JP5077408B2 - 太陽電池および太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池および太陽電池モジュールの封止構造に関するものである。
近年、二酸化炭素の増加が原因とされる地球温暖化等の環境問題が深刻となり、世界的にその対策が進められている。中でも環境に対する負荷が小さく、クリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを利用した太陽電池に関する積極的な研究開発が進められている。このような太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池等のシリコン系太陽電池、化合物半導体系太陽電池、および色素増感型太陽電池、有機薄膜太陽電池等の有機系太陽電池などが挙げられる。
太陽電池の封止技術としては、中空封止、固体封止、膜封止などが知られている。中でも、フレキシブル化、薄型化、高強度化が可能となることから、素子が形成された支持基材と封止基材とを接着剤を用いて全面にわたって貼合し素子を封止する、固体封止が注目されている。中空封止では内部に空間が存在することから、外部と内部とで水蒸気濃度や酸素濃度に差があると外部から内部に水蒸気や酸素が侵入しやすくなることが懸念される。また、支持基材がフレキシブル性を有する場合、中空封止では封止の際に支持基材がよれてしまうおそれがある。このようなことからも、固体封止が有用である。
特に、環境負荷が小さく、かつ製造コストが削減できる可能性がある太陽電池として注目され研究開発が進められている有機薄膜太陽電池や色素増感型太陽電池などの有機系太陽電池においては、長期間の出力安定性・耐久性が重要な課題となっている。有機薄膜太陽電池では有機半導体材料、色素増感型太陽電池では色素増感剤、酸化物半導体材料、電解質材料などが、水分や酸素などの外部要因により劣化し、経時的に性能が低下する。そこで、素子の封止技術の研究が行われている(例えば特許文献1参照)。
また、太陽電池においては、従来、素子が形成される支持基材としてガラス基板が用いられていたが、近年ではフレキシブル化が望まれており、フレキシブル性を有する樹脂基材を用いることが検討されている。フレキシブル性を有する樹脂基材を用いることで、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)による生産が可能となり、生産性・量産性の向上、低コスト化、大面積化が実現可能であり、さらには軽量化、薄型化を図ることもできる。
しかしながら、太陽電池では水分や酸素などの侵入を防ぐことが重要であるところ、樹脂基材はガラス基板と比較してバリア性に劣るという問題がある。そこで、バリアフィルムの開発が盛んになされている(例えば特許文献2および特許文献3参照)。
特開2009−99805号公報 特開2009−212424号公報 特開2010−143091号公報
ここで、バリアフィルムとしては、プラスチックフィルムの片面もしくは両面に無機バリア層が形成されたものが一般的に知られている。
素子が形成される支持基材側からの透湿を防ぐためには、フレキシブル性を有する支持基材としてバリアフィルムを使用することが考えられる。しかしながら、バリアフィルム上に直接素子を形成すると、プラスチックフィルムと無機バリア層とでは膨張率に差があることから、製造過程での加熱・冷却時の膨張・収縮により、バリアフィルムにクラックなどの損傷が生じ、バリア性が低下することが懸念される。また、製造過程にてバリアフィルムを固定したり搬送したりする際に物理的な要因により、バリアフィルムにスクラッチなどの損傷が発生し、バリア性が低下するおそれもある。
この問題を解決するためには、フレキシブル性を有する支持基材として樹脂基材を用い、樹脂基材上に直接素子を形成した後、樹脂基材の素子側とは反対側の表面にバリアフィルムを貼合することが考えられる。
一方、フレキシブル性を有する封止基材としては、バリアフィルム、金属箔などを用いることができる。
ここで、プラスチックフィルムの片面に無機バリア層が形成されているバリアフィルムを用いる場合、無機バリア層が最表面(素子側とは反対側の最表面)に存在し露出していると、使用時に損傷してバリア性が低下するおそれがあることから、無機バリア層が素子側になるようにバリアフィルムを配置するのが一般的である。そのため、封止基材としてバリアフィルムを用いる場合には、無機バリア層がプラスチックフィルムの片面および両面のいずれに形成されていても、無機バリア層が素子側になるようにバリアフィルムが配置されることになる。したがって、封止基材としてバリアフィルムを用い、支持基材として樹脂基材を用いる場合、基材の外周部では封止基材であるバリアフィルムの無機バリア層と支持基材である樹脂基材とが貼合されることになる。
また、封止基材として金属箔を用いる場合であって、支持基材として樹脂基材を用いる場合、基材の外周部では封止基材である金属箔と支持基材である樹脂基材とが貼合されることになる。
しかしながら、一般的な接着剤は、無機物同士や樹脂同士の接着性に優れるものの、無機物と樹脂との接着性に関してはいずれか一方の接着力が著しく低く、特に樹脂と接着剤の界面で接着性に劣る傾向がある。
上記の場合には、基材の外周部では、バリアフィルムの無機バリア層または金属箔と樹脂基材とが貼合されることから、樹脂基材と接着剤の界面での接着力が著しく弱くなる傾向にある。接着信頼性に乏しいと、接着界面から水分や酸素が侵入し、太陽電池の耐久性が低下する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、太陽電池において支持基材と封止基材の接着信頼性を向上させることを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、透明樹脂基材と、上記透明樹脂基材上に形成された光電変換素子と、上記透明樹脂基材上に上記光電変換素子の周囲を囲うように形成された接着用無機層と、上記接着用無機層上に配置された接着剤層と、上記接着剤層上に配置され、無機バリア層を有する封止基材とを有し、上記光電変換素子および上記接着用無機層が形成された上記透明樹脂基材と上記封止基材の上記無機バリア層とが上記接着剤層を介して貼合されていることを特徴とする太陽電池を提供する。
本発明によれば、透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように接着用無機層が形成されており、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とが接着剤層を介して貼合されているので、光電変換素子の周囲では接着用無機層と無機バリア層とが接着剤層を介して貼合されることになり、良好な接着性を得ることができる。したがって、接着信頼性を改善することができ、接着界面からの水分や酸素の侵入を防ぎ、太陽電池の耐久性を向上させることが可能となる。また本発明によれば、透明樹脂基材および封止基材をフレキシブル性を有するものとすることが可能であり、Roll to Rollにより、透明樹脂基材上に光電変換素子を形成したり、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とを貼合したりすることができるので、低コスト化および生産性・量産性の向上を実現することが可能となる。
上記発明においては、上記第1電極層がパターン状の金属電極層であり、上記接着用無機層が上記金属電極層からなることが好ましい。パターン状の金属電極層を形成する際にはパターニングが必須となるため、このパターニング時に接着用無機層を同時に形成することが可能であり、通常の工程で信頼性の高い太陽電池を製造することができるからである。また、低抵抗となるため、第1電極層はパターン状の金属電極層を有することが好ましいからである。さらに、バリア性および耐衝撃性に優れることから封止基材は金属箔であることが好ましく、この場合、光電変換素子の周囲では金属電極層からなる接着用無機層と金属箔である封止基材とが接着剤層を介して貼合されることになるので、接着力をより強固なものとすることができるからである。
また上記発明においては、上記第1電極層が透明電極層であり、上記接着用無機層が上記透明電極層からなることも好ましい。透明電極層の形成時に接着用無機層を同時に形成することが可能であり、接着用無機層を別途形成する工程を増やすことなく、信頼性の高い太陽電池を製造することができるからである。
また本発明においては、上記封止基材が金属箔であることが好ましい。金属箔はバリア性および耐衝撃性に優れ、太陽電池の耐久性をさらに向上させることができるからである。
さらに本発明においては、上記封止基材がバリアフィルムであることも好ましい。バリアフィルムは光透過性を有するものとすることができるので、接着剤層に用いられる接着剤を硬化させる際に光硬化および熱硬化のいずれも適用可能であり、接着剤層に用いる接着剤の選択肢が広がるという利点を有する。
また本発明においては、上記光電変換素子が有機化合物を含む光電変換層を有する有機系太陽電池素子であることが好ましい。有機系太陽電池素子は水分による劣化が顕著であることから、上述の構成とすることにより、耐久性をより一層向上させることが可能となる。
本発明は、上述の太陽電池が複数個直列または並列に接続されていることを特徴とする太陽電池モジュールを提供する。
本発明においては、透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように接着用無機層が形成されており、光電変換素子の周囲では接着用無機層と封止基材の無機バリア層とが接着剤層を介して貼合されているので、接着信頼性を高めることができ、太陽電池の耐久性を向上させることが可能であるという効果を奏する。
