JP6881239B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明はスタータモータを使用せずに内燃機関を再始動させる着火始動を行う内燃機関の制御装置に関するものである。
特許文献1には、停止条件の成立に伴い燃料噴射を停止したあとの、慣性によりクランクシャフトが回転している停止動作期間中に再始動要求がなされたときに、燃料噴射を再開し、点火を行い、スタータモータを使用せずに内燃機関を再始動させる着火始動を行う制御装置が開示されている。
この制御装置では、燃料噴射を停止したあと、圧縮行程にある気筒のピストンが上死点を越えられなくなる水準まで機関回転速度が低下したときには、着火始動において、膨張行程にある気筒に燃料を噴射し、クランクシャフトの逆転によって圧縮された混合気に点火を行うようにしている。すなわち、この場合には、再始動要求がなされてから膨張行程にある気筒に燃料を噴射し、クランクシャフトの逆転によって膨張行程にある気筒の混合気が十分に圧縮されるのを待ってから点火を行って着火始動する。
特開2005−163612号公報
ところで、上記のような着火始動では、クランクシャフトが逆転するほど機関回転速度が低下した停止直前の状態から混合気の燃焼によるトルクによって圧縮行程にある気筒のピストンが上死点を越えるところまで正転させる必要がある。すなわち、この着火始動は、再始動を成功させることが特に難しい条件下で実行されている。そのため、この着火始動を行う際には、再始動が成功しやすくなるように内燃機関を制御することが望まれている。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するための内燃機関の制御装置は、筒内燃料噴射弁と、点火プラグと、スロットルバルブと、を備えた内燃機関に適用される。この制御装置は、燃料噴射を停止して機関運転を自動停止させる停止動作期間中に再始動要求がなされたときに、燃料噴射及び点火により前記内燃機関を再始動させる着火始動を実行する。そして、この制御装置は、停止動作期間中に、吸気バルブの閉弁タイミングが吸気行程における下死点よりも遅角側に設定されており、且つ圧縮行程にある気筒のピストンが上死点を越えられずにクランクシャフトの回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度が低下してから前記クランクシャフトの回転が停止するまでの間に再始動要求がなされたときには、膨張行程にある気筒に燃料を噴射し、前記クランクシャフトの逆転によって圧縮された混合気に点火を行うことにより、前記着火始動を行う。また、この制御装置は、前記着火始動における点火が行われたときに前記スロットルバルブの開度を大きくする。
内燃機関を始動させる際には、スロットルバルブの開度を大きくしてポンピングロスを小さくすることが好ましい。しかし、吸気バルブの閉弁タイミングを吸気行程における下死点よりも遅角側に設定している場合には、クランクシャフトの逆転中に圧縮行程の気筒の吸気バルブが開いてしまう。そのため、着火始動の実行に先立って、再始動要求がなされたことに基づいて予めスロットルバルブの開度を大きくしておくと、クランクシャフトの逆転に伴って吸気バルブが開いた際に気筒内に空気が入り込みやすくなり、圧縮行程における上死点を越えるために必要なトルクが大きくなって着火始動が失敗しやすくなる。
これに対して、上記構成によれば、着火始動を行う際に、再始動要求がなされてから着火始動における点火が行われるまで待ってからスロットルバルブの開度を大きくする。そのため、クランクシャフトの逆転に伴って吸気バルブが開いたとしても、そのときにはスロットルバルブの開度が大きくされていないため、気筒内に空気が入りにくくなる。したがって、圧縮行程における上死点を越えるために必要なトルクが大きくなってしまうことを抑制することができる。また、着火を行うときにスロットルバルブの開度を大きくするため、混合気の燃焼によるトルクの発生時には、ポンピングロスを低減することができる。したがって、上記構成によれば、着火始動に際して、圧縮行程における上死点を越えるために必要なトルクの増大を抑制しつつ、ポンピングロスを低減することができ、着火始動による再始動の失敗を抑制することができる。
内燃機関の制御装置と、同制御装置の制御対象である内燃機関の概略構成を示す模式図。 停止動作期間における機関回転速度の推移を示すタイムチャート。 吸気バルブの閉弁タイミングを示す図。 着火始動時のスロットル開度の変更に関する処理の流れを示すフローチャート。 判定フラグの更新に関する処理の流れを示すフローチャート。 クランクシャフトが逆転する前に再始動要求がなされる場合の機関回転速度の推移(a)とスロットル開度の推移(b)とを示したタイミングチャート。 クランクシャフトが逆転する水準まで機関回転速度が低下してから再始動要求がなされる場合の機関回転速度の推移(a)とスロットル開度の推移(b)とを示したタイミングチャート。 クランクシャフトが停止してから再始動要求がなされる場合の機関回転速度の推移(a)とスロットル開度の推移(b)とを示したタイミングチャート。
