JP2010180866A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Yoshifumi Nakamura
良文 中村
Masatomo Yoshihara
正朝 吉原
Akito Uchida
晶人 内田
Koji Okamura
紘治 岡村
Yuji Hatta
裕二 八田
Satoru Masuda
哲 枡田
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Abstract

【課題】機関始動時において、燃費の向上を図りつつ、機関回転速度を適切に制御することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【解決手段】内燃機関の始動時において、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで上昇したときに(時刻t2)、燃料カットが開始される。燃料カットの開始後には、機関回転速度NEの低下率Rが算出され、この低下率Rが大きいほど燃料カット下限速度βが高く設定される。そして、設定された燃料カット下限速度βまで機関回転速度NEが低下したときに(時刻t4)燃料カットが終了される。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に係り、詳しくは、機関始動時において燃料カットを実行する燃料噴射制御装置に関する。
近年、車両に搭載される内燃機関においては、燃費の向上やエミッションの改善を図るべく、所定の自動停止条件が成立するときに内燃機関を自動停止し、その後、所定の自動始動条件が成立するときに内燃機関を自動始動するといった自動停止始動制御が実行されるものが実用化されている。こうした内燃機関を搭載した車両では、例えば、信号待ち等において車両が一時的に停止する際に、所定の自動停止条件が成立したとして燃料カットが実行されて、これにより内燃機関の自動停止、いわゆるアイドリングストップが実行される(特許文献1参照)。その後、車両が発進する際に、所定の自動停止条件が成立したとしてスタータ等の電動機によりクランキングが開始されるとともに燃料噴射が開始され、これにより内燃機関が自動始動される。
ここで、内燃機関の出力軸には、この内燃機関の出力を利用する装置による外部負荷が作用する場合がある。こうした装置としては、例えば、バッテリに電力を供給するべく内燃機関の出力を利用して発電するオルタネータがあり、このオルタネータが稼働する際には、その発電量に応じた外部負荷が上記出力軸に作用する。そのため、上述した自動停止時であって燃料カットが実行されるときに、オルタネータが稼働すると、機関回転速度がこの外部負荷の影響を受けて変動する場合がある。
そこで、特許文献1に記載の装置では、所定の自動停止条件が成立するときに、燃料カットを実行するとともにオルタネータの発電量(発電トルク)を徐々に低下させている。これにより、機関回転速度に変動が生じることを抑制し、違和感なく自動停止を良好に完了しようとしている。
特開2004−162624号公報
上述したように、内燃機関において所定の自動始動条件が成立すると、スタータ等の電動機によりクランキングが開始されるとともに燃料噴射が開始される。なお、一般的に、クランキング当初に噴射される燃料噴射量は、理論空燃比に対して増量補正されている。これにより、内燃機関の燃焼室において混合気の燃焼が開始されて、図6に示すように機関回転速度NEが目標回転速度(アイドル回転速度INEt)を超えて急激に上昇し、その後、燃料噴射量のフィードバック制御を通じて機関回転速度が目標回転速度に収束するようになる。
ここで、上述したような機関回転速度が急激に上昇する、いわゆる吹き上がりを抑えるとともに燃費向上を図る技術として、機関回転速度が所定速度以上であるときに、燃料カットを実行して燃料噴射を停止することが考えられる。
こうした自動始動時に燃料カットが実行する内燃機関では、図6に示すように、時刻t61においてクランキングが開始され、その後、機関回転速度NEが所定速度γにまで上昇すると(時刻t62)、燃料カットが開始される。これにより、機関回転速度NEは、燃料カットの開始時点(時刻t62)から更に一旦上昇した後に低下していく。そして、機関回転速度NEが所定速度γまで低下すると(時刻t63)、燃料カットが終了される。その後、機関回転速度は、燃料カットの終了時点(時刻t63)から更に一旦低下し、上述したフィードバック制御を通じて目標回転速度(アイドル回転速度INEt)に収束するようになる。このように、自動始動時に燃料カットが実行される内燃機関では、同図6に示すように、始動時における機関回転速度の上昇量を、一点鎖線で示す燃料カットが実行されないときと比較して抑えることができ、吹き上がりを抑えることができるようになる。また、燃料カットの実行により燃料噴射が一時的に停止されるため、燃料消費量を抑えることにより燃費を向上させることもできるようになる。
ところで、特許文献1に記載の装置では、自動停止時において、オルタネータによる外部負荷の影響を考慮しつつ燃料カットを実行することにより、機関回転速度を低下させて機関停止を良好に完了するようにしていた。一方、上述したような、自動始動時に燃料カットが実行される内燃機関にあっては、この自動始動時においても機関回転速度が外部負荷の影響を受ける場合がある。すなわち、自動始動時における燃料カット実行中に外部負荷が作用すると、この燃料カットの実行中における機関回転速度の低下率(単位時間あたりの低下量)が大きくなる傾向にある。このように低下率が大きくなると、燃料カットを終了した後に機関回転速度が過度に低下して内燃機関がストールし、機関始動が良好に完了しないといった問題が生じるおそれがある。