本発明の太陽電池の一例を示す概略平面図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略平面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略平面図である。 図5および図6のB−B線断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略平面図である。 本発明の太陽電池の他の例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の太陽電池の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の太陽電池の製造方法の他の例を示す工程図である。
以下、本発明の太陽電池および太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
A.太陽電池
本発明の太陽電池は、透明樹脂基材と、上記透明樹脂基材上に形成された光電変換素子と、上記透明樹脂基材上に上記光電変換素子の周囲を囲うように形成された接着用無機層と、上記接着用無機層上に配置された接着剤層と、上記接着剤層上に配置され、無機バリア層を有する封止基材とを有し、上記光電変換素子および上記接着用無機層が形成された上記透明樹脂基材と上記封止基材の上記無機バリア層とが上記接着剤層を介して貼合されていることを特徴とするものである。
本発明の太陽電池について図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本発明の太陽電池の一例を示す概略平面図および断面図であり、図2は図1のA−A線断面図である。図1および図2に示す太陽電池1は、透明樹脂基材2と、透明樹脂基材2上に形成され、第1電極層11、光電変換層12および第2電極層13が順に積層された光電変換素子10と、透明樹脂基材2上に光電変換素子10の周囲を囲うように形成された接着用無機層3と、透明樹脂基材2上に光電変換素子10および接着用無機層3を覆うように配置された接着剤層4と、接着剤層4上に配置され、無機バリア層5で構成される封止基材6とを有している。この無機バリア層5からなる封止基材6は例えば金属箔である。そして、光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と、無機バリア層5からなる封止基材6とは、接着剤層4を介して貼合されている。この太陽電池1は透明樹脂基材2側が受光面となっている。なお、光電変換素子を構成する第1電極層、光電変換層および第2電極層は、図に示す順番で積層されていなくてもよく、また、積層されずに並んで配置されていてもよい。
図1および図3は、本発明の太陽電池の他の例を示す概略平面図および断面図であり、図3は図1のA−A線断面図である。図1および図3に示す太陽電池1は、透明樹脂基材2と、透明樹脂基材2上に形成され、第1電極層11、光電変換層12および第2電極層13が順に積層された光電変換素子10と、透明樹脂基材2上に光電変換素子10の周囲を囲うように形成された接着用無機層3と、透明樹脂基材2上に光電変換素子10および接着用無機層3を覆うように配置された接着剤層4と、接着剤層4上に配置され、プラスチックフィルム7上に無機バリア層5が形成された封止基材6とを有している。このプラスチックフィルム7上に無機バリア層5が形成された封止基材6は例えばバリアフィルムである。そして、光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と、封止基材6の無機バリア層5とは、接着剤層4を介して貼合されている。この太陽電池1は透明樹脂基材2側が受光面となっている。なお、光電変換素子を構成する第1電極層、光電変換層および第2電極層は、図に示す順番で積層されていなくてもよく、また、積層されずに並んで配置されていてもよい。
なお、図1において接着剤層および封止基材は省略されている。
図1〜図3に示す例において、接着用無機層3および無機バリア層5はいずれも無機物からなるので、接着用無機層3および無機バリア層5の界面では良好な接着強度を確保することができる。したがって、太陽電池1の外周部において接着界面からの透湿を防ぐことができる。
また、第2電極層13は一般的に金属などの無機物からなるので、第2電極層13および無機バリア層5の界面でも接着性が良好である。したがって、光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と、封止基材6の無機バリア層5とを、ほぼ全面にわたって密着させることができる。
このように本発明によれば、透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように接着用無機層が形成されており、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とが接着剤層を介して貼合されているので、光電変換素子の周囲では接着用無機層と無機バリア層とが接着剤層を介して貼合されることになり、接着界面からの水分や酸素の侵入を防ぐことができ、接着信頼性を高め、太陽電池の耐久性を向上させることが可能となる。
また本発明によれば、透明樹脂基材および封止基材のいずれもフレキシブル性を有するものとすることが可能であり、Roll to Rollにより、透明樹脂基材上に光電変換素子を形成したり、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とを貼合したりすることができ、信頼性の高い太陽電池を安価に効率良く製造することが可能となる。
以下、本発明の太陽電池における各構成について説明する。
1.接着用無機層
本発明における接着用無機層は、透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように形成されるものである。
接着用無機層に用いられる材料としては、第1電極層からなる、または、第1電極層を構成する層のうち少なくとも一層からなるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、金属、合金、酸化物、窒化物などが挙げられ、これらの材料は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、接着用無機層は、光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。
接着用無機層は、第1電極層からなる、または、第1電極層を構成する層のうち少なくとも一層からなることにより、透明樹脂基材上に第1電極層を形成する際に、接着用無機層を同時に形成することができる。また、第1電極層の形成において、透明樹脂基材上の一面に金属薄膜または導電膜を形成した後にパターニングする場合には、パターニング時に接着用無機層を同時に形成することができ、工程数を増やすことなく接着用無機層を形成可能である。
上記の場合、接着用無機層は、第1電極層の構成に応じて適宜選択される。例えば、第1電極層は、透明電極層であってもよく、パターン状の金属電極層であってもよく、透明電極層とパターン状の金属電極層とが順不同に積層されたものであってもよい。したがって、第1電極層が透明電極層である場合、接着用無機層は透明電極層からなるものとすることができる。第1電極層がパターン状の金属電極層である場合、接着用無機層は金属電極層からなるものとすることができる。また、第1電極層が透明電極層とパターン状の金属電極層とが順不同に積層されたものである場合、接着用無機層は金属電極層からなるものであってもよく透明電極層からなるものであってもよい。
中でも、工程数を少なくすることができることから、第1電極層が透明電極層であり、接着用無機層が透明電極層からなる、あるいは、第1電極層がパターン状の金属電極層であり、接着用無機層が金属電極層からなることが好ましい。
また、接着用無機層は、金属電極層からなることが好ましい。後述するように低抵抗とすることができるため、第1電極層はパターン状の金属電極層である、または透明電極層とパターン状の金属電極層とが順不同に積層されたものであることが好ましく、パターン状の金属電極層を形成するにはパターニングが必要となることから、工程数を増やすことなく接着用無機層を形成することが可能となるからである。また、後述するように封止基材が金属箔である場合には、光電変換素子の周囲において金属電極層と金属箔とが接着剤層を介して貼合されることになり、より強固な接着が可能となるからである。
接着用無機層の形成位置としては、接着用無機層が透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように形成されていれば特に限定されるものではない。例えば、図1および図4(a)に示すように光電変換素子10の周囲全てを囲うように接着用無機層3が形成されていてもよい。なお、図4(b)は図4(a)のA−A線断面図であり、図4(a)、(b)において接着用無機層3は第1電極層11からなり、接着用無機層3および第1電極層11は連続して形成されており、接着用無機層3と第2電極層13との間に無機絶縁層8が形成されている。また、図5および図6に示すように接着用無機層3が切り欠き部を有しており、この切り欠き部を有する接着用無機層3が光電変換素子10の周囲を囲うように形成されていてもよい。なお、図7は図5および図6のB−B線断面図であり、図5〜図7において接着用無機層3は第1電極層11からなり、接着用無機層3の一部は第1電極層11と連続して形成されている。また、図8(a)に示すように複数の接着用無機層3a,3bが組み合わさって光電変換素子10の周囲を囲うように形成されていてもよい。なお、図8(b)は図8(a)のC−C線断面図であり、図8(a)、(b)において接着用無機層3a,3bはそれぞれ第1電極層11からなり、接着用無機層3aは第1電極層11と連続して形成されている。
