JP5370567B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
図1〜図3を参照して、第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両10には、動力源としてガソリンエンジン(以下、単にエンジンという)11が搭載されている。このエンジン11においては、各燃焼室12に対し吸気通路13を通じて空気が吸入されるとともに、燃料噴射弁14から燃料が噴射供給される。この燃料と空気の混合気に対し点火プラグ15による点火が行われると、その混合気が燃焼してピストン16が往復動し、エンジン11の出力軸であるクランクシャフト17が回転されて、エンジン11の駆動力(トルク)が得られる。そして、混合気の燃焼により生じた排気は燃焼室12から排気通路18へ排出される。
(1)消費電力の大きな2つの水加熱ヒータ24,25を同時に駆動/停止する際には、オルタネータ23による発電(充電)動作によりエンジン回転速度の変動が発生しやすい。
図4を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態が適用されるエンジン11では、電子制御装置41により燃料噴射制御、点火時期制御、オルタネータ23の発電制御等に加え、アイドル回転速度制御が行われる。アイドル回転速度制御は、エンジン11のアイドル時において、エンジン回転速度が、エンジン冷却水温等に基づいて算出された目標回転速度(アイドル目標回転速度)に収束するように、スロットルバルブ19の作動を通じて吸入空気量を調整する制御である。
(3)水加熱ヒータ24,25を1つずつ順に駆動する際に、その駆動に先立ちエンジン11への吸入空気量を増量し、その増量後にバッテリ電圧の印加を行うようにしている。そのため、スロットル開度が変化してから空気増量に伴いエンジン出力が増大するまでに遅れがあるが、上記吸入空気量の増量により予めエンジン出力を高めた状態で水加熱ヒータ24,25を駆動させることができ、エンジン回転速度の落込みをさらに抑制することができる。
図5を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、駆動要求に応じて両水加熱ヒータ24,25にバッテリ電圧が印加される過程で、バッテリ22が充電状態であるか放電状態であるかを判定し、その判定結果に応じて、水加熱ヒータ24,25の駆動本数を増減している。そして、この増減によりバッテリ22の充放電のサイクルが所定回数繰り返されるときには、駆動本数が減少された状態を継続するようにしている。
ここで、オルタネータ23の発電制御においては、前述したようにバッテリ電圧が所定の目標電圧となるように、オルタネータ23のフィールドコイルに対する通電がオルタネータデューティ比にて制御される。オルタネータデューティ比は0〜100%の間で変動し、大きな値となるほどオルタネータ23の発電量が多くなる。オルタネータデューティ比は、オルタネータ23におけるバッテリ22への充電能力を規定するものである。オルタネータデューティ比が、採り得る範囲の最大値(100%)である状態が継続している場合には、最大能力で発電を行っているもののバッテリ電圧が目標電圧を下回っている、すなわちバッテリ22が放電状態にあると考えられる。これに対し、オルタネータデューティ比が上記最大値(100%)未満である場合には、最大能力で発電を行わなくてもバッテリ電圧が目標電圧に収束していることから、バッテリ22が充電状態にあると考えられる。
(5)バッテリ22が充電状態にあるときに、両水加熱ヒータ24,25にバッテリ電圧を印加することによりバッテリ22が放電状態になった場合には、片方の水加熱ヒータ25へのバッテリ電圧の印加を遮断し、その遮断によりバッテリ22が充電状態に転じたときには再び電圧印加を再開する。このとき、水加熱ヒータ24にバッテリ電圧を印加した状態で、水加熱ヒータ25に対するバッテリ電圧の印加/遮断を繰り返すと、オルタネータ23による充電/停止動作の繰り返しによりエンジン回転速度のハンチングが発生するおそれがある。
図6及び図7を参照して、第4実施形態について説明する。
第4実施形態が適用されるエンジン11では、第2実施形態と同様にアイドル回転速度制御が行われる。同制御では、実際のエンジン回転速度が、エンジン冷却水温等に基づいて算出されたアイドル目標回転速度に収束するように、スロットルバルブ19の作動を通じて吸入空気量が調整される。車両10の停止中には、エンジン11はアイドル状態となり、アイドル回転速度制御によりエンジン回転速度はアイドル目標回転速度と同一又はそれに近い値になっていることが多い。
