JP5007772B2 - 有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネル - Google Patents

有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネル Download PDF

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Description

本発明は、意匠性を有する有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネルに関するものである。
従来、太陽電池はその受光面が1色で構成されているのが通常である。近年、太陽電池モジュールおよび太陽電池パネルの開発が盛んになされており、デザイン性の向上や景観との調和などの目的により、文字、記号、図形、模様等を表示し、意匠性を持たせることが試みられている。
例えば、色素増感太陽電池モジュールにおいて、多孔質酸化物半導体層に異なる種類の色素を担持させて2種以上の色を持つ単位太陽電池素子を作製し、この2種以上の色を持つ単位太陽電池素子を特定の文字、記号、図形のパターンを形成するようにモザイク状に並べることで、意匠性を持たせる技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2006−179380号公報
有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネルにおいては、同一基板上に、吸収波長領域が異なる複数種類の有機材料を用いて複数種類の光電変換層を形成し、これらの複数種類の光電変換層を文字、記号、図形、模様等の任意のパターンが表示されるように配置することにより、意匠性に優れたものとすることが可能である。
このような有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネルにおいては、同一基板上の対向する電極間に複数種類の光電変換層が平面的に配列されて挟持された構成となり、複数の太陽電池セルが並列に接続された等価回路として取り扱うことができる。これらの太陽電池セルでは、各光電変換層に用いられる有機材料の酸化還元電位が異なることに起因して、太陽電池としての電流−電圧特性が異なるものとなる。
太陽電池は固有の電流−電圧特性を有しており、電流−電圧特性曲線上の座標であり、かつ、電圧/電流の値が外部負荷の抵抗値と一致する座標に相当する電流および電圧が、動作電流および動作電圧となる。有機薄膜太陽電池の場合、複数個の太陽電池セルが並列に接続された太陽電池モジュールでは、太陽電池モジュールの電流−電圧特性曲線上の座標であり、かつ、電圧/電流の値が外部負荷の抵抗値と一致する座標に相当する電圧が、太陽電池モジュールの動作電圧となる。そして、各太陽電池セルの電流−電圧特性曲線上の座標において、太陽電池モジュールの動作電圧のときの電流が、各太陽電池セルの動作電流となる。そのため、電流−電圧特性が異なる複数種類の太陽電池セルが並列に接続されている場合、異なる電流−電圧特性を有する太陽電池セルでは、同じ外部負荷の抵抗値に対する太陽電池モジュールの動作電圧のときの太陽電池セルの動作電流が一致しないことになる。
したがって、電流−電圧特性が異なる複数種類の太陽電池セルが並列に接続されている場合、ある外部抵抗のときの太陽電池モジュールの動作電圧において、太陽電池セルの動作電流が一致しないことによって、ある種類の太陽電池セルでは順方向に電流が流れ、他の種類の太陽電池セルでは逆方向に電流が流れるという問題が起こることがある。この場合、逆方向に電流が流れる太陽電池セルが存在することで、順方向に電流が流れる太陽電池セルの動作電流が減少し、太陽電池モジュール全体の出力特性が低下するという問題がある。また、逆方向に電流が流れることにより、発熱・発火のおそれや、短絡破壊に至る可能性もある。
さらに、電流−電圧特性が異なる複数種類の太陽電池セルが並列に接続されている場合、電流−電圧特性が異なる太陽電池セルが相互に干渉することで、太陽電池性能が劣化していくという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換層を用いて意匠性を高めるとともに、安定的に良好な太陽電池性能を示すことが可能な有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネルを提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有する光電変換層と、上記光電変換部上にそれぞれ形成された複数の裏面電極層と、上記複数の裏面電極層を覆うように形成され、上記光電変換部毎に開口部を有する絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、上記光電変換部の種類毎に上記絶縁層の開口部に位置する上記裏面電極層に接続するように配置された複数の集電配線とを有することを特徴とする有機系太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有するので、これらの複数種類の光電変換部を文字、記号、図形、模様等の任意のパターンが表示されるように配置することにより意匠性に優れたものとすることが可能である。また本発明によれば、光電変換部毎に開口部を有する絶縁層を裏面電極層上に形成し、光電変換部の種類毎に絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように複数の集電配線が配置されているので、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することができ、安定的に太陽電池特性を発揮することが可能である。
上記発明においては、上記光電変換層が、同一種類の上記光電変換部を複数有し、上記絶縁層の開口部が、上記同一種類の光電変換部上に形成された上記裏面電極層同士を上記集電配線によって接続できるように配置され、上記集電配線が、上記同一種類の光電変換部上に設けられた上記絶縁層の開口部に位置する上記裏面電極層同士を接続するように配置されていることが好ましい。光電変換層が同一種類の光電変換部を複数有する場合、このような構成とすることにより、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することが可能である。
上記の場合、上記光電変換部が規則的に配列されており、上記絶縁層の開口部が、上記光電変換部の種類毎に上記光電変換部内での位置が揃うように配置され、上記複数の集電配線が、ストライプ状に配列されていることが好ましい。絶縁層の開口部および集電配線の設計が容易になるからである。
また本発明においては、上記有機系太陽電池モジュールが有機薄膜太陽電池モジュールまたは色素増感型太陽電池モジュールであることが好ましい。光電変換部が多彩な配色を有する有機薄膜太陽電池モジュールまたは色素増感型太陽電池モジュールであることにより、意匠性に優れた有機系太陽電池モジュールとすることができるからである。
さらに本発明は、上述の有機系太陽電池モジュールと、上記有機系太陽電池モジュールの光電変換部の種類毎に集電配線に接続された複数の電圧変換部とを有することを特徴とする有機系太陽電池パネルを提供する。
本発明によれば、上述の有機系太陽電池モジュールを有するので、意匠性に優れたものとすることが可能であるとともに、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することができ、安定的に太陽電池特性を発揮することが可能である。
本発明においては、意匠性に優れ、宣伝や広告等に利用することができる種々の表示機能が付加された多機能な有機系太陽電池モジュールを実現することが可能であるという効果を奏する。また、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有する光電変換層を備える有機系太陽電池モジュールにおいて、安定的に太陽電池特性を発揮することが可能であるという効果を奏する。
本発明の有機系太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図およびB−B線断面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールにおける光電変換層の一例を示す概略平面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールにおける裏面電極層の一例を示す概略平面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールにおける絶縁層の一例を示す概略平面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールにおける光電変換層および裏面電極層の他の例を示す概略平面図である。 本発明の有機薄膜太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。 本発明の有機系太陽電池モジュールの他の例を示す概略断面図である。 本発明の有機系太陽電池パネルの一例を示す模式図である。
以下、本発明の有機系太陽電池モジュールおよび有機系太陽電池パネルについて詳細に説明する。
I.有機系太陽電池モジュール
本発明の有機系太陽電池モジュールは、透明基板と、上記透明基板上に形成された透明電極層と、上記透明電極層上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有する光電変換層と、上記光電変換部上にそれぞれ形成された複数の裏面電極層と、上記複数の裏面電極層を覆うように形成され、上記光電変換部毎に開口部を有する絶縁層と、上記絶縁層上に形成され、上記光電変換部の種類毎に上記絶縁層の開口部に位置する上記裏面電極層に接続するように配置された複数の集電配線とを有することを特徴とするものである。
