JP2006240357A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 運転者の加速意思や減速意思を踏まえて車両の挙動制御を行うことができ、ドライブフィーリングを向上させる。
【解決手段】 車両の挙動を安定化させる挙動制御を実行する挙動安定化制御手段56と、運転者による操作入力に基づいて運転者の加速意思および減速意思の各々の有無を判定する加減速意思判定手段54とを備え、加減速意思判定手段54の判定に応じて、閾値Sを変更する閾値変更手段57が、加減速意思判定手段54により加速意思が有ると判定された場合に、閾値Sをこれよりも高い高閾値に変更する制御と、減速意思が有ると判定された場合に、閾値Sをこれよりも低い低閾値に変更する制御のうち少なくとも一方を実行し、前記挙動安定化制御手段は、前記閾値変更手段によって変更された閾値に基づいて挙動制御する構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】 車両の挙動を安定化させる挙動制御を実行する挙動安定化制御手段56と、運転者による操作入力に基づいて運転者の加速意思および減速意思の各々の有無を判定する加減速意思判定手段54とを備え、加減速意思判定手段54の判定に応じて、閾値Sを変更する閾値変更手段57が、加減速意思判定手段54により加速意思が有ると判定された場合に、閾値Sをこれよりも高い高閾値に変更する制御と、減速意思が有ると判定された場合に、閾値Sをこれよりも低い低閾値に変更する制御のうち少なくとも一方を実行し、前記挙動安定化制御手段は、前記閾値変更手段によって変更された閾値に基づいて挙動制御する構成とした。
【選択図】 図3
Description
本発明は、車両旋回時の車両の挙動を安定化させる挙動安定化制御手段を備えた車両用ブレーキ制御装置に関する。
従来、自動車等の車両の挙動を安定化させるよう車両の車輪の制動力を自動的に制御(以下、挙動制御という)する車両用ブレーキ制御装置が知られている。このような車両用ブレーキ制御装置では、一般的に、車輪間に制動力差を生じさせることで、車両旋回時における車両の実際のヨーレートが目標ヨーレートになるように挙動制御が行われ、車両の挙動の安定化が図られている。
また、車両旋回時における車両の挙動を安定化させる車両用ブレーキ制御装置として、例えば、アクセルペダルの踏み込み速度、またはアクセルペダルの戻し速度に基づいて、左右後輪の旋回内側輪等に制動力を付与し、車両旋回中のアクセル操作に起因するオーバーステア特性やアンダーステア特性を未然に防ぐようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
さらにまた、挙動制御中にアクセルペダルの操作量が増加傾向にある場合、あるいは基準値以上である場合に、挙動制御を終了させる車両用ブレーキ制御装置も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、車両旋回時に、例えば、運転者によりアクセルペダルを急激に踏み込む操作が行われると、車両後方への荷重移動が生じて前輪接地荷重が低下するため、アンダーステア特性になって車両がドリフトアウトすることがある。逆に、車両旋回時に運転者によりアクセルペダルが急激に戻される操作が行われると、車両前方への荷重移動が生じて後輪接地荷重が低下するため、オーバーステア特性になって車両がスピンすることがある。このようなアクセルペダルの操作に起因するアンダーステア特性またはオーバーステア特性は、車両の姿勢に影響を与える要因であるため、前記従来の車両用ブレーキ制御装置により前記特性を打ち消すようにすることが考えられる。
しかしながら、前記した従来の車両用ブレーキ制御装置では、一般的に、車両旋回時における車両の実際のヨーレートと目標ヨーレートとのヨーレート偏差が予め設定された閾値以上であるときに挙動制御が開始されるように設定されていた。このため、例えば、車両旋回時に運転者に加速意思が存在して運転者がアクセルペダルを踏み込む操作を行っても、ヨーレート偏差が閾値以上であるときには、一律に挙動制御が開始されることとなり、運転者の加速操作感が削がれて悪化するという問題を有していた。また、車両旋回時に運転者に減速意思が存在して運転者がアクセルペダルを戻す操作を行っても、ヨーレート偏差が予め設定された閾値以上になるまで挙動制御が実行されないことから、運転者にはブレーキ制御の開始が遅く感じられるという問題を有していた。つまり、従来の車両用ブレーキ制御装置では、車両旋回時に運転者の意図する加速や減速が実現されないという難点を有していた。
しかしながら、前記した従来の車両用ブレーキ制御装置では、一般的に、車両旋回時における車両の実際のヨーレートと目標ヨーレートとのヨーレート偏差が予め設定された閾値以上であるときに挙動制御が開始されるように設定されていた。このため、例えば、車両旋回時に運転者に加速意思が存在して運転者がアクセルペダルを踏み込む操作を行っても、ヨーレート偏差が閾値以上であるときには、一律に挙動制御が開始されることとなり、運転者の加速操作感が削がれて悪化するという問題を有していた。また、車両旋回時に運転者に減速意思が存在して運転者がアクセルペダルを戻す操作を行っても、ヨーレート偏差が予め設定された閾値以上になるまで挙動制御が実行されないことから、運転者にはブレーキ制御の開始が遅く感じられるという問題を有していた。つまり、従来の車両用ブレーキ制御装置では、車両旋回時に運転者の意図する加速や減速が実現されないという難点を有していた。
そこで、本発明では、運転者の加速意思や減速意思を踏まえて車両の挙動制御を行うことができ、ドライブフィーリングを向上させることができる車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明は、車両状態量から設定される目標ヨーレートと実際のヨーレートとのヨーレート偏差が所与の閾値を超える場合に、前記ヨーレート偏差が小さくなる状態に車輪を制動制御し、車両の挙動を安定化させる挙動制御を実行する挙動安定化制御手段を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、運転者による操作入力に基づいて前記運転者の加速意思および減速意思の各々の有無を判定する加減速意思判定手段と;前記加減速意思判定手段の判定に応じて、前記閾値を変更する閾値変更手段と;を備え、前記閾値変更手段は、前記加減速意思判定手段により前記運転者の加速意思が有ると判定された場合に、前記閾値をこれよりも高い高閾値に変更する制御と、前記加減速意思判定手段により前記運転者の減速意思が有ると判定された場合に、前記閾値をこれよりも低い低閾値に変更する制御のうち少なくとも一方を実行し、前記挙動安定化制御手段は、前記閾値変更手段によって変更された閾値に基づいて挙動制御する構成とした。
ここで、「車両状態量」とは、車両旋回中の車両の挙動を判定するために必要な指標をいい、例えば車輪速センサで検出した車輪速度や、横加速度、ヨーレート、操舵角等を含む。
この車両用ブレーキ制御装置によれば、車両旋回時に加減速意思判定手段によって、運転者の加速意思の有無を判定できる。そして、加速意思が有ると判定された場合、閾値変更手段により挙動安定化制御の実行判断に供される閾値が、現在の値よりも高い高閾値に変更される。つまり、挙動制御への介入閾値が引き上げられて、介入がし難くなる。これにより、車両の挙動制御に入ることが所定時間遅延される状態となり、車両の挙動制御は、所定時間の遅れをもって行われるようになる。よって、運転者の操作入力による車両の加速が優先されて実行されるようになり、運転者の加速操作感が反映されるようになる。したがって、運転者の加速意思を踏まえた違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
また、車両旋回時に加減速意思判定手段によって運転者の減速意思の有無を判定できる。そして、減速意思が有ると判定された場合、閾値変更手段により閾値が現在の値よりも低い低閾値に変更されて、車両の挙動制御が介入され易くなり、車両の挙動制御が通常よりも早期に開始されることとなる。つまり、車両の挙動制御が優先されて実行されるようになり、運転者のアクセルコントロールが反映された減速操作感が得られるようになる。したがって、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
