JP5881892B2 - 信号伝達回路およびそれを備えた電力変換装置 - Google Patents
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Description
従来の信号伝達回路としての信号伝達回路装置は、主経路と自己診断機能とを有し、制御入力信号が入力される信号入力端子と、制御入力信号に同期した送信パルス信号を生成する送信パルス生成回路と、送信パルス信号を後段に伝達する第1信号伝達回路と、該第1信号伝達回路から出力された送信パルス信号を受信し、かつ、制御入力信号とほぼ等価な信号に復元する第1受信回路と、該復元した信号を制御出力信号として出力する信号出力端子と、制御出力信号に同期した帰還パルス信号を生成する帰還パルス送信回路と、帰還パルス信号を後段に伝達する第2信号伝達回路と、制御入力信号および帰還パルス信号を受信し、かつ、制御入力信号と、帰還パルス信号に基づいて波形整形された信号とを比較する第2受信回路を備える。また、主経路および自己診断機能は、それぞれ上記第1信号伝達回路および上記第2信号伝達回路を境界にして送信側と受信側とに分けられ、上記第1信号伝達回路および上記第2信号伝達回路の各主回路は、それぞれフォトカプラやトランスを備える(例えば、特許文献1参照)。
以下、この発明の実施の形態1による信号伝達回路を図に基づいて説明する。なお、以下の各実施の形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
図1は、この発明の実施の形態1による信号伝達回路1000の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、信号伝達回路1000は、第1コイル110および第2コイル210を有する絶縁トランス10と、第1コイル110に接続される第1回路100と、第2コイル210に接続される第2回路200とを備え、自己診断による異常検出を伴って双方向の信号伝達を行う。
図2は、第1回路100の回路構成を示し、図3は第2回路200の回路構成を示す。
図4に示すように、ハイブリッド自動車や電気自動車等で用いられるモータ1を制御する電力変換装置20は、パワー半導体スイッチング素子2と、パワー半導体スイッチング素子2を駆動する駆動回路としてのドライバ部3と、パワー半導体スイッチング素子2を制御する制御信号を生成する制御部4と、制御部4からの制御信号をドライバ部3に伝達する信号伝達回路1000とを備える。
第1送信回路120は、入力される信号Aの論理値の変化に応じて第1コイル110への送信信号Vr1、Vf1を生成して出力すると共に、第1切替回路140を制御する制御信号SW1を出力する。第1受信回路130は、第1コイル110からの信号VN1、VP1を受信して論理値の2値信号Vrx1に復調して出力する。第1切替回路140は、第1送信回路120からの制御信号SW1により、第1コイル110の接続先を、第1送信回路120と第1受信回路130との間で切り替える。第1異常検出回路160は、第1受信回路130からの出力信号Vrx1を第1送信回路120に入力される信号Aと比較して異常を検出し第1異常信号err1を出力する。第1遅延回路170は、第1受信回路130からの出力信号Vrx1を所定時間遅延させて遅延信号VO1を生成して出力する。
第2送信回路220は、入力される信号Bの論理値の変化に応じて第2コイル210への送信信号Vr2、Vf2を生成して出力すると共に、第2切替回路240を制御する制御信号SW2を出力する。第2受信回路230は、第2コイル210からの信号VN2、VP2を受信して論理値の2値信号Vrx2に復調して出力する。第2切替回路240は、第2送信回路220からの制御信号SW2により、第2コイル110の接続先を、第2送信回路220と第2受信回路230との間で切り替える。第2異常検出回路260は、第2受信回路230からの出力信号Vrx2を第2送信回路220に入力される信号Bと比較して異常を検出し第2異常信号err2を出力する。第2遅延回路270は、第2受信回路230からの出力信号Vrx2を所定時間遅延させて遅延信号VO2を生成して出力する。
以下、信号伝達回路1000の各部の詳細構成及び動作について説明する。
この場合、信号伝達方向の外部指令を受けて、第1方向制御部180からの制御信号はハイで、第2方向制御部280からの制御信号はロウとする。
第1送信回路120は、立上りエッジ検出部121、立下りエッジ検出部122、立上りエッジ検出部123、立上りエッジ検出部124およびOR回路125を備える。
立上りエッジ検出部121、立下りエッジ検出部122は、入力信号A(この場合IN1)の立上りエッジ、立下りエッジを検出して、それぞれパルス幅Δt1のパルス信号を生成し、OR回路125を経て生成されたパルス信号(制御信号SW1)により第1切替回路140を制御する。立上りエッジ検出部123、124は、立上りエッジ検出部121、立下りエッジ検出部122で検出したパルス幅Δt1のパルス信号の立上りエッジをそれぞれ検出し、第1コイル110への送信信号Vr1、Vf1となるパルス幅Δt2のパルス信号を生成して出力する。
ここで、第1コイル110へ確実に送信信号Vr1、Vf1を送信するために、送信信号Vr1、Vf1のパルス幅Δt2と、制御信号SW1のパルス幅Δt1との関係は、Δt1>Δt2、となる。
そして、第1送信回路120からの制御信号SW1がハイの時、送信経路に接続される2つのスイッチ141、142がオンし、受信経路に接続される2つのスイッチ143、144がオフする。また、逆に制御信号SW1がロウの時、送信経路に接続される2つのスイッチ141、142がオフし、受信経路に接続される2つのスイッチ143、144がオンする。
ここで、遅延時間Δt3と、制御信号SW1、SW2のパルス幅Δt1との関係は、Δt3≧Δt1、とする。これにより、制御信号SW1と制御信号SW2とが同時にハイ状態になることがなく、第1コイル110と第2コイル210との一対のコイルから成る1つの絶縁トランス10により、双方向の送受信が確実に行える。
同様に第2異常検出回路260は、第2方向制御部280の制御信号により動作し、第2受信回路230からの出力信号Vrx2と、第2送信回路220に入力される信号Bとを比較して、異常を検出し第2異常信号err2を出力する。この場合、第2方向制御部280の制御信号はロウであるため、第2異常検出回路260は動作しない。
この場合、第1方向制御部180の制御信号はハイであり、第1入力信号IN1が信号Aとして第1送信回路120に入力され、このとき出力端子102はオープンとなる。
この場合、第2方向制御部280の制御信号はロウであり、入力端子201はオープンで、第2遅延回路270からの遅延信号VO2が信号Bとして第2送信回路220に入力され、第2受信回路230の出力信号Vrx2は、第2回路200の出力端子202から第2出力信号OUT2として出力される。
図6は第1送信回路120内の立上りエッジ検出部121の構成を示す回路図、図7はその動作波形である。なお、図6に示す立上りエッジ検出部121の構成は一例であって限定されるものではない。
