JP5866879B2 - 太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、集電電極を有する太陽電池に関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、結晶シリコン型太陽電池やアモルファスシリコン型太陽電池等のシリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、および、色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池等の有機系太陽電池等が挙げられる。
太陽電池において、受光面側の電極は透明電極とされる。従来、この透明電極には、ITO等の金属酸化物が用いられており、中でも、導電性や透明性が高く、仕事関数が高いことから、ITOが主に使用されている。
しかしながら、ITO電極は、シート抵抗が比較的大きいため、発生した電流がITO電極を通過する際に消費され、光電変換効率が低下するという問題がある。この現象は、太陽電池の面積が大きくなるにつれて顕著に現れる。
そこで、透明電極の導電性を補う方法として、透明電極上にパターン状の集電電極を積層することが提案されている(特許文献1〜4参照)。
しかしながら、例えば特許文献1に記載されているように、光電変換層の受光面側に集電電極が形成されている場合には、集電効率が高くなったとしても、光電変換層の一部が集電電極により遮光され、その領域が発電に寄与できず、結果として光電変換効率が低下するという問題があった。
ところで、特許文献5には、高効率、低コストの発電システムおよび発電装置を得ることを目的として、上部電極と第一発電層と中間電極と第二発電層と下部電極とが順次積層されており、上部電極、中間電極および下部電極が電力変換装置に接続された太陽電池が開示されている。また、特許文献5には、上部電極や中間電極では透明電極上に集電電極が形成されていてもよいことが開示されている。
特開2010−157681号公報 特開2000−243989号公報 特開2000−243990号公報 特開2008−243425号公報 特開2004−79997号公報
特許文献5に記載の太陽電池において、中間電極が透明電極上に集電電極が形成されたものである場合、上部電極側から入射した光は、一部が第一発電層に吸収され、さらに中間電極を透過して第二発電層に吸収される。この際、上部電極および第一発電層を透過した光は、中間電極を構成する集電電極によって遮光され、第二発電層の一部が発電に寄与しない非発電領域となる。しかしながら、第二発電層に非発電領域が生じたとしても、集電電極を含む中間電極の受光面側には第一発電層が形成されているので、第一発電層によって第二発電層での発電を補うことができる。すなわち、光電変換層における発電に寄与する面積を維持しつつ、高い集電効率を有する太陽電池とすることができる。
しかしながら、上記のような太陽電池では、第二発電層が光を吸収する前に、第一発電層によって光が吸収されてしまうため、第二発電層に光が到達するまでに減光されてしまい、光電変換効率向上の効果が十分に得られない場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、集電電極を有し、大面積で高効率な太陽電池および太陽電池モジュールを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、主太陽電池セルと、上記主太陽電池セル上にパターン状に形成された従太陽電池セルとを有する太陽電池であって、上記主太陽電池セルは、背面電極層と、上記背面電極層上に形成された主光電変換層と、上記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有し、上記従太陽電池セルは、上記集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、上記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有し、上記背面電極層と、上記中間透明電極層および上記集電電極を有する中間電極部材と、上記前面電極層とが電力変換装置に接続されていることを特徴とする太陽電池を提供する。
本発明においては、主太陽電池セルの受光面側にパターン状の従太陽電池セルが形成されており、かつ、主太陽電池セルの集電電極上に従太陽電池セルが配置されているので、従太陽電池セルによって集電電極により遮光された主太陽電池セルでの発電を補うことができるとともに、主太陽電池セルに入射する光に関して従太陽電池セルによる減光を抑制することができる。したがって、太陽電池全体として光電変換効率を向上させることが可能であり、大面積で高効率な太陽電池とすることができる。
上記発明においては、上記従太陽電池セル上に透明基板が配置され、上記主太陽電池セルおよび上記透明基板の間に透明絶縁材料を含有する透明絶縁部が設けられていてもよい。この場合には、太陽電池の強度を高めることができる。
また上記発明においては、上記従太陽電池セル上に透明基板が配置され、上記主太陽電池セルおよび上記透明基板の間に空間が設けられていてもよい。この場合には、上述のように透明絶縁部が設けられている場合と比較して、光の利用効率を高めることができる。
さらに本発明においては、上記主太陽電池セルでは、上記主光電変換層上に上記中間透明電極層および上記集電電極が順に形成され、上記従太陽電池セルでは、上記集電電極と上記従光電変換層との間にパターン状の第二中間電極層が形成され、上記中間電極部材が、上記中間透明電極層、上記集電電極および上記第二中間電極層を有していてもよい。従太陽電池セルの種類によっても異なるが、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に第二中間電極層が形成されていることで、従光電変換層から集電電極への電荷の取出しが容易となるからである。
また本発明は、上述の太陽電池が複数個直列または並列に接続されてなることを特徴とする太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、上述の太陽電池を有するので、大面積で高効率な太陽電池モジュールとすることができる。
本発明においては、大面積で高効率な太陽電池を提供することができるという効果を奏する。
本発明の太陽電池の一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。
以下、本発明の太陽電池および太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
I.太陽電池
まず、本発明の太陽電池について説明する。
本発明の太陽電池は、主太陽電池セルと、上記主太陽電池セル上にパターン状に形成された従太陽電池セルとを有する太陽電池であって、上記主太陽電池セルは、背面電極層と、上記背面電極層上に形成された主光電変換層と、上記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有し、上記従太陽電池セルは、上記集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、上記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有し、上記背面電極層と、上記中間透明電極層および上記集電電極を有する中間電極部材と、上記前面電極層とが電力変換装置に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の太陽電池について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の太陽電池の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、太陽電池1は、主太陽電池セル10と、主太陽電池セル10上にパターン状に形成された従太陽電池セル20とを有している。主太陽電池セル10は、背面電極層2と、背面電極層2上に形成された主光電変換層3と、主光電変換層3上に形成された中間透明電極層4と、中間透明電極層4上に形成されたパターン状の集電電極5とを有している。また、従太陽電池セル20は、集電電極5上に配置されたパターン状の従光電変換層11と、従光電変換層11上に形成されたパターン状の前面電極層12とを有している。太陽電池1においては、背面電極層2と、中間透明電極層4および集電電極5が積層された中間電極部材30と、前面電極層12とが、電力変換装置Wに接続されている。
この太陽電池1では、従太陽電池セル20側から光Lが入射し、従光電変換層11および主光電変換層3が光Lを吸収して発電が起こる。
本発明によれば、主太陽電池セルの受光面側に従太陽電池セルが形成されていることで、従太陽電池セルによって、集電電極により遮光された主太陽電池セルでの発電を補うことができる。すなわち、従太陽電池セル側から入射した光は、一部が従太陽電池セルの従光電変換層に吸収され、さらに主太陽電池セルにおける主光電変換層に吸収される。その際、主光電変換層の受光面側に設けられた集電電極によって入射光の一部が遮られ、主光電変換層に発電に寄与しない非発電領域が生じてしまう。しかしながら、主光電変換層に加え、従光電変換層でも発電することができるため、集電電極による主太陽電池セルでの光電変換効率の低下を補うことができる。
また本発明によれば、主太陽電池セルの受光面側にパターン状の従太陽電池セルが形成されており、かつ、主太陽電池セルの集電電極上に従太陽電池セルが配置されているので、主太陽電池セルに入射する光に関して従太陽電池セルによる減光を抑制することができる。
したがって本発明においては、太陽電池全体として光電変換効率を向上させることが可能であり、大面積で高効率な太陽電池とすることができる。
さらに、従来では、集電電極によって光電変換層の一部が遮光され発電に寄与しない非発電領域が生じるといった課題に対して、集電電極のパターンを微細化して非発電領域を小さくする試みがされてきた。これに対し、本発明においては、主太陽電池セルの受光面側に従太陽電池セルが形成されていることで、集電電極による主光電変換層での発電に寄与する領域の低減を補うことができるため、集電電極のパターンを大きく設計しても、太陽電池全体として高い光電変換効率を得ることが可能である。したがって本発明においては、集電電極のパターンを微細化する必要はなく、従太陽電池セルのパターンを微細化する必要もないので、従太陽電池セルによって主太陽電池セルの発電を十分に補うことができる。
以下、本発明の太陽電池における各構成について説明する。
A.従太陽電池セル
本発明における従太陽電池セルは、主太陽電池セル上にパターン状に形成されるものであり、主太陽電池セルにおける集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、上記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有するものである。
本発明の太陽電池全体の発電量に対する従太陽電池セルの発電量の割合としては、主太陽電池セルでの発電を補うことができる程度であればよく、例えば、50%未満とすることができ、中でも50%未満5%以上の範囲内であることが好ましく、40%以下10%以上の範囲内であることがさらに好ましく、30%以下15%以上の範囲内であることが特に好ましい。本発明の太陽電池全体の発電量に対する従太陽電池セルの発電量の割合が上記範囲内であれば、主太陽電池セルでの発電を十分に補うことができるからである。
