JP6619645B2 - ホットプレス装置、及びホットプレス成形方法 - Google Patents

ホットプレス装置、及びホットプレス成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、被加工材の板厚に公差内でのバラツキがあっても均一な冷却による焼入れを行うことのできるホットプレス装置、及びホットプレス成形方法に関する。
近年、自動車等の車両においては、軽量化や衝突安全性向上の観点から高強度鋼板材や高張力鋼板材が積極的に使用されている。しかし、鋼板材の高強度化に伴いプレス成形性が低下し、複雑な形状成形が容易にできなくなるため、最近ではホットプレス(ホットスタンプ)と呼ばれるプレス成形工法も採用されている。
このホットプレス(ホットスタンプ)成形は、素材である被加工材(鋼板材)を略900℃程度のオーステナイト域まで加熱し、被加工材と金型との接触により冷却しながらプレス成形することで焼入れ処理された成形品を形成するものである。
このように、ホットプレス成形では、被加工材を金型に押し当てることで冷却して焼入れするため、加工の際に被加工材と金型との間に空隙が形成されると熱伝達に支障が生じ、焼入れムラが生じ易くなる。しかし、被加工材の板厚にはJIS規格により寸法公差が規定されており、規定された寸法公差の範囲であれば板厚のバラツキは許容される。
図12に示すような被加工材Wをホットプレス加工により、上面部Suと、その両側に連続する縦壁部Ssと、縦壁部Ssの下端に形成されたフランジ部Sfとを有する断面ハット形の成形品Sを形成する場合、図13に示すような上型(ダイ)101と下型(パンチ)102との間に、所定に加熱された被加工材Wを挿入する。次いで、同図(a)に示すように、上型101と下型102とでプレス加工すると共に、所定の冷却速度で冷却して焼入れ処理を行う。
被加工材Wの板厚tには寸法公差が設定されており、従って、板厚tは製造ロット毎に、寸法公差内でバラツキを有している。そのため、ホットプレス成形において所定の冷却速度を担保させるためには、上型と下型とが型締めされて形成されるキャビティの断面厚を、被加工材Wの板厚tに併せて製造ロット毎に調整する必要がある。
しかし、被加工材Wの板厚tのバラツキに併せて、キャビティの断面厚を一々調整することは困難であるため、例えば特許文献1(WO2013/005318号公報)には、上型と下型とで被加工材をホットプレス成形して断面ハット形の成形品を形成するに際し、下型と上型との上部成形面にビードを形成して、接触面積を増加させることで、公差内の板厚のバラツキによって生じる冷却不足を解消する技術が開示されている。
WO2013/005318号公報
ところで、上型と下型とが型締めされて形成されるキャビティの断面厚が、図13(a)に示すように被加工材Wの基準板厚t±0に基づいて設計されていると仮定すると、被加工材Wの板厚tが公差下限で製造されている場合、同図(b)に示すように、成形品Sの縦壁部Ssとなる部位と上型101(或いは下型102)の成形面との間に空隙部Cが形成されてしまう。
一方、この被加工材Wが公差上限の板厚tで製造されている場合、同図(c)に示すように、上型101が下死点に到達せず、成形品Sの上面部Suとなる部位と上型101の成形面との間に空隙部Cが形成されてしまい、更に、両金型101,102の水平下面側に設けた成形面間の間隙hが成形品Sの板厚tよりも広くなってしまう。
その結果、上述した文献に開示されている技術では、被加工材Wの板厚tが公差下限の場合、被加工材Wの水平上面の成形面にビードによって波形部を形成することで水平上面部の冷却不足は解消されるが、図13(b)に示すように、縦壁部Ssの表面に空隙部Cが形成されるため冷却不足が発生し易くなる。