なお、こうした問題は、内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用する場合に限らず、機関回転速度の低下率が比較的大きくなる場合に共通して生じ得る。さらに、こうした問題は、上述したような自動始動時にも限られず、内燃機関の始動時において燃料カットが実行される場合に共通して生じ得る。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関始動時において、燃費の向上を図りつつ、機関回転速度を適切に制御することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の始動時において、機関回転速度が上昇したときに燃料カットを開始する一方、機関回転速度が所定の燃料カット下限速度まで低下したときに燃料カットを終了する燃料カット手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、燃料カットの開始後における機関回転速度の低下率を算出する低下率算出手段と、前記低下率算出手段により算出された前記低下率が大きいほど前記燃料カット下限速度を高く設定する設定手段とを備えることを要旨とする。
上記構成では、燃料カットの開始後における機関回転速度の低下率を算出し、その低下率が大きいほど燃料カット下限速度を高く設定するようにしている。これにより、機関回転速度の低下率に応じて設定された燃料カット下限速度まで機関回転速度が低下したときに燃料カットが終了されるようになる。そのため、燃料カットの終了後において機関回転速度が過度に低下することを抑えることができ、内燃機関がストールすることを抑制することができる。したがって、機関始動時において、燃費の向上を図りつつ、機関回転速度を適切に制御することができるようになる。
なお、本明細書において、機関始動時とは、内燃機関のクランキング開始から定常アイドル運転に達するまでの期間のことをいうものとする。
上記低下率算出手段として、具体的には、請求項2に記載の発明によるように、単位時間あたりの機関回転速度の低下量を低下率として算出する、といった態様を採用することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、燃料カットの終了時から所定期間が経過するまで、その終了時における前記燃料カット下限速度を維持する燃料カット下限速度維持手段を更に備えることを要旨とする。
ここで、機関回転速度が燃料カット下限速度まで低下したときに燃料カットが終了されると、この終了後における機関回転速度の低下率は、燃料カットの終了前における低下率と比較して緩やかになる。したがって、燃料カットの終了後において、上記設定手段により機関回転速度の低下率に応じて設定される燃料カット下限速度は、燃料カット終了時点における燃料カット下限速度と比較して低い値になる。これに伴い、機関回転速度が燃料カット下限速度よりも高くなる場合があり、こうした場合には、燃料カットが再び開始されるようになる。
さらに、この燃料カットの再開によって機関回転速度の低下率が再び大きくなると、上記設定手段によって燃料カット下限速度について再び高く設定されるようになる。そして、これにより、機関回転速度が燃料カット下限速度よりも低くなる場合、または機関回転速度が燃料カット下限速度まで低下した場合には、燃料カットが再び終了する。このように、燃料カット終了後において、その低下率に応じて燃料カット下限速度が頻繁に変更されると、燃料カットの開始と終了とが繰り返されることによって機関回転速度が変動するといった不都合の発生が懸念される。
この点、上記構成では、燃料カットの終了時から所定期間が経過するまで、その終了時における燃料カット下限速度を維持する燃料カット下限速度維持手段を更に備えるようにしている。これにより、燃料カットが一旦終了されると、機関回転速度の方が燃料カット下限速度よりも低い状態が維持されるようになり、燃料カットが再び開始されることが抑えられる。したがって、燃料カットの開始と終了とが短時間に繰り返されることを抑えることができ、機関回転速度の変動を抑制することができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、燃料カットの終了時から所定期間が経過するまで、燃料カットを禁止する禁止手段を更に備えることを要旨とする。
上記構成では、燃料カットの終了時から所定期間が経過するまで、燃料カットを禁止する禁止手段を更に備えるようにしている。そのため、燃料カットが一旦終了されると、燃料カットが再び開始されることが回避される。したがって、請求項3に記載の発明と同様に、燃料カットの開始と終了とが短時間に繰り返されることを抑えることができ、機関回転速度の変動を抑制することができるようになる。
上記所定期間として、具体的には、請求項5に記載の発明によるように、機関回転速度が目標回転速度に収束するまでの期間が設定される、といった態様を採用することができる。なお、目標回転速度としては、例えば、内燃機関のアイドル運転時における目標回転速度を採用することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用していない状態で燃料カットが実行された場合において想定される機関回転速度の低下率を、基準低下率として記憶する基準低下率記憶手段を更に備え、前記設定手段は、前記低下率が前記基準低下率よりも大きいときに、前記低下率に基づく前記燃料カット下限速度の設定を行うことを要旨とする。
上述したように、燃料カットの実行中において内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用すると、機関回転速度の低下率が大きくなる傾向にある。
そこで、上記構成では、内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用していない状態で燃料カットが開始される場合において想定される機関回転速度の低下率を、基準低下率として記憶する基準低下率記憶手段を更に備えるようにしている。