また、車両旋回時に加減速意思判定手段によって運転者の減速意思の有無を判定できる。そして、減速意思が有ると判定された場合、閾値変更手段により閾値が現在の値よりも低い低閾値に変更されて、車両の挙動制御が介入され易くなり、車両の挙動制御が通常よりも早期に開始されることとなる。つまり、車両の挙動制御が優先されて実行されるようになり、運転者のアクセルコントロールが反映された減速操作感が得られるようになる。したがって、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
また、前記加減速意思判定手段は、前記車両のアクセル操作子開度の微分値または前記車両の動力装置のスロットルバルブ開度の微分値に基づいて判定するように構成するのがよい。
ここでいう「アクセル操作子」とは、加速操作を入力するためのペダルやグリップ、レバーといった操作入力手段の意味である。
ここでいう「アクセル操作子」とは、加速操作を入力するためのペダルやグリップ、レバーといった操作入力手段の意味である。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、運転者の加速意思あるいは減速意思が如実に反映される車両のアクセル操作子開度の微分値または車両の動力装置のスロットルバルブ開度の微分値に基づいて、運転者の加速意思および減速意思それぞれの有無を判定できるので、より正確で違和感のない車両の挙動制御を実行できる。具体的には、運転者がアクセル操作子を急激に踏み込むような操作を行うと、その操作入力が例えば所与の基準値以上であるような場合に、加速意思が有ると判定され、また、運転者がアクセル操作子を急激に戻すような操作を行うと、その操作入力が例えば所与の基準値以上であるような場合に、減速意思が有ると判定される。
さらに、前記閾値変更手段は、前記加減速意思判定手段により加速意思が有るまたは減速意思が有ると判定された場合に、前記アクセル操作子開度の微分値の大きさまたは前記動力装置のスロットル開度の微分値の大きさに応じて、前記閾値の変更量を可変して設定する構成としてある。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、閾値変更手段が、加減速意思判定手段により加速意思が有るまたは減速意思が有ると判定された場合に、アクセル操作子開度の微分値の大きさまたは動力装置のスロットル開度の微分値の大きさに応じて、閾値の変更量を可変して設定するようになっているので、運転者の所望する加速意思または減速意思の程度に応じて挙動制御の開始タイミング(介入時期)を調整することができるようになり、より違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
また、前記加減速意思判定手段は、第1の基準値と、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値を記憶しており、前記閾値変更手段は、前記アクセル操作子開度の微分値または前記スロットル開度の微分値が、前記第1の基準値から前記第2の基準値の範囲内にある場合、前記微分値の大きさに応じて閾値の変更量を可変して設定する構成とするのがよい。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、アクセル操作子開度の微分値またはスロットル開度の微分値が、第1の基準値から第2の基準値の範囲内にある場合、微分値の大きさに応じて閾値の変更量を可変して設定するようになっているので、該範囲内に含まれない極端な急加速および急減速が行われる状態において閾値が過度に大きくまたは過度に小さく変更・設定されるのを防止することができ、挙動制御の実行に伴う不安定感や誤作動感を運転者に与えることを抑制することができる。
さらに、閾値変更手段は、微分値の大きさに応じて変更量を可変して設定するようになっているので、より違和感のない車両の挙動制御が実行されるようになる。
また、前記閾値変更手段は、前記微分値が前記範囲に含まれない場合に、予め設定された固定値だけ前記閾値を変更する構成とするのがよい。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、微分値が範囲に含まれない場合に、予め設定された固定値だけ変更するので、例えば、第2の基準値を超える該範囲に含まれない極端な急加速および急減速が行われる状態において挙動制御の介入タイミングが一定となり、挙動制御の実行に伴う不安定感や誤作動感を運転者に与えることをより効果的に抑制することができる。
さらに、前記閾値変更手段は、前記閾値を前記高閾値または前記低閾値に所定時間設定保持する保持部を備えている構成とするのがよい。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、閾値変更手段は、保持部により、閾値を高閾値または低閾値に所定時間設定保持するので、閾値が例えば頻繁に設定変更されるような事態を回避することができる。したがって、不安定感や誤作動感を運転者に与えることをより一層効果的に抑制することができる。
また、前記保持部は、前記微分値の絶対値に応じて保持する時間を可変して設定する構成とするのがよい。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、保持部が、微分値の絶対値に応じて保持する時間を可変して設定するので、運転者の加速意思あるいは減速意思を反映させた挙動制御を行いながらも、不安定感や誤作動感を運転者に与えることをより一層効果的に抑制することができる。
さらに、閾値変更手段は、前記閾値を前記高閾値または前記低閾値へ変更する場合、あるいは前記閾値を前記高閾値または前記低閾値から戻す場合に、閾値を時間経過に伴って漸次増加するまたは減少する関係で変化させる構成とするのがよい。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、例えば、運転者がアクセル操作子を急激に踏み込むような操作が行われた直後や運転者がアクセル操作子を急激に戻すような操作が行われた直後等に閾値が急激に変化するのを防止することができ、運転者の加速意思あるいは減速意思に基づきつつ、挙動制御が柔軟に行われるようになる。したがって、運転者の加速意思あるいは減速意思を踏まえた違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
また、前記挙動安定化制御手段は、挙動制御中に、前記ヨーレート偏差が所与の終了閾値を下回る状態となった場合に、挙動制御を終了させる終了手段を有しており、前記閾値変更手段は、前記挙動安定化制御手段による挙動制御中に、前記加減速意思判定手段によって前記運転者の加速意思が有ると判定された場合に、前記終了閾値をより高い高終了閾値に変更し、前記運転者の減速意思が有ると判定された場合に、前記終了閾値をこれよりも低い低終了閾値に変更し、前記終了手段は前記閾値変更手段によって変更された終了閾値に基づいて挙動制御を終了させる構成とするのがよい。
このような車両用ブレーキ制御装置によれば、挙動安定化制御手段の終了手段により、挙動制御中にヨーレート偏差が所与の終了閾値を下回る状態となった場合には、挙動制御が終了される。そして、閾値変更手段は、挙動安定化制御手段による挙動制御中に、加減速意思判定手段によって運転者の加速意思が有ると判定された場合に、終了閾値をより高い高終了閾値に変更し、運転者の減速意思が有ると判定された場合に、終了閾値をこれよりも低い低終了閾値に変更するようになっているので、次のような作用効果が得られる。
例えば、挙動制御中に、運転者のアクセル操作子の急激な踏み込み操作があり、これによって加速意思が有ると加減速意思判定手段により判定されると、終了閾値がより高い高終了閾値に変更され、挙動制御が早期に終了され易くなる。これにより、運転者の操作入力による車両の加速が挙動制御よりも優先されて行われるようになる。したがって、挙動制御中においても運転者のアクセルコントロールが反映された加速操作感が得られるようになる。
また、挙動制御中に、運転者のアクセル操作子の急激な戻し操作があり、これによって減速意思が有ると加減速意思判定手段によって判定されると、終了閾値がこれよりも低い低終了閾値に変更されるようになり、挙動制御が引き続き延長して実行され易くなる。これにより、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