一方、被加工材Wの板厚tが公差上限の場合は、成形品Sの上面部Suとなる部位と上型101の成形面との間に空隙部Cが形成されてしまうため、水平上面にビードによって波形を形成することは困難となる。更に、上型101が下死点に到達しないため、両金型101,102に設けた水平下面側の成形面の間隙hが板厚tよりも広くなり、フランジ部Sfとなる部位に曲げ不良が発生する。又、フランジ部Sfとなる部位が両金型101,102の成形面に接触しないため、充分な冷却速度を担保することができず、焼入れムラが発生してしまう不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、被加工材の板厚に寸法公差内でのバラツキがあっても、成形不良、及び冷却不足が発生せず、充分な冷却速度で焼入れを行うことができて成形品の品質を向上させることのできるホットプレス装置、及びホットプレス成形方法を提供することを目的とする。
本発明の第1は、第1金型と該第1金型方向へ相対移動自在な第2金型とを有し、前記第1金型に、前記第2金型方向に指向する対向パンチ面と該対向パンチ面の両側に形成された縦壁パンチ面とを有する凸状のパンチ本体が設けられ、前記第2金型に前記パンチ本体に対応する凹状のダイが設けられ、前記パンチ本体と前記ダイとで所定温度に加熱された被加工材を挟圧してプレス加工を行うと共に該狭圧状態を保持して焼入れを行うホットプレス装置において、前記パンチ本体が一方の前記縦壁パンチ面を有する第1可動パンチ部と他方の前記縦壁パンチ面を有する第2可動パンチ部とに分割され、前記両可動パンチ部の対向面間に前記両可動パンチ部を互いに離間する方向へ付勢する加圧部材が介装されており、前記両可動パンチ部は前記第1金型と前記第2金型とが型締めされる際に前記加圧部材の付勢力に抗して互いに狭められる方向へ押圧される
本発明の第2は、第1金型と該第1金型方向へ相対移動自在な第2金型とを有し、前記第1金型に、前記第2金型方向に指向する対向パンチ面と該対向パンチ面の両側に形成された縦壁パンチ面とを有する凸状のパンチ本体が設けられ、前記第2金型に前記パンチ本体に対応する凹状のダイが設けられ、前記パンチ本体と前記ダイとで所定温度に加熱された被加工材を挟圧してプレス加工を行うと共に該狭圧状態を保持して焼入れを行うホットプレス成形方法において、前記パンチ本体が一方の前記縦壁パンチ面を有する第1可動パンチ部と他方の前記縦壁パンチ面を有する第2可動パンチ部とに分割されていると共に、前記両可動パンチ部が互いに離間する方向へ加圧されており、前記ダイと前記パンチ本体とを近接させると、該ダイと該パンチ本体に設けた前記対向パンチ面と前記縦壁パンチ面とで前記被加工材が曲げ形成され、型締めされた状態では前記パンチ本体の前記第1可動パンチ部と前記第2可動パンチ部とが前記被加工材の板厚を介して前記ダイからの押圧力により、互いに離間する方向への加圧による付勢力に抗して互いに近接する方向へ移動されて前記ダイと前記両可動パンチ部とで前記被加工材を狭圧保持し、その状態で前記被加工材に焼入れを行う。
本発明によれば、パンチ本体を一方の縦壁パンチ面を有する第1可動パンチ部と他方の縦壁パンチ面を有する第2可動パンチ部とに分割し、両可動パンチ部を互いに離間する方向へ加圧しているので、被加工材の板厚に寸法公差内でバラツキがあった場合、各可動パンチ部が加圧力に抗して移動することで、板厚のバラツキを吸収することができる。その結果、被加工材の板厚に寸法公差内でバラツキがあっても、ダイとパンチ本体とで被加工材を隙間なく狭圧保持することができ、成形不良、及び冷却不足が発生せず、充分な冷却速度で焼入れを行うことができる。その結果、成形品の品質をより向上させることができる。