そして、低下率算出手段により算出された実際の低下率が基準低下率以下であるときには、内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用しておらず燃料カット終了後における機関回転速度の低下量が比較的小さくなると推定することができる。そこで、上記構成では、このように実際の低下率が基準低下率以下であるときには、低下率に基づく燃料カット下限速度の設定を行わないようにしている。これにより、外部負荷が作用していないと推定されるときには、燃料カットの実行期間を長く設定することができるようになり、燃料消費量をより効果的に抑えることができるようになる。
一方、低下率算出手段により算出された実際の低下率が基準低下率よりも大きいときには、内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用しており燃料カット終了後における機関回転速度の低下量が比較的大きくなると推定することができる。そこで、上記構成では、このように実際の低下率が基準低下率よりも大きいときには、低下率に基づく燃料カット下限速度の設定を行うようにしている。これにより、外部負荷が作用していると推定されるときには、燃料カットの実行期間を適切に設定しつつ、燃料カット終了後において機関回転速度が過度に低下することが抑えられるようになる。
したがって、上記構成によれば、外部負荷の有無に応じて、燃費の向上を適切に図ることができるとともに、機関回転速度を適切に制御することができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の冷却水温が低いときほど燃料カットを開始する機関回転速度を高く設定することを要旨とする。
ここで、機関冷却水温が低いときほど、機関回転速度が不安定になる傾向にある。そこで、上記構成では、内燃機関の冷却水温が低いときほど、燃料カットを開始する機関回転速度を高く設定するようにしている。これにより、内燃機関の冷却水温が低いときであっても、内燃機関の始動を良好に完了させることができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記内燃機関は、所定の自動停止条件が成立するときに前記内燃機関を自動停止し、所定の自動始動条件が成立するときに前記内燃機関を自動始動する自動停止始動制御が実行されるものであり、前記燃料カット手段は、前記自動停止始動制御による前記内燃機関の自動始動時において、前記燃料カットを実行することを要旨とする。
請求項8に記載の発明によるように、内燃機関が、所定の自動停止条件が成立するときに、この内燃機関を自動停止し、所定の自動始動条件が成立するときに、この内燃機関を自動始動する自動停止始動制御が実行されるものである場合には、自動停止が実行されることにより燃料消費量を抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。
一方、こうした自動停止始動制御における自動始動時には、内燃機関の暖機が完了している場合が多いため、機関始動に伴って、機関回転速度が大きく吹き上がる機会が多くなる傾向にある。
そこで、上記構成では、上記自動停止始動制御による内燃機関における自動始動時において、上記燃料カット手段による燃料カットを実行するようにしている。したがって、こうした自動停止始動制御が実行される内燃機関において、より効果的に燃費の向上を図ることができるとともに、機関回転速度を適切に制御することができるようになる。
本発明にかかる内燃機関の噴射制御装置を具体化した一実施形態について、これが適用される内燃機関とその周辺構成を示す模式図。 同実施形態において実行される始動時制御の概要を示すタイムチャートであって、(a)は機関回転速度の推移を示し、(b)は機関回転速度の低下率の推移を示し、(c)は設定される燃料カット下限速度の推移を示し、(d)は燃料カットの実行態様を示す。 冷却水温と燃料カット開始速度との関係を示す図。 機関回転速度の低下率と燃料カット下限速度との関係を示す図。 同実施形態において実行される始動時制御の実行手順を示すフローチャート。 従来技術の機関始動時において実行される制御の概要を示すタイムチャートであって、(a)は機関回転速度の推移を示し、(b)は燃料カットの実行態様を示す。
以下、図1〜5を参照して、本発明にかかる内燃機関の噴射制御装置を具体化した一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態にかかる噴射制御装置が適用される内燃機関10とその周辺構成を示す。同図1に示すように、内燃機関10の気筒内には、ピストン11が往復動可能に収容されている。また、このピストン11の頂面と気筒内の内周面とによって燃焼室12が区画形成されており、この燃焼室12には吸気通路13及び排気通路14がそれぞれ接続されている。
吸気通路13には、同吸気通路13内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁20が設けられている。また、燃焼室12には、吸気通路13を通じて供給される空気と上記燃料噴射弁20から噴射供給される燃料との混合気に点火する点火プラグ15が取り付けられている。
上記ピストン11には、ピストン11の往復動により回転するクランク軸16が接続されている。このクランク軸16には、同クランク軸16の回転力を利用して発電するオルタネータ40が接続されており、このオルタネータ40により発電された電力はバッテリ50に蓄電される。
また、上記クランク軸16には、内燃機関10の始動時において同クランク軸16に回転力を付与するスタータ30が接続されている。スタータ30は、上記バッテリ50の電力が供給されることにより内燃機関10の始動を実行する。
