向、周回方向には隣接する外層側ライナ5との接続をとるための裏当板520b,520aが取り付けられている。さらに周回方向には、より自立剛性を増すために、仮設スチフナ530が溶接または治具にて取り付けられている。なお、同図において、スチフナ6として平板のものを例として図示してあるが、スチフナとしてはこの形状に限定されるものではなく、たとえば断面L字形状、断面T字形状を含め各種形状のものを採用することができ、そのいずれであっても本願の技術思想に包摂される。なお、裏当板520a,520bの配置として同図に挙げた態様はその一例にすぎず、上下逆でもよいし、縦横の勝手違いも可能である。
同図には図示していないが、好適には、外槽側ライナ5の周回方向にスチフナ6を接合したうえで外槽側ライナ5を周回方向に連綿と巻回させて環状を形成させつつスチフナ6同士を結合させる。これにより外槽側ライナ5とスチフナ6とでバンド状の環状体が形成され、いわばリブ付環状体としての剛性が発揮されることが可能となる。これにより、外槽側ライナ5を多層に独立的に積層しても自立性が確保されることとなる。
なお、自立補助手段として、好適には上述したようにスチフナの採用を主眼としているが、それに加えて、或いはそれに換えて、上記のように外槽側ライナの凸面に表面からスタッドジベルを突設させる態様の採用、外槽側ライナの積層もしくは周回方向の接合部分に仮設スチフナを裏当として設ける態様の採用、外槽側ライナの板厚の厚いものの採用、外槽側ライナ5自体を平断面形状において少なくとも部分的に屈曲状もしくは折り曲げ状に加工したものを採用する態様、外槽側ライナ5を単層で1周分早期に巻回させつつ連綿と結合させて環状を形成させてしまい、形状面からの剛性を確保する態様等が考えられるが、すべて本願の技術思想に包摂される。
上記の態様においては、外槽側ライナ5は、スチフナ6にて強化されているので多層にわたって自立可能となる。これにより、施工途中における倒壊を防止することができる。さらには、強風、地震等が発生した場合でも倒壊を防止し安全な施工環境を実現することができる。また、外槽側ライナの溶接を内面からのみの溶接継手とすることができることから、側ライナ5の取付作業は図1Cでのタンク内面側からのみのかかわりで施工可能となり防液堤の作業に干渉しない。このため、側ライナ5を境に、内側と外側との施工を物理的に分離することができることとなり、側ライナ5のタンク外面側の作業足場を準備することを不要とする。のみならず、側ライナ5側の施工と防液堤側の施工とが入り混じることで生じ得る落下事故等の起こる余地をなくすから、現場の作業員にとって安全な作業環境が提供されることとなる。この場合においては特に、外槽側ライナが多層に自立可能に構築されるので、単に外槽側ライナを防液堤型枠と兼用したこと以上の効果として、側ライナの多層分の先行施工が可能となる。すなわち、これまで単層ごとに行うしかなかったために1層ごとに取合い作業・入れ替わり作業が発生せざるを得なかった従来技術における工期的制約から解放され、工期短縮、安全性確保を一層推進することができる。ここで、多層とは、図1Cで示される1枚ものである外槽側ライナ5が複数層に亘って上下方向に積層されることをいう。因みに、図1Cでは単層(1層)が周回方向に(横方向に)接続されている態様が示されている。多層を形成する際に裏当板520bにより接続性を強固にし、また、スチフナ6を上記のとおりに周回方向に環状に設けることで自立性を増強するものである。
さらに、この自立補助手段によって補強された側ライナ5は、防液堤10の型枠として使用できる。即ち、側ライナ5を内側の型枠とし、外側型枠(図示省略)との間に、スチフナ6を含め側ライナ5の外側(タンク外面側)に設置される鉄筋7等の施工した後にコンクリートを打設することで、PC防液堤と外槽側ライナとを一体化構築できる。図1Bに図示したスチフナ6は、断面L字形状で側ライナ5から上方へ突出するように取り付けられてなるが、このスチフナ6の形状については、これに限定されるものではなくたとえば図1Cに示されたもの等であってもよいのは上述のとおりである。スチフナ6の外槽側ライナとの取合い部分の態様としては、平板状に側ライナ5から突出して設けられてもよく、側ライナ5と外側に打設されるコンクリートからなるPC防液堤と相まって所望の強度を維持できるものであればその他の形状であってもよい。また、上記自立可能性を担保する手段として、上記に換えて/上記と相まって、外槽側ライナ5の板厚を所定以上の厚さにすることであってもよい。なお、本実施形態では、外槽側ライナ5の外側(タンク外面側)にスチフナ6を設けた例を示しているが、屋根浮上は内槽側板と内槽屋根との間の空気圧を利用して行うので、スチフナ6を側ライナ5の内側(タンク内面側)に設けるものであってもよい。
