以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。ここでは、画像形成装置1として、プリンター機能と複写機能とを備えた複合機を例示するが、画像形成装置は、プリンター、複写機、ファクシミリ装置であってもよい。
<画像形成装置の説明>
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する装置本体10と、装置本体10上に配置される自動原稿給送装置20と、を備える。装置本体10の内部には、複写する原稿画像を光学的に読み取る読取ユニット25と、シートにトナー像を形成する画像形成部30と、前記トナー像をシートに定着させる定着部60と、画像形成部30へ搬送される定型シートを貯留する給紙部40と、定型シートを給紙部40又は手差し給紙部46から画像形成部30及び定着部60を経由してシート排出口10Eまで搬送する搬送経路50と、この搬送経路50の一部を構成するシート搬送路を内部に有する搬送ユニット55(中継搬送ユニット)とが収容されている。
自動原稿給送装置(ADF)20は、装置本体10の上面に回動自在に取り付けられている。ADF20は、装置本体10における所定の原稿読取位置に向けて、複写される原稿シートを自動給送する。
読取ユニット25は、装置本体10の上面のADF20から自動給送される原稿シートの読取用のコンタクトガラス、又は手置きされる原稿シートの読取用のコンタクトガラス(不図示)を通して、原稿シートの画像を光学的に読み取る。読取ユニット25内には、光源、移動キャリッジ、反射ミラー等を含む走査機構と、撮像素子とが収容されている(図略)。
画像形成部30は、フルカラーのトナー画像を生成しこれをシート上に転写する処理を行うもので、タンデムに配置されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つのユニット32Y、32M、32C、32Bkを含む画像形成ユニット32と、該画像形成ユニット32の上に隣接して配置された中間転写ユニット33と、中間転写ユニット33上に配置されたトナー補給部34とを含む。
各画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkは、感光体ドラム321と、この感光体ドラム321の周囲に配置された、帯電器322、露光器323、現像装置324、一次転写ローラー325及びクリーニング装置326とを含む。
感光体ドラム321は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム321としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器322は、感光体ドラム321の表面を均一に帯電する。露光器323は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム321の周面に、原稿画像の画像データに基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
現像装置324は、感光体ドラム321上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム321の周面にトナーを供給する。
一次転写ローラー325は、中間転写ユニット33に備えられている中間転写ベルト331を挟んで感光体ドラム321と一次転写ニップ部を形成し、感光体ドラム321上のトナー像を中間転写ベルト331上に一次転写する。クリーニング装置326は、クリーニングローラー等を有し、トナー像転写後の感光体ドラム321の周面を清掃する。
中間転写ユニット33は、中間転写ベルト331、駆動ローラー332及び従動ローラー333を備える。中間転写ベルト331は、駆動ローラー332及び従動ローラー333に架け渡された無端ベルトであって、該中間転写ベルト331の外周面には、複数の感光体ドラム321からトナー像が、同一箇所に重ねて転写される(一次転写)。
駆動ローラー332の周面に対向して、二次転写ローラー35(転写手段)が配置されている。駆動ローラー332と二次転写ローラー35との二次転写ニップ部において、中間転写ベルト331に重ね塗りされたフルカラーのトナー像がシートに転写される。
トナー補給部34は、イエロー用トナーコンテナ34Y、マゼンタ用トナーコンテナ34M、シアン用トナーコンテナ34C、及びブラック用トナーコンテナ34Bkを含む。これらトナーコンテナ34Y、34C、34M、34Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット32Y、32M、32C、32Bkの現像装置324に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
給紙部40は、画像形成処理が施されるシートのうち、定型シートPを収容する2段の第1給紙カセット40A、第2給紙カセット40Bを備える。これらの給紙カセットは、装置本体10の前方から手前方向に引出可能である。
第1給紙カセット40Aは、定型シートPが積層されてなるシート束を収納するシート収容部41を備える。ピックアップローラー43及び給紙コロ44の駆動により、給紙カセット40A内のシート束の最上層のシートPが1枚ずつ繰り出され、搬送経路50の上流端へ搬入される。なお、第2給紙カセット40Bも、第1給紙カセット40Aと同様の構成を備える。
装置本体10の右側面10Rには、手差しトレイ46が配置される。手差しトレイ46の近傍には、給紙ローラー461が配置される。手差しトレイ46は、その下端部において装置本体10に対して開閉自在に取り付けられている。
搬送経路50は、給紙部40から画像形成部30を経由して定着部60の出口までシートPを搬送する主搬送路50Aと、シートに対して両面印刷を行う場合に片面印刷されたシートを画像形成部30に戻すための反転搬送路50Bと、主搬送路50Aの下流端から反転搬送路50Bの上流端へシートを向かわせるためのスイッチバック搬送路50Cと、主搬送路50Aの下流端から装置本体10の左側面10Lに設けられたシート排出口10Eまでシートを水平方向に搬送する水平搬送路50D(シート搬送路)とを含む。この水平搬送路50Dの大半は、搬送ユニット55の内部に備えられているシート搬送路で構成されている。