本発明の有機系太陽電池モジュールについて図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の有機系太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図であり、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図1のB−B線断面図である。図1および図2(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1は、透明基板2と、透明基板2上に形成された透明電極層3と、透明電極層3上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部(4a、4b、4c)を有する光電変換層4と、光電変換部(4a、4b、4c)上にそれぞれ形成された複数の裏面電極層5と、複数の裏面電極層5を覆うように形成され、光電変換部(4a、4b、4c)毎に開口部(10a、10b、10c)を有する絶縁層6と、絶縁層6上に形成され、光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に絶縁層6の開口部(10a、10b、10c)に位置する裏面電極層5に接続するように配置された複数の集電配線(7a、7b、7c)とを有している。なお、図1において、裏面電極層は省略され、光電変換部は破線で示されている。
光電変換層4は、図3に示すように、吸収波長領域が異なる3種類の第1光電変換部4a、第2光電変換部4bおよび第3光電変換部4cを有し、各光電変換部(4a、4b、4c)は規則的に配列されており、第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cは任意の絵柄が表示されるように配置されている。
裏面電極層5は、図4に例示するように、光電変換部(4a、4b、4c)上にそれぞれ形成されている。
絶縁層6は、図5に示すように、光電変換部(4a、4b、4c)毎に開口部10を有し、図1、図2(a)および図5に示すように、第1光電変換部4a上には第1光電変換部用開口部10aが配置され、第2光電変換部4b上には第2光電変換部用開口部10bが配置され、第3光電変換部4c上には第3光電変換部用開口部10cが配置されている。これらの絶縁層の開口部(10a、10b、10c)は、光電変換部の種類毎に光電変換部内での位置が揃うように配置されており、図1、図2(a)および図5において、第1光電変換部4aでは正方形の左側部分が開口するように長方形の第1光電変換部用開口部10aが配置され、第2光電変換部4bでは正方形の右側部分が開口するように長方形の第2光電変換部用開口部10bが配置され、第3光電変換部4cでは正方形の中央部分が開口するように長方形の第3光電変換部用開口部10cが配置されている。なお、図5において、光電変換部は破線で示されている。
集電配線(7a、7b、7c)は、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続するように配置されており、図1および図2(a)において、第1光電変換部4aでは縦一列の第1光電変換部4a上に設けられた第1光電変換部用開口部10aに位置する裏面電極層5同士を接続するように第1光電変換部用集電配線7aが配置され、第2光電変換部4bでは縦一列の第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように第2光電変換部用集電配線7bが配置され、第3光電変換部4cでは縦一列の第3光電変換部4c上に設けられた第3光電変換部用開口部10cに位置する裏面電極層5同士を接続するように第3光電変換部用集電配線7cが配置されている。そして、図1に示すように、光電変換部(4a、4b、4c)の縦一列毎に、光電変換部(4a、4b、4c)上には光電変換部の種類(図1では3種類)と同数(図1では3本)の集電配線(7a、7b、7c)がストライプ状に配置されている。
光電変換部が吸収する光と透過する光とは互いに補色関係にあるため、光電変換部の吸収波長領域が異なれば、透過波長領域が異なり、観察される色が異なる。したがって、図1および図2(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1においては、受光面(透明基板2側)に図3に示すような複数種類の光電変換部(4a、4b、4c)で構成される任意の絵柄を表示することができ、色彩豊かな有機系太陽電池とすることが可能となり、意匠性に優れたものとすることが可能である。また、光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に外部回路に電力を出力することが可能である。
図6(a)、(b)は本発明の有機系太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図6(b)は図6(a)のC−C線断面図である。図6(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1は、透明基板2と、透明基板2上に形成された透明電極層3と、透明電極層3上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部(4a、4b、4c)を有する光電変換層4と、光電変換部(4a、4b、4c)上にそれぞれ形成された複数の裏面電極層5と、複数の裏面電極層5を覆うように形成され、光電変換部(4a、4b、4c)毎に開口部(10a、10b、10c)を有する絶縁層6と、絶縁層6上に形成され、光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に絶縁層6の開口部(10a、10b、10c)に位置する裏面電極層5に接続するように配置された複数の集電配線(7a、7b、7c)とを有している。なお、図6(a)において、裏面電極層は省略され、光電変換部は破線で示されている。
光電変換層4は、図3に示すように、吸収波長領域が異なる3種類の第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cを有し、各光電変換部(4a、4b、4c)は規則的に配列されており、第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cは任意の絵柄が表示されるように配置されている。
裏面電極層5は、図4に例示するように、光電変換部(4a、4b、4c)上にそれぞれ形成されている。
絶縁層6は、光電変換部(4a、4b、4c)毎に開口部(10a、10b、10c)を有し、図6(a)、(b)に示すように、第1光電変換部4a上には第1光電変換部用開口部10aが配置され、第2光電変換部4b上には第2光電変換部用開口部10bが配置され、第3光電変換部4c上には第3光電変換部用開口部10cが配置されている。これらの絶縁層6の開口部(10a、10b、10c)は、光電変換部毎に光電変換部内での位置が揃うように配置されており、各光電変換部では正方形の中央部分が開口するように正方形の開口部(10a、10b、10c)が配置されている。
集電配線(7a、7b、7c)は、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続するように配置されており、第1光電変換部4aでは第1光電変換部4a上に設けられた第1光電変換部用開口部10aに位置する全ての裏面電極層5同士を接続するように1本の第1光電変換部用集電配線7aが配置され、第3光電変換部4cでは第3光電変換部4c上に設けられた第3光電変換部用開口部10cに位置する全ての裏面電極層5同士を接続するように1本の第3光電変換部用集電配線7cが配置され、第2光電変換部4bでは有機系太陽電池モジュール1の右側に配置された第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続し、また有機系太陽電池モジュール1の左側に配置された第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように2本の第2光電変換部用集電配線7bが配置されている。
図6(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1においても、図1に示す有機系太陽電池モジュール1と同様に、受光面(透明基板2側)に図3に示すような複数種類の光電変換部(4a、4b、4c)で構成される任意の絵柄を表示することができ、意匠性に優れたものとすることが可能である。また、光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に外部回路に電力を出力することが可能である。
図7(a)、(b)は本発明の有機系太陽電池モジュールの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図7(b)は図7(a)のD−D線断面図である。図7(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1は、透明基板2と、透明基板2上に形成された透明電極層3と、透明電極層3上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部(4a、4b)を有する光電変換層4と、光電変換部(4a、4b)上にそれぞれ形成された複数の裏面電極層5と、複数の裏面電極層5を覆うように形成され、光電変換部(4a、4b)毎に開口部(10a、10b)を有する絶縁層6と、絶縁層6上に形成され、光電変換部(4a、4b)の種類毎に絶縁層6の開口部(10a、10b)に位置する裏面電極層5に接続するように配置された複数の集電配線(7a、7b)とを有している。なお、図7(a)において、裏面電極層は省略され、光電変換部は破線で示されている。
