JP4311307B2 - ディーゼルエンジンの自動始動制御方法 - Google Patents

ディーゼルエンジンの自動始動制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機能を有するディーゼルエンジンの自動始動制御方法の改良に関する。
従来、ディーゼルエンジンのエンジン始動時における噴き上がりを良くするため、電磁弁による燃料圧力開放時間を短くし、噴射時期を進角する制御が行われている。この噴射時期制御方法においては、始動時の低温状態における連続爆発中は、初期の爆発時に比べ燃焼室内の壁面等の温度が高く着火時の燃焼が速やかに行われるため、回転数NEの上昇に伴い噴射時期を速め、着火までに噴射される燃料を多くし、より大きな爆発力を得るようにしている。
また、特許文献1には、前記従来の噴射時期制御方法における問題点を解決する提案がされている。すなわち、前記従来の噴射時期制御方法は、低温始動時における着火性が不安定なため、エンジン回転数が上昇して噴射時期が進角すると、着火までに噴射される燃料が多くなるので、着火すると大きな爆発力が得られるが、その一方で、失火もし易くなる。このような噴射時期制御を行った場合、ある気筒内で失火が発生していても、他の気筒では失火していなければエンジン回転数は上昇してしまうので更に噴射時期が進角され、失火が発生した気筒は再び失火してしまうという問題点を有する。このような問題点を解決すべく、特許文献1ではある気筒に失火が発生しても、着火(失火非発生)気筒の爆発力によるエンジン回転数上昇によって噴射時期が進角され、前記失火発生気筒が再び失火してしまうことがなく、低温時の始動性を向上できるディーゼルエンジンの噴射時期制御方法が提案されている。
一方、従来、車載内燃機関においては、車両停止時に内燃機関を自動停止することにより燃費を改善するアイドルストップ機構が採用されているものがある。このアイドルストップ機構は、燃費の改善などのために、自動車が交差点等で走行停止状態となった時に内燃機関を自動停止するとともに、発進操作時にスターターモータを回転させて内燃機関を自動始動させて車両を発進可能とさせる自動停止始動装置である。このような内燃機関の自動停止始動制御装置として、特許文献2や、特許文献3の提案がある。
前記特許文献1で提案された燃料噴射時期制御方法を特許文献2や特許文献3の内燃機関の自動停止始動制御装置に適応すれば、燃費性能を向上させつつ、始動時の良好な始動性を得ることのできるエンジンを提供することができる。
特公平7−18375号公報 特開2000−337188号公報 特開2003−41967号公報
しかしながら、特許文献1の燃料噴射時期制御方法は、基本的に燃料噴射時期の進角を行い、失火状態が検出されたときに、失火が検出された気筒の燃料噴射時期を所定量遅角させるものであるため、アイドルストップ機構を有するエンジンの再始動時の騒音が問題となることがある。すなわち、着火性向上のため、噴射指令を圧縮TDC前に行うようにした場合、アイドルストップ機構を有するエンジンにおける再始動時は筒内温度が十分に高まっており、EGRも無い状態であることから過進角となり燃焼騒音が悪化する。 また、イグニッションキーをオンにして最初にエンジンを始動させるときには、運転者は自らの意思でエンジンを始動させているので、多少なりともその燃焼騒音に対する心構えができているものと考えられるが、アイドルストップ機構による自動停止後に自動的に再始動する場合には、運転者はエンジン始動時の燃焼騒音に対する心構えができていないことも考えられる。また、エンジンが再始動するたびに大音量の燃焼騒音が発生するのも好ましくない。
そこで、本発明は、アイドルストップ後にエンジンを再始動させる際の燃焼騒音の悪化を抑制することができるディーゼルエンジンの自動始動制御方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明は、ディーゼルエンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機能を有するエンジンの自動始動制御方法において、エンジン始動完爆判定後、所定サイクル数に亘って遅角噴射制御を行うことを特徴とするディーゼルエンジンの自動始動制御方法とした。ここで、前記所定サイクル数をEGRが筒内に流入するまでのサイクル数とした構成とすることができる。
また、このようなディーゼルエンジンの自動始動制御方法において、前記所定サイクル数をカウントする以前に通常噴射制御復帰回転数に到達したときは、前記遅角噴射制御から通常噴射制御へ復帰させるようにすることができ、さらに、前記遅角噴射制御における遅角量をエンジン水温データに基づいて決定する構成とすることができる。