例えば、挙動制御中に、運転者のアクセル操作子の急激な踏み込み操作があり、これによって加速意思が有ると加減速意思判定手段により判定されると、終了閾値がより高い高終了閾値に変更され、挙動制御が早期に終了され易くなる。これにより、運転者の操作入力による車両の加速が挙動制御よりも優先されて行われるようになる。したがって、挙動制御中においても運転者のアクセルコントロールが反映された加速操作感が得られるようになる。
また、挙動制御中に、運転者のアクセル操作子の急激な戻し操作があり、これによって減速意思が有ると加減速意思判定手段によって判定されると、終了閾値がこれよりも低い低終了閾値に変更されるようになり、挙動制御が引き続き延長して実行され易くなる。これにより、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両の挙動制御を実行できる。
本発明によれば、運転者の加速意思や減速意思を踏まえて車両の挙動制御を行うことができ、ドライブフィーリングを向上させることができる車両用ブレーキ制御装置が得られる。
次に、本発明に係る車両用ブレーキ制御装置の一実施の形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本発明の車両用ブレーキ制御装置を備えた車両の構成図、図2は液圧ユニットの液圧回路図である。
図1に示すように、車両用ブレーキ制御装置Aは、車両CRの各車輪Tに付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御して車両CRの挙動を安定化させる挙動安定化制御手段を有しており、油路や各種部品が設けられた液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御装置20とを主に備えている。また、この車両用ブレーキ制御装置Aの制御装置20には、車両CRの各車輪Tの車輪速度を検出するための車輪速センサ31と、ステアリングSTの操舵角を検出する操舵角センサ32と、車両CRの横方向にかかる遠心力(加速度)を検出する横Gセンサ33と、車両CRの旋回時のヨーレートを検出するヨーレートセンサ34とが車両CRの状態量を検出するための車両挙動検知手段として接続されている。また、車両CRの前後方向の加速度を検出する加速度センサ35も制御装置20に接続されている。さらに、制御装置20には、アクセルペダル(アクセル操作子)APの開度を検出する開度検出センサ50が接続されている。また、これらのセンサ類は、燃料噴射装置(FI)と、オートマチックトランスミッション(AT)の制御をするFI/AT ECU30にも接続され、このFI/AT ECU30は、エンジン(ENG)41およびオートマチックトランスミッション(TM)42の動作を制御している。なお、FI/AT ECU30は、エンジン(ENG)41のスロットルバルブ41aの開度を制御するようになっており、エンジン41は、このスロットルバルブ41aの開度がコントローラ41bにより制御されることで、発生するトルクが調整される。
制御装置20は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、車輪速センサ31、操舵角センサ32、横Gセンサ33およびヨーレートセンサ34からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。また、ホイールシリンダHは、マスタシリンダMおよび車両用ブレーキ制御装置Aにより発生されたブレーキ液圧を各車輪Tに設けられた車輪ブレーキFL,RL,FR,RRの作動力に変換する液圧装置であり、配管を介して車両用ブレーキ制御装置Aの液圧ユニット10に接続されている。
なお、本実施の形態では、左右の前輪T1,T2が従動車輪とされ、左右の後輪T3,T4が駆動車輪とされ、エンジン41の出力トルクがトランスミッション42を介して図示しないデファレンシャル機構および左右の駆動軸を通じて左右の後輪T3,T4に伝達される車両CRを例にとって説明する。
次に、図2のブレーキ液圧回路図を参照して、液圧ユニット10内に設けられる各種部品の機能について簡単に説明する。なお、図2において液圧ユニット10内の各種部品を繋ぐ実線は、液圧ユニット10に形成された油路を示している。
図2に示すように、液圧ユニット10は、運転者がブレーキペダル(ブレーキ操作子)BPに加える踏力に応じたブレーキ液圧を発生するマスタシリンダMと、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRとの間に配置されている。マスタシリンダMの二つの出力ポートM1,M2は、液圧ユニット10の入口ポート121に接続され、液圧ユニット10の出口ポート122が、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに接続されている。そして、通常時は液圧ユニット10内の入口ポート121から出口ポート122までが連通した油路となっていることで、ブレーキペダルBPの踏力が各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達されるようになっている。
ここで、出力ポートM1から始まる油路は、前輪左側の車輪ブレーキFLと後輪右側の車輪ブレーキRRに通じており、出力ポートM2から始まる油路は、前輪右側の車輪ブレーキFRと後輪左側の車輪ブレーキRLに通じている。なお、以下では、出力ポートM1から始まる油路を「第一系統」と称し、出力ポートM2から始まる油路を「第二系統」と称する。
液圧ユニット10には、その第一系統に各車輪ブレーキFL,RRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられており、同様に、その第二系統に各車輪ブレーキRL,FRに対応して二つの制御弁手段Vが設けられている。また、この液圧ユニット10には、第一系統および第二系統のそれぞれに、リザーバ3、ポンプ4、ダンパ5、オリフィス5a、レギュレータR、吸入弁7、貯留室7aが設けられており、さらに、第一系統のポンプ4と第二系統のポンプ4とを駆動するための共通の電動モータ9を備えている。また、本実施形態では、第二系統にのみ圧力センサ8が設けられている。
なお、以下では、マスタシリンダMの出力ポートM1,M2から各レギュレータRに至る油路を「出力液圧路A1」と称し、第一系統のレギュレータRから車輪ブレーキFL,RRに至る油路および第二系統のレギュレータRから車輪ブレーキRL,FRに至る油路をそれぞれ「車輪液圧路B」と称する。また、出力液圧路A1からポンプ4に至る油路を「吸入液圧路C」と称し、ポンプ4から車輪液圧路Bに至る油路を「吐出液圧路D」と称し、さらに、車輪液圧路Bから吸入液圧路Cに至る油路を「開放路E」と称する。
制御弁手段Vは、車輪液圧路Bを開放しつつ開放路Eを遮断する状態、車輪液圧路Bを遮断しつつ開放路Eを開放する状態および車輪液圧路Bを遮断しつつ開放路Eを遮断する状態を切り換える機能を有しており、入口弁1、出口弁2、チェック弁1aを備えて構成されている。
入口弁1は、車輪液圧路Bに設けられた常開型の電磁弁である。入口弁1は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、入口弁1は、車輪がロックしそうになったときに図1に示す制御装置20により閉塞されることで、ブレーキペダルBPから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに伝達するブレーキ液圧を遮断する。
出口弁2は、車輪液圧路Bと開放路Eとの間に介設された常閉型の電磁弁である。出口弁2は、通常時に閉塞されているが、車輪がロックしそうになったときに図1に示す制御装置20により開放されることで、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに作用するブレーキ液圧を各リザーバ3に逃がす。
チェック弁1aは、各入口弁1に並列に接続されている。このチェック弁1aは、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、ブレーキペダルBPからの入力が解除された場合に、入口弁1を閉じた状態にしたときにおいても、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FR側からマスタシリンダM側へのブレーキ液の流入を許容する。
