JP5876373B2 - 電気化学素子用セパレータ及びそれを用いてなる電気化学素子 - Google Patents

電気化学素子用セパレータ及びそれを用いてなる電気化学素子 Download PDF

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Description

本発明は、電気化学素子用セパレータ及びそれを用いてなる電気化学素子に関する。
電気化学素子であるリチウム二次電池の一部、キャパシタ、電解コンデンサには、セパレータとして、再生セルロース繊維や溶剤紡糸セルロース繊維の叩解物を主体とする紙セパレータ(例えば、特許文献1〜4参照)が使用されている。電解コンデンサ用セパレータとして、紙力増強剤を含浸処理してなるセパレータ(例えば、特許文献5参照)、天然セルロースパルプとバインダーからなるセパレータ(例えば、特許文献6参照)、固体電解コンデンサ用セパレータとして、天然セルロース繊維と耐熱性繊維とバインダーからなるセパレータ(例えば、特許文献7参照)、リチウム二次電池やキャパシタ用セパレータとして、特定範囲の平均繊維径を有するセルロース繊維と、特定の平均繊維径を有するポリオレフィンとを含む、厚み20μm以下の不織布からなるセパレータ(例えば、特許文献8参照)が開示されている。また、合成繊維と特定範囲の変法濾水度を有する溶剤紡糸セルロース繊維を含有するセパレータ(例えば、特許文献9参照)も開示されている。リチウム二次電池に用いられる電解液は有機溶媒に支持電解質を溶解させてなるもので可燃性である。何らかの事情によりリチウム二次電池が過充電された場合に、リチウムデンドライトが生成し、これがセパレータを貫通して正負電極間で導通し、大電流が流れ、発熱発火に至る危険性があるため、200℃程度でも溶融収縮しにくく耐熱性に優れるセパレータ(例えば、特許文献10参照)が提案されている。リチウムデンドライトとは、充放電を繰り返し行ったときや、過充電したときに負極表面に析出する金属リチウムをいう。
特許文献1〜4の紙セパレータは、厚みを薄く作製すると、ピンホールができやすくなり、耐デンドライト性や耐電圧が悪くなる問題があった。また、突刺強度が弱いため、集電体の接合部に形成されることがある凸部や電極のバリが貫通して内部短絡する場合があった。特許文献5のセパレータは、麻パルプなどのセルロースを主体とする紙に紙力増強剤を含浸処理したものであり、紙力増強剤を含浸しない場合は強度が弱いことが明示されている。特許文献6、7のセパレータはバインダーを必須成分として含有しており、リチウム二次電池やキャパシタに使用される電解液に対する耐性が悪い問題があった。特に水溶性バインダーはセパレータから脱離して電解液中に混入し、電解液の粘度を上昇させるため、リチウム二次電池やキャパシタなどの電気化学素子の特性を低下せしめる問題があった。バインダーがポリビニルアルコールの場合はパルプ上に皮膜を形成しやすく、セパレータの空隙を閉塞して、電解液浸透性を悪化させる問題があった。特許文献8及び9のセパレータは、セルロース繊維の平均繊維長が短い場合は、抄紙用ワイヤーへの繊維取られが生じ、安定して製造するためには、装置や製造条件を工夫する必要があった。特許文献10のセパレータは、繊維密度の粗密斑ができる問題があった。また、抄紙網を構成するワイヤーの交点に繊維が乗らず、その部分がピンホールになるため、リチウムデンドライトの貫通を阻止することができない問題があった。
特開平5−267103号公報 特開平11−168033号公報 特開2000−3834号公報 特開平8−306352号公報 特開2001−52962号公報 特開2003−100558号公報 特開2010−153427号公報 特開2012−36518号公報 国際公開第WO2012/8559号パンフレット 特開2003−123728号公報
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、抄紙安定性に優れ、ピンホールがなく、耐電圧と耐デンドライト性に優れる電気化学素子用セパレータ、該セパレータを用いてなる電気化学素子を提供することにある。
本発明では、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、合成短繊維と特定範囲の叩解度のコットンパルプを必須成分として用いることによって、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、抄紙安定性に優れ、ピンホールがなく、耐電圧と耐デンドライト性に優れる電気化学素子用セパレータを実現できることを見出し、下記の本発明に至ったものである。
