第1の発明は、発電された直流電力を昇圧するDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータで昇圧された直流電力を交流電力に変換するインバータと、前記インバータで変換された交流電力を系統電源に連系するための連系遮断器と、前記DC/DCコンバータで昇圧された直流電力の電圧を検出する第1電圧検出手段と、前記DC/DCコンバータと前記インバータを制御する運転制御手段と、前記発電された直流電力の電圧を検出する第2電圧検出手段と、を備え、前記第1電圧検出手段により検出された電圧が、前記インバータの出力電圧を前記系統電源の電圧と略同じ電圧にするために予め設定された電圧範囲の最低値より低くかつ前記系統電源の電圧のピーク値より高い第1所定電圧以下になると、前記連系遮断器が解列するよう構成し、前記第2電圧検出手段により検出された電圧が第2所定電圧以下になると、前記連系遮断器が解列するよう構成し、前記第2所定電圧に対する前記第1所定電圧の比は、前記DC/DCコンバータの仕様に基づく昇圧比の範囲内である、解列システムである。
上記構成において、DC/DCコンバータの出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)を超えた電圧であるときは、インバータの出力側と系統電源とが連系遮断器により接続されており、インバータで変換された交流電力を系統電源に連系している。このとき、インバータで変換された交流電力の電圧は、系統電源の電圧と略同じ電圧であるので、系統電源側からインバータ内部に逆流が発生することはない。
そして、DC/DCコンバータの出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下になると、DC/DCコンバータの出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下になったことを第1電圧検出手段の検出電圧により検知し、連系遮断器が解列する。
そのため、DC/DCコンバータ出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下に低下した場合に、連系遮断器を解列することにより、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下する前に、連系遮断器を解列させることができるので、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下した場合に、系統電源側からインバータ内部に逆流が発生することによるインバータ内部回路の破壊を防止することが可能となる。
またさらに、燃料電池の出力電圧の低下が原因で、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下して、インバータ内部に逆流が発生する場合の、燃料電池の出力電圧を基にして、予め所定電圧を設定しておけば、燃料電池の出力電圧の低下が原因で、DC/DCコンバータ出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下に低下した場合に、燃料電池の出力電圧が、正常時の燃料電池の出力電圧より低い所定電圧以下になったことを検知して、連系遮断器を解列することにより、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下する前に、連系遮断器を解列させることができるので、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下した場合に、系統電源側からインバータ内部に逆流が発生することによるインバータ内部回路の破壊を防止することが可能となる。
また、DC/DCコンバータと燃料電池の両方の出力電圧で、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下してインバータ内部に逆流が発生する異常を事前に検知して、連系遮断器を解列することができ、第1電圧検出手段側の検出(検知)と、第2電圧検出手段側の検出(検知)のどちらか早いほうで、連系遮断器を解列することにより、より早く確実に直流電圧の低下を検出可能となり、インバータ内部回路の安全性
が高まることになる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記第1電圧検出手段により検出された電圧が前記第1所定電圧以下になると、前記運転制御手段が前記連系遮断器を解列させるものである。
上記構成において、DC/DCコンバータの出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下になると、運転制御手段は、DC/DCコンバータの出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下になったことを第1電圧検出手段の検出電圧により検知し、運転制御手段が連系遮断器を解列させる。
そのため、DC/DCコンバータ出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下に低下した場合に、運転制御手段が確実に連系遮断器を解列させることにより、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下する前に、連系遮断器を解列させることができるので、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下した場合に、系統電源側からインバータ内部に逆流が発生することによるインバータ内部回路の破壊を防止することが可能となる。
第3の発明は、特に第1の発明において、前記第1電圧検出手段により検出された電圧が前記第1所定電圧以下になると、前記連系遮断器に対して前記連系遮断器を解列させるための信号を出力する電圧比較判定手段を備えたものである。
上記構成において、電圧比較判定手段は、第1電圧検出手段の検出電圧を、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)と比較する。そして、DC/DCコンバータの出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下になると、電圧比較判定手段は、第1電圧検出手段の検出電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下になったと判定して、連系遮断器に対して連系遮断器を解列させる信号を出力する。すると、その信号により連系遮断器が解列する。この場合、運転制御手段を通さずにハード的に連系遮断器を解列させるので、第2の発明より短い時間で、早く連系遮断器を解列させることができる。