なお、発電量の測定方法としては、従太陽電池セルについては前面電極層と中間電極部材を測定端子として、主太陽電池セルについては中間電極部材と背面電極層を測定端子として、ソーラーシミュレーターにより100mW/cm、1.5Gの条件で太陽電池特性を評価することで発電量を算出する。
従太陽電池セルは、フレキシブル性を有していてもよく有していなくてもよいが、中でもフレキシブル性を有することが好ましい。従太陽電池セルがフレキシブル性を有し、本発明の太陽電池がフレキシブル性を有する場合には、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
本発明においては、図2に例示するように、従太陽電池セル20では、従光電変換層11と主太陽電池セル10の集電電極5との間にパターン状の第二中間電極層13が形成されていてもよい。従太陽電池セルの種類によっても異なるが、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に第二中間電極層が形成されていることで、従光電変換層から集電電極への電荷の取出しが容易となるからである。これにより、光電変換効率を向上させることが可能となる。
この場合、主太陽電池セル10では、主光電変換層3上に中間透明電極層4および集電電極5が順に形成される。また、中間電極部材30は、中間透明電極層4と集電電極5と第二中間電極層13とが積層されたものとなる。
従太陽電池セルの種類としては、パターン状に形成可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、有機薄膜太陽電池セルや色素増感型太陽電池セルの有機系太陽電池セル、アモルファスシリコン型太陽電池セル、化合物半導体系太陽電池セル等を挙げることができる。中でも、従太陽電池セルは、有機薄膜太陽電池セルや色素増感型太陽電池セル等の有機系太陽電池セル、またはアモルファスシリコン型太陽電池セルであることが好ましい。フレキシブル性を有する従太陽電池セルとすることができるからである。特に、有機薄膜太陽電池セルや色素増感型太陽電池セル等の有機系太陽電池セルが好ましい。有機系太陽電池セルは、折り曲げに対する耐性が比較的高いので、フレキシブル太陽電池セルとして適しており、有用性があるからである。
以下、従太陽電池セルが、有機薄膜太陽電池セル、色素増感型太陽電池セル、およびアモルファスシリコン型太陽電池セルである場合に分けて説明する。
1.有機薄膜太陽電池セル
本発明に用いられる従太陽電池セルが有機薄膜太陽電池セルである態様について説明する。
従太陽電池セルを構成する有機薄膜太陽電池セルは、主太陽電池セル上にパターン状に形成されるものであり、主太陽電池セルにおける集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、上記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有するものである。
以下、有機薄膜太陽電池セルを構成する各部材について説明する。
(1)前面電極層
本態様の有機薄膜太陽電池セルに用いられる前面電極層は、パターン状に形成されるものである。この前面電極層は、主太陽電池セルの集電電極と対向する電極である。
前面電極層は、透明電極であってもよく、あるいは、透明電極とパターン状の第二集電電極とが積層されたものであってもよい。図3に例示するように、前面電極層12が透明電極12aと第二集電電極12bとが積層されたものである場合には、集電効率を高めることができる。
なお、図3においては、透明基板21上に第二集電電極12bおよび透明電極12aが順に積層されている。
以下、透明電極および第二集電電極に分けて説明する。
(a)透明電極
本態様における前面電極層を構成する透明電極は、パターン状に形成されるものであり、主太陽電池セルの集電電極と対向する電極である。
透明電極の形成材料としては、導電性および透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。また、透明電極の形成材料には、主太陽電池セルの集電電極の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい材料を選択してもよい。例えば、主太陽電池セルの集電電極の形成材料の仕事関数が低い場合には、透明電極の形成材料は仕事関数の高いものであることが好ましい。導電性および透明性を有し、かつ仕事関数の高い材料としては、ITOが好ましく用いられる。
透明電極の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明電極の全光線透過率が上記範囲であることにより、透明電極にて光を十分に透過することができ、従光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
透明電極は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
透明電極の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、10nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲よりも薄いと、透明電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲よりも厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率が低下する可能性があるからである。
透明電極のパターン形状としては、主太陽電池セルの集電電極のパターン形状に応じて適宜選択されるものであり、例えば、メッシュ状、ストライプ状等が挙げられる。
透明電極のパターンの線幅としては、透明電極と主太陽電池セルの集電電極とが接触しなければ特に限定されるものではなく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅や従光電変換層のパターンの線幅に応じて適宜選択される。透明電極のパターンの線幅は、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じであってもよく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅よりも大きくてもよい。透明電極のパターンの線幅が主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じである場合には、主太陽電池セルに入射する光について透明電極による減光を効果的に防ぐことができる。また、さらに従光電変換層のパターンの線幅も主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じである場合には、透明電極と従光電変換層と集電電極とを同時にパターニングすることができる。一方、透明電極のパターンの線幅が主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅よりも大きい場合には、透明電極の形成が容易となる。
具体的に、透明電極のパターンの線幅は、10μm〜3000μmの範囲内であることが好ましく、中でも30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。透明電極のパターンの線幅が上記範囲内であれば、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同程度とすることができ、主太陽電池セルに入射する光について透明電極による減光を効果的に防ぐことができるからである。
透明電極を形成する方法としては、パターン状に透明電極を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、透明電極のパターンの線幅等に応じて適宜選択されるものであり、透明電極を形成した後にパターニングしてもよく、予めパターン状の透明電極を形成してもよい。
透明電極を形成した後にパターニングする場合、透明電極の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
また、透明電極のパターニング方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、レーザースクライブ法、サンドブラスト法、メカニカルスクライブ法等が挙げられる。レーザースクライブ法、サンドブラスト法、メカニカルスクライブ法の場合には、透明電極と従光電変換層と集電電極とを同時にパターニングすることが可能である。
一方、予めパターン状の透明電極を形成する方法としては、例えば、印刷法、インクジェット法、シャドウマスクを用いた真空成膜法等が挙げられる。
(b)第二集電電極
本態様における前面電極層を構成する第二集電電極は、上記透明電極に接してパターン状に形成されるものである。第二集電電極は、通常、上記透明電極よりも抵抗値が低い。
透明電極および第二集電電極の積層順としては、従光電変換層上に、透明電極および第二集電電極の順に積層されていてもよく、第二集電電極および透明電極の順に積層されていてもよい。従光電変換層上に透明電極および第二集電電極の順に積層されている場合には、従光電変換層と透明電極との接触面積が大きくなるので、界面の接合性が良く、電荷の移動効率を高くすることができる。
第二集電電極の形成材料としては、通常、金属が用いられる。第二集電電極に用いられる金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ステンレス系金属、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金、鉄−ニッケル合金およびニッケル−クロム合金(Ni−Cr)等の導電性金属を挙げることができる。
また、第二集電電極は、上述のような導電性金属からなる単層であってもよく、また第二中間電極層との密着性向上のために、導電性金属層とコンタクト層とを適宜積層したものであってもよい。コンタクト層の形成材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(Ni−Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)等が挙げられる。コンタクト層は透明電極と第二集電電極との密着性を得るために導電性金属層に積層されるものであり、導電性金属層の片側にのみ積層してもよく、導電性金属層の両側に積層してもよい。
第二集電電極のパターン形状としては、特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、メッシュ状、ストライプ状等が挙げられる。第二集電電極がメッシュ状である場合には、メッシュ状のメッシュ部と、このメッシュ部の周囲に配置されたフレーム部とを有するものであってもよく、メッシュ状のメッシュ部からなるものであってもよい。
メッシュ部の形状としては、メッシュ状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、透過性、強度等により適宜選択される。例えば、三角形、四角形、六角形等の多角形や円形の格子状等が挙げられる。なお、多角形や円形の「格子状」とは、多角形や円形が周期的に配列されている形状をいう。多角形や円形の格子状としては、例えば多角形の開口部がストレートに配列されていてもよく、ジグザグに配列されていてもよい。