また、このようなディーゼルエンジンの自動始動制御方法において前記遅角噴射制御がされたメイン噴射を行うとともに、パイロット噴射を行う構成とすることができる。さらに、このようにパイロット噴射を行う場合には、前記遅角噴射制御されたパイロット噴射の時期が圧縮上死点(以下、単に「TDC」という)に近づくほどパイロット噴射量を減量し、前記遅角噴射制御されたパイロット噴射の時期がTDCから離れるほどパイロット噴射量を増量することが望ましい。
また、本発明のディーゼルエンジンの自動始動制御装置は、ディーゼルエンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機構と、当該アイドルストップ機構によるエンジン再始動時にエンジン始動完爆判定後、所定サイクル数に亘って遅角噴射制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、アイドルストップ機構によるエンジン再始動時に燃料噴射時期を遅角するようにしたので、エンジン再始動時における燃焼騒音を低減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、車両に搭載され、本発明の自動始動制御方法によりアイドルストップ後の自動始動制御が行われるディーゼルエンジン(以下、「エンジン」という)11にとりつけられた制御装置のシステム構成図である。ECU1には、水温センサ2、ブレーキペダル3aと連動したブレーキスイッチ3b、車速センサ4、エンジン回転数センサ5、スロットルバルブ6、エンジンスタータ7、バッテリ8、燃料噴射ポンプ9、燃料噴射弁9a、アクセルペダル10aと連動したアイドルスイッチ10bが接続されている。また、ECU1はマイクロコンピュータを中心として構成されており、内部のROM1aには、エンジンのアイドルストップ機構をなすエンジン自動停止プログラム、エンジン自動始動プログラムが格納されている。さらに、アイドルストップ機構によりエンジンの再始動を行った際の燃料噴射時期の遅角制御を行う遅角噴射制御プログラムと、この遅角噴射制御プログラムに読み込まれる最大なましサイクル数Ncmに関する第一マップ、最大遅角量IRmaxに関する第二マップも格納されている。
さらに、このエンジンは、図示しないEGRシステムが組み込まれており、ECU1内のROM1aには、このEGRシステムによりエンジン11の筒内にEGRが流入した状態で最適な燃焼状態となるように燃料噴射弁9aの燃料噴射時期が決定され、この状態での制御を通常制御状態とした燃料噴射プログラムが記憶されている。暖機前の燃料噴射時期は、TDCよりもわずかに進角させている。これにより、低温始動時の着火性の向上、爆発力の増大を図っている。
次に、以上のようなシステムによるエンジンの自動停止及び自動始動制御方法について説明する。アイドルストップ機構をなすエンジンの自動停止プログラムは、(1)エンジンが暖機後であり、かつ、過熱していない状態(エンジン冷却水の水温Twが水温上限値Twmaxよりも低く、かつ、水温下限値Twminより高い)、(2)アクセルペダル10aが踏まれていない状態(アイドルスイッチ10b、オン)、(3)バッテリ8の充電量が基準電圧以上、(4)ブレーキペダル3aが踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ3b、オン)、(5)車両が停止している状態のときに自動的にエンジンを停止するようにプログラムされている。
図2は、この自動停止プログラムに基づくフローチャートを示すものである。自動停止プログラムに基づく処理は予め設定した短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。この処理が開始されると、まず、ステップS01で自動停止実行を判定する運転状況が読み込まれる。すなわち、水温センサ2により検出された水温Tw、アイドルスイッチ10bから検出されるアクセルペダル10aの踏み込みの有無、バッテリ8の電圧、ブレーキスイッチ3bから検出されるブレーキペダル3aの踏み込みの有無、車速センサ4から検出される車速をECU1内のRAMの作業領域に読み込む。次にステップS02でこれらの運転状態から前記(1)〜(5)の自動停止条件の全てを満たしているか否かの判断が行われ、(1)〜(5)の自動停止条件の全てを満たしている場合にはステップS03に進んでエンジンを停止する。