光電変換層4は、図8(a)に示すように、吸収波長領域が異なる2種類の第1光電変換部4aおよび第2光電変換部4bを有し、第1光電変換部4aおよび第2光電変換部4bは文字「A」が表示されるように配置されている。
裏面電極層5は、図8(b)に例示するように、光電変換部(4a、4b)上にそれぞれ形成されている。
絶縁層6は、図7(a)、(b)に示すように、光電変換部(4a、4b)毎に開口部(10a、10b)を有し、第1光電変換部4a上には第1光電変換部用開口部10aが配置され、第2光電変換部4b上には第2光電変換部用開口部10bが配置されている。
集電配線(7a、7b)は、図7(a)、(b)に示すように、光電変換部の種類毎に絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように配置されており、第1光電変換部4aでは第1光電変換部4a上に設けられた第1光電変換部用開口部10aに位置する裏面電極層5に接続するように第1光電変換部用集電配線7aが配置され、第2光電変換部4bでは2つの第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように第2光電変換部用集電配線7bが配置されている。
上述したように、光電変換部が吸収する光と透過する光とは互いに補色関係にあるため、光電変換部の吸収波長領域が異なれば、透過波長領域が異なり、表示される色が異なる。したがって、図7(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1においては、受光面(透明基板2側)に図8(a)に示すような文字「A」を多様な色彩で表示することができ、意匠性に優れたものとすることが可能である。また、光電変換部(4a、4b)の種類毎に外部回路に電力を出力することが可能である。
このように本発明においては、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を文字、記号、図形、模様等の任意のパターンが表示されるように配置することで、受光面(透明基板側)にて文字、記号、図形、模様等の任意のパターンを多様な色彩で表示することができ、表示機能を付与することが可能である。したがって、色彩が豊かであり、表示機能を有し、意匠性に優れる有機系太陽電池モジュールとすることが可能である。
また、光電変換部毎に開口部を有する絶縁層が裏面電極層上に形成され、光電変換部の種類毎に絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように複数の集電配線が配置されているので、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することができ、電流−電圧特性が異なる太陽電池セルが相互に干渉するのを防ぎ、安定的に太陽電池特性を発揮することが可能である。また、有機系太陽電池モジュールの安全性も確保することができる。
また、シリコン系太陽電池では、バンドギャップが固定化されるため、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を用いて意匠性を付与することは困難である。これに対して、有機系太陽電池では、光電変換部に用いる有機材料の化学構造で電子求引基や電子供与基を付加・削除・置換することで、吸収波長領域を調整することができ、優れた意匠性を付与することができる。
本発明の有機系太陽電池モジュールとしては、光電変換層に有機材料を用いた太陽電池モジュールであれば特に限定されるものではないが、具体的には、有機薄膜太陽電池モジュールまたは色素増感型太陽電池モジュールが好ましい。以下、本発明の有機系太陽電池モジュールが有機薄膜太陽電池モジュールである態様(以下、第1態様とする。)と、本発明の有機系太陽電池モジュールが色素増感型太陽電池モジュールである態様(以下、第2態様とする。)とに分けてそれぞれ説明する。
A.第1態様
本態様の有機系太陽電池モジュールは、有機薄膜太陽電池モジュールである。
以下、本態様の有機薄膜太陽電池モジュールにおける各構成について説明する。
1.絶縁層
本態様における絶縁層は、複数の裏面電極層を覆うように形成され、光電変換部毎に開口部を有するものである。
なお、「絶縁層が光電変換部毎に開口部を有する」とは、光電変換層を構成する全ての光電変換部上にそれぞれ開口部が設けられていることをいう。
絶縁層の開口部の配置としては、開口部が、光電変換部毎に設けられており、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように配置されていれば特に限定されるものではなく、目的とする文字、記号、図形、模様等の任意のパターンを表示する光電変換部の形状、大きさ、配置等に応じて適宜選択される。例えば、図1および図6(a)に示すように絶縁層の開口部(10a、10b、10c)が規則的に設けられていてもよく、図7(a)に示すように絶縁層の開口部(10a、10b)が不規則に設けられていてもよい。
中でも、光電変換層が同一種類の光電変換部を複数有する場合、絶縁層の開口部は、同一種類の光電変換部上に形成された裏面電極層同士を集電配線によって接続できるように配置されていることが好ましい。例えば図1および図2(a)、(b)において、光電変換層4は第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cをそれぞれ複数有しており、第1光電変換部用開口部10aは第1光電変換部4a上に形成された裏面電極層5同士を第1光電変換部用集電配線7aによって接続できるように配置され、第2光電変換部用開口部10bは第2光電変換部4b上に形成された裏面電極層5同士を第2光電変換部用集電配線7bによって接続できるように配置され、第3光電変換部用開口部10cは第3光電変換部4c上に形成された裏面電極層5同士を第3光電変換部用集電配線7cによって接続できるように配置されている。図6(a)、(b)においても、光電変換層4は第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cをそれぞれ複数有しており、第1光電変換部用開口部10aは第1光電変換部4a上に形成された裏面電極層5同士を第1光電変換部用集電配線7aによって接続できるように配置され、第2光電変換部用開口部10bは第2光電変換部4b上に形成された裏面電極層5同士を第2光電変換部用集電配線7bによって接続できるように配置され、第3光電変換部用開口部10cは第3光電変換部4c上に形成された裏面電極層5同士を第3光電変換部用集電配線7cによって接続できるように配置されている。また、例えば図7(a)、(b)において、光電変換層4は第2光電変換部4bを複数有しており、第2光電変換部用開口部10bは第2光電変換部4b上に形成された裏面電極層5同士を第2光電変換部用集電配線7bによって接続できるように配置されている。このように絶縁層の開口部が同一種類の光電変換部上に形成された裏面電極層同士を集電配線によって接続できるように配置されていることにより、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することができる。
上記の場合、絶縁層の開口部の配置としては、絶縁層の開口部が、同一種類の光電変換部上に形成された裏面電極層同士を集電配線によって接続できるように配置されており、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように配置されていれば特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように絶縁層の開口部(10a、10b、10c)が光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に規則的に設けられていてもよく、図6(a)に示すように絶縁層の開口部(10a、10b、10c)が光電変換部(4a、4b、4c)毎に規則的に設けられていてもよく、図7(a)に示すように絶縁層の開口部(10a、10b)が不規則に設けられていてもよい。
また、光電変換層が同一種類の光電変換部を複数有する場合であって、光電変換部が規則的に配列されている場合、絶縁層の開口部の配置としては、上述したように、絶縁層の開口部が、同一種類の光電変換部上に形成された裏面電極層同士を集電配線によって接続できるように配置されており、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように配置されていれば特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように、絶縁層の開口部(10a、10b、10c)が光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に光電変換部(4a、4b、4c)内での位置が揃うように配置されていてもよい。図1において、第1光電変換部4aでは正方形の左側部分が開口するように長方形の第1光電変換部用開口部10aが配置され、第2光電変換部4bでは正方形の右側部分が開口するように長方形の第2光電変換部用開口部10bが配置され、第3光電変換部4cでは正方形の中央部分が開口するように長方形の第3光電変換部用開口部10cが配置されている。また例えば、図6(a)に示すように、絶縁層の開口部(10a、10b、10c)が光電変換部(4a、4b、4c)毎に光電変換部(4a、4b、4c)内での位置が揃うように配置されていてもよい。図6においては、全ての光電変換部(4a、4b、4c)で正方形の中央部分が開口するように正方形の開口部(10a、10b、10c)が配置されている。