図1および図4(a)に示すように、接着用無機層3が光電変換素子10の周囲全てを囲うように形成されている場合には、光電変換素子10が密封され、接着界面からの透湿を効果的に防ぐことができる。また、図5、図6、図8(a)に例示するように、接着用無機層3または3a,3bが光電変換素子10の周囲全てを囲うように形成されていない場合には、接着用無機層3または3a,3bが導電性を有する場合に、接着用無機層上の一部に無機絶縁層を形成しなくとも、第1電極層および第2電極層を短絡させることなく、外部に電気を取り出すことが可能となる。
なお、図1、図4(a)、図5、図6、図8(a)において、接着剤層および封止基材は省略されている。また、図4(a)、図5、図6、図8(a)において、光電変換素子10は一点鎖線、接着用無機層3または3a,3bの一部は破線で示されている。
接着用無機層が光電変換素子の周囲全てを囲うように形成されていない場合には、接着強度を確保するために、接着用無機層で囲われていない領域は可能な限り小さいことが好ましい。
また、透明樹脂基材上に複数個の光電変換素子が形成されている場合、図9に例示するように複数個の光電変換素子10を一群として一群の光電変換素子10の周囲を囲うように接着用無機層3が形成されていてもよく、図示しないが複数個の光電変換素子の周囲をそれぞれ囲うように接着用無機層が形成されていてもよい。透明樹脂基材上に複数個の光電変換素子が形成されている場合、通常は、図9に例示するように透明樹脂基材2の外周部のみに接着用無機層3が形成される。
なお、図9において、接着剤層および封止基材は省略されている。
接着用無機層の形状としては、透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように接着用無機層を配置できる形状であれば特に限定されるものではない。例えば、図1および図4(a)に示すようなロの字状、図8(a)に示すようなコの字状、図5および図6に示すような切り欠き部を有する形状などとすることができる。
接着用無機層の厚みとしては、封止基材の無機バリア層との接着強度を確保することができる厚みであれば特に限定されるものではない。接着用無機層が光電変換素子を構成する層からなる場合には、その層の厚みが接着用無機層の厚みとなる。
また、接着用無機層の幅としては、封止基材の無機バリア層との接着強度を確保することができる幅であれば特に限定されるものではない。接着用無機層の幅が大きいほど耐久性が向上すると考えられることから、耐久性が要求される太陽電池ほど接着用無機層の幅は比較的大きいことが好ましい。
接着用無機層の形成方法としては、透明樹脂基材上に光電変換素子の周囲を囲うように接着用無機層を形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、ウェットプロセスおよびドライプロセスのいずれも採用することができ、接着用無機層の種類や材料の種類などに応じて適宜選択される。接着用無機層が光電変換素子を構成する層からなる場合には、その層の形成と同時に接着用無機層を形成することになる。
接着用無機層が導電性を有する場合には、第1電極層および第2電極層を短絡させることなく、外部に電気を取り出すために、接着用無機層上の一部に無機絶縁層が形成されていてもよい。例えば上述の図4(a)、(b)に示すように、接着用無機層3と第2電極層13との間に無機絶縁層8が形成されていてもよい。
無機絶縁層に用いられる材料としては、絶縁性を有する無機物であれば特に限定されるものではなく、電極の短絡を防ぐために設けられる一般的な無機絶縁層の材料を採用することができ、例えば酸化ケイ素を挙げることができる。より具体的には、ポリシラザンを用いて無機絶縁層を形成することができる。
無機絶縁層の形成方法としては、ソルゲル法やポリシラザンの加水分解反応によるポリシラザン法などのウェットプロセスが好ましく用いられる。ただし、ソルゲル法やポリシラザン法での処理温度が高いためにウェットプロセスを適用するのが困難である場合には、ドライプロセスを適用することも可能である。
無機絶縁層の厚みとしては、導電性を有する接着用無機層と第1電極層または第2電極層とを絶縁できる厚みであれば特に限定されるものではなく、電極の短絡を防ぐために設けられる一般的な無機絶縁層の厚みとすることができる。
2.封止基材
本発明に用いられる封止基材は、無機バリア層を有するものであり、接着剤層上に配置され、接着剤層を介して光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と貼合されるものである。
なお、封止基材が「無機バリア層を有する」とは、無機バリア層からなる場合および無機バリア層と任意の層とを有する場合を含む概念である。
本発明においては、接着剤層を介して光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とが貼合されることから、封止基材は、少なくともいずれか一方の最表面に無機バリア層を有する。封止基材としては、少なくともいずれか一方の最表面に無機バリア層を有するものであれば特に限定されるものではなく、上述したように、図2に例示するように無機バリア層5からなるものであってもよく、図3に例示するように無機バリア層5と任意の層(図3においてはプラスチックフィルム7)とを有するものであってもよい。
封止基材が無機バリア層と任意の層とを有する場合、封止基材としては、少なくともいずれか一方の最表面に無機バリア層を有していれば特に限定されるものではなく、例えば図3に示すようにプラスチックフィルム7の片面に無機バリア層5が形成されたものであってもよく、図示しないがプラスチックフィルムの両面に無機バリア層が形成されたものであってもよく、プラスチックフィルムの片面もしくは両面に複数種類の無機バリア層が積層されたものであってもよく、プラスチックフィルムの片面もしくは両面に有機層と無機バリア層とが交互に積層されたものであってもよい。
本発明においては透明樹脂基材側が受光面となることから、無機バリア層は光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。また、無機バリア層は導電性を有していてもよく絶縁性を有していてもよい。
封止基材を構成する無機バリア層に用いられる材料としては、バリア性を発揮する無機物であれば特に限定されるものではなく、一般的な無機バリア層の材料を用いることができ、例えば、金属、合金、酸化物、窒化物などが挙げられる。これらの材料は1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
具体的には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などを含有する化合物が挙げられる。中でも、ケイ素化合物またはアルミニウム化合物が好ましい。ケイ素化合物としては、例えば、酸化窒化ケイ素(SiON)、酸化ケイ素(SiO)、酸化窒化炭化ケイ素(SiONC)、酸化炭化ケイ素(SiOC)、窒化ケイ素(SiN)、窒化炭化ケイ素(SiNC)などが挙げられる。アルミニウム化合物としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)、酸化窒化アルミニウム(AlON)、酸化窒化炭化アルミニウム(AlONC)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化炭化アルミニウム(AlNC)などが挙げられる。
また、酸化物が好ましい。酸化物は、光透過性を有し、大気雰囲気で安定だからである。具体的には、酸化ケイ素(SiO2)、酸化窒化ケイ素(SiON)、酸化チタン(TiO2)、インジウムスズ酸化物(ITO)、アンチモンスズ酸化物(ATO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al23)などを用いることができる。
特にケイ素化合物が好ましく、酸化ケイ素(SiO2)、酸化窒化ケイ素(SiON)が好適である。これらの材料は、光透過性およびバリア性に優れるからである。
上述したように本発明においては透明樹脂基材側が受光面となることから、封止基材は光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。また、封止基材は導電性を有していてもよく絶縁性を有していてもよい。
また、封止基材はフレキシブル性を有することが好ましい。Roll to Rollにより、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とを貼合することができ、生産性・量産性の向上および低コスト化を図ることが可能となるからである。
なお、封止基材が「フレキシブル性を有する」とは、JIS R 1601のファインセラミックスの曲げ試験方法またはJIS Z 2248の金属材料曲げ試験方法で、5KNの力をかけたときに曲がることを指す。
封止基材としては、無機バリア層を有し、素子を封止することができ、かつ所定の強度を有するものであれば特に限定されるものではなく、封止基材の構成に応じて適宜選択される。
封止基材が無機バリア層からなるものである場合、封止基材としては、例えば金属箔が挙げられる。金属箔の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、銅合金、リン青銅、ステンレス鋼(SUS)、金、金合金、ニッケル、ニッケル合金、銀、銀合金、スズ、スズ合金、チタン、鉄、鉄合金、亜鉛、モリブデン等が挙げられる。中でも、軽量、安価であることから、アルミニウムが好ましい。また、耐久性、耐酸化性、耐熱性に優れている上、線熱膨張係数が小さく寸法安定性に優れることから、SUSも好ましい。
