JP5869959B2 - タイヤ - Google Patents

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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

Description

本発明は、特定物性の含水ケイ酸の分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、加工性も良好となるゴム組成物をタイヤ用部材に適用した際、転がり抵抗と耐摩耗性との両立を充分に図ることのできるタイヤに関する。
一般に、空気入りタイヤなどのタイヤは、複数の性能を同時に満たし得る高い性能を有することが要求される。なかでも、トレッドのようなタイヤ用部材には、タイヤの転がり抵抗と耐摩耗性を両立することが強く望まれるが、これらは二律背反の関係にあるため、従来より多くの試行錯誤が行われている。
タイヤのトレッドに適用するゴム組成物においては、補強用充填剤の一つとして含水ケイ酸(シリカ)が用いられているが、一般に補強用充填剤の配合量を増加させると、タイヤの耐摩耗性はある程度向上できるものの転がり抵抗は低下するおそれがあり、また場合によっては、未加硫ゴムの粘度が必要以上に上昇して加工性が悪化するおそれもある。
こうしたなか、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸を使用することによって、ゴム成分への含水ケイ酸粒子の分散性を向上させ、タイヤにおける転がり抵抗の向上を図る技術が開発されている。その一方で、例えば、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸の使用が貯蔵弾性率の低下を引き起こし得る点に着目し、良好な分散性を保持しつつ、貯蔵弾性率と低発熱性との改善を図るべく、凝集力等が制御された含水ケイ酸を使用する技術(例えば、特許文献1参照)も開示されている。
しかしながら、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸を使用した場合、タイヤの転がり抵抗の向上はある程度図れるものの、上述のように貯蔵弾性率が低下するおそれがあるばかりか、タイヤの耐摩耗性が低下するおそれもある。また、かかる含水ケイ酸の代わりに上述のような凝集力等が制御された含水ケイ酸を使用した場合であっても、タイヤの転がり抵抗と耐摩耗性との両立を図るという観点からすれば、依然として改善の余地がある。
一方、含水ケイ酸の粒子は、一般にその外表面に開口部を具えた多数の細孔を有しており、かかる細孔はゴム分子鎖の吸着に関与するが、細孔の形状も密接に関係して転がり抵抗や耐摩耗性の向上に寄与するものと推定されるため、こうした含水ケイ酸の細孔の形状に関する規定も望まれている。
他方、用いる含水ケイ酸は、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中への含水ケイ酸の分散を良くするためには混練時間を長くする必要があり、特に、一次粒子を大粒径化した含水ケイ酸を使用した場合、ゴム中への含水ケイ酸の分散を良くするためには混練時間を更に長くする必要がある。また、ゴム中への含水ケイ酸の分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、含水ケイ酸粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。そのため、従来から含水ケイ酸配合ゴム組成物における加工性等の改良が求められている。
従来において、含水ケイ酸配合ゴム組成物における加工性等を改良する技術として、例えば、1)ゴム組成物における補強用シリカ充填材の分散を向上させる加工助剤として、シリカに対して弱い化学的反応性を示す極性末端と弾性重合体に対して弱い化学的反応性を示す非極性末端を有するアミド化合物(脂肪酸アミド)を含水ケイ酸配合ゴムに添加する技術(例えば、特許文献2参照)、2)3級アミン化合物を含水ケイ酸配合ゴムに添加することで含水ケイ酸の分散性を向上させる技術(例えば、特許文献3照)が知られている。
しかしながら、これらの技術は、本発明とは構造が異なるアミド化合物(脂肪酸アミド)などを含水ケイ酸配合ゴムに添加することで加工性を向上させるとの記載があるが、未だその効果は十分でなく、更なる含水ケイ酸の分散性の向上が切望されている。
なお、特定のアルカノールアミド化合物からなるゴムの硫黄ブルーム防止剤、この硫黄ブルーム防止剤をゴム組成物に配合する技術(例えば、特許文献4参照)が知られているが、含水ケイ酸配合における加工性向上に関する記載もなく、本発明とは発明の課題、使用用途及び技術思想が相違するものである。
特開2007−138069号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特表2003−533574号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2010−59272号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭58−113235号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等について、これを解消しようとするものであり、粒子の外表面に開口部を具えた細孔の形状にも関与する特定の物性の含水ケイ酸を用いると共に、この含水ケイ酸のゴム組成物への分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、加工性も良好となるゴム組成物をタイヤ部材に適用した際、タイヤの転がり抵抗と耐摩耗性を充分に図ることのできるタイヤを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、粒子の外表面に開口部を具えた細孔の形状にも関与する特定の物性の含水ケイ酸と、この含水ケイ酸の分散性に優れる特定の化合物から選ばれる少なくとも一種を含有することにより、上記目的のタイヤが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明のタイヤは、次の(1)〜(6)に存する。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、インクボトル状細孔指数(IB)が、直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
IB=M2−M1 ………(X)
で求められる値であって、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び前記インクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(Y);
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ………(Y)
を満たす含水ケイ酸と、
下記式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とを配合してなるゴム組成物をタイヤ部材に用いたことを特徴とするタイヤ。
Figure 0005869959
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(2) 前記ゴム組成物における含水ケイ酸のセチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が、50〜250m/gであることを特徴とする上記(1)に記載のタイヤ。
(3) 前記ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対し、含水ケイ酸を5〜200質量部、上記式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を2.5〜15質量部配合してなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のタイヤ。
(4) 前記ゴム組成物における含水ケイ酸100質量部に対し、更にシランカップリング剤を1〜20質量部の量で配合してなることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れかに記載のタイヤ。
(5) 前記シランカップリング剤が、下記式(a−1)〜(a−4)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(4)に記載のタイヤ。
Figure 0005869959
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(6) 前記ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対し、さらにカーボンブラックを80質量部以下の量で配合してなり、かつ前記含水ケイ酸と前記カーボンブラックとの総配合量が120質量部以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れかに記載のタイヤ。
本発明によれば、ゴム組成物に粒子の外表面に開口部を具えた細孔の形状にも関与する特定の物性を有する含水ケイ酸が式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種によりゴム組成物へ良好に分散配合されているため、該ゴム組成物をタイヤ部材に適用した場合に、優れた転がり抵抗と耐摩耗性とを兼ね備えた高性能なタイヤが提供される。