中でも、光電変換部が規則的に配列されている場合、絶縁層の開口部は、光電変換部の種類毎に光電変換部内での位置が揃うように配置されていることが好ましい。この場合、特に、絶縁層の開口部は、光電変換部を集電配線の長手方向と垂直な方向に光電変換部の種類と同数の領域に分割したときの一つの領域内に配置されていることが好ましく、さらに、光電変換部を集電配線の長手方向と垂直な方向に光電変換部の種類と同数の領域に分割したときの一つの領域となるように配置されていることがより好ましい。例えば図1において、光電変換層4は3種類の光電変換部(4a、4b、4c)を有しており、絶縁層の開口部(10a、10b、10c)は、各光電変換部(4a、4b、4c)を集電配線(7a、7b、7c)の長手方向(図1では縦方向)と垂直な方向(図1では横方向)に三つの領域に分割したときの一つの領域となるように配置されている。絶縁層の開口部をこのような配置とすることで、集電配線を光電変換部の種類毎に直線状に配置することができる。したがって、絶縁層の開口部および集電配線の設計が容易となる。
光電変換部を集電配線の長手方向と垂直な方向に光電変換部の種類と同数の領域に分割する際には、絶縁層の開口部および集電配線の設計をさらに容易にするために、等分割することが好ましい。
絶縁層の開口部の大きさとしては、光電変換部上への開口部の配置が可能であり、絶縁層の開口部に位置する裏面電極層と集電配線との電気的な接続を可能とし、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように開口部を配置することが可能であれば特に限定されるものではなく、絶縁層の開口部の配置、および目的とする任意のパターンを表示する光電変換部の形状、大きさ、配置等に応じて適宜選択される。絶縁層の開口部が大きいと、集電配線の配置が困難となる場合があり、絶縁層の開口部が小さいと、集電配線の配置が容易になる一方で、裏面電極層および集電配線の電気的接続の信頼性が低下するおそれがある。
絶縁層の開口部の大きさは、光電変換部毎に同じであってもよく異なっていてもよい。例えば図1および図6(a)において、絶縁層の開口部(10a、10b、10c)の大きさは全ての光電変換部(4a、4b、4c)で同じである。一方、図7(a)において、絶縁層の開口部(10a、10b)の大きさは光電変換部(4a、4b)毎に異なっている。
中でも、光電変換部が規則的に配列されている場合、絶縁層の開口部の大きさは、光電変換部を集電配線の長手方向と垂直な方向に光電変換部の種類と同数の領域に分割したときの一つの領域の大きさと同程度、あるいは上記一つの領域の大きさ以下であることが好ましく、特に上記一つの領域の大きさと同程度であることが好ましい。上述したように、絶縁層の開口部をこのような大きさとすることで、集電配線を光電変換部の種類毎に直線状に配置することができ、絶縁層の開口部および集電配線の設計が容易となるからである。
光電変換部を集電配線の長手方向と垂直な方向に光電変換部の種類と同数の領域に分割する際には、上述したように、絶縁層の開口部および集電配線の設計をさらに容易にするために、等分割することが好ましい。
絶縁層の開口部の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、矩形、多角形、円形等とすることができる。
絶縁層に用いられる材料としては、絶縁性を有し、所望の開口部を有する絶縁層を形成することができる材料であれば特に限定されるものではなく、一般的な絶縁材料を使用することができる。絶縁材料は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。絶縁材料としては、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、カルド樹脂等の有機絶縁材料、および、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機絶縁材料が挙げられる。
絶縁層の形成方法としては、所望の開口部を有する絶縁層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、湿式法および乾式法のいずれも用いることができ、例えば、グラビアコート、スクリーン印刷等の印刷法、蒸着法、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
絶縁層の膜厚としては、絶縁層を介して裏面電極層と集電配線とを絶縁できる厚みであれば特に限定されるものではない。
2.集電配線
本態様における集電配線は、上記絶縁層上に形成され、光電変換部の種類毎に絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように配置され、複数形成されるものである。
なお、「集電配線が光電変換部の種類毎に絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように配置されている」とは、絶縁層上に少なくとも光電変換部の種類と同数の集電配線が形成されており、これらの集電配線が光電変換部の種類毎に光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように配置されていることをいう。
集電配線の配置としては、集電配線が、光電変換部の種類毎に絶縁層の開口部に位置する裏面電極層に接続するように配置されており、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように配置されていれば特に限定されるものではなく、目的とする任意のパターンを表示する光電変換部の形状、大きさ、配置等、および絶縁層の開口部の形状、大きさ、配置等に応じて適宜選択される。例えば、図1に示すように集電配線(7a、7b、7c)が規則的に配置されていてもよく、図6(a)および図7(a)に示すように集電配線(7a、7b、7cまたは7a、7b)が不規則に配置されていてもよい。
中でも、光電変換層が同一種類の光電変換部を複数有する場合、集電配線は、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続するように配置されていることが好ましい。例えば図1および図2(a)、(b)において、光電変換層4は第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cをそれぞれ複数有しており、第1光電変換部用集電配線7aは第1光電変換部4a上に設けられた第1光電変換部用開口部10aに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置され、第2光電変換部用集電配線7bは第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置され、第3光電変換部用集電配線7cは第3光電変換部4c上に設けられた第3光電変換部用開口部10cに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置されている。図6(a)、(b)においても、光電変換層4は第1光電変換部4a、第2光電変換部4b、第3光電変換部4cをそれぞれ複数有しており、第1光電変換部用集電配線7aは第1光電変換部4a上に設けられた第1光電変換部用開口部10aに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置され、第2光電変換部用集電配線7bは第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置され、第3光電変換部用集電配線7cは第3光電変換部4c上に設けられた第3光電変換部用開口部10cに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置されている。また、例えば図7(a)、(b)において、光電変換層4は第2光電変換部4bを複数有しており、第2光電変換部用集電配線7bは第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように配置されている。このように集電配線が同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続するように配置されていることにより、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することができる。
上記の場合、集電配線の配置としては、集電配線が、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続するように配置されており、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように配置されていれば特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように集電配線(7a、7b、7c)が規則的に配置されていてもよく、図6(a)および図7(a)に示すように集電配線(7a、7b、7cまたは7a、7b)が不規則に配置されていてもよい。