第二集電電極自体は基本的に光を透過しないので、第二集電電極のパターンの開口部から光電変換層に光が入射する。そのため、第二集電電極のパターンの開口部は比較的大きいことが好ましい。具体的には、第二集電電極のパターンの開口部の比率は、50%〜98%程度であることが好ましく、より好ましくは70%〜98%の範囲内、さらに好ましくは80%〜98%の範囲内である。
第二集電電極のパターンの開口部のピッチおよびパターンの線幅は、上記透明電極の面積等に応じて適宜選択される。通常、第二集電電極のパターンは上記透明電極のパターンよりも細かいパターンとなる。
第二集電電極の厚みは、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極との間で短絡が生じない厚みであれば限定されるものではなく、従光電変換層等の厚みに応じて適宜選択される。具体的には、100nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも200nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、特に200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。厚みが上記範囲より薄いと、第二集電電極のシート抵抗が大きくなりすぎる場合があるからである。また、厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
第二集電電極のシート抵抗としては、上記透明電極のシート抵抗よりも低ければよい。
第二集電電極の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属薄膜を全面に成膜した後にパターニングする方法、パターン状の導電体を直接形成する方法等が挙げられる。これらの方法は、第二集電電極の形成材料や構成等に応じて適宜選択される。
(2)従光電変換層
本態様の有機薄膜太陽電池セルに用いられる従光電変換層は、パターン状に形成されるものであり、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極との間に形成されるものである。
従光電変換層のパターン形状としては、主太陽電池セルの集電電極のパターン形状に応じて適宜選択されるものであり、例えば、メッシュ状、ストライプ状等が挙げられる。
従光電変換層のパターンの線幅としては、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極とが接触しなければ特に限定されるものではなく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅や前面電極層のパターンの線幅に応じて適宜選択される。従光電変換層のパターンの線幅は、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じであってもよく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅よりも大きくてもよい。従光電変換層のパターンの線幅が主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じである場合には、主太陽電池セルに入射する光について従光電変換層による減光を効果的に防ぐことができる。また、この場合、従光電変換層および集電電極を同時にパターニングすることができる。一方、従光電変換層のパターンの線幅が主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅よりも大きい場合には、従光電変換層の形成が容易となる。
具体的に、従光電変換層のパターンの線幅は、10μm〜3000μmの範囲内であることが好ましく、中でも30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。従光電変換層のパターンの線幅が上記範囲内であれば、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同程度とすることができ、主太陽電池セルに入射する光について従光電変換層による減光を効果的に防ぐことができるからである。
なお、「光電変換層」とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する部材をいう。
従光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(第1態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(第2態様)。以下、各態様について説明する。
(a)第1態様
本態様における従光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この従光電変換層では、従光電変換層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で従光電変換層として機能する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式塗工法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF3基含有ポリマーおよびそれらの−CF3置換ポリマー等を挙げることができる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
従光電変換層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、20nm〜500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは50nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、従光電変換層における抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
従光電変換層を形成する方法としては、パターン状に従光電変換層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、従光電変換層のパターンの線幅等に応じて適宜選択されるものであり、従光電変換層を形成した後にパターニングしてもよく、予めパターン状の従光電変換層を形成してもよい。
従光電変換層を形成した後にパターニングする場合、従光電変換層の形成方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法が好ましく用いられる。湿式塗工法であれば、大気中で従光電変換層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
また、従光電変換層のパターニング方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、レーザースクライブ法、サンドブラスト法、メカニカルスクライブ法等が挙げられる。レーザースクライブ法、サンドブラスト法、メカニカルスクライブ法の場合には、前面電極層と従光電変換層と集電電極とを同時にパターニングすることが可能である。
一方、予めパターン状の従光電変換層を形成する方法としては、例えば、印刷法、インクジェット法、シャドウマスクを用いた真空成膜法等が挙げられる。
(b)第2態様
本態様における従光電変換層は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(i)電子受容性層
本態様に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の従光電変換層に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、20nm〜500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは50nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子受容性層における抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記第1態様の従光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(ii)電子供与性層
本態様に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、20nm〜500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは50nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子供与性層における抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記第1態様の従光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(3)第二中間電極層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおいては、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間にパターン状の第二中間電極層が形成されていてもよい。上述したように、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に第二中間電極層が形成されていることで、従光電変換層から集電電極への電荷の取出しが容易となり、光電変換効率を向上させることができるからである。
また、従来、有機薄膜太陽電池セルにおいては、有機材料を含有する光電変換層上に集電電極を形成する場合、集電電極の形成方法によっては、集電電極形成時に光電変換層に含まれる有機材料が劣化する等により、光電変換層および集電電極の電気的な接続が不安定になり、特性が低下することがあった。
これに対し、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に第二中間電極層が形成されている場合には、第二中間電極層によって集電電極形成時の従光電変換層へのダメージを軽減することができ、特性の低下を抑制することが可能である。
第二中間電極層は、上記前面電極層と対向する電極である。
第二中間電極層は、透明性を有していてもよく、有していなくてもよい。
第二中間電極層の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、IIn−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O、SnO、フッ素をドープしたSnO等の金属酸化物、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等の金属材料、カーボン材料等を挙げることができる。また、第二中間電極層の形成材料には、上記前面電極層を構成する透明電極の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい材料を選択してもよい。例えば、上記前面電極層を構成する透明電極の形成材料の仕事関数が高い場合には、第二中間電極層の形成材料は仕事関数の低いものであることが好ましい。
