以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1〜図24を用いて、第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電子機器の部分断面図である。
同図に示す電子機器801は、光学装置101と、液晶表示部802と、透光カバー803と、を備える。電子機器801は、たとえばタッチパネル方式の携帯電話機である。
液晶表示部802は、電子機器801の諸機能を発揮させるためのアイコンを表示する。透光カバー803は、たとえばアクリル製である。透光カバー803は、赤外光および可視光を透過させる。透光カバー803は、液晶表示部802と光学装置101とに対向している。光学装置101は透光カバー803との間に間隔d1を設けて配置される。間隔d1は、たとえば0.25〜1mm程度である。
図2は、本実施形態にかかる光学装置の斜視図である。図3は、本実施形態にかかる光学装置の平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。図5は、図3のV−V線に沿う断面図である。図6は、図3のVI−VI線に沿う断面図である。図7は、図3のVII−VII線に沿う断面図である。図8は、図3のVIII−VIII線に沿う断面図である。図9は、本実施形態にかかる光学装置の正面図である。図10は、本実施形態にかかる光学装置の背面図である。
これらの図に示す光学装置101は、近接センサであり、基板1と、発光素子2と、受光素子3と、第1透光樹脂部4と、第2透光樹脂部5と、遮光樹脂部6と、ボンディングワイヤ71,72と、を備える。
図4、図5に示すように、基板1は、主面10と、裏面11と、基板側面111〜114と、を有する。図4に示すように、主面10は、基板1の厚さ方向zのうちの基板1から受光素子3に向かう方向である方向z1を向き、裏面11は、厚さ方向zのうちの方向z2(方向z1とは反対方向)を向く。基板側面111は方向xのうちの方向x1を向き、基板側面113は方向xのうちの方向x2(方向x1とは反対方向)を向く。図5に示すように、基板側面112は方向yのうちの方向y1を向き、基板側面114は方向yのうちの方向y2(方向y1とは反対方向)を向く。基板側面111〜114は、いずれも平坦である。方向x,y,zは互いに直交する。
基板1は、ガラスエポキシ基板191と、配線パターン192,193とを含む。配線パターン192,193は、ガラスエポキシ基板191に形成されている。配線パターン192は基板1における主面10側に配置され、配線パターン193は基板1における裏面11側に配置されている。
図1、図3、図4、図8〜図10に示す発光素子2はLEDチップである。発光素子2は赤外光を発する。発光素子2は基板1の主面10に配置されている。発光素子2は、ボンディングワイヤ71を介して配線パターン192と導通している。発光素子2は、xy平面視(基板1の厚さ方向視)において0.35mm×0.35mmの矩形状である。
図1、図3〜図7、図9、図10に示す受光素子3は、光学素子の一例に相当し、受光した赤外光を、当該赤外光の量に応じた電気信号に変換する。受光素子3は、ボンディングワイヤ72を介して配線パターン192と導通している。受光素子3は、xy平面視において1.6mm×1.8mmの矩形状である。本実施形態において受光素子3は、更に、受光した可視光を、当該可視光の量に応じた電気信号に変換する。
図11は、受光素子3の平面図である。同図に示すように、受光素子3は、半導体基板30と、可視光検出部31と、赤外光検出部32と、機能素子部33と、積層光学膜34と、を含む。
半導体基板30はたとえばシリコン基板である。半導体基板30には、可視光検出部31と、赤外光検出部32と、機能素子部33と、が設けられている。可視光検出部31および赤外光検出部32は、半導体基板30のxy平面視における中央に位置する。図11に示すように、受光素子3において、可視光検出部31は、xy平面視において赤外光検出部32を囲む矩形領域のうち、最も面積の小さい最小矩形領域S11内に位置する部位を有する。すなわち、赤外光検出部32はxy平面視においてL字状を呈し、可視光検出部31が赤外光検出部32に食い込む(最小矩形領域S11内であって赤外光検出部32の外側領域に食い込む)ように配置されている。
機能素子部33は、可視光検出部31および赤外光検出部32の周囲に位置する。半導体基板30上には配線層(図示略)が多層形成されている。半導体基板30の配線層のうち、赤外光検出部32および機能素子部33に重なる部分は、積層光学膜34により覆われている。積層光学膜34の可視光検出部31に重なる部分には開口が設けられており、半導体基板30の配線層のうち可視光検出部31に重なる部分は、積層光学膜34に覆われることなく、積層光学膜34から露出している。
可視光検出部31および半導体基板30は、複数のフォトダイオードPDA1,PDA2,PDA3,PDB1,PDB2,PDB3を構成している。フォトダイオードPDA1,PDA2,PDA3は、それぞれ、半導体基板30の厚さ方向における半導体基板30の表面から所定の深さ位置に、pn接合面(受光面)を設けることにより形成されている。フォトダイオードPDA1,PDA2,PDA3は、それぞれ、受光した可視光および赤外光の量に相当する光電流を、光電変換により出力する。
一方、フォトダイオードPDB1,PDB2,PDB3は、それぞれ、半導体基板30の厚さ方向において、半導体基板30の表面から所定の深さ位置に、pn接合面(受光面)を設けることにより形成されている。フォトダイオードPDB1,PDB2,PDB3の形成される、半導体基板30の表面からの深さ位置は、フォトダイオードPDA1,PDA2,PDA3の形成される、半導体基板30の表面からの深さ位置よりも深い。一般に、フォトダイオードの分光感度特性は、pn接合面(受光面)の半導体基板表面からの深さに依存することが知られている。pn接合面(受光面)の位置が半導体基板表面から深いほど、分光感度特性のピークは長波長側にシフトする。そのため、フォトダイオードPDB1,PDB2,PDB3は、フォトダイオードPDA1,PDA2,PDA3よりも、分光感度特性が長波長側にシフトしている。よって、フォトダイオードPDB1,PDB2,PDB3は、受光した赤外光の量のみに相当する光電流を、光電変換により出力する。フォトダイオードPDB1,PDB2,PDB3のxy平面視における面積はそれぞれ、フォトダイオードPDA1,PDA2,PDA3の各々のxy平面視における面積よりも小さい。