また、光電変換層が同一種類の光電変換部を複数有する場合であって、光電変換部が規則的に配列されている場合、集電配線の配置としては、上述したように、集電配線が、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続するように配置されており、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように配置されていれば特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように集電配線(7a、7b、7c)が規則的に配置されていてもよく、図6(a)に示すように集電配線(7a、7b、7c)が不規則に配置されていてもよい。例えば図1および図2(a)、(b)においては、縦一列の第1光電変換部4a上に設けられた第1光電変換部用開口部10aに位置する裏面電極層5同士を接続するように第1光電変換部用集電配線7aが配置され、縦一列の第2光電変換部4b上に設けられた第2光電変換部用開口部10bに位置する裏面電極層5同士を接続するように第2光電変換部用集電配線7bが配置され、縦一列の第3光電変換部4c上に設けられた第3光電変換部用開口部10cに位置する裏面電極層5同士を接続するように第3光電変換部用集電配線7cが配置されており、光電変換部(4a、4b、4c)の縦一列毎に、第1光電変換部用集電配線7a、第2光電変換部用集電配線7b、第3光電変換部用集電配線7cの3本の集電配線がストライプ状に配列されている。
中でも、光電変換部が規則的に配列されている場合、集電配線はストライプ状に配列されていることが好ましい。この場合、特に、光電変換部上にそれぞれ光電変換部の種類と同数の集電配線が配置されていることが好ましい。例えば図1および図2(a)、(b)において、光電変換層4は3種類の光電変換部(4a、4b、4c)を有しており、各光電変換部(4a、4b、4c)上には3本の集電配線(7a、7b、7c)がストライプ状に配列されている。集電配線をこのような配置とすることで、集電配線を光電変換部の種類毎に直線状に配置することができ、絶縁層の開口部および集電配線の設計が容易となる。
集電配線の幅としては、絶縁層の開口部上への集電配線の配置が可能であり、絶縁層の開口部に位置する裏面電極層と集電配線との電気的な接続を可能とし、異なる種類の光電変換部上に形成された裏面電極層に接続された集電配線同士が接触しないように集電配線を配置することが可能であれば特に限定されるものではなく、目的とする任意のパターンを表示する光電変換部の形状、大きさ、配置等、絶縁層の開口部の形状、大きさ、配置等、および集電配線の配置に応じて適宜選択される。具体的には、集電配線の幅が広すぎると、集電配線の配置が困難となる場合があり、集電配線の幅が狭すぎると、集電配線の配置が容易になる一方で、集電配線の形成が困難であったり裏面電極層および集電配線の電気的接続の信頼性が低下したりするおそれがある。
光電変換部が規則的に配列されている場合、集電配線の幅は、通常、光電変換部の種類毎に同一とされる。
集電配線に用いられる材料としては、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではなく、一般的な配線に用いられる導電性材料を使用することができる。例えば、銀、アルミニウム、銅、金等が挙げられる。
集電配線の形成方法としては、一般的な配線の形成方法を用いることができ、湿式法および乾式法のいずれも適用可能であり、例えば、グラビアコート、スクリーン印刷等の印刷法、蒸着法、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
集電配線の厚みとしては、絶縁層の開口部に位置する裏面電極層と集電配線との電気的な接続を可能とする厚みであれば特に限定されるものではなく、集電配線に使用する材料等に応じて適宜選択される。
3.光電変換層
本態様における光電変換層は、透明電極層および裏面電極層の間に配置され、透明電極層上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有するものである。なお、「光電変換層」および「光電変換部」とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する部材をいう。
光電変換部の種類の数としては、2種類以上であればよく、例えば2種類、3種類とすることができる。
各種類の光電変換部の吸収波長領域は異なっていればよく、光電変換部によって表示する任意のパターン、および光電変換部が吸収する光の補色(観察される透過光の色)に応じて適宜選択される。
光電変換部の配置としては、光電変換部によって表示する任意のパターンに応じて適宜選択される。例えば、図1および図6(a)に示すように光電変換部(4a、4b、4c)が規則的に配置されていてもよく、図7(a)に示すように光電変換部(4a、4b)が不規則に配置されていてもよい。また、図1および図6(a)に示すように点(ドット)によって任意のパターンが表示されるように光電変換部(4a、4b、4c)が配置されていてもよく、図7(a)に示すように面によって任意のパターンが表示されるように光電変換部(4a、4b)が配置されていてもよい。
中でも、光電変換部は規則的に配列されていることが好ましい。上述したように、点(ドット)によって任意のパターンを表示することが可能となるからである。
光電変換部が規則的に配列されている場合、光電変換部の配列としては、一般的な画素の配列と同様とすることができ、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等をすることができる。
光電変換部の大きさとしては、光電変換部によって表示する任意のパターン、絶縁層の開口部の形状、大きさ、配置等、および集電配線の幅、配置等に応じて適宜選択される。光電変換部が規則的に配列されている場合、光電変換部の大きさは、1mm角〜30mm角程度とすることができる。光電変換部が規則的に配列されている場合、光電変換部が小さいと、集電配線の配置が困難となる場合があり、光電変換部が大きいと、点(ドット)によって任意のパターンを表示することが困難となる場合がある。
光電変換部が規則的に配列されている場合、光電変換部の大きさは、光電変換部毎に同じであってもよく異なっていてもよい。光電変換部毎に光電変換部の大きさが異なる場合には、光電変換部の大きさの違いによって濃淡を表現することも可能である。
光電変換部の形状としては、光電変換部によって表示する任意のパターン、絶縁層の開口部の形状、大きさ、配置等、および集電配線の幅、配置等に応じて適宜選択される。光電変換部が規則的に配列されている場合、光電変換部の形状は、例えば、矩形、多角形、円形等とすることができる。
光電変換部は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(Aの態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(Bの態様)。以下、各態様について説明する。
(1)Aの態様
本発明における光電変換部のAの態様は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この光電変換部では、光電変換部内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で光電変換機能を有する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。
導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子の電子伝達機構は、主にπスタッキングによる分子間のホッピング伝導であるため、高分子の主鎖方向のみならず、光電変換部の膜厚方向への電荷輸送も有利である。さらに、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
上記の中でも、チオフェン−フルオレン共重合体、ポリアルキルチオフェン、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体、フェニレンエチニレン−チオフェン共重合体、フェニレンエチニレン−フルオレン共重合体、フルオレン−フェニレンビニレン共重合体、チオフェン−フェニレンビニレン共重合体等が好ましく用いられる。これらは、多くの電子受容性材料に対して、エネルギー準位差が適当であるからである。
なお、例えばフェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体(Poly[1,4-phenyleneethynylene-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)-1,4-phenyleneethene-1,2-diyl-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)ethene-1,2-diyl])の合成方法については、Macromolecules, 35, 3825 (2002) や、Mcromol. Chem. Phys., 202, 2712 (2001) に詳しい。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF基含有ポリマーおよびそれらの−CF置換ポリマー等を挙げることができる。ポリフェニレンビニレン誘導体の具体例としては、CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])、MEH−CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])等が挙げられる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