図6に示すように、立上りエッジ検出部121は、AND回路121a、遅延回路121bおよびインバータ121cを備える。立上りエッジ検出部121の入力(信号A)は、AND回路121aの一方の入力端子に入力されると共に、遅延回路121bに入力される。遅延回路121bの出力はインバータ121cを介してAND回路121aの他方の入力端子に入力される。なお、遅延回路121bの入力信号と出力信号との間の遅延時間はΔt1に設定されている。
従って図7に示すように、立上りエッジ検出部121では、入力信号Aがロウからハイに変化すると、これに応じて期間Δt1に渡ってハイレベルの第1エッジ検出信号121dが出力される。
第1送信回路120内の他の立上りエッジ検出部123、124も、上述した立上りエッジ検出部121と同様の回路構成であるが、遅延回路の遅延時間をΔt2(<Δt1)に設定する。
図8に示すように、立下りエッジ検出部122は、AND回路122a、遅延回路122bおよびインバータ122cを備える。立下りエッジ検出部122の入力(信号A)は、インバータ122cを介してAND回路122aの一方の入力端子に入力されると共に、遅延回路122bを介してAND回路122aの他方の入力端子に入力される。なお、遅延回路122bの入力信号と出力信号との間の遅延時間は、立上りエッジ検出部121内の遅延回路121bの遅延時間と同等のΔt1に設定されている。
従って図9に示すように、立下りエッジ検出部122では、入力信号Aがハイからロウに変化すると、これに応じて期間Δt1に渡ってハイレベルの第1エッジ検出信号122dが出力される。
また、第1送信回路120から第1切替回路140へ出力される制御信号SW1は、2種の第1エッジ検出信号121d、122dのOR回路125を介した出力であり、第2送信回路220から第2切替回路240へ出力される制御信号SW2は、2種の第2エッジ検出信号のOR回路225を介した出力である。
図10は第1異常検出回路160の構成を示す回路図、図11は第1異常検出回路160の各部の動作波形である。なお、図10に示す第1異常検出回路160の構成は一例であって限定されるものではない。
図10に示すように、第1異常検出回路160は、4個のデータフリップフロップ回路(以下、DFF回路と称す)61〜64、4個のインバータ65〜68およびOR回路69を備え、OR回路69の出力が第1異常検出回路160の出力(第1異常信号err1)となる。
またDFF回路61は、第1受信回路130の出力(信号Vrx1)がデータ端子Dに接続され、第1送信回路120の入力(信号A)がクロック端子CLKに接続される。DFF回路62は、第1送信回路120の入力(信号A)がインバータ65を介してデータ端子Dに接続され、第1受信回路130の出力(信号Vrx1)がクロック端子CLKに接続される。DFF回路63は、第1受信回路130の出力(信号Vrx1)がインバータ66を介してデータ端子Dに接続され、第1送信回路120の入力(信号A)がインバータ37を介してクロック端子CLKに接続される。DFF回路64は、第1送信回路120の入力(信号A)がデータ端子Dに接続され、第1受信回路130の出力(信号Vrx1)がインバータ68を介してクロック端子CLKに接続される。
時刻T1では、第1方向制御部180の制御信号がロウからハイになり、各DFF回路61〜64が動作可能な状態となる。
時刻T2で信号Aがロウからハイになる時、信号Vrx1はロウの状態であり、DFF回路61の出力Qはロウ状態を保持する。
時刻T3で信号Vrx1がロウからハイになる時、信号Aはハイの状態であり、DFF回路62の出力Qはロウ状態を保持する。
時刻T4で信号Aがハイからロウになる時、信号Vrx1はハイの状態であり、DFF回路63の出力Qはロウ状態を保持する。
時刻T5で信号Vrx1がハイからロウになる時、信号Aはロウの状態であり、DFF回路64の出力Qはロウ状態を保持する。
時刻T7で信号Aがロウからハイになる時、信号Vrx1はハイの状態であり、DFF回路61の出力Qはロウからハイになる。
時刻T8で信号Vrx1がハイからロウになる時、信号Aはハイの状態であり、DFF回路64の出力Qはロウからハイになる。
時刻T9で信号Aがハイからロウになる時、信号Vrx1はロウの状態であり、DFF回路63の出力Qはロウからハイになる。
時刻T11で信号Vrx1がロウからハイになる時、信号Aはハイの状態であり、DFF回路62の出力Qはハイからロウになる。
時刻T12で信号Aがハイからロウになる時、信号Vrx1はハイの状態であり、DFF回路63の出力Qはハイからロウになる。
時刻T13で信号Vrx1がハイからロウになる時、信号Aはロウの状態であり、DFF回路64の出力Qはハイからロウになる。これにより全てのDFF回路61〜64の出力Qがロウとなり、OR回路69の出力である第1異常信号err1はロウとなる。
時刻T14では、第1方向制御部180の制御信号がハイからロウになり、各DFF回路61〜64の出力は強制的に全てロウ状態になる。
図12は第1受信回路130の構成を示す回路図である。なお、ここで示す構成は一例であって限定されるものではない。
図12に示すように、第1受信回路130はヒステリシス比較器30にて構成され、入力される信号VN1とVP1の差分が所定の閾値を超えると出力レベルを反転するヒステリシス特性を有し、第1コイル110からの信号VN1、VP1を論理値の2値信号Vrx1に復調して出力する。
図5には、第1入力信号IN1(第1送信回路120の入力信号A)と、第1送信回路120から第1切替回路140へ出力される制御信号SW1と、第1送信回路120から第1コイル110の第1端、第2端にそれぞれ送信される送信信号Vr1、Vf1と、第2コイル210の第1端、第2端に発生して第2受信回路230が受信する信号VN2、VP2と、第2出力信号OUT2(第2受信回路230の出力信号Vrx2)と、第2遅延回路270からの遅延信号VO2と、第2送信回路220から第2切替回路240へ出力される制御信号SW2と、第2送信回路220から第2コイル210の第1端、第2端にそれぞれ送信される送信信号Vr2、Vf2と、第1コイル110の第1端、第2端に発生して第1受信回路130が受信するする信号VN1、VP1と、第1受信回路130の出力信号Vrx1と、第1異常検出回路160から出力される第1異常信号err1との動作波形を示す。
図5に示すように、時刻t13において第2コイル210からの信号VN2、VP2にノイズ5が発生すると、ノイズ5に起因して第2出力信号OUT2は異常となり、時刻t15〜t27の期間で第1異常信号err1はハイとなる。時刻t22以降の各信号波形は正常に戻るが、時刻t22〜t27の期間は異常解消期間となる。
期間Δt1のハイ信号SW1は、第1切替回路140内の送信経路を接続する2つのスイッチ141、142をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144をオフする。また、立上りエッジ検出部121の出力である期間Δt1のハイ信号(第1エッジ検出信号121d)は、立上りエッジ検出部123に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vr1を生成する。信号Vr1は第1コイル110の第1端へ入力され、その入力信号Vr1の論理値の変化に応じて第1コイル110に電流変化を起こす。第2コイル210では、第1コイル110の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2が出力される。
