JP5860039B2 - 2位が置換されたテトラヒドロピラノールの調製方法 - Google Patents

2位が置換されたテトラヒドロピラノールの調製方法 Download PDF

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Description

本発明は、強酸性イオン交換体の存在下で、3-メチルブタ-3-エン-1-オール(イソプレノール)をアルケンアルデヒドと反応させ、次いで水素化することによって、対応する2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを調製する方法に関する。本発明は、特に、イソプレノールをプレナールと反応させ、次いで水素化することによって、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを調製する、対応する方法に関する。
Tetrahedron Letters No.51、4507〜4508ページ、1970には、3-アルケン-1-オールとアルデヒドとの反応、及び香料のローズオキシド及びジヒドロローズオキシドを生成するためのその使用について記載されている。この文献には、酸性条件下での3-メチルブタナールとイソプレノールとの反応も述べられている。
SU 825 528は、酸性の触媒の存在下で2-メチルブテン-1-オール-4(イソプレノール)をアルデヒド又はケトンと反応させることによって、ジ-及びテトラヒドロピラン並びにテトラヒドロピラノールを調製する方法を開示しており、この場合、酸性の触媒が、イソプレノールの量に基づき0.0001〜0.01重量%の量で使用され、反応は有機溶媒中で0〜25℃の温度で行われる。特定の触媒は、イオン交換樹脂KU-2(スルホン化ポリスチレン樹脂)、パラ-トルエンスルホン酸、硫酸又は過塩素酸である。例として特に、KU-2の存在下での、イソプレノールとイソブチルアルデヒドとの反応が記載されている。
EP 1 493 737 A1は、対応するアルデヒドをイソプレノールと反応させることによって、エチレン系不飽和の4-メチル-及び4-メチレンピランと、対応するヒドロキシピランとの混合物を調製する方法を開示しており、この場合、反応は、アルデヒド対イソプレノールのモル比が1を超える、即ちアルデヒドが過剰に使用される反応系中で開始される。さらにこの文献は、次に前記混合物を脱水素化して所望のエチレン系不飽和のピランを得ることを開示している。第一の反応ステップ用の好適な特定の触媒は、塩酸又は硫酸などの無機酸であるが、メタンスルホン酸又はパラ-トルエンスルホン酸も好ましい。
特開2007-154069号公報は、70〜95重量%のcis-ジアステレオマーを含有する2-置換4-ヒドロキシテトラヒドロピランに関する。さらにこの文献は、酸性の触媒水溶液の存在下で、イソプレノールを対応するアルデヒドと反応させることによって、この化合物を調製する方法を開示している。ここでは、反応が行われる触媒水溶液の濃度は、温度0〜100℃で1〜10重量%の範囲、又は温度0〜30℃で10重量%以上の領域でなければならない。記載されている酸性の触媒の候補は一般に、やはりイオン交換樹脂である。
SU 825 528 EP 1 493 737 A1 特開2007-154069号公報
Tetrahedron Letters No.51、4507〜4508ページ、1970
この従来技術を根幹として、本発明の目的は、処理の点で扱い易く、全収率が高く、工業規模で可能な限り高い化学選択性が得られるように実施することができる、2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピラン、特に、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロプロパン(=ピラノール)の調製方法を提供することであった。この方法では、安価で、容易に回収でき、容易に再使用できる出発化合物並びに試薬及び/又は触媒を使用することが可能になるはずである。
驚くべきことに、この目的は、本発明に従って、式(I)
Figure 0005860039
(式中、基
R1は炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝アルキル基であり、
R2は水素又は炭素原子数1〜3の直鎖若しくは分枝アルキル基である)
の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製方法であって、式(II)
Figure 0005860039
の3-メチルブタ-3-エン-1-オールと、式(III)
Figure 0005860039
[式中、基R1及びR2は、互いに独立に、式(I)に示したのと同じ意味を有する]
のアルデヒドとを、水及び強酸性陽イオン交換体の存在下において反応させて、式(IV)
Figure 0005860039
の化合物を形成するステップと、式(IV)の化合物を触媒の存在下において水素化させて、式(I)の化合物を得るステップとを含む方法を提供することによって達成された。
本発明による方法を実施するのに好適な出発物質は、式(II)
Figure 0005860039
の3-メチルブタ-3-エン-1-オール(イソプレノール)である。これは、イソブテン及びホルムアルデヒドから任意の規模で既知の方法によって容易に得られ、商業的に容易に入手可能である。本発明に従って使用されるイソプレノールの純度、品質又は調製方法に特別な要件はない。イソプレノールは、標準的な商用品質及び純度で、本発明による方法の出発物質として使用して良好な成果を得ることができる。使用するイソプレノールは、純度90重量%以上のものが好ましく、純度95〜100重量%のものが特に好ましく、純度97〜99.9重量%のものがきわめて特に好ましく、98〜99.8重量%がさらにより好ましい。
本発明による方法を実施するための別の好適な出発物質は、式(III)
Figure 0005860039