含水ケイ酸の粒子における内心方向断面図(部分拡大図)である。 水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定による、含水ケイ酸の水銀の圧入排出曲線(概略図)である。縦軸は、水銀の圧入曲線Cでは微分水銀圧入量(−dV/d(log d))を示し、水銀の排出曲線Dでは微分水銀排出量(−dV/d(log d))を示す。なおVは、水銀の圧入曲線Cでは水銀圧入量(cc)、水銀の排出曲線Dでは水銀排出量(cc)を意味し、dは含水ケイ酸の細孔における開口部の直径(nm)を意味する。横軸はこのd(nm)を示す。
以下、本発明について、必要に応じて図面を参照しつつ具体的に説明する。
本発明のタイヤは、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、インクボトル状細孔指数(IB)が、直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
IB=M2−M1 ………(X)
で求められる値であって、
セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び前記インクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(Y);
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ………(Y)
を満たす含水ケイ酸と、
下記式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とを配合してなるゴム組成物をタイヤ部材に用いたことを特徴とするものである。
Figure 0005869959
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〔ゴム成分〕
本発明のタイヤに用いるゴム組成物のゴム成分としては、天然ゴム又はジエン系合成ゴムを単独で、或いは天然ゴムとジエン系合成ゴムを併用して用いることができる。かかるジエン系合成ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられる。なかでも、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が好ましい。なお、これらジエン系合成ゴムは、1種単独で用いてもよいし、2種以上のブレンドとして用いてもよい。
〔含水ケイ酸〕
本発明のタイヤに用いるゴム組成物は、上記ゴム成分に対し、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び水銀ポロシメータによって求められるインクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(Y);
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ………(Y)
を満たす含水ケイ酸を配合してなるものである。
ここで、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)とは、ASTM D3765−92に準拠して測定された値を意味する。ただし、ASTM D3765−92はカーボンブラックのCTABを測定する方法であるため、本明細書では、標準品であるIRB#3(83.0m/g)の代わりに、別途セチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、上記含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CE−TRABの吸着量から算出される比表面積(m/g)をCTABの値とする。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるためである。
また、インクボトル状細孔指数(IB)とは、直径1.2×10nm〜6nmの範囲
にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際における水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際における水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
IB=M2−M1 ………(X)
で求められる値を意味する。水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定は、従来より細孔の形態を評価するのに多く採用される電子顕微鏡を用いた測定よりも簡便であり、かつ定量性に優れるので有用な方法である。
一般に、含水ケイ酸の粒子は、その外表面に開口部を具えた凹状を呈した細孔を多数有している。図1に、含水ケイ酸の粒子における内心方向断面でのこれら細孔の形状を模した概略図を示す。
含水ケイ酸の粒子における内心方向断面でかかる凹状を呈した細孔は、様々な形状を呈しており、粒子の外表面における開口部の直径Maと粒子内部における細孔径(内径)Raとが略同一の形状、すなわち粒子の内心方向断面において略円筒状を呈する細孔Aもあれば、粒子内部における細孔径(内径)Rbよりも粒子の外表面における開口部の直径Mbの方が狭小である形状、すなわち、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔Bもある。しかしながら、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔Bであると、粒子の外表面から内部へとゴム分子鎖が侵入しにくいため、含水ケイ酸をゴム成分に配合した際にゴム分子鎖を充分に吸着させることができず、転がり抵抗性が低下するおそれがあるとともに補強性が不充分となって耐摩耗性の向上を図るのが困難となるおそれがある。したがって、かかるインクボトル状を呈する細孔B数を低減し、粒子の内心方向断面において略円筒状を呈する細孔A数を増大させれば、ゴム分子鎖の侵入を効率的に促進することができ、転がり抵抗性を低下させることなく、充分な補強性を発揮して耐摩耗性の向上に寄与することが可能となる。
上記観点から、本発明では、ゴム成分に配合する含水ケイ酸に関し、粒子の内心方向断面においてインクボトル状を呈する細孔B数を低減すべく、上記インクボトル状細孔指数(IB)を規定する。上述のように、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において圧力を上昇させた際、略円筒状を呈する細孔Aは外表面の開口部が開放的であるために細孔内部に水銀が圧入されやすいが、インクボトル状を呈する細孔Bは外表面の開口部が閉鎖的であるために細孔内部に水銀が圧入されにくい。一方、圧力を下降させた際には、同様の理由により、略円筒状を呈する細孔Aは細孔内部から細孔外部へ水銀が排出されやすいが、インクボトル状を呈する細孔Bは細孔内部から細孔外部へ水銀がほとんど排出されない。
したがって、図2に示すように、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定では、水銀の圧入排出曲線C−Dにヒステリシスが生じる。すなわち、比較的低圧力下では略円筒状を呈する細孔A内に徐々に水銀が圧入されるが、ある圧力に達した時点で、それまで水銀が侵入しにくかったインクボトル状を呈する細孔Bを含む、略円筒状を呈する細孔以外の細孔内にも一気に水銀が圧入され、急激に圧入量が増大して、縦軸を微分水銀圧入量(−dV/d(log d))、横軸を含水ケイ酸の細孔における開口部の直径M(n
m)とした場合に圧入曲線Cを描くこととなる。一方、圧力を充分に上昇させた後に圧力を下降させていくと、比較的高圧力下では水銀が排出されにくい状態が継続するものの、ある圧力に達した時点で、細孔内に圧入されていた水銀が細孔外に一気に排出され、急激に排出量が増大して、縦軸を微分水銀排出量(−dV/d(log d))、横軸を含水ケイ酸の細孔における開口部の直径M(nm)とした場合に排出曲線Dを描くこととなる。一旦細孔内に圧入された水銀は、圧力の下降時には細孔外に排出されにくい傾向にあるため、圧力の下降時では上昇時における圧入量の増大を示す直径(M1)の位置よりも大きい値を示す直径(M2)の位置で排出量の増大が見られ、これらの直径の差(M2−M1)が図2のIBに相当する。特にインクボトル状を呈する細孔Bにおいては、圧入された水銀が排出されにくい傾向が顕著であり、圧力上昇時には細孔B内に水銀が圧入されるものの、圧力下降時には細孔B外に水銀がほとんど排出されない。