封止基材が無機バリア層と任意の層とを有する場合、封止基材としては、例えばバリアフィルムが挙げられる。バリアフィルムとしては、少なくともいずれか一方の最表面に無機バリア層を有するものであれば特に限定されるものではなく、一般的なバリアフィルムを用いることができる。市販品のバリアフィルムを使用することもできる。市販品のバリアフィルムとしては、例えば三菱樹脂(株)製のテックバリアが挙げられる。
封止基材は、金属箔またはバリアフィルムであることが好ましく、中でも、バリア性および耐衝撃性に優れることから金属箔であることが好ましい。
封止基材の厚みは、封止基材の種類や太陽電池の用途等に応じて適宜選択される。封止基材が金属箔である場合、封止基材の厚みは、通常、30μm〜1000μm程度であり、好ましくは30μm〜500μmの範囲内、より好ましくは30μm〜200μmの範囲内である。封止基材がバリアフィルムである場合、封止基材の厚みは、通常、50μm〜2000μm程度であり、好ましくは100μm〜1800μmの範囲内、さらに好ましくは100μm〜1500μmの範囲内である。封止基材が薄すぎるとバリア性が期待できず、厚すぎるとフレキシブル性が得られない場合がある。
3.透明樹脂基材
本発明に用いられる透明樹脂基材は、光電変換素子などを支持するものである。
本発明においては透明樹脂基材側が受光面となることから、透明樹脂基材は光透過性を有している。
また、透明樹脂基材はフレキシブル性を有することが好ましい。Roll to Rollにより、透明樹脂基材上に光電変換素子を作製することができるとともに、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とを貼合することができ、生産性・量産性の向上および低コスト化を図ることが可能となるからである。また、フレキシブル性を有する透明樹脂基材は、加工性に優れており、軽量化、薄型化、割れにくい太陽電池の実現において有用であり、曲面への適用等、種々のアプリケーションへの適用可能性が広がるからである。
このような透明樹脂基材に用いられる樹脂としては、例えば、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、液晶性ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリミクロイキシレンジメチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、アクリロニトリル−スチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、非晶質ポリオレフィン等が挙げられる。これらを1種または2種以上の共重合体として用いてもよい。
透明樹脂基材の厚みは、太陽電池の用途等に応じて適宜選択されるが、通常、50μm〜2000μm程度であり、好ましくは100μm〜1800μmの範囲内、さらに好ましくは100μm〜200μmの範囲内である。透明樹脂基材が薄すぎると十分な強度が得られず、厚すぎるとフレキシブル性が得られない場合がある。
4.接着剤層
本発明における接着剤層は、接着用無機層上に配置されるものである。本発明においては、接着剤層を介して光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とが貼合される。
接着剤層の形成位置としては、接着剤層が接着用無機層上に配置されていれば特に限定されるものではなく、接着剤層は接着用無機層の少なくとも一部の上に配置されていればよい。また、接着剤層は、例えば、接着用無機層上のみに配置されていてもよく、接着用無機層および光電変換素子を覆うように配置されていてもよい。中でも、接着剤層は接着用無機層および光電変換素子を覆うように配置されている、すなわち、透明樹脂基材または封止基材の全面に配置されていることが好ましい。固体封止とすることで、光電変換素子と封止基材との間の間隙をなくすことができ、また光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層との接着力を向上させることができ、水分や酸素の侵入をより効果的に抑制することができるからである。
接着剤層に用いられる接着剤としては、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とを貼合することができるものであれば特に限定されるものではなく、太陽電池の封止に用いられる一般的な接着剤を使用することができるが、中でも、合成樹脂系接着剤が好ましい。合成樹脂系接着剤としては、例えば熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アイオノマー樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられ、具体的には、三井・デュポンポリケミカル(株)製のハイミラン(熱硬化型接着剤)、(株)スリーボンド製の3021J(UV硬化型接着剤)などが挙げられる。中でも、封止基材が光透過性を有さない場合には、熱硬化型接着剤が好ましい。一方、封止基材が光透過性を有する場合には、熱硬化型接着剤および光硬化型接着剤のいずれも用いることができる。
接着剤の配置方法としては、透明樹脂基材または封止基材の全面に接着剤を配置することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、液状の接着剤を塗布する方法、シート状の接着剤を配置する方法が挙げられる。
液状の接着剤の塗布方法としては、透明樹脂基材または封止基材の全面に液状の接着剤を塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
接着剤を配置する対象としては、封止基材の無機バリア層上であってもよく、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材上であってもよい。中でも、液状の接着剤を塗布する場合には、液状の接着剤による光電変換素子への影響を低減するために、封止基材の無機バリア層上に液状の接着剤を塗布することが好ましい。
5.光電変換素子
本発明における光電変換素子は、透明樹脂基材上に形成されるものである。
光電変換素子としては、太陽電池を構成し、封止が必要または好適であるものであればよく、例えば、単結晶シリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、アモルファスシリコン太陽電池素子等のシリコン系太陽電池素子、化合物半導体系太陽電池素子、有機薄膜太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子等の有機系太陽電池素子が挙げられる。中でも、水分による劣化が顕著であることから、有機化合物を含む光電変換層を有する有機系太陽電池素子が好ましく、有機系太陽電池素子としては、上述のように、例えば、有機薄膜太陽電池素子や色素増感型太陽電池素子が挙げられる。特に、有機薄膜太陽電池素子が好適である。
以下、光電変換素子の各構成について説明する。なお、以下の説明では、光電変換素子を構成する第1電極層、光電変換層および第2電極層がこの順番に形成された場合について述べるが、光電変換素子として用いることができるものであれば、各層は必ずしもこの順番で積層されていなくてもよく、また、各層は積層されずに並んで配置されていてもよい。さらに、第1電極層、光電変換層または第2電極層のいずれかの層がその他の層を兼ねていてもよい。
(1)第1電極層
本発明に用いられる第1電極層は、透明樹脂基材上に形成されるものである。
本発明においては透明樹脂基材側が受光面となることから、第1電極層は受光面側の電極となるものであれば特に限定されるものではなく、透明電極層であってもよく、パターン状の金属電極層であってもよく、透明電極層とパターン状の金属電極層とが順不同に積層されたものであってもよい。第1電極層がパターン状の金属電極層である場合または透明電極層とパターン状の金属電極層とが積層されたものである場合には、抵抗を低減することができ、発生した電力を効率良く集電することができる。
以下、透明電極層およびパターン状の金属電極層について説明する。
(a)透明電極層
本発明に用いられる透明電極層の材料としては、導電性および光透過性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、フッ素含有スズ酸化物(FTO)、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性無機酸化物が挙げられる。
透明電極層は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料が積層された多層であってもよい。
透明電極層の厚みとしては、光電変換素子の種類に応じて適宜選択される。光電変換素子が有機薄膜太陽電池素子である場合、透明電極層の厚みは、単層の場合はその膜厚が、多層の場合は総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。透明電極層の厚みが上記範囲より薄いと、透明電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性があり、一方、透明電極層の厚みが上記範囲より厚いと、全光線透過率が低下し、光電変換効率を低下させる可能性があるからである。
