JP2016140893A - 熱間プレス成形装置及び熱間プレス成形方法 - Google Patents

熱間プレス成形装置及び熱間プレス成形方法 Download PDF

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Naoki Kamiya
直樹 神谷
義之 永山
Yoshiyuki Nagayama
義之 永山
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Abstract

【課題】冷却工程を簡素化あるいは廃止し、生産性の向上や装置の小型化を図れる熱間プレス成形装置及び熱間プレス成形方法を提供すること。
【解決手段】位置調整装置61は、型開きによって上型41が下死点から上方へ移動する際に、昇降装置63を駆動して、上型41の上昇動作に合わせて下型42を上方へ移動させている。金属板材11は、上型41に追従して下型42が上昇する間、上型41及び下型42の間に挟まれた状態となり、熱が上型41及び下型42に伝達することによって冷却される。
【選択図】図5

Description

本発明は、加熱処理された金属板材に対してプレス成形を行う熱間プレス成形において、特に、プレス成形後の金属板材を冷却する技術に関する。
従来、プレス成型方法として、金属板材を加熱処理した後にプレス成形する熱間プレス成形方法がある。熱間プレス成形では、加熱処理して軟化させた金属板材を、高温のままでプレス成形し、急冷させることで成形品の硬度を上昇させることが可能となる。例えば、加熱処理した金属板材を搬送しながら、搬送方向に並設させた複数の金型によってプレス成形するトランスファー方式の熱間プレス成形装置がある(例えば、特許文献1など)。特許文献1に開示される熱間プレス成形装置では、第1,第2段目のプレス装置で所定形状にプレス成形した金属板材を、最終段の3段目のプレス装置で冷却処理している。3段目のプレス装置の下型には、水などの冷媒を収容するための収容部が内部に設けられている。また、この下型には、収容部の冷媒を金属板材に供給するための複数の貫通孔が、金属板材との当接面に形成されている。収容部には、冷媒を補充するための供給ポンプが連結されている。供給ポンプは、駆動されることによって、収容部内へ冷媒を供給し、下型にプレスされている金属板材に対して貫通孔から冷媒を供給させる。
特開2007−144495号公報
しかしながら、上記した熱間プレス成形装置において、冷却用の3段目の下型は、内部に収容部が設けられており、又表面を貫通する複数の貫通孔が形成されていることから、プレス成形による反力に耐え得る強度を保つことが困難となる。従って、冷却用の金型はプレス成形に使用し難い。トランスファー方式のプレス成形装置では、成形工程を複数の金型で分担して行うことで生産性の向上を図れる。しかしながら、上記したように複数の金型の中に冷却専用の金型が含まれると、生産性の低下に繋がる。また、冷却専用の金型を設ける必要があるばかりか、収容部に冷媒を供給するためのホースや供給ポンプを設置する必要がある。このため、設置スペースの確保が要求され、装置全体の大型化を招く虞がある。
本願に開示される技術は、上記の課題に鑑み提案されたものである。冷却工程を簡素化あるいは廃止し、生産性の向上や装置の小型化を図れる熱間プレス成形装置及び熱間プレス成形方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る熱間プレス成形装置は、加熱処理された金属板材をプレス成形する熱間プレス成形装置であって、下型と、前記下型との上下方向の間に前記金属板材を挟んでプレス成形する上型と、前記上型を、前記下型に対して昇降動作させる駆動機構と、前記上型が下死点に到達した後、前記駆動機構によって前記上型を前記下死点から上方へ移動させる型開きの際に、前記上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型を他方の金型側から離間しないように前記一方の金型の位置を調整し、前記上型及び下型の間に前記金属板材を挟んだ状態を所定時間だけ保持する位置調整機構と、を備えることを特徴とする。なお、ここでいう「プレス成形」には、金属板材をプレスして塑性変形させる成形に限らず、上型の昇降動作に合わせて金属板材に穴を空けるピアッシングや不要な部分を取り除くトリム処理なども含まれる。