こうした測定方法を採用し、細孔の性質に起因して描かれる水銀圧入排出曲線C−Dを活用して、上記式(X)に従い、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)と、圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際における水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)との差IBを求めれば、係る値が見かけ上はこれらの直径の差(長さ:nm)を示すものの、実質的には含水ケイ酸に存在するインクボトル状を呈する細孔Bの存在割合を示す細孔指数を意味することとなる。すなわち、充分に狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔Bの占める存在割合が小さいほど、水銀圧入量と水銀排出量とがほぼ同量に近づき、水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)と水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)との差が短縮してIB値が小さくなる。一方、インクボトル状を呈する細孔Bの占める存在割合が大きいほど、水銀圧入量よりも水銀排出量が減少し、水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)と水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)との差が拡大してIB値が大きくなる。
こうしたIBは、上記CTABの値によっても変動し得る性質を有しており、CTABが増大するにつれ、IB値が低下する傾向にある。したがって、本願で用いる含水ケイ酸は、下記式(Y);
IB≦−0.36×CTAB+86.8 ………(Y)
を満たす。IB及びCTABが上記式(Y)を満たす含水ケイ酸であると、狭小な開口部を有するインクボトル状を呈する細孔B数が有効に低減され、略円筒状を呈する細孔Aが占める存在割合が増大するため、ゴム分子鎖を充分に侵入させて吸着させることができ、充分な補強性を発揮して、タイヤにおける転がり抵抗を低下させることなく耐摩耗性の向上を図ることが可能となる。
上記含水ケイ酸は、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が好ましくは、50〜250m/g、より好ましくは、90〜220m/gであるのが望ましい。CTABが50m/g未満であると、得られるタイヤの耐摩耗性が著しく低下するおそれがある。一方、250m/gを超えると、含水ケイ酸がゴム成分中で良好に分散できず、ゴムの加工性が著しく低下するおそれがあり、ひいては耐摩耗性等の物性が低下する傾向にある。
上記含水ケイ酸の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して、好ましくは、10〜150質量部、より好ましくは、30〜100質量部の量であるのが望ましい。この含水ケイ酸の配合量が10質量部未満であると、ゴム組成物の低発熱性が損なわれるおそれがあり、150質量部を超えると、ゴムの加工性が低下するとともに得られるタイヤの耐摩耗性をも低下するおそれがある。
〔シランカップリング剤〕
本発明のタイヤに用いるゴム組成物は、上記含水ケイ酸100質量部に対し、さらにシランカップリング剤を1〜20質量部、好ましくは、3〜16質量部、より好ましくは、5〜12質量部の量で配合されてなるのが望ましい。このシランカップリング剤を含水ケイ酸100質量部に対して1質量部以上の量で配合することで、含水ケイ酸配合の効果をさらに向上させ、ゴム組成物の低発熱性及び貯蔵弾性率等の物性をさらに向上させることができる一方、20質量部を超えた量で配合しても、低発熱性及び貯蔵弾性率等をさらに向上させることができず、コスト高となるおそれがある。
上記シランカップリング剤としては、下記式(a−1)〜式(a−4)で表される各化合物からなる群より選ばれるものが好ましく、これらシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
Figure 0005869959
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上記式(a−1)で表される化合物としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド,ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド等が挙げられる。
また、上記式(a−2)で表される化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの市販品としては、例えば、エボニック・デグッサ社製の商品名「VP Si363」が挙げられる。
さらに、上記式(a−3)で表される化合物としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィド等が挙げられる。
また、上記式(a−4)で表される化合物については、式(a−4)中、R5、R6及びR7において、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。また、アルケニル基も、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタニル基等が挙げられる。さらに、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等が、シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニル基、エチルシクロヘキセニル基等が、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられる。またさらに、R5において、アラルキル基としては、フェネチル基等が挙げられる。
上記式(a−4)中、R4及びR8において、アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられる。また、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基等が挙げられる。またさらに、R4において、アルケニレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基等が挙げられる。また、シクロアルキルアルキレン基としては、シクロヘキシルメチレン基等が、アリーレン基としては、フェニレン基等が、アラルキレン基としては、キシリレン基等が挙げられる。
また、上記式(a−4)中、R6において、−[O(R8O)m]0.5−基としては、1,2−エタンジオキシ基、1,3−プロパンジオキシ基、1,4−ブタンジオキシ基、1,5−ペンタンジオキシ基、1,6−ヘキサンジオキシ基等が挙げられる。
上記式(a−4)で表される化合物は、特表2001−505225号に記載の方法と同様に合成することができ、また、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の商品名「NXT」(式(a−4)のR1=C25O、R4=C36、R5=C715、x=3、y=0、z=0:3−オクタノイルチオ−プロピルトリエトキシシラン)等の市販品を利用することもできる。
なかでも、上記式(a−1)、(a−2)、(a−3)又は(a−4)で表される化合物のうち、上記式(a−4)で表される化合物、又は上記式(a−1)で表される化合物が好ましい。
また、前記シランカップリング剤として、分子内に、窒素原子(N)及びケイ素原子(Si)を含む環状構造と、一つ以上の硫黄原子(S)とを有し、且つ立体障害の小さな基が一つ以上ケイ素原子(Si)に結合している部位を有する有機ケイ素化合物を用いることができる。この有機ケイ素化合物は、窒素原子(N)とケイ素原子(Si)とを含む環状構造を有し、該環状構造は、ケイ素−酸素結合(Si−O)を含む場合であっても、安定である。そのため、ケイ素−酸素結合(Si−O)が加水分解してアルコール成分が発生することがなく、使用中の揮発性有機化合物(VOC)ガスを低減できる。
前記有機ケイ素化合物は、シリカ等の無機充填剤の表面との親和性が高いアミノ基、イミノ基、置換アミノ基、置換イミノ基等の含窒素官能基を含むため、窒素原子の非共有電子対が、有機ケイ棄化合物と無機充填剤の反応に関与でき、カップリング反応の速度が速い。しかし、窒素原子(N)とケイ素原子(Si)とを含む環状構造が二環性の構造の場合、ケイ素原子(Si)周辺の立体障害が大きいため、無機充填剤との反応性が低く、カップリング効率が大幡に低下してしまう。本発明で使用する有機ケイ素化合物は、立体障害の小さな基が一つ以上ケイ素原子に結合している部位を有するため、シリカ等の無機充填剤との反応性が高い。そのため、従来のシランカップリング剤に代えて、この有機ケイ素化合物を無機充填剤配合ゴム組成物に添加することで、カップリング効率が向上し、その結果として、ゴム組成物のヒステリシスロスを大幅に低下させつつ、耐摩耗性を大幅に向上させることが可能となる。また、本発明の有機ケイ素化合物は、添加効率が高いため、少量でも高い効果が得られ、配合コストの低減にも寄与する。
前記立体障害の小さな基としては、水素原子(−H)、メチル基(−CH)及びヒドロキシル基(−OH)等が好ましい。水素原子、メチル基又はヒドロキシル基がケイ素原子(Si)に結合している場合、有機ケイ素化合物と無機充填剤との反応性が特に高く、カップリング効率を大幅に向上させることができる。また、前記有機ケイ素化合物は、ケイ素−酸素結合(Si−O)を1〜6個有することが好ましい。有機ケイ素化合物がケイ素−酸素結合(Si−O)を1〜6個有する場合、シリカ等の無機充填剤との反応性が高く、カップリング効率が更に向上するためである。
本発明で使用する有機ケイ素化合物として、具体的には、下記一般式(a−5)で表わされる化合物が好ましい。該有機ケイ素化合物は、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0005869959