そのため、DC/DCコンバータ出力電圧が、所定電圧(インバータの出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧にするための予め設定された電圧範囲の最低値より低く系統電源の電圧のピーク値より高い電圧)以下に低下した場合に、電圧比較判定手段が連系遮断器に対して連系遮断器を解列させる信号を出力し、その信号により連系遮断器が解列するので、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下する前に、第2の発明より短い時間で、早く連系遮断器を解列させることができる。したがって、DC/DCコンバータ出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下した場合に、系統電源側からインバータ内部に逆流が発生することによるインバータ内部回路の破壊を、第2の発明より短時間で高い精度で防止することが可能となり、逆流によるインバータ内部回路の破壊防止の信頼性が向上する。
第4の発明は、特に第1から第3のいずれかの発明に加えて、前記連系遮断器の解列時に前記DC/DCコンバータで昇圧された直流電力をヒータで熱に変えて消費する余剰コンバータを備えたものである。
発電時において連系遮断器が解列された場合、第1電圧検出手段により検出した直流電圧値が所定電圧以下になっているとはいえ、依然として燃料電池による発電により直流電力は発生しているので、この直流電力を消費する必要がある。これは、燃料電池では都市ガス等から改質して得られた水素と空気中の酸素との化学反応で発電しているため、連系遮断器の解列に合わせて、運転制御手段が燃料電池の発電動作を直ちに停止させようとしても、燃料電池が、すぐには発電を停止することができないためである。
本発明では、余剰コンバータが、連系遮断器の解列時にDC/DCコンバータで昇圧された直流電力をヒータで熱に変えて消費することにより、連系遮断器の解列時に、水をヒータで加熱して温水にすることができ、特に、燃料電池で発生する廃熱を回収し、温水として貯える貯湯タンクを備える解列システムでは、ヒータで加熱して得られた温水を貯湯タンクに貯めるようにして、必要時に温水を利用することができ、燃料電池にて発電された直流電力を安全に無駄なく消費することが可能となる。
第5の発明は、特に第1から第4のいずれかの発明に加えて、前記第1電圧検出手段により検出された電圧が前記第1所定電圧以下になると、電圧異常を知らせる異常報知手段を備えたものであり、これにより、第1電圧検出手段により検出した電圧が前記所定電圧以下になると、異常報知手段が電圧異常を知らせるので、DC/DCコンバータの出力電圧が低下したことを利用者に知らせることができ、また、DC/DCコンバータの出力電圧が低下した原因を特定しやすくなり、サービスマンによる修理、部品の交換がより迅速、的確に実施されることになる。異常報知手段がサービス会社にも電圧異常を知らせるものである場合は、遠隔地のサービス会社などにも素早く情報の伝達が可能となり、迅速で的確な対応が可能となる。
第6の発明は、特に第1から第4の発明に加えて、前記第1電圧検出手段により検出された電圧が前記第1所定電圧以下になる場合、または前記第2電圧検出手段により検出された電圧が前記第2所定電圧以下になる場合に、前記第1電圧検出手段と前記第2電圧検出手段のいずれの検出電圧が異常であるかを知らせる異常報知手段を備えたものであり、異常報知手段の報知内容から、第1電圧検出手段により検出した電圧が所定電圧以下になったのか、第2電圧検出手段により検出した電圧が所定電圧以下になったのかを判断できるので、直流電圧が低下した原因を複数の中から更に特定しやすくなり、サービスマンによる修理、部品の交換がより迅速、的確に実施されることになる。また遠隔地のサービス会社などにも素早く情報の伝達が可能となる。
第7の発明は、特に第1から第6のいずれかの発明において、前記第1電圧検出手段及び/または前記第2電圧検出手段は、電圧を平均値化して検出するものである。これにより、電圧変動の影響を受けにくくなるため、電圧の検出精度を高くすることが可能となる。
以下、本発明の解列システムの実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、先に説明した実施の形態と同一構成については、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における解列システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、都市ガスのようなメタン等の炭化水素を含む燃料を原料として、燃料電池11で直流発電が行われる。次に、DC/DCコンバータ12が、燃料電池11から出力された直流電力、ここでは直流20V程度を直流380〜400V程度まで昇圧させる。次に、インバータ13が、DC/DCコンバータ12にて昇圧された直流電力を、波形成形により200Vの交流電力に変換し、連系遮断器14を介して系統電源とともに家庭内負荷15に交流電力を供給する。
ここで、系統電源は、商用電源、商用電力系統あるいは商用系統とも呼ばれ、電力会社から供給される電力である6600Vの高圧配電系統が柱上変圧器により200Vの低圧配系統に変換されたものが、系統電源として各家庭に供給されている。
余剰コンバータ16は、DC/DCコンバータ12の出力端に接続され、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電力を、ヒータ17で熱に変えて消費する。ここで家庭内負荷15が低下した場合、インバータ13の出力電力が系統電源へ逆潮流しないように、つまり出力電力が家庭内負荷15と一致するようにインバータ13の出力電力を絞るが、一致するまでの間は、燃料電池11が出力する電力の余剰分を余剰コンバータ16にて出力し、ヒータ17で熱に変えて消費する。
ここでは、運転制御手段19が余剰電力分を逐次計算して、それに相当する電力をヒータ17にて消費するように、PWM出力としてDUTY比を調整して、余剰コンバータ16にドライブ信号として出力するものである。また系統異常時はインバータ13の出力電力をゼロにするが、この場合も同様に燃料電池11が出力する電力の余剰分を余剰コンバータ16にて出力し、ヒータ17で熱に変えて消費する。