透明電極層は、透明樹脂基材上に一面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
透明電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(b)パターン状の金属電極層
本発明に用いられる金属電極層は、透明樹脂基材上にパターン状に形成されるものである。金属電極層は、通常、上記透明電極層よりも抵抗が小さい。
金属電極層の材料としては、通常、金属または合金が用いられ、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム合金、銅合金、チタン合金、鉄−ニッケル合金、ニッケル−クロム合金(Ni−Cr)などを挙げることができる。これらの中でも、抵抗が低いものが好ましく、Al、Au、Ag、Cuが好ましい。
また、金属電極層は、上述の金属または合金からなる単層であってもよく、また透明樹脂基材や透明電極層との密着性向上のために、上述の金属または合金からなる層とコンタクト層とを適宜積層したものであってもよい。コンタクト層の材料としては、例えば、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、ニッケルクロム(Ni−Cr)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)などが挙げられる。コンタクト層は金属電極層と透明樹脂基材や透明電極層との密着性を得るために設けられるものであり、上述の金属または合金からなる層の片面のみに形成されていてもよく両面に形成されていてもよい。
金属電極層の形状としては、パターン状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、光透過性、強度等により適宜選択される。例えば、金属電極層は、メッシュ状のメッシュ部と、このメッシュ部の周囲に配置されたフレーム部とを有するものであってもよく、メッシュ状のメッシュ部からなるものであってもよい。
金属電極層がメッシュ部とフレーム部とを有する場合、メッシュ部およびフレーム部の配置としては、例えば金属電極層が矩形である場合、フレーム部が、メッシュ部の四方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の三方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の二方を囲むように配置されていてもよく、メッシュ部の一方に配置されていてもよい。中でも、フレーム部は、メッシュ部の四方または三方を囲むように配置されていることが好ましい。効率良く集電することができるからである。
メッシュ部の形状としては、メッシュ状であれば特に限定されるものではなく、所望の導電性、光透過性、強度等により適宜選択される。例えば、三角形、四角形、六角形等の多角形や円形の格子状等が挙げられる。なお、多角形や円形の「格子状」とは、多角形や円形の開口部が周期的に配列されている形状をいう。多角形や円形の格子状としては、例えば多角形の開口部がストレートに配列されていてもよく、ジグザグに配列されていてもよい。
中でも、メッシュ部の形状は、六角形の格子状または平行四辺形の格子状であることが好ましい。メッシュ部を流れる電流が局所的に集中するのを防止することができるからである。六角形の格子状の場合、特に、六角形の開口部がジグザグに(いわゆるハニカム状に)配列されていることが好ましい。一方、平行四辺形の格子状の場合、平行四辺形の鋭角が40°〜80°の範囲内であることが好ましく、より好ましくは50°〜70°の範囲内、さらに好ましくは55°〜65°の範囲内である。
金属電極層自体は基本的に光を透過しないので、金属電極層のメッシュ部の開口部から光電変換層に光が入射する。そのため、金属電極層のメッシュ部の開口部は比較的大きいことが好ましい。具体的には、金属電極層のメッシュ部の開口部の比率は、50%〜98%程度であることが好ましく、より好ましくは70%〜98%の範囲内、さらに好ましくは80%〜98%の範囲内である。
金属電極層のメッシュ部の開口部のピッチおよびメッシュ部の線幅は、金属電極層全体の面積等に応じて適宜選択される。
また、フレーム部の線幅は、金属電極層全体の面積等に応じて適宜選択される。
金属電極層の厚みは、第1電極層と第2電極層との間で短絡が生じない厚みであれば限定されるものではなく、第1電極層および第2電極層の間に形成される光電変換層等の厚みや、光電変換素子の種類に応じて適宜選択される。光電変換素子が有機薄膜太陽電池素子である場合、金属電極層の厚みは、100nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも200nm〜800nmの範囲内、さらには200nm〜500nmの範囲内、特に200nm〜400nmの範囲内であることが好ましい。金属電極層の厚みが上記範囲より薄いと、金属電極層のシート抵抗が大きくなりすぎる場合があるからである。また、金属電極層の厚みが上記範囲より厚いと、電極間で短絡が生じるおそれがあるからである。
第1電極層が透明電極層とパターン状の金属電極層とが順不同に積層されたものである場合、透明電極層およびパターン状の金属電極層の積層順としては特に限定されるものではなく、透明樹脂基材上に透明電極層およびパターン状の金属電極層の順に積層されていてもよく、透明樹脂基材上にパターン状の金属電極層および透明電極層の順に積層されていてもよい。中でも、透明樹脂基材上にパターン状の金属電極層および透明電極層の順に積層されていることが好ましい。透明電極層と光電変換層との接触面積が大きい方が、界面の接合性が良く、電荷の移動効率を高くすることができるからである。
金属電極層の形成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属薄膜を一面に成膜した後に網目状にパターニングする方法、網目状の導電体を直接形成する方法等が挙げられる。これらの方法は、金属電極層の材料や構成等に応じて適宜選択される。
金属薄膜の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の真空成膜法であることが好ましい。真空成膜法により成膜した金属種は、めっき膜に比べ介在物が少なく比抵抗を小さくでき、またAgペースト等を用いて成膜したものと比較しても比抵抗を小さくできる。また、厚み1μm以下、好ましくは500nm以下の金属薄膜を、膜厚を精密に制御し、均一な厚みに成膜する方法としても、真空成膜法が好適である。
金属薄膜のパターニング方法としては、所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えばフォトエッチング法等を挙げることができる。
(2)第2電極層
本発明に用いられる第2電極層は、上記第1電極層と対向する電極である。
本発明においては透明樹脂基材側が受光面となることから、第2電極層は光透過性を有していてもよく有さなくてもよい。
第2電極層の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、金属、合金、無機フッ化物、無機酸化物などを用いることができ、例えば、Au、Ag、Co、Ni、Pt、Li、In、Al、Ag、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiFなどが挙げられる。第2電極層は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料が積層された多層であってもよい。異なる材料が積層されている第2電極層としては、例えば、Ca、LiF、LiCa、MoOまたはVOのいずれかと、AlまたはAgのいずれかとが積層されたものが挙げられる。
第2電極層の厚みは、光電変換素子の種類に応じて適宜選択される。光電変換素子が有機薄膜太陽電池素子である場合、第2電極層の厚みは、単層の場合にはその膜厚が、多層の場合には総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。第2電極層の厚みが上記範囲より薄い場合は、第2電極層のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できない可能性がある。
第2電極層は、光電変換層上に一面に形成されていてもよく、パターン状に形成されていてもよい。
第2電極層の形成方法としては、一般的な電極の形成方法を用いることができる。
(3)光電変換層
本発明に用いられる光電変換層は、光電変換素子の種類に応じて適宜選択される。例えば、光電変換素子が、単結晶シリコン太陽電池素子、多結晶シリコン太陽電池素子、アモルファスシリコン太陽電池素子等のシリコン系太陽電池素子である場合、光電変換層はそれぞれ、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを含有する層である。光電変換素子が化合物半導体系太陽電池素子である場合、光電変換層は、ガリウム−ヒ素、銅−インジウム−セレン、銅−インジウム−ガリウム−セレン、又はカドミウム−テルルなどを含有する層である。光電変換素子が有機薄膜太陽電池素子である場合、光電変換層は有機半導体を含有する層であり、光電変換層に含まれる有機化合物は有機半導体である。光電変換素子が色素増感型太陽電池素子である場合、光電変換層は色素増感剤が担持された酸化物半導体を含有する層であり、光電変換層に含まれる有機化合物は色素増感剤である。
本発明においては、光電変換素子の光電変換層は、光電変換素子の種類に応じて公知のものを適宜用いることができるが、上述したように光電変換素子が有機系太陽電池素子であることが好ましく、特に有機薄膜太陽電池素子であることが好ましい。以下、光電変換素子が有機系太陽電池素子の一つである有機薄膜太陽電池素子である場合の光電変換層を例として説明する。