[式中、Aは硫黄原子(S)を含み且つゴム成分と反応する基であり、R及びRはそれぞれ独立して−M−C2l−(ここで、Mは−O−又は−CH−で、lは0〜10である)で表わされ、但し、R及びRの一つ以上はMが−O−であり、Rは水素原子、メチル基又はヒドロキシル基、Rは−CnH2n+1であり、nは0〜20である。]
一般式(a−5)において、Aは、硫黄原子(S)を含み且つゴム成分と反応する基である。式(a−5)で表わされる有機ケイ素化合物は、環状構通部分がシリカ等の無機充填剤と反応するため、分子内に更にゴム成分と反応する基を有することで、ゴム成分と無機充填剤とのカップリング能力を有することとなる。ここで、硫黄原子(S)を含み且つゴム成分と反応する基は、ポリサルファイド基、チオエステル基、チオール基、ジチオカーボネート基、ジチオアセタール基、ヘミチオアセタール基、ビニルチオ基、α−チオカルボニル基、β−チオカルボニル基、S−CO−CH−O部分、S−CO−CO部分(チオジケトン基)、及びS−CH−Si部分からなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、ポリサルファイド基及びチオエステル基の少なくとも一方を含むことが特に好ましい。
一般式(a−5)において、R及びRはそれぞれ独立して−M−C2l−で表され、ここで、Mは−O−又は−CHであり、lは0〜10である。但し、R及びRの一つ以上は、Mが−O−である。−C2l−は、lが0〜10であるため、単結合又は炭素数1〜10のアルキレン基であり、ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基杜、直鎖状でも分岐状でもよい。
一般式(a−5)において、Rは、水素原子、メチル基又はヒドロキシル基である。該Rは、立体障害が小さいため、ゴム成分と無機充填剤とのカップリング反応の向上に大きく寄与する。
一般式(a−5)において、Rは−C2n+1で、nは0〜20である。
−C2n+1は、nが0〜20であるため、水素又は炭素数1〜20のアルキル基である。ここで、炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル墓、ドデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられ、該アルキル基は、直鎖状でも、分岐状でもよい。
上記一般式(a−5)中のAは、下記一般式(a−6)、(a−7)又は(a−8)で表わされることが好ましい。
Figure 0005869959
[式(a−6)中のR、R、R及びRは上記と同義であり、式(a−6)及び式(a−7)中のR6は下記一般式(a−9)又は(a−10)、
Figure 0005869959
(式中、M及びlは上記と同義、mは0〜10であり、X及びYはそれぞれ独立して−O、−NR−又は−CH2−で、R12は−OR、−NR又は−Rで、R13は−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、但し、Rは上記と同義、RはC2q+1で、qは1〜10である)或いは−M−C2l−(M及びlは上記と同義である)で表わされ、
式(a−7)中のRは下記一般式(a−11)又は(a−12)、
Figure 0005869959
(式中、M、X、Y、R13、l及びmは上記と同義、R14は−NR、−NRNR、−N=NRである)或いは−C2l−R15(R15は−NR、−NR−NR、−N=NR又は−M−C2m+1或いは炭素6〜20の芳香族炭化水素基であり、但し、R、R、M、l及びmは上記と同義である)で表わされ、式(a−6)及び(a−7)中のxは1〜10であり、式(a−8)中のR、R及びR10はそれぞれ独立して−M−C2p−(ここで、Mは−O−又は−CHであり、pは0〜20である)、R11はH,OH又はメチル基である]で表わされることが好ましい。式(a−6)及び式(a−7)中のxは1〜10であるが、好ましくは2〜4である。
上記式(a−9)及び(a−10)において、Mは−O−又は−CH−であり、l及びmは0〜10である。また、上記式(a−2)おいて、X及びYはそれぞれ独立して−O−、−NR−又は−CH−であり、R12は−OR、−NR又は−Rであり、ここで、Rは−C2n+1で、RはC2q+1である。更に、上記式(a−10)において、R13は、−NR−、−NR−NR−又は−N=N−であり、ここで、Rは−C2n+1である。
−C2n+1については、上述の通りであり、−C2m−は、mが0〜10であるため、単結合又は炭素教1〜10のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられ、該アルキレン基臆、直鏡状でも分岐状でもよい。
また、−Cq2q+1は、qが0〜10であるため、水素又は炭素数1〜10のアルキル基である。ここで、炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は直鎖状でも、分岐状でもよい。
上記式(a−7)中のRは、上記一般式(a−11)又は式(a−12)、或いは−C2l−R16で表わされ、特には−C2l+1で表わされることが好ましい。但し、M、X、Y、R12、R14、l及びmは上記と同義である。ここで、R15は−NR、−NR、−N=NR又は−M−C2m+1或いは炭素6〜20の芳香族炭化水素基であり、R、R、M、l及びmは上記と同義である。
なお、−C2l−については、上述の通りであり、また、−C2m+1mが0〜10であるため水素又は炭素数1〜10のアルキル基であり、炭素数1〜10のアルキル基としてメチル基、エチル基、プロビル基、プチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、デシル基等が挙げられ、該アルキル基は直鎖状でも、分岐状でもよい。また、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチレン基、トリレン基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基が挙げられる。
また、式(a−8)中の−C2p+1−は、pが0〜20であるため、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜20のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、デカメチレン寒、エイコサメチレン基等が挙げられ、該アルキレン基は直鎖状でも分岐状でもよい。
上記式(a−5)の化合物において、Mは−O−(酸素)であることが好ましい。この場合、Mが−CH−である化合物と比べてシリカ等の無機充項剤との反応性が高い。
また、式(a−5)において、R及びRはそれぞれ独立して−O−C2l−で表わされることが好ましく、Rは水素原子、メチル基又はヒドロキシル基であり、上記Rは−O−C2l−で表わされることが好ましく、上記Rは、−O−C2l−で表わされる直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であることが好ましい。
前記有機ケイ素化合物、例えば、(C2l+1O)2Si−A[式中、l、R及びAは上記と同義である]で表わされる化合物に対し、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のアミン化合物を加え、さらに触媒としてp−トルエンスルホン酸、塩酸等の酸や、チタンテトラn−ブトキシド等のチタンアルコシドを添加し、加熱して、2つのC2l+1O−を−R−NR−R−で表わされる二価の基で置換することで合成できる。
前記有機ケイ素化合物は、窒素原子(N)とケイ素原子(Si)とを含む環状構造を有し、該環状構造は、ケイ素−酸素結合(Si−O)を含む場合であっても、安定である。そのため、ケイ素−酸素結合(Si−O)が加水分解してアルコール成分が発生することがなく、使用中の揮発性有機化合物(VOC)ガスを低減できる点で有効である。
〔他の補強用充填剤〕
本発明のタイヤに用いるゴム組成物には、さらに補強用充填剤としてカーボンブラックを配合してもよく、該カーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して80質量部以下、好ましくは60質量部以下の量であるのが望ましい。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
このカーボンブラックの配合量が上記ゴム成分100質量部に対して80質量部を超えると、ゴム組成物の低発熱性が悪化するおそれがある。また、この場合、該カーボンブラックと上記含水ケイ酸との総配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して120質量部以下、好ましくは100質量部以下の量であるのが望ましい。カーボンブラックと含水ケイ酸との総配合量を上記ゴム成分100質量部に対して120質量部以下とすることで、ゴム組成物をタイヤ部材に適用した際に低発熱性を実現して転がり抵抗性を充分に向上させることができる。
〈式(I)〜(V)で表される化合物〉
本発明に用いる下記式(I)〜(V)で表される各化合物は、上記特性の含水ケイ酸配合ゴムの未加硫粘度を低減し、加工性を更に改良して本発明の効果を発揮させるために配合するものである。この式(I)〜(V)で表される各化合物群から選ばれる少なくとも一種が配合されると、上記特性の含水ケイ酸の表面を疎水化することにより、含水ケイ酸同士の凝集を抑制し、加工性が良好となるものと推察される。なお、脂肪酸アミド、3級アミンなどよりもシリカ表面疎水化効果が高くこれらの化合物よりも加工性が良好となるものである。