ヒータ17の熱は、例えば、水を温水にするために使用される。特に、燃料電池11で発生する廃熱を回収し、温水として貯える貯湯タンクを備える燃料電池システムでは、ヒータ17で加熱して得られた温水を貯湯タンクに貯めるようにして、必要時に温水を利用することができ、燃料電池11にて発電された直流電力を安全に無駄なく消費することが可能となる。
また、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18は、DC/DCコンバータ12の出力側に接続され、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値を検出するものである。
運転制御手段19は、燃料電池11とDC/DCコンバータ12とインバータ13と連系遮断器14と余剰コンバータ16を制御する。
ここで、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が、インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値より高い所定電圧以下になると、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させるように構成されている。
DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18は、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が、インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値より高い所定電圧以下に低下した場合、連系遮断器14を解列させるように運転制御手段19に信号を出力する。ここでのピーク値の根拠は系統電圧
の平均値(実効値)202Vの√2倍なので、202V×√2=286Vとなる。
DC/DCコンバータ12の出力電圧が、系統電圧ピーク値の286Vより低下した場合、連系遮断器14が解列されていない状態では、系統電源側からヒータ17に向かって、インバータ13内部に逆流が発生する。つまり系統電源→連系遮断器14→インバータ13→余剰コンバータ16→ヒータ17の経路で電流が流れることになり、インバータ13の内部回路が破壊される。
実際の検出電圧は、検出のための電圧値が確定するまでに時間を要することや、直流とはいえ実際の波形は最大数十V程度のリップルを持った電圧波形であり、電圧変動も非常に大きいことから、検出時は、電圧を一定期間の平均あるいは数回の移動平均をして電圧値を確定するなどの平均値化により検出する。さらに電圧レベルを286Vより高めに設定し、1秒以上、平均値が330V以下となった場合に、運転制御手段19に連系遮断器14を解列させるよう信号を出力するものである。また検出方法として電圧レベルが低下した瞬間から電圧入力間隔を短くして急激な電圧値の変化に対応して検出する方法も考えられる。
ここで、DC/DCコンバータ12の回路動作について簡単に説明する。図2は、本実施の形態の解列システムに用いたDC/DCコンバータ12の回路の一例を示している。
まず、燃料電池11から直流20Vの電圧が入力され、FETあるいはIGBT等の大電流制御用半導体のフルブリッジ回路で構成された高周波スイッチングによるコンバータ1ドライブ回路、高周波トランス、ダイオードのブリッジ回路で構成された高周波整流ブリッジ回路、FET、ダイオード等にて構成されたコンバータ2ドライブ回路(高周波直並列回路)を経て、直流380V〜400V程度まで昇圧される。
ここで、コンバータ1ドライブ回路へは、運転制御手段19によりコンバータ1ドライブ信号発生回路からPWM信号としてDUTY比を調整して出力されるドライブ信号をコンバータ1ドライブ回路に出力することにより制御され、同様にコンバータ2ドライブ回路へは、運転制御手段19によりコンバータ2ドライブ信号発生回路からのPWMドライブ信号をコンバータ2ドライブ回路に出力することにより制御される。コンバータ1ドライブ回路およびコンバータ2ドライブ回路へのドライブ信号は、それぞれ回路構成が異なることから明らかなように、異なるPWM信号が個々にDUTY比を調整しながら出力されるものである。
さらに、ここで、インバータ13の出力制御動作について簡単に説明する。図3は、実施の形態の解列システムに用いたインバータ13の回路の一例を示している。
インバータ13の内部回路は、主としてスイッチング素子A〜Dのブリッジ回路により構成されるインバータドライブ回路であり、スイッチング素子はFETあるいはIGBT等の大電流制御用半導体で構成される。
通常時のインバータ出力制御動作としては、スイッチング素子Aとスイッチング素子DがONしたとき、交流正弦波形の最初の半周期分、上半分(半波)が出力され、スイッチング素子Bとスイッチング素子CがONしたとき、交流正弦波形の残りの半周期分、下半分(半波)が出力されることになり、交流正弦波形の波形成形が行われることになる。このスイッチング素子A〜DをON/OFFする制御は、運転制御手段19により、ドライブ信号発生回路からのPWM信号としてDUTY比を調整して出力されるドライブ信号をインバータドライブ回路に出力することにより制御されることになる。
このスイッチング素子A〜Dのブリッジ回路により、直流400V程度の電力を交流200Vに直流交流変換して、交流200Vの電流を出力するものである。ここでは、1000W出力すると仮定した場合、交流200Vの系統電源電圧に位相を同期させて、1000W÷200V=5A程度の交流電流を出力することになる。
今回電圧検出手段として、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18は、DC/DCコンバータ12の出力端、つまりインバータ13の入力端とした。ここでインバータ13の出力端において電圧検出することも考えられるが、インバータ13の出力端は、DC/DCコンバータ12の出力電圧値にかかわらず、連系遮断器14を挟んで系統電源と同電位であるため、DC/DCコンバータ12の故障等による電圧低下を検出することができない。ここでの電圧検出手段の目的は、燃料電池11からDC/DCコンバータ12を経て形成、昇圧される直流電圧が低下するのをいち早く検出することである。