(7)車両10の停止中アイドル回転速度制御が行われているとき、アイドル目標回転速度(又はエンジン回転速度)が最小駆動回転速度よりも低いと、オルタネータ23によっては上記両水加熱ヒータ24,25の駆動に必要な電力を発電できず、バッテリ22の充放電の収支が釣り合わなくなりやすい。この点、第4実施形態では、車両10の停止中であって、両水加熱ヒータ24,25の駆動要求を受けかつアイドル目標回転速度が、最小駆動回転速度を考慮して設定した所定値A未満であるときには、両水加熱ヒータ24,25の駆動を禁止している。そのため、両水加熱ヒータ24,25の駆動停止により、上記収支が釣り合わなくなるのを抑制することができる。
図8を参照して、第5実施形態について説明する。
第5実施形態が適用されるエンジン11では、第2及び第4実施形態と同様にアイドル回転速度制御が行われる。同制御では、実際のエンジン回転速度が、エンジン冷却水温等に基づいて算出されたアイドル目標回転速度に収束するように、スロットルバルブ19の作動を通じて吸入空気量が調整される。
(8)両水加熱ヒータ24,25を駆動しているときに、エンジン回転速度が最小駆動回転速度よりも低くなると、オルタネータ23によっては両水加熱ヒータ24,25の駆動に必要な電力を発電できず、バッテリ22の充放電の収支が釣り合わなくなりやすい。この点、第5実施形態では、両水加熱ヒータ24,25を駆動しているときにアイドル目標回転速度にガードをかけ、最小駆動回転速度を考慮して設定した所定値Aよりも低くならないようにしている。そのため、上記バッテリ22の充放電収支が釣り合わなくなる現象を抑制することができる。
図9を参照して、第6実施形態について説明する。
第6実施形態が適用されるエンジン11では、燃料噴射制御に際し、車両10(エンジン11)の減速時における燃費向上、排気浄化等を目的として燃料噴射を停止する、いわゆる減速時燃料カットが行われる。この減速時燃料カットでは、減速時であってエンジン回転速度が燃料カット回転速度以上のときに燃料噴射が停止される。また、上記燃料の噴射停止によりエンジン回転速度が燃料カット復帰回転速度まで低下すると燃料噴射が復帰される。これらの燃料カット回転速度及び燃料カット復帰回転速度は、ともにエンジン冷却水温等に基づき算出されるものであり、燃料カット復帰回転速度は燃料カット回転速度よりも低い値に設定される。両回転速度は、一般的には、エンジン冷却水温が低いときには高いときよりも高い値に設定される。
(9)減速時燃料カット中、両水加熱ヒータ24,25を駆動しているときに、燃料カット復帰回転速度が最小駆動回転速度よりも低くなると、オルタネータによっては両水加熱ヒータ24,25の駆動に必要な電力を発電できず、バッテリ22の充放電の収支が釣り合わなくなりやすい。この点、第6実施形態では、減速時燃料カット中、両水加熱ヒータ24,25を駆動しているときに燃料カット復帰回転速度にガードをかけ、最小駆動回転速度を考慮して設定した所定値Aよりも低くならないようにしている。そのため、上記バッテリ22の充放電収支が釣り合わなくなるのを抑制することができる。
・本発明は、スロットルバルブを迂回するバイパス通路を吸気通路13に接続し、そのバイパス通路の途中にISC(アイドルスピードコントロール)バルブを設けてアイドル時の吸入空気量を調整するようにしたエンジンにも適用可能である。
・第5実施形態において、アイドル目標回転速度にガードをかけ所定値Aよりも低くならないようにする際に、両水加熱ヒータ24,25を強制的に停止させるようにしてもよい。
Claims (8)
- 車両の制御装置であって、
前記車両は、エンジン、オルタネータ、バッテリ、および、複数個の電気負荷を有し、
前記エンジンは、前記オルタネータを駆動し、
前記オルタネータは、前記バッテリを充電し、
前記バッテリは、前記複数個の電気負荷に電力を供給し、
前記車両の制御装置は、
前記エンジンの燃料噴射を停止する減速時燃料カット、および、前記エンジンの燃料噴射を再開する燃料カット復帰を実行する制御装置であって、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記複数個の電気負荷のうちの少なくとも1個の電気負荷が駆動しているとき、前記バッテリの充放電収支を釣り合わせる観点から規定されている所定値を下限値として燃料カット復帰回転速度をガードする
車両の制御装置。 - 車両の制御装置であって、
前記車両は、エンジン、オルタネータ、バッテリ、および、複数個の電気負荷を有し、
前記エンジンは、前記オルタネータを駆動し、
前記オルタネータは、前記バッテリを充電し、
前記バッテリは、前記複数個の電気負荷に電力を供給し、
前記車両の制御装置は、
前記エンジンの燃料噴射を停止する減速時燃料カット、および、前記エンジンの燃料噴射を再開する燃料カット復帰を実行する制御装置であって、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記複数個の電気負荷が停止しているとき、かつ、前記エンジンの回転速度が燃料カット復帰回転速度を下回るとき、前記燃料カット復帰により前記エンジンの燃料噴射を再開し、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記複数個の電気負荷のうちの少なくとも1個の電気負荷が駆動しているとき、かつ、前記エンジンの回転速度が、前記燃料カット復帰回転速度よりも大きい値であって前記バッテリの充放電収支を釣り合わせる観点から規定されている所定値を下回るとき、前記燃料カット復帰により前記エンジンの燃料噴射を再開する
