JP5857725B2 - 露光装置 - Google Patents
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図7に、従来の露光装置の概略構成を示す。
露光装置10は、紫外線を出射する光照射部1、パターンが形成されたマスクM、このマスクMを保持するマスクステージ2、露光処理が行われるウエハやプリント基板、ガラス基板といったワークWを保持するワークステージ4、ワークステージ4上に保持されたワークW上にマスクMのパターン像を投影する投影レンズ3、ワークステージ4にワークWを搬入搬出するワーク搬送機構(不図示)などから構成される。なお、露光装置の中には、投影レンズを備えないものもある。
光照射部1は、露光光である紫外線を含む光を放射するランプ1aと、ランプからの光を反射するミラー1bなどを備える。
ワークステージ4の表面には、真空吸着孔(または真空吸着溝)4aが形成されている。ワークステージ4には配管11が接続され、この配管11を介して、真空吸着孔(真空吸着溝)4aに、ワークWを吸着保持するための真空が供給される。
(1)不図示のワーク搬送機構により、露光装置10のワークステージ4上にワークWが置かれる。ワークステージ4の真空吸着孔(真空吸着溝)4aに真空が供給され、ワークWはワークステージ4上に吸着保持される。
(2)ワークステージ4への真空の供給は、露光処理中にワークWが移動しないように続けられる。
(3)露光処理が終わると、ワークWはワーク搬送機構(不図示)により、ワークステージ4から搬出される。
ワークステージ4には、ワーク搬送機構20のアーム21からワークWを受け取るためのピン5aが設けられている。そして、ワークステージ4にはこのピン5aが出入りするための貫通孔4cが形成されている。ピン5aはワークWを安定して支持できるように、ワークWの内側に当たる位置に複数(3本以上)設けられる。貫通孔4cはピン5aの数だけ設けられる。
ワークステージ4の一方の面側には、ピン5aを上下に駆動させるためのピン上下駆動手段5が設けられている。
ピン上下駆動手段5は、複数のピン5aを支持する台5b、台5bを上下させるエアシリンダ5dなどから構成される。このピン上下駆動手段5により複数のピン5aは、貫通孔4cを介して同期して上下する。
(2)図8(b)に示すように、ピン上下駆動手段5によりピン5aが上昇し、ピン5aがアーム21からワークWを受け取る。
(3)図9(c)に示すように、ワーク搬送機構20のアーム21が図面右方向に退避し、ピン上下駆動手段5によりピン5aが下降する。ワークWはワークステージ4上に置かれる。真空吸着孔4aには真空が供給されており、ワークWはワークステージ4上に吸着保持される。
なお、ワーク搬送用のアームとワークステージとの間でのウエハの受け渡しを、ピンを用いて行う先行例として、例えば特許文献1がある。
従来は、上記したように、露光装置において、ワーク搬送装置のアームとワークステージとの間の受け渡しを、ピンを用いて行っている。ピンによりワークをバランスよく支持するためには、ピンはワークの内側の位置に、(一直線上ではない)少なくとも3ヶ所に配置しなければならない。しかし、例えば図10(b)に示すような、ワークの内側は直線状の範囲しか接触できない(支持できない)ワークの場合、バランスよくワークを支持できるようにピンを配置することは、実際には難しい。ワークの周辺部をピンで支持することも考えられるが、そのような配置にすると、ワークがピンから外れて落下する可能性がある。
しかし、上記のように、ごく限られた範囲しか接触が許されないワークをワークステージに載置して露光処理を行う場合、ワークステージがワークをどのように支持するのか、ワーク搬送用のアームとワークステージとの間でのワークの受け渡しを、ピンを使わずにどのように行うのか、また、アームの挿入退避時におけるワークステージとの干渉をどのようにして防ぐのかといった(設計上の)問題が生じる。
本発明は上記問題点を解決するものであって、本発明の目的は、薄く、また、支持保持ができる範囲が限られたワークを露光する露光装置において、接触が許された範囲のみを保持しながら、ピンを使用しないで、ワーク搬送機構とワークステージ間でのワークの受け渡しを安定して確実に行い、また、ワークステージにおいては、自重たわみが少なくなるようにワークを保持できるようにすることである。