以上のように本実施の形態の解列システムは、燃料電池11が発電した直流電力を昇圧するDC/DCコンバータ12と、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電力を交流電力に変換するインバータ13と、インバータ13で変換された交流電力を系統電源に連系するための連系遮断器14と、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電力をヒータ17で熱に変えて消費するための余剰コンバータ16と、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧を検出するDC/DCコンバータ出力電圧検出手段18と、燃料電池11とDC/DCコンバータ12とインバータ13と余剰コンバータ16を制御する運転制御手段19とを備え、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が、インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V(平均値)以下になると運転制御手段19が連系遮断器14を解列させるよう構成した解列システムである。
上記構成において、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V(平均値))を超えた電圧であるときは、インバータ13の出力側と系統電源とが連系遮断器14により接続されており、インバータ13で変換された交流電力を系統電源に連系している。このとき、インバータ13で変換された交流電力の電圧は、系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)であるので、系統電源側からヒータ17に向かってインバータ13内部に逆流が発生することはない。
そして、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V(平均値))以下になると、運転制御手段19は、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V(平均値))以下になったことをDC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の検出電圧により検知し、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させる。
そのため、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V(平均値))以下に低下した場合に、運転制御手段19が連系遮断器14を解列することにより、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピー
ク値(286V)より低下する前に、運転制御手段19が確実に連系遮断器14を解列させることができるので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値(286V)より低下した場合に、系統電源側からヒータ17に向かってインバータ13内部に逆流が発生することによるインバータ13の内部回路の破壊を防止することが可能となる。
また、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18は、電圧を平均値化して検出するので、電圧変動の影響を受けにくくなるため、電圧の検出精度を高くすることができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における解列システムの構成を示すブロック図である。図4に示す本実施の形態において、図1に示す実施の形態1と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。
図4において、電圧比較判定手段20は、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が系統電源の電圧のピーク値より低い所定電圧以下になると連系遮断器14に対して連系遮断器14を解列させる信号を出力するもので、FET、コンパレータ、ワンショットトリガ回路などのハード的な部品で構成される。
本実施の形態は、実施の形態1における解列システムの構成に加えて、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V)以下になると、連系遮断器14に対して連系遮断器14を解列させる信号を出力する電圧比較判定手段20を設け、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させる信号を連系遮断器14に出力せず、連系遮断器14が、運転制御手段19からの連系遮断器14を解列させる信号の代わりに、電圧比較判定手段20からの連系遮断器14を解列させる信号により解列するようにしたものであり、その他の構成は、実施の形態1における解列システムの構成と同様である。
上記構成において、電圧比較判定手段20は、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の検出電圧を、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V)と比較する。そして、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V)以下になると、電圧比較判定手段20は、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の検出電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V)以下になったと判定して、連系遮断器14に対して連系遮断器14を解列させる信号を出力する。すると、その信号により連系遮断器14が解列する。
実施の形態1の解列システムのように、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させる場合は、検出のための電圧値が確定するまでに時間を要するので、比較の対象となる所定電圧は286Vより高めに設定され、1秒以上、平均値が330V以下となった場合に所定電圧以下となったと判断したが、電圧比較判定手段20はハード的に信号を出力するので、瞬時値330V以下となった場合に所定電圧以下となったと判断し、連系遮断器14に早めに解列するよう信号を出力することが可能である。
