JP5878073B2 - 遮熱フィルム、遮熱ガラス構造体及び窓ガラスの遮熱処理方法 - Google Patents

遮熱フィルム、遮熱ガラス構造体及び窓ガラスの遮熱処理方法 Download PDF

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本発明は、太陽光を遮断するため、より具体的には遮熱等の効果を得るために、窓ガラスや車両用ガラス等のガラス体に貼付される遮熱フィルムに関するものである。また、本発明は、前記遮熱フィルムを用いた遮熱ガラス構造体及び窓ガラスの遮熱処理方法に関するものである。
現行の建築基準法においては、住宅及び商用ビル等の建物の壁には、床面積の1/7以上の面積の開口部を設ける必要がある。そして、採光の見地から壁面積の30〜80%を窓ガラスとすることが一般的である。このような開口面積が大きい建物構造は、窓ガラスを透過して建物の内部に大量の太陽光が入光するため、採光の見地から好ましいものである。
しかし、太陽光には採光に寄与する可視光線の他に、室内環境に悪影響を及ぼす近赤外線(熱線)も含まれている。近赤外線は熱線とも呼ばれ、室内温度を上昇させ、室内での快適性を損なわせる原因となる。実際、日本の夏季においては、室内に侵入する熱の約70%は窓ガラスを経由したものであると言われている。
前記の問題は建物用の窓ガラスのみならず、自動車等の車両用の窓ガラスにおいても生じている。特に建物と比較して室内空間が狭い車両においては、夏場の温度上昇は顕著である。また、精密な電子機器を搭載することが一般的となっている近年の車両においては、室内温度の上昇によって精密な電子機器に深刻なダメージを与えることともなりかねない。
そこで、窓ガラスに太陽光(太陽エネルギー)を遮断する機能を付与することが行われている。太陽光のエネルギー比率は、可視光線が45%であるのに対し、紫外線が5%、近赤外線が50%であり、近赤外線が半分を占める。従って、近赤外線を遮断することができれば、採光を確保しつつ、太陽エネルギーの50%の侵入を阻止することができる。
特に近年、地球温暖化やヒートアイランド現象により気温が上昇していることを考慮すると、近赤外線の遮断は有効であると言える。近赤外線を遮断し、冷房機器の稼働率や稼働時間を減少させることができれば、電気使用量を減ずることができ、省エネに資するのみならず、冷房機器からの排熱が更に気温を上昇させるという悪循環を断つことにも繋がり、地球温暖化対策としても有効である。
太陽光を遮断する技術としては、断熱ガラスや熱遮断性合わせガラス等の遮熱ガラスが知られている。しかし、遮熱ガラス、特に熱遮断性合わせガラスは高コストであるため、一部にしか普及していないのが現状である。従って、より簡便な方法で太陽光を遮断する技術が望まれている。そのような技術としては、窓ガラスに太陽光を遮断するフィルムを貼付する方法や窓ガラスに太陽光を遮断する塗料を塗布する方法が提案されている。
フィルムを貼付する方法としては、片面に接着性樹脂組成物が模様状にプリントされたプラスチックフィルムを窓ガラスに貼り付け、窓ガラスとプラスチックフィルムの間に薄い空気層を形成し、断熱効果を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、フィルム基材の片面に、溝や空孔を設けた微弱粘着層が形成された微弱粘着フィルムをガラス面に貼付し、遮光フィルムとして用いる方法も提案されている(特許文献2参照)。
塗料を塗布する方法としては、アクリル樹脂とアクリル系シロキサン架橋型反応性ポリマーに、塗膜形成副要素として紫外線吸収剤と、アンフラ系化合物等の有機系の近赤外線吸収剤とを添加してなる溶剤系の塗料を窓ガラスに塗布する方法が提案されている(特許文献3参照)。
また、アクリル樹脂とアクリル系シロキサン架橋型反応性ポリマー中に、紫外線吸収剤と無機系近赤外線吸収剤が分散溶解された溶剤系の塗料を窓ガラスに塗布する方法が提案されている(特許文献4参照)。そして、特許文献4には、無機系近赤外線吸収剤として、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛等の微粒子、特に錫ドープ酸化インジウム微粒子や酸化亜鉛微粒子を用いることが開示されている。
更に、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化亜鉛等の熱線遮断効果を有する伝導性微粒子を両親媒性の溶媒に分散した組成物を調整し、前記組成物をガラス等の基板に塗工し、加熱や紫外線照射により熱線遮断被膜を形成する方法が提案されている(特許文献5参照)。
実用新案登録第3151624号公報 実用新案登録第3018714号公報 特開平10−088039号公報 特開2007−106826号公報 特許第4347814号公報
しかしながら、特許文献1又は2に記載の方法は近赤外線を遮断する効果が低く、遮熱効果が不十分なものであった。
一方、特許文献3〜5に記載の方法は、いずれも有機溶剤系の塗料を用いる方法であるため、以下のような問題があった。
(1)塗工時に不快な溶剤臭が発生する。
(2)引火等のおそれがあり、安全面において問題がある。
(3)有機溶剤、特に芳香族系有機溶剤については健康面での問題がある。
また、特許文献3に記載の方法は、近赤外線吸収剤として有機系の近赤外線吸収剤を用いるものであるため、近赤外線吸収剤の経時劣化が起こり易く、長期間に渡って安定的に使用することができないという問題があった。
更に、特許文献5に記載の方法は、熱線遮断被膜を形成する際に加熱や紫外線照射を要するため、一般家庭において簡便に利用することができるものではなかった。
本発明はこれらの従来技術が有する問題を解決するためのものである。即ち、本発明は遮熱効果が高く、有機溶剤に起因する溶剤臭、安全性、健康面での問題を生じ難く、経時安定性や耐久性に優れ、一般家庭においても窓ガラス等に簡便に遮熱性を付与することが可能な技術を提供するものである。
本発明者らは、上述のような従来技術の課題を解決するために鋭意検討した結果、樹脂製の基材フィルムの裏面側に再剥離性を有する粘着層を形成し、前記基材フィルムの表面側および/または裏面側には、無機系の近赤外線吸収剤を含有する遮熱層を形成し、更に前記遮熱層の表面側にUVハードコート層を形成することによって、上記課題が解決されることに想到し、本発明を完成させた。
具体的には、本発明により、以下の遮熱フィルム、遮熱ガラス構造体及び窓ガラスの遮熱処理方法が提供される。
[1]遮熱フィルム:
本発明は、樹脂製の基材フィルムと、前記基材フィルムの裏面側に形成された粘着層と、前記基材フィルムの表面側に形成されたUVハードコート層と、前記基材フィルムと前記粘着層の間および/または前記UVハードコート層と前記基材フィルムの間に形成された遮熱層と、を有し、前記粘着層が、再剥離性を有する層として形成されており、前記遮熱層が、無機系の近赤外線吸収剤を含有し、かつ水性塗料の塗膜で形成されており、前記水性塗料が、常温硬化型の塗膜形成樹脂と、前記無機系の近赤外線吸収剤とを含有し、これらの成分が水性媒体中に分散された水性塗料であり、前記近赤外線吸収剤が、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムの群から選択された少なくとも1種の近赤外線吸収物質からなる微粒子であることを特徴とする遮熱フィルムである。