(式中、基R1は炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝アルキル基であってもよく、R2は水素又は炭素原子数1〜3の直鎖若しくは分枝アルキル基であってもよい)
のアルケンアルデヒドである。
アルキル置換基R1は、炭素原子数1〜5のアルキル基を意味するものと理解されるべきである。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル又はn-ペンチル、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、きわめて特に好ましくはメチルである。
アルキル置換基R2は、炭素原子数1〜3のアルキル基を意味するものと理解されるべきである。例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル、好ましくはメチル又はエチル、きわめて特に好ましくはメチルである。
本発明による方法において、「強酸性陽イオン交換体」という用語は、イオン交換体がH+形態で存在することを意味する。
本発明によれば、式(III)のきわめて特に好ましいアルケンアルデヒドは、基R1が炭素原子数1〜3の直鎖又は分枝アルキル基であり、基R2が炭素原子数1〜2のアルキル基であるものである。本発明によれば、基R1についての好ましい意味は、例えばメチル、エチル、n-プロピル及びイソプロピルであり、きわめて特に好ましくはメチルであり、基R2についての好ましい意味は、メチル又はエチルであり、きわめて特に好ましくはメチルである。本発明に従って好ましく使用される式(III)のアルケンアルデヒドとして、プレナール(3-メチル-2-ブテナール)、2-ブテナール、3-メチル-2-ペンテナール、2-ペンテナール、2-ヘキセナール、3-メチル-2-ヘキセナールを挙げることができる。本発明に従ってきわめて特に好ましく使用される式(III)のアルケンアルデヒドはプレナールである。
出発物質である、イソプレノール及び本発明による方法において使用するために各場合において選択される式(III)のアルデヒドは、様々な量比にて、一緒に反応させることができる。したがって、二つの出発物質のうちの一つを過剰に使用することが可能であり、この場合、選択される過剰の度合いは、操作上及び経済上有利な範囲内で変化させるべきであるが、そうでない場合には原則として自由に選んでもよい。イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの本発明による反応を化学量論に従って、イソプレノール及び式(III)のアルデヒド、好ましくはプレナールは1:2〜2:1の範囲のモル比で使用される。これは、出発物質の一方の2倍モル過剰に相当する。本発明による方法は、好ましい実施形態において、イソプレノール及び式(III)のアルデヒドが0.7:1〜2:1のモル比で使用されるように実施される。本発明による方法は、特に好ましくは、イソプレノール及び式(III)のアルデヒドが1:1〜2:1のモル比で使用されるように実施される。本発明による方法は、きわめて特に好ましくは、イソプレノール及び式(III)のアルデヒドが1:1〜1.5:1のモル比で使用されるように実施される。
式(I)の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製のために、好ましくは2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製のために、本発明による方法において実施され得るイソプレノールと選択された式(III)のアルデヒド、好ましくはプレナールとの反応は、水の存在下で実施される。このことは、イソプレノール、式(III)のアルデヒド及び選択された強酸性陽イオン交換体の他に、水も反応混合物に添加されることを意味する。さらに、反応混合物はまた、場合により不所望な二次反応として起こる所望の式(I)のプロセス生成物(process product)の脱水によって放出され得る少量の水を含むことがある。
イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、通常、少なくとも約10モル%の水の存在下で実施され、水の量は、場合によって相対的に少ない量で(in deficit)使用される出発物質イソプレノールの量を、若しくは式(III)のアルデヒドを、又は二つの出発物質の等モル反応の場合には、二つのうち一つの定量的な量を基準とする。
上記の値に加えて、水の量は自由に選ぶことができ、制限があったとしても、処理又はコスト面のみで制限され、大過剰、例えば10〜100倍又はそれを超す過剰でも変わりなく使用することができる。イソプレノールと、選択された式(III)のアルデヒド、好ましくはプレナールとの混合物は、添加した水がイソプレノールと選択されたアルデヒドとの混合物中に溶解したままであるように、即ち二相系が存在しないように選択された量の水で調製されることが好ましい。
通常、本発明による方法において、出発物質のイソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとは、少なくとも25モル%、好ましくは少なくとも50モル%、さらにより好ましくは少なくとも75モル%、さらにより好ましくは少なくとも90〜約1000モル%の水の存在下で反応させ、水の量は、場合によって相対的に少ない量で使用される出発物質イソプレノールの量を、若しくは式(III)のアルデヒドを、又は二つの出発物質の等モル反応の場合には、二つのうち一つの定量的な量を基準とする。
好ましい実施形態において、本発明に従って実施される反応は、少なくとも等モル量の水の存在下で実施されるように実施する。水の量は、場合によって相対的に少ない量で使用される出発物質イソプレノールの量を、若しくは式(III)のアルデヒドを、又は二つの出発物質の等モル反応の場合には、二つのうち一つの定量的な量を基準とする。結果として、本発明によるイソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、好ましくは、100〜250モル%、特に好ましくは100〜230モル%、さらにより好ましくは100〜200モル%の水の存在下で、最も好ましくは100〜180モル%の水の存在下で実施され、水の量は、場合によって相対的に少ない量で使用される出発物質イソプレノールの量を、若しくは式(III)のアルデヒドを、又は二つの出発物質の等モル反応の場合には、二つのうち一つの定量的な量を基準とする。