基礎施工の工程が終わると、内槽側板の施工、外槽側ライナの(現場)施工、内槽屋根及び外槽屋根の施工が開始されるが、本発明では、互いに拘束されずに独立、並行して施工できる。これら本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側ライナ、内槽側板、内槽屋根の各施工の初期工程を図2A、図2Bにて説明する。図2Aは全体図を示し、図2Bはその一部拡大図を示す。
図2Aの全体図において、右側は断面を、左側は外槽側ライナ、内槽側板の各一部外観を図示している。内槽側板の施工は、内槽アニュラ21の上に所定の大きさの内槽側板8を横方向および縦方向に溶接固定していき、1層、2層と順次組み立てていく。
また外槽側ライナ5の施工は、スチフナ6付きの側ライナ5を横方向および縦方向に溶接固定していき、1層、2層と順次組み立てていく。この外槽側ライナとしての側ライナ5は、スチフナ6にて強化されているので多層にわたっても自立可能であり、そのため、強風、地震等に対しても十分剛性を維持できることから、施工中の倒壊が防止される。また、この補強された側ライナ5は、防液堤10の型枠として使用できる。この側ライナ5の外側に鉄筋を配筋し、その外側に図示しない外側型枠(コンクリート型枠)を建方し、側ライナ5と外側型枠との間にコンクリートを打設して防液堤10が形成される。
この外槽側ライナ5を防液堤の有無に依らずに施工可能とし、自立可能な側ライナ5が結果として防液堤10の内側型枠としても使用できる仕組みの詳細は図9A乃至図9Cにて説明される。
図9Aは、本発明の一実施形態に係る内槽側板、外槽側ライナ、防液堤の各施工が並行して進められることを示している。内槽側板8は所定の大きさの鋼板を縦横方向に組合せて構築されるもので、所定の高さ足場(ブラケット足場)81を取り付けながら上方へ組み立てられる。
また、外槽側ライナ5も、所定の大きさの鋼板を縦横方向に組合せて構築されるもので、所定の高さ足場(ブラケット足場)51を取り付けながら上方へ組み立てられる。この側ライナ5の外側となる面には所定間隔でスチフナ6が取り付けられており自立できるので、外側に構築される防液堤10に先行して側ライナ5が図示のように構築できる。従って、防液堤10の構築には、この側ライナ5を内側型枠として使用でき、外側の足場11を組み、外側型枠(図示省略)の組み立てだけで、その型枠間にコンクリートを打設していくことになる。
側ライナ5の縦横方向の接続は、例えば縦方向では図9Aに図示される溶接継ぎ手位置52にて、図9Bに示されるように、側ライナ5の両面から突き合わせ溶接することで行われる。
一方、防液堤10の施工に際し、足場11の構築等が必要であるが、これは上記の次第により、側ライナ5の構築とは独立/並行して構築できることから、側ライナ5の構築と干渉する場合がでてくる。本発明では、これを解決するために、図9Cに示すように、側ライナ5の溶接継ぎ手位置52にて、裏当金53を当てて溶接する裏当金付き突き合わせ溶接を行うようにした。こうして防液堤10の施工と側ライナ5の施工とを夫々完全に独立/並行して進めることができる。
また、内槽屋根及び外槽屋根の施工については、まず内槽屋根9の構築から始められる。内槽屋根9の構築のため屋根架台94が組み立てられ、その上に内槽屋根9が架けられていく。かくして、内槽側板の施工、外槽側ライナの施工、内槽屋根の施工の、各工程が独立して行うことを可能としている。
図2Bに図示しているように、底部ライナ2の周囲上に形成した底部保冷リングベース4の上に底部保冷リング41を形成し、その上に内槽側板8を固定する内槽アニュラ21を設置する。そして内槽側板8の1層がアンカーストラップ3に固定される。また、内槽屋根及び外槽屋根を独立して施工するので、その浮上用設備も先行して組み立てることができる。その詳細は後述するが、屋根架台94、内槽屋根9とは独立して内槽アニュラ21の上に仮支柱92を組み立て、浮上用仮屋根を設置していく。
かかる屋根架台94、内槽屋根9等、その他の部材の搬入等には、図示しない資材搬入搬出用および作業者用の出入り口の外に、クレーンも用いられる。