本発明の遮熱フィルムは、前記遮熱層が、水性塗料の塗膜によって形成され、前記水性塗料が、常温硬化型の塗膜形成樹脂と、前記無機系の近赤外線吸収剤とを含有し、これらの成分が水性媒体中に分散された水性塗料であり、前記塗膜形成樹脂が、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤及びエポキシ硬化剤の群から選択された少なくとも1種の硬化剤を硬化助剤として含有する樹脂であることが好ましい。
また、本発明の遮熱フィルムは、前記遮熱層が、前記近赤外線吸収剤として前記近赤外線吸収物質からなる粒径100nm以下の微粒子を含有し、かつ、その含有量が前記塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し10質量部〜200質量部の範囲内である前記水性塗料によって形成されていることが好ましい。
更に、本発明の遮熱フィルムは、前記遮熱層が、前記ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を3質量%〜70質量%の範囲内で含有する前記水性塗料によって形成されていることが好ましい。
更にまた、本発明の遮熱フィルムは、前記遮熱層が、紫外線吸収剤を含有し、前記紫外線吸収剤を前記塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し5質量部〜50質量部の範囲内で含有する前記水性塗料によって形成されていることが好ましい。
また、本発明の遮熱フィルムは、前記遮熱層が、前記紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール誘導体及びヒドロキシフェニルトリアジン誘導体の群から選択される少なくとも1種の紫外線吸収剤を含有し、更にヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤を含有する前記水性塗料によって形成されていることが好ましい。
更に、本発明の遮熱フィルムは、前記遮熱層が、前記紫外線吸収剤として、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄及び酸化チタンの群から選択された少なくとも1種の紫外線吸収物質からなる平均粒子径が50〜100nmの微粒子を含有する前記水性塗料によって形成されていることが好ましい。
更にまた、本発明の遮熱フィルムは、前記粘着層が、再剥離性接着剤によって形成されたものであることが好ましい。また、本発明の遮熱フィルムは、前記粘着層が、前記基材フィルムの裏面に粘着剤が模様状に塗工されて形成されたものであることが好ましい。
[2]遮熱ガラス構造体:
本発明は、無機ガラス又は有機ガラスからなる板状体の少なくとも一方の面に、前記遮熱フィルムが貼付されていることを特徴とする遮熱ガラス構造体という別の側面を有する。
[3]窓ガラスの遮熱処理方法:
本発明は、既設の窓ガラスの内面及び外面のうち少なくとも一方の面に、前記遮熱フィルムを貼付することを特徴とする窓ガラスの遮熱処理方法という更に別の側面を有する。
本発明の遮熱フィルムは、遮熱層に無機系近赤外線吸収剤を含むため遮熱効果が高く、経時安定性や耐久性にも優れる。また、水性塗料を用いて製造すれば、製造時において有機溶剤に起因する溶剤臭、安全性、健康面での問題を生じ難い。更に、使用時には遮熱層が既に形成されたフィルム状となっているので、使用時においても前記有機溶剤に起因する問題が生じ難い。更にまた、窓ガラス等にフィルムを貼付すればすぐに使用することができ、加熱や紫外線照射も要しないので、一般家庭においても窓ガラス等に簡便に遮熱性を付与することが可能である。
また、本発明の遮熱フィルムは、遮熱層に紫外線吸収剤を含む場合には、建物内の床や家具、車両の内装設備等の変色の変色や劣化を防止する効果及び紫外線を好む昆虫類を防ぐ防虫効果を発揮する。
更に、本発明の遮熱フィルムは、遮熱層がUVオーバーコート層で被覆され、保護されているため、フィルム、ひいては遮熱層が傷付き難く、耐久性に優れる。
更にまた、本発明の遮熱フィルムは、再剥離性を有する粘着層を形成しているため、以下のような効果を奏する。
(1)水貼り等の必要がないことに加え、フィルムを窓ガラス等に貼付する際に皺が寄る等の不具合があっても貼り直しが容易である。従って、専門的な技術を有しない一般人でも窓ガラス等に簡便に且つ綺麗にフィルムを貼ることができる。
(2)遮熱フィルムの貼付と剥離を繰り返し行うことが可能となる。例えば、太陽光の照射量が多い夏場には窓ガラス等に本発明のフィルムを貼付しておき、太陽光の照射量が少ない冬場には前記フィルムを剥離し、夏場になったら前記フィルムを再度貼付するといった使用方法が可能となる。
また、本発明の遮熱フィルムにおいて、基材フィルムの裏面に粘着剤を模様状に塗工して粘着層を形成した場合には、以下のような効果を奏する。
(3)粘着層と被着体であるガラス体との間に空気が入り易いため、貼り直しが一層容易となる。
(4)粘着層と被着体であるガラス体との間に空気層が形成されるため、蓄熱が少なく、被着体であるガラス体に悪影響を及ぼし難い。
本発明の遮熱フィルムの一の実施形態を模式的に示す一部切欠き表面図である。 図1に示す遮熱フィルムのA−A’切断端面を模式的に示すA−A’切断端面図である。 図1に示す遮熱フィルムを裏面側から見た状態を模式的に示す一部切欠き裏面図である。 調製例1の水性塗料を塗布した塗布物の分光光度スペクトルを示す図である。
以下、本発明の遮熱フィルムを実施するための形態について、図1〜図3に示す遮熱フィルム1の例により具体的に説明する。但し、本発明は、その発明特定事項を備える全ての実施形態を包含するものであり、以下に示す実施形態に限定されるものではない。
[1]遮熱フィルム:
図1〜図3に示す遮熱フィルム1は、基材フィルム2と、粘着層4と、遮熱層6と、UVハードコート層8とを有する。
[1−1]基材フィルム:
基材フィルム2は、遮熱層6を形成するための基材(支持体)として機能するフィルムである。
基材フィルム2は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂によって構成されている。ポリエステル樹脂、特にPET樹脂は基材の強度が強靭であり、加工適性、耐熱性、寸法安定性等も良好という理由から、基材フィルムの材料として好ましい。
但し、本発明においては、基材フィルムは、樹脂製であればよい。即ち、基材フィルムを構成する樹脂の種類はポリエステル樹脂やPET樹脂に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂等の耐候性が高い樹脂を好適に用いることができる。
基材フィルムの厚さは特に限定されない。但し、25μm以上、300μm以下であることが好ましく、30μm以上、200μm以下であることが更に好ましい。25μm以上とすることにより、窓ガラス等のガラス体に貼付するフィルムとして必要な強度を確保することができ、フィルムが柔らか過ぎず窓ガラス等に貼付し易くなる一方、300μm以下とすることにより、可撓性及び形状追従性に優れた遮熱フィルムを形成することができる。