以下、内燃機関の制御装置の一実施形態について説明する。
図1に示されているように、制御装置60の制御対象である内燃機関1は、車両に駆動力源として搭載される車載内燃機関である。また、内燃機関1は、第1気筒から第4気筒まで4つの気筒11を備えた直列4気筒型の内燃機関であり、図1にあっては4つの気筒11のうち、1つのみを図示している。
図1に示されているように、内燃機関1のシリンダブロック10に形成された気筒11には、ピストン12がそれぞれ往復動可能に収容されている。また、シリンダブロック10には、冷却水が循環するウォータジャケット17が各気筒11を取り囲むように形成されている。
ピストン12は、図1の下方に示されているようにコネクティングロッド16を介してクランクシャフト15に連結されている。また、内燃機関1には機関始動時にクランクシャフト15を駆動するスタータモータ18が設けられている。
シリンダブロック10の上端部には、シリンダヘッド20が組み付けられている。これにより、気筒11の内周面とピストン12の上面、シリンダヘッド20の下面によって燃焼室13が区画形成されている。シリンダヘッド20には、各燃焼室13内にその先端部が露出するように点火プラグ14が設けられている。また、シリンダヘッド20には、各燃焼室13に連通する吸気ポート21及び排気ポート22がそれぞれ形成されている。各吸気ポート21は、吸気通路30の一部を構成している。そして、各排気ポート22は、排気通路40の一部を構成している。また、シリンダヘッド20には、燃焼室13内に燃料を噴射する筒内燃料噴射弁34が、それぞれの気筒11に対して1つずつ設けられている。
図1に示されているように、吸気通路30には、モータ33aによって駆動され、燃焼室13に導入される空気の量、すなわち吸入空気量GAを調量するスロットルバルブ33が設けられている。なお、スロットルバルブ33には、退避走行が可能な程度の吸入空気量GAを確保できるオープナ開度である第2開度TA2に向けてスロットルバルブ33を常に付勢するオープナスプリングが設けられている。これにより、この内燃機関1を搭載した車両では、モータ33aに対する通電が行われなくなったときにも退避走行が可能になっている。
シリンダヘッド20には、吸気ポート21を開閉し、吸気通路30と燃焼室13とを連通・遮断する吸気バルブ31と、排気ポート22を開閉し、排気通路40と燃焼室13とを連通・遮断する排気バルブ41とが組み付けられている。なお、各バルブ31,41はバルブスプリングの付勢力によって常に閉弁方向に付勢されている。
これに対して、シリンダヘッド20には、吸気バルブ31を開弁方向に付勢する吸気カム32aが設けられた吸気カムシャフト32が回動可能に支持されているとともに、排気バルブ41を開弁方向に付勢する排気カム42aが設けられた排気カムシャフト42が回動可能に支持されている。
これら吸気カムシャフト32及び排気カムシャフト42は、クランクシャフト15が1回転するのに伴ってそれぞれ2回転するようにタイミングチェーンを介してクランクシャフト15に連結されている。これにより、機関運転時にクランクシャフト15が回転すると、それに伴って吸気カムシャフト32及び排気カムシャフト42が回転する。そして、吸気カム32aの作用によって吸気バルブ31が開弁し、排気カム42aの作用によって排気バルブ41が開弁する。なお、図1に破線で示されているように、吸気カムシャフト32には、クランクシャフト15に対する吸気カムシャフト32の相対回転位相を変更し、吸気バルブ31の開閉タイミングを変更するバルブタイミング変更機構35が取り付けられている。
また、内燃機関1や、この内燃機関1が搭載される車両には、各部の状態を検出する様々なセンサやスイッチが取り付けられている。例えば、車速センサ50は内燃機関1の駆動力によって回転する車輪の回転速度に基づいて車速SPDを検出する。アクセルセンサ51は、運転者によるアクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPを検出する。スロットルポジションセンサ52は、スロットルバルブ33の開度であるスロットル開度TAを検出する。エアフロメータ53は吸気通路30を通じて燃焼室13に導入される空気の量である吸入空気量GAを検出する。
図1の下方に示されているようにクランクシャフト15の近傍に設けられたクランクポジションセンサ54は、クランクシャフト15が回転するのに伴って所定の回転角毎にパルス信号を出力する。なお、このクランクポジションセンサ54は、クランクシャフト15の回転方向が判別可能なタイプのセンサである。