車両の制御装置。 - 前記車両の制御装置は、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記複数個の電気負荷のうちの少なくとも1個の電気負荷が駆動しているとき、かつ、前記エンジンの冷却水温度に応じて設定される燃料カット復帰回転速度である基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値以上のとき、前記燃料カット復帰において前記基本燃料カット復帰回転速度を用いて燃料噴射を再開し、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記複数個の電気負荷のうちの少なくとも1個の電気負荷が駆動しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値未満のとき、前記燃料カット復帰において前記所定値を用いて燃料噴射を再開する
請求項1または2に記載の車両の制御装置。 - 前記車両は、
前記複数個の電気負荷のうちの少なくとも1個として、消費電力が小さい低電力電気負荷を有し、前記複数個の電気負荷のうちの少なくとも1個として、前記低電力電気負荷よりも消費電力が大きい高電力電気負荷を有し、
前記車両の制御装置は、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、少なくとも1個の前記高電力電気負荷が駆動しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値以上のとき、前記燃料カット復帰において前記基本燃料カット復帰回転速度を用いて燃料噴射を再開し、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、少なくとも1個の前記高電力電気負荷が駆動しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値未満のとき、前記燃料カット復帰において前記所定値を用いて燃料噴射を再開する
請求項3に記載の車両の制御装置。 - 前記車両は、
複数個の前記高電力電気負荷を有し、
前記車両の制御装置は、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、少なくとも2個の前記高電力電気負荷が駆動しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値未満のとき、前記燃料カット復帰において前記所定値を用いて燃料噴射を再開し、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記複数個の高電力電気負荷のうちの1個の高電力電気負荷のみが駆動しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値未満のとき、前記燃料カット復帰において前記所定値を用いて燃料噴射を再開する
請求項4に記載の車両の制御装置。 - 前記車両の制御装置は、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記高電力電気負荷が停止しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値未満のとき、かつ、前記高電力電気負荷が停止している状態が継続した時間が所定のディレイ時間未満のとき、前記燃料カット復帰において前記所定値を用いて燃料噴射を再開する
請求項4または5に記載の車両の制御装置。 - 前記車両の制御装置は、
前記減速時燃料カットにより前記エンジンの燃料噴射を停止しているとき、かつ、前記高電力電気負荷が停止しているとき、かつ、前記基本燃料カット復帰回転速度が前記所定値未満のとき、かつ、前記高電力電気負荷が停止している状態が継続した時間が前記所定のディレイ時間未満から前記所定のディレイ時間以上の大きさに変化したとき、前記燃料カット復帰において前記基本燃料カット復帰回転速度を用いて燃料噴射を再開する
請求項6に記載の車両の制御装置。 - 前記車両は、
前記高電力電気負荷として、前記エンジンの冷却水を加熱する水加熱ヒータを有し、
前記低電力電気負荷として、ヘッドランプおよびスモールランプの少なくとも一方を有する
請求項4〜7のいずれか一項に記載の車両の制御装置。
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