JP5876768B2 - 断面欠損用部材の固定器具 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物に断面欠損用部材を埋設する際に用いられる断面欠損用部材の固定器具に関するものである。
一般に、コンクリート構造物においては、コンクリートの初期凝結の際に発生したセメントの水和熱による温度上昇及びその後の温度低下等の原因によってひび割れが発生する。ひび割れが発生すると内部の鉄筋が腐食したり、漏水の原因となるが、このひび割れの発生を防止することは困難であるため、悪影響の少ない部分に狙い通りにひび割れを発生させることが行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、コンクリート構造物の内部に、断面が欠損した部分を形成するための一対の断面欠損用部材を埋設し、さらに構造物の表面には、各断面欠損用部材に対応した部位にひび割れ誘発目地を設けている。これにより、コンクリート構造物に狙い通りにひび割れを発生させるようにしている。特許文献1の一対の断面欠損用部材は、コンクリート構造物の厚み方向両側に配設されている鉄筋に対し結束線によってそれぞれ縛り付けて固定するようにしている。また、特許文献2でも一対の断面欠損用部材を鉄筋に固定している。
また、特許文献3では、棒材で構成された治具を型枠に固定しておき、この治具に、1つ又は2つの断面欠損用部材を固定するようにしている。
特許第2868994号公報 特開2002−4444号公報 特開2009−138399号公報
ところで、特許文献1、2のように一対の断面欠損用部材をコンクリート構造物の厚み方向両側の鉄筋にそれぞれ固定するようにした場合、実際の作業現場においては、一方の断面欠損用部材と他方の断面欠損用部材とが平面視で同一直線上に位置するように埋設するのが難しく、例えば一方の断面欠損用部材が平面視で他方の断面欠損用部材の延長線上からずれてしまうことが考えられる。特にコンクリート構造物が大きくなればなるほど一対の断面欠損用部材のずれ量が大きくなりがちである。こうなると、コンクリート構造物のひび割れの発生箇所が厚み方向一方側と他方側とでずれてしまい、狙い通りにひび割れを発生させるのが困難である。
また、セメントの水和熱による温度上昇及びその後の温度低下は、特にコンクリート構造物の内部において大きな引張応力を発生させる原因となる。このことを考慮すると、コンクリート構造物の大きさ等にもよるが、ひび割れを狙いとする部分に発生させるためには、断面欠損用部材をコンクリート構造物の厚み方向中央部近傍に埋設するのが好ましい場合がある。
しかしながら、例えば特許文献1、2では、コンクリート構造物の厚み方向両側の鉄筋に断面欠損用部材を固定するようにしているので、ひび割れをコンクリート構造物の狙いとする部分に発生させるのは難しいことが考えられる。
そこで、特許文献3のように型枠に治具を取り付けておき、この治具に断面欠損用部材を固定することでコンクリート構造物の厚み方向中央部に断面欠損用部材を埋設することが考えられる。
ところが、断面欠損用部材は、コンクリート構造物の中央部に1つだけ設ける場合もあれば、上述のように厚み方向両側に2つ設ける場合もあり、また、コンリート構造物の大きさによっては3つ以上設ける場合もあり、その数はコンクリート構造物によって異なる。
特許文献3では、1つだけ設ける場合(特許文献3の図14参照)と、2つ設ける場合(特許文献3の図26参照)とで、治具の棒材の本数や組み合わせ方を異ならせて対応している。このように断面欠損用部材の数や配置に応じて専用の治具を用意して使い分けるのは、極めて煩雑であるとともに作業の手間がかかり、ひいてはコスト高を招くという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、断面欠損用部材をコンクリート構造物の厚み方向両側に設ける場合にひび割れを狙い通りに発生させることができるようにするとともに、その断面欠損用部材の数や配置が異なる複数の施工現場において共通して使用することができる固定器具を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明では、コンクリート構造物の厚み方向両側に配設される鉄筋にそれぞれ係合する係合部を設け、これら係合部を連結するように延びる部分に、断面欠損用部材を固定するようにした。