〔式(I)で表される化合物:ジアルカノールアミド〕
下記式(I)で表される化合物は、一般に、ジアルカノールアミドとして総称されるものである。
Figure 0005869959
上記式(I)において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ドコシル基、テトラコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基、テトラコシリレン基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、炭素数6〜18、さらに好ましくは炭素数11〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基である。モノアルカノールアミドの原料となる脂肪酸としては、好ましくは、オクタン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられる。
また、式(I)において、RとRはそれぞれ独立して、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数2〜3がより好ましい。
上記式(I)中のRとRは、下記式(I−1)および(I−2)で表されるものが好ましく、RとRはそれぞれ独立した炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、n、mは合計数が2〜8となるそれぞれ独立した数であることが好ましい。
−(RO)n−H ………(I−1)
−(RO)m−H ………(I−2)
中でも、RとRが、共に、エチレン基やプロピレン基が好ましく、n+mは2〜5となるものが好ましく、さらに2となるものが好ましい。なお、n、mは独立して1〜7が好ましく、1〜4がさらに好ましく、1がより好ましい。n個のR、及びm個のRは、同一でも異なっていてもよい。
具体的に用いることができる上記式(I)で表されるジアルカノールアミドとしては、例えば、オクタン酸ジエタノールアミド、オクタン酸ジイソプロパノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、POE(5)ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、POE(5)オレイン酸ジエタノールアミドの少なくとも1種を挙げることができ、中でも、ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミドの使用が望ましい。なお、上記式(I)で表されるジアルカノールアミドの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
〔式(II)で表される化合物:モノアルカノールアミド〕
下記式(II)で表される化合物は、一般に、モノアルカノールアミドとして総称されるものである。
Figure 0005869959
上記式(II)中において、R及びRは、上記式(I)と同じである。
上記式(II)において、未加硫粘度の低減、及びtanδの観点から、Rは、好ましくは、炭素数1〜13のアルキル基又はアルケニル基であるものが望ましく、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基などのアルケニル基が挙げられ、本発明の効果を更に発現するためには、好ましくは、炭素数6〜13、さらに好ましくは炭素数11〜13、よりさらに好ましくは炭素数11のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、好ましくはヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル基であり、より好ましくは、ウンデシル基、トリデシル基、より更に好ましくはウンデシル基である。モノアルカノールアミドの原料となる脂肪酸としては、好ましくは、オクタン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
本発明において、上記式(II)におけるRを上述の如く、好ましくは、炭素数1〜13のアルキル基又はアルケニル基、更に好ましくは、炭素数6〜13、特に好ましくは炭素数11〜13のアルキル基又はアルケニル基に限定したのは、炭素数13以下のものでは、本発明の効果の発現を更に向上する傾向にあるためである。
また、式(II)において、Rはヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数2〜3がより好ましい。
更に、上記式(II)中のRは、下記式(II−1)で表されるものが好ましく、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることが好ましい。
−(RO)n−H ………(II−1)
中でも、Rが、エチレン基やプロピレン基が好ましく、nは1〜3となるものが好ましく、1がより好ましく、Rが、エチレン基であり、且つnが1がより更に好ましい。なお、n個のRは同一でも異なっていてもよい。
具体的に用いることができる上記記式(II)で表されるモノアルカノールアミドとしては、ステアリン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノイソプロパンプロパノールアミド、POE(2)オクタン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヘキサン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノエタノールアミド、テトラデカン酸モノエタノールアミド、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの少なくとも1種を挙げることができ、中でもラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヘキサン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノエタノールアミド、デカン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、テトラデカン酸モノエタノールアミド、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの使用が望ましい。なお、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
〔式(III)で表される化合物:アルカノールアミン〕
下記式(III)で表される化合物は、一般に、アルカノールアミンとして総称されるものである。
Figure 0005869959
上記式(III)において、Rは、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ドコシル基、テトラコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基、テトラコシリデン(テトラコセニル)基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、炭素数6〜18、さらに好ましくは炭素数11〜18、より更に好ましくは炭素数14〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基である。
また、式(III)において、m、nは、平均付加モル数を意味し、mとnはm+n=1〜20となる数値であり、好ましくは1.5以上、更に好ましくは2以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、より更に好ましくは3.5以下であり、1.5〜10が好ましく、1.5〜5が更に好ましく、1.5〜3.5がより更に好ましく、2〜3.5が更により好ましい。なお、m、nは、同一でも異なっていてもよいが、それぞれ独立して、0を超える正の数が好ましく、0.5〜5がより好ましく、0.5〜2.5が更に好ましい。
具体的に用いることができる上記式(III)で表されるアルカノールアミンとしては、例えば、POE(2)オクチルアミン、POE(4)デシルアミン、POE(2)ドデシルアミン、POE(5)ドデシルアミン、POE(15)ドデシルアミン、POE(2)テトラデシルアミン、POE(2)ヘキサデシルアミン、POE(2)オクタデシルアミン、POE(20)オクタデシルアミン、POE(2)オクタデセニルアミン、POP(2)オクチルアミン、POP(4)デシルアミン、POP(2)ドデシルアミン、POP(5)ドデシルアミン、POP(15)ドデシルアミン、POP(2)テトラデシルアミン、POP(2)ヘキサデシルアミン、POP(2)オクタデシルアミン、POP(20)オクタデシルアミン、POP(2)オクタデセニルアミン、〔ここで、POE(n)はポリオキシエチレンが平均nモル付加していることを、また、POP(n)はポリオキシプロピレンが平均nモル付加していることを示す。〕の少なくとも1種を挙げることができ、中でも、POE(2)ドデシルアミン、POE(5)ドデシルアミン、POE(2)テトラデシルアミン、POE(2)ヘキサデシルアミン、POE(2)オクタデシルアミンの使用が望ましい。