合成短繊維とコットンパルプを必須成分として含有する湿式不織布からなり、合成短繊維の繊維長が0.1〜10mmであり、コットンパルプの下記で定義される変法濾水度が90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.20mmである電気化学素子用セパレータ。
変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
本発明の電気化学素子用セパレータは、さらに、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmの溶剤紡糸セルロース繊維を含有することが好ましい。
本発明の電気化学素子用セパレータを具備してなる電気化学素子。
本発明の電気化学素子用セパレータは、合成短繊維とコットンパルプを必須成分として含有する湿式不織布からなり、コットンパルプの変法濾水度が90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.20mmであるため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、抄紙安定性に優れ、ピンホールがなく、耐電圧と耐デンドライト性に優れる。そのため、該セパレータを具備してなる電気化学素子は安全性に優れる。溶剤紡糸セルロース繊維が、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmである場合は、細孔分布が鋭く、均一性の高いセパレータが得られる。
本発明の実施例で用いたコットンパルプの変法濾水度(ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度)を表したグラフである。 本発明の実施例で用いた溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度を表したグラフである。
<電気化学素子用セパレータ>
本発明において、「セパレータ」と表記する場合は、電気化学素子用セパレータを意味する。本発明において、「所定のコットンパルプ」と表記する場合は、変法濾水度90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.20mmのコットンパルプを意味する。本発明において、「所定の溶剤紡糸セルロース繊維」と表記する場合は、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmの溶剤紡糸セルロース繊維を意味する。
本発明に用いられる合成短繊維とは、合成樹脂からなるいわゆるチョップドファイバーを意味する。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、全芳香族ポリエステル、アクリル、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド(「アラミド」ともいう)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール、ジエン、ポリウレタン、フェノール、メラミン、フラン、尿素、アニリン、不飽和ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロフルオロエチレン、シリコーン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンゾイミダゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスチアゾール、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール、これらの誘導体などの樹脂100%からなる短繊維、又は2種類以上の樹脂からなる複合短繊維が挙げられる。
複合短繊維としては、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサイド型、海島型、オレンジ型、多重バイメタル型、分割型が挙げられる。分割型複合繊維としては、異なる成分からなる樹脂が相互に隣接してなる繊維や海島型繊維が挙げられる。前者はパルパーやミキサーなどで攪拌する方法や高圧水流を当てる方法により機械的に分割させて、後者は海成分の樹脂を薬品で溶出する方法により化学的に分割させて、極細繊維を得ることができる。前者の分割型複合繊維の断面形状としては、放射状型、層状型、櫛型、碁盤型などが挙げられる。
本発明におけるアクリルとは、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニルなどを共重合させたものを指す。半芳香族ポリアミドとは、主鎖の一部に脂肪鎖などを有する芳香族ポリアミドを指す。全芳香族ポリアミドには、メタ型とパラ型がある。これらの合成短繊維以外にも再生繊維の短繊維を用いても良い。再生繊維としては、溶剤紡糸セルロース繊維、レーヨン、キュプラ繊維などが挙げられる。