図1〜図3に示す遮熱フィルム1は、基材フィルム2として無色透明のフィルムを用いている。無色透明のフィルムは採光性に優れるとともに、視界を遮られることがなく、景観視認性に優れるという点で好ましい。但し、本発明においては、基材フィルムの色は特に限定されない。本発明の効果を阻害しない限り、無色ないし着色された、透明、半透明又は不透明のフィルムを適宜選択して用いることができる。
[1−2]粘着層:
粘着層4は、粘着性を有し、遮熱フィルム1を被着体となるガラス体に対して固定する機能を有する層である。
粘着層4は、基材フィルム2の裏面側に形成されている。「裏面」とは、基材フィルム2の2つの面のうちUVハードコート層8が形成される面(表面)とは反対側の面を意味する。
なお、「裏面側」とは、図1〜図3に示すように粘着層4が基材フィルム2の裏面に直接形成されるものは勿論のこと、粘着層4と基材フィルム2の間に何らかの中間層が介在しているものも本発明の範囲に含まれることを意味する。
粘着層4は、アクリル樹脂系感圧型接着剤、より具体的にはアクリル酸アルキル・アクリロニトリル共重合体水性エマルジョン(商品名「パラボンドTH」<パラケムジャパン社製>)によって形成されている。
前記アクリル酸アルキル・アクリロニトリル共重合体水性エマルジョンは、いわゆる再剥離性(弱接着性)接着剤である。再剥離性接着剤を用いて粘着層を形成することで、遮熱フィルムの貼付と剥離を繰り返し行うことが可能となる。例えば、太陽光の照射量が多い夏場には窓ガラス等に本発明のフィルムを貼付しておき、太陽光の照射量が少ない冬場には前記フィルムを剥離し、夏場になったら前記フィルムを再度貼付するといった使用方法が可能となる。また、前記フィルムを窓ガラス等に貼付する際に皺が寄る等の不具合があっても貼り直しが容易である。従って、専門的な技術を有しない一般人でも簡便にフィルムを貼付することができる。
アクリル酸アルキル・アクリロニトリル共重合体水性エマルジョン以外の再剥離性接着剤でも同様の効果を得ることができる。再剥離性接着剤としては、例えばアクリル酸エステル共重合樹脂水性エマルジョン(以下、全て商品名で「ヨドゾールKA10」<日本エヌエスシー社製>、「ニューダイフォームER−83(RS)」<大日精化工業社製>、「プラスターEH」<新中村化学工業社製>);ゴム系感圧型接着剤等を挙げることができる。
再剥離性(弱接着性)の程度については特に限定されない。但し、JIS−Z1528に準拠して測定した粘着力が0.1N/10mm以上、2.5N/10mm以下であることが好ましい。0.1N/10mm以上とすることにより、窓ガラス等に対する固定効果を得ることができる。一方、2.5N/10mm以下とすることにより、貼り直しが容易となるためきれいに貼ることができ、窓ガラス等に一度貼付した後にもフィルムを剥がし易くなる。なお、後述のように粘着層を模様状に形成し、或いは部分形成した場合においては、粘着剤自体の粘着力ではなく、模様状ないし部分形成された粘着層全体で(即ち非塗工部分も含む状態で)粘着力を測定し、再剥離性の基準とする。
但し、本発明においては、粘着層を構成する再剥離性接着剤の種類は特に限定されない。即ち、ガラス体に対してフィルムを固定する接着力があり、貼り直しが可能である限り、前記再剥離性接着剤以外の接着剤を使用することもできる。更には、粘着層が再剥離性を有する層として形成されている限り、必ずしも再剥離性接着剤によって構成されている必要はない。粘着層を構成する粘着剤として粘着力の低いものを用い、或いは後述する粘着剤の模様状塗工、部分塗工によっても、粘着層を再剥離性を有する層として構成できる場合がある。
図1〜図3に示す遮熱フィルム1においては、基材フィルム2の裏面に粘着剤が大小の花柄状に塗工されて粘着層4が形成されている。粘着層を模様状に形成することで、粘着層と被着体であるガラス体との間に空気が入り易くなり、専門的な技術を有しない一般人でも簡便にフィルムを貼付することができる。また、粘着層と被着体であるガラス体との間に空気層が形成されるため、蓄熱が少なく、被着体であるガラス体に悪影響を及ぼし難い。
模様の形状は特に限定されず、花柄状でなくてもよい。例えば水玉状、縞状等の模様を形成した場合でも同様の効果を得ることができる。更には、粘着層を模様状に形成しなくても、基材フィルムの裏面に部分的に粘着層を形成することで同様の効果を得ることができる。
粘着層を模様状に形成し、或いは部分形成する場合、基材フィルムの裏面面積に対し、粘着層の合計面積が10面積%以上、90面積%以下であることが好ましく、30面積%以上、80面積%以下であることが更に好ましい。10面積%以上とすることで、窓ガラス等に対する固定効果を得ることができる。一方、90面積%以下とすることにより、窓ガラス等に貼り付ける時に空気が逃げ易くなり、きれいに貼ることができる。
但し、本発明においては必ずしも粘着層を模様状に形成し、或いは部分形成する必要はない。例えば粘着層を構成する粘着剤として再剥離性接着剤や粘着力の低い粘着剤を用い、基材フィルムの裏面全体に粘着層を形成する構成であってもよい。
粘着層の厚さは特に限定されない。但し、25μm以上、200μm以下であることが好ましく、50μm以上、100μm以下であることが更に好ましい。25μm以上とすることにより、必要な粘着性を得ることができる。一方、200μm以下とすることにより、剥離した際に糊残りが少なくなるという効果を得ることができる。
粘着層4は、基材フィルム2に粘着剤が塗工されることによって形成されている。但し、本発明においては粘着層の形成方法は特に限定されない。例えばバーコ−ター、アプリケーター等の塗工装置を用いた接触的な方法により粘着層を形成してもよいし、スプレー等を用いた非接触的な方法により粘着層を形成してもよい。
なお、図1〜図3に示す遮熱フィルム1は、粘着層4を被覆する保護シート10を有している。このような構成とすれば、粘着層4が汚損され難くなり、フィルムの使用前に粘着力が低下する事態を有効に防止することができる。但し、本発明の遮熱フィルムにおいて、保護シートは必須ではない。
保護シート10は通常PETフィルム又はPPフィルムによって構成される。但し、保護シートの材質は特に限定されない。例えばPETやPP以外の樹脂からなるフィルムであってもよいし、紙製のシートの表面にシリコーン樹脂が塗工された剥離ライナーのようなものであってもよい。
[1−3]遮熱層:
遮熱層6は、近赤外線吸収剤を含み、近赤外線(熱線)を遮断する効果を有する層である。
遮熱層6は、水性塗料の塗膜によって形成されていることが好ましい。前記水性塗料としては、常温硬化型の塗膜形成樹脂と、無機系の近赤外線吸収剤とを含有し、これらの成分が水性媒体中に分散された水性塗料を用いる。水性塗料とすることで、有機溶剤臭や安全性の問題を解決することができる。また、常温硬化型の塗膜形成樹脂を用いることで、遮熱層を形成する際に加熱や紫外線照射が不要となる。但し、必ずしも遮熱層を水性塗料により形成する必要はない。
[1−3−1]塗膜形成樹脂:
塗膜形成樹脂としては、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤及びエポキシ硬化剤の群から選択された少なくとも1種の硬化剤を硬化助剤として含有する樹脂を用いることが好ましい。
[1−3−1a]ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂:
ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂は、例えばポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートとを乳化重合させることで得られる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、ポリカーボネートジオールが好ましい。例えば、低分子ジオール類とジアルキルカーボネートとの脱アルコール縮合反応、低分子ジオール類とジフェニルカーボネート類の脱フェノール縮合反応、または低分子ジオール類とアルキレンカーボネート類やジアルキルカーボネート類との脱グリコール縮合反応等で得られるものを好適に用いることができる。中でも1,6−ヘキサンジオールとジエチルカーボネートとの縮合反応によって得られるポリ(ヘキサメチレンカーボネート)ジオールが特に好ましい。
前記低分子ジオール類としては、例えば1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。前記ジアルキルカーボネートとしては、例えばジメチルカーボネートやジエチルカーボネート等を挙げることができる。前記アルキレンカーボネート類としては、例えばエチレンカーボネート等を挙げることができる。
前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、500〜4,000であることが好ましく、1,000〜2,000であることが特に好ましい。
前記ポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個有するジイソシアネートが好ましい。前記ジイソシアネートとしては、例えば芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。
より具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソプロピリデン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、ナフタレンジイソシアネート等を挙げることができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を得る際に、鎖伸長剤を併用してもよい。鎖伸長剤としては、アミノ基、水酸基等の活性水素含有基を2個以上含み、分子量500以下の化合物が好ましく、分子量300以下の化合物が特に好ましい。
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール類;トリメチロールプロパン、グリセリン等の3価アルコール類;エタノールアミン、アミノプロピルアルコール、3−アミノシクロヘキシルアルコール、p−アミノベンジルアルコール等のアミノアルコール類;
エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ピペラジン、キシリレンジアミン、トリレンジアミン、フェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、3,3’−ジクロルジフェニルメタンジアミン等のジアミン類;ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン、1,4−ジヒドラジノジエチレン等のヒドラジン類;カルボヒドラジド、アジピン酸ヒドラジド等のジヒドラジド類;等を挙げることができる。これらの化合物の中では多価アルコール類が好ましく、2価アルコール類が特に好ましい。
ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂は、前記のように合成してもよいが、市販品を用いてもよい。市販品としては、以下全て商品名で、「タケラックW−635」<三井化学社製>、「エテルナコールUW−3100」<宇部興産社製>、「エテルナコールUW−5502」<宇部興産社製>、「ポリゾールAP609N」<昭和高分子社製>等を挙げることができる。
前記水性樹脂としては、前記ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂が、3質量%〜70質量%の範囲内で含有されているものが好ましく、20質量%〜50質量%の範囲内で含有されているものが更に好ましい。3質量%以上とすることで密着性を向上させることができる。70質量%以下とすることで高い遮熱性を得ることができる。
[1−3−1b]硬化助剤:
前記塗膜形成樹脂は、主成分のポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂の他に硬化助剤を含む。塗膜形成樹脂に硬化助剤を含有させることで、塗料を基材フィルム等に塗布した後、これを室温に放置しておくだけで(即ち加熱や紫外線照射等の処理を行うことなく)、前記主成分中のポリウレタン部分と硬化助剤との間の架橋反応が進行し、密着性、膜硬度、耐薬品性、耐水性等の各種の特性に優れる塗膜(即ち遮熱層)が形成される。
前記塗膜形成樹脂は、硬化助剤として、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤及びエポキシ硬化剤の群から選択された少なくとも1種の硬化剤を含有するものを用いる。これらの硬化剤は室温では硬化速度は緩く塗料の長期使用が可能である。そして、乾燥塗膜中では赤外線を吸収し発熱することにより硬化速度が上昇して前記諸耐性が向上する点において好ましい。従って、前記硬化助剤は、塗工する直前に、水性塗料中に添加して用いることが好ましい。
水性イソシアネート系硬化剤としては、商品名「タケネートWD−725」<三井化学社製>等を挙げることができる。ポリカルボジイミド硬化剤としては、商品名「カルボジライトE−03A」<日清紡ケミカル社製>等を挙げることができる。エポキシ硬化剤としては、商品名「デナコールEX614B」<ナガセケムテックス社製>等を挙げることができる。これらの硬化剤は、容易に水に分散するソープフリー型のものであり、室温条件下、水中で、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂と架橋構造を形成する。
前記硬化助剤の添加量は、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂の固形分100質量部に対して、1質量部〜50質量部の範囲内とすることが好ましく、5質量部〜20質量部の範囲内とすることが更に好ましい。1質量部以上とすることで塗膜の各種耐久性が短時間に向上する。50質量部以下とすることで長期保存性が向上し、塗料の長期間の使用が可能となる。
[1−3−2]紫外線吸収剤:
遮熱層には紫外線吸収剤が含有されていることが好ましい。紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤又は無機系紫外線吸収剤を用いることができる。