内槽側板8の積み上げ施工、外槽側ライナ5およびコンクリートの打設施工が、独立して進められる一方、内槽屋根9および外槽屋根95の施工を進めることができる。図3A、図3Bは、本発明の一実施形態に係る外槽側板、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行工程を説明する図であり、図3Aは全体図を、図3Bは貯槽外周の一部拡大図を示す。
図3A、図3Bにおいては、内槽屋根9の構築と並行して外槽屋根95が組み立てられることを示す。本発明では、内槽側板、外槽側ライナの施工進行に依らずに内槽屋根及び外槽屋根を組み立て可能とするために、図3Bに示すように、仮支柱92に取り付けられた浮上用仮屋根91と内槽屋根9の先端とが取り付け固定される他、外槽屋根95の構築に当たり内槽屋根9の骨格に仮支柱93が要所に設けられてなる。この仮支柱93を用いて外槽屋根95が組み立てられていく。
図4A、図4Bは、本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側ライナ、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行と同時に行われる屋根の浮上のための事前処理工程を示している。図4Aは全体図を、図4Bは貯槽の外周の一部拡大図を示す。図4Bに詳細に示されるように、内槽屋根9及び外槽屋根95が略完成したことを示し、内槽側板、PC防液堤10を含む外槽側ライナの完成有無に関係なく、浮上用仮屋根91に固定された内槽屋根9の突端の仮支柱93に外槽屋根95の端が固定される。次いで、内槽側板8の最上端部の施工と並行して浮上用機構の施工を完成させていくことになる。
図5A、図5Bは、本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側ライナ、内槽側板、内槽屋根、外槽屋根の各施工の進行と同時に行われる屋根の浮上のための準備工程を説明する図であり、図5Aは全体図を、図5Bは貯槽の外周の一部拡大図を示す。図5Aにおいて、内槽屋根9に外槽屋根95の主要部が仮支柱93により固定された後、屋根架台94が撤去されたことを示す。
また、図5Bに詳細に図示されるように、並行して内槽側板8の上部に内槽屋根と接続するためナックルプレート911が取り付けられ、浮上に先立ち、ナックルプレート911の所定箇所及び仮支柱92を介して浮上用レベリングワイヤー912が所定間隔で取り付けられる。併せて浮上用仮屋根91の下段にはシール材913が配設される。これら浮上の準備を進める一方、屋根架台94が撤去されるので、貯槽底部に必要な施工を行うことができる。底部ライナ2の上に底部保冷材を敷き詰め、その上に内槽底板90が貼り付けられる。
図6A、図6Bは、本発明の一実施形態に係る貯槽の外槽側ライナの施工と、内槽屋根及び外槽屋根の浮上処理工程、内槽屋根及び内槽側板の取付工程を説明するもので、図6Aは全体構成を、図6Bは貯槽外周を一部拡大して示している。
図6Aにおいて、内槽屋根9及び外槽屋根95並びに内槽側板8、浮上用仮屋根91及びシール材913で閉空間が構成される。図示しない送風ブロアにて内槽屋根9及び外槽屋根95が段階的に除々に浮上される。図6Bに示すように、浮上用仮屋根91は、初期位置91aから91cに移動し、またシール材913も初期位置913aから913cへと摺動する。
内槽側板8及び外槽屋根95が最上部に達すると、まず、内槽屋根9とナックルプレート911の先端との結合処理をする。この結合に伴い、浮上用仮屋根91、浮上用レベリングワイヤー912、シール材913、仮支柱92が撤去可能となることから、撤去される。
一方、外槽屋根95は、外槽側ライナが完成した後に、外槽側ライナの上部に固定接続される。
図7A、図7Bは、本発明の一実施形態に係る貯槽の内・外部付属品の取付工程と外槽屋根及び外槽側ライナ5の取付工程とを説明するものであり、図7Aは全体図を、図7Bは貯槽外周の一部を拡大して示す。図7Aにおいて、内槽側板8及び外槽側ライナ5が最上部に達し、内槽屋根9と内槽側板8の最上端に接続固定されたナックルプレート911とが接続固定された後、外槽屋根95の外槽屋根端部951が側ライナ5の上部即ち外槽側ライナ5の頂部952に固定される。図7Bに図示されるように、この外槽屋根95の取り付けに伴い、内槽側板8と外槽屋根95との間の仮支柱93が撤去される。
一方、貯槽内部の機器取り付けや、液送等の内部管900が施工される。図8は、本発明の一実施形態に係る貯槽の完成に至る工程を説明するための図であり、左側半分は外槽側ライナと一体化した防液堤の外観形状を、右半分は内槽側板外側の外観と一部内槽側板及び外槽側ライナを防液堤を含め断面として表している。
