以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成システム5を示す。画像形成システム5は、画像形成装置10と、スタッカ装置30と、後処理装置50がこの順に連結されて構成されている。
画像形成装置10は、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり外部装置へ送信したりするスキャンジョブ、PCから送出されたデータに係る画像を記録紙に印刷して出力するプリントジョブなどのジョブを実行する機能を備えた、所謂、複合機である。
スタッカ装置30は、画像形成装置10が、複数ページ(複数枚)の印刷を行った場合、それらの記録紙を一時的に保管(ストック)し、その後、そのストックした記録紙を後処理装置50に送り出す。なお、画像形成装置10が、単数ページ(1枚のみ)の印刷を行った場合は、その記録紙はストックされることなくスタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれる。
後処理装置50は、ステープル/パンチ付きフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bと、糊製本付きフィニッシャ50C等の複数のフィニッシャで構成されており、画像形成済みの記録紙に対して後処理を行う。
各後処理装置50A、50B、50Cはそれぞれ排紙トレイを備えており、上流から到来する記録紙を後段の装置に搬送する、もしくは自装置の排紙トレイに排紙することが可能になっている。
画像形成システム5では、画像形成装置10が印刷ジョブ(例えば外部の端末から受信した印刷ジョブ等)に基づいて印刷を行い、その後、該印刷ジョブに基づいて、その印刷された記録紙に対して後処理装置50で後処理を行う(図1参照)。また、画像形成システム5は、ピーク消費電力を抑制しながら処理を行うピーク電力抑制モードと、通常の電力供給で処理を行う通常モード(連続モード)を有しており、2つのモードのうち、ユーザによって設定されたいずれかのモードで印刷ジョブの実行処理が行われる。
通常モード(連続モード)に設定されている時には、画像形成装置10、後処理装置50の両方を電源ON状態にしておき、画像形成装置10で印刷された記録紙が直ぐに後処理装置50に運ばれて後処理が行われる。通常モードで複数枚の印刷が行われる際には、画像形成装置10と後処理装置50の各装置が並行に動作して連続的に処理が行われる。
ピーク電力抑制モードに設定されている時には、後処理装置50の電源をOFFにさせた状態で、画像形成装置10で複数枚の印刷を行い、その印刷後の記録紙をスタッカ装置30にストックする第1動作と、この第1動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙を、画像形成装置10の電源をOFFにさせた状態でスタッカ装置30から後処理装置50に送り出し、それらの記録紙に後処理装置50で後処理を施す第2動作とが排他的に行われることによって印刷ジョブが処理される。ただし、ピーク電力抑制モードが設定されていても、単数ページ(1枚のみ)の印刷を行う場合は、通常モード(連続モード)と同一の処理が行われる。なお、第1動作の継続中は連続印刷時の速度で印刷を行うことができる。なお、通常モードで処理を行う際には、画像形成装置10から出力された記録紙はスタッカ装置30にストックされることなく、スタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれる、もしくはスタッカ装置30に排紙される。
図2は、ピーク電力抑制モードの第1動作を行う際の電力供給状態を示す。画像形成装置10とスタッカ装置30のみに電源供給が行われ、後処理装置50は電源OFFの状態である。
図3は、ピーク電力抑制モードの第2動作を行う際の電力供給状態を示す。第1動作によって印刷は終了しているので、画像形成装置10が電源OFFの状態になり、スタッカ装置30と後処理装置50のみに電源供給が行われる。
なお、本発明では、第2動作を行う際に(後処理において)、使用される機能に応じて電源ONになるフィニッシャと、電源OFFのままのフィニッシャを使い分けることで、ピーク消費電力を更に抑制する。この使い分けは、画像形成装置10に投入された印刷ジョブの内容に合わせて行われる。
図4は、後処理の機能と各装置の電源ON/OFF状態との対応関係を表した機能対応表150を示している。機能対応表150には、後処理で行われる各機能と共に、その機能を実施する場合に、スタッカ装置30及び後処理装置50の各フィニッシャの電源がONになるかOFFになるかを示している。なお、必要な後処理が行われる中の最も後段のフィニッシャの排紙トレイに排紙されるものとする。たとえば、パンチ機能を実施する際には、スタッカ装置30と、ステープル/パンチ付きフィニッシャ50Aの2つは電源ONにするが、ステープル/パンチ付きフィニッシャ50Aより後段の装置である折り付きフィニッシャ50Bと、糊製本付きフィニッシャ50Cは電源OFFにされる。
糊付け製本機能を実施する場合は、スタッカ装置30と、ステープル/パンチ付きフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bと、糊製本付きフィニッシャ50Cの全てが電源ONになる。この場合、ステープル/パンチ付きフィニッシャ50Aと折り付きフィニッシャ50Bは、スタッカ装置30から到来する記録紙を後段の装置に搬送するために電源がONにされる。後処理なしの場合は、スタッカ装置30の電源がONにされ、スタッカ装置30より後段のすべての後処理装置50の電源はOFFにされる。ここでは、スタッカ装置30に排紙されるものとしている。