合成短繊維の断面形状は、円形、楕円形、扁平、三角形、四角形、多角形のいずれでも良いが、湿式不織布の空隙を閉塞しにくいことから円形、楕円形、三角形、四角形、多角形が好ましい。合成短繊維の平均繊維径(分割型複合繊維の場合は、分割後の平均繊維径を意味する)は0.05〜15.0μmが好ましく、0.1〜10.0μmがより好ましく、1.0〜8.0μmがさらに好ましい。合成短繊維の平均繊維径が15.0μmを超えた場合、厚さ方向における繊維本数が少なくなるため、ピンホールが生成する場合や厚みを薄くしにくくなる場合がある。0.05μm未満だと、合成短繊維の添加効果が現れにくい場合がある。断面形状が円形以外の場合の平均繊維径は、同面積の円形に換算したときの平均繊維径を意味する。分割型複合繊維の分割前の平均繊維径は3.0〜18.0μmが好ましく、6.0〜16.0μmがより好ましい。3.0μm未満だと、分割しにくくなる場合があり、18.0μmより太いと、分割後の極細繊維断面の長軸が長くなるため、不織布の空隙を閉塞する場合がある。
合成短繊維の繊維長(分割型複合繊維の場合は、分割後の繊維長を意味する)としては、0.1〜10mmが好ましく、0.3〜6mmがより好ましい。繊維長が10mmを超えた場合、繊維同士がよれて地合不良となることがある。一方、繊維長が0.1mm未満の場合には、不織布の強度が不十分になり、巻回性に支障を来たす場合がある。
本発明におけるセパレータ中の合成短繊維の含有率は、10〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。含有率が10質量%未満では、コットンパルプの皮膜によってセパレータの細孔が閉塞されて、電解液の浸透性が悪くなる場合がある。70質量%超では、セパレータにピンホールが生成する場合や強度が不十分になる場合がある。
本発明に用いられるコットンパルプとは、木綿の種子、いわゆる綿実に付いているリント(コットンリント)と呼ばれる長繊維を原料とする紡績糸(綿糸)をパルプ化したものであり、コットンリンターパルプのことではない。綿糸を得るための綿は、その原産地を問わないが、例えばアメリカ綿、ブラジル綿、オーストラリア綿、インド綿などを用いることができる。毛、スフ、合成繊維等との混合糸を含まない。また、コットンパルプの原料としての綿糸は、10〜40mmの長さに切断された綿糸を使用することが好ましい。原料である綿糸は、10〜40mmの長さに切断された綿糸100%からなるものが好ましいが、10mm未満の綿糸及び40mmを超える綿糸を少割合で(最大20%まで)含有させることができる。
本発明に用いられるコットンパルプは、機械的処理を受けて、外部フィブリル化処理される前に、前処理として化学的処理や酵素処理することが好ましい。化学的処理としては、次亜塩素酸塩、過酸化水素、二酸化塩素、ハイドロサルファイト、二酸化チオ尿酸、オゾン等の漂白剤を単独、もしくは複数組み合わせて処理する方法が適用できる。酵素処理としては、セルラーゼで処理する方法が適用できる。前処理を行うことで、コットンパルプを機械的処理する際に、外部フィブリル化が促進される。
コットンリンターとは、コットンリントを分離した後に採取される短繊維を指す。本発明では、コットンリントとコットンリンターを同様の方法で叩解してパルプ化した場合、コットンリンターパルプはコットンパルプより繊維長が短く、且つ繊維径分布が広くでき上がり、地合斑になりやすく、緻密性に欠け、強度が弱いことを見出した。
コットン以外の天然セルロースとして、麻パルプやエスパルトパルプが挙げられるが、麻パルプは、叩解度が進むと皮膜を形成しやすく、電解液浸透性が悪くなる。また、コットンパルプより結晶化度が低く、電解液に濡れると膨潤しやすいため、電気化学素子のセル内圧力が高まり、特性を低下せしめる。エスパルトパルプは繊維が硬く、繊維同士の絡み合いが少ないため、強度が弱く、地合斑になりやすく、緻密性に欠ける。
再生セルロースや溶剤紡糸セルロースからなるパルプとコットンパルプの強度を比較すると、コットンパルプの方が引張強度や突刺強度が強い。これは再生セルロースや溶剤紡糸セルロースとコットンパルプとでは、セルロースの結晶構造が異なるからである。つまり、セルロースを構成するグルコースのC6のコンフォメーション、分子鎖のC軸方向のずれの程度、結晶密度がそれぞれ異なり、分子内、分子間の水素結合の場所や程度に違いがあるため、繊維間の結合強度が異なる。