待機状態にあるホットプレス装置の概略図 上型が下降中途にあるホットプレス装置の概略図 図2のIII部拡大図であり、図5のIII-III相当の断面図 可動パンチの斜視図 図4の右側面図 第1可動パンチ部、及び突き上げカムの斜視図 上型と可動パンチとで被加工材を曲げ加工している状態の図3相当の断面図 標準板厚の被加工を曲げ加工している状態の図5のIX-IX相当の断面図 公差下限の板厚の被加工を曲げ加工している状態の図5のIX-IX相当の断面図 公差上限の板厚の被加工を曲げ加工している状態の図5のIX-IX相当の断面図 変形例による図8相当の断面図 被加工材と、この被加工材を加工して形成した成形品の部分斜視図 従来例を示し、(a)は標準板厚の被加工材を曲げ形成する上型と下型の断面図、(b)公差下限の板厚を有する被加工材を曲げ形成する上型と下型の断面図、(c)公差上限の板厚を有する被加工材を曲げ形成する上型と下型の断面図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1、図2の符号1はホットプレス装置であり、所定サイズに形成され、加熱炉にて所定に加熱された鋼板材等、板状の被加工材(ワーク)Wをホットプレス成形するもので、本実施形態では、図12に示すような断面ハット形の成形品Sを形成する態様を例示している。従って、このホットプレス装置1は、第1金型としての下型2と、これに対応する第2金型としての上型3とが紙面手前から奥の方向へ長く配列されている。
ホットプレス装置1は、ベース4の紙面前後方向に一対のコラム(図示せず)が立設されており、このコラムの対向面に設けられているガイド間にラム5が昇降自在に取付けられている。又、対向一対のコラムの上面に梁部(図示せず)が架設されており、この梁部にラム5を昇降させる昇降手段(図示せず)が固設されている。
又、ラム5の底面に上型ホルダ6が固設されており、この上型ホルダ6に上型定圧保持源7を介して上型3の上面が固設されている。尚、この上型定圧保持源7は、ガススプリング、油圧スプリング、コイルスプリング等を弾発源としている。
図3に示すように、この上型3には、断面ハット形の成形品Sの外面を形成する凹状の上型成形面(ダイ)3aが設けられている。このダイ3aは、上部に設けられて成形品Sの上面部Suを形成する上水平ダイ部3bと、又、その両側に設けられて成形品Sの縦壁部Ssを形成する縦壁ダイ部3cと、更に、開口端に設けられて成形品Sのフランジ部S fを形成するフランジ形成用ダイ部としての下水平ダイ部3dとを有している。又、この上型3の内部に、被加工材Wを所定速度で冷却するための冷却水を循環させる冷却水循環通路3eが各ダイ部3a〜3dに沿い、所定間隔を開けて形成されている。
一方、下型2は上型3の下降方向に対設されている。この下型2は、ベース4上に固設されているボルスタ10に取付けられている。図3に示すように、下型2は、パンチ本体としての凸状の可動パンチ11と、この可動パンチ11の両側、すなわち、成形品Sの縦壁部Ssを形成する面の基部側に配設されている一対のフランジ形成用パッドとしての下型パッド12と、この下型パッド12とボルスタ10との間に介装されている第2加圧源としてのパッド定圧保持源13とを有している。
下型パッド12は可動パンチ11と平行で、且つ、この可動パンチ11と長さ方向で同じ位置に配設されている。又、パッド定圧保持源13は、ダイ3aに設けられている下水平ダイ部3dが成形品Sのフランジ部Sfとなる被加工材Wを下型パッド12へ押圧する際に、一定圧の反力を付与するものであり、ガススプリング、油圧スプリング、コイルスプリング等を弾発源としている。
可動パンチ11は、対称形状をなす第1可動パンチ部14と第2可動パンチ部15とに分割されており、両可動パンチ部14,15がボルスタ10上に、互いに近接離間する方向へ移動可能に載置されている。この両可動パンチ部14,15にて被加工材Wを曲げ形成する際の内面が規制される。又、この各可動パンチ部14,15に、成形面として、成形品Sの上面部Suを形成する対向パンチ面としての上面パンチ部14a,15a、及びこの上面パンチ部14a,15aから裾広がりに所定傾斜を有して連続する縦壁パンチ面としての縦壁パンチ部14b,15bを有している。又、この縦壁パンチ部14b,15bの下部にストッパ受け溝14c,15cが所定間隔を開けて形成されている。