図5は、ピーク電力抑制モードの第2動作において、紙折り機能を実施する場合の後処理装置50の各フィニッシャの電源供給状態を示す。後処理装置50の各フィニッシャの電源供給状態は、図4の機能対応表150に対応しており、スタッカ装置30と、ステープル/パンチ付きフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bが電源ON状態になっており、糊製本付きフィニッシャ50Cは電源OFFの状態となっている。この場合、折り付きフィニッシャ50Bの排紙トレイに排紙される。このように、実施される後処理機能の種類によって後処理装置50の各フィニッシャへの電源供給状態を変更し、使用しないフィニッシャの電源をOFFすることで、電力消費が抑制される。
図6は、画像形成装置10の概略構成を示している。画像形成装置10は、当該画像形成装置10の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11と、このCPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、不揮発メモリ14と、ハードディスク装置15と、表示部16と、操作部17と、スキャナ部18と、ネットワークI/F部19と、画像処理部20と、プリンタ部21と、後処理装置50制御部22と、スタッカ制御部23と、スタッカ最適積載量制御部24と、紙カール除去部25とを備えて構成されている。
CPU11はOS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラムなどが実行される。ROM12には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従ってCPU11が処理を実行することでジョブの実行など画像形成装置10の各機能が実現される。RAM13はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを格納する画像メモリなどとして使用される。
不揮発メモリ14は、電源がオフにされても記憶が保持できる書き換え可能なメモリ(フラッシュメモリ)である。不揮発メモリ14には、装置固有の情報や各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置15は、大容量の不揮発の記憶装置であり、OSプログラムや各種アプリケーションプログラム、印刷データや画像データ、ジョブに係る情報履歴、などが保存される。
表示部16は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作、設定に係る内容を表示する機能を果たす。操作部17は、ユーザからのジョブの投入や設定の変更など、各種の操作を受け付ける機能を果たす。操作部17は、表示部16の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほか、画面外にテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
スキャナ部18は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たす。スキャナ部18は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサと、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる移動手段と、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラーなどからなる光学経路、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。
ネットワークI/F部19は、LANなどのネットワークを通じて接続されている他の外部装置などと通信を行う。
画像処理部20は、画像の拡大縮小、回転などの処理のほか、印刷データをイメージデータに変換するラスタライズ処理、画像データの圧縮、伸張処理を行う。
プリンタ部21は、画像データに応じた画像を記録紙上に画像形成する機能を果たす。ここでは、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置などを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。画像形成出力(印刷)を行う際は、主走査方向への1ライン分の画像形成を繰り返しつつ、画像形成の対象物(記録紙)を副走査方向に移動させることによって、記録紙上に2次元の画像が形成される。
後処理装置50制御部22は、後処理装置50の制御を行う。投入されたジョブの内容に基づいて使用するフィニッシャを決定したり、各フィニッシャへの電源供給を制御したりする。
スタッカ制御部23は、スタッカ装置30の制御を行う。プリンタ部21が複数枚の印刷を行った時、それらの記録紙をスタッカ装置30に一時的に保管しておき、保管している記録紙を所定のタイミングでスタッカ装置30から後処理装置50へ送り出すように制御する。
スタッカ最適積載量制御部24は、スタッカ装置30に保管している記録紙の枚数を管理する。印刷の総枚数がスタッカ装置30の積載上限を超える場合には、印刷の途中で第1動作を一時中断させ、第2動作に一端切り替えて、スタッカ装置30に保管(ストック)されている記録紙を後処理装置50に送り出して後処理を行う。その後、第2動作を停止させて第1動作を再開させる。
ここでは、1枚で1部を成す印刷物の印刷ジョブ(単純な複数枚印刷)を行う場合は、第1動作の途中でスタッカ装置30に保管している記録紙の枚数が積載上限に達したら第1動作を一時中断させて第2動作を開始し、スタッカ装置30に保管(ストック)されている全ての記録紙に対する第2動作が終了したら、第1動作を再開させる。第1動作から第2動作への切り替えのタイミングはこれに限定されない。ある程度の積載余裕が残っている時点で第1動作から第2動作に切り替えてもよい。また、第2動作から第1動作への切り替えは、スタッカ装置30にストックされている全ての記録紙に対して後処理を実施し終えたときに限定されず、一定以上の空きが確保された時点でもよい。いずれにせよ、第1動作と第2動作の切り替え回数が最小になるように切り替えのタイミングを制御することが好ましい。