有機系紫外線吸収剤としては、例えばサリチル酸メチル、p−t−ブチルフェニル−サリシレート、p−オクチルフェニル−サリシレート等のサリチル酸誘導体;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体(例えば、商品名:チヌビン477DW<BASF社製>);
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール誘導体;3−フェニル−7−(4’−メチル−5’−n−ブトキシベンゾトリアゾリル−2−)クマリン等のクマリン誘導体;その他、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
これらの有機系紫外線吸収剤は、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。中でも、ベンゾトリアゾール誘導体及びヒドロキシフェニルトリアジン誘導体の群から選択される少なくとも1種の紫外線吸収剤を含有し、更にヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤を含有する水性塗料を用いることが好ましい。ベンゾトリアゾール誘導体は紫外線吸収効果が高く、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体と組み合わせて用いると、紫外線吸収領域が広がる。また、これら2種の有機系紫外線吸収剤とヒンダードアミン系の酸化防止剤(ラジカル捕捉剤)と組み合わせて用いると、紫外線吸収剤の安定性(耐久性)が増大する。
本発明においては、紫外線吸収剤を水性塗料中に添加することが好ましい。従って、紫外線吸収剤も水系分散体となっているものを用いることが好ましい。
ベンゾトリアゾール誘導体の水系分散体としては、以下全て商品名で、「シャインガードBZ−24」、「シャインガードBZ−07」、「シャインガードBZ−08<以上、センカ社製>、「アデカノールUC−3140」<アデカ社製>等を挙げることができる。
ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体の水系分散体としては、以下全て商品名で、「シャインガードTA−04」、「シャインガードTA−22」<以上、センカ社製>、「チヌビン477DW」<BASF社製>等を挙げることができる。
水性塗料中の有機系紫外線吸収剤の含有量は、前記塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し5〜50質量部の範囲内であることが好ましく、10〜20質量部であることが更に好ましい。5質量部以上とすることで、紫外線吸収剤の機能を確実に発揮させることができる。一方、50質量部以下とすることで、フィルムの透明性、その他の機能を低下させる事態を回避することができる。
無機系紫外線吸収剤としては、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄及び酸化チタンの群から選択された少なくとも1種の紫外線吸収物質からなる平均粒子径が50〜100nmの微粒子等を挙げることができる。50nm以上とすることで、透明性を向上させることができる。一方、100nm以下とすることで、紫外線吸収効果を向上させることができる。なお、平均粒子径については、レーザー回折/散乱粒度分布測定装置(商品名:LA−950(堀場製作所社製)を用いて粒度分布を測定し、その50%粒子径(メジアン径)を平均粒子径とした。
水性塗料中の無機系紫外線吸収剤の含有量は、前記塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し20〜50質量部の範囲内であることが好ましく、30〜40質量部の範囲内であることが更に好ましい。20質量部以上とすることで、紫外線吸収剤の機能を確実に発揮させることができる。一方、50質量部以下とすることで、フィルムの透明性、その他の機能を低下させる事態を回避することができる。
[1−3−3]近赤外線吸収剤:
近赤外線吸収剤としては、無機系の近赤外線吸収剤を用いる。
無機系の近赤外線吸収剤としては、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムの群から選択された少なくとも1種の近赤外線吸収物質からなる微粒子を用いる。そして、近赤外線吸収剤としては、前記近赤外線吸収物質からなる粒径100nm以下の微粒子を用いることが好ましい。
無機系の近赤外線吸収剤の粒径を100nm以下とすると、透明性を向上させることができる点で好ましい。
本発明においては、近赤外線吸収剤を水性塗料中に添加するため、近赤外線吸収剤も水系分散体となっているもの又は水に分散可能な粉体を用いることが好ましい。
アンチモンドープ酸化錫微粒子(ATO)の水分散体としては、商品名「TDL−S」<三菱マテリアル社製>(小粒径タイプ。メジアン径50〜85nm、固形分濃度17〜18%)等を挙げることができる。
水に分散可能なアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子としては、商品名「T−1」<三菱マテリアル社製>等を挙げることができる。「T−1」は、一次粒子径が可視光線の波長(400〜800nm)より遥かに小さいものであり、これを水性塗料中に分散させた場合に透明性に優れる塗膜の形成が可能なものである。
水に分散可能なガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)微粒子としては、商品名「パゼットGK」<ハクスイテック社製>(粉体一次粒子径20〜40nm)等を挙げることができる。水に分散可能な錫ドープ酸化インジウム(ITO)微粒子としては、商品名「VP ITO IR5」<エボニック社製>等を挙げることができる。
導電性アンチモン酸亜鉛の水分散ゾルとしては、商品名「セルナックスCX−Z330H−F2」<日産化学社製>(一次粒子径15nm〜20nm)等を挙げることができる。
水性塗料中の近赤外線吸収剤の含有量は、塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し10質量部〜200質量部の範囲内であることが好ましく、20〜50質量部の範囲内であることが更に好ましい。10質量部以上とすることで、近赤外線吸収剤の機能を確実に発揮させることができる。一方、200質量部以下とすることで、フィルムの透明性、その他の機能を低下させる事態を回避することができる。
[1−3−4]その他の添加剤:
前記水性塗料として、塗膜形成樹脂、紫外線吸収剤、無機系の近赤外線吸収剤の他、レベリング剤、界面活性剤、シランカップリング剤、消泡剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤が添加されたものを用いてもよい。
[1−3−5]形成方法:
遮熱層6の形成方法は特に限定されない。例えば前記水性塗料をそのまま、或いは適当な粘度に希釈した後、グラビアコーター、コンマコーター、ロールコーター、マイヤーバーコーター等のコーターで塗工することにより形成することができる。