エンジンが停止した状態となると、エンジンの自動始動プログラムによる制御が行われる。図3は、この自動始動プログラムに基づくフローチャートを示すものである。自動始動プログラムに基づく処理は予め設定した短時間毎に周期的に繰り返し実行される処理である。この処理が開始されると、まず、ステップS11で自動始動実行を判定する運転状況が読み込まれる。すなわち、水温センサ2により検出された水温Tw、アイドルスイッチ10bから検出されるアクセルペダル10aの踏み込みの有無、バッテリ8の電圧、ブレーキスイッチ3bから検出されるブレーキペダル3aの踏み込みの有無、車速センサ4から検出される車速をECU1内のRAMの作業領域に読み込む。次にステップS12でこれらの運転状態から前記(1)〜(5)の自動停止条件の全てを満たしているか否かの判断が行われ、(1)〜(5)の自動停止条件のうち、ひとつでも満たしていないものがある場合にはステップS13に進んでエンジン始動制御を開始する。
エンジン始動制御が開始されるとECU1は、遅角噴射制御プログラムに基づく制御を開始する。図4は、遅角噴射制御プログラムに基づくフローチャートを示すものである。遅角噴射制御プログラムによる処理は、まず、ステップS21でECU1がエンジンスタータ7に指令を出しエンジンスタータ7を駆動するとともに、スロットルバルブ6に指令を出してスロットル全開の状態とする。次いで、ステップS22に進む。
ステップS22では、ECU1は、エンジン11が完爆状態となっているか否かの判定を行う。すなわち、ECU1はエンジン回転数Neが完爆判定エンジン回転数Neよりも大きくなっており、エンジンスタータ7の駆動力によらなくても連続回転可能な状態となっているか否かの判定を行う。ここで、完爆判定エンジン回転数Neは、エンジン11の特性に基づくものであるため、予め実験により求めておき、その値をECU1内のROM1aに記憶させてある。本実施例における完爆判定エンジン回転数Neは、400rpmである。
ステップS22でECU1がYESと判定した場合、すなわちエンジン11が完爆状態になったと判定された場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、ECU1により最大なましサイクル数Ncm及び最大遅角量IRmaxが取得される。ここで、最大なましサイクル数Ncmは、遅角噴射制御により遅角噴射を行うエンジン11のサイクル数であるが、エンジン11の再始動後、EGRが筒内に流入するまでのサイクル数に対応させている。従って、最大なましサイクル数Ncmを決定するためには、EGRが筒内に流入したか否かを判断すればよいこととなるが、エンジン回転数センサ5から取得したエンジン回転数Neと水温センサ2から取得した水温Twの値を参照することによりEGRが筒内に流入したか否かを判断することができる。そこで、本実施例では、予め実験により図5に示した第一マップを作成し、これをECU1内のROM1aに記憶させておき、これを読み出すことによって最大なましサイクル数Ncmを決定するようにしている。例えば、エンジン回転数Neが400〜475rpmで水温Twが0℃の条件では、EGRが筒内に流入するまでに要するサイクル数は10サイクルで、従って、最大なましサイクル数Ncmは10サイクルとなる。エンジン回転数が625〜700rpmで水温Twが80〜100℃の条件では、EGRが筒内に流入するまでに要するサイクル数は2サイクルで、従って、最大なましサイクル数Ncmは2サイクルということになる。
このようにEGRが筒内に流入するまでのサイクル数を最大なましサイクル数Ncmとしたのは、以下の理由による。すなわち、エンジン11が始動した後は、EGRシステムによりエンジン11の筒内にEGRが流入した状態で最適な燃焼状態となるように燃料噴射時期が制御されるが、エンジン11の再始動時にはそれまでエンジン11は停止していたことから筒内にEGRは流入していない。このようにエンジン再始動時に筒内にEGRが流入していないときは遅角制御を行って燃焼騒音を低減させる必要があるが、エンジン11の再始動後、筒内にEGRが流入してくれば、通常制御に切り替えても差し支えない。そこで、EGRが筒内に流入するまでのサイクル数を最大なましサイクル数Ncmとして燃焼騒音を低減する構成としている。
一方、本実施例における最大遅角量IRmaxは、水温センサ2により取得した水温Twに基づいて決定する。このため、最大遅角量IRmaxは予め実験を行って作成した図6に示す第二マップに基づいて決定される。最大遅角量IRmaxは、この第二マップから明らかなように水温Twが高いほど、値が大きくなっている。
ステップS22でECU1がNOと判定した場合、すなわち、エンジン11が完爆状態となっていないときは、ステップS21に戻って完爆判定がされるまで同一の処理を繰り返し行う。