主搬送路50Aの、二次転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対51が配置されている。シートは、停止状態のレジストローラー対51にて一旦停止され、スキュー矯正が行われる。その後、画像転写のための所定のタイミングで、レジストローラー対51が駆動部(図略)で回転駆動されることで、シートは二次転写ニップ部に送り出される。この他、主搬送路50Aには、シートを搬送するためのシート搬送ローラー52が複数配置されている。
搬送経路50の最下流端には、排紙ローラー53が配置されている。排紙ローラー53は、装置本体10の左側面10Lに配置される後記の後処理装置に、シート排出口10Eを通してシートを送り込む。なお、後処理装置が取り付けられない画像形成装置では、シート排出口10Eの下方に後記のシート排出トレイ10TR(図2)が設けられる。
搬送ユニット55は、定着部60から搬出されるシートを、シート排出口10Eまで搬送するユニットである。本実施形態の画像形成装置1は、定着部60が装置本体10の右側面10R側に配置され、シート排出口10Eは、右側面10Rと対向する装置本体10の左側面10L側に配置されている。従って、搬送ユニット55は、装置本体10の右側面10Rから左側面10Lに向けて、シートを水平方向に搬送する。搬送ユニット55は、装置本体10に装着可能とされ、前記装置本体の一部を構成する。
画像形成装置1は、更に不図示の後処理装置を備える。前述のように後処理装置は、装置本体10の左側面10Lに配置される。後処理装置は、シート排出口10Eからシートを受け取り、該シートに所定の後処理を施したのち、該シートを積載する。前記シートへの後処理には、ステープル処理や、小冊子製本処理などが含まれる。
定着部60は、シートにトナー像を定着させる定着処理を施す誘導加熱方式の定着装置であって、加熱ローラー61、定着ローラー62、加圧ローラー63、定着ベルト64及び誘導加熱ユニット65を含む。定着ローラー62に対して加圧ローラー63が圧接され、定着ニップ部が形成されている。シートが定着ニップ部を通過することで、シートに転写されたトナー像が当該シートに定着される。
更に、画像形成装置1は、カール矯正装置7を備える。図2および図3は、画像形成装置1内のカール矯正装置7の配置を示した模式的な断面図である。なお、図3は、画像形成装置1の中の中間転写ユニット33、定着部60、カール矯正装置7、搬送ユニット55の位置関係を示した断面図である。カール矯正装置7は、シートのカールを矯正する(デカーラ)機能を備える。カール矯正装置7は、搬送ユニット55の内部において、シート搬送方向の上流側に配置される。定着部60において定着処理が施されたシートは、定着部60の下流側に配置された搬送ローラー対50R(排紙部)によって、搬送ユニット55に搬送される。カール矯正装置7は、搬送ローラー対50Rから受け渡されたシートのカールを矯正した後、搬送ユニット55内に配置された下流ローラー対55Rに前記シートを搬送する。下流ローラー対55Rは、カール矯正装置7よりもシート搬送方向下流側の水平搬送路50Dに配置される。下流ローラー対55Rは、第1下流ローラー55R1、第2下流ローラー55R2から構成される。カール矯正装置7から搬送されたシートは、第1下流ローラー55R1と第2下流ローラー55R2との間に挟持されながら、シート排出口10Eに向かって搬送される。この後、シートPは、シート排出トレイ10TRまたは前述の後処理装置に排紙される。
定着部60において、シートに定着処理が施されるにあたり、定着ローラー62によってシートが加熱される。また、加圧ローラー63によって、シートが定着ローラー62に向かって押圧される。この際、シートのうち、定着ローラー62側の面にトナー像が定着される。トナー像が熱によって収縮されることによって、前記シートは、定着ローラー62に面する側(第1の面)が内周側、加圧ローラー63に面する側(第2の面)が外周側となるようにカール(湾曲)しやすい。シートがカールしている場合、シート排出トレイ10TRまたは前記後処理装置上に排出されたシートの収容性が悪化する。カール矯正装置7によって、該カールが矯正されることで、前記シートの収容性が安定して維持される。
次に、図4乃至図13を参照して、本発明の第1の実施形態に係るカール矯正装置7について詳述する。カール矯正装置7は、矯正ユニット70(支持ユニット)、第1フレーム71、第2フレーム72を備える。図4および図5は、本実施形態に係る矯正ユニット70の斜視図である。図6は、本発実施形態に係るカール矯正装置7の斜視図である。また、図7は、矯正ユニット70が第1フレーム71に装着された状態の斜視図である。図8は、第2フレーム72の斜視図である。また、図9および図10は、カール矯正装置7の拡大斜視図である。また、図11は、矯正ユニット70が下ハウジング73に装着された状態の斜視図である。図12は、カール矯正装置7の断面図である。更に、図13は、矯正ユニット70が下ハウジング73に装着された状態の平面図である。
矯正ユニット70は、カール矯正装置7の本体部分である。矯正ユニット70は、搬送ユニット55の後側において、後記の第1フレーム71および第2フレーム72に装着される。また、矯正ユニット70は、搬送ユニット55の前側においても、不図示のフレームに装着される。矯正ユニット70は、前後方向に延伸される略円筒体形状からなる。矯正ユニット70は、外周部70Aを備える(図12参照)。また、矯正ユニット70は、ユニット軸700(第3回転軸)を備える。ユニット軸700は、矯正ユニット70の回転における回転軸となる。ユニット軸700は、矯正ユニット70の中心において前後方向に延伸される軸部である。なお、ユニット軸700は、後記の弾性ローラー軸701Aと硬質ローラー軸702Aとの間に弾性ローラー軸701Aと平行に配置される。更に、矯正ユニット70は、弾性ローラー701(第1ローラー)と、硬質ローラー702(第2ローラー)と、リアフランジ部703と、フロントフランジ部704と、第1ガイド部705と、第2ガイド部706と、を備える。