なお、上記式(III)で表されるアルカノールアミンの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
〔式(IV)で表される化合物;アミドアミン類〕
下記式(IV)で表される化合物は、一般に、アミドアミン類として総称されるものである。
Figure 0005869959
上記式(IV)中において、R〜Rのうち少なくとも1つが、上記式(IV−1)で表される基を表し、残余のR〜Rが、上記式(IV−2)で表される基を表すものであり、好ましくは、Rが、上記式(IV−1)で表される基を表し、R、Rが、上記式(IV−2)で表される基を表すものが望ましい。
また、上記式(IV)において、R10は、炭素数1〜24のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、ドコシル基、テトラコシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基、オレイル基、テトラコシリデン(テトラコセニル)基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、炭素数6〜18、さらに好ましくは炭素数11〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘプタデセニル基である。
上記式(IV−1)のAとしては、炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、中でも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
更に、上記式(IV−2)において、R11は、炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、エチレン基やプロピレン基が好ましく、また、nは平均付加モル数を意味し、0〜5の数となるものであり、nは0〜3の数となるものが好ましく、0がより好ましい。なお、n個のRは同一でも異なってもよい。
また、mは1〜3の整数であり、1〜2が好ましく、1が更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。
具体的に用いることができる上記式(IV)で表される化合物としては、例えば、N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ラウロイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミン、N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジエチルアミン、N−パルミトイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−パルミトイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミン、N−ステアロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ステアロイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミン、ジ(N−ラウロイルアミノエチル)−N−メチルアミン、トリ(N−ラウロイルアミノエチル)アミンの少なくとも1種を挙げることができ、中でも、N−ラウロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−ラウロイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミン、N−パルミトイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、N−パルミトイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミン、N−ステアロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン、及びN−ステアロイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミンから選ばれる1種以上の使用が望ましい。
なお、上記式(IV)で表される化合物であるアミドアミン類の合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
〔式(V)で表される化合物:イミダゾリン誘導体〕
下記式(V)で表される化合物は、一般に、イミダゾリン誘導体として総称されるものである。
Figure 0005869959
上記式(V)において、R12は、炭素数15以下のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基などのアルケニル基が挙げられ、好ましくは、炭素数1〜15、さらに好ましくは炭素数6〜15のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、トリデシル基、ペンタデシル基である。
なお、R12が炭素数16以上のアルキル基又はアルケニル基では、立体障害によりシリカへの作用が悪化するためにシリカ分散効果が小さくなる。
また、式(V)において、R13は、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数2〜3がより好ましい。
好ましくは、R13は、下記式(V−1)で表されるものが好ましく、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることが好ましい。
−(RO)n−H ………(V−1)
中でも、Rが、エチレン基やプロピレン基が好ましく、nは1〜5となるものが好ましく、さらに1となるものが好ましい。具体的には、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基である。なお、n個のRは、同一でも異なっていてもよい。
具体的に用いることができる上記式(V)で表されるイミダゾリン誘導体としては、例えば、1−ヒドロキシエチル−2−メチルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−プロピルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−ヘプチルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−ノニルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−ウンデシルイミダゾリン、1−ヒドロキシプロピル−2−メチルイミダゾリン、1−ヒドロキシプロピル−2−プロピルイミダゾリン、1−ヒドロキシプロピル−2−ヘプチルイミダゾリン、1−ヒドロキシプロピル−2−ノニルイミダゾリン、1−ヒドロキシプロピル−2−ウンデシルイミダゾリン、1−ヒドロキシブチル−2−ウンデシルイミダゾリンの少なくとも1種を挙げることができ、中でも、1−ヒドロキシエチル−2−ノニルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−ウンデシルイミダゾリン、1−ヒドロキシプロピル−2−ウンデシルイミダゾリンの使用が望ましい。なお、上記式(V)で表されるイミダゾリン誘導体の合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
これらの上記式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の合計含有量は、好ましくは、ゴム成分100質量部に対して、2.5〜15質量部、更に好ましくは、本発明の更なる効果を発揮せしめる観点から、3〜15質量部が好ましく、3〜10質量部がより好ましい。また、こられの含有量は、白色充填剤100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、2〜12質量部がより更に好ましい。
このジアルカノールアミドの含有量が、ゴム成分100質量部に対して、2.5質量部以上では、未加硫粘度低減効果が高く、一方、15質量部以下では、加工性が良好となり、加硫速度への影響が小さく好ましい。
本発明のタイヤに用いるゴム組成物には、通常のゴム組成物に配合する添加剤を本発明の効果を損なわない程度に配合することができ、例えば、ゴム工業で通常使用されている老化防止剤、加硫促進剤、硫黄、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤等の添加剤を適宜配合することができる。なお、本発明のタイヤに用いるゴム組成物は、ロール等の開放式混練機や、バンバリーミキサー等の密閉式混練機等を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後に加硫を行い、各種ゴム製品に適用可能である。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物をタイヤ用部材のいずれかに適用したことを特徴とする。かかるタイヤ用部材のなかでもトレッドが特に好ましく、上記ゴム組成物をトレッドに用いたタイヤは、該ゴム組成物が転がり抵抗が低く、また耐摩耗性にも優れる。なお、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスが挙げられる。