ステップS23で最大なましサイクル数Ncm及び最大遅角量IRmaxを取得した後は、ステップS24に進む。ステップS24ではステップS22で完爆と判定された後のサイクル数(なましサイクル数)をカウントすべく、カウンターをリセットし、Nc=0の状態とする。但し、このカウンターをリセットする処理は、完爆と判定された後のサイクル数をカウントできる状態となっていれば良いので、ステップS24のタイミングで行う必要はなく、例えば、ステップS23における処理と同時でも良いし、ステップS22の前や後等、どのタイミングで行っても良い。
ステップS24で完爆後サイクル数をリセットする処理を行った後は、ECU1はステップS25で、実際に燃料を噴射する時期となる遅角量IRを算出する。
遅角量IRは、以下の式、
IR=C・IRmax・(Ncm−Nc)/Ncm
によって算出される。ここで、計算式中のCは、実験から求めた係数で、ECU1内のROM1aに記憶されている。
ステップS25で遅角量IRを算出したECU1は、ステップS26に進み、燃料噴射弁9aに対し、ステップS25で算出した遅角量IRのタイミングで燃料を噴射させる噴射指令を行う。このように遅角量IRのタイミングで燃料噴射を行えば、燃焼騒音を低減することができる。ステップS26で噴射を一回行った後は、ステップS27に進んで完爆後のサイクル数を「1」増加させるようにカウントを行う。
ステップS26において、遅角制御されたタイミングで燃料噴射を一回行い、ステップS27で完爆後のサイクル数をひとつ増加させた後は、ステップS28に進む。ステップS28では、完爆後のサイクル数Ncが最大なましサイクル数Ncmを上回っているか否か(Nc>Ncm)、または、エンジン回転数Neが通常噴射制御復帰エンジン回転数Neを上回っているか否か(Ne>Ne)の判定を行う。これらは、遅角噴射制御から通常噴射制御に復帰するための条件であり、いずれかの条件が満たされていればステップS29に進み、ECU1は燃料噴射時期の制御を通常噴射制御に復帰させる。この通常噴射制御は、エンジン11の再始動時の燃焼騒音を低減するための遅角措置を伴わない、通常運転状態における燃料噴射の制御である。
ここで、Nc>Ncmとの条件が満たされた場合は、予め実験で求めた値に基づく最大なましサイクル数分、サイクル数がカウントされたことになりEGRが筒内に流入したと判断できるため通常噴射制御に復帰させて差し支えない。一方、Ne>Neとの条件を満たしている場合も通常噴射制御に復帰させる。この通常噴射制御復帰エンジン回転数Neは、エンジン11のアイドル回転数よりもわずかに低い回転数であり、この通常噴射制御復帰エンジン回転数Neまでエンジン11の回転数が上昇していれば、その後、アイドル回転数まで上昇すると見込まれる。そこで、Ne>Neとの条件を満たしている場合も、通常噴射制御に復帰させて差し支えない。本実施例では、通常噴射制御復帰エンジン回転数Neは700rpmに設定されており、この値は、ECU1内のROM1aに記憶されている。このようにNe>Neの条件を満たした場合に、遅角噴射制御を終了し、通常噴射制御に復帰させるようにすればエンジン始動後、もたつくことなく即座に車両を発進させることができる。すなわち、遅角噴射制御を行っているときは、燃焼騒音を低減できる一方でエンジン11の出力は抑制されているので、エンジン回転数Neが上昇しており、Ne>Neの条件を満たした場合に通常噴射制御に復帰させればスムーズな車両の発進が可能であり、運転者が違和感を覚えることも少ない。
一方、ステップS28で、ECU1がNOと判断した場合、すなわち、Nc>Ncm、または、Ne>Neとの条件をいずれも満たしていない場合はステップS25へ戻って、遅角噴射制御を継続する。
以上のような自動始動制御を行うことにより、エンジン11の再始動時の燃焼騒音を低減することができる。また、ステップS28において、エンジン回転数Neが通常制御復帰エンジン回転数Neよりも高い場合に通常噴射制御に復帰させるようにしたので、エンジン始動後の走行のもたつきを回避することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。この実施例2が実施例1と異なる点は、メイン噴射の前にパイロット噴射を行い、パイロット噴射に伴う制御がなされている点である。このようにパイロット噴射を行うことによって、遅角噴射制御を行うことによる燃焼騒音の低減と、良好な着火性を確保している。図7は、パイロット噴射を行う実施例2における遅角噴射制御プログラムに基づくフローチャートを示すものである。以下、実施例2につき、実施例1と異なる点を中心に説明する。
なお、説明の都合上、実施例1では単に「噴射」と表現していたものを、実施例2の説明において「メイン噴射」といい、「パイロット噴射」と区別して用いることとする。