(有機薄膜太陽電池素子における光電変換層)
有機薄膜太陽電池素子における「光電変換層」とは、有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向かって輸送する機能を有する部材をいう。
光電変換層は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であってもよく(第1態様)、また電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものであってもよい(第2態様)。以下、各態様について説明する。
(a)第1態様
有機薄膜太陽電池素子における光電変換層の第1態様は、電子受容性および電子供与性の両機能を有する単一の層であり、電子供与性材料および電子受容性材料を含有するものである。この光電変換層では、光電変換層内で形成されるpn接合を利用して電荷分離が生じるため、単独で光電変換層として機能する。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。
導電性高分子はいわゆるπ共役高分子であり、炭素−炭素またはヘテロ原子を含む二重結合または三重結合が、単結合と交互に連なったπ共役系から成り立っており、半導体的性質を示すものである。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利である。また、導電性高分子の電子伝達機構は、主にπスタッキングによる分子間のホッピング伝導であるため、高分子の主鎖方向のみならず、光電変換層の膜厚方向への電荷輸送も有利である。さらに、導電性高分子材料は、導電性高分子材料を溶媒に溶解もしくは分散させた塗工液を用いることで湿式塗工法により容易に成膜可能であることから、大面積の有機薄膜太陽電池を高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点がある。
電子供与性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリシラン、ポリチオフェン、ポリカルバゾール、ポリビニルカルバゾール、ポルフィリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、フタロシアニン含有ポリマー、カルバゾール含有ポリマー、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
上記の中でも、チオフェン−フルオレン共重合体、ポリアルキルチオフェン、フェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体、フェニレンエチニレン−チオフェン共重合体、フェニレンエチニレン−フルオレン共重合体、フルオレン−フェニレンビニレン共重合体、チオフェン−フェニレンビニレン共重合体等が好ましく用いられる。これらは、多くの電子受容性材料に対して、エネルギー準位差が適当であるからである。
なお、例えばフェニレンエチニレン−フェニレンビニレン共重合体(Poly[1,4-phenyleneethynylene-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)-1,4-phenyleneethene-1,2-diyl-1,4-(2,5-dioctadodecyloxyphenylene)ethene-1,2-diyl])の合成方法については、Macromolecules, 35, 3825 (2002) や、Mcromol. Chem. Phys., 202, 2712 (2001) に詳しい。
また、電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。
電子受容性の導電性高分子材料としては、例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレン、およびこれらの誘導体、ならびにこれらの共重合体、あるいは、カーボンナノチューブ、フラーレン誘導体、CN基またはCF基含有ポリマーおよびそれらの−CF置換ポリマー等を挙げることができる。ポリフェニレンビニレン誘導体の具体例としては、CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])、MEH−CN−PPV(Poly[2-Methoxy-5-(2´-ethylhexyloxy)-1,4-(1-cyanovinylene)phenylene])等が挙げられる。
また、電子供与性化合物がドープされた電子受容性材料や、電子受容性化合物がドープされた電子供与性材料等を用いることもできる。中でも、電子供与性化合物もしくは電子受容性化合物がドープされた導電性高分子材料が好ましく用いられる。導電性高分子材料は、高分子主鎖内にπ共役が発達しているため主鎖方向への電荷輸送が基本的に有利であり、また、電子供与性化合物や電子受容性化合物をドープすることによりπ共役主鎖中に電荷が発生し、電気伝導度を大きく増大させることが可能であるからである。
電子供与性化合物がドープされる電子受容性の導電性高分子材料としては、上述した電子受容性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子供与性化合物としては、例えばLi、K、Ca、Cs等のアルカリ金属やアルカリ土類金属のようなルイス塩基を用いることができる。なお、ルイス塩基は電子供与体として作用する。
また、電子受容性化合物がドープされる電子供与性の導電性高分子材料としては、上述した電子供与性の導電性高分子材料を挙げることができる。ドープされる電子受容性化合物としては、例えばFeCl(III)、AlCl、AlBr、AsFやハロゲン化合物のようなルイス酸を用いることができる。なお、ルイス酸は電子受容体として作用する。
光電変換層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜600nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、光電変換層における体積抵抗が高くなる場合があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性材料および電子受容性材料の混合比は、使用する材料の種類により最適な混合比に適宜調整される。
光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法が好ましく用いられる。湿式塗工法であれば、大気中で光電変換層を形成することができ、コストの削減が図れるとともに、大面積化が容易だからである。
光電変換層形成用塗工液の塗布方法としては、光電変換層形成用塗工液を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができる。
中でも、光電変換層形成用塗工液の塗布方法は、主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法であることが好ましい。主に塗布量に応じて厚みを調整することが可能な方法としては、例えば、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、グラビアコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの印刷法を挙げることができる。印刷法は有機薄膜太陽電池の大面積化に好適である。
光電変換層形成用塗工液の塗布後は、形成された塗膜を乾燥する乾燥処理を施してもよい。光電変換層形成用塗工液に含まれる溶媒等を早期に除去することにより、生産性を向上させることができるからである。
乾燥処理の方法として、例えば、加熱乾燥、送風乾燥、真空乾燥、赤外線加熱乾燥等、一般的な方法を用いることができる。
(b)第2態様
有機薄膜太陽電池素子における光電変換層の第2態様は、電子受容性の機能を有する電子受容性層と電子供与性の機能を有する電子供与性層とが積層されたものである。以下、電子受容性層および電子供与性層について説明する。
(電子受容性層)
本態様に用いられる電子受容性層は、電子受容性の機能を有するものであり、電子受容性材料を含有するものである。
電子受容性材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子受容性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子受容性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子受容性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子受容性層における体積抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子受容性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(電子供与性層)
本態様に用いられる電子供与性層は、電子供与性の機能を有するものであり、電子供与性材料を含有するものである。
電子供与性材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、湿式塗工法により成膜可能なものであることが好ましく、中でも電子供与性の導電性高分子材料であることが好ましい。導電性高分子材料は、上述したような利点を有するからである。具体的には、上記第1態様の光電変換層に用いられる電子供与性の導電性高分子材料と同様のものを挙げることができる。