弾性ローラー701は、弾性ローラー軸701A(第1回転軸)回りに回転され、弾性変形可能とされる。弾性ローラー軸701Aは、弾性ローラー701の回転における回転軸となる。弾性ローラー701は、後記のリアフランジ部703およびフロントフランジ部704に回転可能に支持される。弾性ローラー701は、弾性ローラー軸701Aの回りに配置されるローラー部材である。弾性ローラー701は、弾性ローラー軸701Aの軸方向(前後方向)において、間隔をおいて複数配置される。本実施形態では、弾性ローラー701は、ゴム部材からなる。
硬質ローラー702は、弾性ローラー軸701Aと平行な硬質ローラー軸702A(第2回転軸)回りに回転される。硬質ローラー軸702Aは、硬質ローラー702の回転における回転軸となる。硬質ローラー702は、後記のリアフランジ部703およびフロントフランジ部704に回転可能に支持される。硬質ローラー702は、金属ローラーからなる。本実施形態では、硬質ローラー702はステンレス材から構成される。硬質ローラー702は、弾性ローラー701に押圧されることで、弾性ローラー701を弾性変形させる。この結果、弾性ローラー701と硬質ローラー702との間に、シートが通過されるニップ部Nが形成される(図12参照)。該ニップ部NがシートPのカールを矯正するカール矯正部として機能する。弾性ローラー701が弾性変形されることで、ニップ部Nは硬質ローラー702の周面に沿って湾曲した形状となる。前述の水平搬送路50Dは、ニップ部Nを含む。シートは、ニップ部Nを通過しながら、水平搬送路50D内を所定のシート搬送方向(右方から左方)に搬送される。
リアフランジ部703は、矯正ユニット70の後側端部において、ユニット軸700に直交して配置される側壁部である。リアフランジ部703は、前後方向に間隔をおいて配置される2枚の壁部からなる。詳しくは、リアフランジ部703は、第1リアフランジ703Aおよび第2リアフランジ703Bを備える。第1リアフランジ703Aは、リアフランジ部703のうち軸方向の外側に配置される壁部である。第2リアフランジ703Bは、リアフランジ部703のうち軸方向の内側に配置される壁部である。なお、図4に示されるように、第1リアフランジ703Aは、周方向の一部が部分的に扇形に切りかかれた形状を備える。第1リアフランジ703Aと第2リアフランジ703Bとは、周方向に間隔をおいて配置された複数の連結棒(不図示)によって連設される。また、第1リアフランジ703Aの外周部には、複数のギア歯から構成される外周ギア部703G(図5)が配置される。外周ギア部703Gが、後記の第1駆動シャフト721Aに係合されることで、矯正ユニット70が回転するための回転駆動力が外周ギア部703Gに伝達される。
フロントフランジ部704は、矯正ユニット70の前側端部において、ユニット軸700に直交して配置される側壁部である。フロントフランジ部704は、前後方向に間隔をおいて配置される2枚の壁部からなる。詳しくは、フロントフランジ部704は、第1フロントフランジ704Aおよび第2フロントフランジ704Bを備える。第1フロントフランジ704Aは、フロントフランジ部704のうち軸方向の外側に配置される壁部である。第2フロントフランジ704Bは、フロントフランジ部704のうち軸方向の内側に配置される壁部である。第1フロントフランジ704Aと第2フロントフランジ704Bとは、周方向に間隔をおいて配置された複数の連結棒(不図示)によって連設される。
第1ガイド部705は、第2リアフランジ703Bと第2フロントフランジ704Bとの間に延設される一対の板状部材である。詳しくは、第1ガイド部705は、第11ガイド705Aと第12ガイド705B(いずれもガイド板)とを備える。第1ガイド部705は、水平搬送路50Dを搬送されるシートをニップ部Nに案内する機能を備える。また、第1ガイド部705は、ニップ部Nから搬出されたシートを再び水平搬送路50Dに案内する機能を備える。この際、シートは、第11ガイド705Aと第12ガイド705Bとの間を搬送される。換言すれば、一対の第11ガイド705Aおよび第12ガイド705Bは、矯正ユニット70の外周部70Aからニップ部Nに向かって、水平搬送路50Dを挟むように延設され、シートをガイドする。
第2ガイド部706は、第2リアフランジ703Bと第2フロントフランジ704Bとの間に延設される一対の板状部材である。詳しくは、第2ガイド部706は、第21ガイド706Aと第22ガイド706B(いずれもガイド板)とを備える。第2ガイド部706は、水平搬送路50Dを搬送されるシートをニップ部Nに案内する機能を備える。また、第2ガイド部706は、ニップ部Nから搬出されたシートを再び水平搬送路50Dに案内する機能を備える。この際、シートは、第21ガイド706Aと第22ガイド706Bとの間を搬送される。換言すれば、一対の第21ガイド706Aおよび第22ガイド706Bは、矯正ユニット70の外周部70Aからニップ部Nに向かって、水平搬送路50Dを挟むように延設され、シートをガイドする。
矯正ユニット70について換言すれば、矯正ユニット70は、弾性ローラー軸701Aおよび硬質ローラー軸702Aを軸支することで、弾性ローラー701および硬質ローラー702を回転可能に支持する。また、矯正ユニット70は、弾性ローラー軸701Aと硬質ローラー軸702Aとの間に、弾性ローラー軸701Aと平行に配置されたユニット軸700を備える。矯正ユニット70は、ユニット軸700回りに回転可能とされる。
更に、矯正ユニット70は、入力ギア707、中継ギア708、伝達ギア709(図5)を備える。
入力ギア707は、第1リアフランジ703Aの軸方向外側のユニット軸700に配置されるギアである。入力ギア707は、ユニット軸700に対して回転可能とされる。ユニット軸700は、後記の第2駆動シャフト722Aに連結される。
中継ギア708は、第1リアフランジ703Aの前述の切り欠き部に配置されるギア部である。中継ギア708は、第2リアフランジ703Bに回転可能に支持される。中継ギア708は、第1中継ギア部708Aと、第2中継ギア部708Bとを備える。第1中継ギア部708Aと第2中継ギア部708Bとは、軸方向において隣接して配置されるギア部分である。第1中継ギア部708Aは、入力ギア707と係合される。第2中継ギア部708Bは、後記の伝達ギア709に係合される。中継ギア708は、入力ギア707から回転駆動力を受け、伝達ギア709に該回転駆動力を伝達する。