光電変換部の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、光電変換部における体積抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
光電変換部を形成する方法としては、光電変換部をパターン状に形成することができ、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、湿式法および乾式法のいずれも用いることができる。湿式法では、大気中で光電変換部を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易である。
湿式法の場合、光電変換部用塗工液の塗布方法としては、光電変換部をパターン状に形成することができ、光電変換部用塗工液を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
光電変換部用塗工液の塗布後は、形成された塗膜を乾燥する乾燥処理を施してもよい。光電変換部用塗工液に含まれる溶媒等を早期に除去することにより、生産性を向上させることができるからである。
乾燥処理の方法として、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥、赤外線加熱乾燥等、一般的な方法を用いることができる。
(2)Bの態様
本発明における光電変換部のBの態様は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(電子受容性層)
本態様に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記Aの態様の光電変換部に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子受容性層における体積抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記Aの態様の光電変換部の形成方法と同様とすることができる。
(電子供与性層)
本態様に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記Aの態様の光電変換部に用いられる電子供与性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子供与性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子供与性層における体積抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記Aの態様の光電変換部の形成方法と同様とすることができる。
4.透明電極層
本態様における透明電極層は、透明基板上に一面に形成されるものである。透明電極層は、通常、光電変換層で発生した正孔を取り出すための電極(正孔取出し電極)とされる。本発明においては、透明電極層側が受光面となる。
透明電極層の構成材料としては、導電性および透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。
透明電極層の全光線透過率は、85%以上であることが好ましく、中でも90%以上、特に92%以上であることが好ましい。透明電極層の全光線透過率が上記範囲であることにより、透明電極層にて光を十分に透過することができ、光電変換層にて光を効率的に吸収することができるからである。
なお、上記全光線透過率は、可視光領域において、スガ試験機株式会社製 SMカラーコンピュータ(型番:SM−C)を用いて測定した値である。
透明電極層は、単層であってもよく、また異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
この透明電極層の膜厚としては、単層である場合はその膜厚が、複数層からなる場合は総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄いと、透明電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、膜厚が上記範囲より厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
5.裏面電極層
本態様における裏面電極層は、上記光電変換部上にそれぞれ形成され、複数形成されるものである。裏面電極層は、上記透明電極層と対向する電極であり、通常、光電変換層で発生した電子を取り出すための電極(電子取出し電極)とされる。
裏面電極層の構成材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、上記透明電極層の構成材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば透明電極層の構成材料を仕事関数の高い材料とした場合には、裏面電極層の構成材料は仕事関数の低い材料であることが好ましい。特に、裏面電極層の構成材料は、反射性を有することが好ましい。光電変換部によって表示される任意のパターンの視認性を向上させることができるからである。具体的には、Al、Ag、Cu、Au等を挙げることができる。
裏面電極層は、単層であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用いて積層されたものであってもよい。
裏面電極層の膜厚は、単層である場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、裏面電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性がある。
裏面電極層の形成方法としては、上記光電変換部上にそれぞれ裏面電極層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
6.透明基板
本態様に用いられる透明基板は、上記の透明電極層、光電変換層、裏面電極層および絶縁層等を支持するものである。
透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
中でも、透明基板が透明樹脂フィルム等のフレキシブル材であることが好ましい。透明樹脂フィルムは、加工性に優れており、製造コスト低減や軽量化、割れにくい有機薄膜太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
7.正孔取出し層
本態様においては、図9に例示するように、光電変換層4と透明電極層3との間に正孔取出し層11が形成されていてもよい。正孔取出し層は、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
正孔取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、Au、In、Ag、Pd等の金属等の薄膜も使用することができる。さらに、金属等の薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。
正孔取出し層の膜厚としては、上記有機材料を用いた場合は、10nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、上記金属薄膜である場合は、0.1nm〜5nmの範囲内であることが好ましい。
8.電子取出し層
本態様においては、図9に例示するように、光電変換層4と裏面電極層5との間に電子取出し層12が形成されていてもよい。電子取出し層は、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
9.着色層
本態様においては、透明基板および透明電極層の間に、上記光電変換部の種類に応じて着色層が形成されていてもよい。色純度を高め鮮明な表示が可能となるからである。
着色層は、全種類の光電変換部上に配置されていてもよく、任意の種類の光電変換部上に配置されていてもよい。着色層が全種類の光電変換部上に配置されている場合、色純度をさらに向上させることができる。例えば図10において、透明基板2および透明電極層3の間に複数色の着色層(9a、9b、9c)が形成されており、第1光電変換部4a上に第1着色層9aが形成され、第2光電変換部4b上に第2着色層9bが形成され、第3光電変換部4c上に第3着色層9cが形成され、光電変換部(4a、4b、4c)の種類毎に色の異なる着色層(9a、9b、9c)が形成されている。
光電変換部上に形成される着色層の色は、光電変換部の吸収波長領域に応じて適宜選択される。
また、光電変換部上に形成される着色層の大きさ、形状、配置等としては、光電変換部の大きさ、形状、配置等と同様とされる。
なお、着色層については、一般的なカラーフィルタと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
10.その他の構成
本態様の有機薄膜太陽電池モジュールは、上述した構成部材の他にも、必要に応じて後述する構成部材を有していてもよい。例えば、本態様の有機薄膜太陽電池モジュールは、保護シート、充填材層、バリア層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層、封止材層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
なお、これらの機能層については、特開2007−73717号公報等に記載のものと同様とすることができる。
B.第2態様
本態様の有機系太陽電池モジュールは色素増感型太陽電池モジュールである。