特定の出発物質、即ちイソプレノール及び各場合において選択されたアルデヒド、並びに上記の量で使用される水は、互いに接触させるか、又は任意の所望の順番で混合することができる。通常、イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの混合物は、選択された量の水を用いて調製され、この混合物が、本発明に従って実施される反応において使用される。
所望の式(I)の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを調製するために、本発明による方法の中で実施される、イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、強酸性陽イオン交換体の存在下で実施される。本発明において、「強酸性陽イオン交換体」という用語は、強酸性基、通常はスルホン酸基を有し、マトリックスがゲル状でもマクロ多孔質でもよい陽イオン交換体を意味すると理解されるべきである。
したがって、本発明による方法の一つの好ましい実施形態は、スルホン酸基を含む又は有する強酸性陽イオン交換体が使用される実施形態である。
強酸性陽イオン交換体は、具体的には、H+形態のイオン交換樹脂である。このため、例えば以下のものが好適である:
・H+形態のスルホン酸基を有する担体マトリックスとしてのスチレンとジビニルベンゼンとのコポリマーを含む、ポリスチレン系の強酸性イオン交換体(例えば、Amberlyst、Amberlite、Dowex、Lewatit、Purolite、Serdolitなど)
・スルホン酸基(-SO3H)で官能化されたイオン交換体。
イオン交換体はポリマー骨格の構造が様々であり、ゲル状樹脂とマクロ多孔質樹脂とは区別される。強酸性イオン交換樹脂は、一般的に、塩酸及び/又は硫酸で再生される。
ここで、Nafion(登録商標)とは、フルオロカーボン主鎖及びスルホン酸基を含むペルフルオロ化側鎖からなる、ペルフルオロ化イオン交換材料である。この樹脂は、ペルフルオロ化され、末端が不飽和で、フッ化スルホニル官能化されたエトキシラートと、ペルフルオロエテンとの共重合によって調製される。Nafion(登録商標)は、ゲル状イオン交換樹脂に属する。このようなペルフルオロ化されたポリマーイオン交換樹脂で挙げることのできる一例は、Nafion(登録商標)NR50である。
本発明による方法の特に好ましい一つの実施形態は、H+形態の少なくとも1種の強酸性陽イオン交換体が使用され、このイオン交換体がスルホン酸基を有するポリマー骨格を含み、ゲル状であるか、又はマクロ多孔質樹脂を含むものである、実施形態である。
本発明による方法のきわめて特に好ましい一つの実施形態は、イオン交換体が、スルホン酸基を有するポリスチレン骨格又はスルホン酸基を有するペルフルオロ化イオン交換樹脂をベースとするものである実施形態である。
市販の強酸性陽イオン交換体は、Lewatit(登録商標)(Lanxess)、Purolite(登録商標)(The Purolite Company)、Dowex(登録商標)(Dow Chemical Company)、Amberlite(登録商標)(Rohm and Haas Company)、Amberlyst(商標)(Rohm and Haas Company)の商品名で知られている。
本発明に従って好ましい強酸性陽イオン交換体として、例えば以下を挙げることができる。Lewatit(登録商標)K 1221、Lewatit(登録商標)K 1461、Lewatit(登録商標)K 2431、Lewatit(登録商標)K 2620、Lewatit(登録商標)K 2621、Lewatit(登録商標)K 2629、Lewatit(登録商標)K 2649、Amberlite(登録商標)IR 120、Amberlyst(商標)131、Amberlyst(商標)15、Amberlyst(商標)31、Amberlyst(商標)35、Amberlyst(商標)36、Amberlyst(商標)39、Amberlyst(商標)46、Amberlyst(商標)70、Purolite(登録商標)SGC650、Purolite(登録商標)C100H、Purolite(登録商標)C150H、Dowex(登録商標)50X8、Serdolit(登録商標)red及びNafion(登録商標)NR-50。
好ましい実施形態の範囲内で、本発明に従って実施される、イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、Lewatit(登録商標)K 1221、Lewatit(登録商標)K 2629、Amberlyst(商標)131、Purolite(登録商標)SGC650、Purolite(登録商標)C100H、Purolite(登録商標)C150H、Amberlite(登録商標)IR 120及びDowex(登録商標)50X8を含む陽イオン交換体の群から選択される少なくとも1種の強酸性陽イオン交換体の存在下で実施される。
本発明による特に好ましい強酸性陽イオン交換体は、陽イオン交換体Amberlyst(商標)131及び/又はLewatit(登録商標)K 1221である。
本発明によるきわめて特に好ましい強酸性陽イオン交換体は、Amberlyst(商標)131であり、他の特定の陽イオン交換体と同様に市販されている。