図12(a)は図11に示す受光素子3の可視光検出部31を模式的に示す等価回路図である。図12(a)に示すように、一対のフォトダイオードPDA1,PDB1は、第1受光ユニット311を構成している。第1受光ユニット311のフォトダイオードPDA1,PDB1は、電源電位Vccと接地電位との間に直列に接続されている。第1受光ユニット311においては、フォトダイオードPDA1,PDB1間から電流I1が出力される。電流I1は、フォトダイオードPDA1からの可視光成分および赤外光成分を含む光電流から、フォトダイオードPDB1からの赤外光成分を含む光電流を差し引いたものとなる。すなわち、第1受光ユニット311は、フォトダイオードPDA1,PDB1の各々の受光量の差分に相当する電流I1を出力する。
同様に、一対のフォトダイオードPDA2,PDB2は、第2受光ユニット312を構成している。第2受光ユニット312のフォトダイオードPDA2,PDB2は、電源電位Vccと接地電位との間に直列に接続されている。そして、第2受光ユニット312は、フォトダイオードPDA2,PDB2の各々の受光量の差分に相当する電流I2を出力する。
同様に、一対のフォトダイオードPDA3,PDB3は、第3受光ユニット313を構成している。第3受光ユニット313のフォトダイオードPDA3,PDB3は、電源電位Vccと接地電位との間に直列に接続されている。そして、第3受光ユニット313は、フォトダイオードPDA3,PDB3の各々の受光量の差分に相当する電流I3を出力する。
図11に示すように、第1受光ユニット311におけるフォトダイオードPDA1に対するフォトダイオードPDB1の受光面の面積比と、第2受光ユニット312におけるフォトダイオードPDA2に対するフォトダイオードPDB2の受光面の面積比と、第3受光ユニット313におけるフォトダイオードPDA3に対するフォトダイオードPDB3の受光面の面積比と、は互いに異なる。詳述はしないが、受光面の面積比を異ならせているのは、可視光検出部31に入射する光の光源の種類によらずに、一定の照度に対して、一定の出力を得るためである。すなわち、本実施形態では、光源が、赤外光成分を多く含む光を発生させるハロゲンランプであっても、更に多くの赤外光成分を含む光を発生させる白熱灯であっても、赤外光成分をあまり含まない光を照射する蛍光灯であっても、一定の照度に対して一定の出力を得ることができる。
図11に示すように、半導体基板30および赤外光検出部32は、フォトダイオードPDCを構成している。フォトダイオードPDCは、それぞれ、半導体基板30の厚さ方向において半導体基板30の表面から所定の深さ位置に、pn接合面(受光面)を設けることにより形成されている。フォトダイオードPDCの形成される、半導体基板30の表面からの深さ位置は、フォトダイオードPDB1,PDB2,PDB3の形成される、半導体基板30の表面からの深さ位置と同程度である。そのため、フォトダイオードPDCは、受光した赤外光の量のみに相当する光電流を、光電変換により出力する。フォトダイオードPDCのxy平面視における面積は、可視光検出部31のxy平面視における全面積よりも、大きい。図12(b)は、図11に示す受光素子3の赤外光検出部32を模式的に示す等価回路図である。同図に示すように、フォトダイオードPDCは、電源電位Vccに接続されている。フォトダイオードPDCは、受光した赤外光の量に相当する光電流Icを出力する。
図11に示す機能素子部33は、可視光検出部31の出力と赤外光検出部32の出力とに対して演算を行う。機能素子部33には、アナログ回路およびデジタル回路が形成されている。機能素子部33は、第1受光ユニット311からの電流I1と、第2受光ユニット312からの電流I2と、第3受光ユニット313からの電流I3と、フォトダイオードPDCからの光電流Icとが入力される。機能素子部33は、光電流Icに基づき、フォトダイオードPDCが受光した赤外光の量を、デジタル値として算出する。フォトダイオードPDCが受光した赤外光の量があらかじめ設定されたしきい値を超えると、近接する物体があることを示す近接信号を外部に出力する。機能素子部33は、電流I1〜I3に基づき、可視光検出部31が受光した可視光の量を、デジタル値として算出する。機能素子部33は、可視光検出部31が受光した可視光の量に相当する照度を示す照度信号を外部に出力する。
積層光学膜34は、赤外光の波長領域の光のみを透過させる樹脂よりなる。上述のように積層光学膜34は、赤外光検出部32および機能素子部33を覆っている。そのため、赤外光検出部32および機能素子部33は、可視光を受けることなく赤外光のみを受ける。一方、積層光学膜34は可視光検出部31を覆っていない。そのため、可視光検出部31は可視光を確実に受ける。
図1〜図7、図9、図10に示す第1透光樹脂部4は、受光素子3および主面10を覆っている。第1透光樹脂部4は、透明であり、可視光から赤外光までの波長域の光を透過させる。第1透光樹脂部4はたとえばエポキシ系の樹脂よりなる。
第1透光樹脂部4は、第1基部41(図4〜図6参照)と、第1光透過隆起部42(図1〜図5参照)と、第1周辺隆起部43(図2〜図7、図9、図10参照)と、を含む。
第1基部41は、受光素子3および主面10を覆っている。第1基部41は受光素子3を保護するための部分である。第1基部41は、基部主面410と、基部側面411〜414とを有する。基部主面410は、方向z1を向く。基部主面410は、xy平面に沿う平坦な形状である。図4に示すように、第1基部41には、ピン跡419が形成されている。ピン跡419は、基部主面410から凹む形状である。ピン跡419は、第1透光樹脂部4を形成するために金型から第1透光樹脂部4を抜くべく第1透光樹脂部4をピンで押すときに、形成される。図4に示すように、基部側面411は方向x1を向き、基部側面413は方向x2を向く。図5に示すように、基部側面412は方向y1を向き、基部側面414は方向y2を向く。基部側面411〜414はいずれも平坦である。本実施形態においては、基部側面412は基板側面112と面一であり、基部側面413は基板側面113と面一であり、基部側面414は基板側面114と面一である。