第二中間電極層のパターン形状としては、主太陽電池セルの集電電極のパターン形状や従光電変換層のパターン形状に応じて適宜選択されるものであり、例えば、メッシュ状、ストライプ状等が挙げられる。
第二中間電極層のパターンの線幅としては、第二中間電極層と前面電極層とが接触しなければ特に限定されるものではなく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅、前面電極層のパターンの線幅、従光電変換層のパターンの線幅に応じて適宜選択される。通常、第二中間電極層のパターンの線幅は、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同程度である。具体的に、第二中間電極層のパターンの線幅は、10μm〜3000μmの範囲内であることが好ましく、中でも30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。
第二中間電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
第二中間電極層の膜厚としては、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、10nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、第二中間電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚いと、第二中間電極層のパターンの線幅等によっては第二中間電極層の形成が困難となる場合があるからである。
第二中間電極層を形成する方法としては、パターン状に第二中間電極層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、第二中間電極層のパターンの線幅等に応じて適宜選択されるものであり、第二中間電極層を形成した後にパターニングしてもよく、予めパターン状の第二中間電極層を形成してもよい。
第二中間電極層を形成した後にパターニングする場合、第二中間電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
また、第二中間電極層のパターニング方法としては、例えば、フォトリソグラフィー法、レーザースクライブ法、サンドブラスト法、メカニカルスクライブ法等が挙げられる。レーザースクライブ法、サンドブラスト法、メカニカルスクライブ法の場合には、前面電極層と従光電変換層と第二中間電極層と集電電極とを同時にパターニングすることが可能である。
一方、予めパターン状の第二中間電極層を形成する方法としては、例えば、印刷法、インクジェット法、シャドウマスクを用いた真空成膜法等が挙げられる。
(4)バッファー層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおいては、前面電極層と従光電変換層との間、あるいは、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に、従光電変換層に接してバッファー層が形成されていてもよい。バッファー層は、従光電変換層から前面電極層または主太陽電池セルの集電電極への電荷の取出しが容易に行われるように設けられる層である。バッファー層が形成されていることにより、従光電変換層から前面電極層または主太陽電池セルの集電電極への電荷取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることができる。
バッファー層は、上記従光電変換層と同様にパターン状に形成されるものである。
なお、バッファー層のパターンについては、上記従光電変換層のパターンと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
バッファー層としては、正孔取出し層であってもよく、あるいは電子取出し層であってもよい。
以下、正孔取出し層および電子取出し層について説明する。
(a)正孔取出し層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおいては、正孔取出し層が形成されていてもよい。正孔取出し層は、従光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、従光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
正孔取出し層に用いられる材料としては、従光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。これらの中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。
正孔取出し層の膜厚としては、例えば、10nm〜200nmの範囲内とすることができる。
正孔取出し層の形成方法としては、上記従光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(b)電子取出し層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおいては、電子取出し層が形成されていてもよい。電子取出し層は、従光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、従光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
電子取出し層に用いられる材料としては、従光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
電子取出し層の膜厚としては、例えば、10nm〜200nmの範囲内とすることができる。
電子取出し層の形成方法としては、上記従光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
2.色素増感型太陽電池セル
本発明に用いられる従太陽電池セルが色素増感型太陽電池セルである態様について説明する。
従太陽電池セルを構成する色素増感型太陽電池セルは、主太陽電池セル上にパターン状に形成されるものであり、主太陽電池セルにおける集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、上記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有するものである。
以下、色素増感型太陽電池セルを構成する各部材について説明する。
(1)前面電極層
本態様の色素増感型太陽電池セルに用いられる前面電極層は、パターン状に形成されるものである。この前面電極層は、主太陽電池セルの集電電極と対向する電極である。
前面電極層は、透明電極であってもよく、あるいは、透明電極とパターン状の第二集電電極とが積層されたものであってもよい。図3に例示するように、前面電極層12が透明電極12aと第二集電電極12bとが積層されたものである場合には、集電効率を高めることができる。
なお、透明電極および第二集電電極については、上記「1.有機薄膜太陽電池セル (1)前面電極層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)従光電変換層
本態様の色素増感型太陽電池セルに用いられる従光電変換層は、パターン状に形成されるものであり、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極との間に形成されるものである。
従光電変換層のパターン形状としては、主太陽電池セルの集電電極のパターン形状に応じて適宜選択されるものであり、例えば、メッシュ状、ストライプ状等が挙げられる。
従光電変換層のパターンの線幅としては、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極とが接触しなければ特に限定されるものではなく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅や前面電極層のパターンの線幅に応じて適宜選択される。上記有機薄膜太陽電池セルと同様に、従光電変換層のパターンの線幅は、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じであってもよく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅よりも大きくてもよい。
具体的に、従光電変換層のパターンの線幅は、10μm〜3000μmの範囲内であることが好ましく、中でも30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。従光電変換層のパターンの線幅が上記範囲内であれば、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同程度とすることができ、主太陽電池セルに入射する光について従光電変換層による減光を効果的に防ぐことができるからである。
従光電変換層の膜厚としては、色素増感型太陽電池セルにおける一般的な光電変換層の膜厚を採用することができ、具体的には、1μm〜100μmの範囲内であることが好ましく、中でも3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚いと、従光電変換層における抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
従光電変換層は、表面に増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子と、電解質層とを有するものである。
以下、本態様における金属酸化物半導体微粒子、増感色素、および電解質層について説明する。
(a)金属酸化物半導体微粒子
本態様の色素増感型太陽電池セルに用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではない。金属酸化物半導体微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。中でも、TiOからなる金属酸化物半導体微粒子を用いることが最も好ましい。TiOは特に半導体特性に優れるからである。
(b)増感色素
本態様の色素増感型太陽電池セルに用いられる増感色素としては、光を吸収して起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定されない。このような増感色素としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン、インドリン、カルバゾール系の色素が挙げられる。中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。また、金属錯体色素としてはルテニウム系色素を用いることが好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素を用いることが好ましい。このようなルテニウム錯体は吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(c)電解質層