第1の発明は、コンクリート構造物に断面が欠損した断面欠損部を形成する断面欠損用部材を固定しておくための断面欠損用部材の固定器具において、
上記コンクリート構造物の厚み方向両側に配設される鉄筋にそれぞれ係合する第1係合部及び第2係合部と、
上記第1係合部から上記第2係合部まで延び、上記断面欠損用部材を固定するための固定部と
上記第1係合部と上記第2係合部との離間寸法を変更する寸法調整部とを備え
上記固定部は、上記第1係合部が固定されて上記第2係合部側へ延びる第1係合部側の部材と、上記第2係合部が固定されて上記第1係合部側へ延びる第2係合部側の部材とを有し、
上記寸法調整部は、上記第1係合部側の部材と上記第2係合部側の部材との相対位置を上記コンクリート構造物の厚み方向に変更するように構成され、
上記第1係合部側の部材と上記第2係合部側の部材とに、同一の上記断面欠損用部材が、該第1係合部側の部材から該第2係合部側の部材に掛け渡されて固定されることを特徴とするものである。
この構成によれば、第1係合部及び第2係合部をコンクリート構造物の厚み方向両側の鉄筋にそれぞれ係合させることにより、固定器具が鉄筋に取り付けられる。この状態で、固定部がコンクリート構造物の厚み方向に延びることになるので、任意の数の断面欠損用部材をコンクリート構造物の厚み方向の任意に位置に固定することが可能になる。よって、断面欠損用部材の数が異なる複数の施工現場で同じ固定器具を使用することが可能になる。
さらに、複数の断面欠損用部材を固定する場合、それらは単一の固定部に固定することになるので、複数の断面欠損用部材の間で相対的な位置ずれを防止することが可能になる。よって、例えば、コンクリート構造物の厚み方向両側に断面欠損用部材を設ける場合、一方の断面欠損用部材と他方の断面欠損用部材とを平面視で同一直線上に位置付けることが可能になるので、コンクリート構造物にはひび割れが狙い通りに発生するようになる。
また、コンクリート構造物の厚み方向両側の鉄筋の間隔が異なる場合に、寸法調整部によって第1係合部と第2係合部との離間寸法を変更することによって第1係合部及び第2係合部をそれぞれ鉄筋に容易に係合させることが可能になる。
の発明は、第の発明において、上記第1係合部は、水平方向の鉄筋の上側から下方へ向かって延びて該鉄筋に引っ掛かるように形成されたフック部を有していることを特徴とするものである。
この構成によれば、第1係合部を鉄筋の上側から引っ掛けるだけで鉄筋に係合させることが可能になり、施工現場での作業が容易に行える。
の発明は、第1または2の発明において、上記固定部には、上記断面欠損用部材を固定するための複数の孔部が該固定部の長手方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とするものである。
この構成によれば、断面欠損用部材をコンクリート構造物の厚み方向の任意の位置において孔部を利用して固定することが可能になる。
第1の発明によれば、コンクリート構造物の厚み方向両側に配設される鉄筋にそれぞれ第1係合部及び第2係合部を係合させた状態で、第1係合部から第2係合部まで延びる固定部に断面欠損用部材を固定するようにしたので、断面欠損用部材をコンクリート構造物の厚み方向両側に設ける場合にひび割れを狙い通りに発生させることができる。また、断面欠損用部材の数や配置が異なる複数の施工現場において共通して固定器具を使用することができるので、作業の手間を少なくすることができ、ひいては低コスト化を図ることができる。
また、第1係合部と第2係合部との離間寸法を変更できるので、コンクリート構造物の厚み方向両側の鉄筋の間隔が異なる場合に第1係合部及び第2係合部を鉄筋に容易に係合させて固定器具を鉄筋に確実に取り付けることができる。
の発明によれば、第1係合部にフック部を設けたので、鉄筋に係合させる作業を容易に行うことができる。