リザーバ3は、開放路Eに設けられており、各出口弁2が開放されることによって逃がされるブレーキ液圧を吸収する機能を有している。また、リザーバ3とポンプ4との間には、リザーバ3側からポンプ4側へのブレーキ液の流入のみを許容するチェック弁3aが介設されている。
ポンプ4は、出力液圧路A1に通じる吸入液圧路Cと車輪液圧路Bに通じる吐出液圧路Dとの間に介設されており、リザーバ3で貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。これにより、リザーバ3によるブレーキ液圧の吸収によって減圧された出力液圧路A1や車輪液圧路Bの圧力状態が回復される。さらに、このポンプ4は、後記するカット弁6が出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を遮断し、且つ、後記する吸入弁7が吸入液圧路Cを開放しているときに、マスタシリンダM、出力液圧路A1、吸入液圧路Cおよび貯留室7aに貯留されているブレーキ液を吸入して吐出液圧路Dに吐出する機能を有している。これにより、非ペダル操作時において各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRにブレーキ液圧を作用させることが可能となる。
なお、ダンパ5およびオリフィス5aは、その協働作用によってポンプ4から吐出されたブレーキ液の圧力の脈動および後記するレギュレータRが作動することにより発生する脈動を減衰させている。
レギュレータRは、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り換える機能と、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入が遮断されているときに車輪液圧路Bおよび吐出液圧路Dのブレーキ液圧を設定値以下に調節する機能とを有しており、カット弁6、チェック弁6aおよびリリーフ弁6bを備えて構成されている。
カット弁6は、マスタシリンダMに通じる出力液圧路A1と各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRに通じる車輪液圧路Bとの間に介設された常開型の電磁弁であり、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する状態および遮断する状態を切り換えるものである。カット弁6は、通常時に開いていることで、マスタシリンダMから各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRへブレーキ液圧が伝達するのを許容している。また、カット弁6は、非ペダル操作時であってポンプ4を作動させるとき、言い換えれば、非ペダル操作時において各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRにブレーキ液圧を作用させるときに制御装置20の制御により閉塞される。なお、カット弁6は、例えばソレノイドへの通電を制御することによって開弁圧を調節可能なリニアソレノイドバルブによって実現される。そして、このようにカット弁6としてリニアソレノイドバルブを採用すると、車輪液圧路Bからカット弁6にかかる液圧と、カット弁6のソレノイドへの通電によって制御される弁を閉じようとする力とのバランスによって、車輪液圧路Bの液圧を適宜出力液圧路A1へ開放して調節することができる。
チェック弁6aは、各カット弁6に並列に接続されている。このチェック弁6aは、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入のみを許容する弁であり、各カット弁6を閉じた状態にしたときにおいてブレーキペダルBPからの入力があっても、出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を許容する。
リリーフ弁6bは、各カット弁6に並列に接続されており、車輪液圧路Bおよび吐出液圧路Dのブレーキ液圧が設定値以上になるのに応じて開弁する。
吸入弁7は、吸入液圧路Cに設けられた常閉型の電磁弁であり、吸入液圧路Cを開放する状態および遮断する状態を切り換えるものである。吸入弁7は、非ペダル操作時であってカット弁6が出力液圧路A1から車輪液圧路Bへのブレーキ液の流入を遮断する状態にあるとき、言い換えれば、非ペダル操作時において各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRにブレーキ液圧を作用させるときに制御装置20の制御により開放(開弁)される。
貯留室7aは、吸入液圧路Cであってポンプ4と吸入弁7との間に設けられている。この貯留室7aは、ブレーキ液を貯留するものであり、これにより、吸入液圧路Cに貯留されるブレーキ液の容量が実質的に増大する。
圧力センサ8は、出力液圧路A1のブレーキ液圧を計測するものであり、その計測結果は制御装置20に随時取り込まれ、かかる制御装置20によりマスタシリンダMからブレーキ液圧が出力されているか否か、すなわち、ブレーキペダルBPが踏まれているか否かが判定され、さらに、圧力センサ8で計測されたブレーキ液圧の大きさに基づいて、車両CRの横すべり制御やスリップ制御などが行われる。
以上のような液圧ユニット10を制御装置20で制御してなる本発明の車両用ブレーキ制御装置Aの制御装置20の構成について説明する。図3は本実施の形態に係る車両用ブレーキ制御装置の制御装置20の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御装置20は、各種のセンサ31〜35,50からの信号に基づき、ブレーキ装置としての車輪ブレーキFL,RR,RL,RFを制御することで車両CRの挙動制御を行うようになっている。具体的には、車輪速センサ31等で検出される車両状態量から設定される目標ヨーレートと、ヨーレートセンサ34で検出された実際のヨーレートとのヨーレート偏差が所与の閾値Sを超える場合に、前記ヨーレート偏差が小さくなる状態に車輪ブレーキFL,RR,RL,FRを制動制御し、車両CRの挙動の安定化を行う。
図3に示すように、制御装置20は、各種のセンサ31〜35,50からの信号に基づき、ブレーキ装置としての車輪ブレーキFL,RR,RL,RFを制御することで車両CRの挙動制御を行うようになっている。具体的には、車輪速センサ31等で検出される車両状態量から設定される目標ヨーレートと、ヨーレートセンサ34で検出された実際のヨーレートとのヨーレート偏差が所与の閾値Sを超える場合に、前記ヨーレート偏差が小さくなる状態に車輪ブレーキFL,RR,RL,FRを制動制御し、車両CRの挙動の安定化を行う。
ここで、ヨーレート偏差は、前記したように目標ヨーレート(操舵角センサ32から得られた運転者の操舵量およびその変更量と、車輪速センサ31の出力である各車輪速から求めた車速から算出される。)と実際のヨーレートとの偏差である。これにより、目標の旋回状態に対して曲がりの少ない、つまり、実際の旋回半径が目標旋回半径より大きくなるドリフトアウト時(アンダーステア状態)には、ヨーレート偏差は正の値となり、反対に目標の旋回状態より曲がりすぎている、つまり、実際の旋回半径が目標旋回半径より小さくなるスピン時(オーバーステア状態)には、ヨーレート偏差が負の値となるが、本実施の形態ではヨーレート偏差の絶対値をヨーレート偏差として用いている。
制御装置20は、アクセル開度微分値算出手段51と、加減速意思判定手段54と、補正値特定部55と、挙動安定化制御手段56とを有している。
アクセル開度微分値算出手段51は、開度検出センサ50により検出されたアクセルペダルAP(図1参照、以下同じ)の開度の検出信号の微分値およびその絶対値を算出し、その結果を加減速意思判定手段54および補正値特定部55に出力する機能を備えている。つまり、アクセル開度微分値算出手段51は、開度検出センサ50からの検出信号により、運転者の加速意思あるいは減速意思が反映されやすい操作現象である、アクセルペダルAPの踏み込み操作速度、およびアクセルペダルAPの戻し操作速度を算出するようになっている。
ここで、アクセルペダルAPの入力操作が加速操作であるのか、あるいは減速操作であるのかは、開度の微分値の正負により検出することができる。本実施形態では、微分値が正の場合に加速操作であるとし、また、微分値が負の場合に減速操作であるとしている。