期間Δt1のハイ信号SW1の間、第2回路200内の第2切替回路240を制御する信号SW2はロウ状態であり、第2切替回路240内の送信経路を接続する2つのスイッチ241、242はオフし、受信経路を接続する2つのスイッチ243、244はオンしている。第2コイル210から出力される誘導電圧信号VN2、VP2は、第2受信回路230の各入力端子に入力される。
期間Δt1のハイ信号SW2は、第2切替回路240内の送信経路を接続する2つのスイッチ241、242をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ243、244をオフする。また、立上りエッジ検出部221の出力である期間Δt1のハイ信号(第2エッジ検出信号)は、立上りエッジ検出部223に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vr2を生成する。信号Vr2は第2コイル210の第1端へ入力され、その入力信号Vr2の論理値の変化に応じて第2コイル210に電流変化を起こす。第1コイル110では、第2コイル210の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1、VP1が出力される。
期間Δt1のハイ信号SW2の間、第1回路100内の第1切替回路140を制御する信号SW1はロウ状態であり、第1切替回路140内の送信経路を接続する2つのスイッチ141、142はオフし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144はオンしている。第1コイル110から出力される誘導電圧信号VN1、VP1は、第1受信回路130の各入力端子に入力される。
期間Δt1のハイ信号SW1は、第1切替回路140内の送信経路を接続する2つのスイッチ141、142をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144をオフする。また、立下りエッジ検出部122の出力である期間Δt1のハイ信号(第1エッジ検出信号122d)は、立上りエッジ検出部124に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vf1を生成する。信号Vf1は第1コイル110の第2端へ入力され、その入力信号Vf1の論理値の変化に応じて第1コイル110に電流変化を起こす。なお、時刻t5での第1コイル110の電流変化は時刻t1での第1コイル110の電流変化と逆極性となる。第2コイル210では、第1コイル110の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2が出力される。ここでの第2コイル210の双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2は、時刻t1での第2コイル210の双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2と逆極性となる。
期間Δt1のハイ信号SW1の間、第2回路200内の第2切替回路240を制御する信号SW2はロウ状態であり、第2切替回路240内の送信経路を接続する2つのスイッチ241、242はオフし、受信経路を接続する2つのスイッチ243、244はオンしている。第2コイル210から出力される誘導電圧信号VN2、VP2は、第2受信回路230の各入力端子に入力される。
期間Δt1のハイ信号SW2は、第2切替回路240内の送信経路を接続する2つのスイッチ241、242をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ243、244をオフする。また、立下りエッジ検出部222の出力である期間Δt1のハイ信号(エッジ検出信号)は、立上りエッジ検出部224に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vf2を生成する。信号Vf2は第2コイル210の第2端へ入力され、第2コイル210に電流変化を起こす。第1コイル110では、第2コイル210の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1、VP1が出力される。なお、時刻t7での双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1とVP1は、時刻t3での双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1とVP1と逆極性となる。
期間Δt1のハイ信号SW2の間、第1回路100内の第1切替回路140を制御する信号SW1はロウ状態であり、第1切替回路140内の送信経路を接続する2つのスイッチ141、142はオフし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144はオンしている。第1コイル110から出力される誘導電圧信号VN1、VP1は、第1受信回路130の各入力端子に入力される。
時刻t13において、第2回路200内の第2切替回路240を制御する信号SW2がロウ状態の時、第2コイル210からの信号VN2、VP2にノイズ5が発生し第2受信回路230に入力される。この場合、VN2>VP2の関係でノイズ5が発生し、信号VN2、VP2の差分が第2受信回路230の閾値より大きくなり、第2受信回路230の出力信号Vrx2は反転してロウになり、第2出力信号OUT2として出力される。
期間Δt1のハイ信号SW2は、第2切替回路240内の送信経路を接続する2つのスイッチ241、242をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ243、244をオフする。また、立下りエッジ検出部222の出力である期間Δt1のハイ信号(第2エッジ検出信号)は、立上りエッジ検出部224に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vf2を生成する。信号Vf2は第2コイル210の第2端へ入力され、第2コイル210に電流変化を起こす。第1コイル110では、第2コイル210の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1、VP1が出力される。
期間Δt1のハイ信号SW2の間、第1回路100内の第1切替回路140を制御する信号SW1はロウ状態であり、第1切替回路140内の送信経路を接続する2つのスイッチ141、142はオフし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144はオンしている。第1コイル110から出力される誘導電圧信号VN1、VP1は、第1受信回路130の各入力端子に入力される。