伝達ギア709は、第1リアフランジ703Aと第2リアフランジ703Bとの間において、硬質ローラー軸702Aに固定されるギアである。伝達ギア709は、硬質ローラー軸702Aと一体的に回転される。中継ギア708から伝達ギア709に回転駆動力が伝達されると、該回転駆動力によって硬質ローラー702が回転される。硬質ローラー702の回転に伴って、弾性ローラー701は硬質ローラー702に従動して回転される。
図9および図10を参照して、第1フレーム71は、矯正ユニット70の後側で、矯正ユニット70を回転可能に支持する。図6の矢印D61の方向に、矯正ユニット70が第1フレーム71に装着される。第1フレーム71は、前後方向に面する板状部材であり、第1フレーム71の上方部分は前方に屈曲されている。第1フレーム71は、ロータリーシャフト711と、ロータリーギア712と、ユニット軸受け部71Rと、開口部71Gとを備える。ロータリーシャフト711は、第1フレーム71の上下方向の中央部であって、第1フレーム71の左端部において、前方向に突設されるシャフト部である。ロータリーシャフト711には、ロータリーギア712が装着される。
ロータリーギア712は、ロータリーシャフト711に回転可能に支持されるギアである。ロータリーギア712は、第1ギア部712Aと、第2ギア部712Bとを備える。第1ギア部712Aと第2ギア部712Bとは前後方向において隣接されるギア部である。第1ギア部712Aは、後記の第1駆動シャフト721Aに係合される。また、第2ギア部712Bは、矯正ユニット70の外周ギア部703Gに係合される。ロータリーギア712は、後記のロータリーモーター721によって発生された回転駆動力を矯正ユニット70に伝達する機能を備える。
ユニット軸受け部71Rは、第1フレーム71の下端部かつ右端部に配置される軸受け部である。ユニット軸受け部71Rには、矯正ユニット70のユニット軸700が挿入される。この結果、矯正ユニット70が第1フレーム71に回転可能に支持される。
開口部71Gは、ユニット軸受け部71Rの上方において、上下方向に開口される長穴である。開口部71Gには、後記の第2駆動シャフト722Aが挿通される。
第2フレーム72は、第1フレーム71を支持する。第1フレーム71は不図示のスクリューによって第2フレーム72に固定される。第2フレーム72は、第1フレーム71よりも大きな面積をもって、前後方向に面される板状部材である。第2フレーム72は、ロータリーモーター721と、駆動モーター722と、揺動片75と、検知センサー76とを備える。
ロータリーモーター721は、第2フレーム72の左端部であって、第2フレーム72の後側の面に配置される。ロータリーモーター721は、矯正ユニット70をユニット軸700回りに回転させる回転駆動力を発生するモーターである。ロータリーモーター721は、第1駆動シャフト721Aを備える。第1駆動シャフト721Aは、第2フレーム72を貫通して、第2フレーム72の前側に突出される。前述のように、第1駆動シャフト721Aが、ロータリーギア712の第1ギア部712Aに係合されることで、ロータリーギア712にロータリーモーター721の回転駆動力が伝達される。
駆動モーター722は、第2フレーム72の中央よりもやや右側において、第2フレーム72の後側の面に配置される。駆動モーター722は、矯正ユニット70内の硬質ローラー702を硬質ローラー軸702A回りに回転させる回転駆動力を発生するモーターである。駆動モーター722は、第2駆動シャフト722Aを備える。第2駆動シャフト722Aは、第2フレーム72を貫通して、第2フレーム72の前側に突出される。第2駆動シャフト722Aは、前述の第1フレーム71の開口部71Gを貫通し、第1フレーム71の前側に突出される。第2駆動シャフト722Aは、矯正ユニット70の入力ギア707に係合されることで、入力ギア707に駆動モーター722の回転駆動力を伝達する。該回転駆動力は、入力ギア707から中継ギア708を介して伝達ギア709に伝達される。この結果、駆動モーター722の回転駆動力によって、硬質ローラー702が回転される。なお、入力ギア707が矯正ユニット70のユニット軸700と同軸上に配置されるため、矯正ユニット70が回転した場合であっても、第2駆動シャフト722Aから入力ギア707に安定して回転駆動力が入力される。
揺動片75(図8)は、第2駆動シャフト722Aの右側において、第2フレーム72に揺動可能に配置される。揺動片75は正面視でL字型形状からなる部材である。揺動片75は、支点部751と、検出片752とを備える。支点部751は、揺動片75の上端部に配置され、第2フレーム72から突設された軸部に固定される。支点部751は、揺動片75の揺動における回転軸となる。検出片752は、揺動片75の下端部に配置され、右方に向かって延設される。検出片752は、矯正ユニット70の1回転ごとに、右方に移動され、後記の検知センサー76によって検出される。
検知センサー76は、揺動片75の右方に配置される。検知センサー76は、検出片752を検出するためのセンサーである。検知センサー76は、発光部761と、受光部762とを備える。発光部761から受光部762に向かって、検出光が照射される。該検出光が検出片752によって遮断されることによって、検出片752が検知センサー76によって検出される。矯正ユニット70が1回転される際に、矯正ユニット70の周上の所定の位置に対応して、検出片752が検知センサー76によって検出される。該検出タイミングに基づいて、後記のカウント部820がロータリーモーター721のステップ信号をカウントする。そして、該カウントに基づいて、後記の駆動制御部810が、ロータリーモーター721の回転角度を調整する。この結果、矯正ユニット70の回転角度が制御される。
図11乃至図13を参照して、カール矯正装置7は、更に、下ハウジング73と、上ハウジング74とを備える。下ハウジング73および上ハウジング74は、矯正ユニット70を収容するハウジング部材である。また、図3に示されるように、下ハウジング73および上ハウジング74は、それぞれ搬送ユニット55の右方部分(シート搬送方向上流側部分)を画定する。