第1光透過隆起部42は、第1基部41から方向z1に向かって隆起する形状である。より具体的には、第1光透過隆起部42は、第1基部41の基部主面410から隆起する形状である。例えば図3、図4に示すように、第1光透過隆起部42は、第1光透過面421と、第1隆起部側面422とを有する。本実施形態において、第1光透過面421は、受光素子3に向かう光の光入射面である。第1光透過面421は、xy平面に沿う平坦な形状である。第1光透過面421はxy平面視において略円形である。本実施形態と異なり、第1光透過面421が方向z1に膨らむ凸面であってもよい。第1隆起部側面422は、第1基部41と第1光透過面421とにつながる。図4の部分拡大図に示すように、実際には、第1隆起部側面422は、第1光透過面421と鈍角をなすように方向zに対し傾斜するテーパ状である。
図2に示すように、第1周辺隆起部43は、xy平面視において、第1光透過隆起部42と異なる位置に配置されている。すなわち第1周辺隆起部43は第1光透過隆起部42から離間している。図4に示すように、第1周辺隆起部43は、第1基部41から方向z1に向かって隆起する形状である。より具体的には、第1周辺隆起部43は、第1基部41の基部主面410から隆起する形状である。
例えば図2、図3に示すように、第1周辺隆起部43は、2つの部位431(第1部位)と、2つの部位432(第3部位)と、部位433(第2部位)と、を有する。2つの部位431は方向yに互いに離間している。本実施形態においては、各部位431は、方向yに沿って延びる形状である。2つの部位432のうちの一つは、第1光透過隆起部42よりも方向y1側に位置し、2つの部位432のうちの一つは、第1光透過隆起部42よりも方向y2側に位置する。本実施形態では、各部位432は、方向xに沿って延びる形状であり、2つの部位431のいずれか一つにつながる。各部位432は側面436を有する。各側面436は第1光透過隆起部42の位置する側の反対側を向く。図5、図6に示すように、2つの側面436の一方は第1基部41の基部側面412と面一である。2つの側面436の他方は第1基部41の基部側面414と面一である。部位433は、第1光透過隆起部42よりも方向x2側に位置する。本実施形態では、部位433は方向yに沿って延びる形状であり、2つの部位432のいずれにもつながる。例えば図4に示すように、部位433は側面437を有する。側面437は第1光透過隆起部42の位置する側の反対側を向く。側面437は基部41の基部側面413と面一である。
本実施形態では、各部位431〜433の高さ位置(最も方向z1側の部分の位置)が同一であるが、各部位431〜433の高さ位置が異なっていても良い。
図1〜図4、図8〜図10に示す第2透光樹脂部5は、発光素子2および主面10を覆っている。第2透光樹脂部5は、透明であり、可視光から赤外光までの波長域の光を透過させる。第2透光樹脂部5は、たとえばエポキシ系の樹脂よりなる。第2透光樹脂部5を構成する材料は、第1透光樹脂部4を構成する材料と同一である。
第2透光樹脂部5は、第2基部51(図4、図8参照)と、第2光透過隆起部52(図1〜図4、図8参照)と、第2周辺隆起部53(図2〜図4参照)と、を含む。
第2基部51は、発光素子2および主面10を覆っている。第2基部51は発光素子2を保護するための部分である。第2基部51は、基部主面510と、基部側面511〜514とを有する。基部主面510は、方向z1を向く。基部主面510は、xy平面に沿う平坦な形状である。図4に示すように、基部側面511は方向x1を向き、基部側面513は方向x2を向く。図8に示すように、基部側面512は方向y1を向き、基部側面514は方向y2を向く。基部側面511〜514はいずれも平坦である。本実施形態においては、基部側面511は基板側面111と面一であり、基部側面512は基板側面112と面一であり、基部側面514は基板側面114と面一である。
第2光透過隆起部52は、第2基部51から方向z1に向かって隆起する形状である。より具体的には、第2光透過隆起部52は、第2基部51の基部主面510から隆起する形状である。第2光透過隆起部52は方向z1に膨らむ凸面521を有する。凸面521の一部は、発光素子2から放たれた光が出射される光出射面である。第2光透過隆起部52が凸面521を有しているのは、方向z1に向かって進む光の量をより多くするためである。凸面521は第2基部51につながる。
第2周辺隆起部53は、第2基部51から方向z1に向かって隆起する形状である。より具体的には、第2周辺隆起部53は、第2基部51の基部主面510から隆起する形状である。第2周辺隆起部53の一部が第2光透過隆起部52とつながっている点を除き、第2周辺隆起部53は、第1周辺隆起部43と略同様の構成であるから説明を省略する。
図1〜図10に示す遮光樹脂部6は、第1透光樹脂部4の一部と、第2透光樹脂部5の一部と、主面10の一部と、を覆っている。遮光樹脂部6は可視光および赤外光のいずれをも透過させない。遮光樹脂部6はたとえばエポキシ樹脂よりなる。
例えば図3、図4に示すように遮光樹脂部6は、第1被覆部61と、第2被覆部62と、遮光壁63と、を含む。
第1被覆部61は基部主面410を覆っている。第1被覆部61の厚さは、たとえば0.2〜2mmである。第1被覆部61は、意図しない光が基部主面410に入射することを防止する。図4に示すように、第1被覆部61はピン跡419を覆っている。そのため光学装置101においてピン跡419は露出していない。第1被覆部61は、包囲部611および延出部612を有する。図3に示すように、包囲部611は、xy平面視において第1光透過隆起部42を囲んでいる。本実施形態では、包囲部661はxy平面視で矩形状である。包囲部611からは、方向z1に第1光透過隆起部42が隆起している。すなわち、遮光樹脂部6から、第1光透過隆起部42が方向z1に隆起している。包囲部611と第1光透過隆起部42とは互いに接している。より具体的には、包囲部611は第1光透過隆起部42における第1隆起部側面422の一部を覆っている。第1隆起部側面422の一部と第1光透過面421とは包囲部611に覆われておらず、遮光樹脂部6から露出している。
本実施形態では更に、包囲部611から方向z1に第1周辺隆起部43が隆起している。すなわち、遮光樹脂部6から、第1周辺隆起部43が方向z1に隆起している。包囲部611と第1周辺隆起部43とは互いに接している。包囲部611を挟んで第1周辺隆起部43と第1光透過隆起部42とが互いに離間している。より具体的には、部位431および第1光透過隆起部42、部位432および第1光透過隆起部42、部位433および第1光透過隆起部42、がそれぞれ、互いに離間している。