本発明者らは、様々な変法濾水度と長さ加重平均繊維長のコットンパルプを作製し、強度と緻密性の関係を調査した結果、変法濾水度90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.20mmのコットンパルプが高強度で且つ緻密性に優れ、抄紙用ワイヤーへの繊維取られが生じにくいことを見出した。変法濾水度が90ml未満又は長さ加重平均繊維長が0.80mm未満だと、強度が不十分になる場合や抄紙用ワイヤーへの繊維取られが生じる場合がある。変法濾水度が160ml超又は長さ加重平均繊維長が1.20mm超だと、ピンホールが生成する場合がある。ここでいう緻密性とは、コットンパルプの紙を作製したときにピンホールができないことを意味する。変法濾水度は100〜160mlがより好ましい。長さ加重平均繊維長は、0.90〜1.20mmがより好ましい。
本発明における変法濾水度は、ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの金網(PULP AND PAPER RESEARCH INSTITUTE OF CANADA製)を用い、試料濃度を0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度である。ここに試料濃度(%)とは、濾水度測定のための試料の質量(g)を試料と希釈水との混合液の体積(ml)で除した値に100を掛けることにより得られるものである。本発明において変法濾水度を採用する理由は、1つはJIS P8121で規定されるカナダ標準型濾水度が0ml近辺で、叩解度の差をこれ以上判別できない試料の叩解度を明確にできるからであり、もう1つは叩解によって繊維長が短くなり、カナダ標準濾水度の計測で使用するふるい板の孔をパルプ試料がすり抜けてしまい、正確な濾水度を計測できない試料の叩解度を明確にできるからである。
長さ加重平均繊維長は、繊維にレーザー光を当てて得られる偏光特性を利用して求める市販の繊維長測定器を用いて測定することができる。本発明では、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法No.52「紙及びパルプの繊維長 試験方法(光学的自動計測法)」に準じてKajaaniFiberLabV3.5(Metso Automation社製)を使用して測定した。コットンパルプ及び溶剤紡糸セルロース繊維の「長さ加重平均繊維長」とは、上記に従って測定・算出される「長さ加重平均繊維長」を意味する。図1は、本発明の実施例で用いたコットンパルプの変法濾水度と長さ加重平均繊維長を表す。
本発明における湿式不織布は、さらに、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmの溶剤紡糸セルロース繊維を含有することが好ましい。本発明における溶剤紡糸セルロース繊維とは、セルロース誘導体を経ずに、直接、有機溶剤に溶解させて紡糸して得られるセルロース繊維を意味する。JIS L0204−2では、この繊維の名称として「リヨセル」という用語が用いられている。この範囲の変法濾水度と長さ加重平均繊維長の溶剤紡糸セルロース繊維は、繊維径が細く、均一性が高いため、細孔が小さく、細孔分布が狭いセパレータが得られる。変法濾水度が70ml未満又は長さ加重平均繊維長が0.60mm未満だと、湿式不織布への歩留まりが低く、ピンホールができる場合がある。変法濾水度が200ml超又は長さ加重平均繊維長が1.20mm超だと、湿式不織布の地合斑が生じる場合がある。図2は、本発明の実施例で用いた叩解されてなる溶剤紡糸セルロース繊維の変法濾水度と長さ加重平均繊維長を表す。
本発明に係わる所定のコットンパルプ及び溶剤紡糸セルロース繊維は、リファイナー、ビーター、ビートファイナー、ミル、摩砕装置、高速の回転刃により剪断力を与える回転刃式ホモジナイザー、高速で回転する円筒形の内刃と固定された外刃との間で剪断力を生じる二重円筒式の高速ホモジナイザー、超音波による衝撃で微細化する超音波破砕器、高圧ホモジナイザーなどに通して、刃の形状、試料濃度、流量、処理回数、処理速度などの条件を調節して作製される。
本発明のセパレータにおける所定のコットンパルプの含有率は、90〜10質量%が好ましく、80〜20質量%がより好ましく、70〜30質量%がさらに好ましい。10質量%未満だと、セパレータの強度が不十分になる場合がある。90質量%より多いと、セパレータの細孔が少なくなり、電解液の浸透性が悪くなる場合がある。
本発明のセパレータにおける所定の溶剤紡糸セルロース繊維の含有率は、0〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%がさらに好ましい。70質量%超では、セパレータの強度が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータは、所定のコットンパルプ、合成短繊維、所定の溶剤紡糸セルロース繊維以外の繊維を含有しても良い。