電子供与性層の膜厚としては、一般的にバイレイヤー型有機薄膜太陽電池において採用されている膜厚を採用することができる。具体的には、0.1nm〜1500nmの範囲内で設定することができ、好ましくは1nm〜300nmの範囲内である。膜厚が上記範囲より厚いと、電子供与性層における体積抵抗が高くなる可能性があるからである。一方、膜厚が上記範囲より薄いと、光を十分に吸収できない場合があるからである。
電子供与性層の形成方法としては、上記第1態様の光電変換層の形成方法と同様とすることができる。
(4)他の層
本発明における光電変換素子は、第1電極層、光電変換層および第2電極層以外に、必要に応じて他の層を有していてもよい。
以下、光電変換素子が有機薄膜太陽電池素子である場合を例として他の層について説明する。
(有機薄膜太陽電池素子における他の層)
有機薄膜太陽電池素子においては、通常、第1電極層が光電変換層で発生した正孔を取り出すための電極(正孔取出し電極)、第2電極層が光電変換層で発生した電子を取り出すための電極(電子取出し電極)とされる。この場合、電荷の取出しを容易にするために、図10に例示するように、光電変換層12と第1電極層11との間に正孔取出し層14が形成されていてもよく、光電変換層12と第2電極層13との間に電子取出し層15が形成されていてもよい。
以下、正孔取出し層および電子取出し層について説明する。
(a)正孔取出し層
正孔取出し層は、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から正孔取出し電極への正孔取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
正孔取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から正孔取出し電極への正孔の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、Au、In、Ag、Pd等の金属等の薄膜も使用することができる。さらに、金属等の薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、特にポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、トリフェニルジアミン(TPD)が好ましく用いられる。
正孔取出し層の膜厚としては、上記有機材料を用いた場合は、10nm〜200nmの範囲内であることが好ましく、上記金属薄膜である場合は、0.1nm〜5nmの範囲内であることが好ましい。
(b)電子取出し層
電子取出し層は、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しが容易に行われるように設けられる層である。これにより、光電変換層から電子取出し電極への電子取出し効率が高められるため、光電変換効率を向上させることが可能となる。
電子取出し層に用いられる材料としては、光電変換層から電子取出し電極への電子の取出しを安定化させる材料であれば特に限定されない。具体的には、ドープされたポリアニリン、ポリフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、トリフェニルジアミン(TPD)等の導電性有機化合物、またはテトラチオフルバレン、テトラメチルフェニレンジアミン等の電子供与性化合物と、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等の電子受容性化合物とからなる電荷移動錯体を形成する有機材料等を挙げることができる。また、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属との金属ドープ層が挙げられる。好適な材料としては、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントロン(Bphen)と、Li、Cs、Ba、Srなどの金属ドープ層が挙げられる。
(5)光電変換素子
本発明においては、図1に例示するように透明樹脂基材2上に1個の光電変換素子10が形成されていてもよく、図9に例示するように透明樹脂基材2上に複数個の光電変換素子10が形成されていてもよい。
透明樹脂基材上に複数個の光電変換素子が形成されている場合、光電変換素子の数としては特に限定されるものではない。また、複数個の光電変換素子の接続としては、所望の起電力を得ることができればよく、直列のみであってもよく、並列のみであってもよく、直列および並列を組み合わせてもよい。
6.その他の構成部材
本発明においては、透明樹脂基材の光電変換素子側とは反対側の表面に、接着剤層を介してバリアフィルムが貼合されていてもよい。バリアフィルムとしては、一般的なバリアフィルムを使用することができる。
また、本発明の太陽電池は、上述の構成部材の他にも、必要に応じて他の構成部材を有していてもよい。例えば、本発明の太陽電池は、保護シート、充填材層、保護ハードコート層、強度支持層、防汚層、高光反射層、光封じ込め層等の機能層を有していてもよい。また、層構成に応じて、各機能層間に接着層が形成されていてもよい。
なお、これらの機能層については、特開2007−73717号公報等に記載のものと同様とすることができる。
7.太陽電池の製造方法
本発明の太陽電池の製造方法は、上述の太陽電池を製造できる方法であれば特に限定されるものではないが、透明樹脂基材上に第1電極層および接着用無機層を同時に形成する第1電極層形成工程を有し、上記透明樹脂基材上に、上記第1電極層、上記第1電極層上に形成された光電変換層および上記光電変換層上に形成された第2電極層を有する光電変換素子を形成する光電変換素子形成工程と、上記光電変換素子および上記接着用無機層が覆われるように、上記透明樹脂基材上または無機バリア層を有する封止基材上に接着剤を配置する接着剤配置工程と、上記光電変換素子および上記接着用無機層が形成された上記透明樹脂基材と上記封止基材の上記無機バリア層とを上記接着剤を介して貼合する封止工程とを有することが好ましい。第1電極層および接着用無機層を同時に形成するので、接着用無機層を別途形成する工程を増やすことなく、本発明の太陽電池を作製することができるからである。
本発明の太陽電池の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図11(a)〜(d)は、本発明の太陽電池の製造方法の一例を示す工程図であり、第1電極層が透明電極層である場合の例である。まず、図11(a)に示すように、透明樹脂基材2上に透明電極層11aである第1電極層11と透明電極層11aからなる接着用無機層3とを同時に形成する(第1電極層形成工程)。次いで、図11(b)に示すように、第1電極層11上に光電変換層12および第2電極層13を順に積層して、光電変換素子10を形成する(光電変換素子形成工程)。次に、図11(c)に示すように、無機バリア層5からなる封止基材6上に液状の接着剤4aを塗布した後(接着剤配置工程)、図11(d)に示すように、光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と、接着剤4aが塗布された封止基材6とをラミネートし、接着剤4aを硬化させる(封止工程)。これにより、接着剤層4を介して光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と封止基材6とが貼合され、光電変換素子10が封止される。
図12(a)〜(e)は、本発明の太陽電池の製造方法の他の例を示す工程図であり、第1電極層が透明電極層とパターン状の金属電極層とが積層されたものである場合の例である。まず、図12(a)に示すように、透明樹脂基材2上に一面に金属薄膜21を形成する。次いで、図12(b)に示すように、フォトエッチングにより金属薄膜21をパターニングして、パターン状の金属電極層11bと金属電極層11bからなる接着用無機層3とを同時に形成する。続いて、図12(c)に示すように、パターン状の金属電極層11b上に透明電極層11aを形成して、第1電極層11とする。図12(a)〜(c)は第1電極層形成工程である。次に、図12(d)に示すように、第1電極層11上に光電変換層12および第2電極層13を順に積層して、光電変換素子10を形成する(光電変換素子形成工程)。次いで、図示しないが、無機バリア層5からなる封止基材6上に液状の接着剤を塗布した後(接着剤配置工程)、光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と、接着剤が塗布された封止基材6とをラミネートし、接着剤を硬化させる(封止工程)。これにより、図12(e)に示すように、接着剤層4を介して光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と封止基材6とが貼合され、光電変換素子10が封止される。
図13(a)〜(d)は、本発明の太陽電池の製造方法の他の例を示す工程図であり、第1電極層がパターン状の金属電極層である場合の例である。まず、図13(a)に示すように、透明樹脂基材2上に一面に金属薄膜21を形成し、次いで、図13(b)に示すように、フォトエッチングにより金属薄膜21をパターニングして、パターン状の金属電極層11bである第1電極層11と金属電極層11bからなる接着用無機層3とを同時に形成する(第1電極層形成工程)。続いて、図13(c)に示すように、第1電極層11上に光電変換層12および第2電極層13を順に積層して、光電変換素子10を形成する(光電変換素子形成工程)。次いで、図示しないが、無機バリア層5からなる封止基材6上に液状の接着剤を塗布した後(接着剤配置工程)、光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と、接着剤が塗布された封止基材6とをラミネートし、接着剤を硬化させる(封止工程)。これにより、図13(d)に示すように、接着剤層4を介して光電変換素子10および接着用無機層3が形成された透明樹脂基材2と封止基材6とが貼合され、光電変換素子10が封止される。
