JP5881867B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、電磁波を遮蔽するシールド板金を備えた電子機器に関する。
例えば、特許文献1には、他の電子機器との接続に用いるインタフェース用コネクタに対するEMI(電磁波障害)防止用の接触子およびこのEMI防止用接触子を用いた電子機器が開示されている。電磁波を遮蔽するシールド効果を得るために、この接触子では、コネクタ側のコネクタグランドに対して接触する導電性を有したコネクタグランド接触部と、機器筐体に設けられたフレームグランドに対して接触する導電性を有したフレームグランド接触部と、コネクタグランド接触部とフレームグランド接触部を基板に対して固定する固定部が一体形成されている。
特開2008−171616号公報
従来から、他の電子機器との接続に用いるインタフェース用のコネクタを実装する基板を備えた電子機器において、この基板の全体を覆い、かつ導電性を有する上記コネクタの筐体に一部が接触して電磁波を遮蔽するシールド板金を設けたEMI防止構造がある。
しかしながら、従来では、電子機器の組み立てに際して、シールド板金をねじ止め固定していたので、ねじ止め用の構造を設ける加工が必要であり、かつ組み立て工程が繁雑になるという課題があった。
また、従来のシールド板金は電子機器内の組み付け方向に付勢されていないので、例えば振動が長時間加わってねじが緩んだ場合に、シールド板金と電子機器内の組み付け方向の構成との間に隙間が生じてガタが発生する可能性がある。
なお、ガタが発生した場合、シールド板金と電子機器内の組み付け方向の構成とが接触して異音が発生する可能性があった。
特許文献1に代表される従来の技術では、接触部とグランドとの接触力を高めるため、EMI防止用接触子のコネクタグランド接触部とフレームグランド接触部をグランド側に付勢している。しかしながら、コネクタ周りに局所的に設けられる接触子では、基板全体を覆うシールド板金の組み付けに適用することができず、上述した課題を解消することはできない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な構成でガタなく組み立てることができる電子機器を得ることを目的とする。
この発明に係る電子機器は、導電性のコネクタ筐体を有する複数のコネクタが実装された基板と、2つのケース部材を有し、一方のケース部材を他方のケース部材に組み合わせて形成される内部空間内に基板を収納するケースとを備える電子機器において、ケースの内部空間内で、基板のコネクタが実装された面を覆うように一方のケース部材と基板との間に設けられるシールド部材を備え、シールド部材は、複数のコネクタのいずれかのコネクタ筐体に当接して基板を他方のケース部材に向けて付勢することで基板を他方のケース部材側に押し付ける弾性形状部と、残りのいずれかのコネクタ筐体に対して他方のケース部材の方向に圧接することで基板を他方のケース部材側に押し付ける圧接部とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、簡易な構成でガタなく組み立てることができるという効果がある。
この発明の実施の形態1に係る電子機器を示す斜視図である。 図1の電子機器の分解斜視図である。 図1の電子機器の内部構成を示す斜視図である。 実施の形態1におけるシールド板金を配置した基板を示す図である。 実施の形態1に係る電子機器の断面図である。 この発明の実施の形態2に係る電子機器を示す図である。
以下、この発明をより詳細に説明するため、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電子機器を示す斜視図であって、図1(a)は電子機器を正面側の斜視図であり、図1(b)は背面側の斜視図である。また、図2は、図1の電子機器の分解斜視図である。図3は、図1の電子機器の内部構成を示す斜視図である。図4は、実施の形態1におけるシールド板金を配置した基板を示す図である。
実施の形態1に係る電子機器1は、例えば開閉式の蓋部材4を有する車載用の外部入力インタフェース電子機器であり、図1(a)に示すように上部ケース部材2を下部ケース部材3に組み合わせてなるケースと、上部ケース部材2の前面に取り付けられる蓋部材4とを備えている。
上部ケース部材2は、図2に示すように方形の一面が開口した形状を有しており、その開口部に下部ケース部材3が組み合わされる。
また、上部ケース部材2の背面には、図1(b)に示すようにコネクタ5,6の各開口が露出しており、上部ケース部材2の前面には、図2に示すように、コネクタ11,12を露出させる開口部2a,2bが形成されている。
蓋部材4は、上部ケース部材2の前面に回動自在に取り付けられる蓋部材であり、開口2a,2bから露出するコネクタ11,12を保護する。また、蓋部材4は、樹脂などの可撓性を有する材料で形成されており、上部ケース部材2の前面に蓋部材4を組み付ける場合には、蓋部材4を撓ませて、蓋部材4の下辺の両端に形成した軸保持部(図6を用いて後述する)に支軸2c,2dを装着する。