ここで、アクセルペダルAPの入力操作が加速操作であるのか、あるいは減速操作であるのかは、開度の微分値の正負により検出することができる。本実施形態では、微分値が正の場合に加速操作であるとし、また、微分値が負の場合に減速操作であるとしている。
なお、本実施形態では、アクセルペダルAPの開度を開度検出センサ50により検出することで、運転者の加速意思あるいは減速意思が有るか否かを判定する構成としたが、これに限られることはなく、スロットルバルブ41aの開度に基づいて運転者の加減速意思を判定するようにしてもよい。この場合、スロットルバルブ41aの開度を調節するコントローラ41bは、前記のようにFI/AT ECU30の制御信号により制御されるようになっているので、前記制御信号からスロットルバルブ41aの開度を容易に検出することができる。
また、コントローラ41bは、手の指などにより操作されるアクセルコントローラの信号により制御されるように構成してもよい。
加減速意思判定手段54は、運転者による操作入力に基づいて運転者の加速意思および減速意思の各々について有無を判定する機能を有する。具体的には、アクセル開度微分値算出手段51により算出されたアクセルペダルAPの開度の微分値が正の場合に、図5(a)のタイムチャートに実線で示すように、該微分値の大きさが運転者の加速意思を判定するための基準値として予め設定された第1の基準値K1以上となったときに、運転者に加速意思が有ると判定する一方、前記微分値の大きさが同図中符号(イ)を付して二点鎖線で示すように、第1の基準値K1に満たない場合に、運転者の加速意思が無いと判定する。
また、アクセルペダルAPの開度の微分値が負の場合に、図5(b)のタイミングチャートに実線で示すように、該微分値の絶対値(負の大きさの意)が予め設定された第1の基準値K1以上となったときに、運転者に減速意思が有ると判定する一方、前記微分値が同図中符号(ロ)を付して二点鎖線で示すように、第1の基準値K1に満たない場合に、運転者の減速意思が無いと判定する。さらに、本実施形態では、図5(a)(b)に示すように、微分値の基準値として、第1の基準値K1よりも大きい第2の基準値K2を加減速意思判定手段54が記憶している。なお、図5(a)(b)に示したタイムチャートの詳細な説明は後記する。
補正値特定部55は、加減速意思判定手段54によって、運転者に加速意思あるいは減速意思が有ると判定された場合に、挙動安定化制御手段56に設定された前記閾値Sを補正するための閾値補正値を予め記憶されたデータテーブルに基づいて設定し、その閾値補正値を挙動安定化制御手段56に出力する機能を備えている。具体的には、アクセル開度微分値算出手段51で算出された微分値の大きさ(絶対値をとってもよい)に応じて、アクセル用閾値補正値C1を設定する。そして、補正値特定部55は、このアクセル用閾値補正値C1を挙動安定化制御手段56の閾値変更手段57に出力する。
ここで、アクセル用閾値補正値C1は、図5(a)(b)に示すように、アクセルペダルAPの開度の微分値の絶対値が、第1の基準値K1以上となったときに、一定の固定値(該微分値が正ならば高閾値HS、負ならば低閾値LS)に設定されるように構成してもよいし、また、例えば、図9(a)に示すように、第1の基準値K1から第2の基準値K2の範囲内にあるときに、絶対値に応じて可変して設定されるように構成してもよい。絶対値が第1の基準値K1に満たない場合は「0」(固定値)、絶対値が第2の基準値K2に近づくにつれて緩やかに固定値C2に近づけ、第2の基準値K2を上回る場合には、絶対値の大きさにかかわらずこの固定値C2に、アクセル用閾値補正値C1を設定すると好適である。なお、図9(b)に示すように、微分値の絶対値をとらずに比較し、設定してもよいのは勿論である。
このように、アクセルペダルAPの開度の微分値に応じて、高閾値HSおよび低閾値LSを可変して設定する構成とすることにより、運転者の所望する加速意思あるいは減速意思の程度に応じて挙動制御の開始タイミングを調整することができるようになり、より違和感のない車両CRの挙動制御が実行されるようになる。
また、このような構成とすることにより、第1の基準値K1に満たない緩い加速および緩い減速が行われる状態において、さらには第2の基準値K2を超える極端な急加速および急減速が行われる状態において、閾値Sが過度に大きくまたは過度に小さく変更・設定されるのを防止することができ、挙動制御に伴う不安定感や誤作動感を運転者に与えることを抑制することができる。
また、このような構成とすることにより、第1の基準値K1に満たない緩い加速および緩い減速が行われる状態において、さらには第2の基準値K2を超える極端な急加速および急減速が行われる状態において、閾値Sが過度に大きくまたは過度に小さく変更・設定されるのを防止することができ、挙動制御に伴う不安定感や誤作動感を運転者に与えることを抑制することができる。
挙動安定化制御手段56は、加減速意思判定手段54の判定に応じて、前記閾値Sを変更・設定する閾値変更手段57、および閾値変更手段57によって設定された閾値Sを終了閾値とみなして、挙動制御中に前記ヨーレート偏差がこれを下回る状態となった場合に、挙動制御を終了させる終了手段59を有している。
閾値変更手段57は、補正値特定部55により出力されたアクセル用閾値補正値C1に基づいて閾値Sを変更・設定する。すなわち、加減速意思判定手段54により運転者の加速意思が有ると判定された場合に、前記閾値Sをこれよりも高い高閾値HSに変更する機能と、加減速意思判定手段54により運転者の減速意思が有ると判定された場合に、前記閾値Sをこれよりも低い低閾値LSに変更する機能とを備えている。
ここで、前記したように補正値特定部55が、アクセル用閾値補正値C1を絶対値に応じて可変して設定するように構成されている場合、高閾値HSおよび低閾値LSは、絶対値に応じて可変して設定されるようになる。つまり、前記絶対値が大きくなれば、それに応じて高閾値HSはより高い値に設定され、低閾値LSはより低い値に設定される。
閾値変更手段57は、補正値特定部55により出力されたアクセル用閾値補正値C1に基づいて閾値Sを変更・設定する。すなわち、加減速意思判定手段54により運転者の加速意思が有ると判定された場合に、前記閾値Sをこれよりも高い高閾値HSに変更する機能と、加減速意思判定手段54により運転者の減速意思が有ると判定された場合に、前記閾値Sをこれよりも低い低閾値LSに変更する機能とを備えている。
ここで、前記したように補正値特定部55が、アクセル用閾値補正値C1を絶対値に応じて可変して設定するように構成されている場合、高閾値HSおよび低閾値LSは、絶対値に応じて可変して設定されるようになる。つまり、前記絶対値が大きくなれば、それに応じて高閾値HSはより高い値に設定され、低閾値LSはより低い値に設定される。
また、閾値変更手段57は、前記閾値Sを高閾値HSまたは低閾値LSに所定時間設定保持する保持部58を備えている。この保持部58は、アクセルペダルAPの開度の微分値の絶対値が前記第1の基準値K1(図5(a)(b)参照)以上となった場合に、絶対値に応じて保持する時間をタイマ58aにより可変して設定保持する機能を備えている。なお、このように絶対値に応じて保持する時間が可変して設定保持されるものに限られることは無く、前記絶対値が前記第1の基準値K1以上となった場合に、一定の時間に保持されるように構成してもよい。
なお、挙動安定化制御手段56は、各センサ31〜35の信号に基づいて、車両CRが旋回走行中であるか否かを検出することのできる旋回走行検出手段56aを備えている。
次に、本発明に係る制御装置20の動作・処理の流れについて図3と図4とを参照しつつ説明する。図4は本実施形態における制御装置20の動作・処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
制御装置20は、まず、各センサ31〜35,50から、適宜検出値が入力され(ステップS1)、挙動安定化制御手段56の旋回走行検出手段56aによって、車両CRが旋回走行中であるか否かが判定される(ステップS2)。ステップS2で旋回走行中であると判定された場合(Yes)には、ステップS3以降の制御に入り、また、旋回走行中ではないと判定された場合(No)には、通常走行が継続される。