実施例2では、メイン噴射の前にパイロット噴射を行って着火性を確保しているが、このパイロット噴射の噴射時期も遅角噴射制御の対象としている。また、遅角噴射制御に伴って、パイロット噴射の噴射量も制御している。このため、ECU1内のROM1aには修正パイロット噴射量Qpfを算出するための係数Kに関する第三マップが記憶されている。
図7に示した実施例2における遅角噴射制御プログラムに基づくフローチャートは、ステップS51からステップS57までがパイロット噴射に関する制御工程となっており、このステップS51からステップS57までの工程が図4に示した実施例1における遅角噴射制御プログラムに基づくフローチャートのステップS25とステップS26との間に組み込まれている。
実施例1の場合と同様に制御工程がステップS25まで進むと、ECU1はステップS51で、遅角噴射制御を行っていないときの通常制御パイロット時期Ainjpbと、遅角噴射制御を行っていないときの通常制御パイロット噴射量Qpbを取得し、ステップS52へ進む。
ステップS52では、ECU1は、まずパイロット噴射遅角量IRpを算出する。このパイロット噴射遅角量IRpは、ステップS25で算出したメイン噴射の遅角量IRから算出するようにしており、この実施例2では、メイン噴射遅角量IRの2分の1の大きさとしている。従って、メイン噴射遅角量IRと、パイロット噴射遅角量IRpとは、図8に示すような関係となる。このようにパイロット噴射遅角量IRpをメイン噴射遅角量IRよりも小さな値とするのは、着火性を確保するためである。すなわち、燃焼騒音を低減すべくメイン噴射を遅角したときにパイロット噴射を全く遅角させないとメイン噴射の着火性が低下する。その一方で、パイロット噴射を遅角させすぎると、パイロット噴射の効果(着火性、低騒音性)が低下するおそれがある。そこで、筒内の着火性を確保するためのパイロット噴射については、メイン噴射の遅角量よりも小さい量を遅角させて、筒内の着火性を確保している。
このようにパイロット噴射遅角量IRpを算出した後、ECU1は、そのパイロット噴射遅角量IRpの値と通常制御パイロット時期Ainjpbから修正パイロット時期Ainjpfを算出し、ステップS53へ進む。
ステップS53では、ECU1は、通常制御パイロット時期AinjpbがTDC前で、ステップS52で算出した修正パイロット時期AinjpfがTDC後であるか否かの判断をする。このステップS53でECU1がYESと判断した場合、すなわち、通常制御パイロット時期AinjpbがTDC前で、ステップS52で算出した修正パイロット時期AinjpfがTDC後のときは、ステップS54に進む。ステップS54では、修正パイロット時期AinjpfがTDCを越えないように修正パイロット時期AinjpfをTDCにセットする。修正パイロット時期Ainjpfに対し、このような補正を行うことにより、パイロット噴射は、TDC以前に行われるようになる。修正パイロット時期Ainjpfに対してこのような補正を行うステップS54では、さらに、パイロット噴射遅角量IRpについても、ステップS52で算出した値から値を変更しておく。すなわち、パイロット噴射遅角量IRpを(通常制御パイロット時期Ainjpb−TDC)の値に変更してセットする。これらのセットを行った後、ステップS55へ進む。一方、ステップS53でECU1がNOと判断した場合もステップS55へ進む。
ステップS55では、ECU1は、ステップS51で取得した通常制御パイロット時期AinjpbがTDC前であったか否かを判断する。
ステップS55でECU1がYESと判断した場合は、ステップS56へ進む。ステップS56では、図9に示した第三マップのうち、A.噴射量減量補正係数Kに関するマップを参酌し、修正パイロット噴射量Qpfを算出する。ステップS56でこのように噴射量の減量補正を行うのは、以下の理由による。すなわち、ステップS56の措置が採られる場合は、ステップS55でECU1がYESと判断したときであるが、ステップS55でYESと判断されるときは、パイロット噴射を遅角することによってパイロット噴射時期がTDCに近づくようになる場合である。このようにパイロット噴射の時期がTDCに近づくようになるときは、パイロット噴射量は少量であっても十分な着火性を確保することができる。これが噴射量の減量補正を行う理由である。このため、ステップS56では、
修正パイロット噴射量Qpf=K×通常パイロット噴射量Qpb
の計算式より修正パイロット噴射量Qpfを算出する。