また、図2に示すように、上部ケース部材2を下部ケース部材3に組み合わせて形成されるケースの内部空間内に、シールド板金7と基板10が収納される。
シールド板金7は、基板10からの高周波電波をシールドするシールド部材であって、導電性の板金を一面が開口するように端面を折り曲げて形成される。
また、シールド板金7の天面には、弾性形状部8が形成されており、シールド板金7の前面部の下端には、圧接部9a,9bが形成されている。
さらに、図2と図3に示すように、シールド板金7は、上部ケース部材2と基板10との間に配置され、天面と各側面で基板10の実装面を覆うように組み付けられる。
基板10には、コネクタ5,6,11,12が実装されている。外部の接続ケーブルのコネクタを差し込む必要があるため、コネクタ5,6,11,12の開口部は少なくともケースの側面から露出するように設けられる。このため、図2に示すように、コネクタ5,6,11,12は、基板10の端辺側に配置される。
また、コネクタ5,6は、導電性のコネクタ筐体5A,6Aに保持されており、コネクタ11,12は、導電性のコネクタ筐体11A,12Aに保持されている。コネクタ筐体5A,6A,11A,12Aは、基板10を介して接地されている。
図3および図4に示すように、弾性形状部8は、シールド板金7の天面の一部を下方に切り曲げて構成されるバネ形状を有しており、その先端部が、コネクタ5のコネクタ筐体5Aの天面に当接して基板10を下部ケース部材3側に付勢する。
また、図3に示すように、上部ケース部材2には、その内部の天井面から延びるリブ2e,2fが形成されている。リブ2e,2fは、上部ケース部材2を組み付けたときに、シールド板金7の貫通孔部7a,7bを通ってコネクタ筐体11A,12Aに当接して基板10の上下方向の移動を規制する。ここで、コネクタ11,12は、図4に示すように、貫通孔部7a,7bの下方に位置するため、コネクタ筐体11A,12Aに対する弾性形状部を形成することはできない。
そこで、この発明では、シールド板金7の天面部ではなく、その側面部に圧接部9a,9bを設けている。圧接部9a,9bは、シールド板金7の前側面部の下端に形成され、下方に突出しており、その最下端の位置はコネクタ筐体11A,12Aの天面の位置より若干下方に位置する。このため、シールド板金7を組み付けたときに、圧接部9a,9bは、コネクタ筐体11A,12Aに対して下部ケース部材3の方向に圧接する。
このように、弾性形状部8がコネクタ筐体5Aを付勢し、圧接部9a,9bがコネクタ筐体11A,12Aに圧接することで、基板10が下部ケース部材3側に押し付けられ、基板10をガタなくケース内に適切に保持することが可能となる。また、基板をねじ止めする必要がないため、製造工程におけるねじ止め加工を省略でき、また組み立て工程の繁雑なねじ止め作業が不要となる。
また、コネクタ筐体11A,12Aの天面の中央部を圧接部9a,9bが圧接すると、コネクタ筐体11A,12Aの天面が拉げて変形する可能性がある。
そこで、図4に示すように、圧接部9a,9bを、コネクタ筐体11A,12Aの側面11B,12Bの上端部に圧接する位置に形成してもよい。このように構成することで、圧接部9a,9bからの圧接力は、コネクタ筐体11A,12Aの側面11B,12Bが受けて支えることになる。
図5は、実施の形態1に係る電子機器の断面図であり、図1(a)のA−A線で切った断面を示している。上述したように、圧接部9a,9bの最下端の位置は、コネクタ筐体11A,12Aの天面の位置より若干下方に位置するため、圧接部9a,9bがコネクタ筐体11A,12Aに圧接すると、シールド板金7が上方に撓むことになる。
この撓みに対する逃げがない場合、上部ケース部材2を組み付けたときに、上部ケース部材2によって圧接部9a,9bが組み付け方向に押し付けられるため、圧接部9a,9bがコネクタ筐体11A,12Aに対して過度に圧接することになる。この場合、コネクタ筐体11A,12Aを変形させるおそれがある。
そこで、図5中に符号Bで示すように、上部ケース部材2とシールド板金7との間に、圧接部9a,9bがコネクタ筐体11A,12Aに圧接することで撓んだシールド板金7の逃げとなるクリアランス13を設ける。
なお、図5の例では、上部ケース部材2の天井面に凹所を設けてシールド板金7との間にクリアランス13を形成したが、シールド板金7を下方に窪ませてクリアランスを形成してもよい。
以上のように、この実施の形態1によれば、上部ケース部材2を下部ケース部材3に組み合わせてなるケースの内部空間内で、基板10のコネクタ5,6,11,12が実装された面を覆うように上部ケース部材2と基板10との間に設けられるシールド板金7を備え、シールド板金7が、コネクタ筐体5Aに当接して基板10を下部ケース部材3に向けて付勢する弾性形状部8と、コネクタ筐体11A,12Aに対して下部ケース部材3の方向に圧接する圧接部9a,9bとを備える。このように構成することで、ねじ止めが不要な簡易な構成であり、基板10を強固に下部ケース部材3側へ付勢することができることから、ガタの発生を防止することが可能である。