ステップS2で旋回走行中であると判定された場合、アクセル開度微分値算出手段51により、開度検出センサ50で検出されたアクセルペダルAPの開度の検出信号の微分値およびその絶対値が算出され(ステップS3)、その算出された値に基づいて加減速意思判定手段54により運転者に加速意思あるいは減速意思が有るか否かを判定すべく、微分値の絶対値が第1の基準値K1より大きいか否かが判定される(ステップS4)。
ステップS4で微分値の絶対値が第1の基準値K1より大きく、加速意思あるいは減速意思が有ると判定された場合(Yes)には、ステップS5以降の制御に入り、また、微分値の絶対値が第1の基準値K1より小さく、加速意思あるいは減速意思が無いと判定された場合(No)には、ステップS9以降の制御に入る。
ステップS4で加速意思あるいは減速意思が有ると判定された場合、補正値特定部55において、アクセル用閾値補正値C1の特定が行われる(ステップS5)。ここで、アクセル用閾値補正値C1は、アクセル開度微分値算出手段51により算出された微分値の絶対値に基づいて設定される。補正値の設定にあたっては、補正値特定部55に予め記憶されたデータテーブルに基づいて行われる。
ステップS4で加速意思あるいは減速意思が有ると判定された場合、補正値特定部55において、アクセル用閾値補正値C1の特定が行われる(ステップS5)。ここで、アクセル用閾値補正値C1は、アクセル開度微分値算出手段51により算出された微分値の絶対値に基づいて設定される。補正値の設定にあたっては、補正値特定部55に予め記憶されたデータテーブルに基づいて行われる。
その後、閾値変更手段57の保持部58のタイマ58aが起動済みであるか否かが判定される(ステップS6)。タイマ58aが起動済みであると判定された場合(Yes)には、ステップS9に進む。また、タイマ58aが起動済みではないと判定された場合(No)には、挙動安定化制御手段56の閾値変更手段57により、閾値Sが、ステップS5で特定した前記補正値C1に基づいて変更される(ステップS7)。
ここで、閾値変更手段57は、前記加減速意思判定手段54により、運転者に加速意思が有ると判定されている場合に、次式(1)のように閾値を演算して、閾値Sを、これよりも高い高閾値HSに変更する。
閾値S←高閾値HS
(=閾値S+アクセル用閾値補正値C1)・・・(1)
閾値S←高閾値HS
(=閾値S+アクセル用閾値補正値C1)・・・(1)
また、閾値変更手段57は、前記加減速意思判定手段54により、運転者に減速意思が有ると判定されている場合に、次式(2)のように閾値を演算して、閾値Sをこれよりも低い低閾値LSに変更する。
閾値S←低閾値LS
(=閾値S−アクセル用閾値補正値C1)・・・(2)
閾値S←低閾値LS
(=閾値S−アクセル用閾値補正値C1)・・・(2)
このように閾値Sが変更されたならば、閾値変更手段57の保持部58がアクセル開度微分値の絶対値に応じてタイマ58aの保持時間を設定し、タイマ58aを起動させる(ステップS8)。これにより変更された高閾値HSあるいは低閾値LSは、所定時間設定保持される。
次に、ヨーレート偏差が変更後の閾値S、つまり、高閾値HSあるいは低閾値LSよりも大きいか否かが判定される(ステップS9)。ステップS9でヨーレート偏差が変更後の閾値Sよりも大きいと判定された場合(Yes)には、挙動安定化制御手段56により挙動制御が開始され(ステップS10)、また、ヨーレート偏差が変更後の閾値Sよりも小さいと判定された場合(No)には、すでに挙動制御が開始されている場合には挙動制御が中止され(ステップS14)、フローを終了する。すなわち、本実施形態では、閾値Sは、挙動制御の開始閾値であり、終了閾値としても機能する。
その後、閾値変更手段57の保持部58のタイマ58aによりカウントされる時間が保持時間を超えているか否かが判定される(ステップS11)。タイマ58aによりカウントされる時間が保持時間を超えている場合(Yes)には、変更後の閾値Sが元の閾値Sに戻され(ステップS12)、タイマ58aのカウントが「0」に設定されてタイマ58aが停止されて(ステップS13)、ステップS1に戻る。この場合、ステップS1以降の制御で、加速意思あるいは減速意思が有ると判定された場合(ステップS4)には、ステップS5で各補正値C1が特定され、ステップS6からステップS7に進んで閾値Sが再度変更され、以降の制御が繰り返される。また、ステップS11で、タイマ58aによりカウントされる時間が保持時間を超えていない場合(No)には、ステップS1に戻り以降の制御が繰り返される。
なお、ステップS4でアクセル開度微分値が第1の基準値K1以下の場合、すなわち、加速意思および減速意思が無いと判定された場合(No)には、ステップS9に進み、ヨーレート偏差が閾値S(変更前の閾値)より大きいか否かが判定され、ヨーレート偏差が閾値Sより大きいと判定された場合(Yes)には、ステップS10で挙動安定化制御手段56により通常の挙動制御が開始される。
次に、図5(a)(b)に示すタイムチャートを参照して、本実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置Aの動作の一例について説明する。なお、適宜、図1,図2を参照する。
図5(a)に示すように、車両CRの旋回走行中に運転者が車両CRの加速を行うべく、アクセルペダルAPを急激に踏み込む操作を行う(時刻t1)と、その踏み込み速度が、開度検出センサ50により検出されたアクセルペダルAPの開度の微分値が正となって算出されることから、加減速意思判定手段54においては、運転者の加速意思が有るか否かについて判定される。そして、アクセルペダルAPの開度の微分値が第1の基準値K1を超えた時点(時刻t2)で、運転者に加速意思が有ると判定され、ヨーレート偏差の閾値Sが高閾値HSに設定変更されて保持される。この場合、高閾値HSは、所定時間(時刻t5−時刻t2)の間、設定保持される。
図5(a)に示すように、車両CRの旋回走行中に運転者が車両CRの加速を行うべく、アクセルペダルAPを急激に踏み込む操作を行う(時刻t1)と、その踏み込み速度が、開度検出センサ50により検出されたアクセルペダルAPの開度の微分値が正となって算出されることから、加減速意思判定手段54においては、運転者の加速意思が有るか否かについて判定される。そして、アクセルペダルAPの開度の微分値が第1の基準値K1を超えた時点(時刻t2)で、運転者に加速意思が有ると判定され、ヨーレート偏差の閾値Sが高閾値HSに設定変更されて保持される。この場合、高閾値HSは、所定時間(時刻t5−時刻t2)の間、設定保持される。
そして、アクセルペダルAPの加速操作開始(時刻t1)から所定時間(時刻t3−時刻t1)後、ヨーレート偏差が生じ、設定変更後の高閾値HSを超えた時点(時刻t5)で、挙動安定化制御手段56による挙動制御が開始される。このとき、高閾値HSは、変更前の閾値Sよりも高い閾値となっているので、その分、制御介入の時間的遅れ(時刻t5−時刻t4)が生じ、これによって、アクセルペダルAPの踏み込み操作による加速感が運転者にもたらされる。
一方、図5(b)に示すように、車両CRの旋回走行中に運転者が車両CRの減速を行うべく、アクセルペダルAPを急激に戻す操作を行う(時刻t1’)と、その戻し速度が、開度検出センサ50により検出されたアクセルペダルAPの開度の微分値が負となって算出されることから、加減速意思判定手段54においては、運転者の減速意思が有るか否かについて判定される。そして、アクセルペダルAPの開度の微分値の絶対値が第1の基準値K1より大きくなった時点(時刻t2’)で、運転者に減速意思が有ると判定され、ヨーレート偏差の閾値Sが低閾値LSに設定変更されて保持される。この場合低閾値LSは、所定時間(時刻t5’−時刻t2’)の間、設定保持される。
そして、アクセルペダルAPの減速操作開始(時刻t1’)から所定時間(時刻t3’−時刻t1’)後、ヨーレート偏差が生じ、設定変更後の低閾値LSを超えた時点(時刻t4’)で、挙動安定化制御手段56による挙動制御が開始される。このとき、低閾値LSは変更前の閾値Sよりも低い閾値となっているので、その分、制御介入が時間的に早まる(時刻t5’−時刻t4’)こととなり、これによって、アクセルペダルAPの戻しによる減速感が運転者にもたらされる。