本発明によるイソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応を実施するために、特定の出発物質及び選択された量の水を、好ましくは混合物の形態で、選択された強酸性陽イオン交換体と接触させる。使用される陽イオン交換体の量は決定的なものではなく、コスト及び処理の側面を考慮して、広範囲内で自由に選ぶことができる。したがって、反応は、触媒量の又は大過剰の選択された強酸性陽イオン交換体の存在下で実施することができる。通常、選択された陽イオン交換体は、各場合において、使用するイソプレノール及び式(III)のアルデヒドの合計に基づいて、約5〜約40重量%の量で、好ましくは約20〜約40重量%の量で、特に好ましくは約20〜約30重量%の量で使用される。ここで、これらのデータは、すぐ使用できる陽イオン交換体を基準とする。この陽イオン交換体は、通常は水で前処理されており、したがって、約70重量%まで、好ましくは約30〜約65重量%、特に好ましくは約40〜約65重量%の量の水を含む場合がある。したがって、不連続な方法の場合には特に、本発明による方法を実施する際にこの量を超える水の添加は不要となり得る。
特定の強酸性陽イオン交換体は、本発明による方法において、単独で又は互いの混合物の形態で使用することができる。
本発明に従って実施される反応は、所望の場合、反応条件下では不活性である溶媒、例えば、tert-ブチルメチルエーテル、シクロヘキサン、トルエン、ヘキサン又はキシレンなどの存在下でも実施することができる。特定の溶媒を、単独で、又は互いの混合物の形態で使用することができる。本発明による方法の好ましい実施形態において、イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、有機溶媒を添加せずに実施される。
本発明に従って、水及び強酸性陽イオン交換体の存在下で実施される、イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、通常、0〜100℃の範囲の温度で、好ましくは20〜90℃の範囲の温度で、特に好ましくは20〜80℃の範囲の温度で実施される。この温度は反応混合物の温度を指す。
本発明に従って実施される反応は、所望の場合、不連続又は連続で実施することができる。ここで例えば不連続の場合、イソプレノール、選択された式(III)のアルデヒド及び水の混合物を最初に好適な反応容器中に導入し、強酸性陽イオン交換体を添加するようなやり方で、反応を開始することができる。反応完了後、次いで、陽イオン交換体を、好適な分離方法、好ましくは濾過又は遠心分離によって、得られた反応混合物から分離して取り出すことができる。個々の反応成分を接触させる順番は決定的なものでなく、個々の処理の実施形態によって変化させることができる。
好ましい実施形態において、本発明に従って実施される、イソプレノールと選択された式(III)のアルデヒドとの反応は、連続的に実施される。この場合、例えば、反応させる出発物質イソプレノール及び式(III)のアルデヒドの混合物を水を用いて調製することができ、この混合物を強酸性陽イオン交換体に連続的に接触させることができる。このために、選択された陽イオン交換体を、例えば、好適な流通反応器、例えば入口及び出口を備えた撹拌反応器又は管型反応器の中に導入することができ、出発物質及び水をこの中に連続的に排出することができ、反応混合物を連続的に排出することができる。これに関連して、出発物質及び水は、所望の場合、流通反応器中に、単独の成分として、そうでなければ上記のような混合物の形態で導入することができる。
本発明による方法の水素化ステップは、水素及び不均一系触媒の存在下で実施されることが好ましく、使用される不均一系触媒は、30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして計算)、15〜45重量%、好ましくは20〜40重量%の酸素含有ジルコニウム化合物(ZrO2として計算)、5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%の酸素含有銅化合物(CuOとして計算)、及び0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%の酸素含有モリブデン化合物(MoO3として計算)を含み、場合によって例えば黒鉛などのさらなる成分を0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%の量でさらに含む。ここで、重量%で表した値は、乾燥非還元触媒を基準とする。
本発明による方法の一つの好ましい実施形態において、操作には、
45〜55重量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして計算)、
25〜35重量%の酸素含有ジルコニウム化合物(ZrO2として計算)、
5〜20重量%の酸素含有銅化合物(CuOとして計算)、
0.1〜3重量%、特に1〜3重量%の酸素含有モリブデン化合物(MoO3として計算)、
0〜5重量%のさらなる成分、
を含む触媒が使用される。重量%で表した値は合計100重量%となり、乾燥非還元触媒を基準とする。本発明によれば、特に好ましいのは、前述の重量分率の前述の成分からなる触媒である。
本発明による方法に使用するのに特に好ましい一つの触媒は、49〜53重量%のNiO、15〜19重量%のCuO、28〜32重量%のZrO2及び1〜2重量%のMoO3、並びに場合によって0〜3重量%の例えば黒鉛などのさらなる成分からなるものであり、個々の成分のそれぞれ選択された重量分率は、乾燥非還元触媒を基準として、合計して100重量%になる。このタイプの触媒は既知であり、例えばEP 0 696 572に記載されているようにして調製することができる。
本発明に従って使用することができる触媒は、例えば沈殿法を使用して調製することができる。したがって、例えば、触媒は、難溶性の酸素含有ジルコニウム化合物のスラリーの存在下で、ニッケル及び銅成分を含む塩水溶液から、これらの成分を無機塩基を用いて随伴沈殿(joint precipitation)させ、次いで、得られた沈殿物を洗浄、乾燥及びか焼することによって得ることができる。使用することができる難溶性の酸素含有ジルコニウム化合物は、例えば、二酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウム水和物、リン酸ジルコニウム、ホウ酸ジルコニウム及びケイ酸ジルコニウムである。難溶性のジルコニウム化合物のスラリーは、激しく撹拌しながら、この化合物の微粒子粉を水中に懸濁させることによって調製することができる。このスラリーは有利には、ジルコニウム塩水溶液から難溶性のジルコニウム化合物を無機塩基を用いて沈殿させることによって得られる。
