JP5856515B2 - ホットプレス成形装置及びホットプレス成形方法 - Google Patents

ホットプレス成形装置及びホットプレス成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホットプレス成形装置及びホットプレス成形方法に関する。
焼き入れ性のある鋼材からなるブランクを加熱し、その加熱されたブランクを冷却された金型内に投入するとともに型締めすることにより、急冷して焼き入れしつつ所望の形状に成形するホットプレス成形が知られている。ブランクとして亜鉛めっき鋼材を用いることにより、耐食性に優れるホットプレス成形品を製造することが可能である。
ところが、亜鉛めっき鋼材を900℃程度まで加熱した状態で型締めすると、溶融亜鉛の結晶粒界への進入による粒界割れが発生するという問題がある。この問題を解消するために、亜鉛めっき鋼材を900℃程度まで加熱する加熱設備と、急冷して焼き入れしつつ型締めするホットプレス設備との間に、800℃以下に急冷する急冷設備を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。急冷設備の存在により、溶融亜鉛をなくすことが可能であり、型締め時の粒界割れを抑制し得る。
特開2007−182608号公報
しかしながら、上記従来の技術では、加熱設備とホットプレス設備との間に急冷設備を設ける必要があることから、サイクルタイムが長くなって生産効率が低下するという問題や、設備全体の大型化を招くという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、設備全体の大型化を招くことなく短いサイクルタイムでの成形が可能なホットプレス成形装置及びホットプレス成形方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1の発明は、相対的に近接及び離間可能な上型及び下型と、上型又は下型の一方に形成された凹状成形部と、上型又は下型の他方に形成されて前記凹状成形部に入り込む凸状成形部と、を備え、
加熱されたブランクが当該ブランクよりも低温の前記上型と前記下型との間に配置され、前記上型と前記下型とで型締めされることによって、プレス成形及び焼入れがなされるホットプレス成形装置であって、
前記プレス成形の際に、前記凸状成形部の先端隅部において前記ブランクが最初に曲がるように構成されており、
前記凸状成形部は、本体成形部と、当該本体成形部とは別体で設けられ、前記型締め方向に移動可能な可動成形部とを備えており、
前記可動成形部は、前記上型と前記下型とが離間した状態では前記本体成形部から前記凹状成形部側へ突出した位置に配置されるとともに、前記型締めされた状態では前記本体成形部と一体化された位置に配置されるものであり、
前記先端隅部が前記可動成形部とされていることを特徴とする。
この構成によれば、ブランクを型内に配置してプレス成形を行うことにより、ブランクは凸状成形部と凹状成形部とに挟まれることで変形して同ブランクに凸状及び凹状成形部に合せた曲がり部分が形成されることとなる。ここで、上記プレス成形を行う際には、凸状成形部を構成している本体成形部及び可動成形部のうち後者を、ブランクにおいて最初に曲がる部分に対して他に先駆けて当接させることが可能である。このように最初に曲がる部分について、凸状成形部の先端隅部である可動成形部を予め当接させておくことにより、型締めを行う前に同当接部分の温度を下げることができる。
例えば、ブランクとして亜鉛めっき鋼板等を用いることにより、耐食性に優れるプレス成形品を製造することが可能であるが、めっきされた鋼材を極度に(例えば900℃程度に)加熱した状態で型締めすると、高温下にて鋼板が曲がる際に溶融しためっき(亜鉛めっき鋼板の場合には亜鉛の粒子)が鋼板の結晶粒界へ進入して粒界割れが発生し得る。確かに、ブランク全体がある程度冷却された状態となるまで待ってプレス成形を行うことにより、このような不都合を回避することができるものの、このような対応ではサイクルタイムの短縮の妨げとなり、製造効率が低下し得る。また、製造効率を意識して、急冷設備を設けることによりサイクルタイムの短縮に貢献できるが、これでは設備全体の大型化を招くという問題が生じ得る。