なお、時刻t1からt12までは、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2の後半のパルスの差分が第2受信回路230の閾値より大きくなると、第2受信回路230の出力信号Vrx2が反転したが、時刻t13でのVN2、VP2に発生したノイズ5によって第2受信回路230の出力信号Vrx2の極性が反転したため、ここでは誘導電圧信号VN2、VP2の前半のパルスで出力信号Vrx2の極性が反転する。
ハイ信号SW2は、第2切替回路240内の送信経路を接続する2つのスイッチ241、242をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ243、244をオフする。また、立上りエッジ検出部221の出力である期間Δt1のハイ信号(第2エッジ検出信号)は、立上りエッジ検出部224に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vr2を生成する。信号Vr2は第2コイル210の第1端へ入力され、第2コイル210に電流変化を起こす。第1コイル110では、第2コイル210の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1、VP1が出力される。
時刻t23では、第1入力信号IN1がロウからハイになる。第1異常検出回路160では、第1入力信号IN1がロウからハイになった際、第1受信回路130の出力信号Vrx1がロウの状態であるため、信号IN1の立ち上がりにおける異常なしとするが、信号IN1の立ち下がりおよび信号Vrx1の立ち上がりでのエラー信号が継続しており、第1異常信号err1はハイ状態に保持される。
なお、第1方向制御部180の制御信号をロウ、第2方向制御部280の制御信号をハイにすると、第2回路200に入力される第2入力信号IN2を伝達して第1回路100から第1出力信号OUT2として出力すると共に、自己診断により異常検出を行う。この場合も、第1回路100と第2回路200とが逆転するのみで同様の動作となる。
これにより、共通の絶縁トランス10を用いて信号伝達および自己診断を双方向に実現でき、簡略で回路面積、実装面積が低減された回路構成で、自己診断機能を備えた低コストな信号伝達回路を提供することができる。
さらに、方向制御部180、280を備えて切替回路150、250を制御すると共に、異常検出回路160、260を動作させるため、自己診断を伴う信号伝達を信頼性良く制御できる。
次に、この発明の実施の形態2による信号伝達回路を図に基づいて説明する。
図13は、この発明の実施の形態2による信号伝達回路2000の概略構成を示すブロック図である。この実施の形態2では、上記実施の形態1で示した信号伝達回路1000において、第1、第2受信回路130、230の入力側に所定の容量のキャパシタ31〜34を備える。
図13に示すように、信号伝達回路2000は、第1コイル110および第2コイル210を有する絶縁トランス10と、第1コイル110に接続される第1回路100aと、第2コイル210に接続される第2回路200aとを備え、自己診断による異常検出を伴って双方向の信号伝達を行う。
図14は、第1回路100aの回路構成を示し、図15は第2回路200aの回路構成を示す。第1回路100aでは、第1切替回路140内の2つのスイッチ143、144と第1受信回路130との間にそれぞれキャパシタ31、32を接続する。第2回路200aでは、第2切替回路240内の2つのスイッチ243、244と第2受信回路230との間にそれぞれキャパシタ33、34を接続する。その他の構成は、上記実施の形態1と同様である。
これらのスイッチ141〜144のオンとオフが切替わる時、オンとオフのタイミングによっては、第1送信回路120の出力側と第1受信回路130の入力側とが瞬間的に導通する懸念がある。この場合、受信経路に挿入されたキャパシタ31、32により、第1送信回路120の出力と第1受信回路130の入力が瞬間的に導通することが抑制される。
時刻t2、t5、t6においても同様に、受信経路に挿入されたキャパシタ31、32により、第1送信回路120の出力と第1受信回路130の入力が瞬間的に導通することが抑制される。このため、第1受信回路130に入力される信号VN1、VP1において、信号SW1が変化する際の歪みを抑制することができる。
次に、この発明の実施の形態3による信号伝達回路を図に基づいて説明する。
図17は、この発明の実施の形態3による信号伝達回路3000の概略構成を示すブロック図である。
図17に示すように、信号伝達回路3000は、第1コイル110および第2コイル210を有する絶縁トランス10と、第1コイル110に接続される第1回路100bと、第2コイル210に接続される第2回路200bとを備え、自己診断による異常検出を伴って双方向の信号伝達を行う。図18は、第1回路100bの回路構成を示し、図19は第2回路200bの回路構成を示す。以下、上記実施の形態1と異なる部分について主に説明する。
第1送信回路120、第1受信回路130、第1切替回路140、第3切替回路150、第1遅延回路170および第1方向制御部180は上記実施の形態1と同様の構成である。
第1異常検出回路160aは、第1受信回路130からの出力信号Vrx1を第1送信回路120に入力される信号Aと比較して異常を検出し第1異常信号err1を出力すると共に、信号Vrx1の立ち上がり、立ち下がりの各タイミングで信号Aとの比較により異常を検出してそれぞれ第1異常検出信号Er1、Ef1を出力する。第1補助送信回路190は、第1異常検出信号Er1、Ef1に基づいて第1コイル110へ送信する第1異常訂正信号Ver1、Vef1を生成する。
第2異常検出回路260aは、第2受信回路230からの出力信号Vrx2を第2送信回路220に入力される信号Bと比較して異常を検出し第2異常信号err2を出力すると共に、信号Vrx2の立ち上がり、立ち下がりの各タイミングで信号Bとの比較により異常を検出してそれぞれ第2異常検出信号Er2、Ef2を出力する。第2補助送信回路290は、第2異常検出信号Er2、Ef2に基づいて第2コイル210へ送信する第2異常訂正信号Ver2、Vef2を生成する。
なお、立上りエッジ検出部191、192は、第1送信回路120の立上りエッジ検出部121と同様の構成で、立上りエッジ検出部193、194は、第1送信回路120の立上りエッジ検出部123、124と同様の構成である。
図20は第1異常検出回路160aの構成を示す回路図である。図20に示すように、第1異常検出回路160aは、上記実施の形態1で用いた第1異常検出回路160(図10参照)において、4個のデータフリップフロップ回路(DFF回路)61〜64の内、2個のDFF回路62、64からの各エラー信号を第1異常検出信号Er1、Ef1として出力すると共に、上記実施の形態1と同様の第1異常信号err1も出力する。第1異常検出回路160aの動作波形も図11で示したものと同様である。
DFF回路62は、第1送信回路120の入力(信号A)がインバータ65を介してデータ端子Dに接続され、第1受信回路130の出力(信号Vrx1)がクロック端子CLKに接続され、信号Vrx1の立ち上がりタイミングで信号Aとの比較によりエラー信号(第1異常検出信号Er1)を出力する。また、DFF回路64は、第1送信回路120の入力(信号A)がデータ端子Dに接続され、第1受信回路130の出力(信号Vrx1)がインバータ68を介してクロック端子CLKに接続され、信号Vrx1の立ち下がりタイミングで信号Aとの比較によりエラー信号(第1異常検出信号Ef1)を出力する。