このように構成される上記ゴム組成物が、何故、タイヤ部材に適用したタイヤとした場合に優れた性能が付与されるかは以下のように推察される。すねわち、タイヤ部材は、粒子の外表面に開口部を具えた細孔の形状にも関与する特定の物性を有する含水ケイ酸が式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種により良好に分散配合されたゴム組成物であるため、該ゴム組成物をタイヤ部材に適用すると、優れた転がり抵抗と耐摩耗性とを兼ね備えた高性能なタイヤが提供されるものとなる。
次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
〔含水ケイ酸の製造〕
(製造例1:含水ケイ酸Aの製造)
撹拌機を備えた180リットルのジャケット付きステンレス反応槽に、水65リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.25リットルを入れ、96℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量750ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量33ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、30分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は85g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行って湿潤ケーキを得た。次いで湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥し、湿式法含水ケイ酸Aを得た。
(製造例2:含水ケイ酸Bの製造)
上記製造例1と同じステンレス反応槽に、水89リットルとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/リットル、SiO2/Na2Oモル比3.3)1.70リットルを入れ、75℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.015mol/リットルであった。
この溶液の温度を75℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量520ミリリットル/分で、硫酸(18mol/リットル)を流量23ミリリットル/分で同時に滴下した。流量を調整しつつ、反応溶液中のNa2O濃度を0.005〜0.035mol/リットルの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、46分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに、添加を続けて100分で反応を停止した。生じた溶液中のシリカ濃度は60g/リットルであった。引き続いて、上記と同様の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。その後、製造例1と同様にして湿式法含水ケイ酸Bを得た。
上記各製造例で得られた含水ケイ酸A、Bの物性は、下記の方法で評価した。また、比較例で使用したシリカ(含水ケイ酸)も同様に評価した。
《インクボトル状細孔指数(IB)の測定》
水銀ポロシメータ POREMASTER-33(Quantachrome社製)を用いて、上述したように、水銀圧入法に基づき、まず圧力を1〜32000PSIまで上昇させて、含水ケイ酸の外表面において開口部の直径1.2×105nm〜6nmである細孔について水銀圧入量を測定し、図2に示したように圧入量のピークに位置する直径(M1)を求めた。次に、圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させて、水銀を細孔内から排出した。このときの排出曲線から得られた排出量のピークに位置する直径(M2)を求めた。これらM1及びM2の値から上記式(X)によりIBを算出した。
《CTABの測定》
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。この際、上述したように、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンモニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとして、CE−TRABの吸着量から比表面積(m/g)を算出した。
(含水ケイ酸A、B等の物性評価)
含水ケイ酸A:
IB;55.0、CTAB;79(m/g)、Y(=−0.36×CTAB+86.8);58.0
含水ケイ酸B:
IB;20.0、CTAB;180(m/g)、Y(=−0.36×CTAB+86.8);22.0
ニプシールAQ(東ソーシリカ社製):
IB;34.1、CTAB;165(m/g)、Y(=−0.36×CTAB+86.8);27.4
〔上記式(I)〜(V)で表される化合物の製造〕
<製造例3〜5>
用いるジアルカノールアミドは、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例3)
500mLの4つ口フラスコにステアリン酸メチル350g(1.17モル)、及びジエタノールアミン123.3g(1.17モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(50mmHg)/窒素雰囲気下、100℃で5時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ステアリン酸ジエタノールアミドを411g得た。
(製造例4)
上記製造例1から、4つ口フラスコを1000mlに、エステルをオレイン酸メチル690g(2.33モル)に、ジエタノールアミンの量を244.7g(2.33モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、オレイン酸ジエタノールアミドを812g得た。
(製造例5)
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、製造例2で得たオレイン酸ジエタノールアミド750g(2.03モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド447g(10.15モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(5)オレイン酸ジエタノールアミドを1125g得た。
<製造例6〜8>
用いるモノアルカノールアミドは、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例6)
500mLの4つ口フラスコにラウリン酸メチル350g(1.63モル)、及び2−アミノ−1−プロパノール122.6g(1.63モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(45mmHg)/窒素雰囲気下、85℃で7時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド396gを得た。
(製造例7)
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、アミノーンC−01[花王(株)製]900g(3.70モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド326g(7.40モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド1140gを得た。
(製造例8)
上記製造例6から、エステルをステアリン酸メチル390g(1.31モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン79.8g(1.31モル)に変えた以外は、製造例6と同様に反応を行い、ステアリン酸モノエタノールアミド402gを得た。
<製造例9〜10:アミドアミン類の製造>
用いるアミドアミン類は、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例9)
攪拌機、温度計、還流冷却器、及び圧力計を備えた1リットル容5ツ口フラスコに、ステアリン酸284.5g(分子量284.5、1モル)およびジメチルアミノプロピルアミン71.5g(分子量102.2、0.7モル)を仕込み、窒素ガスをキャピラリー管より100cc/Hrで吹き込みながら150℃へ昇温した。2時間熟成後、180℃に昇温し、ジメチルアミノプロピルアミン30.7g(分子量102.2、0.3モル)を1時間かけて滴下した。その後、この条件下で2時間保持し、酸価(AV)を測定して10以下であることを確認した後に50℃まで冷却し、N−ステアロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミンを355g得た。
(製造例10)
上記製造例9において、ジメチルアミノプロピルアミンをジエチルアミノエチルアミン(分子量116.2)に変え、当初仕込みを81.3g(0.7モル)と熟成・昇温後仕込みを34.9g(0.3モル)にした以外は製造例9と同様に行い、N−ステアロイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミンを363g得た。