本実施の形態では、運転制御手段19を通さずにハード的に連系遮断器14を解列させるので、実施の形態1より短い時間で、早く連系遮断器を解列させることができるため、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧(インバータ13の出力電圧を系統電源の電圧と略同じ電圧(200V)にするための予め設定された電圧範囲(380〜400V)の最低値(380V)より低く系統電源の電圧のピーク値(286V)より高い330V)以下に低下した場合に、電圧比較判定手段20が連系遮断器14に対して連系遮断器14を解列させる信号を出力し、その信号により連系遮断器14が解列するので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値(286V)より低下する前に、実施の形態1の解列システムより短い時間で、早く連系遮断器14を解列させることができる。
したがって、運転制御手段19を通さず、より短い時間で、ハード的に連系遮断器14を解列させるので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値(286V)より低下した場合に、系統電源側からヒータ17に向かってインバータ13内部に逆流が発生することによるインバータ13の内部回路の破壊を、実施の形態1の解列システムより短時間で高い精度で防止することが可能となり、逆流によるインバータ13の内部回路の破壊防止の信頼性が向上する。
なお、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させる場合よりも早く対応できることを考慮して、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の検出電圧が、295V程度に低下して初めて連系遮断器14を解列するよう信号を出力してもよい。
また、本実施の形態では、余剰コンバータ16が、連系遮断器14の解列時にDC/DCコンバータ12で昇圧された直流電力をヒータ17で熱に変えて消費するように構成している。
発電時において連系遮断器14が解列された場合、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した直流電圧値が所定電圧以下になっているとはいえ、依然として燃料電池11による発電により直流電力は発生しているので、この直流電力を消費する必要がある。これは、燃料電池11では都市ガス等から改質して得られた水素と空気中の酸素との化学反応で発電しているため、連系遮断器14の解列に合わせて、運転制御手段19が燃料電池11の発電動作を直ちに停止させようとしても、燃料電池11が、すぐには発電を停止することができないためである。
本実施の形態は、余剰コンバータ16が、連系遮断器の解列時にDC/DCコンバータ12で昇圧された直流電力をヒータ17で熱に変えて消費することにより、連系遮断器14の解列時に、水をヒータ17で加熱して温水にすることができ、特に、燃料電池11で発生する廃熱を回収し、温水として貯える貯湯タンクを備える解列システムでは、ヒータ17で加熱して得られた温水を貯湯タンクに貯めるようにして、必要時に温水を利用することができ、燃料電池11にて発電された直流電力を安全に無駄なく消費することが可能となる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態3における解列システムの構成を示すブロック図である。図5に示す本実施の形態において、図1に示す実施の形態1と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。
図5において、異常報知手段21は、運転制御手段19からの信号により、解列システムが異常状態であることを報知するためのもので、DC/DCコンバータ出力電圧検出手
段18により検出した電圧が所定電圧以下になる場合は、運転制御手段19からの信号により、電圧異常を知らせる。
異常報知手段21は、LED、LCD、蛍光表示管等のリモコン表示を例とした表示装置およびブザー、チャイム、音声合成等の報知装置で構成される。また電話回線やPHSなど通信手段を利用して発報などを行えば、異常報知手段21は遠隔地などのサービス会社に設けることも可能で、その都度現地に出向いて確認する必要もない。また異常報知の履歴をメモリ等に蓄積して後で閲覧できるようにしてもよい。
具体的に表示内容としては、例えば「DC/DCコンバータ出力電圧低下異常」という文字、あるいは「C1F」というアルファベット文字を数字の組み合わせた表示形式でもよい。報知内容としては、「ただいまDC/DCコンバータ出力電圧低下異常を検出しました」という音声でのお知らせや、「ピー」や「ブー」等のブザー音や「ピンポン」等のチャイムでもよい。
本実施の形態は、実施の形態1における解列システムの構成に、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になると電圧異常を知らせる異常報知手段21を備えたものであり、その他の構成は、実施の形態1における解列システムの構成と同様である。
かかる構成によれば、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になると、異常報知手段21が電圧異常を知らせるので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が低下したことを利用者に知らせることができ、また、DC/DCコンバータ12の出力電圧が低下した原因を特定しやすくなり、サービスマンによる修理、部品の交換がより迅速、的確に実施されることになる。異常報知手段21がサービス会社にも電圧異常を知らせるものである場合は、遠隔地のサービス会社などにも素早く情報の伝達が可能となり、迅速で的確な対応が可能となる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の実施の形態4における解列システムの構成を示すブロック図である。図6に示す本実施の形態において、図4に示す実施の形態2と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。
図6において、異常報知手段21は、運転制御手段19からの信号により、解列システムが異常状態であることを報知するためのもので、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になる場合は、運転制御手段19からの信号により、電圧異常を知らせる。