図21、図22には、第1入力信号IN1(第1送信回路120の入力信号A)と、第1送信回路120から第1切替回路140へ出力される制御信号SW1と、第1送信回路120から第1コイル110の第1端、第2端にそれぞれ送信される送信信号Vr1、Vf1と、第1補助送信回路190から第1切替回路140へ出力される制御信号SW3と、第1補助送信回路190から第1コイル110の第1端、第2端にそれぞれ送信される第1異常訂正信号Vef1、Ver1と、第2コイル210の第1端、第2端に発生して第2受信回路230が受信する信号VN2、VP2と、第2出力信号OUT2(第2受信回路230の出力信号Vrx2)と、第2遅延回路270からの遅延信号VO2と、第2送信回路220から第2切替回路240へ出力される制御信号SW2と、第2送信回路220から第2コイル210の第1端、第2端にそれぞれ送信される送信信号Vr2、Vf2と、第1コイル110の第1端、第2端に発生して第1受信回路130が受信する信号VN1、VP1と、第1受信回路130の出力信号Vrx1と、第1異常検出回路160から出力される第1異常検出信号Er1、Ef1および第1異常信号err1との動作波形を示す。
正常時には、上記実施の形態1と同様に動作し、入力される第1入力信号IN1に基づき、同等の波形で所定期間L(≦Δt1)だけ遅延されて生成される第2出力信号OUT2が出力される。そして、第2出力信号OUT2を期間Δt3だけ遅延した遅延信号VO2に基づき、さらに同等の波形で所定期間L(≦Δt1)だけ遅延されて信号Vrx1が生成され、この信号Vrx1と第1入力信号IN1とを比較して異常検出する。正常時には、信号Vrx1は、第1入力信号IN1を同等の波形で期間LL(≦2(Δt1)+Δt3)だけ遅延した信号である。
なお、時刻t1〜t3までの正常時の動作は、上記実施の形態1の図5で示した動作(図5の時刻t1〜t10に相当)と同様である。
そして、第2遅延回路270を用いて第2受信回路230の出力信号Vrx2を期間Δt3で遅延した信号VO2がハイからロウになり、第2送信回路220では、立下りエッジ検出部222およびOR回路225を用いて期間Δt1に渡ってハイレベルである信号SW2を生成して、第2切替回路240内の送信経路を接続して受信経路を遮断する。また第2送信回路220は、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vf2を生成して、第2コイル210の第2端へ入力し第2コイル210に電流変化を起こす。第1コイル110では、第2コイル210の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1、VP1が出力される。
期間Δt1のハイ信号SW2の間、第1切替回路140を制御する信号SW1、SW3はロウ状態であり、第1切替回路140内の送信経路は遮断され受信経路が接続されて、第1コイル110から出力される誘導電圧信号VN1、VP1は、第1受信回路130の各入力端子に入力される。
第1異常検出信号Ef1は第1補助送信回路190に入力されており、第1補助送信回路190では、第1異常検出信号Ef1がロウからハイになった際、立上りエッジ検出部191およびOR回路195を用いて期間Δt1に渡ってハイレベルである信号SW3を生成する。期間Δt1のハイ信号SW3は、OR回路196を介して第1切替回路140に入力され、送信経路を接続する2つのスイッチ141、142をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144をオフする。また、立上りエッジ検出部191の出力である期間Δt1のハイ信号は、立上りエッジ検出部193に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる第1異常訂正信号Vef1を生成する。第1異常訂正信号Vef1は第1コイル110の第1端へ入力され、その論理値の変化に応じて第1コイル110に電流変化を起こす。第2コイル210では、第1コイル110の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2が出力される。ここでの第1異常訂正信号Vef1とダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2を、図中の異常訂正部6aで示した。
期間Δt1のハイ信号SW3の間、第2切替回路240を制御する信号SW2はロウ状態であり、第2切替回路240内の送信経路は遮断され受信経路は接続される。第2コイル210から出力される誘導電圧信号VN2、VP2は、第2受信回路230の各入力端子に入力される。
第2出力信号OUT2が時刻t4でロウになると、期間Δt3だけ遅延してロウになる遅延信号VO2に基づき、ハイレベルの信号SW2により、さらに所定期間L(≦Δt1)だけ遅延して信号Vrx1がロウになる。そして、ハイレベルの信号SW3により、さらに所定期間L(≦Δt1)だけ遅延して第2出力信号OUT2がハイになる。このため第2出力信号OUT2に異常が生じてから復帰するまでの期間はLa(≦2(Δt1)+Δt3)となる。なお、期間Laは(2(Δt1)+Δt3)とほぼ同等あるいは若干短い期間である。
そして、第2遅延回路270を用いて第2受信回路230の出力信号Vrx2を期間Δt3で遅延した信号VO2がロウからハイになり、第2送信回路220では、立上りエッジ検出部221およびOR回路225を用いて期間Δt1に渡ってハイレベルである信号SW2を生成して、第2切替回路240内の送信経路を接続して受信経路を遮断する。また第2送信回路220は、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる信号Vr2を生成して、第2コイル210の第1端へ入力し第2コイル210に電流変化を起こす。第1コイル110では、第2コイル210の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN1、VP1が出力される。
期間Δt1のハイ信号SW2の間、第1切替回路140を制御する信号SW1、SW3はロウ状態であり、第1切替回路140内の送信経路は遮断され受信経路が接続されて、第1コイル110から出力される誘導電圧信号VN1、VP1は、第1受信回路130の各入力端子に入力される。
第1異常検出信号Er1は第1補助送信回路190に入力されており、第1補助送信回路190では、第1異常検出信号Er1がロウからハイになった際、立上りエッジ検出部192およびOR回路195を用いて期間Δt1に渡ってハイレベルである信号SW3を生成する。期間Δt1のハイ信号SW3は、OR回路196を介して第1切替回路140に入力され、送信経路を接続する2つのスイッチ141、142をオンし、受信経路を接続する2つのスイッチ143、144をオフする。また、立上りエッジ検出部192の出力である期間Δt1のハイ信号は、立上りエッジ検出部194に入力され、期間Δt2に渡ってハイレベルとなる第1異常訂正信号Ver1を生成する。第1異常訂正信号Ver1は第1コイル110の第2端へ入力され、その論理値の変化に応じて第1コイル110に電流変化を起こす。第2コイル210では、第1コイル110の電流変化に誘起され、双極性のダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2が出力される。ここでの第1異常訂正信号Ver1とダブルパルスの誘導電圧信号VN2、VP2を、図中の異常訂正部6bで示した。