本発明に従って使用することができる触媒は、その全ての成分の随伴沈殿(共沈)によって調製することが好ましい。このために、高温で撹拌しながら、触媒の成分を含む塩水溶液と、水性無機塩基、具体的にはアルカリ金属塩基、例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム又は水酸化カリウムとを、沈殿が完了するまで、好都合な方法で混合する。使用する塩の種類は一般に決定的なものではない。この操作において主に重要なのは塩の水溶性であり、基準となるのは、これらの比較的高濃度の塩溶液の調製に必要な、塩の良好な水溶性であるためである。個々の成分の塩を選択する際に、不所望な沈殿を引き起こすことによって又は錯体を形成して沈殿を妨害若しくは阻止することによって障害を導くことのない陰イオンを有する塩のみが必然的に選ばれることは、自明と考えられる。
本発明に従って使用することができる、特に有利な特性を有する触媒は、沈殿装置中で水性無機塩基を添加することによって、触媒のジルコニウム成分の一部をジルコニウム塩水溶液から好都合な方法で単独で沈殿させることによって得ることができる。次いで、触媒のジルコニウム成分の他は、このようにして得られる好ましくは新たに沈殿させた酸化ジルコニウム水和物の上に、上述したように、共沈で他の触媒活性成分と一緒に沈殿させることができる。ちなみに、触媒活性物質(mass)中のジルコニウム総量の10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、特に40〜60重量%を予備沈殿させる(preprecipitate)ことが特に好都合であることが、一般的に証明されている。
このように調製した触媒は、そのままで保管し使用することができる。本発明による方法において触媒として使用する前に、それらは通常は予備還元する。しかし、予備還元をせずに使用することもでき、この場合は次に、触媒を、本発明による水素化の条件下で、反応器中に存在する水素によって還元する。予備還元のために、触媒は一般的には最初に、150〜200℃で12〜20時間にわたって窒素/水素雰囲気に暴露し、次に、水素雰囲気中で、約24時間までの期間にわたって200〜300℃でさらに処理する。この予備還元中に、触媒中に存在する酸素含有金属化合物の一部は、通常、対応する金属に還元される。これは、これらが活性形態の触媒中に種々の酸素化合物と一緒に存在することを意味する。
一般に、本発明による触媒は、非担持触媒の形態で使用することが好ましい。「非担持触媒」という用語は、担持触媒とは異なり、触媒活性物質のみからなる触媒を指すために使用される。非担持触媒は、粉砕して粉末にした触媒活性物質を反応容器中に導入することによって使用することもできるし、又は触媒活性物質を、粉砕し、成形助剤と混合し、成形し、触媒成形体として(例えばビーズ、シリンダー、錠剤、リング、スパイラル、ストランドなどとして)熱処理した後に、反応器中に配置することによって使用することもできる。
本発明による水素化方法の別の実施形態において、選択された不均一系触媒は固定床触媒の形態で使用する。
本発明による方法を実施するために、上記の式(IV)の化合物を水素及び選択された触媒と接触させる。ここで水素は、無希釈の形態で、通常は純度約99.9体積%で又は希釈形態、即ち、例えば窒素若しくはアルゴンなどの不活性ガスとの混合物の形態で使用することができる。好ましくは、水素は無希釈形態で使用する。
反応は、溶媒を添加してもしなくても成功裏に行うことができる。反応を溶媒の存在下で行う場合、反応条件下で不活性な有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが好適である。反応は、好ましくは、溶媒としてのメタノール中で実施する。
本発明による水素化は、1〜200バール、好ましくは2又はより良好には3〜200バール、特に好ましくは4又は5〜150バール、特に好ましくは5〜100バール、きわめて特に好ましくは5〜50バールの範囲の水素圧(絶対圧)で実施することができる。ここで、本発明による水素化を実施するために選ばれる反応温度は有利には、20〜150℃、好ましくは40〜130℃、特に好ましくは60〜110℃、きわめて特に好ましくは70〜100℃の範囲の温度である。
実際には、実施中の操作は一般に、所望の反応温度及び所望の圧力において、反応させる式(IV)の生成物を触媒(通常は、好ましくは外側から加熱された固定床反応器、例えば、管型反応器、オートクレーブ又は管束反応器(tube-bundle reactor)などの中に配置される)に供給することを含む。ここで、空間速度は一般に、時間当たり及び触媒kg当たり、式(IV)の化合物が0.1〜1.0 kg、好ましくは0.1〜0.6 kg、特に好ましくは0.2〜0.4kgである。これに関連して、使用する式(IV)の生成物を、反応容器又は反応器に導入する前に、好ましくは反応温度まで加熱するのが好都合である場合がある。
本発明による水素化方法は、不連続又は連続的に実施することができる。いずれの場合も、未反応の出発物質を水素と一緒に循環させることができる。
したがって、本発明による方法の一つの好ましい実施形態は、
a.選択された強酸性陽イオン交換体を含む流通反応器を準備するステップと、
b.イソプレノール、式(III)のアルデヒド及び水を流通反応器中に連続的に導入するステップと、
c.イソプレノール、式(III)のアルデヒド及び水を、流通反応器中で強酸性陽イオン交換体と連続的に接触させて、所望の式(IV)の化合物を含む反応混合物を得るステップと、
d.式(IV)の化合物を含む反応混合物を連続的に水素化するステップと、
e.反応混合物を流通反応器から連続的に排出するステップとを含む、式(I)の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを調製するための連続法に関する。