異常報知手段21は、LED、LCD、蛍光表示管等のリモコン表示を例とした表示装置およびブザー、チャイム、音声合成等の報知装置で構成される。また電話回線やPHSなど通信手段を利用して発報などを行えば、異常報知手段21は遠隔地などのサービス会社に設けることも可能で、その都度現地に出向いて確認する必要もない。また異常報知の履歴をメモリ等に蓄積して後で閲覧できるようにしてもよい。
具体的に表示内容としては、例えば「DC/DCコンバータ出力電圧低下異常」という文字、あるいは「C1F」というアルファベット文字を数字の組み合わせた表示形式でもよい。報知内容としては、「ただいまDC/DCコンバータ出力電圧低下異常を検出しました」という音声でのお知らせや、「ピー」や「ブー」等のブザー音や「ピンポン」等のチャイムでもよい。
本実施の形態は、実施の形態2における解列システムの構成に、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になると電圧異常を知らせる異常報知手段21を備えたものであり、その他の構成は、実施の形態2における解列システムの構成と同様である。
かかる構成によれば、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になると、異常報知手段21が電圧異常を知らせるので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が低下したことを利用者に知らせることができ、また、DC/DCコンバータ12の出力電圧が低下した原因を特定しやすくなり、サービスマンによる修理、部品の交換がより迅速、的確に実施されることになる。異常報知手段21がサービス会社にも電圧異常を知らせるものである場合は、遠隔地のサービス会社などにも素早く情報の伝達が可能となり、迅速で的確な対応が可能となる。
(実施の形態5)
図7は、本発明の実施の形態5における解列システムの構成を示すブロック図である。図7に示す本実施の形態において、図1に示す実施の形態1と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。
図7において、燃料電池出力電圧検出手段22は、燃料電池11の出力側つまりDC/DCコンバータ12の入力側に接続され、燃料電池11からの出力電圧を検出するものである。そして、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が、正常時の燃料電池11の出力電圧より低い所定電圧以下になる場合に、運転制御手段19からの信号により、連系遮断器14が解列するよう構成したものであり、その他の構成は、実施の形態1における解列システムの構成と同様である。
前述したように、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の場合は、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が、実際は、系統電圧ピーク値の286Vより高めに設定され、1秒以上、平均値が330V以下となった場合に、連系遮断器14を解列させるように設定されていたが、燃料電池出力電圧検出手段22は、燃料電池11の出力側つまりDC/DCコンバータ12で昇圧される前の電圧であるので、通常は20V前後であるが、これも直流とはいえ実際の波形は最大2V程度のリップルを持った電圧波形であるので、0.3秒以上、平均値が16.9V以下となった場合に連系遮断器14を解列させるように設定されている。
つまり、これが意味するところは、燃料電池11の出力側で0.3秒以上、平均値が16.9V以下となった場合は、どちらが先に発生するかによらず、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が1秒以上、平均値が330V以下となる可能性があることを示している。
またDC/DCコンバータ12の内部回路が故障している場合があるので、逆に、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が1秒以上、平均値が330V以下になった場合は、必ずしも燃料電池11の出力側で0.3秒以上、平均値が16.9V以下となっているとは限らない。
この燃料電池出力電圧検出手段22とDC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の両方にて検出することにより、さらに高い信頼性にて電圧低下を検出できるものである。
もちろん、あくまでDC/DCコンバータ12の故障率が低く、信頼性が高いことが前提であれば、電流の流れの上流に位置する燃料電池出力電圧検出手段22のみでも電圧低下の検出は可能である。
検出後は前述したように、図7に示すように、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させる。
以上のように本実施の形態の解列システムは、実施の形態1における解列システムの構成に加えて、燃料電池11の出力電圧を検出する燃料電池出力電圧検出手段22を備え、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が、正常時の燃料電池の出力電圧(20V前後)より低い所定電圧(16.9V)以下になる場合にも、運転制御手段19が連系遮断器14を解列するよう構成したものであり、燃料電池11の出力電圧が、正常時の燃料電池11の出力電圧(20V前後)より低い所定電圧(16.9V)以下になった場合に、運転制御手段19が、そのことを燃料電池出力電圧検出手段22の検出電圧により検知し、運転制御手段19が連系遮断器14に送った信号により、連系遮断器14が解列する。
そのため、燃料電池11の出力電圧の低下が原因で、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧以下に低下した場合に、燃料電池11の出力電圧が、正常時の燃料電池11の出力電圧より低い所定電圧以下になったことを検知して、運転制御手段19が連系遮断器14を解列することにより、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下する前に、運転制御手段19が連系遮断器14を解列させることができるので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下した場合に、系統電源側からヒータ17に向かってインバータ13の内部に逆流が発生することによるインバータ13の内部回路の破壊を防止することが可能となる。