この点、請求項1の発明においては、粒界割れが発生しやすい最初の曲がり部分に、可動成形部を本体成形部に先行してブランクに当接させ、その当接部位とその周辺部位を部分的に冷やすことが可能となる。つまり、型を閉じる際の移行期間内に部分冷却期間を組み込むことができる。これにより、急冷設備を別に設けなくてもブランクに粒界割れが発生することを回避することができ、設備全体の大型化や製造にかかるサイクルタイムの間延びを抑えることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記凸状成形部は下方へ突出するようにして前記上型に設けられており、前記上型と前記下型とが離間した状態では、前記可動成形部は自重により前記突出した位置に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、上型と下型とを開いた状態では、可動成形部が自重で下方へ突出した状態で待機することとなる。このように可動成形部を上型に設けて可動成形部自身の重みを利用して移動させることにより、可動成形部を駆動させるためのアクチュエータ等が不要となり簡易な構成によって請求項1による効果を発揮させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記可動成形部は、冷却用媒体を流通させる流路を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、可動成形部の流路に冷却用媒体を流通させることにより、可動成形部がブランクに当接した際に、その当接箇所及びその周辺部位を効率よく冷やすことが可能となる。これにより、ブランクにおいて最初に曲がる部分の冷却にかかる期間を短くして上記サイクルタイムの短縮に貢献することができる。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つのホットプレス成形装置を用いたホットプレス成形方法であって、
加熱されたブランクを当該ブランクよりも低温の前記上型と前記下型との間に配置し、
その配置状態において、前記可動成形部を前記本体成形部よりも先に前記ブランクに当接させ、
その当接状態から、前記上型及び前記下型の型締めにより、前記本体成形部と前記可動成形部とが一体化された状態で、前記ブランクのプレス成形及び焼入れを行うことを特徴とする。
この成形方法によれば、上記請求項1乃至3のいずれか1つのホットプレス成形装置を用いて、急冷設備を別に設けなくてもブランクに粒界割れが発生することを回避することができ、設備全体の大型化や製造にかかるサイクルタイムの間延びを抑えることができる。その結果、成形コストを低減することができる。
本発明によれば、設備全体の大型化を招くことなく短いサイクルタイムでのホットプレス成形が可能である。
第1の実施の形態におけるホットプレス成形の様子を示す概略図。 第1の実施の形態におけるホットプレス成形の様子を示す概略図。 第1の実施の形態における本体成形部及び可動体の具体例を示す概略図。 第2の実施の形態を示す概略図。
<第1の実施の形態>
以下、図1及び図2に基づいて第1の実施の形態におけるプレス成形用の金型装置の主要な構成及びホットプレス成形の流れについて説明する。
本実施の形態では、金型装置は固定金型11と可動金型12とを有するホットプレス成形装置10として具体化され、このホットプレス成形装置10によって耐食性を有するプレス加工製品を製造することを想定している。
図1(a)は固定金型11及び可動金型12が離間した型開状態を示す概略図、図1(b)は固定金型11及び可動金型12が分離された型開状態にてブランク40が設置された様子を示す概略図、図1(c)は可動金型12が降下してその一部を構成する可動体34がブランク40に当接した状態を示す概略図、図2(d)は可動金型12の降下が継続されることによりブランク40に曲がりが生じた状態を示す概略図、図2(e)は型閉状態となりプレス加工品が完成した状態を示す概略図、図2(f)は型開状態に復帰しプレス加工品が取出された状態を示す概略図である。
図1(a)に示すように、ホットプレス成形装置10は、ボルスタ(台座)に固定された下側金型としての固定金型11と、固定金型11の上方に位置し同固定金型11に近づく側及び遠ざかる側に移動可能(昇降可能)に設けられた可動金型12とを有してなる。これら両金型11、12が型開状態から型閉状態に切り替えられことにより、すなわち型締めされることにより、プレス加工製品が製造されることとなる。
固定金型11にはその上面21から下方へ凹む凹部22が形成されている。凹部22は、型の組合せ方向と直交する方向(詳しくは図1(a)の断面と直交する方向)に延びる溝状をなしており、底部23及びその底部23から上方に起立する壁部24の境界部分と、壁部24及び上面21の境界部分(上方への開口部分)とには、コーナ部25,26が形成されている。