内槽側板と外槽側ライナとの間には、必要に応じて断熱工事が施される。例えば、図8に示すように、内槽壁板8と、外槽側ライナ5との間に保冷材Hを充填することが採用されてもよい。
貯槽外部の外構工事として、屋根階段901、頂部踊場902、貯槽頂部手摺903、外壁に昇降階段97、ポンプステージ96、ポンプ吊上用ジブクレーンB等が設置される。
以上説明した各実施形態は、本発明の理解のために例示されたものであり、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、種々の拡大、置換を許容するものである。また、本発明の技術思想から離れるものでない限り、特許請求の範囲に記載の構成と均等であるものも本発明の保護の範囲に含まれるものである。
たとえば上記説明した実施形態では、外槽側ライナ5に対して強度を保つための自立補助手段の位置として、外槽側ライナ5の一方の側、すなわち凸側もしくは代替的に凹側の要所に取り付けられる態様を例にとって説明したが、スチフナは外槽側ライナ5の両面に取り付けるものであってもよい。
本発明は、ガス貯蔵タンクに係り、貯槽構造および貯槽の施工法において、外槽側ライナ、内槽側板の各施工工程を独立して行えるもので、施工手順に拘束がなく工期短縮できるので、今後のますます導入が進んでいく液化天然ガス(LNG)を貯蔵する低温貯槽設備の構築に利用できる。したがって、液化天然ガス(LNG)貯蔵タンク施工業を始め、高層かつ二重構造を構築する必要のある構築物を施工するための各種建築業等において利用可能性が大きい。
1…支持杭
2…底部ライナ
3…アンカーストラップ
4…底部保冷リングベース
5…外槽側ライナ
6…スチフナ
7…鉄筋
8…内槽側板
9…内槽屋根
10…コンクリート壁(PC防液堤)
21…内槽アニュラ
41…底部保冷リング
90…内槽底板
91、91a、91c…浮上用仮屋根
92…仮支柱
93…浮上用器材仮支柱
94…屋根架台
95…外槽屋根
100…排水パイプ
101…排水路
510…スタッドジベル
520a,520b…裏当板
530…仮設スチフナ
911…ナックルプレート
912、912a、912b、912c…浮上用レベリングワイヤー
913、913a、913c…シール材

Claims (8)

  1. 防液堤の内部に施工され、自立状態を多層に亘って保持することが可能な自立補助手段が付設された外槽側ライナと、
    前記外槽側ライナの内側に施工される内槽
    を備えたことを特徴とする貯槽構造。
  2. 前記自立補助手段は前記外槽側ライナにスチフナを設けるものであり、
    前記外槽側ライナは前記防液堤に係るコンクリート工事のための内側型枠を兼用するものである、請求項1記載の貯槽構造。
  3. 前記外槽側ライナは複数の周曲された平板が上下方向及び/もしくは周回方向に連接されてなり、各前記複数の周曲された平板同士が裏当金突合せ溶接にて接合されている、請求項1もしくは2記載の貯槽構造。
  4. 前記スチフナは、平面視帯状で断面が方形或いはL字形もしくはT字形をなし前記外槽側ライナの周面の少なくとも一方の側に所定枚数取り付けられてなる、請求項2記載の貯槽構造。
  5. 内槽を建て方する内槽工程と、
    多層に亘る自立を可能とさせる自立補助手段が付設された外槽側ライナによる外槽の施工工程と、
    前記外槽側ライナを内側型枠として該内側型枠に相対する外側型枠を建て方する施工工程と、
    前記外槽側ライナと前記外側型枠との間にコンクリートを打設する工程と
    を具備することを特徴とする貯槽の施工法。
  6. 前記自立補助手段は前記外槽側ライナにスチフナを設けるものである、請求項5記載の貯槽の施工法。
  7. 前記外槽側ライナは複数の周曲された平板が上下方向及び/もしくは周回方向に連接されてなり、各前記複数の周曲された平板同士が裏当金突合せ溶接にて接合されている、請求項5もしくは6記載の貯槽の施工法。
  8. 前記内槽工程は内槽側板を立設する内槽側板施工工程を含み、
    前記内槽側の施工に連動させて該内槽側板の上部に内槽屋根を取り付ける内槽屋根施工工程と、
    前記内槽側板及び前記外槽側ライナが組み上がってから前記内槽屋根及び外槽屋根を前記外槽側ライナと接合する側板屋根接合工程と
    をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の貯槽の施工法。
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