吸気カムシャフト32の近傍に設けられたカムポジションセンサ55は、吸気カムシャフト32の回転位相が所定の位相になる度にパルス信号を出力する。シリンダブロック10に設けられた水温センサ56は、ウォータジャケット17内を循環する機関冷却水の温度である水温ThWを検出する。
ブレーキスイッチ58は、ブレーキペダルが踏み込まれていることを検知する。シフトポジションセンサ59は、内燃機関1が搭載された車両の変速機のシフトポジションを検出する。
内燃機関1を統括的に制御する制御装置60には、これら各種のセンサやスイッチが接続されており、制御装置60は、これら各種のセンサやスイッチからの検出信号を読み込み、機関制御にかかる各種演算処理を実行する。制御装置60は、実行した演算処理の結果に基づいて内燃機関1の各部を制御する。
具体的には、制御装置60は、クランクポジションセンサ54及びカムポジションセンサ55から出力されるパルス信号に基づいて各気筒11が吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、排気行程のいずれに該当するかを判別する気筒判別を実行する。また、クランクポジションセンサ54及びカムポジションセンサ55から出力されるパルス信号に基づいてクランクシャフト15の回転角であるクランク角CAを検出する。そして、検出されたクランク角CAに基づいて各気筒11に対して設けられた筒内燃料噴射弁34や点火プラグ14をそれぞれ制御する。
また、クランクポジションセンサ54から出力されるパルス信号に基づいてクランクシャフト15の回転速度である機関回転速度NEを算出し、この機関回転速度NE及びアクセル操作量ACCPに基づいてモータ33aを制御することによりスロットルバルブ33を駆動して吸入空気量GAを調量する。また、吸入空気量GAに合わせて筒内燃料噴射弁34の開弁期間を制御して燃料噴射量を調量する。なお、クランクシャフト15が正転している場合の機関回転速度NEは正の値で表され、クランクシャフト15が逆転している場合の機関回転速度NEは負の値で表される。
更に、制御装置60には、イグニッションスイッチ70接続されている。イグニッションスイッチ70が、「ON」に操作されることにより、制御装置60への給電が行われるようになり、機関始動要求が検出されて内燃機関1を始動する始動制御が実行されるようになる。機関運転中にイグニッションスイッチ70が「OFF」に操作された場合には、機関停止要求が検出されて機関運転を停止させる機関停止処理が実行される。そして、機関停止処理が実行されて機関運転が停止されたあと、制御装置60への給電が遮断される。
制御装置60は、交差点での信号待ちなどで停車した際に機関運転を自動的に停止させる一方、発進が予測されるときに内燃機関1を自動的に再始動させて機関運転を再開する自動停止始動制御を実行する。
具体的には、制御装置60は、機関運転中に所定の停止条件が成立することにより、停止要求がなされたとき、燃料噴射を停止して内燃機関1を停止させる。例えば、制御装置60は、車速SPDが所定速度よりも低く、ブレーキペダルが踏み込まれていて、アクセル操作量ACCPが「0」であり、更に内燃機関1を停止させることに特に不都合のない状況であれば、停止要求がなされたとして、燃料噴射を停止して機関運転を停止させる。
一方で、所定の始動条件が成立することにより、再始動要求がなされたとき、内燃機関1を自動的に再始動させる。例えば、ブレーキペダルの踏み込みが解除された場合や、アクセル操作量ACCPが「0」よりも大きくなった場合、その他、空調装置やオルタネータなど補機の動作のために機関運転させる必要が生じた場合などに、内燃機関1を自動的に再始動させる。
こうして自動停止始動制御を実行することにより、アイドリング運転が長時間継続することを抑制し、燃料消費量の低減、排出ガスの低減、並びにアイドリング運転に伴う騒音の低減などを図るようにしている。
ところで、制御装置60では、自動停止始動制御を通じて内燃機関1を再始動させる際に、スタータモータ18を使用して内燃機関1を再始動させるスタータ始動と、スタータモータ18を使用せずに燃料噴射及び点火により内燃機関1を再始動させる着火始動とを使い分ける。
スタータ始動では、制御装置60は、スタータモータ18によってクランクシャフト15を回転させることによりクランキングを実行するとともに、圧縮行程における上死点TDC近傍での燃料噴射及び点火を行って内燃機関1を再始動させる。
一方、着火始動では、スタータモータ18によるクランキングを実行せず、燃料噴射及び点火を行って内燃機関1を再始動させる。なお、着火始動には、複数の態様があり、制御装置60は内燃機関1の状態に応じていずれの態様の着火始動を行うかを決定する。