可動金型12には凹部22に対応する形状をなした凸部32が形成されている。凸部32は、可動金型12の下面31から下方に突出しており、ホットプレス成形装置10が型閉状態となることにより凹部22に収容される。
凸部32の両端部、詳しくは型閉状態にて固定金型11のコーナ部25に対峙する部分は、凸部32のベース部分を構成する本体成形部33とは別体で形成された、可動成形部としての可動体34によって構成されている。
可動体34は、可動金型12の移動方向と同じ方向へスライド移動可能(昇降可能)となるようにして、本体成形部33に組み付けられており、型開状態では、自身の移動範囲のうち下限位置へと自重によって降下し、その下限位置にて待機する。一方、可動体34に上方への外力が加わることにより、可動体34は上方へ移動して本体成形部33と一体となった凸部32が形成される。可動体34は、本体成形部33と同じ材質によって形成されており、加熱/冷却の過程にて本体成形部33との境界部位に段差等が生じないように工夫されている。
なお、本実施の形態においては、可動体34の自重による降下をサポートするために、可動体34を下方へ付勢する付勢手段としてのバネ部材35が本体成形部33と可動体34との間に介在されている。
本実施の形態においては、熱間プレスによる焼入れを行うため、各金型11,12には、冷却用媒体が流れる流路28,38が複数形成されている。これら流路28,38はホットプレス成形装置10に設けられた冷却装置(図示せず)に接続され、当該冷却装置にて冷やされた冷却用媒体を金型11,12内にて循環させることで、流路28,38の周辺部分を冷却することが可能となっている。各流路28,38は、両金型11,12においてそれら金型11,12に設けられた相対向する面(プレス面)に沿うようにして複数配設されていることから、ブランク40を急冷するのに適している。ここで、可動金型12に設けられた可動体34にも前記冷却装置に接続される流路39が形成されており、可動体34の温度も十分に下げられている。
次に、ホットプレス成形の流れについて説明する。ホットプレス成形を行う場合には、図1(a)→図1(b)→図1(c)→図2(d)→図2(e)→図2(f)の順にホットプレス成形装置10が動作することとなる。なお、図1(b)及び図1(c)では、固定金型11の上面21にブランク40が面接触した状態で描かれているが、実際には、ブランク40は固定金型11の上面21に設けられた複数の突起(図示略)により点接触で支持されている。すなわち、突起(図示略)は、ばね部材を備えており、固定金型11の上面21に対して出没自在に構成された可動式のものとなっている。
まず、図1(a)に示すように可動金型12を上方へと移動させ、型開状態へと切り替える。この状態では、可動体34は本体成形部33から下方へ離間した位置にある。型開状態において、図1(b)に示すようにブランク40を固定金型11の上面21に配置する。ここで、本実施の形態ではブランク40として亜鉛めっき鋼板が使用されており、ブランク40は別途設けられた加熱設備によって900℃程度まで加熱され、その加熱された状態で固定金型11の上面21に配置されるものである。このとき、ブランク40は自然冷却により800℃程度となっている。
ブランク40の配置を完了した後、図1(c)に示すように可動金型12の降下を開始する。可動金型12が所定位置まで降下すると、まず凸部32を構成する可動体34の先端部分がブランク40に当接する。これにより、ブランク40において可動体34と当接した部分は、型締めが行われるより随分前に、先行して冷却されることとなる。可動金型12が更に降下していっても、本体成形部33と可動体34とが一体となるまでは、可動体34とブランク40との当接部分における冷却は継続されるため、型閉動作中が当接部分の急冷期間として確保されている。この期間の確保によって、可動体34に当接している部位の温度が、粒界割れが発生しない700℃以下であって焼入れが未だ生じない650℃以上となる。また、バネ部材35は下方へ付勢するものであるため、可動体34をブランク40に対し確実に押し当てる機能を有する。
なお、図1及び図2においては、可動体34との先行接触によるブランク40の温度低下の様子をドットハッチングの密度によって概略的に表現している。具体的には、ドットハッチングの密度が低い部分は高い部分よりも温度が低い状態を示している。
