JP5870528B2 - 液体収容容器、液体噴射システム、及び、液体供給システム - Google Patents
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[形態1]
対象物に液体を噴射するためのヘッドに前記液体を供給するための液体収容容器であって、
前記液体を収容するための液体収容室と、
一端である一端開口が前記液体収容室で開口し、前記液体収容室に前記液体を注入するための液体注入部と、
一端である空気導入口が前記液体収容室で開口し、他端である大気開放口が大気と連通する大気開放流路であって、前記液体が収容された前記液体収容室に空気を導入するための大気開放流路と、
前記液体収容室の前記液体を導出させるための液体導出部と、を備え、
前記大気開放流路は、前記大気開放口から前記液体収容室に前記空気を導入するときの前記空気の流れ方向において、前記空気導入口と前記大気開放口との間の位置に設けられた空気収容室であって、複数の壁によって前記液体収容容器の内側に形成された空気収容室を有し、
前記液体注入部から前記液体収容室に前記液体を注入する際の注入状態において、
前記液体を前記液体収容室に補充すべき第1の状態における前記液体によって形成される前記液体収容室の液面よりも、前記空気導入口は上側に位置し、
前記空気収容室は、前記空気導入口よりも上側に位置する、液体収容容器。
この形態によれば、注入状態において、第1の状態における液体によって形成される液面に対して空気導入口が下側に位置する場合よりも、液体注入の際に空気導入口を含む大気開放流路が液体で塞がれるタイミングを遅らせることができる。これにより、液体注入の際に液体が大気開放流路を塞ぐことで生じ得る不具合の発生を低減できる。
前記液体を収容するための液体収容室と、
一端である一端開口が前記液体収容室で開口し、前記液体収容室に前記液体を注入するための液体注入部と、
一端である空気導入口が前記液体収容室で開口し、他端である大気開放口が大気と連通する大気開放流路であって、前記液体が収容された前記液体収容室に空気を導入するための大気開放流路と、
前記液体収容室の前記液体を導出させるための液体導出部と、を備え、
前記液体注入部から前記液体収容室に前記液体を注入する際の注入状態において、
前記液体を前記液体収容室に補充すべき第1の状態における前記液体によって形成される前記液体収容室の液面よりも、前記空気導入口は上側に位置する、液体収容容器。
適用例1に記載の液体収容容器によれば、注入状態において、第1の状態における液体によって形成される液面に対して空気導入口が下側に位置する場合よりも、液体注入の際に空気導入口を含む大気開放流路が液体で塞がれるタイミングを遅らせることができる。これにより、液体注入の際に液体が大気開放流路を塞ぐことで生じ得る不具合の発生を低減できる。
前記ヘッドに前記液体を供給する際の使用状態において、前記第1の状態であることを識別するための第1の状態識別部を有する、液体収容容器。
適用例2に記載の液体収容容器によれば、第1の状態識別部によって、利用者は容易に液体収容容器が第1の状態であることを知ることができる。
前記注入状態において、
前記空気導入口は、前記注入状態における前記液体収容室の容積を二等分する水平面の高さ以上の高さに位置する、液体収容容器。
適用例3に記載の液体収容容器によれば、注入状態における液体収容室の容積を二等分する水平面(「二等分水平面」ともいう。)に対して空気導入口が下側に位置する場合よりも、液体注入の際に空気導入口を含む大気開放流路が液体で塞がれるタイミングをより遅らせることができる。これにより、液体注入の際に液体が大気開放流路を塞ぐことで生じ得る不具合の発生をより低減できる。
前記注入状態において、
前記空気導入口の少なくとも一部分は、前記液体収容室への前記液体の補充が完了した第2の状態における液体によって形成される前記液体収容室の液面よりも上側に位置する、液体収容容器。
適用例4に記載の液体収容容器によれば、注入状態において、液体収容室への液体の注入(補充)を開始してから適正な量の液体が液体収容室に収容されるまでの期間(「全注入期間」ともいう。)に亘って空気導入口を含む大気開放流路が液体で塞がれる可能性を低減できる。
前記注入状態において前記第2の状態であることを識別するための第2の状態識別部を有する、液体収容容器。
適用例5に記載の液体収容容器によれば、第2の状態識別部によって利用者は容易に液体収容容器が第2の状態であることを知ることができる。これにより、利用者によって液体収容室に過剰な量の液体が注入される可能性を低減できる。特に、適正な量の液体が収容された場合の液面よりも空気導入口が上側に位置する液体収容容器において、大気開放流路が液体で塞がれる可能性をより一層低減できる。
前記液体収容室は、液体収容室区画壁により区画形成され、
前記空気導入口は、前記液体収容室区画壁のうち、前記注入状態において前記液体収容室を挟んで上側に位置する上面壁に形成されている、液体収容容器。
適用例6に記載の液体収容容器によれば、全注入期間に亘って空気導入口を含む大気開放流路が液体で塞がれる可能性が低減できる空気導入口を容易に形成できる。
適用例1乃至適用例6のいずれか一つに記載の液体収容容器と、
対象物に前記液体を噴射するためのヘッドを有する液体噴射装置と、
前記液体収容容器と前記液体噴射装置とを接続し、前記液体収容室の前記液体を前記液体噴射装置に流通させる流通管と、を備える、液体噴射システム。