なお、複数ページ(複数枚)で1部を成す印刷物の印刷ジョブ(複数部印刷とする)に基づく印刷を行っている場合は、第1動作の一時中断は部の境界で行う。たとえば、積載量制限枚数が1000枚であって、30枚で1部とするような印刷ジョブに基づく印刷を行っている場合、33部(1000÷30=33、3・・・)分の記録紙990枚がスタッカ装置30に保管された時点で、第1動作を一時中断させる。第1動作を中断させるタイミングは、スタッカ装置30に積載可能な最大部数まで積載した時点に限定されず、部の境界であれば、最大部数に至る前に第1動作を中断して第2動作に切り替えてもよい。また、第2動作から第1動作への切り替えは、スタッカ装置30にストックされている全ての記録紙に対して後処理を実施し終えたときでもよいし、一定以上の空きがスタッカ装置30に確保されれば、任意の部の境界で第2動作から第1動作に切り替えてもよい。ただし、第1動作と第2動作の切り替え回数が最小になるように切り替えのタイミングを制御することが好ましい。
紙カール除去部25は、プリンタ部21での印刷における加熱定着工程においてカールした記録紙からカールを除去する。ただし紙カール除去部25は、通常モード(連続モード)に設定されている場合と、ピーク電力抑制モードに設定されていて単ページの印刷(1枚のみの印刷)を行う場合にのみカール除去処理を行う。すなわち、スタッカ装置30に記録紙がストックされる場合は紙カール除去部25は非稼動にされる。ピーク電力抑制モードでの第1動作によってスタッカ装置30にストックされる記録紙は、ストックされることでカールが自然に消滅するためカール除去処理を行う必要が無いからである。第1動作を行う場合は、紙カール除去部25への電源供給は行わなくともよい。
図7は、画像形成システム5の制御関係を表した制御関係図60を示す。画像形成システム5の動作の制御は、スリープ/電源OFF制御61と、ネットワーク制御62と、スキャン制御63と、データベース制御64(ジョブ制御)と、プリント制御65と、エンジン制御66と、オプション制御67の各制御ブロックが連携して行われる。以下、それぞれの制御について説明する。
ネットワーク制御62は、ネットワークI/F部19を介して行われる外部の端末(例えばPC)とのデータの送受信に係る制御を行う。
スキャン制御63は、画像形成装置10のスキャナ部18の動作を制御する。
データベース制御64では、処理対象のジョブの内容を解析し、そのジョブの実行条件を詳細に記したジョブ制御データの作成などが行われる。詳細には、ジョブの種類(スキャンジョブや印刷ジョブ)や、そのジョブに係る詳細な設定情報等を解析する。印刷ジョブの場合はその印刷枚数(単数ページか複数ページか)、実施される後処理の種類、複数ページで1部とする印刷(複数部印刷)か否か等を解析し、その解析結果からジョブの実行条件を表したジョブ制御データを作成する。ジョブの実行処理や後処理等は、このジョブ制御データに基づいて行われる。
プリント制御65は、スタッカ最適積載量制御部24からの報告によって第1動作の一時中断、及び第1動作の再開に係る制御などを行う。エンジン制御66はプリンタ部21の動作を制御して印刷を行わせる。
スリープ/電源OFF制御61では、画像形成装置10及び、スタッカ装置30、後処理装置50の電源供給状態の制御を行う。
オプション制御67では、データベース制御64で作成したジョブ制御データに基づいてスタッカ装置30と、各フィニッシャ(後処理機)の動作及び電源供給等の制御を行う。基本的には画像形成装置10が、データベース制御64で作成したジョブ制御データに基づいて、スタッカ装置30と後処理装置50の各フィニッシャへの電源供給、及びジョブ実行の制御を行う。ただし、画像形成装置10は電源OFF状態に移行する前にジョブ制御データをスタッカ装置30に送信しておき、画像形成装置10が電源OFF状態になった時は、スタッカ装置30が、このジョブ制御データに基づいてオプション制御67を行うことで、後処理装置50の各フィニッシャへの電源供給、及びジョブ実行の制御が行われる。なお、この場合にはスタッカ装置30が画像形成装置10への電源供給の制御も行う。たとえば、第1動作を一時中断した際に、電源OFF状態になった画像形成装置10を、もう一度起動させ第1動作を再開させる等の制御を行う。
図8は、ピーク電力抑制モードと、通常モード(ピーク電力抑制モードOFF状態)のいずれで印刷を行わせるかの設定操作をユーザから受けるための表示部16に表示されるピーク電力抑制モード設定画面170の一例を示す。ユーザはピーク電力抑制モード設定画面170のピーク電力抑制項目171にて、ピーク電力抑制モードのON/OFFを設定し、決定釦172を選択することでその設定が反映される。詳細設定釦173を選択すると、ピーク電力抑制モードの詳細設定が可能な画面へと遷移する。
図9は、図8の詳細設定釦173が選択されて遷移してきた画面である電力ピーク時間シフト画面180を示す。電力ピーク時間シフト画面180では、ピーク電力抑制時間項目181A、ピーク電力抑制時間項目181Bにて、ピーク電力抑制モードをON状態にする時間帯の設定をユーザから受け付ける。決定釦183が選択されるとその設定が反映される。詳細設定釦182が選択されると、ピーク電力抑制モードに関するその他の詳細設定が可能な画面へ遷移する。
図10は、図9の詳細設定釦182が選択されて遷移してきた画面である電源OFF移行時間設定画面190を示す。画像形成装置10および後処理装置50はそれぞれ電源ON状態からまずスリープモードに移行し、その後電源OFF状態に移行する。電源OFF移行時間設定画面190の本体移行時間項目191には画像形成装置10がスリープモードに入ってから電源OFF状態に移行するまでの時間が設定される。後処理移行時間項目192には後処理装置50がスリープモードに入ってから電源OFF状態に移行するまでの時間が設定される。決定釦193を選択することで、設定が反映される。スリープモードは電源ON状態よりも消費電力が少なく、電源OFF状態よりも速やかに稼動状態に復帰することができる状態である。