当該熱間プレス成形装置が備える位置調整機構は、上型が下死点に到達した後の型開きを行う際に、上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型を他方の金型から離間しないように位置を調整する。例えば、位置調整機構によって下型の位置を上型に対して調整する場合、型開きによって上型が下死点から上方へ移動する際に、上型の上昇動作に合わせて下型を上型に対して追従させる。上型は、下死点において金属板材を下型とプレス成形する。また、金属板材は、上型が下死点から所定時間だけ上昇する間、上型及び下型の間に挟まれた状態となる。金属板材は、2つの金型に挟まれている間、加熱処理によって付与された熱の一部が金型に伝達することで冷却される。従って、位置調整機構によって下型の位置が調整される所定時間は、金属板材に対する冷却時間となる。金属板材は、所定時間が長くなればなるほど、より冷却されることとなる。
例えば、位置調整を行わない通常動作時と同一のサイクルタイムで上型を昇降動作させた場合、当該熱間プレス成形装置では、下型が上型に追従する時間だけ、通常動作に比べて金属板材を2つの金型で挟んでいる時間、即ち、冷却時間を長めに確保できるようになる。このため、冷却設備等を簡素化、あるいは従来必要であった冷却専用のプレス成形装置などの設備が不要となる。
また、当該熱間プレス成形装置では、上型が下死点に到達した後、型開きを行っている際に冷却処理を行っているため、冷却中は金属板材に対するプレス成形を実施していない。このため、例えば、金属板材の温度がマルテンサイト変態温度(Ms点)以下となった後に、金属板材に対するプレス成形を実施しないことで、成形品の精度を一層確実に確保することが可能となる。
また、例えば、冷却時間を比較した場合、通常動作時は、下死点で挟持する時間だけが冷却時間となる。一方、当該熱間プレス成形装置では、下死点で挟持する時間だけでなく、上型が下死点から上昇する所定時間も冷却時間となる。このため、当該熱間プレス成形装置では、通常動作時に比べてサイクルタイムを短くしても、通常動作時と同一時間だけ冷却時間を確保できる。結果として、サイクルタイムの短縮を図ることが可能となり、生産性を向上させ、成形品の製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、従来、冷却用の金型は、内部に収容部などを設けたため、強度が低下するなどの理由からプレス成形に使用し難かった。これに対し、当該熱間プレス成形装置では、このような金型の形状や内部構造の変更をする必要がなく、冷却に使用する金型をプレス成形にも併用可能であるため、生産性の向上を図ることが可能となる。
また、従来の熱間プレス成形装置において必要であった冷媒を供給するためのホースや供給ポンプ等の設備が不要となり、設置スペースの削減を図り、装置全体の小型化が可能となる。
また、本発明の他の側面に係る熱間プレス成形装置は、請求項1に記載の熱間プレス成形装置であって、搬送される前記金属板材に対して複数回のプレス成形を行う多段の前記上型及び下型を有し、前記位置調整機構は、前記金属板材の搬送方向に対して最も後段となる前記上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型の位置を調整することを特徴とする。
当該熱間プレス成形装置は、いわゆるトランスファー方式の多段のプレス成形装置である。多段のプレス成形装置では、金属板材の成形工程(プレス、ピアッシング、トリムなど)を複数のプレス装置によって分担して行うため、単体のプレス成形装置において金型を交換しながら成形する場合に比べて、生産性の向上を図ることが可能となる。さらに、当該熱間プレス成形装置の位置調整機構は、金属板材の搬送方向において最も後段の金型の位置を調整する。従って、最終段の上型及び下型は、プレス成形しつつ、冷却処理を行う。これにより、高い生産性を維持しつつ、装置の小型化を図ることが可能となる。
また、本発明の他の側面に係る熱間プレス成形装置は、請求項1又は請求項2に記載の熱間プレス成形装であって、前記位置調整機構は、前記下型を移動させて位置を調整するものであり、前記上型と同一速度で前記下型を上方へ移動させることによって位置を調整することを特徴とする。
当該熱間プレス成形装置は、型開きの際に、上方へ移動する上型に追従させるように下型を上方へ移動させる装置である。また、位置調整機構は、上型と同一速度で下型を上方へ移動させる。これにより、上型と下型とで金属板材をより確実に挟持しつつ、効率よく冷却することが可能となる。