以下、本態様の色素増感型太陽電池モジュールにおける各構成について説明する。
なお、本態様における絶縁層、集電配線、透明電極層、裏面電極層、透明基板、着色層については、「A.第1態様」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.光電変換層
本態様における光電変換層は、裏面電極層上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有するものである。
なお、上記光電変換部の配置、大きさ、形状については、「A.第1態様 3.光電変換層」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
光電変換部は、表面に増感色素が担持された金属酸化物半導体微粒子を有するものである。以下、本態様における金属酸化物半導体微粒子、増感色素について説明する。
(a)金属酸化物半導体微粒子
本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子としては、半導体特性を備える金属酸化物からなるものであれば特に限定されるものではない。本態様に用いられる金属酸化物半導体微粒子を構成する金属酸化物としては、例えば、TiO、ZnO、SnO、ITO、ZrO、MgO、Al、CeO、Bi、Mn、Y、WO、Ta、Nb、La等を挙げることができる。なかでも本態様においては、TiOからなる金属酸化物半導体微粒子を用いることが最も好ましい。TiOは特に半導体特性に優れるからである。
(b)増感色素
本態様に用いられる増感色素としては、光を吸収して起電力を生じさせることが可能なものであれば特に限定はされない。このような増感色素としては、有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、アクリジン系、アゾ系、インジゴ系、キノン系、クマリン系、メロシアニン系、フェニルキサンテン、インドリン、カルバゾール系の色素が挙げられる。本態様においてはこれらの有機色素の中でも、クマリン系色素を用いることが好ましい。また、上記金属錯体色素としてはルテニウム系色素を用いることが好ましく、特にルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素を用いることが好ましい。このようなルテニウム錯体は吸収する光の波長範囲が広いため、光電変換できる光の波長領域を大幅に広げることができるからである。
(c)任意の成分
本態様に用いられる光電変換層には、上記の他に任意の成分が含まれていてもよい。本態様に用いられる任意の成分としては、例えば、樹脂を挙げることができる。上記光電変換層に樹脂が含有されることにより、本態様に用いられる光電変換層の脆性を改善することができるからである。
2.電解質層
本態様に用いられる電解質層について説明する。本態様に用いられる電解質層は、上述した光電変換層上に形成されるものであり、酸化還元対を含むものである。
本態様における電解質層に用いられる酸化還元対としては、一般的に色素増感型太陽電池の電解質層に用いられているものであれば特に限定はされるものではない。なかでも本態様に用いられる酸化還元対は、ヨウ素およびヨウ化物の組合せ、臭素および臭化物の組合せであることが好ましい。
上記酸化還元対として本態様に用いられるヨウ素およびヨウ化物の組合せとしては、例えば、LiI、NaI、KI、CaI等の金属ヨウ化物と、Iとの組合せを挙げることができる。さらに、上記臭素および臭化物の組合せとしては、例えば、LiBr、NaBr、KBr、CaBr等の金属臭化物と、Brとの組合せを挙げることができる。
本態様における電解質層には、上記酸化還元対以外のその他の化合物として、架橋剤、光重合開始剤、増粘剤、常温融解塩等の添加剤を含有していてもよい。
電解質層は、ゲル状、固体状または液体状のいずれの形態からなる電解質層であってもよい。電解質層をゲル状とした場合には、物理ゲルと化学ゲルのいずれであってもよい。ここで、物理ゲルは物理的な相互作用により室温付近でゲル化しているものであり、化学ゲルは架橋反応等により化学結合でゲルを形成しているものである。また、電解質層を液体状とした場合には、例えば、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、炭酸プロピレン等を溶媒とし、酸化還元対を含んだものや、同じくイミダゾリウム塩をカチオンとするイオン性液体を溶媒とすることができる。さらに、電解質層を固体状とした場合には、酸化還元対を含まずにそれ自身が正孔輸送剤として機能するものであればよく、例えばCuI、ポリピロール、ポリチオフェン等を含む正孔輸送剤であってもよい。
3.その他の構成
本態様の色素増感型太陽電池モジュールは、上述した構成部材の他にも、必要に応じて触媒層を有していてもよい。上記触媒層は、電解質層と透明電極層または裏面電極層との間に形成されるものである。
上記触媒層が形成されていることにより、本態様の色素増感型太陽電池モジュールをより発電効率に優れたものにすることができる。このような触媒層の例としては、例えば、上記透明電極層上にPtを蒸着した態様や、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリアニリン(PA)、パラトルエンスルホン酸(PTS)およびこれらの混合物から触媒層を形成する態様を挙げることができるが、この限りではない。
このような触媒層の膜厚としては、5nm〜500nmの範囲内、なかでも10nm〜300nmの範囲内、特に15nm〜100nmの範囲内であることが好ましい。
なお、触媒層以外の構成部材については、「A.第1態様 10.その他の部材」の項に記載したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
II.有機系太陽電池パネル
本発明の有機系太陽電池パネルは、上述の有機系太陽電池モジュールと、上記有機系太陽電池モジュールの光電変換部の種類毎に集電配線に接続された複数の電圧変換部とを有することを特徴とするものである。
図11は、本発明の有機系太陽電池パネルの一例を示す模式図である。図11に示す有機系太陽電池パネル10は、図1および図2(a)、(b)に示す有機系太陽電池モジュール1と、有機系太陽電池モジュール1の光電変換部の種類毎に複数の集電配線(7a、7b、7c)に接続された複数の電圧変換部(21a、21b、21c)とを有している。
電圧変換部(21a、21b、21c)は、光電変換部の種類毎に集電配線に接続されており、図1、図2(a)、(b)および図11に示すように、第1光電変換部4aでは第1光電変換部4a上に形成された裏面電極層5に接続された全ての第1光電変換部用集電配線7aに第1光電変換部用電圧変換部21aが接続され、第2光電変換部4bでは第2光電変換部4b上に形成された裏面電極層5に接続された全ての第2光電変換部用集電配線7bに第2光電変換部用電圧変換部21bが接続され、第3光電変換部4cでは第3光電変換部4c上に形成された裏面電極層5に接続された全ての第3光電変換部用集電配線7cに第3光電変換部用電圧変換部21cが接続されている。そして、図11に示すように、有機薄膜太陽電池パネル10は、光電変換部の種類(図11では3種類)と同数(図11では3個)の電圧変換部(21a、21b、21c)を有している。
本発明によれば、上述の有機系太陽電池モジュールを有するので、表示機能を有し、意匠性に優れる有機系太陽電池パネルとすることが可能である。また、光電変換部の種類毎に外部回路に電力を出力することができ、安定的に太陽電池特性を発揮することが可能であり、有機系太陽電池モジュールの安全性も確保することができる。
なお、有機系太陽電池モジュールについては、「I.有機系太陽電池モジュール」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、有機系太陽電池パネルの他の構成について説明する。
1.電圧変換部
本発明に用いられる電圧変換部は、有機系太陽電池モジュールの光電変換部の種類毎に集電配線に接続されるものであり、複数形成されるものである。
なお、「電圧変換部が光電変換部の種類毎に集電配線に接続されている」とは、有機系太陽電池パネルが光電変換部の種類と同数の電圧変換部を有しており、これらの電圧変換部が光電変換部の種類毎に集電配線に接続されていることをいう。
電圧変換部としては、例えば、一般的な昇圧DC−DCコンバーターまたは降圧DC−DCコンバーターを使用することができる。一つの光電変換部が設けられている領域を一つの太陽電池セルとした場合、光照射時に各太陽電池セルの透明電極層および裏面電極層間に発生する電圧よりも、有機系太陽電池パネルの出力電圧の方が大きい場合には、昇圧DC−DCコンバーターが使用される。一方、光照射時に各太陽電池セルの透明電極層および裏面電極層間に発生する電圧よりも、有機系太陽電池パネルの出力電圧の方が小さい場合には、降圧DC−DCコンバーターが使用される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
厚み125μmのPETフィルム基板上にスパッタ法によりITO層(透明電極層)を成膜した。
次に、ポリチオフェン(P3HT:poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl))とC60PCBM([6,6]-phenyl-C61-butyric acid mettric ester:Nano-C社製)をブロモベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の第1光電変換部用塗工液を準備した。次いで、第1光電変換部用塗工液を上記PETフィルム基板上にグラビアコート法によりパターン塗工した後に100℃で10分間乾燥させて第1光電変換部を形成した。この第1光電変換部の吸収波長領域は緑色光領域であり、第1光電変換部では赤色の光が透過し、赤色に見えた。また、第1光電変換部のパターンは、図3に示すような第1光電変換部4aのパターンとし、第1光電変換部の大きさは12mm×12mmとした。