すなわち、本発明は以下のようにして前記課題を解決する。
(1)光照射部と、パターンを形成したマスクを保持するマスクステージと、上記マスクに形成されたパターンが露光されるワークを保持するワークステージと、上記ワークステージにワークを搬入搬出するワーク搬送機構とを備え、ワークの両面を同時に露光する両面装置に適用される露光装置において、上記ワークステージは、上記ワークの一方の面の周辺部を吸着保持するワーク吸着保持部と、該ワーク吸着保持部の内側に形成された貫通孔と、上記貫通孔を横切って上記ワークの一方の面に接触する直線状の支持部とを備え、上記支持部は、厚み方向の寸法に対して高さ方向の寸法が大きい偏平形状であるとともに、上記高さ方向は、支持するワークの平面に対して垂直な方向であり、上記厚み方向は上記ワークの平面に対して平行な方向であり、上記支持部と上記ワーク吸着保持部の上記ワークの一方の面と接触する面は同一平面上にあるように構成し、上記支持部の両端を上記貫通孔の内壁に連結し、上記支持部とワーク吸着保持部は同一の材料で一体に形成する。また、上記ワーク搬送機構は、上記ワークの他方の面の一部を吸着して保持する搬送アームを有する。
(2)上記(1)において、上記支持部を上記ワークステージから削り出して形成する。
(1)ワークステージに、貫通孔と、この貫通孔を横切って上記ワークの一方の面に接触する直線状の支持部とを設け、上記支持部とワーク吸着保持部のワークの一方の面と接触する面が同一平面上にあるように構成したので、ワークは、ワークステージのワーク吸着保持部と上記支持部とにより、接触が許された領域のみを支持して段差なく保持される。このため、露光中、ワークの自重たわみが最小限にとどめられ、露光精度の低下を防ぐことができる。
(2)ワーク搬送機構のアームは、ワークの他方の面(ワークステージにより支持される一方の面の反対側の面)を保持するので、アームとワークステージ間でのワークの受け渡しにおいて、ピンを使用することなく、ワークの搬入、搬出を安定して確実に行うことができる。また、ワークステージはワークの一方の面を支持するが、ワーク搬送機構のアームはワークの他方の面を支持するので、アームとワークステージとの干渉の心配もない。
(3)ワークステージの、ワークを支持しない中央部分を貫通孔としたので、ワークの両面を同時に露光する露光装置のワークステージとして使用することができる。
図1において、従来の装置構成と異なるのは、ワークステージの構造と、ワーク搬送機構のアームがワークの表面側を保持する点である。
ワークステージ4には、開口部(貫通孔)6が設けられ、該開口部6の内部に支持部7が設けられる。上記開口部6の周辺部のワークステージ4の表面には、真空吸着孔4aが形成されている。また、ワークステージ4には配管11が接続され、この配管11を介して、真空吸着孔4aに、ワークWを吸着保持するための真空が供給される。上記真空吸着孔4aが設けられた上記開口部6の周辺のワークステージ表面をワーク吸着保持部8という。
なお、以下の説明においては、ワークWのワークステージ4が接触する側の面を一方の面、その反対側を他方の面と呼ぶ。
図2は、ワークの内側の接触可能な領域が十字型であるワークに対応したステージであり、図3は、ワークの内側の接触可能な領域が直線状であるワークに対応したステージである。
ワークステージ4の中央部には、ワークWの大きさよりもやや小さい開口部(貫通孔)6が設けられ、この開口部6の内部には、ワークWの一方の面に接触してワークWを支持する支持部7が設けられている。
前述したようにワークステージ4の開口部6の周辺部がワークWの接触が許されている周辺部を吸着保持するワーク吸着保持部8であり、ワーク吸着保持部8には、ワークWを吸着保持するための真空が供給される真空吸着孔4aが設けられている。ワーク吸着保持部8には段差がなく、ワークWの周辺部を全周にわたって支持する。
また、上記支持部7と上記ワーク吸着保持部8の上記ワークWの一方の面と接触する面は、段差が生じないように、同一平面上にあるように構成される。
吸着保持部8との間に段差が生じないようにするため、支持部7を上記ワークステージ4から削り出して形成することが考えられる。すなわち、ワイヤ放電加工と呼ばれる加工技術により、支持部7をワークステージ4から一体加工により削り出し(切り出し)、その後、上記吸着保持部8と高さを揃えて平面精度を上げるために、ワークステージとともに表面を削って作製する。