図3に示すように、延出部612は、xy平面視において包囲部611から延び出る。本実施形態において延出部612は、包囲部611につながり、且つ、包囲部611から方向x1に向かって延び出る。延出部612は2つの部位431の間に位置する。すなわち延出部612を挟んで2つの部位431が互いに離間している。
図3、図4、図8に示す第2被覆部62は基部主面510を覆っている。第2被覆部62の厚さは、たとえば0.2〜2mmである。第2被覆部62からは、方向z1に第2光透過隆起部52が隆起している。すなわち、遮光樹脂部6から、第2光透過隆起部52が方向z1に隆起している。第2被覆部62と第2光透過隆起部52とは互いに接している。より具体的には、第2被覆部62は第2光透過隆起部52における凸面521の一部を覆っている。第2被覆部62は凸面521の方向z1側の部位を覆っておらず、凸面521のうち方向z1側の部位は遮光樹脂部6から露出している。そのため、凸面521の一部は、発光素子2からの光を通過させる光出射面となる。
図8に示すように、本実施形態では更に、第2被覆部62から方向z1に第2周辺隆起部53が隆起している。すなわち、遮光樹脂部6から、第2周辺隆起部53が方向z1に隆起している。第2被覆部62と第2周辺隆起部53とは互いに接している。
図2〜図4、図7、図9、図10に示す遮光壁63は、xy平面視において、発光素子2および受光素子3の間に位置する。すなわち、遮光壁63は発光素子2の方向x2側に位置する。そして遮光壁63は受光素子3の方向x1側に位置する。遮光壁63は、基板1に接し且つ方向z1に露出している。遮光壁63は基板1から起立している。遮光壁63は、発光素子2から放たれた赤外光が光学装置101内を通過し受光素子3に直接入射することを、防止する。遮光壁63は、第1透光樹脂部4と第2透光樹脂部5との間に介在する。より具体的には、遮光壁63は第1透光樹脂部4および第2透光樹脂部5のいずれにも接する。遮光壁63は、第1透光樹脂部4の基部側面411と、第2透光樹脂部5の基部側面513とに接する。図7に示すように、本実施形態においては、遮光壁63は、主面10の方向yの全体にわたって、主面10に直接接している。本実施形態と異なり、主面10の方向yにおける端部では、遮光壁63が主面10に直接接していなくても良い。遮光壁63は、延出部612と第2被覆部62とにつながる。
例えば図2〜図4に示すように、遮光樹脂部6は、遮光樹脂主面691と、遮光樹脂側面692,693とを有する。遮光樹脂主面691は方向z1を向き、遮光樹脂側面692は方向y1を向き、遮光樹脂側面693は方向y2を向く。本実施形態において遮光樹脂主面691は、第1被覆部61と、第2被覆部62と、遮光壁63とにより構成されている。遮光樹脂主面691は第1光透過隆起部42につながる。図4の部分拡大図に示すように、遮光樹脂主面691は、第1光透過隆起部42の近傍において、第1光透過隆起部42に近づくにつれ、方向z1側にせり上がる曲面となっている。これは、遮光樹脂部6を形成するための液状の樹脂材の表面張力の働きに起因する。同様に、遮光樹脂主面691は第1周辺隆起部43につながる。図4の部分拡大図に示すように、遮光樹脂主面691は、第1周辺隆起部43の近傍において、第1周辺隆起部43に近づくにつれ、方向z1側にせり上がる曲面となっている。同様に、図4の部分拡大図に示すように、遮光樹脂主面691は、第2光透過隆起部52につながる。遮光樹脂主面691は、第2光透過隆起部52の近傍において、第2光透過隆起部52に近づくにつれ、方向z1側にせり上がる曲面となっている。
図7、図10に示すように、本実施形態において、遮光樹脂側面692は遮光壁63により構成されている。遮光樹脂側面692は、平坦であり、基板側面112、および基部側面412,512のいずれとも面一である。図7、図9に示すように、同様に、遮光樹脂側面693は遮光壁63により構成されている。遮光樹脂側面693は、平坦であり、基板側面114、および基部側面414,514のいずれとも面一である。
次に、光学装置101の製造方法について説明する。
まず、図13、図14に示すように、基板1’を用意する。基板1’は、ガラスエポキシ樹脂基板と、配線パターンとを含む。図13以外の図では、基板1’における配線パターンを模式化して示している。基板1’はのちに、上述の基板1となるものである。次に、図13、図14に示すように、基板1’に複数の光学素子751を配置する。複数の光学素子751を配置する工程においては、複数の光学素子751として複数の発光素子2と複数の受光素子3とを、基板1’に配置する。次に、同図に示すように、発光素子2と基板1’における配線パターンとをボンディングワイヤ71で接続する。同様に、受光素子3と基板1’における配線パターンとをボンディングワイヤ72で接続する。
次に、図15、図16に示すように、複数の光学素子751を覆う透光樹脂部761を形成する。透光樹脂部761はのちに、上述の第1透光樹脂部4と第2透光樹脂部5とになるものである。透光樹脂部761は、金型を用いたモールド工程を経ることにより形成される。透光樹脂部761を形成する工程においては、複数の第1部分762,763と、複数の第2部分764と形成する。各第1部分762は、xy平面視において複数の受光素子3のいずれか一つに重なり、各第1部分763は、xy平面視において複数の発光素子2のいずれか一つに重なる。各第2部分764は、xy平面視において複数の第1部分762,763のいずれとも異なる位置に配置されている。透光樹脂部761を形成する工程においては、透光樹脂部761に複数の開口部765を形成する。図15においては、開口部765が形成されている領域に、理解の便宜上ハッチングを付している。各開口部765からは基板1’の一部が露出している。各開口部765は、発光素子2と受光素子3との間に位置する。
なお、第1部分762はのちに上述の第1光透過隆起部42になる部分であり、第1部分763はのちに上述の第2光透過隆起部52になる部分であり、第2部分764はのちに上述の第1周辺隆起部43,第2周辺隆起部53になる部分である。
次に、図17〜図19に示すように、透光樹脂部761を樹脂材771(図18、図19参照)で覆う。図18においては、樹脂材771の占めている領域に、理解の便宜上ハッチングを付している。樹脂材771は液状である。本実施形態においては、樹脂材771を基板1’上にて流すことにより、複数の第1部分762,763と、複数の第2部分764とに至らせる。透光樹脂部761を樹脂材771で覆う工程においては、樹脂材771を各開口部765に充填する。開口部765に充填される樹脂材771は、のちに遮光壁63になる。