更に、この各可動パンチ部14,15の縦壁パンチ部14b,15bに直交する側の面(縦壁面)14d,15dに、スライドプレート16が水平に突設され、又、両可動パンチ部14,15の対向面14g,15gにカム受面14e,15eが形成されている。図6、図8〜図10に示すように、このカム受面14e,15eは、縦壁パンチ部14b,15b側に、上部から下方へ互いに離間する方向へ傾斜されている。更に、この各可動パンチ部14,15の内部に、被加工材Wを所定速度で冷却するための冷却水を循環させる冷却水循環通路14f,15fが各パンチ部14a〜14b,15a〜15bに沿い、所定間隔を開けてに形成されている。
一方、ボルスタ10には、各可動パンチ部14,15に形成されているストッパ受け溝14c,15cに挿通されるパンチ部ストッパ17(図5のハッチング部)が突設されている。図3に示すように、このパンチ部ストッパ17は、ストッパ受け溝14c,15cの水平方向奥部に掛止して、両可動パンチ部14,15間の水平へ方向の開き幅Lを規制するものである。
すなわち、本実施形態では、上型3に形成されているダイ3aにて成形品Sの外面を形成する際に、両可動パンチ部14,15を水平方向へ移動させることで、被加工材Wの寸法公差内での板厚tのバラツキを吸収するものである。従って、この開き幅Lの最大値は、公差上限で形成されている被加工材Wの板厚tと型締めされて形成されるキャビティの断面厚との差分を吸収できる値に設定されている。又、両可動パンチ部14,15のストッパ受け溝14c,15cがパンチ部ストッパ17にて掛止されている状態では、下型2と上型3とが型締めされて形成されるキャビティの断面厚が、寸法公差下限値を有する被加工材Wの板厚tよりも薄くなるように設定されている。
尚、この開き幅Lは、図面では説明を容易にするためにデフォルメしているが、この開き幅Lの最大値は、被加工材Wの板厚tの寸法公差内でのバラツキを吸収できる値に設定されているため狭く、この開き幅Lによってホットプレス成形に支障をきたすことはない。
更に、図5に示すように、ボルスタ10には、各可動パンチ部14,15の縦壁面14d,15dに突設されているスライドプレート16の上面を掛止して、各可動パンチ部14,15の浮き上がりを規制し、スライド方向への移動のみを許容する逆L字状の押上ストッパ18が固設されている。
又、図6、図8〜図10に示すように、両可動パンチ部14,15の互いに対向する面に形成されているカム受面14e,15e間に、押出部材としての突き上げカム19のカム本体19aが臨まされている。又、このカム本体19aに形成されている先端カム面19bがカム受面14e,15eに摺接されている。
更に、カム本体19aの下部に昇降ロッド19cが一体形成されており、この昇降ロッド19cの下端が、ベース4に立設され、ボルスタ10内に収容されている第1加圧源としてのカム定圧保持源20に支持されている。又、この昇降ロッド19cがボルスタ10に対し、ブッシュ21を介して摺動自在に支持されている。尚、この突き上げカム19とカム定圧保持源20とで、本発明の加圧部材が構成されている。
次に、このような構成によるホットプレス装置1を用いて成形品Sを成形する際の作用について説明する。
ホットプレス装置1が、図1に示すような待機位置(上死点)にあるとき、ベース4に立設されてボルスタ10に収容されているカム定圧保持源20が突き上げカム19を常時一定圧で加圧している。その結果、この突き上げカム19のカム本体19aに形成されている先端カム面19bが、可動パンチ11の両可動パンチ部14,15の内面に形成されているカム受面14e,15eに押接される。又、図4に示すように、この両可動パンチ部14,15の縦壁面14d,15dから水平方向へ突設されているスライドプレート16が、ボルスタ10から突出されている逆L状の押上ストッパ18に掛止されているため、各可動パンチ14,15は、上方への浮き上がりが規制され、水平方向への移動のみが許容されている。