例えば、天然セルロース繊維、天然セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物、フィブリッド、合成樹脂からなるパルプ化物やフィブリル化物、無機繊維、変法濾水度90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.80〜1.20mmを満たさないコットンパルプ、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmを満たさない溶剤紡糸セルロース繊維、各種ガラス、アルミナ、シリカ、ジルコニア、炭化珪素、各種セラミックスからなる無機繊維が挙げられる。天然セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物は、カナダ標準濾水度0〜700ml又は、変法濾水度0〜400mlが好ましい。無機繊維としては、ガラス、アルミナ、シリカ、セラミックス、ロックウールが挙げられる。無機繊維を含有する場合は、セパレータの耐熱寸法安定性や突刺強度が向上するため好ましい。
本発明のセパレータは、円網抄紙機、長網抄紙機、短網抄紙機、傾斜型抄紙機、これらの中から同種又は異種の抄紙機を組み合わせてなる複合抄紙機などを用いて抄紙する方法によって製造することができる。原料スラリーには、繊維原料の他に必要に応じて分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤、剥離剤、紙力増強剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度にスラリーを調整する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙する。抄紙して得た電気化学素子用セパレータは必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。
本発明のセパレータの厚みは、10〜50μmが好ましく、10〜40μmがより好ましく、10〜35μmがさらに好ましい。10μm未満では、十分な機械的強度が得られなかったり、正極と負極との間の絶縁性が不十分で内部短絡不良率が高くなったりする。50μmより厚いと、電気化学素子の内部抵抗が高くなる。
本発明におけるセパレータの密度は、特に制限はないが、0.250〜0.700g/cmが好ましく、0.250〜0.650g/cmがより好ましく、0.300〜0.600/cmがさらに好ましい。0.250g/cm未満では、十分な強度が得られなかったり、正極と負極との間の絶縁性が不十分で内部短絡不良率が高くなったりする場合がある。0.700g/cmを超えると、電気化学素子の内部抵抗が高くなる場合がある。密度は、カレンダー処理により調節する。
本発明におけるセパレータのガーレー透気度(JIS P8117)は、0.4〜20.0s/100mlが好ましく、1.0〜15.0s/100mlがより好ましい。0.4s/100ml未満では、内部短絡不良率が高くなり、20.0s/100mlより大きいと内部抵抗が高くなる。
本発明における電気化学素子とは、リチウム二次電池、ポリアセン電池、空気亜鉛電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタ、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサなどを指す。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
≪実施例1〜12、比較例1〜12≫
[コットンパルプ及び溶剤紡糸セルロース繊維の物性値]
コットンパルプ及び溶剤紡糸セルロース繊維について、
(1)ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した変法濾水度:「変法濾水度」
(2)長さ加重平均繊維長:「平均繊維長」
を表1に示した。コットンパルプ及び溶剤紡糸セルロース繊維はビーターを用いて叩解して作製した。
≪比較例10、11≫
[マニラ麻パルプ及びエスパルトパルプの物性値]
マニラ麻パルプ及びエスパルトパルプについて、(2)「平均繊維長」と、
(3)JIS P8121に準拠して測定したカナダ標準型濾水度:「標準濾水度」
を表1に示した。
表1に、本発明の実施例及び比較例で使用した繊維を示した。表1の「ポリエステル短」とは、ポリエチレンテレフタレートからなる合成短繊維を意味する。「芯鞘複合型ポリエステル短」とは、芯部にポリエチレンテレフタレート、鞘部にポリエチレンテレフタレート成分とポリエチレンイソフタレート成分を有する共重合ポリエステルからなる合成短繊維を意味する。「アクリル短」とは、アクリロニトリル系共重合体からなる合成短繊維を意味する。「ナイロン短」とは、ナイロン6,6からなる合成短繊維を意味する。表2の原料の記号は、表1の繊維の記号に該当する。表2に示した配合率に従って、抄紙用スラリーを調製した。
(実施例1)