適用例7に記載の液体噴射システムによれば、液体注入の際に液体が大気開放流路を塞ぐことで生じ得る不具合の発生を低減した液体収容容器を備える液体噴射システムを提供できる。
適用例1乃至適用例6のいずれか一つに記載の液体収容容器と、
対象物に前記液体を噴射するためのヘッドに流通する前記液体が流れる液体流動路を有するサブタンクと、
前記液体収容容器と前記サブタンクとを接続し、前記液体収容容器の前記液体を前記サブタンクに流通させる流通管と、を備える、液体供給システム。
適用例8に記載の液体供給システムによれば、液体注入の際に液体が大気開放流路を塞ぐことで生じ得る不具合の発生を低減した液体収容容器を備える液体供給システムを提供できる。
A〜D.各種実施例及び比較例:
E.変形例:
A−1.液体噴射システムの構成:
図1は、第1実施例の液体噴射システム1を説明するための図である。図1(A)は液体噴射システム1の第1の外観斜視図である。図1(B)は、液体噴射システム1の第2の外観斜視図であり、本発明の第1実施例の液体収容容器30を示した図である。なお、図1には方向を特定するために互いに直交するXYZ軸が図示されている。なお、これ以降の図に関しても必要に応じて互いに直交するXYZ軸が図示されている。
インクタンク30の詳細構成を説明する前に、理解の容易のために、大気開放口317から液体導出部306に至る経路について図3を参照して概念的に説明する。図3は、大気開放口317から液体導出部306に至る経路を概念的に示す図である。
図5は、インクタンク30の第1の外観斜視図である。なお、図5では容器本体32にフィルム316,322が取り付けられる前の状態を示している。インクタンク30は、略柱体形状(詳細には略直角柱形状)である。インクタンク30は、容器本体32と、フィルム34,316,322とを備える。容器本体32は、ポリプロピレン等の合成樹脂により成形されている。また、容器本体32は半透明である。これにより利用者は外部から内部のインクの状態(インクの水位)を確認できる。
図9は、比較例としてのインクタンク30kを説明するための図である。図9は、図8(B)に相当する図であり、インクタンク30kを模式的に示している。第1実施例のインクタンク30との違いは、注入状態における空気導入口352kの高さである。その他の構成については第1実施例と同様の構成であるため、同様の構成については同一符号を付すと共に説明を省略する。なお、図9において、第2の状態表示線LM2まで液体収容室340にインクが収容された場合におけるインクにより形成されるインク液面を第2の液面LFmaxとして示している。
図10は、第2実施例のインクタンク30aを説明するための図である。図10は、図8(B)に相当する図であり、インクタンク30aを模式的に示している。第1実施例のインクタンク30との違いは、空気導入口352aの形成位置である。その他の構成については第1実施例と同様の構成であるため、同様の構成については第1実施例と同一の符号を付すと共に説明を省略する。
図11は、第3実施例のインクタンク30bを説明するための図である。図11は、図8(B)に相当する図であり、インクタンク30bを模式的に示している。第1実施例のインクタンク30との違いは、空気導入口352bの形成位置である。その他の構成については第1実施例と同様の構成であるため、同様の構成については第1実施例と同一の符号を付すと共に説明を省略する。
図12は、第4実施例のインクタンク30cを説明するための図である。図12は、図8(B)に相当する図であり、インクタンク30cを模式的に示している。第2実施例のインクタンク30a(図10)との違いは、液体出口349cの形成位置である。その他の構成については第2実施例と同様の構成であるため、同様の構成については第2実施例と同一の符号を付すと共に説明を省略する。
なお、本発明の上記実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施例では、第1の状態識別部LB1や第2の状態識別部LB2はインクタンク30に設けられていたが(図2)、これに限定されるものではなく、第1の状態時期や第2の状態時期を識別できる態様であれば良い。例えば、インクタンク30とは別体の定規を第1の状態識別部LB1や第2の状態識別部LB2として用いても良い。また、例えばセンサーを第1と第2の状態識別部LB1,LB2として用いて第1の状態や第2の状態を識別しても良い。
上記実施例では、液体収容容器としてプリンター12に用いられるインクタンク30,30a,30b,30cを例に説明を行ったが、これに限定されるものではなく、例えば液晶ディスプレー等の色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等の液体噴射装置に対し、液体収容容器であって、液体注入路と大気開放流路とを備える液体収容容器に本発明は適用できる。特に、マリオットの瓶の原理を用いて液体噴射装置に液体を供給する液体収容容器に好適に用いることができる。上記の各種の液体噴射装置に液体収容容器を使用する際には、各種の液体噴射装置が噴射する液体の種類に応じた液体(色材,導電ペースト,生体有機物等)を、液体収容容器内部に収容すれば良い。また、各種液体噴射装置と各種液体噴射装置に用いる液体収容容器を備える液体噴射システムとしても本発明は適用可能である。
10…ケース
12…インクジェットプリンター(プリンター)
13…用紙給紙部
14…用紙排出部