内燃機関10における各種制御は、電子制御装置60によって行われる。この電子制御装置60は、機関制御にかかる演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、機関制御に必要なプログラムや各種の情報を記憶するためのメモリ60a、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポート等を備えている。この入力ポートには、機関運転状態を検出する各種センサが接続されている。こうした各種センサとしては、例えば、クランク軸16の近傍に設けられて機関回転速度NEを検出する機関回転速度センサ61、内燃機関10の冷却水の温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ62、イグニッションキー63aの4つの切替位置(オン、オフ、アクセサリ、スタート)に応じた信号を出力するイグニッションスイッチ63、内燃機関10が搭載された車両の速度(車速Ve)を検出する車速センサ64、ブレーキペダル(図示略)の踏込みを検出するブレーキスイッチ65等がある。
また、電子制御装置60の出力ポートには、燃料噴射弁20、スタータ30、オルタネータ40等の駆動回路がそれぞれ接続されている。
電子制御装置60は、上述した各種センサから入力された信号に基づき内燃機関10の運転状態を把握して各種制御を実行する。例えば、こうした各種制御として、点火プラグ15による混合気の点火時期を調整する点火時期制御、燃料噴射弁20から噴射供給する燃料量や時期を調整する燃料噴射制御、バッテリ50の蓄電量を所定範囲に保持するべくオルタネータ40による発電量を制御する発電制御等を実行する。この燃料噴射制御として、具体的には、機関始動時におけるクランキング当初に噴射される燃料噴射量を理論空燃比に対して増量補正する増量制御や、機関回転速度NEを目標回転速度NEtに収束させるべく吸入空気量、換言すれば燃料噴射量を調整するフィードバック制御、燃料噴射弁20からの燃料噴射を一時的に停止する燃料カット等を実行する。
また、電子制御装置60は、内燃機関10において所定の自動停止条件が成立するときにこの内燃機関10を自動停止し(アイドリングストップ)、所定の自動始動条件が成立するときに内燃機関10を自動始動する自動停止始動制御を実行する。
具体的には、電子制御装置60において、車速センサ64からの信号に基づき車速Veが「0」である旨検出され、且つブレーキスイッチ65からの信号に基づきブレーキペダルの踏込みが検出されたときに、自動停止条件が成立した旨判定される。この場合には、内燃機関10の駆動を停止させるべく、燃料カットが実行される。その後、内燃機関10の停止中において、ブレーキスイッチ65からの信号に基づきブレーキペダルの踏込みが解除された旨検出されたときに、自動始動条件が成立した旨判定される。この場合には、内燃機関10を始動させるべく、スタータ30が駆動されてクランキングが開始されるとともに、燃料噴射弁20からの燃料噴射が再開されて、内燃機関10が自動始動される。
ここで、機関始動時においてクランキングが開始されるとともに燃料噴射が開始されると、図2に示すように、機関回転速度NEがアイドル運転時における目標回転速度(アイドル回転速度INEt)を超えて急激に上昇する、いわゆる吹き上がりが生じる。特に、上述したような自動始動時には、内燃機関10の暖機が完了している場合が多いため、機関始動に伴って、機関回転速度が大きく吹き上がる機会が多くなる傾向にある。
そこで、本実施形態では、こうした吹き上がりを抑制するとともに燃費向上を図るべく、自動始動時において以下に説明する始動時制御を実行し、機関回転速度が上昇したときに燃料カットを実行するようにしている。
図2に示すように、時刻t1において始動時制御が開始されると、クランキングが開始されるとともに燃料噴射が実行される。これにより、機関回転速度NEが上昇していく。
そして、時刻t2において、機関回転速度NEが所定の燃料カット開始速度αまで上昇すると、燃料カットが開始される。この燃料カット開始速度αは、アイドル回転速度INEtよりも高い値であって、冷却水温THWと燃料カット開始速度αとの関係を示すマップ(図3)に基づいて設定される。具体的には、同図3に示すように、機関回転速度が不安定になる傾向にある冷却水温THWが低いときほど、燃料カット開始速度αが高くなるように設定されている。この図3のマップに示す冷却水温THWと燃料カット開始速度αとの関係については、実験等により決定されて、電子制御装置60のメモリ60aにおいて予め記憶されている。
こうして時刻t2において燃料カットが開始されると、機関回転速度NEは、時刻t3において最も上昇し、その後低下していく。
この燃料カットの開始後には、機関回転速度NEの低下率R(単位時間あたりの低下量)が下記(1)式により一定の時間周期毎に算出され、算出された低下率Rに基づいて燃料カット下限速度βが可変設定される。なお、この燃料カット下限速度βの初期値は、上記燃料カット開始速度αと同一の値が設定されている。
R=ΔNE/Δt=(NEn−1−NE)/(t−tn−1) …(1)
ΔNE:時間Δtあたりの機関回転速度NEの低下量
NEn−1:時刻tn−1での機関回転速度NE
NE:時刻tでの機関回転速度NE
これにより、図2に示すように、機関回転速度NEが上昇傾向にある時刻t3までの期間では、低下率Rが「0」未満に算出され、機関回転速度が低下傾向にある時刻t3以降の期間では、低下率Rが「0」よりも大きく算出される。
こうして算出される低下率Rは、クランク軸16に対して外部負荷が作用すると大きくなる傾向にある。例えば、自動始動時において、上記バッテリ50の蓄電量が低くオルタネータ40において発電が実行されている場合には、このオルタネータ40による外部負荷がクランク軸16に作用し、これにより燃料カット実行中における機関回転速度NEの低下率Rが大きくなる。