[1−3−6]形成位置:
図の場合、遮熱層6は、基材フィルム2の表面側および/または裏面側に形成されている。「表面」とは、基材フィルム2の2つの面のうち粘着層4が形成される面(裏面)とは反対側の面を意味する。「裏面」とは、基材フィルム2の2つの面のうちUVハードコート層8が形成される面(表面)とは反対側の面を意味する。
なお、「表面側および/または裏面側」とは、図1〜図3に示すように遮熱層6が基材フィルム2の表面に直接形成されるものは勿論のこと、遮熱層6と基材フィルム2の間に何らかの中間層が介在しているものも本発明の範囲に含まれることを意味する。
また、「表面側および/または裏面側」とは、基材フィルムの表面側および裏面側の少なくとも一方の面に遮熱層を形成することを意味する。すなわち、基材フィルムの表面側のみに形成してもよいし、裏面側のみに形成してもよいし、更に基材フィルムの表面側と裏面側の双方に形成してもよい。
[1−3−7]厚さ:
遮熱層6の厚さ(乾燥状態での厚さ)は特に限定されない。但し、2〜16μmとすることが好ましく、4〜12μmとすることが更に好ましく、8〜10μmとすることが特に好ましい。2μm以上とすることで、所望の遮熱効果を得ることができる。一方、16μm以下とすることにより、低コストでの製造が可能となり、窓ガラス等の可視光透過率や透明性を著しく低下させることがない。
[1−4]UVハードコート層:
UVハードコート層8は、紫外線硬化樹脂に由来する硬化物からなり、遮熱層を保護する機能を有する層である。比較的硬質なUVハードコート層を有することで、遮熱層、ひいては遮熱フィルムが保護され、耐傷性を向上させることができる。
[1−4−1]紫外線硬化性樹脂組成物:
UVハードコート層は、例えば遮熱層の表面等に紫外線硬化性の樹脂組成物を塗工して、塗工層を形成し、前記塗工層に対して紫外線を照射し、硬化させることで形成することができる。
紫外線硬化性の樹脂組成物としては、例えば重合性化合物、光重合開始剤及び必要に応じた添加剤を含有させたもの等を挙げることができる。
[1−4−1a]重合性化合物:
重合性化合物とは、ビニル基、シクロヘキセニル基等の重合性二重結合、アセチレン基等の重合性三重結合を有する化合物である。そして、重合性不飽和結合を有する限り、単量体のみならず、オリゴマー(重量平均分子量が500〜5万程度)やポリマー(重量平均分子量が概ね5万以上)も含まれる。
前記単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸エステル類;水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;多官能アクリレート類;カルボン酸ビニル類;芳香族ビニル類;等を挙げることができる。特に、イソボルニルアクリレートを用いると、塗膜硬度が向上し、ハードコート層としての性能が向上するため好ましい。
前記オリゴマー、前記ポリマーとしては、例えば、基本骨格となる任意の化合物ないし重合体に、重合性不飽和結合を有する単量体が結合されたオリゴマーないしポリマー等を挙げることができる。具体的には、基本骨格となるポリエステル、エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、アクリル樹脂等の重合体に(メタ)アクリル酸エステル類等の重合性不飽和結合を有する単量体が結合されたウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等を挙げることができる。
これらの重合体は、イソシアネート基やエポキシ基等の反応性官能基を修飾したポリエステル、エポキシ樹脂、ポリエチレングリコール、アクリル樹脂等の重合体と、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類等とを反応させる等の方法により得ることができる。また、市販品の中から、所望の構造のものを適宜選択して使用してもよい。
重合性化合物としては、前記の単量体及び重合体の1種のみを含有するものであってもよいし、2種以上を含有するものであってもよい。但し、塗膜の物性を精密に調整することが容易であるという理由から、前記単量体と前記オリゴマーないし前記ポリマーを少なくとも1種ずつ含有するものであることが好ましい。
この場合、重合性化合物(即ち、単量体、オリゴマー及びポリマー)の総量を100質量%とした場合に、オリゴマーないしポリマーの含有率が20〜60質量%の範囲内であることが好ましい。オリゴマー等の含有率を20質量%以上とすることで各種耐久性を向上させることができる。一方、オリゴマー等の含有率を60質量%以下とすることにより、流動性が良好となり、コーティング性を向上させることができる。
[1−4−1b]光重合開始剤:
光重合開始剤としては、例えばα−アミノアルキルフェノン誘導体、アシルフォスフィンオキサイド誘導体、ベンゾイン誘導体、ヒドロキシアセトフェノン誘導体、アミノアセトフェノン誘導体又はベンゾフェノン誘導体等の化合物を用いることができる。
光重合開始剤は、重合性化合物100質量部とした場合に、1〜5質量部の範囲内で添加することが好ましい。光重合開始剤を1〜5質量部添加することで、十分な紫外線硬化性を発揮させることができる。また、5質量部以下とすることにより、色調の経時変化という不具合を生じ難い。
[1−4−1c]添加剤:
紫外線硬化性樹脂組成物には、重合性化合物、光重合開始剤の他、老化防止剤、光安定剤、カップリング剤、染料、着色剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、分散剤、フィラー等、従来公知の添加剤を配合してもよい。
[1−4−2]形成方法:
UVハードコート層8の形成方法は特に限定されない。例えば、前記紫外線硬化性樹脂組成物を適当な粘度に希釈した後、コーターやアプリケーター等の従来公知の塗工装置により、遮熱層6の表面側に塗工し、その塗膜に波長200〜440nmの紫外線を照射することにより、塗膜を硬化させればよい。
[1−4−3]形成位置:
UVハードコート層8は、基材フィルム2の表面側に形成されている。「表面」とは、遮熱層6の2つの面のうち基材フィルム2と背向する面を意味する。
なお、「表面側」とは、図1〜図3に示すようにUVハードコート層8が遮熱層6の表面に直接形成されるものは勿論のこと、遮熱層6とUVハードコート層8の間に何らかの中間層が介在しているものも本発明の範囲に含まれることを意味する。
[1−4−4]厚さ:
UVハードコート層8の厚さ(硬化後の厚さ)は特に限定されない。但し、1〜5μmとすることが好ましい。厚さを1μm以上とすることで、遮熱層6を十分に保護することができ、耐傷性を向上させることができる。一方、厚さを5μm以下とすることで、低コストでの製造が可能となり、窓ガラス等の可視光透過率や透明性を著しく低下させることがない。
[2]遮熱ガラス構造体:
本発明の遮熱フィルムは、無機ガラス又は有機ガラスからなる板状体の少なくとも一方の面に貼付することにより、遮熱ガラス構造体を形成することができる。