図2に示されているように、時刻t1において停止要求がなされると、燃料噴射が停止し、機関回転速度NEが次第に低下し始める。燃料噴射が停止され、クランクシャフト15が惰性で回転している停止動作期間中のうち、圧縮行程において上死点TDCを越えられると推定される場合(時刻t1〜t2の領域A1)には、制御装置60は、再始動要求がなされたときに圧縮行程にある気筒11に対して燃料を噴射させる。そして、制御装置60は、上死点TDC通過後に点火を実行させて内燃機関1を再始動させ、再始動完了後は通常の機関運転に移行する。この場合には、図2において破線R1で示されているように、機関回転速度NEが上昇し、再始動が完了する。なお、通常の機関運転では、燃料噴射は圧縮行程後半に行われ、点火は圧縮行程における上死点TDC近傍において行われる。圧縮行程において上死点TDCを越えられるか否かの推定は、上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値以上であるか否かに基づいて行われる。すなわち、上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値以上である場合には、次の圧縮行程においても上死点TDCを越えられると推定する。上記の所定値は、上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が上記の所定値以上であれば、次の上死点TDCにおけるクランクシャフト15の回転慣性力が圧縮行程にある気筒11の圧縮反力よりも大きくなるような大きさに設定されている。
上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値未満まで低下した場合には、圧縮行程における上死点TDCを越えられずクランクシャフト15の逆転が生じると推定される。この場合(時刻t2〜t3の領域A2)には、制御装置60は、再始動要求がなされたあと、クランクシャフト15が一旦、逆転状態になり、膨張行程にある気筒11内が圧縮された状態になるのを待って着火始動を行う。
すなわち、圧縮行程にある気筒11のピストン12が上死点TDCを越えられずにクランクシャフト15の回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度NEが低下したあとには、逆転によって膨張行程にある気筒11が圧縮された状態になるのを待って着火始動を行う。
具体的には、制御装置60は、膨張行程にある気筒11に対して燃料を噴射し、クランクシャフト15の逆転によって膨張行程にある気筒11内の混合気が圧縮され、その後、クランクシャフト15の回転方向が逆転方向から正転方向に反転(時刻t3)するのを待って、膨張行程にある気筒11に対して点火を行う。これにより、クランクシャフト15に正転方向のトルクを付与する。そして、制御装置60は、圧縮行程にある気筒11に対して燃料を噴射させたあと、圧縮行程にある気筒11のピストン12が上死点TDCを越えるのを待って、この気筒11に対する点火を行い、内燃機関1を再始動させる。再始動完了後は通常の機関運転に移行する。この場合には、図2において破線R2で示されているように、機関回転速度NEが上昇し、再始動が完了する。
また、制御装置60は、機関回転速度NEが「0」である場合を含め、最初に逆転方向から正転方向への反転が起こった時点以降に再始動要求がなされた場合(図2における時刻t3以降の領域A3)には、スタータ始動によって内燃機関1を再始動させる。
制御装置60は、上記のように図2を参照して説明したとおり、領域A3ではスタータ始動によって内燃機関1を再始動させる。一方で、制御装置60は、領域A1,A2では、着火始動によって内燃機関1を再始動させる。
しかし、着火始動は、内燃機関1の状態によっては、圧縮行程にある気筒11において作用する圧縮反力を上回るだけのトルクを発生させることができず、失敗してしまうおそれがある。
例えば、図3に示されているように、吸気バルブ31の閉弁タイミングIVCを吸気行程における下死点BDCよりも遅角側に設定している場合には、破線矢印で示されているクランクシャフト15の逆転中に圧縮行程の気筒11の吸気バルブ31が開いてしまう。内燃機関1を始動させる際には、スロットル開度TAを大きくしてポンピングロスを小さくすることが好ましい。しかし、着火始動を行う際に、再始動要求がなされたことに基づいて予めスロットル開度TAを大きくしておくと、クランクシャフト15の逆転に伴って吸気バルブ31が開いた際に気筒11内に空気が入り込みやすくなる。その結果、圧縮行程にある気筒11において作用する圧縮反力が大きくなり、着火始動が失敗しやすくなる。すなわち、圧縮行程にある気筒11のピストン12が上死点TDCを越えるために必要なトルクが大きくなって着火始動が失敗しやすくなる。