また、本発明の一側面に係る熱間プレス成形方法は、下型と、前記下型との上下方向の間に加熱処理された金属板材を挟んでプレス成形する上型と、前記上型を前記下型に対して昇降動作させる駆動機構と、を備える熱間プレス成形装置における熱間プレス成形方法であって、前記上型が下死点に到達するまで下降させ、前記上型と前記下型とでプレス成形することによって前記金属板材を塑性変形させる熱間プレス工程と、前記上型が下死点に到達した後、前記駆動機構によって前記上型を前記下死点から上方へ移動させる型開きの際に、前記上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型を他方の金型側から離間しないように前記一方の金型の位置を調整し、前記上型及び下型の間に前記金属板材を挟んだ状態を所定時間だけ保持させる冷却工程と、を含むことを特徴とする。
つまり、本願に係る発明は、熱間プレス成形装置の発明に限定されることなく、熱間プレス成形方法の発明としても実施し得るものである。この熱間プレス成形方法を用いることで、上記請求項1に記載した熱間プレス成形装置と同様の効果を得ることが可能となる。
本願に開示される技術によれば、冷却工程を簡素化あるいは廃止し、生産性の向上や装置の小型化を図れる熱間プレス成形装置及び熱間プレス成形方法を提供することができる。
本実施形態のトランスファー方式の熱間プレス成形装置を、搬送方向に対して直交する方向から見た模式図である。 第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 比較例の熱間プレス成形装置の構成を説明するための図である。 別例の第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 別例の第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 別例の第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 別例の第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。 別例の第3金型のプレス成形の動作を説明するための部分拡大図である。
以下、本発明に係る熱間プレス成形装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1に示す本実施形態の熱間プレス成形装置10は、加熱処理を施した後の金属板材11(例えば、鋼板)を、図1に示す左から右に向かう矢印の方向へと搬送しながら、複数回に亘ってプレス成形を施すトランスファー方式の熱間プレス成形装置である。熱間プレス成形装置10には、搬送方向に沿って異なる三つの金型13〜15が並設されている。金型13〜15の材料は、例えば、工具鋼、ステンレス鋼やセラミックなどである。以下の説明では、3つの金型を区別するため、搬送方向における1段目から3段目に向かって順に、第1金型13、第2金型14、第3金型15と称して説明する。
熱間プレス成形装置10は、加熱した状態の金属板材11を、1段目の第1金型13で所定形状に成形する。2段目の第2金型14は、第1金型13で成形された金属板材11をピアッシング処理する。3段目の第3金型15は、第2金型14によりピアッシング処理された金属板材11に対し最終的なプレス成形を施すとともに、冷却しつつ焼入れ(クェンチング)を行うようになっている。このように、本実施形態の熱間プレス成形装置10では、熱間プレス成形における一連の工程を、複数の金型13〜15を用いた工程に分割し、金属板材11を搬送しながら連続的に処理することで生産効率の向上を図っている。
第1金型13は、凸形状の上型21及び凹形状の下型22を有している。上型21の下端部には、下方に向かって突出する一対の凸部24が形成されている。また、下型22には、上型21の凸部24の形状に合わせて下方に向かって陥没した凹部26が形成されている。
第2金型14は、凸形状の上型31及び凹形状の下型32を有している。上型21の下端部には、下方に向かって突出する一対の凸部34が形成されている。また、下型32には、上型31の凸部34の形状に合わせて下方に向かって陥没した凹部36が形成されている。一対の凸部34の各々の下面には、金属板材11に対して穴51を開けるためのピアッシング突起部37が、下方に向いた状態で取り付けられている。また、下型32の凹部36には、ピアッシング突起部37の位置に合わせて挿入孔38が設けられている。挿入孔38は、凹部36を上下方向に貫通して形成されている。上型31は、金属板材11が配置された下型32に向かって下降し、ピアッシング突起部37が金属板材11を貫通して挿入孔38に挿入されることによって、金属板材11の所定位置に穴51を開ける。