F1とF2をパルパーで水に分散させた後、C2を添加して所定時間攪拌し、スラリー1を調製した。スラリー1を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、実施例1のセパレータを作製した。
(実施例2、3)
スラリー1の調製と同様に、合成短繊維をパルパーで水に分散させた後、コットンパルプを添加して所定時間攪拌し、スラリー2、3を調製した。スラリー2、3を用いて実施例1と同様にして湿式抄紙及びカレンダー処理し、実施例2、3のセパレータを作製した。
(実施例4)
F2をパルパーで水に分散させた後、C3とC7を添加して所定時間攪拌し、スラリー4を調製した。スラリー4を円網・傾斜複合抄紙機を用いて実施例1と同様にして湿式抄紙及びカレンダー処理して実施例4のセパレータを作製した。
(実施例5〜12)
スラリー4の調製と同様に、合成短繊維をパルパーで水に分散させた後、コットンパルプと溶剤紡糸セルロース繊維を添加して所定時間攪拌し、スラリー5〜12を調製した。スラリー5〜12を用いて実施例1と同様にして湿式抄紙及びカレンダー処理して実施例5〜12のセパレータを作製した。
(比較例1)
F2をパルパーで水に分散させた後、C1を添加して所定時間攪拌し、スラリー13を調製した。スラリー13を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例1のセパレータを作製した。
(比較例2)
をパルパーで水に分散させてスラリー14を調製した。スラリー14を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例2のセパレータを作製した。
(比較例3)
C5を用いた以外は比較例2と同様にしてスラリー15を調製し、比較例2と同様にして湿式抄紙及びカレンダー処理して比較例3のセパレータを作製した。
(比較例4)
F2とC6を用いた以外は比較例1と同様にしてスラリー16を調製し、比較例1と同様にして湿式抄紙及びカレンダー処理して比較例4のセパレータを作製した。
(比較例5)
C2とC10をパルパーで水に分散させたスラリー17を調製した。スラリー17を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例5のセパレータを作製した。
(比較例6)
C10をパルパーで水に分散させたスラリー18を調製した。スラリー18を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例6のセパレータを作製した。
(比較例7)
F2をパルパーで水に分散させた後、C10を添加して所定時間攪拌し、スラリー19を調製した。スラリー19を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例7のセパレータを作製した。
(比較例8)
F2をパルパーで水に分散させた後、C1とC11を添加して所定時間攪拌し、スラリー20を調製した。スラリー20を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例8のセパレータを作製した。
(比較例9)
F2をパルパーで水に分散させた後、C6とC11を添加して所定時間攪拌し、スラリー21を調製した。スラリー21を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例9のセパレータを作製した。
(比較例10)
C10とC13をパルパーで水に分散させたスラリー22を調製した。スラリー22を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例10のセパレータを作製した。
(比較例11)
C10とC14をパルパーで水に分散させたスラリー23を調製した。スラリー23を円網・傾斜複合抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を150℃にして乾燥させた後、カレンダー処理して厚みを調整し、比較例11のセパレータを作製した。
(比較例12)
F3、F4、F5をパルパーで水に分散させたスラリー24を調製した。スラリー24を円網抄紙機に送液して湿式抄紙し、ヤンキードライヤー温度を130℃にして乾燥させた後、130℃で熱カレンダー処理して厚みを調整し、比較例12のセパレータを作製した。
[評価]
実施例1〜12、比較例1〜12で作製したセパレータについて、下記の評価を行い、結果を表3に示した。
<厚み>
JIS P8118に準拠して厚みを測定し、その平均値を算出した。
<密度>
JIS P8124に準拠してセパレータの坪量を測定し、坪量を厚みで除して100倍した値を密度とした。
<繊維取られ>