16…キャリッジ
16a…インク供給針
17…記録ヘッド
20…サブタンク
24…ホース
30,30a,30b,30c,30k…液体収容容器(インクタンク)
32…容器本体(液体収容室区画壁)
34…フィルム(液体収容室区画壁)
50…タンクユニット
51…ケース
54…上面ケース
56…第1の側面ケース
57…底面ケース
58…第2の側面ケース
202…液体受入部
204…インク貯留室
206…フィルター
208…インク流動路
300…大気開放流路
302…栓部材
304…液体注入路
304m…一端開口
304p…他端開口
304DR…開口方向
306…液体導出部
310…第1の流路
312…気液分離室
313…土手
314…連通流路
316…フィルム(シート部材)
317…大気開放口
318…大気導入口
320…連通流路
322…フィルム
330…空気収容室
340…液体収容室
348…他端
349,349a,349c…液体出口
350…液体室連通路
351…空気室側開口
352,352a,352b,352k…空気導入口
352b1…下端
370B2…注入状態上面壁
370C1…第1の壁
370C2…第2の壁
370C3…底面壁
980…液体補充用容器
980t…先端部
G…気泡
LFmin…第1の液面
LFmax…第2の液面
d1…定常時水頭差
LA…大気接触液面
BD…二等分水平面
LB1…第1の状態識別部
LB2…第2の状態識別部
LM1…第1の状態表示線
LM2…第2の状態表示線
Claims (9)
- 対象物に液体を噴射するためのヘッドに前記液体を供給するための液体収容容器であって、
前記液体を収容するための液体収容室と、
一端である一端開口が前記液体収容室で開口し、前記液体収容室に前記液体を注入するための液体注入部と、
一端である空気導入口が前記液体収容室で開口し、他端である大気開放口が大気と連通する大気開放流路であって、前記液体が収容された前記液体収容室に空気を導入するための大気開放流路と、
前記液体収容室の前記液体を導出させるための液体導出部と、を備え、
前記大気開放流路は、前記大気開放口から前記液体収容室に前記空気を導入するときの前記空気の流れ方向において、前記空気導入口と前記大気開放口との間の位置に設けられた空気収容室であって、複数の壁によって前記液体収容容器の内側に形成された空気収容室を有し、
前記液体注入部から前記液体収容室に前記液体を注入する際の注入状態において、
前記液体を前記液体収容室に補充すべき第1の状態における前記液体によって形成される前記液体収容室の液面よりも、前記空気導入口は上側に位置し、
前記空気収容室は、前記空気導入口よりも上側に位置する、液体収容容器。 - 請求項1記載の液体収容容器であって、さらに、
前記ヘッドに前記液体を供給する際の使用状態において、前記第1の状態であることを識別するための第1の状態識別部を有する、液体収容容器。 - 請求項1又は請求項2に記載の液体収容容器であって、
前記注入状態において、
前記空気導入口は、前記注入状態における前記液体収容室の容積を二等分する水平面の高さ以上の高さに位置する、液体収容容器。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
前記注入状態において、
前記空気導入口の少なくとも一部分は、前記液体収容室への前記液体の補充が完了した第2の状態における液体によって形成される前記液体収容室の液面よりも上側に位置する、液体収容容器。 - 請求項4に記載の液体収容容器であって、さらに、
前記注入状態において前記第2の状態であることを識別するための第2の状態識別部を有する、液体収容容器。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液体収容容器であって、
前記液体収容室は、液体収容室区画壁により区画形成され、
前記空気導入口は、前記液体収容室区画壁のうち、前記注入状態において前記液体収容室を挟んで上側に位置する上面壁に形成されている、液体収容容器。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の液体収容容器であって、さらに、
前記大気開放口から前記液体収容室に前記空気を導入するときの前記空気の流れ方向において、前記大気開放流路のうち前記空気収容室よりも上流側の部分に設けられた気液分離室であって、気体を透過し液体を透過しない性質を有するシート部材が配置された気液分離室を有する、液体収容容器。 - 液体噴射システムであって、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液体収容容器と、
対象物に前記液体を噴射するためのヘッドを有する液体噴射装置と、
前記液体収容容器と前記液体噴射装置とを接続し、前記液体収容室の前記液体を前記液体噴射装置に流通させる流通管と、を備える、液体噴射システム。 - 液体供給システムであって、
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の液体収容容器と、
対象物に前記液体を噴射するためのヘッドに流通する前記液体が流れる液体流動路を有するサブタンクと、
前記液体収容容器と前記サブタンクとを接続し、前記液体収容容器の前記液体を前記サブタンクに流通させる流通管と、を備える、液体供給システム。
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