第3金型15は、凸形状の上型41及び凹形状の下型42を有している。上型41の下端部には、下方に向かって突出する一対の凸部44が形成されている。3段目の凸部44は、下方に向かって突出する高さが、他の上型21,31の凸部24,34に比べて高くなっている。また、下型42には、上型41の凸部44の形状に合わせて下方に向かって陥没した凹部46が形成されている。
また、熱間プレス成形装置10には、金属板材11の搬入、各金型13〜15間の搬送、及び成形品の搬出を行うための搬送装置16が設けられている。金属板材11は、この搬送装置16のフィンガーによって、第1金型13、第2金型14、第3金型15の順に搬送される。
また、3つの上型21,31,41は、駆動装置17の下端部に固定されている。駆動装置17は、熱間プレス成形装置10の制御装置18によって、上下方向に向かって直線動作し、所定のサイクルタイムで昇降する。従って、3つの上型21,31,41は、駆動装置17の昇降動作と同一のサイクルタイムで一体的に昇降動作し、プレス成形を行う。
また、3つの下型22,32,42は、ベース19に対して取り付けられている。1段目の下型22と、2段目の下型32とは、ベース19の上端部に固定されている。3段目の下型42は、ベース19に取り付けられた位置調整装置61によって、所定の高さの初期位置に配置されている。位置調整装置61は、制御装置18の制御に基づいて、上下方向に昇降する昇降装置63を有する。昇降装置63は、例えば、油圧式のシリンダを備えており、シリンダが駆動されることで上下方向に移動する。なお、下型32を昇降させる機構は、油圧式のシリンダに限らず、空気式のシリンダや、シリンダに限らずアクチュエータなどでもよい。本実施形態の熱間プレス成形装置10では、最終工程である3段目の上型41が下死点(最下点の位置)に到達した後、当該凸部44に追従させるように、下型42を上方に向かって移動させることによって冷却処理を行うようになっている。
次に、熱間プレス成形装置10のプレス動作について、特に最終段の第3金型15のプレス動作について詳細に説明する。まず、制御装置18は、所定のサイクルタイムで駆動装置17を上下方向に向かって直線駆動する。駆動装置17が昇降する動作の1サイクルタイムは、例えば、6秒である。また、金属板材11は、図示しない加熱装置の電気加熱炉等によって所定の温度(例えば、900℃)まで加熱される。加熱された金属板材11は、搬送装置16によって第1金型13内に搬入される。金属板材11は、上型21及び下型22によってプレス成形され塑性変形することによって、2つの凹部が成形される。プレス成形された金属板材11は、搬送装置16によって、後段の第2金型14の下型32上に搬送される。
次に、下型32上に載置された金属板材11は、次のサイクルにおいて、上型31のピアッシング突起部37によって穴51が空けられる。穴51が空けられた金属板材11は、搬送装置16によって、後段の第3金型15の下型42上に搬送される。
図2〜図6は、最終工程である第3金型15のプレス動作を示している。なお、図2〜図6は、図面が煩雑となるのを避けるため、金属板材11の図示を省略している。図2に示すように、次のサイクルにおいて、第3金型15の上型41は、駆動装置17の下降動作に合わせて、金属板材11が載置された下型42に向かって下降する。
図3に示すように、上型41は、凸部44の下端が凹部46の上端に近接する位置まで下降する。そして、図4に示すように、上型41が下死点に到達すると、凸部44は、凹部46内に嵌め込まれた状態となる。金属板材11は、上型41の下面と、下型42の上面との間に挟み込まれた状態となる。図2〜図4に示すように、上型41が下死点に到達するまでの間は、位置調整装置61は、駆動されない。このため、下型42は、初期位置に保持された状態となっている。