以下、画像形成システム5において、印刷ジョブの実行と、該印刷ジョブに係る電源供給の処理の流れについて説明する。
図11は、画像形成システム5が印刷ジョブを実行する場合の基本的な処理の流れを示す。
画像形成装置10が印刷ジョブを受け付けたら(ステップS101)、まずピーク電力抑制モードが有効になっているか否かを調べる(ステップS102)。すなわち、ピーク電力抑制モード設定画面170でピーク電力抑制がONにされかつ現在時刻が電力ピーク時間シフト画面180で設定された時間帯に入っていればピーク電力抑制モードが有効であると判断する。ピーク電力抑制モードが有効でなければ(ステップS102;No)、ステップS113に進む。ピーク電力抑制モードが有効である場合は(ステップS102;Yes)、ステップS101で受け付けた印刷ジョブにおける印刷枚数が1枚(単数ページ)であるか否かを調べる(ステップS103)。複数ページ(複数枚)の印刷であれば(ステップS103;No)、ステップS104に進む。
単数ページの印刷であれば(ステップS103;Yes)、ステップS113に進む。ステップS113では画像形成装置10と後処理装置50の電源を立ち上げる。紙カール除去部25の電源を立ち上げて(ステップS114)、印刷ジョブの実行を開始する。ここでは通常モード(連続モード)での処理方法で印刷ジョブの処理が行われる。印刷された記録紙は紙カール除去部25にてカールを除去された後、スタッカ装置30にストックされることなく、スタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれて後処理が行われる。なお、記録紙がスタッカ装置30を通過するために、スタッカ装置30の電源ONが必要であれば、スタッカ装置30も電源ONにされる。また、スタッカ装置30において通過のための搬送経路部分だけを部分的に電源ONが可能ならば、その部分だけ電源ONにすればよい。
通常モード(連続モード)の印刷動作により印刷ジョブの実行が完了したら(ステップS115;Yes)処理を終了する。なお、本実施の形態では、単数ページでの印刷の場合は、後処理は行わずに後処理装置50の排紙トレイから直ちに排紙するものとして説明する。ジョブが完了したら、自動的に画像形成システム5がスリープ状態に移行し、その後、さらに電源OFF状態に移行するようにしてもよい。
ステップS104では、画像形成装置10とスタッカ装置30の電源を立ち上げる。後処理装置50の電源はOFF状態にしておく。
その後、ステップS101で受け付けた印刷ジョブの内容を解析する(ステップS105)。具体的には、後処理の内容や、印刷枚数、1部が1枚で構成されるか否か、印刷部数等を解析し、その解析結果に基づいて第1動作を開始する。
第1動作によって記録紙に印刷が行われて、その印刷された記録紙がスタッカ装置30に次々とストックされる。印刷ジョブに係る全ページが印刷されて第1動作が完了したら(ステップS106;Yes)、後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS107)と共に、画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS108)、第2動作を開始する。なお、スリープ状態に移行した画像形成装置10は電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間の経過後に電源OFF状態に自動的に移行する(ステップS109)。
第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。スタッカ装置30にストックされていたすべての記録紙に対する第2動作が終了(印刷ジョブが完了)したら(ステップS110;Yes)、後処理装置50をスリープ状態に移行させる(ステップS111)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間の経過後に電源OFF状態に移行する(ステップS112)。以上で本処理は終了する。
図12、図13は、スタッカ装置30の積載上限を超える枚数の印刷(ただし、1部が1枚で構成される印刷物の印刷)に対応可能な処理の流れを示す。
画像形成装置10が印刷ジョブを受け付けたら(ステップS201)、まずピーク電力抑制モードが有効か否かを調べる(ステップS202)。ピーク電力抑制モードが有効でなければ(ステップS202;No)、ステップS204に進む。ピーク電力抑制モードが有効な場合は(ステップS202;Yes)、ステップS201で受け付けた印刷ジョブの印刷枚数が1枚(単数ページ)か否かを調べる(ステップS203)。単数ページの印刷でなければ(ステップS203;No)、ステップS207(図13参照)に進む。
単数ページの印刷であれば(ステップS203;Yes)、画像形成装置10と後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS204)。また、紙カール除去部25の電源を立ち上げて(ステップS205)、印刷ジョブの実行を開始する。印刷された記録紙は紙カール除去部25にてカールを除去され、カールを除去された記録紙はスタッカ装置30にストックされることなく、スタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれて後処理が行われる。なお、必要に応じてスタッカ装置30またはその一部の電源をONにする点はステップS113と同様である。通常モード(連続モード)の印刷動作により印刷ジョブの実行が完了したら(ステップS206;Yes)処理を終了する。