また、DC/DCコンバータ12と燃料電池11の両方の出力電圧で、DC/DCコンバータ12出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下してインバータ13内部に逆流が発生する異常を事前に検知して、運転制御手段19が連系遮断器14を解列することができ、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18側の検出(検知)と、燃料電池出力電圧検出手段22側の検出(検知)のどちらか早いほうで、運転制御手段19が連系遮断器14を解列することにより、より早く確実に直流電圧の低下を検出可能となり、インバータ13の内部回路の安全性が高まることになる。
また、燃料電池出力電圧検出手段22は、電圧を平均値化して検出するので、電圧変動の影響を受けにくくなるため、電圧の検出精度を高くすることができる。
(実施の形態6)
図8は、本発明の実施の形態6における解列システムの構成を示すブロック図である。図8に示す本実施の形態において、図4に示す実施の形態2と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。
図8において、燃料電池出力電圧検出手段22は、燃料電池11の出力側つまりDC/DCコンバータ12の入力側に接続され、燃料電池11からの出力電圧を検出するものである。そして、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が、正常時の燃料電池11の出力電圧より低い所定電圧以下になる場合に、電圧比較判定手段20からの信号により、連系遮断器14が解列するよう構成したものであり、その他の構成は、実施の形態2における解列システムの構成と同様である。
前述したように、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の場合は、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が、実際は、系統電圧ピーク値の286Vより高めに設定され、1秒以上、平均値が330V以下となった場合に、連系遮断器14を解列させるように設定されていたが、燃料電池出力電圧検出手段22は、燃料電池11の出力側
つまりDC/DCコンバータ12で昇圧される前の電圧であるので、通常は20V前後であるが、これも直流とはいえ実際の波形は最大2V程度のリップルを持った電圧波形であるので、0.3秒以上、平均値が16.9V以下となった場合に連系遮断器14を解列させるように設定されている。
つまり、これが意味するところは、燃料電池11の出力側で0.3秒以上、平均値が16.9V以下となった場合は、どちらが先に発生するかによらず、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が1秒以上、平均値が330V以下となる可能性があることを示している。
またDC/DCコンバータ12の内部回路が故障している場合があるので、逆に、DC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が1秒以上、平均値が330V以下になった場合は、必ずしも燃料電池11の出力側で0.3秒以上、平均値が16.9V以下となっているとは限らない。
この燃料電池出力電圧検出手段22とDC/DCコンバータ出力電圧検出手段18の両方にて検出することにより、さらに高い信頼性にて電圧低下を検出できるものである。
もちろん、あくまでDC/DCコンバータ12の故障率が低く、信頼性が高いことが前提であれば、電流の流れの上流に位置する燃料電池出力電圧検出手段22のみでも電圧低下の検出は可能である。
検出後は前述したように、図8に示すように、電圧比較判定手段20からの信号により、連系遮断器14が解列する。
以上のように本実施の形態の解列システムは、実施の形態2における解列システムの構成に加えて、燃料電池11の出力電圧を検出する燃料電池出力電圧検出手段22を備え、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が、正常時の燃料電池の出力電圧(20V前後)より低い所定電圧(16.9V)以下になる場合にも、電圧比較判定手段20からの信号により、連系遮断器14が解列よう構成したものであり、燃料電池11の出力電圧が、正常時の燃料電池11の出力電圧(20V前後)より低い所定電圧(16.9V)以下になった場合に、電圧比較判定手段20が、そのことを燃料電池出力電圧検出手段22の検出電圧により検知し、電圧比較判定手段20が連系遮断器14に送った信号により、連系遮断器14が解列する。
そのため、燃料電池11の出力電圧の低下が原因で、DC/DCコンバータ12の出力電圧が、所定電圧以下に低下した場合に、燃料電池11の出力電圧が、正常時の燃料電池11の出力電圧より低い所定電圧以下になったことを検知して、電圧比較判定手段20が連系遮断器14に送った信号により、連系遮断器14が解列することにより、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下する前に、電圧比較判定手段20が連系遮断器14を解列させることができるので、DC/DCコンバータ12の出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下した場合に、系統電源側からヒータ17に向かってインバータ13の内部に逆流が発生することによるインバータ13の内部回路の破壊を防止することが可能となる。
また、DC/DCコンバータ12と燃料電池11の両方の出力電圧で、DC/DCコンバータ12出力電圧が系統電源電圧のピーク値より低下してインバータ13内部に逆流が発生する異常を事前に検知して、電圧比較判定手段20が連系遮断器14を解列することができ、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18側の検出(検知)と、燃料電池出力電圧検出手段22側の検出(検知)のどちらか早いほうで、電圧比較判定手段20が連系
遮断器14を解列することにより、より早く確実に直流電圧の低下を検出可能となり、インバータ13の内部回路の安全性が高まることになる。
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7における解列システムの構成を示すブロック図である。図9に示す本実施の形態において、図5に示す実施の形態3または図7に示す実施の形態5と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。本実施の形態は、実施の形態3と実施の形態5を組み合わせたものである。