本態様の色素増感型太陽電池セルに用いられる電解質層は、酸化還元対を含むものである。
電解質層に用いられる酸化還元対としては、色素増感型太陽電池セルにおける一般的な電解質層に用いられているものであれば特に限定されるものではない。中でも、酸化還元対は、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。
酸化還元対として用いられるヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。さらに、臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
電解質層は、上記酸化還元対以外に、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していてもよい。
電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用により室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応等により化学結合でゲルを形成しているものである。また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレン等を溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。さらに、電解質層を固体状とした場合には、酸化還元対を含まずにそれ自身が正孔輸送剤として機能するものであればよく、例えばCuI、ポリピロール、ポリチオフェン等を含む正孔輸送剤であってもよい。
(d)任意の成分
本態様の色素増感型太陽電池セルに用いられる従光電変換層には、上記の他に任意の成分が含まれていてもよい。任意の成分としては、例えば、樹脂を挙げることができる。従光電変換層に樹脂が含有されることにより、従光電変換層の脆性を改善することができるからである。
(e)従光電変換層の形成方法
従光電変換層を形成する方法としては、パターン状に従光電変換層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、グラビアコート法等により金属酸化物半導体の多孔質層をパターン状に形成する方法を用いることができる。
(3)第二中間電極層
本態様の色素増感型太陽電池セルにおいては、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間にパターン状の第二中間電極層が形成されていてもよい。上述したように、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に第二中間電極層が形成されていることで、従光電変換層から集電電極への電荷の取出しが容易となり、光電変換効率を向上させることができるからである。
なお、第二中間電極層については、上記「1.有機薄膜太陽電池セル (3)第二中間電極層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.アモルファスシリコン型太陽電池
本発明に用いられる従太陽電池セルがアモルファスシリコン型太陽電池セルである態様について説明する。
従太陽電池セルを構成するアモルファスシリコン型太陽電池セルは、主太陽電池セル上にパターン状に形成されるものであり、主太陽電池セルにおける集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、上記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有するものである。
以下、アモルファスシリコン型太陽電池セルを構成する各部材について説明する。
(1)前面電極層
本態様のアモルファスシリコン型太陽電池セルに用いられる前面電極層は、パターン状に形成されるものである。この前面電極層は、主太陽電池セルの集電電極と対向する電極である。
前面電極層は、透明電極であってもよく、あるいは、透明電極とパターン状の第二集電電極とが積層されたものであってもよい。図3に例示するように、前面電極層12が透明電極12aと第二集電電極12bとが積層されたものである場合には、集電効率を高めることができる。
なお、透明電極および第二集電電極については、上記「1.有機薄膜太陽電池セル (1)前面電極層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(2)従光電変換層
本態様のアモルファスシリコン型太陽電池セルに用いられる従光電変換層は、パターン状に形成されるものであり、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極との間に形成されるものである。
従光電変換層のパターン形状としては、主太陽電池セルの集電電極のパターン形状に応じて適宜選択されるものであり、例えば、メッシュ状、ストライプ状等が挙げられる。
従光電変換層のパターンの線幅としては、前面電極層と主太陽電池セルの集電電極とが接触しなければ特に限定されるものではなく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅や前面電極層のパターンの線幅に応じて適宜選択される。上記有機薄膜太陽電池セルと同様に、従光電変換層のパターンの線幅は、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同じであってもよく、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅よりも大きくてもよい。
具体的に、従光電変換層のパターンの線幅は、10μm〜3000μmの範囲内であることが好ましく、中でも30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。従光電変換層のパターンの線幅が上記範囲内であれば、主太陽電池セルの集電電極のパターンの線幅と同程度とすることができ、主太陽電池セルに入射する光について従光電変換層による減光を効果的に防ぐことができるからである。
従光電変換層としては、アモルファスシリコン型太陽電池における一般的な光電変換層と同様とすることができる。従光電変換層は、例えば、n型アモルファスシリコン層と、i型アモルファスシリコン層と、p型アモルファスシリコン層とを有する。
本態様における従光電変換層の膜厚としては、アモルファスシリコン型太陽電池における一般的な光電変換層の膜厚を採用することができ、具体的には、150nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より厚いと、従光電変換層における抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
従光電変換層を形成する方法としては、パターン状に従光電変換層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、通常は予めパターン状の従光電変換層を形成する方法が用いられ、例えば、シャドウマスクを用いた真空成膜法が挙げられる。
従光電変換層の成膜方法としては、例えば、シランガス(SiH)を真空炉中に導入し、電界を印加してプラズマ放電することにより、アモルファスシリコン層を形成する方法が挙げられる。このとき、シランガスに不純物を添加しない場合はi型アモルファスシリコン層が、ジボラン(B)を不純物として添加するとp型アモルファスシリコン層が、フォスヒン(PH)を添加するとn型アモルファスシリコン層が形成される。
(3)第二中間電極層
本態様のアモルファスシリコン型太陽電池セルにおいては、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間にパターン状の第二中間電極層が形成されていてもよい。上述したように、従光電変換層と主太陽電池セルの集電電極との間に第二中間電極層が形成されていることで、従光電変換層から集電電極への電荷の取出しが容易となり、光電変換効率を向上させることができるからである。
なお、第二中間電極層については、上記「1.有機薄膜太陽電池セル (3)第二中間電極層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
B.主太陽電池セル
本発明における主太陽電池セルは、背面電極層と、上記背面電極層上に形成された主光電変換層と、上記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有するものである。
主太陽電池セルは、本発明の太陽電池において主に発電するものである。本発明の太陽電池全体の発電量に対する主太陽電池セルの発電量の割合としては、50%以上であることが好ましく、中でも50%〜95%の範囲内であることが好ましく、さらに60%〜90%の範囲内であることが好ましく、特に70%〜85%の範囲内であることが好ましい。本発明の太陽電池全体の発電量に対する主太陽電池セルの発電量の割合が上記範囲内であれば、本発明の太陽電池全体として十分な発電量を得ることができるからである。
なお、上記発電量の測定方法としては、上記「A.従太陽電池セル」の項に記載したものと同様とすることができる。
主太陽電池セルは、フレキシブル性を有していてもよく有していなくてもよいが、中でもフレキシブル性を有することが好ましい。主太陽電池セルがフレキシブル性を有し、本発明の太陽電池がフレキシブル性を有する場合には、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
主太陽電池セルの種類としては、特に限定されるものではなく、例えば、有機薄膜太陽電池セルや色素増感型太陽電池セルの有機系太陽電池セル、アモルファスシリコン型太陽電池セルや結晶シリコン型太陽電池セルのシリコン系太陽電池セル、化合物半導体系太陽電池セル等を挙げることができる。中でも、主太陽電池セルは、有機薄膜太陽電池セルや色素増感型太陽電池セル等の有機系太陽電池セル、またはアモルファスシリコン型太陽電池セルであることが好ましい。フレキシブル性を有する主太陽電池セルとすることができるからである。特に、有機薄膜太陽電池セルや色素増感型太陽電池セル等の有機系太陽電池セルが好ましい。有機系太陽電池セルは、折り曲げに対する耐性が比較的高いので、フレキシブル太陽電池セルとして適しており、有用性があるからである。
以下、主太陽電池セルが、有機薄膜太陽電池セル、色素増感型太陽電池セル、およびアモルファスシリコン型太陽電池セルである場合に分けて説明する。
1.有機薄膜太陽電池セル
本発明に用いられる主太陽電池セルが有機薄膜太陽電池セルである態様について説明する。
主太陽電池セルを構成する有機薄膜太陽電池セルは、背面電極層と、上記背面電極層上に形成された主光電変換層と、上記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有するものである。
以下、有機薄膜太陽電池セルを構成する各部材について説明する。
(1)集電電極
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおける集電電極は、集電電極上に上述の従太陽電池セルが配置されるものである。集電電極は、通常、後述の中間透明電極層よりも抵抗値が低い。