選択された強酸性陽イオン交換体は、ここで、非固定床(loose bed)形態又は固定床形態で、前述の流通反応器中に存在することができる。
本発明に従って実施される、イソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応を、複数の、例えば二つ又は三つの、連続して連結した流通反応器のカスケード内で実施することも可能である。個々の流通反応器には種々の強酸性陽イオン交換体を充填してもよく、管型反応器を使用する場合は液相モード又はトリクルモード(trickle mode)で操作することができる。さらに、選択された流通反応器から排出された反応混合物は、所望ならば、連続的に行われる反応へと、部分的に戻すこともできる。
本発明による方法は、式(I)の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製、特に、式(I)の2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製を可能にする。これらは通常、反応混合物の形態で生成される。この反応混合物は所望の目的化合物の他に、使用した出発物質の残分、使用した水、及びさらに場合によっては、わずかではあるが、式(Va)及び(Vb)
Figure 0005860039
[式中、R1及びR2は式(I)に示した意味を有することができる]
の脱水副生物も含み得る。本発明による方法は、所望の式(I)のヒドロキシピラン又は好ましくは2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを高収率及び高純度で調製することを可能にし、不所望な式(Va)〜(Vb)の脱水生成物は、あるとしてもわずかしか生成されない。
未反応の出発化合物及び/又は過剰に使用した出発化合物と同様に、これらの副生物は有利なことに、反応に再び戻すことができる。
本発明に従って得られた反応混合物は典型的には、約50〜約90重量%、多くの場合、約60〜約80重量%の所望の式(I)の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランと、わずか約20重量%以下、好ましくはわずか約15重量%以下、特に好ましくはわずか10重量%以下の式(Va)〜(Vb)の脱水生成物とからなる。重量%はそれぞれ、得られた粗生成物及びさらに未反応の出発物質並びに/又は過剰に使用した出発物質、並びに他の特定の副生物の総重量に基づく。
粗生成物として得られた物質の混合物はさらに、当業者に公知の方法、具体的には蒸留及び/又は精留によって容易に精製することができる。このようにして、各場合において所望される式(I)の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランが、イソプレノール及びプレナールを使用して次に水素化を行う場合には特に、所望の2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランが、95重量%を超える、若しくは好ましくは97〜99.9重量%の、又は特に好ましくは98〜99.8重量%の純度で、即ち、例えば、香料としての使用に必要とされる品質で得られる。
本発明による方法の一つの好ましい実施形態は、式(Ib)
Figure 0005860039
のcis-ジアステレオマーと式(Ic)
Figure 0005860039
のtrans-ジアステレオマーとの混合物の形態の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製方法であって、式(Ib)のcis-ジアステレオマー対式(Ic)のtrans-ジアステレオマーのジアステレオマー比が65:35〜95:5、好ましくは70:30〜85:15である方法に関する。
具体的には、本発明に従って好ましい、イソプレノールとプレナールとの反応及びこれに続く水素化の場合、本発明による方法において、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランは、式(Ib)
Figure 0005860039
のcis-ジアステレオマーとtrans-ジアステレオマー(Ic)
Figure 0005860039
との混合物であって、式(Ib)のcis-ジアステレオマー対式(Ic)のtrans-ジアステレオマーのジアステレオマー比が65:35〜95:5、好ましくは70:30〜85:15である混合物の形態で得られる。この混合物には特定の香り特性があるため、このタイプの混合物は、香料として、例えば香気組成物を生成するためのスズラン(lily of the valley)の香りを有する成分として使用するのに特定の程度まで好適である。
したがって、一つの好ましい実施形態において、本発明は、式(Ia)
Figure 0005860039
の2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを調製する方法であって、式(II)の3-メチルブタ-3-エン-1-オールと式(IIIa)
Figure 0005860039
のプレナールとを水及び強酸性陽イオン交換体の存在下で反応させて、式(IVa)
Figure 0005860039
の生成物を形成するステップと、これに続いて、水素及びニッケル含有触媒の存在下で接触水素化を行って、式(Ia)の化合物を形成するステップとを含む方法を提供する。
以下の実施例は、本発明を説明するのに役立つものであり、決して本発明を限定するものではない。