の発明によれば、断面欠損用部材を固定するための複数の孔部を固定部に設けたので、断面欠損用部材を任意の位置に確実に固定することができる。
実施形態1にかかる断面欠損用部材の固定器具の平面図である。 実施形態1にかかる断面欠損用部材の固定器具の側面図である。 断面欠損用部材の固定器具を使用したコンクリート構造物の水平断面図である。 断面欠損用部材の側面図である。 コンクリートの打設現場に鉄筋を配置した状態を示す平面図である。 断面欠損用部材の固定器具を鉄筋に取り付けた状態を示す平面図である。 断面欠損用部材の固定器具を鉄筋に取り付けた状態を示す側面図である。 断面欠損用部材を固定した状態を示す平面図である。 断面欠損用部材を固定した状態を示す側面図である。 外部断面欠損用部材を固定した状態を示す平面図である。 断面欠損用部材の別の例を示す図4相当図である。 実施形態2にかかる断面欠損用部材の固定器具の側面図である。 実施形態2にかかる分解図である。 実施形態1、2の変形例1にかかる棒材の斜視図である。 実施形態1、2の変形例2にかかる棒材の斜視図である。 実施形態1、2の変形例3にかかる棒材の斜視図である。 実施形態1、2の変形例4にかかる棒材の斜視図である。 実施形態1、2の変形例5にかかる棒材の斜視図である。 実施形態1、2の変形例6にかかるフック部の側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかる断面欠損用部材の固定器具1を示すものである。この断面欠損用部材70(図4に示す)は、コンクリート構造物A(図3に示す)に、断面が欠損した断面欠損部を形成するためのものである。断面欠損用部材の固定器具1は、断面欠損用部材70をコンクリートの打設前に鉄筋60,61に固定しておくためのものである。
固定器具1は、水平方向に延びる鉄筋61,61(図3に示す)にそれぞれ係合する第1係合部10及び第2係合部20と、第1係合部10から第2係合部20まで延び、断面欠損用部材70を固定するための固定部30と、第1係合部10及び第2係合部20との離間寸法を変更するための寸法調整部40とを備えている。
図1や図2の左側に示すように、第1係合部10は、金属製の板材を折り曲げてなるものであり、フック部11と、固定部30に固定される取付板12とを備えている。フック部11の形状は特に限定されないが、例えば、同図に示すように、全体として鉄筋61の上側から側方を通って該鉄筋61の下側まで延びるように形成されており、取付板12から鉄筋61の上面に接触するように水平方向に延びる上面接触部11aと、上面接触部11aの外縁部から下方へ延びる縦板部11bと、縦板部11bの下縁部から取付板12側へ向けて延びる下板部11cとを有している。下板部11cは、その先端に近づくほど下方に位置するように下降傾斜して延びており、この下板部11cの下降傾斜により、フック部11は、その開放側に向かって上下寸法が次第に長くなっている。
図1及び図2の右側に示すように、第2係合部20は、第1係合部10と同様に、上面接触部21a、縦板部21b及び下板部21cを有するフック部21と、取付板22とを備えている。第2係合部20のフック部21は、第1係合部10のフック部11と同様に構成されている。
固定部30は、第1係合部10が固定される第1棒材31と、第2係合部20が固定される第2棒材32と、第1棒材31及び第2棒材32を連結する連結部材33と、第1ねじ棒34と、第2ねじ棒35とを備えている。
第1棒材31は、全体として略水平に延びるとともにコ字状断面を有する金属材からなるものであり、略水平に延びる上板部31a及び下板部31aと、略鉛直に延びる側板部31bとで構成されている。上板部31aと下板部31aとは互いに略平行となっている。側板部31bには、多数の孔部31c,31c,…が第1棒材31の長手方向に間隔をあけて貫通形成されている。各孔部31cは、略円形であり、断面欠損用部材70を固定する際に使用されるものである。