可動金型12の降下が継続することで可動体34が上限位置に到達すると、本体成形部33と可動体34との外表面が連続面を形成した一体の状態となる。その後、更に可動金型12の降下が継続されることによって、ブランク40、詳しくは凸部32の可動体34が当接している部分が曲がり始めることとなる(図2(d)参照)。
図2(d)→図2(e)に示すように、可動金型12が下限位置まで降下して型締めが完了した後は、金型11,12に合せてブランク40に複数の曲げられた部分が形成された状態となる。この状態を少しの期間だけ保持することでブランク40全体が650℃以下に急冷され、焼入れされる。
その後、図2(f)に示すように、可動金型12を上昇させて、プレス加工品となったブランク40をホットプレス成形装置10から取り外す。この際、可動金型12の上昇に伴って、可動体34は自重及びバネ部材35の付勢力によって再び下方位置へと降下し、その下方位置にて待機することとなる。
ここで、図3に基づいて、可動体34の昇降を実現するための具体的構成について例示する。図3は凸部32における本体成形部33及び可動体34の組み合わせ構造を示す概略図であり、図3(a)は可動体34が下限位置に待機している状態を示し、図3(b)は可動体34が上限位置に押し上げられた状態を示している。
本体成形部33の先端隅部には、可動体34を収容する収容凹部51が形成されている。収容凹部51において可動体34側を向いた側面52にはその下端位置から可動体34側に突出するようにして返し部53が形成されている。返し部53は、可動体34側に延びる延出部53aと延出部53aから上方に起立する起立部53bとによって構成されている。
起立部53bは側面52と平行となるように形成されており、側面52と所定の間隔を隔てて対向している。可動体34において側面52側を向いている部分にはアーム部61が形成されており、このアーム部61が返し部53内(起立部53bと側面52とによって挟まれた空間)に挿入されている。これにより、可動体34の脱落が規制されるとともに、そのスライド方向が可動金型12の移動方向と同じ方向(上下方向)となるように規定されている。
アーム部61の長さ寸法(上下寸法)は、起立部53bの長さ寸法(上下寸法)よりも長く設定されている。図3(a)に示すように、アーム部61の先端部分が延出部53aに当接した位置が可動体34の下限位置となっており、図3(b)に示すように、可動体34の上面が収容凹部51の天井部54に下方から当接した位置が可動体34の上限位置となっている。
図3(b)に示すように収容凹部51に可動体34が収容された状態では、可動体34の上面及び側面が収容凹部51の天井部54及び側面52に当接した状態となる。これにより、可動体34のコーナ部62等によってブランク40を押した場合に生じる反力は、可動体34から本体成形部33へと伝達され、可動体34の取付部分等に負荷が集中することを回避している。
特に、上記収容状態においては、アーム部61の先端部分と起立部53bとがラップした状態となっており、これらアーム部61や起立部53bが変形することも抑制される。なお、可動体34の上面及び側面が収容凹部51に当接した状態を形成する際、バネ部材35が邪魔にならないように、バネ部材35の圧縮状態において当該バネ部材35全体が収容可能なバネ座58が本体成形部33に形成されている。
以上、詳述した第1の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
ブランク40を型11,12内に配置してホットプレス成形を行うことにより、ブランク40が凸部32と凹部22とに挟まれることで変形し、同ブランク40に凸部32及び凹部22に合せた曲がり部分が形成されることとなる。ここで、上記ホットプレス成形を行う際には、凸部32を構成している本体成形部33及び可動体34のうち後者を、ブランク40においてプレス成形の過程で最初に曲がり得る部分に、先行して当接させることが可能である。このように最初に曲がり得る部分については可動体34を予め当接させておくことにより、型締めを行う前に同部分の温度を下げることができる。
既に説明したように、本実施の形態においてはブランク40として亜鉛めっき鋼板を用いることにより、耐食性に優れるプレス成形品を製造することを想定している。ここで亜鉛めっき鋼板を900℃程度に加熱した後、700℃以下になっていない状態で型締めすると、高温下にて鋼板が曲がる際に溶融亜鉛の粒子が鋼板の結晶粒界へ進入して粒界割れが発生し得る。