集電電極および中間透明電極層の積層順としては、主光電変換層上に中間透明電極層および集電電極の順に積層されていてもよく、主光電変換層上に集電電極および中間透明電極層の従に積層されていてもよい。従太陽電池セルにおいて主太陽電池セルの集電電極と従光電変換層との間に第二中間電極が形成されている場合には、主光電変換層上に中間透明電極層および集電電極の順に積層される。また、従光電変換層上に中間透明電極層および集電電極の順に積層されている場合には、従光電変換層と中間透明電極層との接触面積が大きくなるので、界面の接合性が良く、電荷の移動効率を高くすることができる。
なお、集電電極の形成材料、構成、パターン形状、パターンの開口部の比率、形成方法等については、上記「A.従太陽電池セル 1.有機薄膜太陽電池セル (1)前面電極層 (b)第二集電電極」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
集電電極のパターンの開口部のピッチおよびパターンの線幅は、集電電極全体の面積等に応じて適宜選択される。なお、本発明においては、集電電極によって主太陽電池セルの主光電変換層の一部が遮光され、主光電変換層に発電に寄与しない非発電領域が生じても、集電電極上に配置された従太陽電池セルによって発電を補うことができる。したがって、集電電極のパターンの線幅を大きくすることができる。
集電電極のパターンの線幅としては、集電電極と従太陽電池セルの前面電極層とが接触しなければ特に限定されるものではなく、従太陽電池セルの前面電極層のパターンの線幅や従光電変換層のパターンの線幅に応じて適宜選択される。上述したように、集電電極のパターンの線幅は、従太陽電池セルの前面電極層や従光電変換層のパターンの線幅と同じであってもよく、従太陽電池セルの前面電極層や従光電変換層のパターンの線幅よりも小さくてもよい。
中でも、集電電極のパターンの線幅は比較的大きいことが好ましい。集電電極上にパターン状の従太陽電池セルが配置されるので、集電電極のパターンの線幅が大きければ、パターン状の従太陽電池セルの形成が容易となるからである。具体的に、集電電極のパターンの線幅は、10μm〜3000μmの範囲内とすることができ、中でも30μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、50μm〜1000μmの範囲内であることがさらに好ましい。
集電電極の厚みは、中間透明電極層と背面電極層との間で短絡が生じない厚みであれば限定されるものではなく、主光電変換層等の厚みに応じて適宜選択される。具体的には、100nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも200nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、特に200nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。集電電極の厚みが上記範囲より薄いと、集電電極のシート抵抗が大きくなりすぎる場合があるからである。また、集電電極の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
集電電極のシート抵抗としては、中間透明電極層のシート抵抗よりも低ければよい。
(2)中間透明電極層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおける中間透明電極層は、背面電極層と対向する電極である。
中間透明電極層の形成材料としては、導電性および透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。また、中間透明電極層の形成材料には、背面電極層の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい材料を選択してもよい。例えば、背面電極層の形成材料の仕事関数が低い場合には、中間透明電極層の形成材料は仕事関数の高いものであることが好ましい。導電性および透明性を有し、かつ仕事関数の高い材料としては、ITOが好ましく用いられる。
中間透明電極層の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。中間透明電極層の全光線透過率が上記範囲であることにより、中間透明電極層にて光を十分に透過することができ、主光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
中間透明電極層は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
中間透明電極層の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、10nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲よりも薄いと、中間透明電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲よりも厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率が低下する可能性があるからである。
中間透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(3)主光電変換層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおける主光電変換層は、中間透明電極層と背面電極層との間に形成されるものである。
主光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい。
なお、主光電変換層については、上記「A.従太陽電池セル 1.有機薄膜太陽電池セル (2)従光電変換層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(4)背面電極層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおける背面電極層は、上記中間透明電極層と対向する電極である。
背面電極層としては、金属電極層であってもよく、あるいは、透明電極層と第三集電電極とが積層されたものであってもよい。
図4に例示するように、背面電極層2が、透明電極層2aと第三集電電極2bとが積層されたものである場合には、従太陽電池セル20側から光L1が入射するだけでなく、主太陽電池セル10側からも光L2を入射させることができる。そのため、従太陽電池セル20側から入射した光L1が、主太陽電池セル10の集電電極5によって遮光され、主光電変換層3に発電に寄与しない非発電領域が生じたとしても、その非発電領域に主太陽電池セル10側から光L2を入射させることができる。これにより、太陽電池全体としての光電変換効率を高めることが可能となる。
なお、図4においては、透明基板25上に第三集電電極2bおよび透明電極層2aが順に積層されている。
中でも、背面電極層は金属電極層であることが好ましい。低抵抗化することができるからである。
以下、背面電極層が金属電極層である場合と、透明電極層と第三集電電極とが積層されたものである場合とに分けて説明する。
(a)金属電極層
本態様は、背面電極層が金属電極層である態様である。
金属電極層の形成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではない。また、金属電極層の形成材料には、中間透明電極層の形成材料の仕事関数等に応じて、好ましい材料を選択してもよい。例えば、中間透明電極層の形成材料の仕事関数が高い場合には、金属電極層の形成材料は仕事関数の低いものであることが好ましい。具体的に仕事関数の低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。
金属電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
金属電極層の膜厚としては、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、20nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、金属電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、上記範囲より厚いと、フレキシブル太陽電池セルの場合にはフレキシブル性が損なわれる場合があるからである。
金属電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(b)透明電極層および第三集電電極
本態様は、背面電極層が透明電極層と第三集電電極とが積層されたものである態様である。
以下、第三集電電極と透明電極層とに分けて説明する。
(i)第三集電電極
本態様における背面電極層を構成する第三集電電極は、透明電極層に接してパターン状に形成されるものである。第三集電電極は、通常、透明電極層よりも抵抗値が低い。
なお、第三集電電極の形成材料、構成、パターン形状、パターンの開口部の比率、パターンの開口部のピッチ、パターンの線幅、厚み、形成方法等については、上記「A.従太陽電池セル 1.有機薄膜太陽電池セル (1)前面電極層 (b)第二集電電極」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
第三集電電極は、平面視上、集電電極と重なる領域が小さくなるように配置されていることが好ましく、集電電極と重ならないように配置されていることがより好ましい。これにより、従太陽電池セル側から入射した光が集電電極によって遮光され、主光電変換層に発電に寄与しない非発電領域が生じたとしても、この非発電領域に主太陽電池セル側から光を入射させることができるからである。
(ii)透明電極層
本態様における透明電極層は、主光電変換層上に形成されるものであり、第二中間電極層と対向する電極である。
透明電極層は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
この透明電極層の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、10nm〜800nmの範囲内であることが好ましく、中でも50nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、透明電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
なお、透明電極層の形成材料、全光線透過率、構成、膜厚、形成方法等については、上記「A.従太陽電池セル 第1態様 (1)前面電極層 (a)透明電極」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
(5)バッファー層
本態様の有機薄膜太陽電池セルにおいては、中間透明電極層と主光電変換層との間あるいは主光電変換層と背面電極層との間にバッファー層が形成されていてもよい。バッファー層は、主光電変換層から中間透明電極層または背面電極層への電荷の取出しが容易に行われるように設けられる層である。バッファー層が形成されていることにより、主光電変換層から中間透明電極層または背面電極層への電荷取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることができる。