側板部31bの長手方向一側(図1及び図2の左側)には、第1係合部10の取付板12が溶接等により固定されている。第1係合部10の取付板12は、側板部31bの上下方向中間部において上板部31a及び下板部31aの間に位置している。第1係合部10のフック部11は、第1棒材31の上板部31a及び下板部31aの間から突出している。
第2棒材32も第1棒材31と同様に、上板部32a及び下板部32aと、側板部32bとで構成されており、側板部32bには、多数の孔部32c,32c,…が貫通形成されている。また、第2係合部20の取付板22は、側板部32bの上下方向中間部において上板部32a及び下板部32aの間に位置している。第2係合部20のフック部21は、第2棒材32の上板部32a及び下板部32aの間から第2棒材32の長手方向に突出している。
尚、第1棒材31と第2棒材32との長さは同一であってもよいし、変えてもよい。
第1ねじ棒34は、第1棒材31の下板部31aにおいて第1係合部10とは反対側(図1及び図2の右側)に固定されている。第1ねじ棒34の外周面にはねじ溝が形成されている。第1ねじ棒34は、第1棒材31の長手方向他側(図1及び図2の右側)から第1係合部10とは反対側へ向けて突出している。
第2ねじ棒35も外周面にねじ溝が形成されたものであり、第2棒材32の下板部32aにおいて第2係合部20とは反対側に固定され、第2棒材32から第2係合部20とは反対側へ向けて突出している。
連結部材33は、第1棒材31と第2棒材32との間に配設されるものであり、第1棒材31の長手方向に沿って延びている。連結部材33の内部は中空とされている。連結部材33の第1棒材31側の端部には、連結部材33の長手方向に貫通する第1ねじ孔33aが形成されている。第1ねじ孔33aには第1ねじ棒34が螺合するようになっている。第1ねじ棒34は第1ねじ孔33aに螺合した状態で連結部材33の内部に入るようになっている。
また、連結部材33の第2棒材32側の端部には、連結部材33の長手方向に貫通する第2ねじ孔33bが形成されている。第2ねじ孔33bには第2ねじ棒35が螺合するようになっている。第2ねじ棒35は第2ねじ孔33bに螺合した状態で連結部材33の内部に入るようになっている。
上記第1棒材31、第2棒材32、連結部材33、第1ねじ棒34、第2ねじ棒35は、同一直線上に並ぶように配置されている。
上記連結部材33、第1ねじ棒34、第2ねじ棒35は金属製である。これら連結部材33、第1ねじ棒34、第2ねじ棒35により本発明の寸法調整部40が構成されている。
次に、上記のように構成された断面欠損用部材の固定器具1を使用する要領について説明する。
固定器具1を使用するコンクリート構造物Aとしては、例えば擁壁等が挙げられるが、これに限られるものではなく、壁厚の厚い大型のコンクリート構造物Aであれば種類は特に限定されない。
コンクリート構造物Aを構築する場所(コンクリートの打設場所)において、図5に示すようにコンクリート構造物Aの厚み方向両側に対応する部位には、それぞれ、縦方向に延びる鉄筋(縦方向の鉄筋)60と水平方向に延びる鉄筋(水平方向の鉄筋)61とを配設しておく。一般に、縦方向の鉄筋60及び水平方向の鉄筋61はそれぞれ所定間隔をあけて複数設けられている。
図6及び図7に示すように、固定器具1は上記水平方向の鉄筋61に取り付ける。固定器具1を取り付ける際には、まず、ひび割れを発生させたい場所(ひび割れ誘発場所)を特定し、その後、ひび割れ誘発場所に固定器具1を取り付けていくことになる。このとき、固定器具1の第1係合部10と第2係合部20との間隔が、コンクリート構造物Aの厚み方向に離れた水平方向の鉄筋61,61の間隔と合うように調整しておく。
第1係合部10と第2係合部20との間隔を調整する際には、寸法調整部40を使用する。すなわち、例えば第1ねじ棒34を固定して連結部材33をその中心線周りに回転させると、第1ねじ棒34が連結部材33の第1ねじ孔33aに螺合しているので、その回転方向によって第1ねじ棒34が連結部材33の内部に出入りする。第2ねじ棒35を固定して連結部材33を回転させた場合も同様に回転方向によって第2ねじ棒35が連結部材33の内部に出入りする。第1ねじ棒34及び第2ねじ棒35が連結部材33の内部に出入りすることで、第1係合部10及び第2係合部20の間隔が無段階に変わる。