基板1’上にて樹脂材771を流す方法は具体的には次のとおりである。図17に示すように、透光樹脂部761を形成した後のモールド形状において、図4に示した第1周辺隆起部43と同一の高さの枠壁881が形成されている。枠壁881には流入部882と流出部883とが互いに離間する位置に設けられている。流入部882からは枠壁881に囲まれた領域内に樹脂材771が流しこまれる(図17では樹脂材771を省略)。流し込まれた樹脂材771は図17の矢印に示すように流れる。そして、流出部883から樹脂材771が枠壁881に囲まれた領域外に流れ出る。流出部883の基板1’からの高さ位置は、図4に示した第1周辺隆起部43の上面の位置、および、枠壁881の高さよりも低い。流出部883の高さ位置は、たとえば、図4に示した遮光樹脂部6の基板1からの高さ位置になっている。これにより、流入部882から樹脂材771を流し込んだときに、流出部883から不要な樹脂材771が流れ出るので、樹脂材771の高さが不要に高くなることを防止できる。
図20は、流入部および流出部の配置位置の変形例について示している。枠壁881に流入部882と流出部883とがそれぞれ複数設けられていてもよい。たとえば、同図に示すように、平面視で矩形の枠壁881の角部に2つずつ、流入部882と流出部883とが設けられている。
次に、図21、図22に示すように、遮光樹脂部6’を形成する。遮光樹脂部6’の形成は、樹脂材771を露出させた状態で樹脂材771を硬化させる。すなわち、樹脂材771を硬化させる時に樹脂材771は、金型で覆われていない。遮光樹脂部6’を形成する工程においては、樹脂材771から第1部分762,763と第2部分764とを突出させた状態で、樹脂材771を硬化させる。
次に、図23、図24に示すように、切断面791に沿って、基板1’と、透光樹脂部761と、遮光樹脂部6’とを一括して、ダイシングブレード(図示略)を用いて切断する。これにより、図2等に示した光学装置101が複数製造される。基板1’が切断面791に沿って切断されることにより、基板1に、上述の基板側面111〜114が形成される。透光樹脂部761が切断面791に沿って切断されることにより、第1透光樹脂部4と第2透光樹脂部5とが形成される。そして、第1透光樹脂部4に、上述の基部側面412〜414と、側面436,437とが形成される。同様に、第2透光樹脂部5に、上述の基部側面511,512,514が形成される。遮光樹脂部6’が切断面791に沿って切断されることにより、遮光樹脂部6に、遮光樹脂側面692,693が形成される。
次に、電子機器801の使用方法について説明する。
図1に示すように、発光素子2から放たれた赤外光L11は、第2光透過隆起部52を通って透光カバー803の方へと進む。更に赤外光L11は、透光カバー803を透過する。同図に示すように透光カバー803に近接している物体891がある場合、透光カバー803を透過した赤外光L11は、物体891にて反射し、再び透光カバー803に向かって進む。そして、物体891にて反射した赤外光L11は、透光カバー803および第1光透過面421を通り、受光素子3の赤外光検出部32に受光される。このとき、受光素子3の機能素子部33が、透光カバー803に近接する物体891が存在することを示す上述の近接信号を外部に出力する。発光素子2が赤外光L11を放っているときに機能素子部33が近接信号を外部に出力することは、光学装置101が、透光カバー803に近接する物体891を検知したことを意味する。一方、透光カバー803に近接している物体が無い場合、発光素子2から放たれ透光カバー803を透過した赤外光L11は、方向z1にそのまま進む。そのため、発光素子2から放たれた赤外光L11は、受光素子3の赤外光検出部32に受光されない。このとき、受光素子3の機能素子部33は、上述の近接信号を外部に出力しない。発光素子2が赤外光L11を放っているときに機能素子部33が近接信号を出力しないことは、光学装置101が、透光カバー803に近接する物体891を検知していないことを意味する。以上のように、光学装置101は、透光カバー803に近接している物体891の有無を検知する。図1では赤外光L11の進む方向が方向zに沿っているように記載されていないが、実際には、第2光透過隆起部52を通り物体891にて反射し受光素子3に受光される赤外光L11の進む方向は、ほぼ方向zに沿う。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態においては、樹脂材771を露出させた状態で樹脂材771を硬化させる事により、遮光樹脂部6’を形成する。すなわち遮光樹脂部6’を形成するのに金型を用いない。遮光樹脂部6’を形成するのに金型を用いないと、遮光樹脂部6’を形成するための金型を用意する手間を省くことができる。また、遮光樹脂部6’を形成するのに金型を用いないと、遮光樹脂部6’を形成するための金型を基板1’に押さえつける工程を必要としない。遮光樹脂部6’を形成するための金型を用意する手間を省くことができ、且つ、遮光樹脂部6’を形成するための金型を基板1’に押さえつける工程を要しない本実施形態にかかる方法は、光学装置を効率よく製造するのに適する。
光学装置101において、第2光透過隆起部52を出た赤外光L11(図1参照)には、透光カバー803に対する入射角が大きくなる光も存在する。赤外光L11のうち、透光カバー803に対する入射角が大きい光は、透光カバー803を透過せずに透光カバー803の内面で反射し、ノイズ光L12となる。ノイズ光L12の一部は、方向zに対し比較的大きな角をなして、延出部612や包囲部611や第1光透過隆起部42に向かう。ノイズ光L12が受光素子3に達すると、物体891が透光カバー803に近接していないにもかかわらず物体891が近接していると判断される誤検知を、招くおそれがある。