単数ページの印刷ではない場合は(ステップS203;No)、画像形成装置10とスタッカ装置30の電源を立ち上げる(図13、ステップS207)。後処理装置50の電源はOFF状態にしておく。ステップS201で受け付けた印刷ジョブの内容を解析し(ステップS208)、その解析結果に基づいて第1動作による印刷動作を開始する(ステップS209)。第1動作によって印刷された記録紙はスタッカ装置30に次々とストックされる。
第1動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙の枚数が、積載上限枚数に達したら(ステップS210;Yes)、第1動作を一時中断し、後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS211)と共に、画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS212)、第2動作を開始する。第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間の経過後に電源OFF状態に移行する(ステップS213)。
スタッカ装置30にストックされていた全ての記録紙に対する後処理が完了するまで第2動作を継続する(ステップS214;No)。スタッカ装置30にストックされていた全ての記録紙に対して後処理が完了したら(ステップS214;Yes)、第2動作を終了させ、画像形成装置10を電源ONにして立ち上げる(ステップS215)と共に後処理装置50をスリープ状態に移行させ(ステップS215)、第1動作を再開する(ステップS217)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行(ステップS218)する。そしてステップS210に戻って処理を継続する。
第1動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙の枚数が、積載上限の枚数に達していなければ(ステップS210;No)、印刷予定枚数の印刷が完了したか否かを調べ(ステップS219)、完了していなければ(ステップS219;No)、ステップS210に戻って処理を継続する。
印刷予定枚数分の印刷が完了したら(ステップS219;Yes)、すなわち、印刷ジョブの全印刷枚数について第1動作が終了したら、後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS220)と共に、画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS221)、第2動作を開始する。第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。なお、スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS222)。
スタッカ装置30にストックされていたすべての記録紙に対する第2動作が終了(印刷ジョブが完了)したら(ステップS223;Yes)、後処理装置50をスリープ状態に移行させる(ステップS224)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS225)。以上で本処理は終了する。
図14、図15、図16は、複数ページ(複数枚)で1部を成す印刷物の印刷ジョブ(複数部印刷)であって印刷予定枚数がスタッカ装置30の積載上限を超える印刷ジョブに対応可能な処理の流れを示す。この処理では、複数部印刷であって積載上限を超える枚数を印刷する場合には、部の境界で第1動作を一時中断させるようになっている。
画像形成装置10が印刷ジョブを受け付けたら(ステップS301)、まずピーク電力抑制モードが有効か否かを調べる(ステップS302)。ピーク電力抑制モードが有効でなければ(ステップS302;No)、ステップS304に進む。ピーク電力抑制モードが有効である場合は(ステップS302;Yes)、ステップS301で受け付けた印刷ジョブの印刷枚数が1枚(単数ページ)であるか否かを調べる(ステップS303)。単数ページの印刷でなければ(ステップS303;No)、ステップS307(図15参照)に進む。
単数ページでの印刷であれば(図14、ステップS303;Yes)、画像形成装置10と後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS304)。また、紙カール除去部25の電源を立ち上げて(ステップS305)、印刷ジョブの実行を開始する。印刷された記録紙は紙カール除去部25にてカールを除去され、カールを除去された記録紙はスタッカ装置30にストックされることなく、スタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれて後処理が行われる。なお、必要に応じてスタッカ装置30またはその一部の電源をONにする点はステップS113と同様である。通常モード(連続モード)の印刷動作により印刷ジョブの実行が完了したら(ステップS306;Yes)処理を終了する。
単数ページの印刷ではない場合は(ステップS303;No)、印刷ジョブが複数ページで1部を成す複数部印刷であって、その印刷予定枚数がスタッカ装置30の積載上限をオーバーする枚数か否かを調べる(図15、ステップS307)。
複数部印刷であって、その印刷予定枚数(もしくは残りの印刷枚数)がスタッカ装置30の積載上限をオーバーする場合は(ステップS307;Yes)、画像形成装置10とスタッカ装置30の電源のみを立ち上げる(ステップS308)。後処理装置50の電源はOFF状態にしておく。ステップS301で受け付けた印刷ジョブの内容を解析して後処理の内容や残り印刷枚数などを認識する(ステップS309)。次に、スタッカ装置30の積載上限の枚数を超えない最大部数とその枚数(最適印刷枚数)を算出する(ステップS310)。たとえば積載上限の枚数が1000枚であり、30枚で1部が構成される印刷物を印刷する印刷ジョブが画像形成装置10に投入された場合には、33部(1000÷30=33.33・・・・)が最大部数となり、990枚が最適印刷枚数となる。