ブランク40全体がある程度冷却された状態となるまで待ってプレス成形を行うことにより、溶融亜鉛の粒子が鋼板の結晶粒界へ進入することを回避できるものの、このような対応ではサイクルタイムの短縮の妨げとなり、製造効率が低下し得る。また、急冷設備を設けることによりサイクルタイムの短縮に貢献できるが、これでは設備全体の大型化を招くという別の問題が生じ得る。
この点、本実施の形態においては、粒界割れが発生しやすい曲がり部分については可動体34を本体成形部33に先行してブランク40に当接させて、その当接部位と当該当接部位の周辺を部分的に冷やす構成としている。つまり、型を閉じる際の移行期間内に部分冷却期間を組み込むことができる。これにより、ブランク40に粒界割れが発生することを回避しつつ、それに起因した設備全体の大型化や製造にかかるサイクルタイムの間延びを抑えることができる。
また、ホットプレス成形装置10を型開状態としている場合には、可動体34が自重で自身の移動範囲のうち下限位置に待機することとなる。また、そのサポートとしてバネ部材35を設けているだけである。その結果、可動体34を降下させるためのアクチュエータが不要となりホットプレス成形装置10の複雑化を好適に抑制することができる。
また、可動体34には、冷却用媒体を流通させる流路28が形成されている。かかる構成によれば、可動体34がブランク40に当接した際に、その当接箇所及びその周辺部位を効率よく急冷することが可能となる。これにより、ブランク40において最初に曲がる部分の冷却に要する期間を短くして上記サイクルタイムの短縮に貢献することができる。
可動体34には、型締めを行う際にコーナ部62に大きな反力が加わることとなる。当該押圧時には可動体34が本体成形部33に対して下方及び側方から当接した状態となるため、上記反力を本体成形部33へと伝播させて分散させることにより、本体成形部33や可動体34が変形したり破損したりすることがない。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態においては、本体成形部33に設けられた返し部53と可動体34に設けられたアーム部61に可動体34を昇降させる際のガイド機能を付与したが、本実施の形態においては、ガイド機能を付与するための構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図4を参照して可動体34Aのガイド機能を付与する構成を説明する。図4は本体成形部33A及び可動体34Aの組み合わせ構造を示す概略図である。なお、ガイド部分以外の各種構成については、基本的に第1の実施の形態と同様となっているため説明を省略する。
本体成形部33Aに形成された収容凹部51Aには、レール部材55Aが設けられている。レール部材55Aは、本体成形部33と同じ材質となっており、収容凹部51Aの側面52Aに固定されている。
一方、可動体34において側面52Aと対向している部分には、レール部材55Aを収容可能な収容溝65Aが形成されている。この収容溝65Aは、側面52A及び上方に開放されている一方、下方は閉じている。また、収容溝65A内にレール部材55Aが収まることで、レール部材55Aとブランク40との接触が回避されている。
レール部材55Aには可動金型12Aの移動方向(上下方向)と同じ方向に延びる溝部56Aが形成されており、可動体34Aの収容溝65Aにはこの溝部56Aに係合するスライダ66Aが固定されている。つまり、溝部56Aによってスライダ66Aの移動方向が上下方向となるように規制されている。スライダ66Aについても、レール部材55Aと同様の素材によって構成されており、上記係合が熱による収縮/膨張によって強くなったり弱くなったりすることが抑えられている。
レール部材55Aの下端部には、スライダ66Aのそれ以上の降下を阻止するストッパ57Aが形成されており、図4(a)に示すように、スライダ66Aがストッパ57Aに当接した位置が可動体34Aの下限位置となっている。
一方、レール部材55Aの上端部には、スライダ66Aの上方への移動を阻止するストッパに相当するものは存在せず、第1の実施の形態と同様に可動体34Aの上面が収容凹部51Aの天井部54Aに下方から当接することで、それ以上の上方への移動が阻止されることとなる(図4(b)参照)。
なお、本実施の形態においては、レール部材55A及びスライダ66Aという可動体34Aの移動専用の構成を採用することにより可動体34Aの自重をより効率よく利用することが可能となっている。これにより可動体34Aの円滑な移動が担保されているため、第1の実施の形態にてサポート機能を有していたバネ部材35については省略している。