ここで、図6(a)に示すように、閾値Sが高閾値HSへ変更される際、および閾値Sを高閾値HSから戻す際に、閾値が徐々に変化する(閾値が時間経過に伴って漸次増加するまたは減少する(徐々入れ、徐々抜き))ように閾値変更手段57によって制御が行われるように構成してもよい。また、図6(b)に示すように、閾値Sが低閾値LSへ変更される際、および閾値Sを低閾値LSから戻す際に、同様に、閾値が徐々に変化するように閾値変更手段57によって制御が行われるように構成してもよい。具体的には、図8に示すように、アクセル用閾値補正値C1に応じた勾配が設定され(ステップS20)、補正量がアクセル用閾値補正値C1に達したか否かが判定される(ステップS21)。そして、ステップS21で、補正量がアクセル用閾値補正値C1に達したと判定された場合(Yes)には、ステップS9に進み、また、ステップS21で、補正量がアクセル用閾値補正値C1に達しなかったと判定された場合(No)には、設定された勾配に従って、1サイクル分だけ閾値Sが変更され(ステップS22)、ステップS9に進む。
このような構成とすることにより、運転者がアクセルペダルAPを急激に踏み込むような操作が行われた直後や運転者がアクセルペダルAPを急激に戻すような操作が行われた直後等に閾値が急激に変化するのを防止することができ、運転者の加速意思あるいは減速意思に基づきつつ、挙動制御が柔軟に行われるようになる。したがって、運転者の加速意思あるいは減速意思を踏まえた違和感のない車両CRの挙動制御が実現されるようになる。
なお、図6(a)に示すように、前記挙動安定化制御手段56による挙動制御中に、前記加減速意思判定手段54によって運転者の加速意思および減速意思が有ると判定された場合には、再び、ヨーレート偏差の閾値Sが前記高閾値HSに設定される。
これにより、挙動制御中に、運転者のアクセルペダルAPの急激な踏み込み操作があり、これによって加速意思が有ると加減速意思判定手段54により判定されると(時刻t6)、閾値Sが再び高閾値HS(高終了閾値)に設定されて、挙動制御が早期に終了され易くなる。これにより、運転者の操作入力による車両CRの加速が挙動制御よりも優先されて行われるようになり、挙動制御中においても運転者の加速操作感が反映されるようになる。
また、図示はしないが、挙動制御中に、運転者のアクセルペダルAPの急激な戻し操作があり、これによって減速意思が有ると加減速意思判定手段54によって判定されると、閾値Sが低閾値LS(低終了閾値)に設定されるようになり、これによって、挙動制御が引き続き延長して行われ易くなる。したがって、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両CRの挙動制御が実現されるようになる。
また、図示はしないが、挙動制御中に、運転者のアクセルペダルAPの急激な戻し操作があり、これによって減速意思が有ると加減速意思判定手段54によって判定されると、閾値Sが低閾値LS(低終了閾値)に設定されるようになり、これによって、挙動制御が引き続き延長して行われ易くなる。したがって、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両CRの挙動制御が実現されるようになる。
また、図7に示すように、第2の基準値K2よりもさらに大きい第3の基準値K3を設けて、前記微分値の絶対値が、この第2の基準値K2を上回る場合(実線で図示)に、閾値Sから高閾値HSおよび低閾値LSまでのオフセット量、つまり変更量を予め設定された第1の固定値S1に設定するように構成してもよく、さらに、絶対値が第3の基準値K3を上回る場合(二点鎖線で図示)に、変更量を予め設定された第2の固定値S2に設定するように構成してもよい。
このように、微分値の絶対値が第2の基準値K2を上回るような急加速や急減速が行われる状態において、変更量を予め設定された第1の固定値S1に設定し、また、微分値の絶対値が第3の基準値K3を上回るような極端な急加速や急減速が行われる状態において、変更量を第1の固定値S1より大きい第2の固定値S2に設定するようになっているので、挙動安定化制御手段56による挙動制御の開始が極端に遅れたり、あるいは逆に極端に早まったりするのを防止することができるようになり、挙動制御に伴う不安定感や誤作動感を運転者に与えることをより効果的に抑制することができる。
以上の車両用ブレーキ制御装置Aによれば、車両旋回時に加減速意思判定手段54によって、運転者の加速意思の有無を判定できる。そして、加速意思が有ると判定された場合、閾値変更手段57により閾値Sが、現在の値よりも高い高閾値に変更される。つまり、挙動制御への介入閾値が引き上げられて、挙動制御の介入がし難くなる。これにより、車両CRの挙動制御に入ることが所定時間遅延される状態となり、車両CRの挙動制御は、所定時間の遅れをもって行われるようになる。よって、運転者の操作入力による車両CRの加速が優先されて実行されるようになり、運転者の加速操作感が反映されるようになる。したがって、運転者の加速意思を踏まえた違和感のない車両CRの挙動制御を実行できる。
また、車両旋回時に加減速意思判定手段54によって運転者の減速意思の有無を判定できる。そして、減速意思が有ると判定された場合、閾値変更手段57により閾値が現在の値よりも低い低閾値に変更されて、車両CRの挙動制御が介入され易くなり、車両CRの挙動制御が、通常よりも早期に開始されることとなる。つまり、車両CRの挙動制御が優先されて実行されるようになり、運転者のアクセルコントロールが反映された減速操作感が得られるようになる。したがって、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両CRの挙動制御を実行できる。
さらに、運転者の加速意思あるいは減速意思が如実に反映されるアクセルペダルAPの開度の微分値に基づいて、運転者の加速意思および減速意思それぞれの有無を判定できるので、より正確で違和感のない車両CRの挙動制御を実行できる。
また、車両旋回時に加減速意思判定手段54によって運転者の減速意思の有無を判定できる。そして、減速意思が有ると判定された場合、閾値変更手段57により閾値が現在の値よりも低い低閾値に変更されて、車両CRの挙動制御が介入され易くなり、車両CRの挙動制御が、通常よりも早期に開始されることとなる。つまり、車両CRの挙動制御が優先されて実行されるようになり、運転者のアクセルコントロールが反映された減速操作感が得られるようになる。したがって、運転者の減速意思を踏まえた違和感のない車両CRの挙動制御を実行できる。
さらに、運転者の加速意思あるいは減速意思が如実に反映されるアクセルペダルAPの開度の微分値に基づいて、運転者の加速意思および減速意思それぞれの有無を判定できるので、より正確で違和感のない車両CRの挙動制御を実行できる。
さらに、閾値変更手段57は、保持部58により、絶対値が第1の基準値K1以上となった場合に、閾値Sを高閾値HSまたは低閾値LSに所定時間設定保持するので、閾値Sが例えば頻繁に設定変更されるような事態を回避することができる。したがって、不安定感や誤作動感を運転者に与えることをより一層効果的に抑制することができる。
また、保持部58は、アクセル開度の微分値の絶対値に応じて保持する時間を可変して設定するので、運転者の加速意思あるいは減速意思を反映させた挙動制御を行いながらも、不安定感や誤作動感を運転者に与えることをより一層効果的に抑制することができる。
さらに、加減速意思判定手段54は、前記微分値の絶対値が、第1の基準値K1に満たない場合に、運転者の加速意思および減速意思が無いと判定するので、例えば、絶対値が第1の基準値K1に満たない緩加速や緩減速時に閾値Sが高閾値HSまたは低閾値LSに設定されるのを確実に防止することができ、挙動制御に伴う不安定感や誤作動感を運転者に与えることを確実に抑制することができる。
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記した実施形態では、アクセルペダルAPの開度の微分値に基づいて、運転者の加速意思あるいは減速意思が有るか否かを判定したが、アクセルペダルAPおよびスロットルバルブ41aの開度の微分値の両方の値から運転者の加速意思あるいは減速意思が有るか否かを判定するようにしてもよい。
前記した実施形態では、アクセルペダルAPの開度の微分値に基づいて、運転者の加速意思あるいは減速意思が有るか否かを判定したが、アクセルペダルAPおよびスロットルバルブ41aの開度の微分値の両方の値から運転者の加速意思あるいは減速意思が有るか否かを判定するようにしてもよい。
また、アクセルペダルAPの開度は、開度検出センサ50から直接取得せず、FI/AT ECU30から取得する構成としてもよい。さらには、アクセル開度微分値算出手段51をFI/AT ECU30に設けて、微分値を取得するように構成してもよい。