そして、このように低下率Rが大きくなると、燃料カットを終了した後に機関回転速度NEが過度に低下して内燃機関10がストールし、機関始動が完了しないといった問題が生じるおそれがある。例えば、図2(a)に一点鎖線で示すように、燃料カット下限速度βが初期値の燃料カット開始速度αに設定されている場合には、機関回転速度NEが燃料カット下限速度αまで低下した時刻t11において燃料カットが終了される。この場合には、燃料カットの終了後において機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtよりも低下し、内燃機関10がストールするおそれがある。
そこで、上記燃料カット下限速度βを、低下率Rとこの燃料カット下限速度βとの関係を示すマップ(図4)に基づいて設定するようにしている。このマップには、機関回転速度NEが燃料カット下限速度βまで低下して燃料カットが終了された場合に、その終了後に内燃機関10がストールすることなくアイドル運転状態に至ることができるように、この燃料カット下限速度βが低下率Rに応じて設定されている。なお、自動始動時に燃料カットを実行して燃費向上を図る上では、燃料カットの実行期間を長く設定することが望ましい。したがって、燃料カット下限速度βとしては、内燃機関10のストールを抑制可能な、できるだけ低い値を採用することが望ましい。こうした観点に基づいて、図4のマップに示す低下率Rとこの燃料カット下限速度βとの関係が予め決定されて、このマップが電子制御装置60のメモリ60aにおいて予め記憶されている。
さらに、このメモリ60aには、クランク軸16に対して外部負荷が作用していない状態で燃料カットが実行された場合において想定される機関回転速度NEの低下率Rが、基準低下率R0として予め記憶されている。なお、クランク軸16に対して外部負荷が作用していない状態とは、クランク軸16の出力を利用して稼働するオルタネータ40等の各種装置が停止している状態をいう。
そして、低下率Rが基準低下率R0以下であるときには(R≦R0)、クランク軸16に対して外部負荷が作用しておらず燃料カット終了後における機関回転速度NEの低下量が比較的小さくなると推定することができる。そこで、このように低下率Rが基準低下率R0以下であるときには(R≦R0)、図4に示すように、低下率Rに基づく燃料カット下限速度βの設定を行わないようにしている。これにより、燃料カット下限速度βは、初期値である上記燃料カット開始速度αと同一の値に設定される。したがって、外部負荷が作用していないと推定されるときには、燃料カットの実行期間を長く設定することができるようになる。
なお、このように低下率Rが基準低下率R0以下であるときには(R≦R0)、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで低下したときに(時刻t11)燃料カットが終了される。そのため、先に説明した図3のマップには、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで低下してから燃料カットが終了された場合であっても、クランク軸16に外部負荷が作用していない状態においては、その終了後に内燃機関10がストールすることなくアイドル運転状態に至ることができるように、燃料カット開始速度αが冷却水温THWに応じて設定されている。
一方、低下率Rが基準低下率R0よりも大きいときには(R>R0)、クランク軸16に対して外部負荷が作用しており燃料カット終了後における機関回転速度NEの低下量が比較的大きくなると推定することができる。そこで、このように低下率Rが基準低下率R0よりも大きいときには(R>R0)、図4に示すように、その低下率Rが大きいほど燃料カット下限速度βが高く設定される。具体的には、低下率Rが大きいほど、燃料カット下限速度βと燃料カット開始速度αとの偏差ΔN(=β−α)が大きくなるように、燃料カット下限速度βが設定される。
これにより、外部負荷が作用していると推定されるときには、燃料カットの実行期間を適切に設定しつつ、燃料カット終了後において機関回転速度が過度に低下することが抑えられるようになる。
以上説明したように、燃料カット実行中にあっては、低下率Rが繰り返し算出されるとともに、この低下率Rに基づいて燃料カット下限速度βが設定される。そして、時刻t4において所定の燃料カット下限速度βまで低下すると、燃料カットが終了される。
このように燃料カットが終了されると、その終了時(時刻t4)における燃料カット下限速度βが維持される。そして、燃料噴射量のフィードバック制御を通じて、時刻t5において機関回転速度NEが目標回転速度NEtであるアイドル回転速度INEtに収束すると、燃料カット下限速度βが初期値である燃料カット開始速度αと同一の値に戻される。
なお、燃料カットが終了された時刻t4から、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束する時刻t5までの期間が、燃料カット下限速度βが維持される所定期間Tに相当する。この所定期間Tの経過については、機関回転速度センサ61からの信号により把握される機関回転速度NEの変動に基づいて判定するようにしてもよいし、燃料カットの終了時点からの経過時間を計測して予め設定された所定期間Tに達したことに基づいて判定するようにしてもよい。
ここで、燃料カットの終了後に燃料カット下限速度βが所定期間T維持される理由は、以下のとおりである。すなわち、図2(b)に示すように、時刻t4において燃料カットが終了されると、この終了後における低下率Rは、燃料カットの終了前における低下率Rと比較して緩やかになり、小さな値をとるようになる。