ガスクロマトグラフィーの分析を、次の方法に従って実施した。30 mDB-WAX、ID.: 0.32mm、FD.: 1.2μm; 50℃、3℃/分〜170℃、20℃/分〜240℃; tR=分; 担体ガス: He; 試料: 0.2μl; tR(プレナール): 9.1; tR(イソプレノール): 10.6; tR(式(Va)のデヒドロローズオキシド): 15.6; tR(式(Vb)のネロールオキシド): 18.5; tR(式(Ic)のtrans-ピラノール): 28.5; tR(式(Ib)のcis-ピラノール): 29.8; tR(式(IVa)のtrans-ヒドロキシローズオキシド): 34.2; tR(式(IVa)のcis-ヒドロキシローズオキシド): 35.4; tR(2-(2-ヒドロキシメチルプロピル)-4-メチルテトラヒドロピラノール): 41.5及び42.2。
trans-及びcis-ヒドロキシローズオキシドの調製
イオン交換体を、使用する前にまず水で数回、次にメタノールで一回洗浄し、最後に水でメタノールを洗い落とした。
1.7gのAmberlyst(商標)131(58重量% H2O)及び4.2g(0.05モル)のイソプレノールを初期装入材料として室温でフラスコ中に導入し、次いで4.3g(0.05モル)のプレナールを滴加した。反応混合物を3時間室温で撹拌した。完全に反応した反応混合物を30mlのMTBEと混合し、次いでイオン交換体を濾去した。イオン交換体を各場合において5mlのMTBEで二回洗浄した。得られた反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した(GC面積%にて)。黄色の濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、7.1gの粗生成物を得た。
プレナール 1.8 GC面積%
イソプレノール 3.8 GC面積%
デヒドロローズオキシド 1.6 GC面積%
ネロールオキシド 4.5 GC面積%
trans-ヒドロキシローズオキシド 17.7 GC面積%
cis-ヒドロキシローズオキシド 67.5 GC面積%
trans-及びcis-ヒドロキシローズオキシドの調製
1.7g(20重量%)のAmberlyst(商標)131(58重量% H2O)及び4.2g(0.05モル)のイソプレノールを初期装入材料として室温でフラスコ中に導入し、次いで4.3g(0.05モル)のプレナールを滴加した。反応混合物を1時間60℃で撹拌した。完全に反応した反応混合物を冷却した後、MTBE(30ml)を添加し、次いでイオン交換体を濾去した。イオン交換体を各場合において5mlのMTBEで二回洗浄した。得られた反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した(GC面積%にて)。黄色の濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、7.6gの粗生成物を得た。
プレナール 0.9 GC面積%
イソプレノール 1.2 GC面積%
デヒドロローズオキシド 1.8 GC面積%
ネロールオキシド 4.5 GC面積%
trans-ヒドロキシローズオキシド 31.1 GC面積%
cis-ヒドロキシローズオキシド 55.5 GC面積%
2-(2-ヒドロキシメチルプロピル)-4-メチルテトラヒドロピラノール 2.7 GC面積%
trans-及びcis-ヒドロキシローズオキシドの調製
1.7g(20重量%)のAmberlyst(商標)131(58重量% H2O)及び4.2g(0.05モル)のイソプレノールを初期装入材料として室温でフラスコ中に導入し、次いで4.3g(0.05モル)のプレナールを滴加した。反応混合物を1時間80℃で撹拌した。完全に反応した反応混合物を冷却した後、MTBE(30ml)を添加し、次いでイオン交換体を濾去した。イオン交換体を各場合において5mlのMTBEで二回洗浄した。得られた反応溶液をガスクロマトグラフィーで分析した(GC面積%)。黄色の濾液をロータリーエバポレーターで濃縮し、7.6gの粗生成物を得た。
プレナール 0.4 GC面積%
イソプレノール 0.3 GC面積%
デヒドロローズオキシド 1.7 GC面積%
ネロールオキシド 4.9 GC面積%
trans-ヒドロキシローズオキシド 46.1 GC面積%
cis-ヒドロキシローズオキシド 27.3 GC面積%
2-(2-ヒドロキシメチルプロピル)-4-メチルテトラヒドロピラノール 13.5GC面積%
trans-及びcis-ピラノールの調製
300ml実験室用オートクレーブ中で、直径及び高さがそれぞれ3mmの錠剤の形態での、50重量%のNiO、17重量%のCuO、30.5重量%のZrO2及び1.5重量%のMoO3からなる20gの触媒の存在下で、80mlのメタノール中に溶解した20gのヒドロキシローズオキシドを、水素圧30バール及び温度95℃で激しく撹拌しながら水素化した。4時間の反応時間の後、触媒を濾去した。得られた反応混合物を、ガスクロマトグラフィーで、表1に記載した時間で分析した。これによって、表1に記載した結果が得られた(それぞれGC面積%にて、転化率:99%及び選択率:95%)。
Figure 0005860039

Claims (24)

  1. 式(I)
    Figure 0005860039
    (式中、
    基R1は炭素原子数1〜5の直鎖又は分枝アルキル基であり、
    基R2は水素又は炭素原子数1〜3の直鎖若しくは分枝アルキル基である)
    の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製方法であって、式(II)
    Figure 0005860039
    の3-メチルブタ-3-エン-1-オールと、式(III)
    Figure 0005860039
    [式中、基R1及びR2は、式(I)に示したのと同じ意味を有する]
    のアルデヒドとを、水及び強酸性陽イオン交換体の存在下で反応させて、式(IV)
    Figure 0005860039
    の化合物を形成するステップと、触媒の存在下で水素化を行って、式(I)の化合物を得るステップとを含み、
    上記式(II)の3-メチルブタ-3-エン-1-オールと式(III)のアルデヒドとの反応は、100〜200モル%の水の存在下で実施され、水の量は、式(II)の3-メチルブタ-3-エン-1-オールを基準とする、上記方法。
  2. 基R1が炭素原子数1〜3の直鎖又は分枝アルキル基ある、請求項1に記載の方法。