次に、MDMO-PPV(Poly[2-methoxy-5-(3',7'-dimethyloctyloxy)-1,4-phenylenevinylene])とC60PCBMをクロロベンゼンに溶解させ、固形分濃度1.4wt%の第2光電変換部用塗工液を準備した。次いで、第2光電変換部用塗工液を上記PETフィルム基板上にグラビアコート法によりパターン塗工した後に、100℃で10分間乾燥させて第2光電変換部を形成した。この第2光電変換部の吸収波長領域は青色光領域であり、第2光電変換部では橙色の光が透過し、橙色に見えた。また、第2光電変換部のパターンは、図3に示すような第2光電変換部4bのパターンとし、第2光電変換部の大きさは上記第1光電変換部の大きさと同じとした。
次に、フルオレン−チオフェン共重合体(Poly[(9,9-dihexylfluorenyl-2,7-diyl)-co-(bithiophene)])とC60PCBMをクロロベンゼンに溶解させ、固形分濃度0.5wt%の第3光電変換部用塗工液を準備した。次いで、第3光電変換部用塗工液を上記PETフィルム基板上にグラビアコート法によりパターン塗工した後に100℃で10分間乾燥させて第3光電変換部を形成した。この第3光電変換部の吸収波長領域は紫色光領域であり、第3光電変換部では黄色の光が透過し、黄色に見えた。また、第3光電変換部のパターンは、図3に示すような第3光電変換部4cのパターンとし、第3光電変換部の大きさは上記第1光電変換部の大きさと同じとした。
次に、各光電変換部上にそれぞれ、真空蒸着法によりアルミニウム層(裏面電極層)を形成した。
次に、上記の3種類の光電変換部および裏面電極層を形成したPETフィルム基板上に、エポキシ樹脂をグラビアコート法によりパターン塗工し、加熱処理により硬化させて、図1に示すような、光電変換部毎に開口部を有し、かつ、光電変換部の種類毎に光電変換部内での位置が揃った開口部を有する絶縁層を形成した。絶縁層の開口部の大きさは10mm×10mmとした。
次に、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続する配置で、銀ペーストをグラビアコート法によりパターン塗工し、図1に示すような集電配線を形成した。
有機薄膜太陽電池の連続動作試験を行ったところ、安定的に動作した。
[実施例2]
(対極基板の作製)
厚み125μmのPETフィルム基板上にスパッタ法によりITO層(透明電極層)を成膜した。次に、上記ITO層上に白金を13Å(透過率72%)で積層することにより触媒層を形成した。これにより、対極基板を得た。
(第1酸化物半導体電極基板の作製)
次に、第1金属層として厚み50μmのステンレス鋼基板(SUS304、比抵抗0.7×10−6Ω・m)を用い、上記ステンレス鋼基板上に、第2金属層として厚み15nmのCr層を真空蒸着により形成して、裏面電極層基板を得た。
次に、TiO微粒子(日本アエロジル社製 P25)をエタノールで分散したインキに、ポリビニルピロリドン(日本触媒社製 K−90)を固形分比で5%添加し、多孔質層形成用塗工液を得た。次いで、裏面電極層基板のCr層上に、上記多孔質層形成用塗工液をドクターブレード法により塗布した後、120℃で乾燥し、厚み7μmの多孔質層形成用層を得た。次に、上記多孔質層形成用層にプレス機で0.1t/cmの圧力を加え、プレス後の多孔質層形成用層を500℃で30分間焼成した。
次に、増感色素(三菱製紙社製 D358)をアセトニトリル/t−ブタノール=1/1の混合溶液で3.0×10−4mol/lの濃度となるように溶解させて色素増感剤溶液を調製した。次いで、上記多孔質層上に着色したい箇所のみを開口しているマスキングテープを接着してから、その色素増感剤溶液に上記多孔質層を3時間浸漬させた。浸漬後、色素増感剤溶液から引き上げ、多孔質層に付着した色素増感剤溶液をアセトニトリルで洗浄し、風乾してからマスキングテープを剥離した。これにより、所定の箇所のみが選択的に紫色に着色された第1光電変換部を形成した。このようにして、第1酸化物半導体電極基板を得た。
(第2酸化物半導体電極基板の作製)
第1酸化物半導体電極基板の作製と同様にして、裏面電極層基板上に多孔質層を形成した。
次に、増感色素(三菱製紙社製 D131)を用いて、増感色素(三菱製紙社製 D358)を用いた場合と同じ工程により、所定の箇所のみが選択的に橙色に着色された第2光電変換部を形成した。このようにして、第2酸化物半導体電極基板を得た。
(第3酸化物半導体電極基板の作製)
第1酸化物半導体電極基板の作製と同様にして、裏面電極層基板上に多孔質層を形成した。
次に、増感色素(三菱製紙社製 D102)を用いて、増感色素(三菱製紙社製 D358)を用いた場合と同じ工程により、所定の箇所のみが選択的に赤色に着色された第3光電変換部を形成した。このようにして、第3酸化物半導体電極基板を得た。
(電解質層の形成)
次に、カチオン性ヒドロキシセルロース(ダイセル化学社製 ジェルナーQH200)0.14gをエタノール2.72gに溶解させた溶液に、ヨウ化カリウムを0.043g入れ、攪拌して溶解した。その溶液に、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMIm−B(CN)4)0.18g、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムアイオダイド(PMIm−I)0.5g、ヨウ素(I)20.025gを加えて、攪拌して溶解させた。これらにより、コーティング可能な電解質溶液を調製した。3種類の酸化物半導体電極基板の各光電変換部上に、電解質溶液をドクターブレード法により塗工し、その後100℃で乾燥し、電解質層を形成した。
(貼り合わせ)
電解質層が形成された3種類の酸化物半導体電極基板を所定の大きさに裁断した。その後、各酸化物半導体電極基板の電解質層と対極基板の触媒層とが対向するように位置を揃えて、対極基板に裁断した各酸化物半導体電極基板を接着剤で貼り合せた。
(絶縁層の形成)
次に、裏面電極層上に、エポキシ樹脂をグラビアコート法によりパターン塗工し、加熱処理により硬化させて、図1に示すような、光電変換部毎に開口部を有し、かつ光電変換部の種類毎に光電変換部内での位置が揃った開口部を有する絶縁層を形成した。
(集電配線の形成)
次に、同一種類の光電変換部上に設けられた絶縁層の開口部に位置する裏面電極層同士を接続する配置で、銀ペーストをグラビアコート法によりパターン塗工し、図1に示すような集電配線を形成した。
色素増感型太陽電池の連続動作試験を行ったところ、安定的に動作した。
1 … 有機系太陽電池モジュール
2 … 透明基板
3 … 透明電極層
4 … 光電変換層
4a … 第1光電変換部
4b … 第2光電変換部
4c … 第3光電変換部
5 … 裏面電極層
6 … 絶縁層
7a … 第1光電変換部用集電配線
7b … 第2光電変換部用集電配線
7c … 第3光電変換部用集電配線
10 … 開口部
10a … 第1光電変換部用開口部
10b … 第2光電変換部用開口部
10c … 第3光電変換部用開口部
11 … 正孔取出し層
12 … 電子取出し層
20 … 有機系太陽電池パネル

Claims (3)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上に形成された透明電極層と、
    前記透明電極層上にパターン状に形成され、吸収波長領域が異なる複数種類の光電変換部を有する光電変換層と、
    前記光電変換部上にそれぞれ形成された複数の裏面電極層と、
    前記複数の裏面電極層を覆うように形成され、前記光電変換部毎に開口部を有する絶縁層と、
    前記絶縁層上に形成され、前記光電変換部の種類毎に前記絶縁層の開口部に位置する前記裏面電極層に接続するように配置された複数の集電配線と
    を有する有機系太陽電池モジュールであって、
    前記光電変換層が、同一種類の前記光電変換部を複数有し、前記光電変換部が規則的に配列されており、
    前記絶縁層の開口部が、前記同一種類の光電変換部上に形成された前記裏面電極層同士を前記集電配線によって接続できるように配置され、さらに前記絶縁層の開口部が、前記光電変換部の種類毎に前記光電変換部内での位置が揃うように配置され、かつ、前記光電変換部を前記集電配線の長手方向と垂直な方向に前記光電変換部の種類と同数の領域に分割したときの一つの領域内に配置され、
    前記集電配線が、前記同一種類の光電変換部上に設けられた前記絶縁層の開口部に位置する前記裏面電極層同士を接続するように配置され、前記複数の集電配線が、ストライプ状に配列され、かつ、前記光電変換部上にそれぞれ前記光電変換部の種類と同数の前記集電配線が配置されていることを特徴とする有機系太陽電池モジュール。
  2. 前記有機系太陽電池モジュールが、有機薄膜太陽電池モジュールまたは色素増感型太陽電池モジュールであることを特徴とする請求項に記載の有機系太陽電池モジュール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の有機系太陽電池モジュールと、
    前記有機系太陽電池モジュールの光電変換部の種類毎に集電配線に接続された複数の電圧変換部と
    を有することを特徴とする有機系太陽電池パネル。
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