無機ガラスとしては、ケイ酸塩ガラスや石英ガラス等を挙げることができる。有機ガラスとしては、アクリル樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。本発明の遮熱フィルムを無機ガラスや有機ガラスからなる板状体に貼付することで、遮熱効果等を得ることができ、断熱性を向上させることで省エネルギーにも資する。
[3]窓ガラスの遮熱処理方法:
本発明の遮熱フィルムは、既設の窓ガラスの内面及び外面のうち少なくとも一方の面に貼付することで、窓ガラスの遮熱処理を行うことができる。このような方法は、遮熱ガラスより低コストで遮熱効果を得ることができる。また窓ガラス自体を交換したり、窓ガラスに塗料を塗工する必要もないので簡便に遮熱処理を行うことができる。
フィルムを貼付する面は窓ガラスの内面でも外面でも構わない。但し、風雨による劣化が少ない点では窓ガラスの内面にフィルムを貼付することが好ましい。一方、遮熱フィルムが吸収した熱を放熱させ易い点では窓ガラスの外面にフィルムを貼付することが好ましい。
以下、本発明について実施例を用いて更に具体的に説明する。なお、特に断らない限り、添加量、配合量の数値は質量基準とする。
[1]遮熱フィルム:
図1〜図3に示すような、基材フィルム2と、粘着層4と、遮熱層6と、UVハードコート層8とを有する遮熱フィルム1を作製した。
[1−1]基材フィルム:
基材フィルム2としては、PET樹脂からなり、厚さ100μmの無色透明フィルムを用いた。
[1−2]粘着層:
粘着層4は、基材フィルム2の裏面に直接形成した。粘着剤としてはアクリル酸アルキル・アクリロニトリル共重合体水性エマルジョン(商品名「パラボンドTH」<パラケムジャパン社製>)を用いた。この粘着剤のJIS−Z1528に準拠して測定した粘着力は0.2N/10mmであった。
粘着層4は、基材フィルム2の裏面に大小の花柄状に粘着剤を塗工して形成した。基材フィルム2の裏面面積に対し、粘着層4の合計面積は30面積%であった。また、粘着層の厚さは60〜80μm程度であった。
[1−3]遮熱層:
遮熱層6は、基材フィルム2の表面に直接形成した。遮熱層6の形成には、以下の調製例1〜5の水性塗料を用いた。
<調製例1>
無機系近赤外線吸収剤であるアンチモンドープ酸化錫微粒子(ATO)の水分散体(商品名「TDL−S」<三菱マテリアル社製>(小粒径タイプ。メジアン径50〜85nm、固形分濃度17〜18%))50部と、塗膜形成樹脂であるポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂(商品名「タケラックW−635」<三井化学社製>)40部とを混合し、30分間撹拌し、混合液を得た。
前記混合液に、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール誘導体の水系分散体(商品名「アデカノールUC−3140」<アデカ社製>。粒径90〜150nm)5部と、消泡剤(商品名「BYK−028」<BYKケミー社製>)を0.5部添加し、水を4.5部添加した後に更に30分間撹拌した。
得られた混合液100部に、硬化助剤として、水性イソシアネート系硬化剤(商品名「タケネートWD−725」<三井化学社製>)10部を添加し、混合撹拌して調製例1の水性塗料を調製した。
<調製例2>
無機系近赤外線吸収剤であるガリウムドープ酸化亜鉛微粒子(GZO)の水分散体(商品名「パゼットGK 30%液」<ハクスイテック株式会社製>)40部と、塗膜形成樹脂であるポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂(商品名「エテルナコールUW−3100」<宇部興産社製>)30部とを混合し、30分間撹拌し、混合液を得た。
前記混合液に、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール誘導体の水系分散体(商品名「アデカノールUC−3140」<アデカ社製>。粒径90〜150nm)5部と、消泡剤(商品名「BYK−028」<BYKケミー社製>)0.5部とを添加し、更にイソプロピルアルコール5部を添加し、水を19.5部添加した後に30分間撹拌した。
得られた混合液100部に、硬化助剤として、カルボジイミド系硬化剤(商品名「カルボジライトE−03A」<日清紡ケミカル社製>)10部を添加し、混合撹拌して調製例2の水性塗料を調製した。
<調製例3>
無機系近赤外線吸収剤であるアンチモンドープ酸化錫微粒子(ATO)の水分散体(商品名「TDL−S」<三菱マテリアル社製>。小粒径タイプ。メジアン径50〜85nm、固形分濃度17〜18%)50部と、塗膜形成樹脂であるポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂(商品名:エテルナコールUW−5502、宇部興産社製)30部とを混合し、30分間撹拌し、混合液を得た。
前記混合液に、紫外線吸収剤として、ヒドロキシフェニルトリアジン誘導体の水系分散体(商品名「チヌビン477−DW」<BASF社製>。粒径90〜150nm)5部と、消泡剤(商品名「BYK−028」<BYKケミー社製>)0.5部とを添加し、更にイソプロピルアルコール5部を添加し、水を9.5部添加した後に30分間撹拌した。
得られた混合液100部に、硬化助剤として、エポキシ系硬化剤(商品名「デナコールEX614B」<ナガセケムテックス社製>)5部を添加し、混合撹拌して調製例3の水性塗料を調製した。
<調製例4>
無機系近赤外線吸収剤であるアンチモンドープ酸化錫(ATO)微粒子(商品名「T−1」<三菱マテリアル社製>)20部と、塗膜形成樹脂であるポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂(商品名:ポリゾールAP609N、昭和高分子社製)50部とを混合し、更に、水9部、イソプロピルアルコール10部、消泡剤(商品名「BYK−028」<BYKケミー社製>)0.5部を添加し、30分間撹拌し、混合液を得た。
前記混合液については、ペイントシェーカー(分散機)を用い、粒径1mmφのガラスビーズをメディアとして無機系近赤外線吸収剤を水性エマルジョン中に分散させた。得られた分散液に、紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール誘導体の水系分散体(商品名「アデカノールUC−3140」<アデカ社製>。粒径90〜150nm)5部と、消泡剤(商品名「BYK−028」<BYKケミー社製>)を0.5部添加し、更にイソプロピルアルコールを5部添加し、30分間撹拌した。
得られた混合液100部に、硬化助剤として、水溶性・多官能エポキシ系硬化剤(商品名「デナコールEX521」<ナガセケムテックス社製>)5部を添加し、混合撹拌して調製例4の水性塗料を調製した。
<調製例5>
硬化助剤を加えない点以外は、調製例1と同様の処方により、調製例5の水性塗料を調製した。
調製例1〜5の水性塗料については、バーコーター#20を用いて基材フィルム表面に塗布し、乾燥させ、室温下で1週間放置し、遮熱層を形成した。
[評価]
上記で得た調製例1〜4の水性塗料から形成した遮熱層を試験片とし、下記の方法及び基準で評価した。なお、調製例5の水性塗料から形成した遮熱層は1週間放置後も塗膜がべたついており評価不能であった。