下ハウジング73は、矯正ユニット70の下方に配置される。下ハウジング73は、下搬入部731(ガイド部)と、下支持部732と、下搬出部733とを備える。
下搬入部731は、水平搬送路50Dの下方であって、矯正ユニット70のシート搬送方向上流側に配置され、シートPを矯正ユニット70に向かってガイドする。下搬入部731は、下搬入リブ731Aと、下進入リブ731B(リブ部材)とを備える。下搬入リブ731Aは、下搬入部731の上面部において、シート搬送方向と交差するシート幅方向に間隔をおいて配置される複数のリブ部材である。下搬入リブ731Aは、シート幅方向に沿って延設される。下進入リブ731Bは、複数の下搬入リブ731Aのうちの一部の下搬入リブ731Aに連設されるリブ部材である。下進入リブ731Bは、矯正ユニット70の外周部70Aよりも、矯正ユニット70の内側(ニップ部側)に進入するように、シート搬送方向に沿って下搬入部731から突設される。下進入リブ731Bは、矯正ユニット70の内部であって、第11ガイド705Aと第12ガイド705Bとの間に向かってシートをガイドする。なお、図13を参照して、シート幅方向(前後方向)において、下搬入リブ731Aおよび下進入リブ731Bが配置される位置は、水平搬送路50Dを搬送されるシートPのシート幅方向の両端縁が通過する位置とは異なる位置に配置される。
下支持部732は、下搬入部731のシート搬送方向下流側であって、矯正ユニット70の下方に配置される。下支持部732は、矯正ユニット70が回転する空間の下方を画定する。
下搬出部733は、下支持部732および矯正ユニット70のシート搬送方向下流側に配置される。下搬出部733は、矯正ユニット70のニップ部Nから搬出されたシートPを水平搬送路50Dに向かってガイドする。
上ハウジング74は、矯正ユニット70の上方に配置される。上ハウジング74は、上搬入部741(ガイド部)と、上支持部742と、上搬出部743(ガイド部)とを備える。
上搬入部741は、水平搬送路50Dの上方であって、矯正ユニット70のシート搬送方向上流側に配置され、シートPを矯正ユニット70に向かってガイドする。上搬入部741は、上搬入リブ741Aと、上進入リブ741B(リブ部材)とを備える。上搬入リブ741Aは、上搬入部741の下面部において、シート搬送方向と交差するシート幅方向に間隔をおいて配置される複数のリブ部材である。上搬入リブ741Aは、シート幅方向に沿って延設される。上進入リブ741Bは、複数の上搬入リブ741Aのうちの一部の上搬入リブ741Aに連設されるリブ部材である。上進入リブ741Bは、矯正ユニット70の外周部70Aよりも、矯正ユニット70の内側(ニップ部側)に進入するように、シート搬送方向に沿って上搬入部741から突設される。上進入リブ741Bは、矯正ユニット70の内部であって、第11ガイド705Aと第12ガイド705Bとの間に向かってシートをガイドする。なお、下搬入リブ731Aおよび下進入リブ731Bと同様に、シート幅方向(前後方向)において、上搬入リブ741Aおよび上進入リブ741Bが配置される位置は、水平搬送路50Dを搬送されるシートPのシート幅方向の両端縁が通過する位置とは異なる位置に配置される。また、前記シート幅方向において、上搬入リブ741Aおよび上進入リブ741Bは、下搬入リブ731Aおよび下進入リブ731Bに対向する位置に配置されている。
上支持部742は、上搬入部741のシート搬送方向下流側であって、矯正ユニット70の上方に配置される。上支持部742は、矯正ユニット70が回転する空間の上方を画定する。
上搬出部743は、上支持部742および矯正ユニット70のシート搬送方向下流側に配置される。上搬出部743は、矯正ユニット70のニップ部Nから搬出されたシートPを水平搬送路50Dに向かってガイドする。上搬出部743は、シート幅方向に間隔をおいて配置される複数の上搬出リブ743A(リブ部材)を備える。上搬出リブ743Aは、矯正ユニット70の外周部70Aよりも、矯正ユニット70の内側(ニップ部側)に進入するように、シート搬送方向に沿って上搬出部743から突設される。上搬出リブ743Aは、矯正ユニット70の内部であって、第21ガイド706Aと第22ガイド706Bとの間から搬出されたシートを水平搬送路50Dにガイドする。
更に、図11および図13を参照して、矯正ユニット70は、第1切欠き部705A1および第2切欠き部705B1(いずれも切欠き部)を備える。
第1切欠き部705A1は、矯正ユニット70の外周部70Aのうち、第11ガイド705Aの外縁部が部分的に切り欠かれることで形成される切欠き部である。第1切欠き部705A1は、複数の下進入リブ731Bに対向し、シート幅方向に沿って複数配置される。そして、矯正ユニット70のユニット軸700回りの回転に伴って、第1切欠き部705A1は、下進入リブ731Bの内側(下進入リブ731Bが対向する位置)を通過する。また、切欠き部705A1は、前記矯正ユニット70の回転に伴って、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aの内側を通過する。換言すれば、前記矯正ユニット70の回転に伴って、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aが、第1切欠き部705A1を通過する。このため、矯正ユニット70の外周部70Aよりも内側に進入するように突設される上搬入リブ741A、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aと、矯正ユニット70とが干渉することが抑止される。
同様に、第2切欠き部705B1は、矯正ユニット70の外周部70Aのうち、第12ガイド705Bの外縁部が部分的に切り欠かれることで形成される切欠き部である。第2切欠き部705B1は、複数の上進入リブ741Bに対向して複数配置される。そして、矯正ユニット70のユニット軸700回りの回転に伴って、第2切欠き部705B1は、下進入リブ731B、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aの内側を通過する。換言すれば、矯正ユニット70のユニット軸700回りの回転に伴って、下進入リブ731B、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aが、第2切欠き部705B1を通過する。なお、第21ガイド706Aおよび第22ガイド706Bにも、同様の切欠き部が形成されている。