仮に図22に示す遮光樹脂部6’を形成するのに金型を用いた場合、透光樹脂部761のうち金型が押さえつけられる部分は、遮光樹脂部6’に覆われない。遮光樹脂部6’を形成するのに金型を用いた場合、各第1部分762を露出させるには、透光樹脂部761のうち各第1部分762の周囲に、金型を押さえつけるためのスペースを確保する必要がある。そうすると、透光樹脂部761のうち各第1部分762の周囲は、遮光樹脂部6’に覆われず、遮光樹脂部6’から露出することとなる。一方、本実施形態では、上述のように遮光樹脂部6’を形成するのに金型を用いないため、各第1部分762の周囲に、金型を押さえつけるためのスペースを確保する必要がない。また、上述のように、遮光樹脂部6’を形成する工程においては、樹脂材771から各第1部分762を突出させた状態で樹脂材771を硬化させる。そのため、透光樹脂部761のうち各第1部分762の周囲を、遮光樹脂部6’で覆うことができる。これにより、光学装置101において、第1遮光樹脂部4における第1光透過隆起部42の周囲の部分を、遮光樹脂部6から露出させずに遮光樹脂部6で覆うことができる。当該構成では、第1遮光樹脂部4における第1光透過隆起部42の周囲の部分をノイズ光L12が通過しない。よって、受光素子3に達するノイズ光L12の量を低減できる。したがって上述の誤検知を招きにくくすることができる。
本実施形態においては、透光樹脂部761を樹脂材771で覆う工程においては、樹脂材771を基板1’上にて流すことにより複数の第1部分762,763に至らせる。このような構成によると、基板1上にて樹脂材771を一度流すことにより、樹脂材771を多くの第1部分762,763にまで至らせることができる。当該方法は、光学装置101の製造工程の効率化に資する。
光学装置101においては、遮光樹脂部6は、xy平面視において第1光透過隆起部42を囲む包囲部611を含む。第1透光樹脂部4は、方向z1に遮光樹脂部6から隆起する第1周辺隆起部43を含む。第1周辺隆起部43は、包囲部611を挟んで第1光透過隆起部42から離間している。このような構成によると、図4の部分拡大図に示したように、遮光樹脂主面691は、第1周辺隆起部43の近傍において、第1周辺隆起部43に近づくにつれ方向z1側にせり上がる曲面となる。そのため、包囲部611のうち第1周辺隆起部43に近接する部分から第1透光樹脂部6(すなわち基部主面410)を露出させることなく、包囲部611によって第1透光樹脂部4を確実に覆うことができる。
図25〜図41は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
<第2実施形態>
図25を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。図25は、本実施形態にかかる光学装置の平面図である。
同図に示す光学装置102は、基板1と、発光素子2と、受光素子3と、第1透光樹脂部4と、第2透光樹脂部5と、遮光樹脂部6と、を備える。光学装置102は、遮光樹脂部6における包囲部611の形状が円形状である点において、上述の光学装置101と異なり、その他の点は同様である。このような構成によっても、第1実施形態で述べた利点と同様の利点を有する。
<第3実施形態>
図26〜図32を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
図26は、本実施形態にかかる光学装置の平面図である。図27は、図26のXXVII−XXVII線に沿う断面図である。図28は、図26のXXVIII−XXVIII線に沿う断面図である。図29は、図26のXXIX−XXIX線に沿う断面図である。図30は、図26のXXX−XXX線に沿う断面図である。図31は、本実施形態にかかる光学装置の正面図である。図32は、本実施形態にかかる光学装置の背面図である。
これらの図に示す光学装置103は、基板1と、発光素子2と、受光素子3と、第1透光樹脂部4と、第2透光樹脂部5と、遮光樹脂部6と、を備える。光学装置103における基板1、発光素子2、および受光素子3の各構成は、上述の光学装置101と同様であるから、説明を省略する。
第1透光樹脂部4は、第1基部41と、第1光透過隆起部42と、第1周辺隆起部43と、を含む。第1基部41は、基部側面412が基板側面112と面一ではなく、且つ、基部側面414が基板側面114と面一ではない点において光学装置101と異なるが、その他の点は同様である。第1光透過隆起部42は、光学装置101と同様であるから、説明を省略する。第1周辺隆起部43は、2つの部位432を有さない点を除き、その他の点は光学装置101と同様である。
第2透光樹脂部5は、第2基部51と、第2光透過隆起部52と、第2周辺隆起部53と、を含む。第2基部51は、基部側面512が基板側面112と面一ではなく、且つ、基部側面514が基板側面114と面一ではない点において光学装置101と異なるが、その他の点は同様である。第2光透過隆起部52は、光学装置101と同様であるから、説明を省略する。第2周辺隆起部53は、xy平面視における形状が光学装置101と異なる。
遮光樹脂部6は、第1被覆部61と、第2被覆部62と、遮光壁63と、2つの受光側遮光部64と、2つの発光側遮光部65と、を含む。第1被覆部61、第2被覆部62、および遮光壁63の各構成は、光学装置101と同様であるから説明を省略する。
受光側遮光部64および発光側遮光部65はいずれも、基板1に接し且つ方向z1に露出している。受光側遮光部64および発光側遮光部65はいずれも、基板1から起立している。
図26、図27、図31、図32に示す2つの受光側遮光部64の一方は、xy平面視において受光素子3よりも方向y1側に位置し、2つの受光側遮光部64の他方は、xy平面視において受光素子3よりも方向y2側に位置する。受光側遮光部64は、第1基部41における基部側面412もしくは基部側面414に接する。本実施形態において、各受光側遮光部64は遮光壁63と包囲部611とにつながる。また、各受光側遮光部64は、第1透光樹脂部4における部位433につながる。
図26、図30〜図32に示す2つの発光側遮光部65の一方は、xy平面視において発光素子2よりも方向y1側に位置し、2つの発光側遮光部65の他方は、xy平面視において発光素子2よりも方向y2側に位置する。発光側遮光部65は、第1基部51における基部側面512もしくは基部側面514に接する。本実施形態において、各発光側遮光部65は遮光壁63と第2被覆部62とにつながる。また、各発光側遮光部65は、第2透光樹脂部5における周辺隆起部53につながる。
第1実施形態と同様に、遮光樹脂部6は、遮光樹脂主面691と、遮光樹脂側面692,693とを有する。本実施形態において遮光樹脂主面691は、第1被覆部61と、第2被覆部62と、遮光壁63と、受光側遮光部64と、発光側遮光部65とにより構成されている。
本実施形態において、遮光樹脂側面692は、遮光壁63と2つの受光側遮光部64の一方と2つの発光側遮光部65の一方とにより構成されている。遮光樹脂側面692は、平坦であり、基板側面112と面一である。同様に、遮光樹脂側面693は、遮光壁63と2つの受光側遮光部64の他方と2つの発光側遮光部65の他方とにより構成されている。遮光樹脂側面693は、平坦であり、基板側面114と面一である。