なお、バッファー層については、上記「A.従太陽電池セル 1.有機薄膜太陽電池セル (4)バッファー層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.色素増感型太陽電池セル
本発明に用いられる主太陽電池セルが色素増感型太陽電池セルである態様について説明する。
主太陽電池セルを構成する色素増感型太陽電池セルは、背面電極層と、上記背面電極層上に形成された主光電変換層と、上記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有するものである。
なお、集電電極、中間透明電極層および背面電極層については、上記「B.主太陽電池セル 1.有機薄膜太陽電池セル」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、主光電変換層については、上記「A.従太陽電池セル 2.色素増感型太陽電池セル (2)従光電変換層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.アモルファスシリコン型太陽電池セル
本発明に用いられる主太陽電池セルがアモルファスシリコン型太陽電池セルである態様について説明する。
主太陽電池セルを構成するアモルファスシリコン型太陽電池セルは、背面電極層と、上記背面電極層上に形成された主光電変換層と、上記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有するものである。
なお、集電電極、中間透明電極層および背面電極層については、上記「B.主太陽電池セル 1.有機薄膜太陽電池セル」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、主光電変換層については、上記「A.従太陽電池セル 3.アモルファスシリコン型太陽電池セル (2)従光電変換層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
C.主太陽電池セルおよび従太陽電池セルの組合せ
本発明の太陽電池は、主太陽電池セルと、主太陽電池セルでの発電を補助するための従太陽電池セルとを有するものである。
なお、主太陽電池セルおよび従太陽電池セルの種類については、上述のとおりである。
主太陽電池セルおよび従太陽電池セルの種類としては、主太陽電池セルと従太陽電池セルとで同一の種類の太陽電池セルを用いてもよく、あるいは主太陽電池セルと従太陽電池セルとで異なる種類の太陽電池セルを用いてもよい。
主太陽電池セルおよび従太陽電池セルが共に有機薄膜太陽電池セルである場合には、主太陽電池セルにおける主光電変換層と、従太陽電池セルにおける従光電変換層とが同じ光吸収波長領域を有していてもよく、あるいはそれぞれ異なる光吸収波長領域を有していてもよい。
また、主太陽電池セルおよび従太陽電池セルが共に色素増感型太陽電池セルである場合にも、主光電変換層と従光電変換層とが同じ光吸収波長領域を有していてもよく、あるいはそれぞれ異なる光吸収波長領域を有していてもよい。
D.前面電極層、中間電極部材、および背面電極層の接続
本発明においては、前面電極層と中間電極部材と背面電極層とが電力変換装置に接続されている。
中間電極部材は、中間透明電極層と集電電極とを有するものである。従太陽電池セルに第二中間電極が形成されている場合には、中間電極部材は、中間透明電極層と集電電極と第二中間電極とが積層されたものとなる。
なお、中間電極部材に接続するとは、中間電極部材を構成する上記のいずれかの電極に接続することを指す。
また、背面電極層が、集電電極と透明電極層とが積層されたものである場合には、集電電極および透明電極層のいずれかに接続されていればよい。
電力変換装置としては、一般的なものを用いることができる。
E.透明基板
本発明においては、図5および図6に例示するように、従太陽電池セル20上に透明基板21が配置されていてもよい。透明基板21は、従太陽電池セル20および主太陽電池セル10を支持するものである。
この場合、図5に例示するように、透明基板21および主太陽電池セル10の間は空間22が設けられていてもよく、図6に例示するように、透明基板21および主太陽電池セル10の間は透明絶縁材料を含有する透明絶縁部24が設けられていてもよい。主太陽電池セルおよび透明基板の間に空間が設けられている場合には、透明絶縁部が設けられている場合と比較して光の利用効率を高めることができる。一方、主太陽電池セルおよび透明基板の間に透明絶縁部が設けられている場合には、太陽電池の強度を高めることができ、またフレキシブル太陽電池セルの場合には空間が設けられている場合と比較して電極間で短絡しにくいものとすることができる。
透明基板の光透過率としては、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明基板の光透過率が上記範囲であることにより、透明基板にて光を十分に透過することができ、従光電変換層および主光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、光透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
透明基板は、フレキシブル性を有していてもよく有していなくてもよいが、中でもフレキシブル性を有することが好ましい。フレキシブル性を有する太陽電池とすることができるからである。
透明基板のフレキシブル性としては、JIS R1601のファインセラミックスの曲げ試験方法で、5KNの力をかけたときに曲がることを指す。
透明基板としては、透明性を有し、主太陽電池セルおよび従太陽電池セルを支持することが可能な程度の自己支持性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス製基板や樹脂製基板を挙げることができる。中でも、薄板ガラスや樹脂製基板は、フレキシブル性を有し得ることから好ましい。特に、樹脂製基板は、軽量であり、加工性に優れ、製造コストの低減ができるため好ましい。
樹脂製基板としては、例えば、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂からなる基板等を挙げることができる。中でも、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレートフィルム(PEN)、ポリカーボネートフィルム(PC)が用いられることが好ましい。
また、透明基板は、耐熱性、耐候性、水蒸気、その他のガスバリア性に優れたものであることが好ましい。透明基板がガスバリア性を有することにより、例えば、本発明の太陽電池の経時安定性を向上できるからである。
透明基板の厚みとしては、太陽電池の用途等に応じて適宜選択されるものであるが、通常、10μm〜2000μmの範囲内であることが好ましく、特に50μm〜1800μmの範囲内であることが好ましく、さらに100μm〜1500μmの範囲内であることが好ましい。
F.透明絶縁部
本発明においては、図6に例示するように、透明基板21および主太陽電池セル10の間に透明絶縁材料を含有する透明絶縁部24が設けられていてもよい。主太陽電池セルおよび透明基板の間に透明絶縁部が設けられている場合には、太陽電池の強度を高めることができる。
透明絶縁部の光透過率としては、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明絶縁部の光透過率が上記範囲であることにより、透明絶縁部にて光を十分に透過することができ、主光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、光透過率の測定方法については、上記透明基板の光透過率の測定方法と同様である。
透明絶縁部に用いられる透明絶縁材料としては、透明性を有し、透明基板および主太陽電池セルの間に充填可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を用いることができ、具体的には、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等を挙げることができる。
透明絶縁部には、散乱剤が含有されていてもよい。透明絶縁部中の散乱剤によって光が屈折することで、集電電極が形成されている遮光領域に位置する主光電変換層の部分にも光が回り込み、光電変換効率を高めることができるからである。
散乱剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ等の無機酸化物粒子や、アクリル、スチレン、スチレンアクリルおよびその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)およびETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー、シリコーン樹脂等の樹脂粒子を挙げることができる。これらの粒子は1種を単独で用いてもよく2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
透明絶縁部の厚みとしては、透明基板および主太陽電池セル間の間隔に応じて適宜選択される。
透明絶縁部の形成方法としては、上記透明絶縁材料を透明基板および主太陽電池セルの間に充填可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、透明基板上に、従太陽電池セルの前面電極層および従光電変換層等を形成し、さらに主太陽電池セルの集電電極を形成した後、パターン状の前面電極層、従光電変換層および集電電極の間に上記透明絶縁材料を塗布する方法が挙げられる。
上記透明絶縁材料の塗布方法としては、パターン状の前面電極層、従光電変換層および集電電極の間に上記透明絶縁材料を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ダイコート法、キャストコート法、ブレードコート法、スピンコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法等を挙げることができる。
上記透明絶縁材料の塗布量は、透明基板および主太陽電池セルの間に充填可能な量であれば特に限定されるものではない。
パターン状の前面電極層、従光電変換層および集電電極の間に上記透明絶縁材料を塗布する際に、集電電極を覆うように上記透明絶縁材料を塗布した場合には、上記透明絶縁材料の硬化後に透明絶縁部表面を研磨することで集電電極を露出させることができる。
G.スペーサ
本発明においては、図5に例示するように、透明基板21および主太陽電池セル10の間に空間22が設けられている場合には、透明基板21および主太陽電池セル10の間にスペーサ23が形成されていることが好ましい。スペーサ23は透明基板21および主太陽電池セル10間の間隔を保持するものである。
スペーサは透明性を有していてもよく有していなくてもよく、スペーサの配置に応じて適宜選択される。スペーサが透明基板の外縁に形成されている場合には、スペーサは透明性を有していてもよく有していなくてもよい。一方、スペーサが太陽電池の発電領域内に形成されている場合には、スペーサは透明性を有することが好ましい。スペーサが不透明であると、スペーサによって主光電変換層が遮光されてしまうからである。