次に、上型41が下死点まで降下したタイミングに合わせて、制御装置18は、位置調整装置61を駆動し、昇降装置63によって下型42を上昇させる。制御装置18は、図5に示すように、上型41を下死点から上昇させる型開き動作中に、上型41が上昇する速度と同一速度で下型42を上方に向かって移動させる。下型42が上型41に追従して上昇するため、金属板材11は、上型41と下型42とに挟まれた状態が維持される。この間、金属板材11は、上型41と下型42とに挟まれることによって、加熱された熱が上型41及び下型42に伝達することとなり、冷却処理される。従って、金属板材11は、上型41及び下型42に挟持される時間が長くなればなるほど、より冷却されることとなる。
熱間プレス成形する金属板材11の温度は、例えば、以下の温度に設定できる。金属板材11として鋼板を用いる場合、第1金型13によるプレス成形を開始してから、第3金型15の上型41が下死点に到達するまでの間は、金属板材11の温度を、マルテンサイト変態が開始される温度(Ms点)以上に維持することが好ましい。そして、3段目の上型41が下死点から上昇し、それに追従して下型42が上昇する冷却時間中に、金属板材11の温度がMs点以下となることが好ましい。この場合、下死点で最終成形が完了し、互いに上昇する上型41及び下型42によって金属板材11を挟持した状態だけが保たれる。この状態では、好適には、金属板材11は、プレスによる塑性変形が発生しない。加熱処理された金属板材11は、Ms点を下回ると、変態によって硬くなってしまう。つまり、上記設定にすれば、Ms点以下でのプレスによる塑性変形がなくなり、冷却のみを行うことが可能となる。これにより、プレス成形の精度を向上することが可能となり、又遅れ破壊の発生などを抑制することが可能となる。
また、下型42を上型41に追従させる時間は、可能な限り長い時間が好ましいが、一例として、1/6サイクルの時間が設定できる。この場合、1サイクルタイムが6秒であれば、下型42は、その1/6サイクルである1秒間だけ上型41に追従して上昇することとなる。あるいは、下型42を追従させる時間を、上型41のストローク量に対する割合で設定してもよい。例えば、制御装置18は、上型41が下死点から初期位置まで上昇して戻るストローク量の10%だけ、下型42を追従させる制御を実行してもよい。
そして、図6に示すように、制御装置18は、所定の時間だけ、下型42を上昇させた後、上型41の上昇に合わせて、下型42を初期位置まで下降させる。また、下型42に載置された金属板材11のプレス成形品は、搬送装置16によって搬出される。このようにして熱間プレス成形装置10は、金属板材11に対するプレス成形及び冷却処理を実行している。
因みに、駆動装置17は、駆動機構の一例である。位置調整装置61は、位置調整機構の一例である。
以上、上記した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
位置調整装置61は、型開きによって上型41が下死点から上方へ移動する際に、昇降装置63を駆動して、上型41の上昇動作に合わせて下型42を上方へ移動させている。上型41に追従して下型42が上昇する間、金属板材11は、上型41及び下型42の間に挟まれた状態となり、熱が上型41及び下型42に伝達することによって冷却される。ここで、従来の熱間プレス成形装置では、冷却に用いる下型内に冷媒の収容部や、冷媒を外部に排出する貫通孔を設けていた。このため、この下型では、プレス成形による反力に十分耐え得る強度を保つことが困難であった。これに対し、本実施形態の第3金型15の下型42は、このような冷却に必要な収容部や貫通孔が不要となるため、プレス成形による反力に耐え得る強度を確保することが可能となる。従って、第3金型15を、冷却処理のみならず、プレス成形にも併用することで、生産性の向上を図ることが可能となっている。
また、従来の熱間プレス成形装置では、冷媒を供給するためのホースや供給ポンプ等の設備が必要であった。しかしながら、本実施形態の熱間プレス成形装置10では、上記した構成により、このような冷却するための設備が不要となり、設置スペースの削減を図って装置全体の小型化が可能となっている。
また、図6に示すように、制御装置18は、昇降装置63を駆動して、下型42を所定時間だけ上型41に追従させた後、上型41が下型42から離間してさらに上昇する動作中、下型42を初期位置まで下降させる。次のサイクルの開始時には、上型41及び下型42は、互いに初期位置に戻った状態となる。このため、制御装置18は、下型42を上昇させ冷却処理を行う一方で、次のサイクルの開始時までに下型42を初期位置まで戻すことによって、駆動装置17(上型41)を同一のサイクルタイムで昇降動作させることが可能となっている。これにより、3つの上型21,31,41を、同一のサイクルタイムで一緒に昇降動作させることができ、駆動装置17の構造の簡素化を図ることが可能となる。なお、制御装置18は、次のサイクルの開始時に限らず、上型41が下死点に到達するまでに、下型42を初期位置に戻せば、上型41を一定のサイクルタイムで昇降させることが可能となる。