従って、両可動パンチ部14,15は突き上げカム19からの押圧力により、カム受面14e,15eを介して、互いに離間する方向へ付勢され、図3に示すように、下部に形成されたストッパ受け溝14c,15cが、ボルスタ10に突設されたパンチ部ストッパ17に掛止されている。この状態での両可動パンチ部14,15の開き幅Lは、公差上限にある被加工材Wの板厚tと型締めされて形成されるキャビティの断面厚との差分の2倍よりもやや広い値で設定されており、これにより、加工時における寸法公差のバラツキを吸収することができる。又、ダイ3a、両可動パンチ部14,15に形成されている冷却水循環通路3e,14f,15fには所定流量の冷却水が常時循環供給されている。
そして、この待機状態のホットプレス装置1に対し、予め所定サイズに加工され、加熱炉にて所定温度に加熱された被加工材Wがマテリアルハンドリング(マテハン)ロボット等により搬送されて、上面部Suとなる部位を両可動パンチ部14,15の上面パンチ部14a,15aに、所定に位置決めした状態でセットする。
次いで、ホットプレス装置1のラム5が下降を開始し、先ず、図2、図3に示すように、このラム5に上型ホルダ6を介して垂下されている上型3に形成されているダイ3aの下水平ダイ部3dが、被加工材Wを各可動パンチ部14,15に形成されている縦壁パンチ部14b,15bの方向へ押し曲げる。その後、ラム5の下降に伴い、被加工材Wは、上型3のダイ3aに形成されている縦壁ダイ部3cと縦壁パンチ部14b,15bとに沿って屈曲される。
そして、図7に示すように、ラム5が下死点に達し、上型3のダイ3aが、各可動パンチ部14,15に型締めされると、可動パンチ部14,15の上面パンチ部14a,15a、及び、縦壁パンチ部14b,15bにダイ3aの上水平ダイ部3b、及び、縦壁ダイ部3cが押し付けられる。更に、両可動パンチ部14,15の両側に配設されている下型パッド12に、下水平ダイ部3dが押し付けられて、被加工材Wから上面部Su、縦壁部Ss、フランジ部Sfを有する断面ハット形の成形品Sが形成される。
被加工材Wを投入しない空の状態で、下型2と上型3とが型締めされて形成されるキャビティの断面厚は、JIS規格で定められている被加工材Wの板厚tの寸法公差の下限値よりもやや薄く設定されている。そのため、図8に示すような、セットされた被加工材Wの板厚tがJIS規格の基準板厚t±0の場合、ダイ3aの縦壁ダイ部3cが被加工材Wの板厚tを介して両可動パンチ部14,15を狭める方向へ押圧する。
すると、この各可動パンチ部14,15の内面に形成されているカム受面14e,15eが、このカム受面14e,15eに対し、先端カム面19bが摺接されている突き上げカム19を押圧する。その結果、この突き上げカム19が、カム定圧保持源20の付勢力に抗して後退し、一方、両可動パンチ部14,15は突き上げカム19からの反力で被加工材Wを縦壁ダイ部3c側へ押圧する。
又、ダイ3aの下水平ダイ部3dが被加工材Wの板厚tを介して、下型パッド12を押圧すると、この下型パッド12がパッド定圧保持源13からの付勢力に抗して後退し、一方、そのときの反力で被加工材Wを下水平ダイ部3d側へ押圧する。
その結果、成形品Sは、ダイ3aと各可動パンチ部14,15及び下型パッド12とに隙間なく挟圧されるため、その状態を所定時間保持することで、ダイ3a、及び各可動パンチ部14,15に形成されている冷却水循環通路3e,14f,15fを流通する冷却水により、充分な冷却速度で均質な焼入れを行うことができる。
又、図9に示すように、被加工材Wの板厚tが寸法公差の下限値の場合、突き上げカム19は、図8の状態よりもやや上昇し、先端カム面19bがカム受面14e,15eを押圧して、両可動パンチ部14,15を水平方向へ押し広げる。又、下型パッド12がパッド定圧保持源13の付勢力を受けて、図8の状態よりもやや上昇する。これにより、被加工材Wの板厚tが寸法公差の下限値を有していても、可動パンチ部14,15と下型パッド12の動作により、板厚tのバラツキが吸収される。