期間Δt1のハイ信号SW3の間、第2切替回路240を制御する信号SW2はロウ状態であり、第2切替回路240内の送信経路は遮断され受信経路は接続される。第2コイル210から出力される誘導電圧信号VN2、VP2は、第2受信回路230の各入力端子に入力される。
このため、上記実施の形態1と同様の効果が得られると共に、異常により論理値が変化した第2出力信号OUT2が強制的に速やかに復帰され、各第1異常検出信号Er1、Ef1が解消して第1異常信号err1も速やかに解消する。
なお、この場合、一方向のみについて説明したが、逆方向も同様であり、双方向の信号伝達について、異常解消を速やかに行うことができる。
次に、この発明の実施の形態4による信号伝達回路を図に基づいて説明する。
図23は、この発明の実施の形態4による信号伝達回路4000の概略構成を示すブロック図である。この実施の形態4では、上記実施の形態3で示した信号伝達回路3000において、第3、第4切替回路150、250と出力端子102、202との間に第1、第2グリッチフィルタ155、255を備える。
図23に示すように、信号伝達回路4000は、第1コイル110および第2コイル210を有する絶縁トランス10と、第1コイル110に接続される第1回路100cと、第2コイル210に接続される第2回路200cとを備え、自己診断による異常検出を伴って双方向の信号伝達を行う。
図24には、第1入力信号IN1(第1送信回路120の入力信号A)と、第1送信回路120から第1切替回路140へ出力される制御信号SW1と、第1送信回路120から第1コイル110の第1端、第2端にそれぞれ送信される送信信号Vr1、Vf1と、第1補助送信回路190から第1切替回路140へ出力される制御信号SW3と、第1補助送信回路190から第1コイル110の第1端、第2端にそれぞれ送信される第1異常訂正信号Vef1、Ver1と、第2コイル210の第1端、第2端に発生して第2受信回路230が受信する信号VN2、VP2と、第2受信回路230の出力信号Vrx2と、第2出力信号OUT2と、第2遅延回路270からの遅延信号VO2と、第1受信回路130の出力信号Vrx1と、第1異常検出回路160から出力される第1異常検出信号Er1、Ef1および第1異常信号err1との動作波形を示す。
なお、第2送信回路220から第2切替回路240へ出力される制御信号SW2と、第2送信回路220から第2コイル210の第1端、第2端にそれぞれ送信される送信信号Vr2、Vf2と、第1コイル110の第1端、第2端に発生して第1受信回路130が受信する信号VN1、VP1については、上記実施の形態3と同様に生成されるため、図24での図示は省略した。
正常時には、入力される第1入力信号IN1に基づき、同等の波形で所定期間L(≦Δt1)だけ遅延されて、第2受信回路230の出力信号Vrx2が生成され、さらに第2グリッチフィルタ255により、所定時間(設定パルス幅Lb)だけ遅延されて第2出力信号OUT2が出力される。そして、第2受信回路230の出力信号Vrx2を期間Δt3だけ遅延した遅延信号VO2に基づき、さらに同等の波形で所定期間L(≦Δt1)だけ遅延されて信号Vrx1が生成され、この信号Vrx1と第1入力信号IN1とを比較して異常検出する。正常時には、信号Vrx1は、第1入力信号IN1を同等の波形で期間LL(≦2(Δt1)+Δt3)だけ遅延した信号である。
そして、信号Vrx2は、第2グリッチフィルタ255により、設定パルス幅Lb以下の短パルス信号は除去され、設定パルス幅Lbの時間分だけ遅延されて第2出力信号OUT2が出力される。この設定パルス幅Lbは、信号Vrx2に異常が生じてから復帰するまでの期間Laと同等以上の長さ、即ちLb≧Laで設定される。これにより、期間La(時刻t4〜t6)で生じた信号Vrx2の異常(ロウ)は、短パルス信号として除去され、第1入力信号IN1を同等の波形で期間(L+Lb)だけ遅延した正常状態の第2出力信号OUT2が出力される。
そして、信号Vrx2は、第2グリッチフィルタ255により、設定パルス幅Lb(≧La)以下の短パルス信号は除去され、設定パルス幅Lbの時間分だけ遅延されて第2出力信号OUT2が出力される。これにより、期間La(時刻t8〜t10)で生じた信号Vrx2の異常(ハイ)は、短パルス信号として除去され、第1入力信号IN1を同等の波形で期間(L+Lb)だけ遅延した正常状態の第2出力信号OUT2が出力される。
このように、この実施の形態による信号伝達回路4000は、自己診断による異常検出を行い、異常解消を速やかに行い、さらに異常の影響を除去して出力信号(第2出力信号OUT2)を生成することができる。
なお、この場合、一方向のみについて説明したが、逆方向も同様であり、双方向の信号伝達について、異常解消を速やかに行い、さらに異常の影響を除去して出力信号を生成することができる。
上記実施の形態1〜4では、双方向の信号伝達が可能な信号伝達回路1000〜4000について示したが、この実施の形態4では、一方向のみ信号伝達する信号伝達回路について説明する。
図25は、この発明の実施の形態5による信号伝達回路1001の構成を示す回路図である。図13に示すように、信号伝達回路1001は、第1コイル110および第2コイル210を有する絶縁トランス10と、第1コイル110に接続される第1回路100dと、第2コイル210に接続される第2回路200dとを備え、自己診断による異常検出を伴って信号伝達を行う。
この場合、信号伝達回路1001は、第1回路100d側に入力端子101、異常出力端子103およびリセット端子104を有し、第2回路200d側に出力端子202を有する。リセット端子104から入力される信号は、第1異常検出回路160内の各DFF回路61〜64のリセット端子RSTに入力されて、上記実施の形態1で示した第1方向制御部180の制御信号と同様に機能し、第1異常検出回路160を動作可能にする。
図26は、この発明の実施の形態6による電力変換装置をモータ制御に適用した構成図である。ここでは上記実施の形態1による信号伝達回路1000を備えた電力変換装置20aについて示すが、実施の形態2〜5による信号伝達回路2000〜4000、1001を備えた場合も同様である。
なお、この場合、一方向の信号伝達のみを便宜上図示するが、実施の形態1〜4による信号伝達回路1000〜4000を用いた場合では、双方向の信号伝達が可能である。
信号伝達回路1000は、制御部4とドライバ部3との間に接続され、ドライバ部3、パワー半導体スイッチング素子2およびモータ1等、高電圧で制御される装置と制御部4とを絶縁し、制御部4からの制御信号を第1入力信号IN1として入力し、第2出力信号OUT2として出力すると共に、自己診断により第1異常信号err1を制御部4に出力する。