したがって、燃料カットの終了後において、低下率Rに応じて設定される燃料カット下限速度β’は、図2(a)及び(c)に二点鎖線で示すように、燃料カット終了時点における燃料カット下限速度βと比較して低い値になる。これに伴い、機関回転速度NEが燃料カット下限速度β’よりも高くなると、図2(d)に二点鎖線で示すように、燃料カットが再び開始されるようになる。
その後の推移については図示しないが、この燃料カットの再開によって機関回転速度NEの低下率Rが再び大きくなると、燃料カット下限速度βについて再び高く設定されるようになる。そして、これにより、機関回転速度NEが燃料カット下限速度βよりも低くなる場合、または機関回転速度が燃料カット下限速度まで低下した場合には、燃料カットが再び終了される。
このように、燃料カット終了後において、その低下率に応じて燃料カット下限速度が頻繁に変更されると、燃料カットの開始と終了とが繰り返されることによって機関回転速度が変動するといった不都合の発生が懸念される。
そこで、本実施形態では、上述したように、燃料カットの終了時(時刻t4)から所定期間Tが経過する時刻t5まで、その終了時(時刻t4)における燃料カット下限速度を維持するようにしている。これにより、燃料カットが一旦終了されると、機関回転速度NEの方が燃料カット下限速度βよりも低い状態(NE<β)が維持されるようになり、燃料カットが再び開始されることはない。
次に、図5を参照して、電子制御装置60により実行される上記始動時制御の手順について説明する。なお、この電子制御装置60が、本発明の燃料カット手段、低下率算出手段、設定手段、及び燃料カット下限速度維持手段としての機能を備えている。同図5のフローチャートに示す処理は、自動始動条件の成立直後から開始され、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束して定常アイドル運転に達するまでの期間、すなわち始動時において実行される。
この一連の処理が開始されると、まず、冷却水温THWに基づいて燃料カット開始速度αが設定される(ステップS100)。具体的には、上述したように、水温センサ62からの信号に基づいて冷却水温THWが把握され、先の図3に示すマップが参照されて燃料カット開始速度αが設定される。
次に、スタータ30によるクランキング、及び燃料噴射弁20による燃料噴射が開始されて(ステップS110)、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで上昇したか(NE≧α)否かが判定される(ステップS120)。
これにより、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで上昇していない旨、すなわち機関回転速度NEが燃料カット開始速度αより低い旨(NE<α)判定される場合には(ステップS120:NO)、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで上昇した旨(NE≧α)判定されるまで(ステップS120:YES)、ステップS120の判定処理が一定の時間周期毎に繰り返し実行される。
この判定処理を通じて、機関回転速度NEが燃料カット開始速度αまで上昇した旨(NE≧α)判定される場合には(ステップS120:YES)、燃料カットが開始される(ステップS130)。
こうして燃料カットが開始されると、機関回転速度NEの低下率Rが算出される(ステップS140)。具体的には、単位時間あたりの機関回転速度NEの低下量として、上記(1)式により低下率Rが算出される。
そして、算出された低下率Rに基づいて、燃料カット下限速度βが設定される(ステップS150)。具体的には、上述したように、先の図4に示すマップが参照されることにより、低下率Rが基準低下率R0よりも大きいときにおいて、低下率Rが大きいほど燃料カット下限速度βが高くなるように設定される。
続いて、機関回転速度NEが燃料カット下限速度βまで低下したか(NE≦β)否かが判定される(ステップS160)。
これにより、機関回転速度NEが燃料カット下限速度βまで低下していない旨、すなわち機関回転速度NEが燃料カット下限速度βよりも高い旨(NE>β)判定される場合には(ステップS160:NO)、先のステップS140からの処理が再び実行される。すなわち、低下率Rが算出されて(ステップS140)、その低下率Rに応じた燃料カット下限速度βが設定される(ステップS150)。このように、ステップS160の判定処理において否定判定がなされると、燃料カット下限速度βが一定の時間周期毎に繰り返し設定される。
こうした判定処理を通じて、機関回転速度NEが燃料カット下限速度βまで低下した旨(NE≦β)判定される場合には(ステップS160:YES)、燃料カットが終了される(ステップS170)。
続いて、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束したか否かが判定される(ステップS180)。そして、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束していない旨判定される場合には(ステップS180:NO)、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束したか否かが判定されるまで(ステップS180:YES)、ステップS180の判定処理が一定の時間周期毎に繰り返し実行される。