スペーサが透明性を有する場合、スペーサの光透過率としては、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。スペーサの光透過率が上記範囲であることにより、スペーサにて光を十分に透過することができ、主光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、光透過率の測定方法については、上記透明基板の光透過率の測定方法と同様である。
スペーサに用いられる材料としては、透明基板および主太陽電池セル間の間隔を保持可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を用いることができる。
スペーサの配置としては、スペーサが透明基板の外縁に形成されていてもよく、太陽電池の発電領域内に形成されていてもよい。
スペーサの形状としては、透明基板および主太陽電池セル間の間隔を保持可能であれば特に限定されるものではなく、例えば、柱状であってもよく、壁状であってもよい。また、スペーサが透明基板の外縁に形成されている場合には、枠状とすることができる。
スペーサの厚みとしては、透明基板および主太陽電池セル間の間隔に応じて適宜選択される。
スペーサの形成方法としては、印刷法、フォトリソグラフィー法等の一般的なスペーサの形成方法を採用することができる。
H.その他の部材
本発明の太陽電池には、上述した構成部材の他にも、必要に応じて、例えば、保護シート、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
I.太陽電池の製造方法
本発明の太陽電池の製造方法としては、主太陽電池セル上に従太陽電池セルがパターン状に形成された太陽電池を製造できる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、主太陽電池セルの背面電極層側から順に形成してもよく、透明基板上に従太陽電池セルおよび主太陽電池セルの集電電極を形成した後、パターン状の従太陽電池セルおよび主太陽電池セルの集電電極の間に透明絶縁部を設け、さらに主太陽電池セルの中間透明電極層、主光電変換層、背面電極層を順に形成してもよく、透明基板上に従太陽電池セルおよび主太陽電池セルの集電電極を形成した従太陽電池セル側部材と、背面電極層から中間透明電極層まで積層した主太陽電池セル側部材とを貼り合わせてもよい。
II.太陽電池モジュール
本発明の太陽電池モジュールは、上述の太陽電池が複数個直列または並列に接続されてなることを特徴とするものである。
本発明においては、上述の太陽電池を有するので、大面積で高効率な太陽電池モジュールとすることが可能である。
複数個の太陽電池の接続としては、所望の起電力を得ることができればよく、直列のみであってもよく、並列のみであってもよく、直列および並列を組み合わせてもよい。
なお、太陽電池については、上記「I.太陽電池」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
125μmのPETフィルム基板上にスパッタ法によりITO膜を成膜し、前面電極層を形成した。
次いで、導電性高分子ペースト(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)をスピンコート法により上記ITO膜が形成された基板上に成膜した後に、150℃で30分間乾燥させ、膜厚:100nmの正孔取出し層を形成した。
次に、ポリチオフェン(P3HT:Poly(3−Hexylthiophene−2,5−diyl))とC60PCBM([6,6]−phenyl−C61−butyric acid methyl ester)をブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換層用塗工液を準備した。次いで、光電変換層用塗工液を上記正孔取出し層上にスピンコート法にて回転数600rpmの条件で塗布して従光電変換層を形成した。
次に、上記従光電変換層上に真空蒸着法によりカルシウム膜を成膜し、電子取出し層を形成した。
次に、スパッタリング法(成膜圧力:0.1Pa、成膜パワー:180W、時間:3分/12分/3分)により、上記カルシウム膜上に厚み20nm/300nm/20nmでNi/Cu/Niを積層した。
次に、上記ITO膜から上記Ni膜までの積層体がメッシュ形状になるように、レーザースクライブ法により一部を除去した。これにより、メッシュ形状の前面電極層、正孔取出し層、従光電変換層、電子取出し層および集電電極を得た。
次いで、メッシュ形状の積層体上に紫外線硬化性のアクリル樹脂を塗布した後、紫外線を照射して硬化させ、アクリル樹脂層を形成した。次に、上記アクリル樹脂層の表面を研磨し、上記集電電極のNi膜の表面を露出させた。
次に、上記アクリル樹脂層と上記集電電極のNi膜が共存している表面にスパッタ法によりITO膜を成膜し、中間透明電極層を形成した。
次に、導電性高分子ペースト(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)をスピンコート法により上記ITO膜上に成膜した後に、150℃で30分間乾燥させ、膜厚:100nmの正孔取出し層を形成した。
次に、上述の光電変換層用塗工液を上記正孔取出し層上にスピンコート法にて回転数600rpmの条件で塗布して主光電変換層を形成した。
次に、上記主光電変換層上に真空蒸着法によりカルシウム膜およびアルミニウム膜を成膜し、背面電極層を形成した。
次に、前面電極層、集電電極および背面電極層を電力変換装置に接続した。このようにして有機薄膜太陽電池を作製した。
[実施例2]
125μmのPETフィルム基板上にスパッタ法によりITO膜を成膜し、前面電極層を形成した。
次いで、導電性高分子ペースト(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)をスピンコート法により上記ITO膜が形成された基板上に成膜した後に、150℃で30分間乾燥させ、膜厚:100nmの正孔取出し層を形成した。
次に、ポリチオフェン(P3HT:Poly(3−Hexylthiophene−2,5−diyl))とC60PCBM([6,6]−phenyl−C61−butyric acid methyl ester)をブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の光電変換層用塗工液を準備した。次いで、光電変換層用塗工液を上記正孔取出し層上にスピンコート法にて回転数600rpmの条件で塗布して従光電変換層を形成した。
次に、上記従光電変換層上に真空蒸着法によりカルシウム膜を成膜し、電子取出し層を形成した。
次に、スパッタリング法(成膜圧力:0.1Pa、成膜パワー:180W、時間:3分/12分/3分)により、上記カルシウム膜上に厚み20nm/300nm/20nmでNi/Cu/Niを積層した。
次に、上記Ni膜上にスパッタ法によりITO膜を成膜した。
次に、上記ITO膜から上記ITO膜までの積層体がメッシュ形状になるように、レーザースクライブ法により一部を除去した。これにより、メッシュ形状の前面電極層、正孔取出し層、従光電変換層、電子取出し層、集電電極および第二中間電極層がパターン状に形成された基板Aを得た。
次に、125μmのPETフィルム基板上に真空蒸着法により膜厚200nmのアルミニウム膜を成膜した。
次に、上記アルミニウム膜上に、上述の光電変換層用塗工液をスピンコート法にて回転数600rpmの条件で塗布して主光電変換層を形成した。
次に、導電性高分子ペースト(ポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)分散品)をスピンコート法により上記主光電変換層上に成膜した後に、150℃で30分間乾燥させ、膜厚100nmの正孔取出し層を形成し、基板Bを得た。
次に、基板Aの第二中間電極層と基板Bの正孔取出し層とが対向するように配置し、基板Aと基板Bを加圧しながら熱圧着することで貼り合わせた。
次に、前面電極層、集電電極および背面電極層を電力変換装置に接続した。このようにして有機薄膜太陽電池を作製した。
[比較例1]
実施例1において、レーザースクライブ法によりメッシュ形状の積層体を形成しなかったこと以外は、同様に有機薄膜太陽電池を作製した。
[評価]
ソーラーシミュレーターにより100mW/cm、A.M.1.5Gの条件で太陽電池性能を評価したところ、実施例1,2の有機薄膜太陽電池は、比較例1の有機薄膜太陽電池と比較して出力電流が50%上昇する結果が得られた。
1 … 太陽電池
2 … 背面電極層
2a… 透明電極層
2b… 第三集電電極
3 … 主光電変換層
4 … 中間透明電極層
5 … 集電電極
10… 主太陽電池セル
11… 従光電変換層
12… 前面電極層
12a… 透明電極
12b… 第二集電電極
13… 第二中間電極層
20… 従太陽電池セル
21… 透明基板
22… 空間
23… スペーサ
24… 透明絶縁部
30… 中間電極部材
W … 電力変換装置
L、L1、L2 … 光

Claims (5)

  1. 主太陽電池セルと、前記主太陽電池セル上にパターン状に形成された従太陽電池セルとを有する太陽電池であって、
    前記主太陽電池セルは、背面電極層と、前記背面電極層上に形成された主光電変換層と、前記主光電変換層上に順不同に形成された中間透明電極層およびパターン状の集電電極とを有し、
    前記従太陽電池セルは、前記集電電極上に配置されたパターン状の従光電変換層と、前記従光電変換層上に形成されたパターン状の前面電極層とを有し、
    前記集電電極は、導電性金属から構成され、厚みが200nm〜800nmの範囲内であり、さらに前記集電電極のパターンの線幅は、前記従光電変換層のパターンの線幅と同じ線幅であり、
    前記前面電極層は、透明電極から構成され、
    前記背面電極層と、前記中間透明電極層および前記集電電極を有する中間電極部材と、前記前面電極層と、が電力変換装置に接続されていることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記従太陽電池セル上に透明基板が配置され、前記主太陽電池セルおよび前記透明基板の間に透明絶縁材料を含有する透明絶縁部が設けられていることを特徴とすることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記従太陽電池セル上に透明基板が配置され、前記主太陽電池セルおよび前記透明基板の間に空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  4. 前記主太陽電池セルでは、前記主光電変換層上に前記中間透明電極層および前記集電電極が順に形成され、
    前記従太陽電池セルでは、前記集電電極と前記従光電変換層との間にパターン状の第二中間電極層が形成され、
    前記中間電極部材が、前記中間透明電極層、前記集電電極および前記第二中間電極層を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の太陽電池。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかに記載の太陽電池が複数個直列または並列に接続されてなることを特徴とする太陽電池モジュール。
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