また、この実施の形態1によれば、圧接部9a,9bが、コネクタ筐体11A,12Aの側面11B,12Bの上端部に圧接するので、圧接部9a,9bによる圧接でコネクタ筐体11A,12Aが変形することを防止できる。
さらに、この実施の形態1によれば、上部ケース部材2とシールド板金7との間に、圧接部9a,9bがコネクタ筐体11A,12Aに圧接することで撓んだシールド板金7の逃げとなるクリアランス13を設けたので、圧接部9a,9bがコネクタ筐体11A,12Aを過度に圧接することを防止できる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2に係る電子機器を示す図であり、図6(a)は、上部ケース部材2と蓋部材4を示しており、図6(b)は、上部ケース部材2に取り付けた蓋部材4の縦断面を示している。上部ケース部材2の前面に蓋部材4を取り付ける場合に、蓋部材4の下辺側を側方に広がるように撓ませて、蓋部材4の下辺の両端に形成した軸保持部4a,4bを、上部ケース部材2の前面の下辺の両端に設けた支軸2c,2dに嵌合する。このため、蓋部材4が均一に厚い場合、蓋部材4をうまく撓ませることができず、上部ケース部材2の前面に取り付けることができなくなる。
そこで、この実施の形態2では、蓋部材4を、支軸2c,2dに取り付けられる下辺側に向かって厚みが薄くなるように構成している。すなわち、図6(b)に示すように、蓋部材4における上辺側の厚みaと下辺側の厚みbとの間にはb<aの関係がある。これにより、蓋部材4の下辺側を側方に広がるように撓ませることが容易となる。
以上のように、この実施の形態2によれば、コネクタ11,12の開口部が露出するケースの側面を開閉する蓋部材4を備え、蓋部材4の厚みは、ケースの側面の端辺に沿って回動自在に取り付けられる部分に向かって薄くなる。このように構成することで、蓋部材4を容易に取り付けることができ、ひいては電子機器の組み付けが容易になる。
上記実施の形態1,2では、蓋部材4に軸保持部4a,4bを設け、上部ケース部材2の前面に支軸2c,2dを設ける構成を示したが、蓋部材4に支軸を設け、上部ケース部材2の前面に軸保持部を設けてもよい。
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る電子機器は、簡易な構成でガタなく組み立てることができるので、車両の走行によりガタの要因となる振動が発生しやすい車載用の電子機器に好適である。
1 電子機器、2 上部ケース部材、2a,2b 開口、2c,2d 支軸、2e,2f リブ、3 下部ケース部材、4 蓋部材、4a,4b 軸保持部、5,6,11,12 コネクタ、5A,6A,11A,12A コネクタ筐体、7 シールド板金、7a,7b 貫通孔部、8 弾性形状部、9a,9b 圧接部、10 基板、11B,12B 側面、13 クリアランス。

Claims (4)

  1. 導電性のコネクタ筐体を有する複数のコネクタが実装された基板と、
    2つのケース部材を有し、一方のケース部材を他方のケース部材に組み合わせて形成される内部空間内に前記基板を収納するケースとを備える電子機器において、
    前記ケースの内部空間内で、前記基板の前記コネクタが実装された面を覆うように前記一方のケース部材と前記基板との間に設けられるシールド部材を備え、
    前記シールド部材は、
    前記複数のコネクタのいずれかのコネクタ筐体に当接して前記基板を前記他方のケース部材に向けて付勢することで前記基板を前記他方のケース部材側に押し付ける弾性形状部と、
    残りのいずれかのコネクタ筐体に対して前記他方のケース部材の方向に圧接することで前記基板を前記他方のケース部材側に押し付ける圧接部とを備えることを特徴とする電子機器。
  2. 前記圧接部は、前記コネクタ筐体の側面の上端部に圧接することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  3. 前記一方のケース部材と前記シールド部材との間に、前記圧接部が前記コネクタ筐体に圧接することで撓んだ前記シールド部材の逃げとなるクリアランスを設けたことを特徴とする請求項1記載の電子機器。
  4. 前記コネクタの開口部が露出する前記ケースの側面を開閉する蓋部材を備え、
    前記蓋部材の厚みは、前記ケースの側面の端辺に回動自在に取り付けられる部分に向かって薄くなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
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