セパレータの抄紙時に抄紙用ワイヤーに繊維取られがほとんどないか、あってもわずかで問題なく抄紙できた場合を「○」、抄紙はできたが、抄紙用ワイヤーの少なくとも一部に断続的に繊維取られが発生した場合を「△」、抄紙用ワイヤーの全面又は大部分に連続的に繊維取られが発生して安定して抄紙することができなかった場合を「×」とした。「×」評価であったセパレータは、安定してサンプルを得ることができないが、少量でも得られた分を用いて、他の評価項目を評価した。
<ピンホール>
セパレータの裏側から光を当て、セパレータにピンホールがあるかどうかを目視で判定した。ピンホールがある場合を「あり」、ない場合を「なし」とした。
<均一性>
孔径測定装置(PMI製、商品名:パームポロメーター(CFP−1500−A))を用いてセパレータの孔径分布を求めた。孔が多く、孔径分布が鋭く、分布形状がきれいな場合を均一性が高いと判定し、「○」とした。孔径分布が広い場合や、山が複数ある場合をやや均一と判定し、「△」とした。孔が少なく、孔径分布の形状がいびつなものを不均一と判定し、「×」とした。
<浸透性>
セパレータに電解液を1滴滴下し、浸透性を評価した。滴下後すぐに浸透した場合を「○」、全く浸透しないわけではないが、浸透しにくかった場合を「△」、ほとんど浸透しなかった場合を「×」とした。電解液には、プロピレンカーボネートに1.5mol/lになるように(C(CH)NBFを溶解させたものを用いた。
<耐電圧>
耐電圧試験器(菊水電子工業製、商品名:TOS5301)を用いてセパレータの耐電圧を測定した。セパレータを23℃、6%RHの雰囲気に24時間静置し、直径70mmのSUS電極で挟み、500V/秒の昇圧速度でセパレータに電圧を印加していき、0.5mA以上の電流が流れたときの電圧を耐電圧とした。
<耐デンドライト性>
セパレータの片面に金属リチウム箔を、セパレータの反対側に正極を配置して積層し、電解液を注入してラミネートセルを作製した。0.5mA/cmで4.3Vまで定電流充電し、さらに4.3Vを24時間印加し、過充電した。この過充電中に異常電流が流れた場合を内部短絡したと見なし、過充電を中止し、ラミネートセルを開封してリチウムデンドライトの発生状態を確認した。過充電により発生したリチウムデンドライトがセパレータを貫通しなかった場合を「○」、貫通した場合を「×」とした。正極には、活物質のコバルト酸リチウム、導電助剤のアセチレンブラック、結着剤のポリフッ化ビニリデンを質量比率で90:5:5に混合したスラリーをアルミニウム集電体の両面に塗布したものを用いた。電解液は、LiPFを1mol/l溶解させた混合溶液を使用した。混合溶液は、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを容量比率で3:7としたものである。
実施例1〜12のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを必須成分として含有する湿式不織布からなり、コットンパルプの変法濾水度が90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.20mmであるため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、抄紙安定性に優れ、ピンホールがなく、電解液浸透性が良く、耐電圧と耐デンドライト性に優れていた。実施例4〜12のセパレータは、さらに、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmの溶剤紡糸セルロース繊維を含有するため、孔径分布が鋭く、均一性に優れていた。
一方、比較例1のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを含有する湿式不織布からなるため抄紙用ワイヤーへの繊維取られはなかったが、コットンパルプの変法濾水度が160ml超で、且つ、長さ加重平均繊維長が1.20mm超であったため、ピンホールがあり、耐電圧と耐デンドライト性が不十分だった。
比較例2及び3のセパレータは、コットンパルプのみからなり、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、ピンホールがなく、耐電圧と耐デンドライト性は良好だったが、皮膜を形成しており、合成短繊維を含有しないため、セパレータの空孔が不十分であり、電解液浸透性が悪かった。
比較例4のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを含有する湿式不織布からなるため、ピンホールがなく、耐デンドライト性は良好だったが、コットンパルプの変法濾水度が90ml未満で、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80mm未満だったため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られが断続的に発生し、抄紙安定性が劣っていた。