調製例1〜4の水性塗料から形成した遮熱層は、目視観察の結果、いずれの試験片の塗料塗膜も透明であり、基材フィルムの透明性を損なうものではなかった。また、有機溶剤臭はしなかった。
(1)密着性試験:
カッターナイフを用いて、試験片表面の塗膜を縦横1mm間隔で格子状に傷つけ、1mm角の塗膜ブロックを100個形成し、その表面にセロハンテープ(ニチバン製)を貼付した後、剥離し、剥れた塗膜ブロックの数を数えた。そして、剥がれた塗膜ブロックの数が5枚以内である場合を○として評価した。その結果を表1に示す。
(2)硬度試験:
JIS K5600に準拠して鉛筆硬度を測定した。各試験片の表面を、硬度試験用鉛筆(ユニ鉛筆、三菱ユニ社製)を用い、手掻き法により塗膜の傷付きを調べた。そして、各塗膜に傷が付いた鉛筆の硬度で鉛筆硬度を評価した。その結果を表1に示す。
(3)耐沸騰水試験:
試験片を沸騰水に1時間浸漬した後、引き上げ、塗膜表面の状態を調べた。そして、白化した部分の有無で沸騰水に対する耐久性を評価した。その結果を表1に示す。
(4)耐アルカリ性試験:
各試験片に5%NaOH水溶液を滴下し、8時間後の塗膜表面の状態を目視で調べ、塗膜表面の変化の有無で耐アルカリ性を評価した。その結果を表1に示す。
(5)耐酸性試験:
各試験片に5%酢酸水溶液を滴下し、8時間後の塗膜表面の状態を目視で調べ、塗膜表面の変化の有無で耐酸性を評価した。その結果を表1に示す。
(6)耐候性試験
アイスーパーUVテスターを用い、各試験片について100時間暴露と、200時間暴露の2条件で暴露試験を行った。暴露後の塗膜表面の状態を目視で調べ、塗膜表面の変色の有無で耐候性を評価した。その結果を表1に示す。
調製例1〜3の水性塗料から形成された遮熱層は、いずれも劣化はなく、200時間暴露後にも変色が認めらなかった。一方、調製例4の水性塗料から形成された遮熱層は、100時間暴露後に変色が認められ、200時間暴露には劣化が認められた。
Figure 0005878073
[スペクトル測定]
調製例1の水性塗料から形成した遮熱層について分光光度計(商品名「日立U3410」<日立製作所社製>)を用いて下記の条件でスペクトル測定を行い、得られたスペクトルを図4に示した。測定波長の範囲は、紫外域から近赤外域までの300nm〜2500nmとした。図4に示したように、塗布物(遮熱層)は透明であるにもかかわらず、紫外域と、近赤外域における透過が抑制されていることを確認することができた。
[1−4]UVハードコート層:
UVハードコート層8は、遮熱層6の表面に直接形成した。UVハードコート層8は、UVコート剤(商品名:セイカビームPET<大日精化工業社製>)をバーコーターにより、遮熱層6の表面側に塗工し、その塗膜に波長250nmの紫外線を照射することにより、塗膜を硬化させて形成した。UVハードコート層8の厚さは3μmであった。
本発明の遮熱フィルムは、遮熱効果が高く、有機溶剤に起因する溶剤臭、安全性、健康面での問題を生じ難く、経時安定性や耐久性に優れ、一般家庭においても窓ガラス等に簡便に遮熱性を付与することが可能である。従って、建物用の窓ガラス、自動車等の車両用の窓ガラス等に貼付する遮熱フィルムとして好適に用いることができる。
1:遮熱フィルム、2:基材フィルム、4:粘着層、6:遮熱層、8:UVハードコート層、10:保護シート。

Claims (11)

  1. 樹脂製の基材フィルムと、前記基材フィルムの裏面側に形成された粘着層と、前記基材フィルムの表面側に形成されたUVハードコート層と、前記基材フィルムと前記粘着層の間および/または前記UVハードコート層と前記基材フィルムの間に形成された遮熱層と、を有し、
    前記粘着層が、再剥離性を有する層として形成されており、
    前記遮熱層が、無機系の近赤外線吸収剤を含有し、かつ水性塗料の塗膜で形成されており、
    前記水性塗料が、常温硬化型の塗膜形成樹脂と、前記無機系の近赤外線吸収剤とを含有し、これらの成分が水性媒体中に分散された水性塗料であり、
    前記近赤外線吸収剤が、アンチモンドープ酸化錫、アンチモンドープ酸化亜鉛、ガリウムドープ酸化亜鉛及び錫ドープ酸化インジウムの群から選択された少なくとも1種の近赤外線吸収物質からなる微粒子であることを特徴とする遮熱フィルム。
  2. 記塗膜形成樹脂が、ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を主成分とし、水性イソシアネート硬化剤、ポリカルボジイミド硬化剤、オキサゾリン硬化剤及びエポキシ硬化剤の群から選択された少なくとも1種の硬化剤を硬化助剤として含有する樹脂である請求項1に記載の遮熱フィルム。
  3. 前記遮熱層が、前記近赤外線吸収剤として前記近赤外線吸収物質からなる粒径100nm以下の微粒子を含有し、かつ、その含有量が前記塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し10質量部〜200質量部の範囲内である前記水性塗料によって形成されている請求項1又は2に記載の遮熱フィルム。
  4. 前記遮熱層が、前記ポリカーボネートポリウレタン水性エマルジョン樹脂を3質量%〜70質量%の範囲内で含有する前記水性塗料によって形成されている請求項1〜のいずれか一項に記載の遮熱フィルム。
  5. 前記遮熱層が、紫外線吸収剤を含有し、
    前記紫外線吸収剤を前記塗膜形成樹脂の樹脂分100質量部に対し5質量部〜50質量部の範囲内で含有する前記水性塗料によって形成されている請求項〜4のいずれか一項に記載の遮熱フィルム。
  6. 前記遮熱層が、前記紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール誘導体及びヒドロキシフェニルトリアジン誘導体の群から選択される少なくとも1種の紫外線吸収剤を含有し、更にヒンダードアミン系のラジカル捕捉剤を含有する前記水性塗料によって形成されている請求項5に記載の遮熱フィルム。
  7. 前記遮熱層が、前記紫外線吸収剤として、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄及び酸化チタンの群から選択された少なくとも1種の紫外線吸収物質からなる平均粒子径が50〜100nmの微粒子を含有する前記水性塗料によって形成されている請求項5に記載の遮熱フィルム。
  8. 前記粘着層が、再剥離性接着剤によって形成されたものである請求項1〜7のいずれか一項に記載の遮熱フィルム。
  9. 前記粘着層が、前記基材フィルムの裏面に粘着剤が模様状に塗工されて形成されたものである請求項1〜8のいずれか一項に記載の遮熱フィルム。
  10. 無機ガラス又は有機ガラスからなる板状体の少なくとも一方の面に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の遮熱フィルムが貼付されていることを特徴とする遮熱ガラス構造体。
  11. 既設の窓ガラスの内面及び外面のうち少なくとも一方の面に、請求項1〜9のいずれか一項に記載の遮熱フィルムを貼付することを特徴とする窓ガラスの遮熱処理方法。
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