一方、ステップS55でECU1がNOと判断した場合は、ステップS57へ進む。ステップS57では、図9に示した第三マップのうち、B.噴射量増量補正係数Kに関するマップを参酌し、修正パイロット噴射量Qpfを算出する。ステップS57でこのように噴射量の増量補正を行うのは、以下の理由による。すなわち、ステップS57の措置が採られる場合は、ステップS55でECU1がNOと判断したときであるが、ステップS55でNOと判断されるときは、パイロット噴射を遅角することによってパイロット噴射時期がTDCから離れるようになる場合である。このようにパイロット噴射時期がTDCから離れるようになるときは、パイロット噴射の噴射量を増量しなければ十分な着火性を確保することができない。これが噴射量の増量補正を行う理由である。以上の理由により、ステップS57では、修正パイロット噴射量Qpfを算出する際に、噴射量増量補正係数Kを参酌する。なお、計算式自体は、ステップS56のときと同様である。
以上のように、ステップS56またはステップS57で修正パイロット噴射量Qpfを算出した後は、ステップS26へ進み。それぞれ算出した値に基づく噴射時期、噴射量のメイン噴射、パイロット噴射を行う。
図10は、メイン噴射とパイロット噴射を行う場合の遅角量の変化とEGR率の変化との対応関係を表した説明図であるが、EGRが導入されるまでは、メイン噴射、パイロット噴射ともに遅角側に制御されているが、EGRが導入され始めると、メイン噴射、パイロット噴射ともに徐々に進角側に移行し、最終的には通常噴射制御における噴射時期に収束している。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明の実施例のシステム構成図である。 図1に示すシステムに含まれるECUが実行するエンジンの自動停止処理を示すフローチャートである。 同じくECUが実行するエンジンの自動始動処理を示すフローチャートである。 遅角噴射制御プログラムに基づくフローチャート。 最大なましサイクル数に関する第一マップの一例である。 最大遅角量に関する第二マップの一例である。 パイロット噴射を行う場合の遅角噴射制御プログラムに基づくフローチャートである。 メイン噴射遅角量とパイロット噴射遅角量との関係を示す説明図である。 パイロット噴射量補正係数に関する第三マップの一例である。 メイン噴射とパイロット噴射を行う場合の遅角量の変化とEGR率の変化との対応関係を表した説明図である。
符号の説明
1 ECU
1a ROM
2 水温センサ
3a ブレーキペダル
3b ブレーキスイッチ
4 車速センサ
5 エンジン回転数センサ
6 スロットルバルブ
7 エンジンスタータ
8 バッテリ
9 燃料噴射ポンプ
9a 燃料噴射弁
10a アクセルペダル
10b アイドルスイッチ
11 エンジン

Claims (7)

  1. ディーゼルエンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機能を有するディーゼルエンジンの自動始動制御方法において、
    エンジン始動完爆判定後、EGRが筒内に流入するまでのサイクル数に亘って遅角噴射制御を行うことを特徴とするディーゼルエンジンの自動始動制御方法。
  2. 前記所定サイクル数をカウントする以前に通常噴射制御復帰回転数に到達したときは、前記遅角噴射制御から通常噴射制御へ復帰させることを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの自動始動制御方法。
  3. 前記遅角噴射制御における遅角量をエンジン水温データに基づいて決定することを特徴とした請求項1又は2記載のディーゼルエンジンの自動始動制御方法。
  4. 請求項1乃至のいずれか一項記載のディーゼルエンジンの自動始動制御方法において、
    前記遅角噴射制御がされたメイン噴射を行うとともに、パイロット噴射を行うことを特徴とするディーゼルエンジンの自動始動制御方法。
  5. 請求項記載のディーゼルエンジンの自動始動制御方法において、
    前記パイロット噴射を遅角噴射制御の対象に含め、パイロット噴射の遅角量をメイン噴射の遅角量よりも小さくしたことを特徴とするディーゼルエンジンの自動始動制御方法。
  6. 請求項記載のディーゼルエンジンの自動始動制御方法において、前記遅角噴射制御されたパイロット噴射の時期が圧縮上死点に近づくほどパイロット噴射量を減量し、前記遅角噴射制御されたパイロット噴射の時期が圧縮上死点から離れるほどパイロット噴射量を増量することを特徴としたディーゼルエンジンの自動始動制御方法。
  7. ディーゼルエンジンの自動停止及び自動始動を行うアイドルストップ機構と、
    当該アイドルストップ機構によるエンジン再始動時にエンジン始動完爆判定後、EGRが筒内に流入するまでのサイクル数に亘って遅角噴射制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの自動始動制御装置。
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