また、図28に示すように、パワー半導体スイッチング素子2とドライバ部3と信号伝達回路1000と、制御部4とを共に樹脂封止して構成されるパワーモジュール2cを備えた電力変換装置20cを用いても良く、同様の効果が得られる。
Claims (19)
- 第1コイルおよび第2コイルを有する絶縁トランスと、上記第1コイルに接続される第1回路と、上記第2コイルに接続される第2回路とを備えて、上記第1回路に入力される第1入力信号を伝達し上記第2回路から第2出力信号として出力する信号伝達回路において、
上記第1回路は、入力される信号Aの論理値の変化に応じて上記第1コイルへの送信信号を生成して出力する第1送信回路と、上記第1コイルからの信号を受信して論理値の2値信号に復調して出力する第1受信回路と、上記第1コイルの接続先を上記第1送信回路と上記第1受信回路との間で切り替える第1切替回路と、上記第1受信回路からの出力信号を上記第1送信回路に入力される上記信号Aと比較して異常を検出し第1異常信号を出力する第1異常検出回路とを備え、
上記第2回路は、入力される信号Bの論理値の変化に応じて上記第2コイルへの送信信号を生成して出力する第2送信回路と、上記第2コイルからの信号を受信して論理値の2値信号に復調して出力する第2受信回路と、上記第2コイルの接続先を上記第2送信回路と上記第2受信回路との間で切り替える第2切替回路と、上記第2受信回路からの出力信号を設定時間遅延させた遅延信号を出力する第2遅延回路とを備え、
上記第1回路に入力される上記第1入力信号を上記信号Aとして上記第1送信回路に入力し、該第1送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第2回路の上記第2受信回路にて受信し、該第2受信回路の出力信号を上記第2出力信号として上記第2回路から出力すると共に、
上記第2回路の上記第2遅延回路で遅延された上記遅延信号を上記信号Bとして上記第2送信回路に入力し、該第2送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第1回路の上記第1受信回路にて受信し、上記第1受信回路の出力信号および上記信号Aに基づき上記第1異常検出回路が出力する上記第1異常信号を上記第1回路から出力する、
信号伝達回路。 - 上記信号Aの論理値の変化に応じて上記第1切替回路が制御され、上記信号Bの論理値の変化に応じて上記第2切替回路が制御され、
上記第1切替回路が上記第1送信回路を切替選択する期間は、上記第2切替回路が上記第2受信回路を切替選択し、
上記第2切替回路が上記第2送信回路を切替選択する期間は、上記第1切替回路が上記第1受信回路を切替選択する、
請求項1に記載の信号伝達回路。 - 上記第1回路は、上記第1受信回路からの出力信号を設定時間遅延させた遅延信号を出力する第1遅延回路と、上記第1送信回路に入力される上記信号Aを、上記第1入力信号と上記第1遅延回路からの上記遅延信号との間で切り替え選択すると共に、該遅延信号を選択時に上記第1受信回路からの出力信号を第1出力信号として上記第1回路から出力する第3切替回路とをさらに備え、
上記第2回路は、上記第2受信回路からの出力信号を上記第2送信回路に入力される上記信号Bと比較して異常を検出し第2異常信号を出力する第2異常検出回路と、上記第2送信回路に入力される上記信号Bを、上記第2回路に入力される第2入力信号と上記第2遅延回路からの上記遅延信号との間で切り替え選択すると共に、該遅延信号を選択時に上記第2受信回路からの出力信号を上記第2出力信号として上記第2回路から出力する第4切替回路とをさらに備えて、
上記信号伝達回路が双方向の信号伝達機能を有し、
上記第2回路に入力される上記第2入力信号が上記信号Bとして上記第2送信回路に入力されると、該第2送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第1回路の上記第1受信回路にて受信し、該第1受信回路の出力信号を上記第1出力信号として上記第1回路から出力すると共に、
上記第1回路の上記第1遅延回路で遅延された上記遅延信号を上記信号Aとして上記第1送信回路に入力し、該第1送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第2回路の上記第2受信回路にて受信し、上記第2受信回路の出力信号および上記信号Bに基づき上記第2異常検出回路が出力する上記第2異常信号を上記第2回路から出力する、請求項1に記載の信号伝達回路。 - 上記第3切替回路が上記第1入力信号を選択する期間は、上記第4切替回路が上記第2遅延回路からの上記遅延信号を選択し、上記第3切替回路が上記第1遅延回路からの上記遅延信号を選択する期間は、上記第4切替回路が上記第2入力信号を選択する、
請求項3に記載の信号伝達回路。 - 上記信号Aの論理値の変化に応じて上記第1切替回路が制御され、上記信号Bの論理値の変化に応じて上記第2切替回路が制御され、
上記第1切替回路が上記第1送信回路を切替選択する期間は、上記第2切替回路が上記第2受信回路を切替選択し、
上記第2切替回路が上記第2送信回路を切替選択する期間は、上記第1切替回路が上記第1受信回路を切替選択する、
請求項3に記載の信号伝達回路。 - 上記第1受信回路、上記第2受信回路は、それぞれ入力側にキャパシタを備え、該各キャパシタを介して上記第1コイル、上記第2コイルからの信号を受信する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の信号伝達回路。 - 上記第1送信回路は、上記信号Aの立ち上がり、立ち下がりを検出して生成した各第1エッジ検出信号における立ち上がりを更に検出した2種の信号を、上記第1コイルの一端、他端にそれぞれ送信し、
上記第2送信回路は、上記信号Bの立ち上がり、立ち下がりを検出して生成した各第2エッジ検出信号における立ち上がりを更に検出した2種の信号を、上記第2コイルの一端、他端にそれぞれ送信し、
上記第1受信回路は、上記第1コイルの一端、他端からの各信号を受信して2値信号を生成し、
上記第2受信回路は、上記第2コイルの一端、他端からの各信号を受信して2値信号を生成する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の信号伝達回路。 - 上記第1送信回路が生成する上記第1エッジ検出信号が上記第1切替回路を制御し、上記第2送信回路が生成する上記第2エッジ検出信号が上記第2切替回路を制御し、上記第1エッジ検出信号と上記第2エッジ検出信号とは重なる期間が無い、
請求項7に記載の信号伝達回路。 - 上記第1異常検出回路は、上記第1受信回路からの出力信号の立ち上がり、立ち下がりの各タイミングで上記信号Aとの比較により異常を検出して各異常検出信号を出力すると共に上記第1異常信号を出力するものであり、
上記第1回路は、上記各異常検出信号に基づいて異常訂正信号を生成して上記第1コイルへ送信する第1補助送信回路を備え、上記第1送信回路および上記第1補助送信回路からの双方から上記第1コイルへ送信する、