光学装置103の遮光樹脂部6となる遮光樹脂部6’を形成するには、光学装置101を製造する場合と同様に、樹脂材771を露出させた状態で樹脂材771を硬化させる事により、形成する。光学装置103は、光学装置101と略同様に製造できるため、光学装置103の製造方法の説明は省略する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によっても、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、遮光樹脂部6’を形成するための金型を用意する手間を省くことができ、且つ、遮光樹脂部6’を形成するための金型を基板1’に押さえつける工程を要しない。よって、本実施形態にかかる方法は、光学装置103を効率よく製造するのに適する。
光学装置103において、第1実施形態で述べたのと同様に、第1遮光樹脂部4における第1光透過隆起部42の周囲の部分を、遮光樹脂部6から露出させずに遮光樹脂部6で覆うことができる。よって、第1遮光樹脂部4における第1光透過隆起部42の周囲の部分をノイズ光L12が通過しない。よって、受光素子3に達するノイズ光L12の量を低減できる。したがって上述の誤検知を招きにくくすることができる。
光学装置103を製造する際に、第1透光樹脂部4および第2透光樹脂部5となる透光樹脂部761を樹脂材771で覆う工程においては、樹脂材771を基板1’上にて流すことにより複数の第1部分762,763に至らせる。このような構成によると、基板1上にて樹脂材771を一度流すことにより、樹脂材771を多くの第1部分762,763にまで至らせることができる。当該方法は、光学装置103の製造工程の効率化に資する。
光学装置103においては、遮光樹脂部6は、xy平面視において第1光透過隆起部42を囲む包囲部611を含む。第1透光樹脂部4は、方向z1に遮光樹脂部6から隆起する第1周辺隆起部43を含む。第1周辺隆起部43は、包囲部611を挟んで第1光透過隆起部42から離間している。このような構成によると、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、包囲部611が第1透光樹脂部4を確実に覆うことができる。
光学装置103においては、遮光樹脂部6は、基板1に接し且つ方向z1に露出する2つの受光側遮光部64を含む。2つの受光側遮光部64の一方は、受光素子3よりも方向y1側に位置する。光学装置103の方向y1側に、光学装置103とは別体の電子部品が配置されることがある。このような場合、光学装置103によると、発光素子2から放たれた光が仮に当該電子部品にて反射して受光素子3に向かって進んできたとしても、当該光は、第1透光樹脂部4に至る前に受光側遮光部64に遮断される。そのため、不要な光が第1透光樹脂部4に入射することを抑制できる。このことは、受光素子3に不要な光が至ることを抑制するのに適する。したがって、受光素子3よりも方向y1側に位置する受光側遮光部64を含む構成によると誤検知を抑制できる。2つの受光側遮光部64の他方は、受光素子3よりも方向y2側に位置する。受光素子3よりも方向y2側に位置する受光側遮光部64を含む構成によると、同様の理由により、誤検知を抑制できる。
光学装置103においては、基板1に接し且つ方向z1に露出する2つの発光側遮光部65を含む。2つの発光側遮光部65の一方は、発光素子2よりも方向y1側に位置する。このような構成によると、発光素子2から光学装置103の方向y1側に光が放たれることを防止できる。よって、発光素子2から放たれた光が光学装置103の方向y1側に配置された電子部品に至ることを防止できる。そのため、発光素子2から放たれた光が当該電子部品にて反射し受光素子3に向かうことを防止できる。以上より、発光素子2よりも方向y1側に位置する発光側遮光部65を含む構成によると、誤検知を抑制できる。2つの発光側遮光部65の他方は、発光素子2よりも方向y2側に位置する。発光素子2よりも方向y2側に位置する発光側遮光部65を含む構成によると、同様の理由により、誤検知を抑制できる。
本実施形態と異なり、遮光樹脂部6が受光側遮光部64を含むが、発光側遮光部65を含んでいない構成としてもよい。また、遮光樹脂部6が発光側遮光部65を含むが、受光側樹脂部64を含んでいない構成としてもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図33は、本実施形態にかかる光学装置の平面図である。図34は、図33のXXXIV−XXXIV線に沿う断面図である。
これらの図に示す光学装置104は、基板1と、発光素子2と、受光素子3と、第1透光樹脂部4と、第2透光樹脂部5と、遮光樹脂部6と、を備える。光学装置104における基板1、発光素子2、および受光素子3の各構成は、上述の光学装置103と同様であるから、説明を省略する。光学装置104においては、第1透光樹脂部4が周辺隆起部43を含んでいない。そのため、第1透光樹脂部4は第1光透過隆起部42のみが遮光樹脂部6から露出している。同様に、光学装置104においては、第2透光樹脂部5が周辺隆起部53を含んでいない。そのため第2透光樹脂部5は第2光透過隆起部52のみが遮光樹脂部6から露出している。遮光樹脂部6における第1被覆部61は延出部612を有さない。これらの点を除き、光学装置104は、上述の光学装置103と略同様である。
本実施形態によっても、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、遮光樹脂部6’を形成するための金型を用意する手間を省くことができ、且つ、遮光樹脂部6’を形成するための金型を基板1’に押さえつける工程を要しない。よって、本実施形態にかかる方法は、光学装置104を効率よく製造するのに適する。
光学装置104において、第1実施形態で述べたのと同様に、第1透光樹脂部4における第1光透過隆起部42の周囲の部分を、遮光樹脂部6から露出させずに遮光樹脂部6で覆うことができる。よって、第1透光樹脂部4における第1光透過隆起部42の周囲の部分をノイズ光L12が通過しない。よって、受光素子3に達するノイズ光L12の量を低減できる。したがって上述の誤検知を招きにくくすることができる。