なお、内燃機関1では、アイドリング運転中は吸気バルブ31の閉弁タイミングIVCを吸気行程における下死点BDCよりも遅角側に設定して、ポンピングロスを低減している。そのため、機関運転中に所定の停止条件が成立することにより、燃料噴射が停止されて停止動作期間に移行したあとも、吸気バルブ31の閉弁タイミングIVCは吸気行程における下死点BDCよりも遅角側になっている。
そこで、制御装置60では、再始動要求を含む始動要求がなされたときにスロットル開度TAを大きくするタイミングを、内燃機関1の状態に応じて変更するようにしている。以下、停止動作期間中に再始動要求がなされた場合のスロットル開度TAの変更に関する処理について説明する。
なお、停止動作期間中には、制御装置60は、スロットル開度TAが第2開度TA2よりも小さく且つ全閉である「0」よりも大きな第1開度TA1になるようにモータ33aを制御する。これは、着火始動に必要な空気を気筒11内に導入する必要がある一方で、気筒11内に空気が大量に導入されているとクランクシャフト15の回転が停止する際に圧縮行程にある気筒11における圧縮反力が大きくなって大きな振動が発生してしまうためである。第1開度TA1の大きさは、着火始動を行うために必要な空気を気筒11に導入する上で最低限必要なスロットル開度TAを実験などを通じて確認し、その結果に基づいて設定されている。
制御装置60は、図4に示されている一連の処理を通じてスロットル開度TAを変更する。この一連の処理は停止動作期間中に再始動要求がなされたときに開始される。
再始動要求がなされ、この一連の処理を開始すると、制御装置60は、まずステップS100において、判定フラグが「1」であるか否かを判定する。なお、判定フラグは、圧縮行程にある気筒11のピストン12が上死点TDCを越えられずにクランクシャフト15の回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度NEが低下していないことを示す「0」が初期状態である。
判定フラグは図5を参照して説明する処理を通じてクランクシャフト15の回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度NEが低下したことを示す「1」に更新される。図5に示されている処理は、クランクシャフト15が停止するまでの停止動作期間中に、上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が検出される度に制御装置60によって実行される。
図5に示されているように、制御装置60は、この処理を開始すると、まずステップS200において、上死点TDCにおける角速度が所定値未満であるか否かを判定する。なお、所定値は、上死点TDCにおける角速度が所定値未満であることに基づいて、圧縮行程にある気筒11のピストン12が上死点TDCを越えられずにクランクシャフト15の回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度NEが低下したことを判定することができる大きさに設定されている。
ステップS200において、上死点TDCにおける角速度が所定値以上であると判定した場合(ステップS200:NO)には、制御装置60は、そのままこの一連の処理を一旦終了させる。一方、ステップS200において、上死点TDCにおける角速度が所定値未満であると判定した場合(ステップS200:YES)には、制御装置60は、処理をステップS210へと進め、判定フラグを「1」に更新してこの一連の処理を一旦終了させる。
このように判定フラグは図5に示されている一連の処理を通じて、クランクシャフト15の回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度NEが低下したときに「1」に更新される。なお、判定フラグはクランクシャフト15が停止し、停止動作期間が終了したときや、再始動が完了したときに「0」にリセットされる。
図4に示されているように、制御装置60は、ステップS100において判定フラグが「1」ではないと判定した場合(ステップS100:NO)、すなわち判定フラグが「0」のときには、処理をステップS120へと進め、スロットル開度TAを大きくする。ステップS120では、第1開度TA1になっているスロットル開度TAを、ポンピングロスを小さくするために、第2開度TA2よりも大きな第3開度TA3に変更する。