図9において、異常報知手段21は、実施の形態3で前述したように解列システムが異常状態であることを報知するためのもので、LED、LCD、蛍光表示管等のリモコン表示を例とした表示装置およびブザー、チャイム、音声合成等の報知装置で構成される。
ここで、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になる場合と、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が所定電圧以下になる場合に、それぞれの電圧異常を知らせる異常報知手段21を備える。
DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になる場合、つまりDC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が、実際は1秒以上、平均値が330V以下となった場合に、DC/DCコンバータ出力電圧低下異常となる。
また燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が所定電圧以下になる場合、つまり燃料電池11の出力側の電圧が、実際は0.3秒以上、平均値が16.9V以下となった場合に燃料電池出力電圧低下異常となる。
燃料電池出力電圧低下異常の具体的に表示内容としては、例えば「DC/DCコンバータ出力電圧低下異常」または「燃料電池出力電圧低下異常」という文字、あるいは「C1F」または「C2F」というアルファベット文字を数字の組み合わせた表示形式でもよい。報知内容としては、「ただいまDC/DCコンバータ出力電圧低下異常を検出しました」または「ただいま燃料電池出力電圧低下異常を検出しました」という音声でのお知らせや、「ピー」や「ブー」等のブザー音や「ピンポン」等のチャイムでもよい。また電話回線やPHSなど通信手段を利用して発報などを行えば、異常報知手段21は遠隔地などのサービス会社に設けることも可能で、離れた場所でも異常の有無や種類を知ることが可能で、その都度現地に出向いて確認する必要もない。
以上のように本実施の形態では、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18または燃料電池出力電圧検出手段22の検出電圧が所定電圧以下になる場合に、異常報知手段21が、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18と燃料電池出力電圧検出手段22のどちらの検出電圧が所定電圧以下になったか分かるように電圧異常を知らせるものであり、異常報知手段21の報知内容から、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になったのか、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が所定電圧以下になったのかを判断できるので、直流電圧が低下した原因を複数の中から更に特定しやすくなり、サービスマンによる修理、部品の交換がより迅速、的確に実施されることになる。また遠隔地のサービス会社などにも素早く情報の伝達が可能となる。
(実施の形態8)
図10は、本発明の実施の形態8における解列システムの構成を示すブロック図である。図10に示す本実施の形態において、図6に示す実施の形態4または図8に示す実施の形態6と同じ構成要素については同一符号を用いて、その説明を省略する。本実施の形態は、実施の形態4と実施の形態6を組み合わせたものである。
図10において、異常報知手段21は、実施の形態3で前述したように解列システムが異常状態であることを報知するためのもので、LED、LCD、蛍光表示管等のリモコン表示を例とした表示装置およびブザー、チャイム、音声合成等の報知装置で構成される。
ここで、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になる場合と、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が所定電圧以下になる場合に、それぞれの電圧異常を知らせる異常報知手段21を備える。
DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になる場合、つまりDC/DCコンバータ12で昇圧された直流電圧値が、実際は1秒以上、平均値が330V以下となった場合に、DC/DCコンバータ出力電圧低下異常となる。
また燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が所定電圧以下になる場合、つまり燃料電池11の出力側の電圧が、実際は0.3秒以上、平均値が16.9V以下となった場合に燃料電池出力電圧低下異常となる。
燃料電池出力電圧低下異常の具体的に表示内容としては、例えば「DC/DCコンバータ出力電圧低下異常」または「燃料電池出力電圧低下異常」という文字、あるいは「C1F」または「C2F」というアルファベット文字を数字の組み合わせた表示形式でもよい。報知内容としては、「ただいまDC/DCコンバータ出力電圧低下異常を検出しました」または「ただいま燃料電池出力電圧低下異常を検出しました」という音声でのお知らせや、「ピー」や「ブー」等のブザー音や「ピンポン」等のチャイムでもよい。また電話回線やPHSなど通信手段を利用して発報などを行えば、異常報知手段21は遠隔地などのサービス会社に設けることも可能で、離れた場所でも異常の有無や種類を知ることが可能で、その都度現地に出向いて確認する必要もない。
以上のように本実施の形態では、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18または燃料電池出力電圧検出手段22の検出電圧が所定電圧以下になる場合に、異常報知手段21が、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18と燃料電池出力電圧検出手段22のどちらの検出電圧が所定電圧以下になったか分かるように電圧異常を知らせるものであり、異常報知手段21の報知内容から、DC/DCコンバータ出力電圧検出手段18により検出した電圧が所定電圧以下になったのか、燃料電池出力電圧検出手段22により検出した電圧が所定電圧以下になったのかを判断できるので、直流電圧が低下した原因を複数の中から更に特定しやすくなり、サービスマンによる修理、部品の交換がより迅速、的確に実施されることになる。また遠隔地のサービス会社などにも素早く情報の伝達が可能となる。