次に、本実施形態に係るカール矯正装置7のカール矯正動作について説明する。図14は、制御部800の電気的なブロック図である。制御部800はカール矯正装置7を統括的に制御するもので、制御信号の送受先として、前述の検知センサー76、ロータリーモーター721、駆動モーター722に加え、カール量検出センサー77(検出部)に電気的に接続されている。
図2を参照して、カール量検出センサー77は、定着部60よりもシート搬送方向の下流側に配置される。カール量検出センサー77は、シートのカール量に応じた特性値を検出する。本実施形態では、カール量検出センサー77は、装置本体10に配置された測距センサーである。カール量検出センサー77は、搬送されるシートのシート面に対して直交に配置される。カール量検出センサー77は、三角測量方式に基づき、不図示の発光素子と受光素子との組み合わせで構成される。発光素子には、半導体レーザーが用いられる。半導体レーザーの光は不図示の投光レンズを通し集光され、シートPに照射される。そして、シートPから拡散反射された光線の一部は不図示の受光レンズを通して受光素子上にスポットを結ぶ。この結果、カール量検出センサー77から対象物までの距離が検出される。カール量検出センサー77は、シートの搬送方向における先端部、中央部、後端部において、シート面の距離(位置)を測定する。予め、カール量検出センサー77が装着される位置が固定されることによって、前記複数の距離からシートのカール量が検出される。
制御部800は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、駆動制御部810、カウント部820、記憶部830を機能的に有するよう動作する。
駆動制御部810は、ロータリーモーター721および駆動モーター722を制御することで、矯正ユニット70の回転および硬質ローラー702の回転を制御する。
カウント部820は、検知センサー76が検出片752を検出するタイミングを基準に、ロータリーモーター721の回転のためのパルスステップ信号をカウントする。カウント部820のカウント結果に基づき、駆動制御部810がロータリーモーター721の回転を制御する。この結果、矯正ユニット70の回転角度(回転位置)が制御される。
記憶部830は、カール量検出センサー77が検出する特性値(距離)に応じて、シートPのカール量を算出するためのテーブルを予め格納する。カール量検出センサー77の検出結果に基づいて、駆動制御部810は記憶部830に格納された前記テーブルを参照し、シートのカール量およびカール方向を導出する。該カール量およびカール方向に基づいて、矯正ユニット70の回転および矯正ユニット70の回転角度が決定される。
次に、図2および図12を参照して、シートPのカール矯正について説明する。画像形成部32においてシートPにトナー像が形成された後、定着部60において該トナー像のシートPへの定着処理が施される。この際、前述のように、シートPは、第1の面P(1)が内周側に、第2の面P(2)が外周面となるようにカールされやすい。換言すれば、図12に示されるように、シートPの先端が下方に反るような、いわゆる下カールの状態となりやすい。定着部60から排出されたシートPが、カール量検出センサー77が対向する位置を通過する際に、カール量検出センサー77によって、シートPの搬送方向の先端部、中央部、後端部と、カール量検出センサー77との距離が測定される。そして、駆動制御部810は、カール量検出センサー77の測定結果と、予め記憶部830に格納されるテーブルに基づいて、シートPのカール量を検出する。また、カール量検出センサー77の検出する複数の距離の大小関係から、シートPの下カールまたは上カールが駆動制御部810によって判断される。駆動制御部810は、シートPが下カールの場合、弾性ローラー701が下方、硬質ローラー702が上方に配置されるように、矯正ユニット70を配置させる。
すなわち、図12に示されるように、シートPが下カールの状態で搬送された場合、駆動制御部810は、予め、矯正ユニット70の回転角度を制御して、弾性ローラー701がシートPの第1の面P(1)に接触し、硬質ローラー702がシートPの第2の面P(2)に接触するように、矯正ユニット70を配置させる。なお、この矯正ユニット70の配置を第1の姿勢と定義する。
シートPは、下ハウジング73の下搬入部731と上ハウジング74の上搬入部741との間から、矯正ユニット70内に搬送される(図12の矢印DP方向)。この際、前述のように、下進入リブ731Bおよび上進入リブ741Bが、矯正ユニット70の外周部70Aよりも内部に進入するように配置される。このため、下進入リブ731Bおよび上進入リブ741Bが、シートPを矯正ユニット70の内部に確実に搬入させる。換言すれば、シートPが、矯正ユニット70の外周部70Aと、下支持部732または上支持部742との間の隙間に進入することが抑止される。特に、図12に示されるように、シートPが下カールの状態では、シートPの先端部は、矯正ユニット70の外周部70Aと下支持部732との間の隙間に進入しやすい(図12の矢印D121)。本実施形態では、下進入リブ731Bによって、前記隙間にシートPが進入することが好適に抑制される。矯正ユニット70内に搬入されたシートPは、第11ガイド705Aと第12ガイド705Bとの間から、ニップ部Nに進入される。ニップ部Nは、下方に配置される弾性ローラー701が圧縮変形されることによって、上方に配置される硬質ローラー702の周面に沿った湾曲した形状を備える。このため、ニップ部Nの湾曲面に沿って、シートPの下カールが好適に矯正される。
ニップ部Nを通過したシートPは、第21ガイド706Aと第22ガイド706Bとの間を通過しながら、矯正ユニット70の外側に向かって搬送される。この際、前述のように、上搬出リブ743Aは、矯正ユニット70の外周部70Aよりも内側に進入するように、上搬出部743から突設されている。このため、矯正ユニット70から搬出されるシートPが、矯正ユニット70と上支持部742との間の隙間に進入することが抑止される。特に、図12において、硬質ローラー702の周面に沿って、ニップ部Nから離脱されるシートPの先端部は、上方に向いた状態で搬送されやすい。このような場合であっても、上記のように、上搬出リブ743Aによって、シートPの先端部が上支持部742側に巻き込まれることが抑止される。