一方、制御装置60は、ステップS100において判定フラグが「1」であると判定した場合(ステップS100:YES)には、処理をステップS110へと進め、着火始動が実行されたか否かを判定する。そして、制御装置60は、ステップS110において着火始動が実行されていないと判定した場合(ステップS110:NO)には、ステップS110を繰り返す。一方で、制御装置60は、ステップS110において着火始動が実行されたと判定した場合(ステップS110:YES)には、処理をステップS120へと進め、第1開度TA1になっているスロットル開度TAを、ポンピングロスを小さくするために、第2開度TA2よりも大きな第3開度TA3に変更する。こうしてスロットル開度TAを第3開度TA3に変更すると、制御装置60は、図4に示されているこの一連の処理を終了させる。
図4を参照して説明したように、制御装置60は、再始動要求がなされたときに判定フラグが「1」になっていない場合(ステップS100:NO)には、すぐにスロットル開度TAを大きくする。一方で、制御装置60は、再始動要求がなされたときに判定フラグが「1」になっている場合(ステップS100:YES)には、着火始動が行われるまで待ってからスロットル開度TAを大きくする。
次に、図6〜図8を参照して、この制御装置60による作用について説明する。なお、図6はクランクシャフト15が逆転する前に再始動要求がなされる場合の機関回転速度NEの推移とスロットル開度TAの推移とを示し、図7はクランクシャフト15が逆転し得る水準まで機関回転速度NEが低下してから再始動要求がなされる場合の機関回転速度NEの推移とスロットル開度TAの推移とを示している。また、図8はクランクシャフト15が停止してから再始動要求がなされる場合の機関回転速度NEの推移とスロットル開度TAの推移とを示している。
図6(b)に示されているように、時刻t1において停止要求がなされると、スロットル開度TAは第1開度TA1に変更される。そして、図6(a)に示されているように次第に機関回転速度NEが低下していく。なお、このときには判定フラグは「0」になっている。
図6(a),図7(a),図8(a)には再始動要求のタイミングが矢印で示されている。図6では上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値以上であり、判定フラグが「1」に更新されていない状態において再始動要求がなされる例を示している。そのため、時刻t11において再始動要求がなされると、スロットル開度TAが第3開度TA3に変更され、スロットル開度が大きくなる。そして、時刻t13において着火始動がなされ、再始動が行われる。
このようにクランクシャフト15が逆転する前に再始動要求がなされる場合には、再始動要求がなされたときに、すぐにスロットル開度TAが大きくされ、その後に着火始動が行われる。
次に、図7を参照してクランクシャフト15が逆転し得る水準まで機関回転速度NEが低下してから再始動要求がなされた場合の作用を説明する。停止動作期間中に、図7(a)に示されているように時刻t2において上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値未満になると、判定フラグが「1」に更新される。図7では上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値未満であり、判定フラグが「1」に更新されたあとに再始動要求がなされる例を示している。そのため、時刻t21において再始動要求がなされたときには、スロットル開度TAは変更されない。図7(b)に示されているように、この場合にはクランクシャフト15の逆転によって圧縮行程にある気筒11において混合気が圧縮され、時刻t22において着火始動がなされたときにスロットル開度TAが第3開度TA3に変更される。
このようにクランクシャフト15が逆転し得る水準まで機関回転速度NEが低下してからクランクシャフト15が停止するまでの間に再始動要求がなされる場合には、再始動要求がなされたときに、すぐにスロットル開度TAを大きくするのではなく、着火始動が行われるのを待ってからスロットル開度TAが大きくされ、再始動が行われる。
最後に、図8を参照してクランクシャフト15が停止してから再始動要求がなされた場合の例を説明する。図8(b)に示されているように、時刻t4においてクランクシャフト15が停止すると、モータ33aへの通電制御が終了し、オープナスプリングの付勢力によってスロットル開度TAはオープナ開度である第2開度TA2に変更される。そして、時刻t5において再始動要求がなされると、図8(b)に示されているようにスロットル開度TAが第3開度TA3に変更されるとともに、スタータ始動が実行され、図8(a)に示されているように機関回転速度NEが上昇して内燃機関1が再始動する。