以下、本発明の太陽電池の製造方法の例における各工程について説明する。
(1)光電変換素子形成工程
光電変換素子形成工程は、透明樹脂基材上に第1電極層および接着用無機層を同時に形成する第1電極層形成工程を有し、上記透明樹脂基材上に、上記第1電極層、上記第1電極層上に形成された光電変換層および上記光電変換層上に形成された第2電極層を有する光電変換素子を形成する工程である。
(a)第1電極層形成工程
第1電極層形成工程は、透明樹脂基材上に第1電極層および接着用無機層を同時に形成する工程である。
第1電極層形成工程は、第1電極層の構成に応じて適宜選択される。
図11(a)に例示するように第1電極層が透明電極層である場合、透明電極層からなる接着用無機層を同時に形成することができる。透明電極層の形成方法としては、例えば、透明樹脂基材上に一面に導電膜を形成した後、フォトエッチングによりパターニングする方法、メタルマスクによるパターン蒸着法を挙げることができる。メタルマスクによるパターン蒸着法は、工程数が少ないため、プロセス上の優位性が高いという利点を有する。
図12(a)〜(c)に例示するように第1電極層が透明電極層とパターン状の金属電極層とが積層されたものである場合、金属電極層からなる接着用無機層を同時に形成することができる。また、図13(a)〜(b)に例示するように第1電極層がパターン状の金属電極層である場合も、金属電極層からなる接着用無機層を同時に形成することができる。パターン状の金属電極層の形成方法としては、例えば、透明樹脂基材上に一面に金属薄膜を形成した後、フォトエッチングによりパターニングする方法、メタルマスクによるパターン蒸着法を挙げることができる。
(b)その他の工程
光電変換素子形成工程において、第1電極層以外の構成部材を形成する方法については、上述したので、ここでの説明は省略する。
(2)接着剤配置工程
接着剤配置工程は、上記光電変換素子および上記接着用無機層が覆われるように、上記透明樹脂基材上または無機バリア層を有する封止基材上に接着剤を配置する工程である。
接着剤を配置する方法については、上述したので、ここでの説明は省略する。
(3)封止工程
封止工程は、上記光電変換素子および上記接着用無機層が形成された上記透明樹脂基材と上記封止基材の上記無機バリア層とを上記接着剤を介して貼合する工程である。
本工程においては、光電変換素子および接着用無機層が形成された透明樹脂基材と封止基材の無機バリア層とを対向させて配置し、接着剤を介して密着させ、接着剤を硬化させることにより封止を行うことができる。接着剤の硬化方法としては、接着剤の種類に応じて適宜選択されるものであり、通常、光照射または加熱が用いられる。
B.太陽電池モジュール
本発明の太陽電池モジュールは、上述の太陽電池が複数個直列または並列に接続されていることを特徴とするものである。
複数個の太陽電池の接続としては、所望の起電力を得ることができればよく、直列のみであってもよく、並列のみであってもよく、直列および並列を組み合わせてもよい。
なお、太陽電池については、上記「A.太陽電池」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、光電変換素子として有機薄膜太陽電池素子を用いた太陽電池の実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
まず、100μm厚みのPET基板の片面の全面にCr/Cu層を10nm/300nmの厚みでスパッタリング法により形成した。その後、図4(a)に示すような、PET基板の中央部に位置する50mm□の光電変換素子が設けられる太陽電池部とPET基板の外周部に位置する外周が60mm□で5mm幅のロの字状の接着用無機層が設けられる接着部とに位置するCr/Cu層を残すような形状で、フォトエッチングプロセスによりパターニングを行い、金属電極層を形成した。この際、50mm□の太陽電池部には開口部の比率が80%のメッシュ形状の金属電極層を形成した。
金属電極層形成後に、50mm□の太陽電池部に位置する金属電極層上にITOをメタルマスクによるパターン蒸着法により成膜し、透明電極層を形成した。以上のように、メッシュ形状の金属電極層および透明電極層が積層された第1電極層と、金属電極層からなる接着用無機層とを形成した。
次に、第2電極層が設けられる接着用無機層上にパーヒドロポリシラザン(アクアミカ NP110、AZエレクトロニックマテリアルズ社製)をパターン塗布し、大気下で150℃、15minの焼成を実施し、絶縁層を形成した。
次に、第1電極層上に、スピンコート法による塗布により正孔取出し層を形成した。正孔取出し層の形成としては、PEDOT/PSS(H.C.Starc社製、Clevious)を使用し、乾燥後大気下で150℃、15minの焼成を実施した。
次いで、正孔取出し層上に、光電変換層として、N雰囲気下で、P3HT/PCBMを2wt%でオルトジクロロベンゼン溶媒に溶解させたものをスピンコート法により塗布した。乾燥後、150℃、15minの焼成を実施し、光電変換層を形成した。
続いて、光電変換層上に、メタルマスクによるパターン蒸着により、電子取出し層と第2電極層としてCa、Alを15nm/300nmの厚みで順に蒸着形成した。以上のように有機薄膜太陽電池素子を形成した。
その後、第2電極層側にAl箔(15μm厚み)をシート状熱硬化型接着剤(三井・デュポンポリケミカル社製、ハイミラン、30μm厚み)を介して積層し、真空ラミネーターにより、150℃、10minの条件にて加熱硬化した。これにより、有機薄膜太陽電池素子を封止し、有機薄膜太陽電池を作製した。
[比較例]
PET基板の外周部に接着用無機層を形成しなかった以外は、実施例と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。
[評価]
実施例および比較例の有機薄膜太陽電池に関して、接着信頼性についてのT型剥離試験を実施した。接着用無機層を形成した場合(実施例)では、剥離強度5Nを確認した。一方、接着用無機層を形成しなかった場合(比較例)では、T型剥離試験のための基板セット時に剥がれてしまい、剥離強度は0Nであった。
また、接着用無機層を形成した有機薄膜太陽電池(実施例)と、接着用無機層を形成しなかった有機薄膜太陽電池(比較例)とを、65℃−RH85%の高温高湿試験に投入したところ、接着用無機層を形成した有機薄膜太陽電池では、100hの性能維持率90%であったのに対し、接着用無機層を形成しなかった有機薄膜太陽電池では、100hの性能維持率は10%であった。
以上より、接着用無機層を形成することで太陽電池の耐久性が向上することを確認した。
1 … 太陽電池
2 … 透明樹脂基材
3 … 接着用無機層
4 … 接着剤層
5 … 無機バリア層
6 … 封止基材
7 … プラスチックフィルム
10 … 光電変換素子
11 … 第1電極層
11a … 透明電極層
11b … 金属電極層
12 … 光電変換層
13 … 第2電極層

Claims (7)

  1. 透明樹脂基材と、
    前記透明樹脂基材上に形成され、第1電極層、光電変換層および第2電極層が順に積層された光電変換素子と、
    前記透明樹脂基材上に前記光電変換素子の周囲を囲うように形成された接着用無機層と、
    前記接着用無機層上に配置された接着剤層と、
    前記接着剤層上に配置され、無機バリア層を有する封止基材と
    を有し、前記光電変換素子および前記接着用無機層が形成された前記透明樹脂基材と前記封止基材の前記無機バリア層とが前記接着剤層を介して貼合され、
    前記接着用無機層が、前記第1電極層からなる、または、前記第1電極層を構成する層のうち少なくとも一層からなり、
    前記接着用無機層が前記第1電極層と連続して形成され、前記接着用無機層上に前記第2電極層が形成されている領域では前記接着用無機層と前記第2電極層との間に無機絶縁層が形成されていることを特徴とする太陽電池。
  2. 前記第1電極層がパターン状の金属電極層であり、前記接着用無機層が前記金属電極層からなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 前記第1電極層が透明電極層であり、前記接着用無機層が前記透明電極層からなることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  4. 前記封止基材が金属箔であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の太陽電池。
  5. 前記封止基材がバリアフィルムであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の太陽電池。
  6. 前記光電変換素子が有機化合物を含む光電変換層を有する有機系太陽電池素子であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載の太陽電池。
  7. 請求項1から請求項までのいずれかに記載の太陽電池が複数個直列または並列に接続されていることを特徴とする太陽電池モジュール。
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