ここで、本願発明の効果をより明確とするため、図7に示す比較例の熱間プレス成形装置71について説明する。図7に示す熱間プレス成形装置71は、上型72と、下型73とを備える。下型73は、上型72の凸形状に合わせて凹設されたダイ74と、ダイ74の凹設部分の底面に下端が接続された弾性体75と、弾性体75の上端に接続されたパッド76とを備える。パッド76は、弾性体75が上下方向に弾性変形することによって、上下方向に変位する。弾性体75は、例えば、バネ、ガスクッション、ウレタンなどである。
このような熱間プレス成形装置10では、プレス成形動作において、まず、上型72が下降して金属板材11の上面に当たる。次に、下型73は、さらに下降する上型72によってパッド76が下方に押されると、弾性体75が収縮しながらパッド76が下死点まで下降する。次に、上型72及びパッド76は、下死点で下げ止まる。次に、下型73は、上型72が下死点から上昇するのに合わせて、弾性体75が延びながらパッド76を上昇させる。従って、金属板材11は、弾性体75が変形する間、上型72とパッド76との間に挟まれた状態となり、冷却されることとなる。また、金属板材11は、上型72の側面と、ダイ74の凹設された部分の内周面との間に挟まれた状態となり、冷却されこととなる。また、上型72が金属板材11に当たってから下死点で下げ止まるまでの間は、金属板材11の塑性変形が発生するため、プレス成形と冷却処理とが同時に行われることとなる。このため、この間に金属板材11の温度がMs点を下回ると、プレス成形の精度の低下や、遅れ破壊の発生などを招く虞がある。
これに対し、本実施形態の第3金型15の上型41は、下死点に到達して初めて金属板材11に当たる。この時、上型41と下型42とで金属板材11をプレス成形する。従って、当該熱間プレス成形装置10では、金属板材11に対して冷却しながらプレス成形を施すことがないため、Ms点を下回った後にプレス成形が実行されるのを防止することが可能となる。その結果、プレス成形の精度の向上や、遅れ破壊の防止を図ることが可能となる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、位置調整装置61を、下型42に取付けたが、上型41に取付けてもよい。図8〜図12は、別例の第3金型15Aのプレス成形の動作を示している。なお、以下の説明では、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を適宜省略する。
図8に示す第3金型15Aは、駆動装置17内に位置調整装置61が設けられている。位置調整装置61は、昇降装置63が上型81に接続されており、昇降装置63を駆動することによって、上型81の上下方向の位置を調整可能となっている。一方、下型82は、ベース19上に固定されている。なお、図8に示す例では、上型81に凹部83が、下型82に凸部84が設けられている。
例えば、制御装置18(図1参照)は、所定のサイクルタイムで駆動装置17を昇降動作せる。搬送装置16は、駆動装置17のサイクルタイムに合わせて、金属板材11を下型82上に搬入する。上型81は、駆動装置17の下降動作に合わせて、下型42に向かって下降し、図9に示すように、凹部83の下端が下型82の凸部84の上端に近接する位置まで下降する。上型81が下降を開始してから、図10に示す下死点に到達するまでの間は、位置調整装置61が駆動されず、上型81は、駆動装置17との上下方向の距離を変えずに一体的に下降する。
次に、図11に示すように、上型81が下死点まで降下したタイミングに合わせて、制御装置18は、位置調整装置61を駆動し、昇降装置63によって上型81を下降させる。好適には、制御装置18は、駆動装置17の上昇速度と同一速度で上型81を下降させる。これによって、上型81は、下死点の位置に止まることとなり、下型82との間に金属板材11を挟んだ状態を維持する。金属板材11は、上型81及び下型82に挟まれることで冷却される。