以上説明した実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)クランクシャフト15の逆転が生じ得る水準まで機関回転速度NEが低下した状態で着火始動を行う際に、着火始動における点火が行われるまで待ってからスロットル開度TAを大きくする。そのため、クランクシャフト15の逆転に伴って吸気バルブ31が開いたとしても、そのときにはスロットル開度TAが大きくされていないため、気筒11内に空気が入りにくい。したがって、圧縮行程における上死点TDCを越えるために必要なトルクが大きくなってしまうことを抑制することができる。また、着火を行うときにスロットル開度TAを大きくするため、混合気の燃焼によるトルクの発生時には、ポンピングロスを低減することができる。したがって、着火始動に際して、圧縮行程における上死点TDCを越えるために必要なトルクの増大を抑制しつつ、ポンピングロスを低減することができ、着火始動による再始動の失敗を抑制することができる。
(2)クランクシャフト15の逆転が生じ得る水準まで機関回転速度が低下していない状態のときには、クランクシャフト15の逆転が生じ得る水準まで機関回転速度が低下した状態と比較して機関回転速度NEが高い。そのため、着火始動が行われるのを待ってからスロットル開度TAを大きくしていたのでは、ポンピングロスの低減が間に合わず、再始動の失敗を招くおそれがある。これに対して、上記の制御装置60は、クランクシャフト15の逆転が生じ得る水準まで機関回転速度が低下していない状態で着火始動を行う際には、再始動要求がなされたときにスロットル開度TAを大きくする。そのため、ポンピングロスの低減の遅れによる再始動の失敗を抑制することができる。
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・制御装置60は、自動停止始動制御を通じて機関運転を自動的に停止させる際、燃料噴射の停止に加え、点火プラグ14による点火を停止してもよい。
・上記実施形態と同様の構成は、ハイブリッド車両に搭載される内燃機関を制御する制御装置にも適用することができる。すなわち、停車直前の極低速時や停車時に自動停止、再始動する自動停止始動制御が行われる内燃機関に限らず、走行中に自動停止し、再始動する内燃機関に適用することもできる。
・クランクシャフト15が逆転し得る水準まで機関回転速度NEが低下したことを判定するための条件は、適宜変更することができる。例えば、上死点TDCにおけるクランクシャフト15の角速度が所定値未満であるか否かの判定に先立ち、クランクシャフト15が逆転方向に回転しているか否かを判定し、クランクシャフト15が逆転方向に回転していると判定した場合にも判定フラグを「1」に更新するようにしてもよい。また、機関回転速度NEがクランクシャフト15の回転方向が逆転方向に反転し得るほど低くなっていることを機関回転速度NEが所定回転速度未満になったことに基づいて判定するようにしてもよい。
1…内燃機関、10…シリンダブロック、11…気筒、12…ピストン、13…燃焼室、14…点火プラグ、15…クランクシャフト、16…コネクティングロッド、17…ウォータジャケット、18…スタータモータ、20…シリンダヘッド、21…吸気ポート、22…排気ポート、30…吸気通路、31…吸気バルブ、32…吸気カムシャフト、32a…吸気カム、33…スロットルバルブ、33a…モータ、34…筒内燃料噴射弁、35…バルブタイミング変更機構、40…排気通路、41…排気バルブ、42…排気カムシャフト、42a…排気カム、50…車速センサ、51…アクセルセンサ、52…スロットルポジションセンサ、53…エアフロメータ、54…クランクポジションセンサ、55…カムポジションセンサ、56…水温センサ、58…ブレーキスイッチ、59…シフトポジションセンサ、60…制御装置、70…イグニッションスイッチ。

Claims (1)

  1. 筒内燃料噴射弁と、点火プラグと、スロットルバルブと、を備えた内燃機関に適用され、
    燃料噴射を停止して機関運転を自動停止させる停止動作期間中に再始動要求がなされたときに、燃料噴射及び点火により前記内燃機関を再始動させる着火始動を実行する内燃機関の制御装置であり、
    停止動作期間中に、吸気バルブの閉弁タイミングが吸気行程における下死点よりも遅角側に設定されており、且つ圧縮行程にある気筒のピストンが上死点を越えられずにクランクシャフトの回転方向が正転方向から逆転方向に反転し得る水準まで機関回転速度が低下してから前記クランクシャフトの回転が停止するまでの間に再始動要求がなされたときには、
    膨張行程にある気筒に燃料を噴射し、前記クランクシャフトの逆転によって圧縮された混合気に点火を行うことにより、前記着火始動を行い、
    再始動要求がなされてから前記着火始動における点火が行われるまで待って前記スロットルバルブの開度を大きくする内燃機関の制御装置。
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