この判定処理を通じて、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束した旨判定される場合には(ステップS180:YES)、燃料カット下限速度βが初期値に戻されて(ステップS190)、本処理が終了される。これにより、ステップS170において燃料カットが終了されると、ステップS190において燃料カット下限速度βが初期値に戻されるまで、燃料カットの終了時の燃料カット下限速度βが維持される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)燃料カットの開始後における機関回転速度NEの低下率Rが算出され、その低下率Rが大きいほど燃料カット下限速度βが高く設定される。これにより、機関回転速度NEの低下率Rに応じて設定された燃料カット下限速度βまで機関回転速度NEが低下したときに燃料カットが終了されるようになる。そのため、燃料カットの終了後において機関回転速度NEが過度に低下することを抑えることができ、内燃機関10がストールすることを抑制することができる。したがって、機関始動時において、燃費の向上を図りつつ、機関回転速度NEを適切に制御することができるようになる。
(2)燃料カットの終了時から所定期間Tが経過するまで、その終了時における燃料カット下限速度βが維持される。これにより、燃料カットが一旦終了されると、機関回転速度NEの方が燃料カット下限速度βよりも低い状態(NE<β)が維持されるようになり、燃料カットが再び開始されることが抑えられる。したがって、燃料カットの開始と終了とが短時間に繰り返されることを抑えることができ、機関回転速度NEの変動を抑制することができるようになる。
(3)クランク軸16に対して外部負荷が作用していない状態で燃料カットが実行された場合において想定される機関回転速度NEの低下率Rが、基準低下率R0としてメモリ60aに記憶されており、低下率Rが基準低下率R0よりも大きいときに、低下率Rに基づいて燃料カット下限速度βが設定される。そのため、低下率Rが基準低下率R0以下であって(R≦R0)外部負荷が作用していないと推定されるときには、燃料カットの実行期間を長く設定することができるようになり、燃料消費量をより効果的に抑えることができるようになる。一方、低下率Rが基準低下率R0よりも大きく(R>R0)、外部負荷が作用していると推定されるときには、燃料カットの実行期間を適切に設定しつつ、燃料カット終了後において機関回転速度NEが過度に低下することが抑えられるようになる。したがって、外部負荷の有無に応じて、燃費の向上を適切に図ることができるとともに、機関回転速度NEを適切に制御することができるようになる。
(4)冷却水温THWが低いときほど、燃料カットが開始される機関回転速度(燃料カット開始速度α)が高く設定される。これにより、冷却水温THWが低いときであっても、内燃機関10の始動を良好に完了させることができるようになる。
(5)自動停止条件が成立したときに自動停止(アイドリングストップ)が実行されるため、燃料消費量を抑制することができ、燃費の向上を図ることができる。さらに、自動始動時において、燃料カットが実行されるとともに、機関回転速度NEの低下率Rに応じた燃料カット下限速度βが設定されて燃料カット期間が設定されるため、より効果的に燃費の向上を図ることができるとともに、機関回転速度NEを適切に制御することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、この発明にかかる内燃機関の噴射制御装置は、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、同実施形態を適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、冷却水温THWに基づいて、燃料カットが開始される機関回転速度(燃料カット開始速度α)を可変設定する例を示した。しかし、この燃料カット開始速度αについて、可変設定せず一律の値を設定するようにしてもよい。この場合には、アイドル回転速度INEtよりも高く、燃料カット前に上昇させる機関回転速度として適切な値を予め設定するようにすればよい。
・上記実施形態では、燃料カット下限速度βの初期値について、燃料カット開始速度αと同一の値としたが、異なる値を設定するようにしてもよい。また、上記実施形態では、低下率Rに基づき設定する燃料カット下限速度βについて、低下率Rが大きいほど、燃料カット開始速度αとの偏差ΔN(=β−α)が大きくなるように設定する例を示したが、必ずしもこのように燃料カット開始速度αとの偏差ΔNに基づいて設定することを要しない。要するに、低下率Rが大きいほど、燃料カット終了後における機関回転速度NEの低下量が大きくなる傾向にあることを考慮して、燃料カットを適切な時期に終了することのできる燃料カット下限速度βを設定するようにすればよい。
・上記実施形態では、基準低下率R0を設定し、実際に算出された低下率Rが基準低下率R0よりも大きいときに(R>R0)、低下率Rに応じた燃料カット下限速度βを設定する例を示した。しかし、算出された低下率Rが基準低下率R0以下であって(R≦R0)、外部負荷が作用していないと推定されるときであっても、この低下率Rが大きいほど燃料カット下限速度βを高く設定するようにしてもよい。この場合であっても、上記(1)、(2)、(4)、(5)に示す各作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束した旨判定される場合に(ステップS180:YES)、燃料カット下限速度βを初期値である燃料カット開始速度αに戻す(ステップS190)ようにしていたが、この処理を省略するようにしてもよい。この場合であっても、次に実行される始動時制御において低下率Rが算出され、この算出された低下率Rに応じた燃料カット下限速度βが設定される。これにより、上記(1)〜(5)に示す各作用効果を奏することができる。
・上記実施形態では、ステップS170において燃料カットが終了された後、その終了時の燃料カット下限速度βを、機関回転速度NEがアイドル回転速度INEtに収束するまで(所定期間Tが経過するまで)維持する例を示した。しかし、燃料カット終了後における燃料カット下限速度βの如何に関わらず、燃料カットの終了時から所定期間Tが経過するまで燃料カットを禁止する態様であっても、上記(1)〜(5)に示す各作用効果と同様の作用効果を奏することができる。この場合には、電子制御装置60が、燃料カットを禁止する禁止手段としての機能を備えるようにすればよい。