その後、第1動作を開始する(ステップS311)。第1動作によって印刷された記録紙がスタッカ装置30にストックされていく。ステップS310で算出した最適印刷枚数の印刷が行われて、最適印刷枚数の記録紙がスタッカ装置30にストックされたら(ステップS312;Yes)、第1動作を一時中断し、後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS313)と共に、画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS314)、第2動作を開始する。第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間の経過後に電源OFF状態に移行する(ステップS315)。
スタッカ装置30にストックされていた全ての記録紙に対する後処理が完了するまで第2動作を継続する(ステップS316;No)。スタッカ装置30にストックされていた全ての記録紙に対して後処理が完了したら(ステップS316;Yes)、第2動作を終了させて後処理装置50をスリープ状態に移行する(ステップS317)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS318)。そして、ステップS307に戻って処理を継続する。ステップS307に戻った場合は、残りの印刷枚数がスタッカ装置30の積載上限の枚数をオーバーするか否かを調べる。
複数ページで1部を成す印刷(複数部印刷)であって、印刷予定枚数(もしくは残りの印刷枚数)がスタッカ装置30の積載上限の枚数をオーバーしない場合、もしくは1枚で1部とする印刷を行う場合(ステップS307;No)、画像形成装置10とスタッカ装置30の電源を立ち上げる(ステップS319)。ステップS301で受け付けた印刷ジョブの内容を解析する(ステップS320)。たとえば、後処理の内容や印刷枚数(または残り印刷枚数)等を解析する。その後、第1動作を開始する(図16、ステップS321)。第1動作によって印刷された記録紙がスタッカ装置30にストックされていく。
第1動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙の枚数が、積載上限枚数に達したら(ステップS322;Yes)、第1動作を一時中断し、後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS323)と共に、画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS324)、第2動作を開始する。第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS325)。
スタッカ装置30にストックされていた全ての記録紙に対する後処理が完了するまで第2動作を継続する(ステップS326;No)。スタッカ装置30にストックされていた全ての記録紙に対して後処理が完了したら(ステップS326;Yes)、第2動作を終了させ、画像形成装置10を電源ONにして立ち上げる(ステップS327)と共に後処理装置50をスリープ状態に移行させ(ステップS328)、第1動作を再開する(ステップS329)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行(ステップS330)する。そしてステップS322に戻って処理を継続する。
第1動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙の枚数が、積載上限の枚数に達していない場合は(ステップS322;No)、印刷予定枚数の印刷が完了していなければ(ステップS331;No)、ステップS322に戻って処理を継続する。印刷予定枚数の印刷が完了したら(ステップS331;Yes)、第1動作を終了させ、後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS332)と共に、画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS333)、第2動作を開始する。第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS334)。
スタッカ装置30にストックされていたすべての記録紙に対する後処理(第2動作)が完了するのを待って(ステップS335;No)、完了したら(ステップS335;Yes)、後処理装置50をスリープ状態に移行させる(ステップS336)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS337)。以上で本処理は終了する。
図17では、印刷ジョブの内容に応じて、各フィニッシャの電源供給を切り替える場合に対応する処理の流れを示す。
まず、画像形成装置10は印刷ジョブを受け付けたら(ステップS401)、そのジョブの内容を解析する(ステップS402)。
ピーク電力抑制モードが有効でなければ(ステップS403;No)、画像形成装置10と後処理装置50の電源を立ち上げる(ステップS418)。次に紙カール除去部25の電源を立ち上げて(ステップS419)、印刷ジョブの実行を開始する。印刷された記録紙は紙カール除去部25にてカールを除去され、カールを除去された記録紙はスタッカ装置30にストックされることなく、スタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれて後処理が行われる。なお、必要に応じてスタッカ装置30またはその一部の電源をONにする点はステップS113と同様である。印刷ジョブが完了するまで待って(ステップS420;No)完了したら(ステップS420;Yes)処理を終了する。なお、後処理が完了した記録紙は、最後に後処理が行われたフィニッシャから最短の排出トレイに排出される。