<その他の実施の形態>
以上説明した各実施の形態の他、例えば次のように実施してもよい。なお、以下の各実施の形態を上記各実施の形態における構成に対して個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)上記各実施の形態においては、「上型」を可動金型12とし、「下型」を固定金型11としたが、どちらを固定金型/可動金型とするかは任意である。つまり、「上型」を固定金型とし、「下型」を可動金型としてもよい。
(2)上記実施の形態においては「上型」としての可動金型12に「凸状成形部」としての凸部32を設け「下型」としての固定金型11に「凹状成形部」としての凹部22を設けたが、凸部と凹部との関係についても逆としてもよい。すなわち、下型に凸部を設け、凸部を構成する可動体34については付勢手段としてのバネ部材等によって上方(上限位置)に付勢する構成とすることも可能である。
(3)上記各実施の形態においては、「可動成形部」としての可動体34を上限位置から下限位置へと復帰させるために、主として可動体34の自重を利用したが、少なくとも下限位置への復帰を可能とすることができるのであれば、必ずしも自重を利用する必要はない。例えば、磁力を利用してもよいし、可動体34を移動させるためのアクチュエータ等の駆動装置を利用することも可能である。
10…ホットプレス成形装置、11…下型としての固定金型、12…上型としての可動金型、22…凹状成形部としての凹部、32…凸状成形部としての凸部、33…本体成形部、34…可動成形部としての可動体、38…流路、40…ブランク。

Claims (4)

  1. 相対的に近接及び離間可能な上型及び下型と、上型又は下型の一方に形成された凹状成形部と、上型又は下型の他方に形成されて前記凹状成形部に入り込む凸状成形部と、を備え、
    加熱されたブランクが当該ブランクよりも低温の前記上型と前記下型との間に配置され、前記上型と前記下型とで型締めされることによって、プレス成形及び焼入れがなされるホットプレス成形装置であって、
    前記プレス成形の際に、前記凸状成形部の先端隅部において前記ブランクが最初に曲がるように構成されており、
    前記凸状成形部は、
    本体成形部と、
    当該本体成形部とは別体で設けられ、前記先端隅部を構成し、前記型締め方向に移動可能な可動成形部と
    を備えており、
    前記可動成形部は、前記上型と前記下型とが離間した状態では前記本体成形部から前記凹状成形部側へ突出した位置に配置されるとともに、前記型締めされた状態では前記本体成形部と一体化された位置に配置されるものであり、
    前記可動成形部を前記本体成形部よりも先に前記ブランクに当接させた状態から前記上型と前記下型とを近づけることにより前記可動成形部を前記一体化された位置へ配置し、前記可動形成部が前記一体化された位置へ配置された状態にて前記上型と前記下型とを更に近づけることにより、前記ブランクにおいて前記可動形成部が当接している部分を曲げる構成となっていることを特徴とするホットプレス成形装置。
  2. 前記凸状成形部は下方へ突出するようにして前記上型に設けられており、前記上型と前記下型とが離間した状態では、前記可動成形部は自重により前記突出した位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載のホットプレス成形装置。
  3. 前記可動成形部は、冷却用媒体を流通させる流路を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホットプレス成形装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のホットプレス成形装置を用いたホットプレス成形方法であって、
    加熱されたブランクを当該ブランクよりも低温の前記上型と前記下型との間に配置し、
    その配置状態において、前記可動成形部を前記本体成形部よりも先に前記ブランクに当接させ、
    その当接状態から、前記上型前記下型とを近づけることにより前記可動成形部を前記一体化された位置へ配置し、前記可動形成部が前記一体化された位置へ配置された状態にて前記ブランクのプレス成形及び焼入れを行うことを特徴とするホットプレス成形方法。
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