支持部7は、図2、図3に示すように、平板状(偏平形状)であり、厚み方向の寸法に対して高さ方向の寸法が大きく、高さ方向は、支持するワークWの平面に対して垂直な方向であり、厚み方向はワークWの平面に対して平行な方向である。支持部7のワークWと接触する表面は平面で段差(凹凸)はない。また、支持部7の厚みは約1mmであり、ここには真空吸着孔は形成されていない。
なお、支持部7の形状は、必ずしも図2、図3に示したように上下の辺が平行な板状である必要はなく、ワークの接触が許容される領域の形状によっては、支持部7に凹凸部を設けてよい。
図4は、上記支持部の他の形状例を示す図であり、前記図1と同様、ワークステージの断面構造を示したものである。同図に示すものは、支持部7の、ワークWの一方の面に対向する側の辺(上辺)を凹凸形状にしたものである。同図に示すように、ワークWの一方の面に対向する側の辺には、ワークWの接触が許容される領域の形状に合わせて凸部が形成され、接触が許容されない領域には凹部が形成される。ワークWと接触する面である支持部7の凸部の表面は、ワーク吸着保持部8との間に段差が生じないように平面に形成される。
即ち、ワークWの他方の面側を露光している時に、ワークWの一方の面側からもこの開口部6を介して露光光が照射されて露光が行われる。
図5は、ワーク搬送機構20のアーム21を、ワークWを吸着する側から見た図である。アーム21の先端部には、ワークWを吸着保持するための真空が供給される直径1mm程度の真空吸着孔22が、ワークWの接触が許されている領域(同図においては十字状)に沿って複数形成されている。
(1)図6(a)に示すように、ワークWが、ワーク搬送機構20のアーム21下に吸着保持されて、ワークステージ4上に搬送される。上記したように、アーム21はワークの他方の面側を吸着保持する。
(2)図6(b)に示すように、アーム21が下降し、ワークWの一方の面が、ワークステージ4のワーク吸着保持部8と支持部7の表面に接触する。ワーク吸着保持部8の真空吸着孔4aには、あらかじめ真空が供給されており、ワークWがワークステージ4に吸着保持される。
(3)図6(c)に示すように、アーム21に供給されている真空が停止し、ワークWはアーム21から外れる。アーム21が上昇する。
(4)図6(d)に示すように、アーム21がワークステージ4上から退避する。
(5)露光装置の光照射部1から露光光がパターンを形成したマスクMを介して照射され、ワークWの表面にマスクパターンが露光される。
(6)露光処理が終わったワークWは、ワーク搬送機構20により、上記とは逆の手順(図6(d)→(a))でワークステージ4から搬出される。
1a ランプ
1b ミラー
2 マスクステージ
3 投影レンズ
4 ワークステージ
4a 真空吸着孔
6 開口部(貫通孔)
7 支持部
8 ワーク吸着保持部
4a 真空吸着孔
10 露光装置
11 配管
20 ワーク搬送機構
21 アーム
M マスク
W ワーク
Claims (2)
- 光照射部と、パターンを形成したマスクを保持するマスクステージと、
上記マスクに形成されたパターンが露光されるワークを保持するワークステージと、
上記ワークステージにワークを搬入搬出するワーク搬送機構とを備え、ワークの両面を同時に露光する両面装置に適用される露光装置において、
上記ワークステージは、上記ワークの一方の面の周辺部を吸着保持するワーク吸着保持部と、該ワーク吸着保持部の内側に形成された貫通孔と、上記貫通孔を横切って上記ワークの一方の面に接触する直線状の支持部とを備え、
上記支持部は、厚み方向の寸法に対して高さ方向の寸法が大きい偏平形状であるとともに、上記高さ方向は、支持するワークの平面に対して垂直な方向であり、上記厚み方向は上記ワークの平面に対して平行な方向であり、
上記支持部と上記ワーク吸着保持部の上記ワークの一方の面と接触する面は同一平面上にあり、上記支持部の両端は上記貫通孔の内壁に連結され、上記支持部とワーク吸着保持部は同一の材料で一体に形成されており、
上記ワーク搬送機構は、上記ワークの他方の面の一部を吸着して保持する搬送アームを備えている
ことを特徴とする露光装置。 - 上記支持部は、上記ワークステージから削り出されて形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
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