第1係合部10のフック部11をコンクリート構造物Aの厚み方向一側の鉄筋61に上から引っ掛け、また、第2係合部20のフック部21を厚み方向他側の鉄筋61に上から引っ掛ける。この状態で、フック部11の上面接触部11a近傍及びフック部21の上面接触部21a近傍がそれぞれ鉄筋61,61に接触し、固定部30が略水平に真っ直ぐに延びた状態となる。第1係合部10及び第2係合部20の離間寸法は、鉄筋61に引っ掛けた後に微調整することができる。
図7に示すように、固定器具1は、上下方向に間隔をあけて複数取り付けておく。
上記のようにして固定器具1を水平方向の鉄筋61,61に取り付けた後、図8及び図9に示すように断面欠損用部材70を固定器具1に固定していく。断面欠損用部材70は従来から断面欠損用として用いられる部材であり、例えば、図4に示すように長尺の亜鉛メッキ鋼板が挙げられる。この断面欠損用部材70は、矩形の平板状であり、長手方向に延びる縁部近傍には、多数の貫通孔70a,70a,…が断面欠損用部材70の長手方向に間隔をあけて形成されている。
複数枚の断面欠損用部材70をコンクリート構造物Aの厚み方向両側の鉄筋61,61の間に搬入した後、固定器具1の第1係合部10側、第2係合部20側、及びそららの間にそれぞれ固定していく。断面欠損用部材70を固定器具1に固定する際、断面欠損用部材70の貫通孔70a及び第1棒材31の孔部31cに結束線を通して第1棒材31に縛り付け、また、断面欠損用部材70の貫通孔70a及び第2棒材32の孔部32cに結束線を通して第2棒材32に縛り付ける。
固定器具1の固定部30はコンクリート構造物Aの厚み方向に直線状に延びる姿勢となっているので、第1係合部10側の断面欠損用部材70と、第2係合部20側の断面欠損用部材70とは、平面視で略同一直線上に位置付けることができる。
尚、この実施形態では、断面欠損用部材70をコンクリート構造物Aの厚み方向に3列並べて固定した例を示しており、全ての断面欠損用部材70を同一直線上に位置付けることができる。断面欠損用部材70を、例えばコンクリート構造物Aの厚み方向中央部に1つだけ固定する場合、または複数固定する場合にも上記固定器具1を使用することができ、また、一対の断面欠損用部材70をコンクリート構造物Aの厚み方向両側にのみ固定する場合にも上記固定器具1を使用することができるので、固定器具1の汎用性は極めて高い。
また、図10に示すように、断面欠損用部材70とは別の外部断面欠損用部材71を鉄筋61,61に結束線等を用いて固定する。外部断面欠損用部材71は、鋼板71aと、コンクリートに対して密着する高分子材料製の粘着層71bとを備えているものである。この外部断面欠損用部材71は、鉄筋61よりも外側、即ち、コンクリート構造物Aの表面に近い側に配置する。外部断面欠損用部材71は山型に突出する断面形状を有しており、その突出方向はコンクリート構造物Aの表面側とされている。この外部断面欠損用部材71の先端部と断面欠損用部材70とは略同一直線上に位置するようになっている。
また、図10に仮想線で示すように型枠を用いてコンクリートの打設空間を区画しておく。このとき、型枠によってひび割れ誘発目地ができるようにしておく。このひび割れ誘発目地は、断面欠損用部材70の延長線上に位置している。
しかる後、型枠内にコンクリートを打設する。このとき、断面欠損用部材70がコンクリートの流動圧を受けることになるが、断面欠損用部材70は固定器具1に固定されているので、所定位置からずれることはない。
コンクリートの硬化後、断面欠損用部材70及び外部断面欠損用部材71によってコンクリート構造物A内部には断面欠損部が形成される。そして、コンクリート構造物Aにひび割れが発生する際には、断面欠損用部材70,71に対応する部位に発生する。このとき、3列に並んだ断面欠損用部材70,70,70は略同一直線上に位置しているので、コンクリート構造物Aの厚み方向に直線状に延びるひび割れとなる。また、このひび割れは、外部断面欠損用部材71の頂部を通り、ひび割れ誘発目地A1(図3参照)上に現れることになる。