そして、図12に示すように、制御装置18は、所定の時間だけ、上型81を下降させた後、昇降装置63の下降動作を停止する。上型81は、駆動装置17の上昇に合わせて、一体的に上昇する。さらに、制御装置18は、位置調整装置61を駆動し、昇降装置63によって上型81を駆動装置17側(上方)に移動させる。次のサイクルの開始時には、上型81は、図8に示す初期位置に戻った状態となる。このような構成においても上記実施形態と同様に、製造コストの削減や装置の小型化を図ることが可能となる。
また、上記実施形態において、上型41及び下型42の両方に位置調整装置61を取付けて、両方の位置を調整してもよい。これにより、例えば、上記実施形態のように下型42を上型41に追従させる位置調整を実行した後、さらに、図8に示した第3金型15Aのように上型81を下型82側に移動させる位置調整を実行することによって、より長い冷却時間を確保することが可能となる。
また、上記実施形態では、多段の金型13〜15において、最終段の第3金型15のみに位置調整装置61を設けたが、他の金型13,14に位置調整装置61を設けて冷却処理を実行する構成としてもよい。
また、位置調整を行う金型は、プレスにより金属板材11を塑性変形させる金型に限らず、ピアッシングやトリムを行う金型でもよい。
また、上記実施形態では、位置調整装置61は、下型42を、上型41と同一速度で上昇させたが、これに限らず、例えば、上型41に対して若干早い速度で下型42を上昇させてもよい。
また、上記実施形態では、本願における熱間プレス成形装置として、トランスファー方式の3段のプレス成形装置を採用したが、本願はこれに限らず、2段や4段以上のトランスファー方式のプレス成形装置にも適用でき、あるいは単体のプレス成形装置にも適用できる。
また、上記実施形態において、熱間プレス成形装置10は、位置調整装置61による冷却機構の他に、他の冷却機構、例えば、冷媒を供給する設備が設けられた金型を備える構成でもよい。
10 熱間プレス成形装置
11 金属板材
21,31,41 上型
22,32,42 下型
17 駆動装置(駆動機構)
61 位置調整装置(位置調整機構)

Claims (4)

  1. 加熱処理された金属板材をプレス成形する熱間プレス成形装置であって、
    下型と、
    前記下型との上下方向の間に前記金属板材を挟んでプレス成形する上型と、
    前記上型を、前記下型に対して昇降動作させる駆動機構と、
    前記上型が下死点に到達した後、前記駆動機構によって前記上型を前記下死点から上方へ移動させる型開きの際に、前記上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型を他方の金型側から離間しないように前記一方の金型の位置を調整し、前記上型及び下型の間に前記金属板材を挟んだ状態を所定時間だけ保持する位置調整機構と、
    を備えることを特徴とする熱間プレス成形装置。
  2. 搬送される前記金属板材に対して複数回のプレス成形を行う多段の前記上型及び下型を有し、
    前記位置調整機構は、前記金属板材の搬送方向に対して最も後段となる前記上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型の位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の熱間プレス成形装置。
  3. 前記位置調整機構は、前記下型を移動させて位置を調整するものであり、前記上型と同一速度で前記下型を上方へ移動させることによって位置を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱間プレス成形装置。
  4. 下型と、前記下型との上下方向の間に加熱処理された金属板材を挟んでプレス成形する上型と、前記上型を前記下型に対して昇降動作させる駆動機構と、を備える熱間プレス成形装置における熱間プレス成形方法であって、
    前記上型が下死点に到達するまで下降させ、前記上型と前記下型とでプレス成形することによって前記金属板材を塑性変形させる熱間プレス工程と、
    前記上型が下死点に到達した後、前記駆動機構によって前記上型を前記下死点から上方へ移動させる型開きの際に、前記上型及び下型の2つの金型のうち、少なくとも一方の金型を他方の金型側から離間しないように前記一方の金型の位置を調整し、前記上型及び下型の間に前記金属板材を挟んだ状態を所定時間だけ保持させる冷却工程と、
    を含むことを特徴とする熱間プレス成形方法。
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