一方、図10に示すように、被加工材Wの板厚tが寸法公差の上限値の場合、突き上げカム19は、図8の状態よりもやや後退し、先端カム面19bがカム受面14e,15eに押圧されて、両可動パンチ部14,15が互いに近接する方向に狭められる。又、下型パッド12はパッド定圧保持源13の付勢力に抗して、図8の状態よりもやや後退する。その結果、被加工材Wの板厚tが寸法公差の上限値を有していても、両可動パンチ14,5、及び下型パッド12の移動により板厚tのバラツキを吸収させることができる。
このように、本実施形態では、上型3を下降させて下型2に型締めするに際し、下型2に設けた両可動パンチ部14,15、及び下型パッド12が移動することで、被加工材Wの板厚tのバラツキを吸収するようにしたので、被加工材Wは、上型3のダイ3aと下型2の第1可動パンチ部14の各パンチ部14a,14b、及び第2可動パンチ部15の各パンチ部15a,15b、及び下型パッド12にて隙間なく狭圧することができる。その結果、成形不良や冷却不足が発生せず、充分な冷却速度で焼入れを行うことができ、ダイ3aの形状に沿った外面基準の成形品Sを高い品質で形成することができる。
更に、両可動パンチ部14,15を突き上げカム19にて水平方向へ移動させる構造にしたことで、上面パンチ部14a、15aと縦壁パンチ部14b,15bとを被加工材Wを介してダイ3aに押し付けるタイミングを揃えることができ、その結果、冷却タイミングも揃えることができるので、より一層均一な焼入れを行うことができ、成形品Sの品質をより向上させることができる。
又、図11に本実施形態の変形例を示す。上述した実施形態では、加圧部材として、突き上げカム19とカム定圧保持源20とを用い、カム圧で両可動パンチ14,15を互いに離間する方向へ付勢しているが、本変形例では、これに代えて、弾発部材、例えば、圧縮スプリング22を、互いの対向面14g,15g間に介装したものである。
この変形例によれば、両可動パンチ14,15を弾発部材(圧縮スプリング22)互いに離間する方向へ付勢しているだけであるため、構成の簡素化を実現することができる。
尚、本実施形態では、被加工材Wの板厚tの寸法公差内でのバラツキを吸収する態様について説明したが、被加工材Wの板厚tが、0.8[mm]、1.6[mm],2.3[mm] ,3.2[mm]と異なっていても、各可動パンチ部14,15と下型パッド12とが、板厚tの変化に応じて自動的に移動するため、外面を基準とする成形品Sを、下型2と上型3とを交換することなくホットプレスにより成形することができる。又、成形品Sの形状も、断面ハット形に限らず、溝形でも良く、この場合、下型パッド12、パッド定圧保持源13、及び上型3の下水平ダイ部3dは不要となる。
更に、本実施形態の下型2の構成部品を上型に取り付け、上型3の構成部品を下側に取付けて、固定型と可動型とを逆の構成としても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
1…ホットプレス装置、
2…下型、
3…上型、
3a…ダイ、
3b…上水平ダイ部、
3c…縦壁ダイ部、
3d…下水平ダイ部、
3e,14f,15f…冷却水循環通路、
6…上型ホルダ、
7…上型定圧保持源、
11…可動パンチ、
12…下型パッド、
13…パッド定圧保持源、
14…第1可動パンチ部、
14a,15a…上面パンチ部、
14b,15b…縦壁パンチ部、
14c,15c…ストッパ受け溝、
14d,15d…縦壁面、
14e,15e…カム受面、
14g,15g…対向面
15…第2可動パンチ部、
16…スライドプレート、
17…パンチ部ストッパ、
18…押上ストッパ、
19…突き上げカム、
19a…カム本体、
19b…先端カム面、
19c…昇降ロッド、
20…カム定圧保持源、
21…ブッシュ、
22…圧縮スプリング
L…開き幅、
S…成形品、
Sf…フランジ部、
Ss…縦壁部、
Su…上面部、
t…板厚、
W…被加工材

Claims (6)