ひび割れ誘発目地A1にひび割れが現れると水がコンクリート構造物Aの内部に浸入するおそれがあるが、外部断面欠損用部材71の粘着層71bがコンクリートに接着していることにより、浸入した水を粘着層71bにより止水することができ、それ以上深くまで浸入しなくなる。
以上説明したように、この実施形態1にかかる断面欠損用部材の固定器具1は、第1係合部10及び第2係合部20をコンクリート構造物Aの厚み方向両側の水平方向に延びる鉄筋61,61にそれぞれ係合させることにより、固定器具1を鉄筋61,61に取り付けることができる。この取付状態で、第1棒材31や第2棒材32がコンクリート構造物Aの厚み方向に延びることになるので、任意の数の断面欠損用部材70をコンクリート構造物Aの厚み方向の任意に位置に固定することができる。よって、断面欠損用部材70の数や配置が異なる複数の施工現場で同じ固定器具1を使用することができる。よって、作業の手間を少なくすることができ、ひいては低コスト化を図ることができる。
さらに、複数の断面欠損用部材70を固定する場合、それらは単一の固定部30に固定することになるので、相対的な位置ずれを防止することができる。よって、コンクリート構造物Aの厚み方向一側の断面欠損用部材70と他側の断面欠損用部材70とを平面視で同一直線上に位置付けることができるので、ひび割れを狙い通りに発生させることができる。
また、第1係合部10と第2係合部20との離間寸法を寸法調整部40で変えることができるので、コンクリート構造物Aの厚み方向両側の鉄筋61,61の間隔が異なる場合に第1係合部10及び第2係合部20を鉄筋61,61に容易に係合させて固定器具1を鉄筋61,61に確実に取り付けることができ、汎用性をより一層拡大することができる。
また、第1係合部10及び第2係合部20にフック部11,21を形成したので、鉄筋61,61に係合させる作業を容易に行うことができる。
また、断面欠損用部材70を固定するための多数の孔部31c,32cを固定部30に設けたので、断面欠損用部材70を任意の位置に確実に固定することができる。
また、第1係合部10及び第2係合部20にフック部11,21を設け、このフック部11,21を開放側に向かって上下寸法が次第に長くなるようにしているので、鉄筋61の径が異なっても係合部10,20を係合させることができる。
尚、上記実施形態1では、断面欠損用部材70を亜鉛鋼板で構成しているが、これに限らず、例えば、図11に示すように、金属製の網70cの両面にシート70dを貼り付けて構成してもよい。
(実施形態2)
図12及び図13は、実施形態2にかかる断面欠損用部材の固定器具1を示すものである。この固定器具1は、連結部材33を備えていない点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
第1棒材31及び第2棒材32は、実施形態1のものと同様にコ字状断面を有している。第2棒材32の上板部32aと下板部32aとの間隔は、第1棒材31の上板部31aと下板部31aとの間隔よりも狭く設定されており、これによって第2棒材32は第1棒材31の内側に嵌る。第2棒材32は、第1棒材31の内側に嵌った状態で第1棒材31に対し長手方向に摺動可能となっている。
第1棒材31の側板部31aには、第1棒材31の長手方向に延びる複数の長孔31eが長手方向に間隔をあけて形成されている。長孔31eは、断面欠損用部材70を固定する際に使用される孔部である。一方、第2棒材32の側板部32aにも同様な形状の長穴32eが形成されている。
第1棒材31の長穴31eと第2棒材32の長穴32eとは、第2棒材32を第1棒材31に嵌めた状態で一致するようになっている。そして、第1棒材31の長穴31eと第2棒材32の長穴32eとにボルトBを挿入して図示しないナットに螺合させることで、第1棒材31の側板部31aと第2棒材32の側板部32aとを締結して第1棒材31と第2棒材32との相対的な動きを抑制することができるようになっている。このとき、長穴31e,32eが各棒材31,32の長手方向に延びているので、ボルトBを緩めた状態で例えば第1棒材31を固定して第2棒材32を長手方向に移動させることができ、これによって第1係合部10と第2係合部20との離間寸法を変更することが容易に行える。本発明の寸法調整部は、第1棒材31の長穴31e、第2棒材32の長穴32e、ボルトB及びナットで構成されている。