なお、上記の実施形態では、シートPが下カールの状態でカール矯正装置7に搬送される態様にて説明した。一方、第1の面P(1)が外周側で、第2の面P(2)が内周側となるようにシートPがカールしている場合、換言すれば、シートPの先端部が上方に反りあがった状態でシートPがカール矯正装置7に搬送された場合(上カール)には、駆動制御部810は、予め、図12の状態から180度、矯正ユニット70を回転させる。この際の矯正ユニット70の姿勢が第2の姿勢と定義される。この場合、シートPの第1の面P(1)に硬質ローラー702が接触し、シートPの第2の面P(2)に弾性ローラー701が接触する。そして、上方に配置される弾性ローラー701が圧縮変形され、ニップ部Nが硬質ローラー702の周面に沿って湾曲することによって、ニップ部Nに進入されたシートPの上カールが好適に矯正される。この場合であっても、矯正ユニット70の内部に向かってシートPが安定して搬送されるとともに、ニップ部Nから搬出されたシートPを水平搬送路50Dに安定して搬送することが可能となる。
次に、図15および図16を参照して、本発明の第2の実施形態に係るカール矯正装置9について説明する。図15は、カール矯正装置9の下ハウジングの内部を示した側面図(A)、(B)である。また、図16は、カム92および可動リブ93の斜視図である。カール矯正装置9は、先の実施形態に係るカール矯正装置7と比較して、下進入リブ731Bの代わりに可動リブ93(リブ部材)を備える点で相違する。このため、以下では可動リブ93の周辺の特徴を中心に説明し、その他の点の説明を省略する。また、カール矯正装置9の説明において、カール矯正装置7の構成を一部援用する。
図15を参照して、可動リブ93は、先の実施形態の下進入リブ731Bと同様に、シート幅方向に複数配置される。すなわち、可動リブ93は、矯正ユニット70の外周部70Aよりも内側に進入するように配置される。そして、矯正ユニット70に形成された第1切欠き部705A1および第2切欠き部705B1は、矯正ユニット70の回転に伴って、可動リブ93が対向する位置を通過する。換言すれば、矯正ユニット70の回転に伴って、可動リブ93は、矯正ユニット70に形成された第1切欠き部705A1および第2切欠き部705B1を通過する。
本実施形態では、可動リブ93は、水平搬送路50D(シート搬送路)に対して出没可能とされる。図11の下搬入部731に相当するガイド部には、図16の開口部731Zが配置される。開口部731Zは、前記ガイド部においてシート幅方向に沿って複数開口される。そして、複数の可動リブ93は、それぞれ前記複数の開口部731Zから水平搬送路50Dに対して出没可能とされる。
図16を参照して、各可動リブ93は、シート幅方向に延伸される軸部931と、前記軸部931回りに回転可能とされる延伸部932とを備える。そして、各可動リブ93の先端部93Aが開口部731Zを介して、水平搬送路50Dに対して出没可能とされる。なお、本実施形態では、可動リブ93は自重によって軸部931回りに回転される。
カール矯正装置9は、リブ駆動モーター90(駆動手段)と、カムシャフト91(シャフト)と、カム92(カム部材)とを備える。リブ駆動モーター90は、可動リブ93を水平搬送路50Dに対して出没させる駆動力を発生する。リブ駆動モーター90は、第3駆動シャフト901を備える。第3駆動シャフト901は、リブ駆動モーター90の回転駆動力を、後記のクラッチ902に伝達する。カムシャフト91は、シート幅方向(前後方向)に延設され、回転可能とされる。詳しくは、カムシャフト91は、カール矯正装置7の下ハウジング73に相当するハウジングに回転可能に支持される。カムシャフト91と第3駆動シャフト901との間には、クラッチ902が配置される。クラッチ902は、第3駆動シャフト901の回転駆動力をカムシャフト91に伝達するとともに前記回転駆動力の伝達を切断する機能を備える。
カム92は、前記複数の可動リブ93に対向してカムシャフト91に固定され、前記複数の可動リブ93の延伸部932に下方から当接する。カム92がカムシャフト91回りに回転されることで(図16の矢印D161)、複数の可動リブ93が、上下に移動され、水平搬送路50Dに対して出没する(図16の矢印D162)。図16を参照して、カム92は、カムシャフト91から第1の径をもって径方向に突設される大径部92Aと、カムシャフト91の周方向において大径部92Aとは異なる位置に配置され、カムシャフト91から前記第1の径よりも小さい第2の径をもって径方向に突設される小径部92Bと、を備える。そして、図15に示されるように、カムシャフト91に配置される複数のカム92は、周方向における大径部92Aおよび小径部92Bの配置が異なるように設定されている。
リブ駆動モーター90が不図示の制御部によって回転制御され、カムシャフト91が図15(A)に示される位置に配置された場合、シート幅方向の中央部に配置されるカム92の大径部92Aが可動リブ93に当接するとともに、シート幅方向の端部に配置されるカム92の小径部92Bが可動リブ93に当接する。この結果、複数の可動リブ93のうちシート幅方向の中央部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量は、シート幅方向の端部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量よりも大きくなる。したがって、シート幅方向においてシートPの中央部が両端部よりも上方に反りあがった状態で、シートPがカール矯正装置9に搬送された場合であっても、シートPをニップ部Nに安定して搬入することが可能となる。