ピーク電力抑制モードが有効である場合(ステップS403;Yes)でかつ単数ページの印刷である場合(ステップS404;Yes)は、画像形成装置10と、画像形成装置10から最短距離にある排出トレイを持つフィニッシャと、紙カール除去部25の電源を立ち上げる(ステップS414)。すなわち、画像形成装置10から最短距離にある排出トレイを持つフィニッシャより後段のフィニッシャの電源はOFFにされる。
その後、印刷ジョブの実行を開始する。ここでは、ピーク電力抑制モードであるが、単数ページ(1枚のみ)の印刷なので、通常モードと同じ方法で動作する。つまり、印刷された記録紙は紙カール除去部25にてカールを除去され、カールを除去された記録紙はスタッカ装置30にストックされることなく、スタッカ装置30を通過して後処理装置50に運ばれる。なお、必要に応じてスタッカ装置30またはその一部の電源をONにする点はステップS113と同様である。印刷ジョブ(印刷とカール除去)が完了するまで待って(ステップS415;No)完了したら(ステップS415;Yes)、画像形成装置10をスリープ状態に移行させる(ステップS416)。スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行し(ステップS417)、その後処理を終了する。
ここでは、後処理装置50は全ての電源ではなく、画像形成装置10から排出トレイまでの距離が最短となるようなフィニッシャの電源のみを立ち上げておく。本実施の形態では、単数ページでの印刷の場合は、後処理は行わずに後処理装置50の排紙トレイから直ちに排紙するものとしているので、カールを除去された記録紙は、電源を立ち上げたフィニッシャの排紙トレイに直ちに排出される。なお、スタッカ装置30に排紙する場合は画像形成装置10から排出トレイまでの距離が最短となるようなフィニッシャの電源を立ち上げなくてもよい。
ピーク電力抑制モードが有効の場合で(ステップS403;Yes)、かつ単数ページの印刷ではない場合(ステップS404;No)は、画像形成装置10とスタッカ装置30の電源を立ち上げ(ステップS405)、ステップS401で受け付けた印刷ジョブの内容において、後処理の内容や、印刷枚数などを解析(ステップS406)し、第1動作を開始する。第1動作によって印刷された記録紙がスタッカ装置30にストックされていく。
第1動作の完了を待って(ステップS407;No)、第1動作が完了したら(ステップS407;Yes)、後処理装置50のうち、この印刷ジョブの実行で使用するフィニッシャの電源のみを立ち上げる(ステップS408)。ここでは各フィニシャーが排紙トレイを備えているので、印刷ジョブで指定されている後処理の内容と図4の機能対応表150とから使用する(電源ONにする)フィニッシャを決定する。
画像形成装置10をスリープ状態に移行させ(ステップS409)、第2動作を開始する。第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、後処理が行われる。スリープ状態に移行した画像形成装置10は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行する(ステップS410)。
第2動作の完了(ジョブの完了)を待って(ステップS411;No)、ジョブが完了したら(ステップS411;Yes)、使用していたフィニッシャをスリープ状態に移行させる(ステップS412)。スリープ状態に移行した後処理装置50は、電源OFF移行時間設定画面190にて設定された時間後に電源OFF状態に移行し(ステップS413)、その後処理を終了する。
ここまで説明してきた図11の処理と、図12、13の処理と、図14、15、16の処理と、図17の処理では、印刷済みの記録紙は、その記録紙に対して最終的な処理を行った装置(画像形成装置10、もしくはいずれかのフィニッシャ)から最短距離の排出トレイに排出される。しかし、記録紙を排出する排出トレイをユーザが選択することもできる。
図18は、ユーザが排出トレイを選択する際に、表示部16に表示される優先排出トレイ選択画面200を示す。優先排出トレイ選択画面200には、後処理装置50の全体図と、その全体図の中の各排出トレイの位置に対応する排出トレイ選択釦201が表示されている。ユーザは、排出トレイ選択釦201にて記録紙を排出させる排出トレイを設定し、決定釦202を選択することで、その設定を反映させる。なお、優先排出トレイ選択画面200では、画像形成装置10に投入された印刷ジョブにおいて最後に処理を行う装置(画像形成装置10、もしくはいずれかのフィニッシャ)から最短距離の排紙トレイは、優先トレイ(推奨トレイ)として、デフォルト表示(釦を灰色で表示)されており、ユーザはこれを任意のトレイに変更できる。
図19は、後処理に紙折りを含む印刷ジョブ実行時の、画像形成システム5の各部位における電源のON/OFFのタイムチャート210を示す。
まず、画像形成装置10とスタッカ装置30が時刻T1に電源ONとなり、第1動作を開始する。第1動作によって印刷された記録紙がスタッカ装置30にストックされていく。
時刻T2に第1動作が終了すると、ステープル/パンチフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bとが電源ON状態になり、画像形成装置10の電源はOFFとなる。第2動作が開始され、第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、ステープルと紙折りの後処理が行われる。
時刻T3に第2動作(後処理)が終了したら、スタッカ装置30と、ステープル/パンチフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bは電源OFF状態となり、処理が終了する。なお、紙折りの後処理では糊製本付きフィニッシャ50Cは使用されないため、終始電源OFFの状態のままである。