したがって、この実施形態2にかかる断面欠損用部材の固定器具1によれば、実施形態1のものと同様に、任意の数の断面欠損用部材70をコンクリート構造物Aの厚み方向の任意に位置に固定することができるので、断面欠損用部材70の数や配置が異なる複数の施工現場で同じ固定器具1を使用することができる。よって、作業の手間を少なくすることができ、ひいては低コスト化を図ることができる。
また、上記実施形態1、2では、第1棒材31及び第2棒材32がコ字状断面を有している場合について説明したが、例えば、図14〜18に示す変形例1〜5のような形状にしてもよい。図14に示す変形例1では、L字状断面を有している。また、図15に示す変形例2では、中実丸棒材で構成している。また、図16に示す変形例3では、外周面にねじ山が形成されたねじ棒で構成している。また、図17に示す変形例4では、外周面に周方向に延びる凸条部31fが複数形成された棒材で構成している。また、図18に示す変形例5では、中実丸棒材で構成している。第1棒材31及び第2棒材32を丸棒材で構成することにより、第1棒材31及び第2棒材32の周囲にコンクリートが充填されやすくなる。
また、第1係合部10の形状としては上記した形状以外にも、例えば、図19に示す変形例6のように、側面視で略U字状に形成してもよい。
また、上記実施形態では、第1係合部10及び第2係合部20を水平方向に延びる鉄筋61,61に引っ掛けて係合させるようにしているが、これに限らず、例えば、縦方向に延びる鉄筋60,60に係合させるようにしてもよい。
また、断面欠損用部材70と固定器具1との固定は、例えばファスナやリベット等の締結部材を用いてもよい。
以上説明したように、本発明にかかる断面欠損用部材の固定器具は、例えば擁壁等のコンクリート構造物を構築する場合に使用することができる。
1 断面欠損用部材の固定器具
10 第1係合部
11 フック部
20 第2係合部
21 フック部
30 固定部
31c 孔部
32c 孔部
40 寸法調整部
60,61 鉄筋
70 断面欠損用部材
A コンクリート構造物
A1 ひび割れ誘発目地

Claims (3)

  1. コンクリート構造物に断面が欠損した断面欠損部を形成する断面欠損用部材を固定しておくための断面欠損用部材の固定器具において、
    上記コンクリート構造物の厚み方向両側に配設される鉄筋にそれぞれ係合する第1係合部及び第2係合部と、
    上記第1係合部から上記第2係合部まで延び、上記断面欠損用部材を固定するための固定部と
    上記第1係合部と上記第2係合部との離間寸法を変更する寸法調整部とを備え
    上記固定部は、上記第1係合部が固定されて上記第2係合部側へ延びる第1係合部側の部材と、上記第2係合部が固定されて上記第1係合部側へ延びる第2係合部側の部材とを有し、
    上記寸法調整部は、上記第1係合部側の部材と上記第2係合部側の部材との相対位置を上記コンクリート構造物の厚み方向に変更するように構成され、
    上記第1係合部側の部材と上記第2係合部側の部材とに、同一の上記断面欠損用部材が、該第1係合部側の部材から該第2係合部側の部材に掛け渡されて固定されることを特徴とする断面欠損用部材の固定器具。
  2. 請求項1に記載の断面欠損用部材の固定器具において、
    上記第1係合部は、水平方向の鉄筋の上側から下方へ向かって延びて該鉄筋に引っ掛かるように形成されたフック部を有していることを特徴とする断面欠損用部材の固定器具。
  3. 請求項1または2に記載の断面欠損用部材の固定器具において、
    上記固定部には、上記断面欠損用部材を固定するための複数の孔部が該固定部の長手方向に間隔をあけて設けられていることを特徴とする断面欠損用部材の固定器具。
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