JP5867337B2 - エンジン制御装置 - Google Patents
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Description
まず、本実施形態のエンジン制御装置の構成を説明する。
図1に示すように、本実施形態のエンジン制御装置は、エンジンコントロールコンピューター10を中心に構成されている。エンジンコントロールコンピューター10は、エンジン制御にかかる各種演算処理を行う中央演算処理装置、エンジン制御用のプログラムやデータが記憶された読込専用メモリー、中央演算処理装置の演算結果やセンサーの検出結果などが一時的に記憶されるランダムアクセスメモリーを備えている。
ここで、要求点火時期が失火限界点火時期を超えていなければ(S103:NO)、ステップS104に処理が進められ、そのステップS104において、要求点火時期が目標点火時期に設定される。ちなみに、エンジンコントロールコンピューター10は、設定された目標点火時期が実際の点火時期となるように、イグニッションコイル17への通電を制御している。そして、ステップS105において、点火時期が失火限界に達した状態の継続時間を表すカウンターである失火ガード連続作動時間の値がクリア、すなわち「0」にリセットされた後、ステップS106に処理が進められる。
こうした場合、F/C前遅角制御の通常の完了条件の成立を待って燃料カットを開始すると、このときの演算トルクの推移を点線で示すように、演算トルクが目標トルクまで低下する時刻t4まで燃料カットが開始されないようになる。これに対して本実施形態では、時刻t2以降における、点火時期が失火限界に達した状態の継続時間が規定時間に達する時刻t3の時点まで、燃料カットの開始が前出しされるようになる。
(1)本実施形態では、燃料カットの開始前のエンジントルクの低減制御中に、点火時期が失火限界に達した状態が規定時間継続したときには、その時点で燃料カットを開始している。点火時期が失火限界に達していれば、点火時期は、そのときの状況で許容される最大限に遅角されていることになる。そして、そうした状態が継続しているのであれば、エンジンのトルクは、想定を超えるペースで低減されていることになる。よって、点火時期が失火限界に達した状態が規定時間継続したときに燃料カットを開始しても、トルク段差によるショックを回避することが可能である。したがって、本実施形態のエンジン制御装置によれば、燃料カット開始時のトルク段差によるショックを抑制しつつも、燃料カットの実施期間をより好適に確保することができる。
・F/C前遅角制御の実施条件や完了条件を、適宜に変更しても良い。例えば、上記実施形態では、演算トルクとトルク低減の継続時間とからF/C前遅角制御の完了を判定していたが、それらの一方のみでそうした完了の判定を行うように完了条件を設定することも可能である。
・上記実施形態では、点火時期の遅角と吸入空気量の低減との双方により、燃料カットの開始前のエンジントルクの低減制御を行っていたが、点火時期の遅角のみでそうしたエンジントルクの低減制御を行うようにしても良い。また、点火時期の遅角と、燃料噴射量の減量などの他のエンジン制御パラメーターの調整とにより、燃料カットの開始前のエンジントルクの低減制御を行うようにすることも可能である。
Claims (3)
- 燃料カットの開始前に、目標トルクを設定してエンジントルクを低減させる同エンジントルクの低減制御を行うエンジン制御装置において、
前記エンジントルクの低減制御中に、前記エンジントルクが前記目標トルクよりも小さいことを条件に燃料カットを開始するものであり、点火時期が失火限界に達した状態が規定時間継続したときには、前記エンジントルクが前記目標トルク以上であっても燃料カットを開始する
ことを特徴とするエンジン制御装置。 - 燃料カットの開始前に、目標トルクを設定してエンジントルクを低減させる同エンジントルクの低減制御を行うエンジン制御装置において、
前記エンジントルクの低減制御が所定時間継続すること、
前記エンジントルクが前記目標トルクよりも小さいこと、
点火時期が失火限界に達した状態が規定時間継続すること、を燃料カットの開始条件として含み、
前記エンジントルクの低減制御中にいずれか一つの開始条件が成立したとき、燃料カットを開始する
ことを特徴とするエンジン制御装置。 - 吸入空気量を低減しつつ点火時期を遅角することでエンジントルクの低減制御を行い、前記エンジントルクが目標トルクよりも低減したときに燃料カットを開始するエンジン制御装置において、
前記エンジントルクの低減制御中に、点火時期が失火限界に達した状態が規定時間継続したときには、そうでないときに対して、燃料カットを前出しで開始する
ことを特徴とするエンジン制御装置。
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