  1. 第1金型と該第1金型方向へ相対移動自在な第2金型とを有し、
    前記第1金型に、前記第2金型方向に指向する対向パンチ面と該対向パンチ面の両側に形成された縦壁パンチ面とを有する凸状のパンチ本体が設けられ、
    前記第2金型に前記パンチ本体に対応する凹状のダイが設けられ、
    前記パンチ本体と前記ダイとで所定温度に加熱された被加工材を挟圧してプレス加工を行うと共に該狭圧状態を保持して焼入れを行うホットプレス装置において、
    前記パンチ本体が一方の前記縦壁パンチ面を有する第1可動パンチ部と他方の前記縦壁パンチ面を有する第2可動パンチ部とに分割され、
    前記両可動パンチ部の対向面間に前記両可動パンチ部を互いに離間する方向へ付勢する加圧部材が介装されており、
    前記両可動パンチ部は前記第1金型と前記第2金型とが型締めされる際に前記加圧部材の付勢力に抗して互いに狭められる方向へ押圧される
    ことを特徴とするホットプレス装置。
  2. 前記加圧部材は、
    前記各可動パンチ部の対向面に形成されたカム受面に摺接して前記両可動パンチを互いに近接離間させるカム面を両側に有する押出部材と、
    前記押部材を加圧して、前記カム面と前記カム受面との摺動により前記両可動パンチ部を互いに離間する方向へ移動させる第1加圧源とを有している
    ことを特徴とする請求項1記載のホットプレス装置。
  3. 前記加圧部材は、前記各可動パンチの対向面間に介装された弾発部材である
    ことを特徴とする請求項1記載のホットプレス装置。
  4. 前記各可動パンチ部には互いに離間する方向への移動量を規制するストッパが設けられ、
    前記両可動パンチ部が前記ストッパにて掛止されている状態では、前記第1金型と前記第2金型とが型締めされて形成されるキャビティの断面厚が前記被加工材の寸法公差の最小値の板厚よりも薄く設定されている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のホットプレス装置。
  5. 前記ダイの開口端に設けたフランジ形成用ダイ部と、
    前記フランジ形成用ダイ部に対向し、前記縦壁パンチ面の基部側に配置されたフランジ形成用パッドと、
    前記フランジ形成用パッドに前記フランジ形成用ダイ部から押圧力が印加された際に、フランジ形成用パッドに反力を付与する第2加圧源と
    を更に有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のホットプレス装置。
  6. 第1金型と該第1金型方向へ相対移動自在な第2金型とを有し、
    前記第1金型に、前記第2金型方向に指向する対向パンチ面と該対向パンチ面の両側に形成された縦壁パンチ面とを有する凸状のパンチ本体が設けられ、
    前記第2金型に前記パンチ本体に対応する凹状のダイが設けられ、
    前記パンチ本体と前記ダイとで所定温度に加熱された被加工材を挟圧してプレス加工を行うと共に該狭圧状態を保持して焼入れを行うホットプレス成形方法において、
    前記パンチ本体が一方の前記縦壁パンチ面を有する第1可動パンチ部と他方の前記縦壁パンチ面を有する第2可動パンチ部とに分割されていると共に、前記両可動パンチ部が互いに離間する方向へ加圧されており、
    前記ダイと前記パンチ本体とを近接させると、該ダイと該パンチ本体に設けた前記対向パンチ面と前記縦壁パンチ面とで前記被加工材が曲げ形成され、
    型締めされた状態では前記パンチ本体の前記第1可動パンチ部と前記第2可動パンチ部とが前記被加工材の板厚を介して前記ダイからの押圧力により、互いに離間する方向への加圧による付勢力に抗して互いに近接する方向へ移動されて前記ダイと前記両可動パンチ部とで前記被加工材を狭圧保持し、その状態で前記被加工材に焼入れを行う
    ことを特徴とするホットプレス成形方法。
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