  3. 基R 1 がメチルである、請求項2に記載の方法。
  4. 基R2がメチル又はエチルある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 基R 2 がメチルである、請求項4に記載の方法。
  6. イソプレノール及び式(III)のアルデヒドを0.7:1〜2:1モル比で使用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. イソプレノール及び式(III)のアルデヒドを1:1〜1.5:1のモル比で使用する、請求項6に記載の方法。
  8. スルホン酸基を含む強酸性陽イオン交換体を使用する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも1種の強酸性陽イオン交換体をH+形態で使用し、前記イオン交換体が、スルホン酸基を有するポリマー骨格を含み、ゲル状であるか又はマクロ多孔質樹脂を含むものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. イオン交換体が、スルホン酸基を有するポリスチレン骨格又はスルホン酸基を有するペルフルオロ化イオン交換樹脂をベースとする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. イソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応を有機溶媒を添加せずに実施する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. イソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応を20〜80℃の範囲の温度で実施する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. イソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応を連続的に実施する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 水素化を、水素並びに
    30〜70重量%酸素含有ニッケル化合物(NiOとして計算)、
    15〜45重量%酸素含有ジルコニウム化合物(ZrO2として計算)
    5〜30重量%酸素含有銅化合物(CuOとして計算)、
    0.1〜10重量%酸素含有モリブデン化合物(MoO3として計算)、
    場合によって、0〜10重量%さらなる成分
    を含む触媒の存在下で実施し、重量%で表した前記値が乾燥非還元触媒を基準とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 水素化を、水素並びに
    40〜60重量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして計算)、
    20〜40重量%の酸素含有ジルコニウム化合物(ZrO 2 として計算)
    10〜25重量%の酸素含有銅化合物(CuOとして計算)、
    0.5〜5重量%の酸素含有モリブデン化合物(MoO 3 として計算)、
    場合によって、0〜5重量%のさらなる成分
    を含む触媒の存在下で実施し、重量%で表した前記値が乾燥非還元触媒を基準とする、請求項14に記載の方法。
  16. 触媒を非担持触媒の形態で使用する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 触媒を固定床触媒の形態で使用する、請求項1及び1416のいずれか一項に記載の方法。
  18. 水素化を50〜130℃の範囲の温度で実施する、請求項1及び1417のいずれか一項に記載の方法。
  19. 水素化を5〜200バールの範囲の水素圧(絶対圧)で実施する、請求項1及び1418のいずれか一項に記載の方法。
  20. 水素化を連続的に実施する、請求項1及び1419のいずれか一項に記載の方法。
  21. イソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応を有機溶媒存在下で実施する、請求項1及び1420のいずれか一項に記載の方法。
  22. イソプレノールと式(III)のアルデヒドとの反応をメタノールの存在下で実施する、請求項21に記載の方法。
  23. a.選択された強酸性陽イオン交換体を含む流通反応器を準備するステップと、
    b.イソプレノール、式(III)のアルデヒド及び水を流通反応器中に連続的に導入するステップと、
    c.イソプレノール、式(III)のアルデヒド及び水を、流通反応器中で強酸性陽イオン交換体と連続的に接触させて、所望の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランを含む反応混合物を得るステップと、
    d.式(IV)の化合物を含む反応混合物を連続的に水素化するステップと、
    e.反応混合物を流通反応器から連続的に排出するステップとを含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  24. 式(Ib)
    Figure 0005860039
    のcis-ジアステレオマーと式(Ic)
    Figure 0005860039
    のtrans-ジアステレオマーとの混合物の形態の2-置換4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロピランの調製方法であって、式(Ib)のcis-ジアステレオマー対式(Ic)のtrans-ジアステレオマーのジアステレオマー比が65:35〜95:5である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
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