また、閾値の変更を徐々に変化させるように構成したものにおいては、制御を、必ずしも前記したように一定の勾配(スピード)で行う必要はなく、例えば、アクセルペダルAPの開度の大きさに比例して異なる勾配となるようにしてもよい。
さらに、前記した実施形態では、加減速意思判定手段54が第1の基準値K1に基づいて加速意思と減速意思の有無を判定する構成としたが、これに限られることは無く、加速意思判定用の基準値と、減速意思判定用の基準値とを用意し、アクセルペダルAPの微分値が正ならば前者、負ならば後者を選んで判定するように構成してもよい。また、第2の基準値K2、第3の基準値K3を同様に構成してもよい。
また、前記した実施形態において閾値変更手段57は、加速意思が有る場合と、減速意思が有る場合とに、それぞれ閾値Sを変更するように構成したが、これに限られることは無く、いずれか一方の場合にのみ閾値Sを変更するように構成してもよい。
10 液圧ユニット
20 制御装置
31 車輪速センサ
34 ヨーレートセンサ
41a スロットルバルブ
50 開度検出センサ
51 アクセル開度微分値算出手段
54 加減速意思判定手段
55 補正値特定部
56 挙動安定化制御手段
56a 旋回走行検出手段
57 閾値変更手段
58 保持部
59 終了手段
A 車両用ブレーキ制御装置
AP アクセルペダル(アクセル操作子)
C1 アクセル用閾値補正値
CR 車両
HS 高閾値
LS 低閾値
S 閾値
T 車輪
20 制御装置
31 車輪速センサ
34 ヨーレートセンサ
41a スロットルバルブ
50 開度検出センサ
51 アクセル開度微分値算出手段
54 加減速意思判定手段
55 補正値特定部
56 挙動安定化制御手段
56a 旋回走行検出手段
57 閾値変更手段
58 保持部
59 終了手段
A 車両用ブレーキ制御装置
AP アクセルペダル(アクセル操作子)
C1 アクセル用閾値補正値
CR 車両
HS 高閾値
LS 低閾値
S 閾値
T 車輪
Claims (9)
- 車両状態量から設定される目標ヨーレートと実際のヨーレートとのヨーレート偏差が所与の閾値を超える場合に、前記ヨーレート偏差が小さくなる状態に車輪を制動制御し、車両の挙動を安定化させる挙動制御を実行する挙動安定化制御手段を備えた車両用ブレーキ制御装置であって、
運転者による操作入力に基づいて前記運転者の加速意思および減速意思の各々の有無を判定する加減速意思判定手段と;
前記加減速意思判定手段の判定に応じて、前記閾値を変更する閾値変更手段と;を備え、
前記閾値変更手段は、前記加減速意思判定手段により前記運転者の加速意思が有ると判定された場合に、前記閾値をこれよりも高い高閾値に変更する制御と、前記加減速意思判定手段により前記運転者の減速意思が有ると判定された場合に、前記閾値をこれよりも低い低閾値に変更する制御のうち少なくとも一方を実行し、前記挙動安定化制御手段は、前記閾値変更手段によって変更された閾値に基づいて挙動制御することを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。 - 前記加減速意思判定手段は、前記車両のアクセル操作子開度の微分値または前記車両の動力装置のスロットルバルブ開度の微分値に基づいて判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記閾値変更手段は、前記加減速意思判定手段により加速意思が有るまたは減速意思が有ると判定された場合に、前記アクセル操作子開度の微分値の大きさまたは前記動力装置のスロットル開度の微分値の大きさに応じて、前記閾値の変更量を可変して設定することを特徴とする請求項2に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記加減速意思判定手段は、第1の基準値と、前記第1の基準値よりも大きい第2の基準値を記憶しており、
前記閾値変更手段は、前記アクセル操作子開度の微分値または前記スロットル開度の微分値が、前記第1の基準値から前記第2の基準値の範囲内にある場合、前記微分値の大きさに応じて閾値の変更量を可変して設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用ブレーキ制御装置。 - 前記閾値変更手段は、前記微分値が前記範囲に含まれない場合に、予め設定された固定値だけ前記閾値を変更することを特徴とする請求項4に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記閾値変更手段は、前記閾値を前記高閾値または前記低閾値に所定時間設定保持する保持部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記保持部は、前記微分値の絶対値に応じて保持する時間を可変して設定することを特徴とする請求項6に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 前記閾値変更手段は、前記閾値を前記高閾値または前記低閾値へ変更する場合、あるいは前記閾値を前記高閾値または前記低閾値から戻す場合に、閾値を時間経過に伴って漸次増加するまたは減少する関係で変化させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用ブレーキ制御装置において、
前記挙動安定化制御手段は、挙動制御中に、前記ヨーレート偏差が所与の終了閾値を下回る状態となった場合に、挙動制御を終了させる終了手段を有しており、
前記閾値変更手段は、前記挙動安定化制御手段による挙動制御中に、前記加減速意思判定手段によって前記運転者の加速意思が有ると判定された場合に、前記終了閾値をより高い高終了閾値に変更し、前記運転者の減速意思が有ると判定された場合に、前記終了閾値をこれよりも低い低終了閾値に変更し、前記終了手段は前記閾値変更手段によって変更された終了閾値に基づいて挙動制御を終了させることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005055786A JP2006240357A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 車両用ブレーキ制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005055786A JP2006240357A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 車両用ブレーキ制御装置 |
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JP2006240357A true JP2006240357A (ja) | 2006-09-14 |
Family
ID=37047202
Family Applications (1)
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JP2005055786A Pending JP2006240357A (ja) | 2005-03-01 | 2005-03-01 | 車両用ブレーキ制御装置 |
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JP (1) | JP2006240357A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010180866A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
-
2005
- 2005-03-01 JP JP2005055786A patent/JP2006240357A/ja active Pending
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JP2010180866A (ja) * | 2009-02-09 | 2010-08-19 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料噴射制御装置 |
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