比較例5のセパレータは、コットンパルプと溶剤紡糸セルロース繊維で構成された湿式不織布からなるため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、抄紙安定性と均一性に優れ、ピンホールがなく、耐デンドライト性は良好だったが、合成短繊維を含有しないため、電解液浸透性が悪く、耐電圧が不十分だった。
比較例6のセパレータは、溶剤紡糸セルロース繊維のみで構成されているため、均一性に優れ、ピンホールがなく、電解液浸透性と耐デンドライト性は良好であったが、合成短繊維とコットンパルプを含有しないため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがひどく、抄紙安定性が悪く、耐電圧が不十分だった。
比較例7のセパレータは、合成短繊維と溶剤紡糸セルロース繊維で構成されているため、均一性に優れ、ピンホールがなく、電解液浸透性と耐デンドライト性は良好だったが、コットンパルプを含有しないため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られが部分的に発生し、耐電圧が不十分だった。
比較例8のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを含有する湿式不織布からなるため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがなく、電解液浸透性は良好だったが、コットンパルプの変法濾水度が160ml超で、且つ、長さ加重平均繊維長が1.20mm超だったため、ピンホールがあり、耐電圧と耐デンドライト性が不十分だった。
比較例9のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを含有する湿式不織布からなるため、ピンホールがなく、耐デンドライト性は良好だったが、コットンパルプの変法濾水度が90ml未満で、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80mm未満だったため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがひどく、抄紙安定性が悪く、耐電圧が不十分だった。
比較例10のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを含有せず、溶剤紡糸セルロース繊維とマニラ麻パルプで構成されているため、ピンホールがなく、耐デンドライト性は良好だったが、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがひどく、抄紙安定性が悪く、均一性が悪く、電解液浸透性と耐電圧が不十分だった。
比較例11のセパレータは、合成短繊維とコットンパルプを含有せず、溶剤紡糸セルロース繊維とエスパルトパルプで構成されているため、電解液浸透性は良好だったが、抄紙用ワイヤーへの繊維取られがひどく、抄紙安定性が悪く、ピンホールがあり、耐電圧と耐デンドライト性が不十分だった。
比較例12のセパレータは、合成短繊維のみで構成されているため、均一性に優れ、電解液浸透性が良好だったが、コットンパルプを含有しないため、抄紙用ワイヤーへの繊維取られが部分的に発生し、抄紙安定性が劣っており、ピンホールが多数あり、耐電圧と耐デンドライト性が不十分だった。
本発明の活用例としては、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子用セパレータ、該セパレータを用いてなる電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子が好適である。

Claims (3)

  1. 合成短繊維とコットンパルプを必須成分として含有する湿式不織布からなり、合成短繊維の繊維長が0.1〜10mmであり、コットンパルプの下記で定義される変法濾水度が90〜160mlで、且つ、長さ加重平均繊維長が0.80〜1.20mmであることを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
    変法濾水度:ふるい板として線径0.14mm、目開き0.18mmの80メッシュ金網を用い、試料濃度0.1%にした以外はJIS P8121に準拠して測定した濾水度。
  2. 湿式不織布が、さらに、変法濾水度70〜200mlで、且つ、長さ加重平均繊維長0.60〜1.20mmの溶剤紡糸セルロース繊維を含有する請求項1記載の電気化学素子用セパレータ。
  3. 請求項1又は2に記載の電気化学素子用セパレータを具備してなる電気化学素子。
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