・また、燃料カットが終了された後にも、低下率Rを算出して燃料カット下限速度βを設定するといった処理(先のステップS140、ステップS150に相当する処理)を継続するとともに、この設定された燃料カット下限速度βに基づいて燃料カットを終了するようにしてもよい。この場合には、上述したように燃料カットの開始と終了とが繰り返される可能性はあるものの、クランキング開始後に最初に実行される燃料カットにおいて、低下率Rに基づいて燃料カット下限速度βが設定されることにより、この燃料カット終了後における低下率Rを一旦緩やかにすることができる。これにより、機関回転速度NEが過度に低下することを抑制することができるため、少なくとも上記(1)に示した作用効果と同様の作用効果を奏することができる。なお、こうした低下率Rの算出及び燃料カット下限速度βの設定を継続する態様にあっては、例えば、始動開始時からの経過時間に基づいて上記始動時制御を終了して(例えば、5秒経過時)、低下率Rの算出及び燃料カット下限速度βの設定を終了するようにすればよい。
・上記実施形態では、自動始動時において始動時制御を実行する例を示したが、運転者によるイグニッションキー63aの操作に基づき開始される機関始動時において、上記始動時制御を実行するようにしてもよい。なお、こうした機関始動時にあって、冷却水温THWに応じて燃料カット開始速度αを可変設定する場合には、例えば、イグニッションスイッチ63からの信号に基づきイグニッションキー63aが「オン」に切り替えられた旨判定されるときに、そのときの冷却水温THWに基づいて上記燃料カット開始速度αを設定するようにすればよい。
・上記実施形態において示した自動停止条件及び自動始動条件については一例であって、適宜変更することができる。また、内燃機関10の構成及び態様についても適宜変更可能であって、例えば筒内噴射型の内燃機関や、上記自動停止始動制御が実行されない内燃機関に本発明を適用してもよい。さらに、駆動源として内燃機関10の他に電動機を備えるハイブリッド車両に搭載される内燃機関に、本発明を適用するようにしてもよい。この場合であっても、内燃機関の動力を要しない運転状態であるときに自動停止条件が成立した旨判定して自動停止を実行し、内燃機関の動力を要するときに自動始動条件が成立した旨判定して上記始動時制御を実行することにより、上記(1)〜(5)に示す各作用効果を奏することができる。
10…内燃機関、11…ピストン、12…燃焼室、13…吸気通路、14…排気通路、15…点火プラグ、16…クランク軸(出力軸)、20…燃料噴射弁、30…スタータ、40…オルタネータ、50…バッテリ、60…電子制御装置、60a…メモリ(基準低下率記憶手段)、61…機関回転速度センサ、62…水温センサ、63…イグニッションスイッチ、63a…イグニッションキー、64…車速センサ、65…ブレーキスイッチ。

Claims (8)

  1. 内燃機関の始動時において、機関回転速度が上昇したときに燃料カットを開始する一方、機関回転速度が所定の燃料カット下限速度まで低下したときに燃料カットを終了する燃料カット手段を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    燃料カットの開始後における機関回転速度の低下率を算出する低下率算出手段と、
    前記低下率算出手段により算出された前記低下率が大きいほど前記燃料カット下限速度を高く設定する設定手段とを備える、
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記低下率算出手段は、単位時間あたりの機関回転速度の低下量を前記低下率として算出する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 燃料カットの終了時から所定期間が経過するまで、その終了時における前記燃料カット下限速度を維持する燃料カット下限速度維持手段を更に備える
    請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 燃料カットの終了時から所定期間が経過するまで、燃料カットを禁止する禁止手段を更に備える
    請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    機関回転速度が目標回転速度に収束するまでの期間が前記所定期間として設定される
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記内燃機関の出力軸に対して外部負荷が作用していない状態で燃料カットが実行された場合において想定される機関回転速度の低下率を、基準低下率として記憶する基準低下率記憶手段を更に備え、
    前記設定手段は、前記低下率が前記基準低下率よりも大きいときに、前記低下率に基づく前記燃料カット下限速度の設定を行う
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記内燃機関の冷却水温が低いときほど燃料カットを開始する機関回転速度を高く設定する
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関は、所定の自動停止条件が成立するときに前記内燃機関を自動停止し、所定の自動始動条件が成立するときに前記内燃機関を自動始動する自動停止始動制御が実行されるものであり、
    前記燃料カット手段は、前記自動停止始動制御による前記内燃機関の自動始動時において、前記燃料カットを実行する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
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