光学装置104を製造する際に、第1透光樹脂部4および第2透光樹脂部5となる透光樹脂部761を樹脂材771で覆う工程においては、樹脂材771を基板1’上にて流すことにより複数の第1部分762,763に至らせる。このような構成によると、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、光学装置104の製造工程の効率化を図ることができる。
光学装置104においては、遮光樹脂部6は、基板1に接し且つ方向z1に露出する2つの受光側遮光部64を含む。2つの受光側遮光部64の一方は、受光素子3よりも方向y1側に位置する。2つの受光側遮光部64の他方は、受光素子3よりも方向y2側に位置する。このような構成によると、第3実施形態で述べたのと同様の理由により、誤検知を抑制できる。
光学装置104においては、基板1に接し且つ方向z1に露出する2つの発光側遮光部65を含む。2つの発光側遮光部65の一方は、発光素子2よりも方向y1側に位置する。2つの発光側遮光部65の他方は、発光素子2よりも方向y2側に位置する。このような構成によると、第3実施形態で述べたのと同様の理由により、誤検知を抑制できる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図35は、本実施形態にかかる光学装置の平面図である。
同図に示す光学装置105は、第1透光樹脂部4における部位431のxy平面視における形状が、上述の光学装置101と異なる。各部位431は、延出部612に近づくにつれて幅狭となる形状である。このような構成によると、光学装置101と同様の利点を得ることができる。なお、上述の光学装置102,103における部位431の形状を、本実施形態にかかる部位431の形状にしてもよい。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図36は、本実施形態にかかる光学装置の断面図である。
同図に示す光学装置106は、第2透光樹脂部5における第2光透過隆起部52が、凸面521とテーパ面522とを有する点において、上述の光学装置101と異なる。本実施形態においても、凸面521の一部は、発光素子2から放たれた光が出射される光出射面である。テーパ面522は、方向z1に向かうにつれて縮径する形状である。テーパ面522は、透光樹脂部761を形成する際に用いる金型を透光樹脂部761から抜けやすくするために、形成されている。テーパ面522は平滑面であってもよいし、粗面加工がなされていてもよい。テーパ面522に粗面加工がなされている場合、透光樹脂部761を形成する際に用いる金型を透光樹脂部761から抜きやすい。テーパ面522は、凸面521と基部主面510とにつながる。
遮光樹脂部6における第2被覆部62は、テーパ面522の全面と、凸面521の一部とを覆っている。すなわち、遮光樹脂主面691は、同図においてテーパ面522よりも上側に位置する。
このような構成によると、凸面521の方向z1側の部分のみが第2被覆部62から露出している。そのため、凸面521の全面が露出している場合に比べ、凸面521から出射される光の指向角を狭くすることができる。さらに、本実施形態によると、第1実施形態で述べた利点と同様の利点も得ることができる。
なお、本実施形態にかかる構成を、上述の光学装置102〜105における構成として採用しても良い。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図37は、本実施形態にかかる光学装置の断面図である。
同図に示す光学装置107は、第2透光樹脂部5がワイヤ避け用隆起部59を含む点において、上述の光学装置101と異なる。ワイヤ避け用隆起部59は、第2基部51から隆起している。ワイヤ避け用隆起部59は、方向z視において、ボンディングワイヤ71と重なる。本実施形態においてワイヤ避け用隆起部59は、第2光透過隆起部52とつながっている。ワイヤ避け用隆起部59は第2被覆部62に覆われている。
このような構成によると、ボンディングワイヤ71の高さが高くなっても、第2透光樹脂部5から露出しにくい。遮光樹脂部6は金型を用いずに形成されるので、上述のようにワイヤ避け用隆起部59を第2被覆部62で覆うことができる。すなわち、ワイヤ避け用隆起部59を形成しても第2光透過隆起部52の周囲を、露出させることなく遮光樹脂部6で確実に覆うことができる。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図38は、本実施形態にかかる光学装置の平面図である。図39は、図38のXXXIX−XXXIX線に沿う断面図である。図40は、図38のXL−XL線に沿う断面図である。
これらの図に示す光学装置108は、第2透光樹脂部5が包囲壁56を更に含む点において、上述の光学装置101と異なる。包囲壁56は、第2基部51から方向z1に隆起する形状である。包囲壁56は、xy平面視において、第2光透過隆起部52を囲んでいる。包囲壁56は、遮光樹脂部6における第2被覆部62から方向z1に隆起している。より具体的には、包囲壁56の一部は第2被覆部62に覆われており、包囲壁56の方向z1側の部位は第2被覆部62から露出している。一方、本実施形態において第2光透過隆起部52は遮光樹脂部6により覆われていない。
このような構成によると、包囲壁56のように、発光面である凸面521の周囲に壁を設けることで、樹脂材の表面張力によるはい上がりを防止でき、光学特性のばらつきを低減できる、といった利点を得ることができる。さらに本実施形態によると、第1実施形態で述べた利点も得ることができる。
なお、本実施形態にかかる構成を、上述の光学装置102〜105にかかる構成として採用しても良い。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図41は、本実施形態にかかる光学装置の断面図である。
同図に示す光学装置109は、コントロールIC79を更に備える点において、上述の光学装置101と異なる。コントロールIC79は、発光素子2および受光素子3の間にて基板1に配置されている。光学装置109においては、受光素子3が機能素子部33を含まない。コントロールIC79は、光学装置101における機能素子部33と同様の機能を発揮する。このような構成によっても、第1実施形態と同様の利点を得ることができる。
本発明の範囲は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。上述の実施形態と異なり、受光素子3は、可視光を検出する機能を有しなくても良い。光学装置は、受光素子もしくは発光素子のいずれか一方を備えていなくても良い。