一方、リブ駆動モーター90が不図示の制御部によって回転制御され、カムシャフト91が図15(B)に示される位置に配置された場合、シート幅方向の中央部に配置されるカム92の小径部92Bが可動リブ93に当接するとともに、シート幅方向の端部に配置されるカム92の大径部92Aが可動リブ93に当接する。この結果、複数の可動リブ93のうちシート幅方向の中央部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量は、シート幅方向の端部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量よりも小さくなる。したがって、シート幅方向においてシートPの両端部が中央部よりも上方に反りあがった状態で、シートPがカール矯正装置9に搬送された場合であっても、シートPをニップ部Nに安定して搬入することが可能となる。
以上の実施形態によれば、カール矯正部として矯正ユニット70内の弾性ローラー701と硬質ローラー702との間に形成されるニップ部Nにおいて、シートPのカールが矯正される。下搬入部731、上搬入部741は、矯正ユニット70のシート搬送方向上流側に配置され、矯正ユニット70に向かってシートPをガイドする。また、上搬出部743は、矯正ユニット70のシート搬送方向下流側に配置され、矯正ユニット70から搬出されたシートPをガイドする。下進入リブ731B、上進入リブ741B、上搬出リブ743A(リブ部材)は、矯正ユニット70の外周部70Aよりも矯正ユニット70の内側に進入するように、シート搬送方向に沿って下搬入部731、上搬入部741、上搬出部743から突設される。また、第1切欠き部705A1、第2切欠き部705B1(切欠き部)は、前記リブ部材に対向して矯正ユニット70の外周部70Aが部分的に切り欠かれて形成される。そして、矯正ユニット70の回転に伴って、前記リブ部材が前記切欠き部を通過する。このため、下搬入部731、上搬入部741、上搬出部743とカール矯正部を含む矯正ユニット70との間で、シートPが安定して搬送される。また、シートPが矯正ユニット70の外周部70Aに沿って搬送されることが抑止される。
また、上記の実施形態によれば、第1切欠き部705A1および第2切欠き部705B1が第11ガイド705Aおよび第12ガイド705Bに形成されることで、下搬入部731、上搬入部741と矯正ユニット70の第11ガイド705A、第12ガイド705Bとの間で、シートPが安定して受け渡される。
また、上記の第1の実施形態によれば、シート幅方向に沿って複数配置された下進入リブ731B、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aによって、シートPが安定して搬送される。
また、上記の第2の実施形態によれば、複数の可動リブ93は、水平搬送路50Dに対して出没可能とされる。このため、可動リブ93が水平搬送路50Dに対して突出することによって、シートが安定して搬送される。また、傷がつきやすいシートPが搬送される場合には、可動リブ93を水平搬送路50Dから没入させることができる。また、複数の可動リブ93を複数の開口部731Zを介して、水平搬送路50Dに出没させることができる。
また、上記の第2の実施形態によれば、一の局面において、複数の可動リブ93のうちシート幅方向の中央部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量は、シート幅方向の端部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量よりも大きく設定される。このため、シートのシート幅方向の中央部が端部に対して反った場合であっても、下搬入部731と矯正ユニット70との間でシートを安定して搬送することができる。
また、上記の第2の実施形態によれば、他の局面において、複数の可動リブ93のうちシート幅方向の中央部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量は、シート幅方向の端部に配置される可動リブ93の水平搬送路50Dに対する突出量よりも小さく設定される。このため、シートのシート幅方向の端部が中央部に対して反った場合であっても、下搬入部731と矯正ユニット70との間でシートを安定して搬送することができる。
また、上記の第2の実施形態によれば、カム92のカムシャフト91回りの回転に伴って、複数の可動リブ93を水平搬送路50Dに出没させることができる。特に、複数の可動リブ93は自重によって、軸部931回りに回転される。そして、カム92が下方から可動リブ93を押し上げることによって、可動リブ93が水平搬送路50Dに出没される。
また、上記の実施形態によれば、下進入リブ731B、上進入リブ741B、上搬出リブ743A、可動リブ93は、水平搬送路50Dを搬送されるシートPのシート幅方向の両端縁が通過する位置とは異なる位置に配置される。このため、前記リブ部材がシートPの両端縁に接触することが抑止され、シートPの搬送が妨げられることが防止される。
また、上記の実施形態によれば、定着処理が施されたシートPがカールした場合であっても、シートPのカールがカール矯正装置7および9によって好適に矯正される。また、搬送ユニット55を利用してカール矯正装置7および9を配置することができる。また、シートPが後処理装置に至る前に、シートPのカールが安定して矯正される。
以上、本発明の実施形態に係るカール矯正装置7、9およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
(1)上記の第1の実施形態では、リブ部材として、下進入リブ731B、上進入リブ741B、上搬出リブ743Aが配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上記のいずれか1つまたは2つが配置されてもよく、また、上記のリブ部材と同様に下搬出部733にも、矯正ユニット70の外周部70A側に突出するリブ部材が配置されてもよい。
(2)上記の実施形態では、シートPのカール量に応じた特性値を検出するセンサーとして、測距センサーであるカール量検出センサー77を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。カール量に応じた特性値として、その他のセンサーなどが使用されてもよい。たとえば、光反射式のセンサーが用いられ、シートPの先端部に向けて照射された光の反射角度からシートPのカール量が検出される態様であってもよい。