請求項1または請求項2に記載の信号伝達回路。 - 上記第2回路は、第2グリッジフィルタを備え、該第2グリッジフィルタを介して上記第2出力信号を出力することで、上記第2出力信号内の設定パルス幅以下の短パルス信号を除去すると共に、上記第2出力信号を上記設定パルス幅の時間分遅延させる、
請求項9に記載の信号伝達回路。 - 上記第1異常検出回路は、上記第1受信回路からの出力信号の立ち上がり、立ち下がりの各タイミングで上記信号Aとの比較により異常を検出して各異常検出信号を出力すると共に上記第1異常信号を出力するものであり、
上記第1回路は、上記各異常検出信号に基づいて異常訂正信号を生成して上記第1コイルへ送信する第1補助送信回路を備え、上記第1送信回路および上記第1補助送信回路からの双方から上記第1コイルへ送信し、
上記第2異常検出回路は、上記第2受信回路からの出力信号の立ち上がり、立ち下がりの各タイミングで上記信号Bとの比較により異常を検出して各異常検出信号を出力すると共に上記第2異常信号を出力するものであり、
上記第2回路は、上記各異常検出信号に基づいて異常訂正信号を生成して上記第2コイルへ送信する第2補助送信回路を備え、上記第2送信回路および上記第2補助送信回路からの双方から上記第2コイルへ送信する、
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の信号伝達回路。 - 上記第1回路は、第1グリッジフィルタを備え、該第1グリッジフィルタを介して上記第1出力信号を出力することで、上記第1出力信号内の設定パルス幅以下の短パルス信号を除去すると共に、上記第1出力信号を上記設定パルス幅の時間分遅延させ、
上記第2回路は、第2グリッジフィルタを備え、該第2グリッジフィルタを介して上記第2出力信号を出力することで、上記第2出力信号内の設定パルス幅以下の短パルス信号を除去すると共に、上記第2出力信号を上記設定パルス幅の時間分遅延させる、
請求項11に記載の信号伝達回路。 - 信号伝達方向を制御する方向制御部を備え、該方向制御部からの制御信号により上記第3切替回路、上記第4切替回路が動作すると共に、上記第1異常検出回路、第2異常検出回路が動作する、
請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の信号伝達回路。 - 上記信号伝達回路は、電力半導体スイッチング素子の制御部と駆動回路との間に接続されて、上記制御部と上記駆動回路とを絶縁し、上記制御部からの制御信号を上記第1入力信号として入力して上記第2出力信号として上記駆動回路に出力すると共に、上記第1異常信号を上記制御部に出力する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の信号伝達回路。 - 電力半導体スイッチング素子と、
上記電力半導体スイッチング素子を駆動する駆動回路と、
上記電力半導体スイッチング素子を制御する制御信号を生成する制御部と、
上記制御部と上記駆動回路との間に接続されて、上記制御部と上記駆動回路とを絶縁し、上記制御部からの制御信号を上記駆動回路に伝達する信号伝達回路とを備えた電力変換装置において、
上記信号伝達回路は、
第1コイルおよび第2コイルを有する絶縁トランスと、上記第1コイルに接続される第1回路と、上記第2コイルに接続される第2回路とを備え、
上記第1回路は、入力される信号Aの論理値の変化に応じて上記第1コイルへの送信信号を生成して出力する第1送信回路と、上記第1コイルからの信号を受信して論理値の2値信号に復調して出力する第1受信回路と、上記第1コイルの接続先を上記第1送信回路と上記第1受信回路との間で切り替える第1切替回路と、上記第1受信回路からの出力信号を上記第1送信回路に入力される上記信号Aと比較して異常を検出し第1異常信号を出力する第1異常検出回路とを備え、
上記第2回路は、入力される信号Bの論理値の変化に応じて上記第2コイルへの送信信号を生成して出力する第2送信回路と、上記第2コイルからの信号を受信して論理値の2値信号に復調して出力する第2受信回路と、上記第2コイルの接続先を上記第2送信回路と上記第2受信回路との間で切り替える第2切替回路と、上記第2受信回路からの出力信号を設定時間遅延させた遅延信号を出力する第2遅延回路とを備え、
上記第1回路に入力される上記制御部からの制御信号を上記信号Aとして上記第1送信回路に入力し、該第1送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第2回路の上記第2受信回路にて受信し、該第2受信回路の出力信号を上記第2回路から上記駆動回路に出力すると共に、
上記第2回路の上記第2遅延回路で遅延された上記遅延信号を上記信号Bとして上記第2送信回路に入力し、該第2送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第1回路の上記第1受信回路にて受信し、上記第1受信回路の出力信号および上記信号Aに基づき上記第1異常検出回路が出力する上記第1異常信号を上記第1回路から上記制御部に出力する、
電力変換装置。 - 上記信号伝達回路において、
上記第1回路は、上記第1受信回路からの出力信号を設定時間遅延させた遅延信号を出力する第1遅延回路と、上記第1送信回路に入力される上記信号Aを、上記制御信号と上記第1遅延回路からの上記遅延信号との間で切り替え選択すると共に、該遅延信号を選択時に上記第1受信回路からの出力信号を上記第1回路から出力する第3切替回路とをさらに備え、
上記第2回路は、上記第2受信回路からの出力信号を上記第2送信回路に入力される上記信号Bと比較して異常を検出し第2異常信号を出力する第2異常検出回路と、上記第2送信回路に入力される上記信号Bを、上記第2回路に入力される入力信号と上記第2遅延回路からの上記遅延信号との間で切り替え選択すると共に、該遅延信号を選択時に上記第2受信回路からの出力信号を上記第2回路から出力する第4切替回路とをさらに備えて、
双方向の信号伝達機能を有し、
上記第2回路に入力される上記入力信号が上記信号Bとして上記第2送信回路に入力されると、該第2送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第1回路の上記第1受信回路にて受信し、該第1受信回路の出力信号を上記第1回路から出力すると共に、
上記第1回路の上記第1遅延回路で遅延された上記遅延信号を上記信号Aとして上記第1送信回路に入力し、該第1送信回路からの送信信号を上記絶縁トランスを介して上記第2回路の上記第2受信回路にて受信し、上記第2受信回路の出力信号および上記信号Bに基づき上記第2異常検出回路が出力する上記第2異常信号を上記第2回路から出力する、
請求項15に記載の電力変換装置。 - 上記駆動回路と上記電力半導体スイッチング素子とで構成されるパワーモジュールを備えた請求項15または請求項16に記載の電力変換装置。
- 上記信号伝達回路と上記駆動回路と上記電力半導体スイッチング素子とで構成されるパワーモジュールを備えた請求項15または請求項16に記載の電力変換装置。
- 上記制御部と上記信号伝達回路と上記駆動回路と上記電力半導体スイッチング素子とで構成されるパワーモジュールを備えた請求項15または請求項16に記載の電力変換装置。
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