<製造例11:イミダゾリン誘導体の製造>
用いるイミダゾリン誘導体は、下記製造法等により得たものを使用した。
(製造例11)
4ツ口フラスコに、ラウリン酸200g(1モル)とアミノエチルエタノールアミン109.2g(以下、「AEEA」と略記)とを仕込んだ後、還流冷却器に80℃の温水を通しながら攪拌し、140℃へ加熱した。その後反応圧力を1時間かけて400mmHgに設定し、2時間反応させアミド化を行なった。その後、Nで常圧に戻し、NaHPO:3.0g(0.025モル)を添加した。次に反応温度を200℃、圧力を1.5時間かけて200mmHgまで下げ、この条件で1時間熟成を行なった。更に圧力を約1.5時間かけて10mmHgまで下げ、この条件で1時間反応を行い過剰のAEEAを除去し、1−ヒドロキシエチル−2−ウンデシルイミダゾリンを253g得た。
〔実施例1〜34及び比較例1〜18〕
下記表1〜表7に示す各配合処方により、含水ケイ酸A,B、市販シリカ、上記式(I)〜(V)で表される各化合物などを用いたゴム組成物を常法に従って調製した。表中の数値は質量部である。
得られた各ゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫した。得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。さらにかかる該ゴム組成物をトレッドゴムに適用した、サイズ:195/65R15のタイヤを常法に従って試作して、耐摩耗性を下記の方法により評価した。
これらの結果を下記表1〜表7に示す。
〔未加硫ゴム粘度〕
未加硫ゴム粘度は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示す。
〔粘弾性(tanδ)の測定方法〕
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
〔耐摩耗性の評価方法〕
供試タイヤを車両に装着して2万km走行した後の残溝量を測定し、比較例1の残溝量を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 0005869959
Figure 0005869959
Figure 0005869959
Figure 0005869959
Figure 0005869959
Figure 0005869959
Figure 0005869959
上記表1〜表7の*1〜*26は下記のとおりである。
*1)SBR#1723〔JSR社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*3)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールAQ」
*4)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*5)マイクロクリスタリンワックス,オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*6)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*7)ノンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*8)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*9)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*10)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*11)アミノーンL−02〔ラウリン酸ジエタノールアミド、花王社製〕
*12)製造例3(ステアリン酸ジエタノールアミド)
*13)製造例4(オレイン酸ジエタノールアミド)
*14)製造例5〔POE(5)オレイン酸ジエタノールアミド〕
*15)製造例6(ラウリン酸モノイソプロパノールアミド)
*16)製造例7〔POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド〕
*17)アミノーンL−02〔ラウリン酸モノエタノールアミド、花王社製〕
*18)製造例8(ステアリン酸モノエタノールアミド)
*19)アミート102〔POE(2)ドデシルアミン、花王社製〕
*20)アミート105〔POE(5)ドデシルアミン、花王社製〕
*21)アミート302〔POE(2)オクタデシルアミン、花王社製〕
*22)アミート320〔POE(20)オクタデシルアミン、花王社製〕
*23)アミート302/ステアリン酸塩〔花王社製〕
*24)製造例9〔N−ステアロイルアミノプロピル−N,N−ジメチルアミン〕
*25)製造例10〔N−ステアロイルアミノエチル−N,N−ジエチルアミン〕
*26)製造例11〔1−ヒドロキシエチル−2−ウンデシルイミダゾリン〕
上記表1〜表7の結果によれば、上記特性の含水ケイ酸、上記式(I)〜(V)で表される各化合物を配合したゴム組成物を適用した実施例1〜34は、比較例1〜18に比して、含水ケイ酸のゴム組成物への分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、加工性も良好となるゴム組成物をタイヤ部材に適用した際、優れた転がり抵抗性及び耐摩耗性をバランスよく発揮することがわかる。
ゴム組成物をタイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤなどのタイヤ部材に好適に適用したタイヤを得ることができる。
A:略円筒状を呈する細孔
B:インクボトル状を呈する細孔
a:粒子の外表面における細孔Aの開口部の直径
b:粒子の外表面における細孔Bの開口部の直径
a:粒子内部における細孔Aの細孔径(内径)
b:粒子内部における細孔Bの細孔径(内径)
C:水銀の圧入曲線
D:水銀の排出曲線
M1:水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径
M2:水銀排出量の最大値を示す開口部の直径
IB:インクボトル状細孔指数

Claims (6)

  1. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、インクボトル状細孔指数(IB)が、直径1.2×105nm〜6nmの範囲にある開口部を外表面に具えた細孔を有する含水ケイ酸に対し、水銀圧入法に基づく水銀ポロシメータを用いた測定において、圧力を1〜32000PSIまで上昇させた際に水銀圧入量の最大値を示す開口部の直径(M1)(nm)、及び圧力を32000PSI〜1PSIまで下降させた際に水銀排出量の最大値を示す開口部の直径(M2)(nm)により、下記式(X);
    IB=M2−M1 ………(X)
    で求められる値であって、
    セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)及び前記インクボトル状細孔指数(IB)が、下記式(Y);
    IB≦−0.36×CTAB+86.8 ………(Y)
    を満たす含水ケイ酸と、
    下記式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種とを配合してなるゴム組成物をタイヤ部材に用いたことを特徴とするタイヤ。
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
  2. 前記ゴム組成物における含水ケイ酸のセチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)が、50〜250m/gであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対し、含水ケイ酸を5〜200質量部、上記式(I)〜(V)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を2.5〜15質量部配合してなることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 前記ゴム組成物における含水ケイ酸100質量部に対し、更にシランカップリング剤を1〜20質量部の量で配合してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 前記シランカップリング剤が、下記式(a−1)〜(a−4)で表される各化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のタイヤ。
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
    Figure 0005869959
  6. 前記ゴム組成物におけるゴム成分100質量部に対し、さらにカーボンブラックを80質量部以下の量で配合してなり、かつ前記含水ケイ酸と前記カーボンブラックとの総配合量が120質量部以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のタイヤ。
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