図20は、後処理に紙折りを含む印刷ジョブが2回実行される際の画像形成システム5の各部位における電源ON/OFFを、スリープ移行/復帰信号が発信されるタイミングと共に示したタイムチャートの一例である移行/復帰信号込み電源ON/OFFタイムチャート220を示す。
まず、印刷ジョブが投入されたことにより、時刻T1に画像形成装置スリープ移行復帰信号が出され、それにより画像形成装置10とスタッカ装置30が電源ONとなり、第1動作を開始する。第1動作によって印刷された記録紙がスタッカ装置30にストックされていく。
時刻T2に第1動作が終了すると、画像形成装置スリープ移行信号が出され、画像形成装置10の電源はOFFとなる。また、同時に後処理装置50スリープ復帰信号が出され、ステープル/パンチフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bとが電源ON状態になる。第2動作が開始され、第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、ステープルと紙折りの後処理が行われる。
時刻T3に第2動作が終了すると、後処理装置50スリープ移行信号が出され、スタッカ装置30と、ステープル/パンチフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bが電源OFF状態になる。
その後、2つ目の印刷ジョブが投入された時刻T4に画像形成装置スリープ移行復帰信号が出され、それにより画像形成装置10とスタッカ装置30が電源ONとなり、第1動作を開始する。第1動作によって印刷された記録紙がスタッカ装置30にストックされていく。
時刻T5に第1動作が終了すると、画像形成装置スリープ移行信号が出され、画像形成装置10の電源はOFFとなる。また、同時に後処理装置50スリープ復帰信号が出され、ステープル/パンチフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bとが電源ON状態になる。第2動作が開始され、第2動作によってスタッカ装置30から記録紙が後処理装置50に送り出され、ステープルと紙折りの後処理が行われる。
時刻T6に第2動作が終了すると、後処理装置50スリープ移行信号が出され、スタッカ装置30と、ステープル/パンチフィニッシャ50Aと、折り付きフィニッシャ50Bが電源OFF状態になり、処理を終了する。
ここでは、画像形成装置スリープ移行信号によって、画像形成装置10は電源OFF状態になり、画像形成装置スリープ復帰信号によって、画像形成装置10とスタッカ装置30は電源ON状態になる。
また、後処理装置50スリープ復帰信号によって、使用する予定のフィニッシャは電源ON状態になり、後処理装置50スリープ移行信号によって、電源ON状態のフィニッシャと、スタッカ装置30は電源OFF状態となる。
なお、図19と同じく紙折りの後処理では糊製本付きフィニッシャ50Cは使用されないため、終始電源OFFの状態のままである。
このように、本発明では、印刷ジョブを実行する際に、その内容を解析し、その内容が大量ページの印刷や、複数ページで1部を成す印刷物(複数部印刷)のように複数枚(複数ページ)の印刷を行う場合は、後処理装置50の電源をOFFにさせた状態で、画像形成装置10で複数枚の印刷を行い、その印刷後の記録紙をスタッカ装置30にストックする第1動作と、この第1動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙を、画像形成装置10の電源をOFFにさせた状態でスタッカ装置30から後処理装置50に送り出し、それらの記録紙に後処理装置50で後処理を施す第2動作とを排他的に行うことによって印刷ジョブを処理する。
この時、第1動作の実行と、第2動作の実行を切り替える回数が、画像形成装置10と後処理装置50の電源ON/OFFの切り替え回数となる。よって印刷ジョブを実行する際には、印刷済みの記録紙を積載可能な枚数だけストックしてから第1動作の実行と、第2動作の実行を切り替えれば、画像形成装置10と後処理装置50の電源ON/OFFの切り替え回数が最少の回数で済み、オーバーヘッドによるタイムロスが発生する回数が減る。これにより、複数枚の印刷を行う場合であっても、ピーク消費電力を抑制しつつも、印刷パフォーマンスをあまり低下させることなくジョブの処理を行うことができる。
また、「1枚印刷してはその1枚に対して後処理を行う」という動作を繰り返す方法では、印刷速度が毎回、印刷初回時の印刷速度になり、印刷の実効速度が低下するが、本発明では、第1動作の継続中は連続して印刷を行うので連続印刷時の速度で印刷を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
本発明の実施の形態において、画像形成装置10とスタッカ装置30は別体に設けられたが、スタッカ装置30を画像形成装置10の内部に組み込んでもよい。ただし、その場合はスタッカ装置30部分と、その他の部分の電源供給は連動させず、別途に制御する。
本発明の実施の形態では、スタッカ装置30は1台のみであったが、複数台のスタッカ装置30を設けてもよい。その場合は、後処理装置50の処理の流れにおいて上流側フィニッシャ(F1とする)と下流側のフィニッシャ(F2とする)との間に設置しておき、F2の電源をOFFにさせた状態で、F1で複数枚分の後処理Aを行い、その後処理A後の記録紙をスタッカ装置30にストックする第3の動作と、この第3の動作によってスタッカ装置30にストックされた記録紙を、F1の電源をOFFにさせた状態でスタッカ装置30からF2に送り出し、それらの記録紙にF2で後処理Bを施す第4動作との2つの動作が排他的に行われるように画像形成システム5を制御する。後処理において同時に電源が供給されるフィニッシャの数が減るため、ピーク消費電力を更に抑制することができる。
本発明の実施の形態では、単数ページ印刷の場合には、後処理を行わないものとして説明してきたが、単数ページ印刷であっても後処理を行ってもよい。