JP5715768B2 - 熱間プレス装置及び熱間プレス製品 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を得る熱間プレス装置とこのプレス装置によって製造される熱間プレス製品に関するものである。
例えば、車両の軽量化を図るために車体フレームには高張力鋼板が使用されているが、更なる軽量化のために熱間プレス加工による焼き入れによって硬度と強度を更に高めることが行われている。
熱間プレス加工による焼き入れは、鋼板を1000℃近傍のオーステナイト域まで加熱してこれをプレス成形型に投入し、800℃程度の鋼板を所望の形状に成形すると同時に急冷してマルテンサイト変態させてプレス成形品を硬化させる方法であって、これによれば例えば引張強さ1470MPa、硬度(ビッカース硬度)Hvが約440程度の高強度鋼板のプレス成形品が得られる。
ところで、熱間プレス加工に関して、特許文献1には、質量%でC:0.05%〜0.55%、Mn:0.1%〜3%以下の化学成分を有する鋼板をダイとポンチで挟んで密着させ(具体的には、ポンチの鋼板に接触する部分がポンチの進行方向ベクトルとポンチ表面の法線ベクトルとの内積が正となるようにする)、その接触による熱伝達によって鋼板を急冷して焼き入れる技術が提案されている。
又、特許文献2には、金型と金属板との隙間に冷媒を直接流して金属板を冷却し、金属板の硬度を焼き入れによって高める技術が提案されている。
特開2005−271018号公報 特開2002−282951号公報
ところが、図14の断面図に示すように、加熱された金属板をダイ101ポンチ102を用いた熱間プレス成形によって図15の斜視図に示すような断面ハット状の製品W’を得る場合、ダイ101とポンチ102の左右の縦壁部101a,102aは平坦な平面であるため、ダイ101とポンチ102間のクリアランスが板厚より大きかったりバラツキがあった場合、製品W’(金属板)にはその表裏の何れもがダイ101とポンチ102の縦壁部101a,102aに接触しない部分(図14の領域S’)が生じ、この非接触領域S’では十分な冷却速度が得られないために硬度が他の部分よりも低下する。このため、製品W’の全体に亘って均一で高い硬度と強度が得られないという問題がある。この問題は、製品W’が深くて縦壁部の傾斜が急である場合に顕著に現れる。
又、特許文献2において提案された技術によれば、金属板が冷媒によって均一に冷却されるために上記問題が発生しにくく、製品全体に亘って略均一な硬度と強度が得られるが、生産コストが増加するという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、生産コストの増加を招くことなく、製品全体に亘って均一な硬度と強度を確保することができる熱間プレス装置及びこの熱間プレス装置によって製造される、縦壁部に部分的な硬度低下のない熱間プレス製品を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を成形する熱間プレス装置において、前記ポンチには断面ハット状の製品の内側形状に沿った凸部が突設され、前記ダイには前記ポンチの前記凸部が入り込むための凹部が形成されており、前記ポンチの前記凸部の縦壁部は上下方向の一端から他端に亘り金属板側に凸となる曲面とされるとともに、前記ダイの前記凹部の縦壁部における上下方向の一端から他端に亘って金属板との間に空隙を生ずることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を成形する熱間プレス装置において、前記ポンチには断面ハット状の製品の内側形状に沿った凸部が突設され、前記ダイには前記ポンチの前記凸部が入り込むための凹部が形成されており、前記ダイの前記凹部の縦壁部は上下方向の一端から他端に亘り金属板側に凸となる曲面とされるとともに、前記ポンチの前記凸部の縦壁部における上下方向の一端から他端に亘って金属板との間に空隙を生ずることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を成形する熱間プレス装置において、前記ポンチには断面ハット状の製品の内側形状に沿った凸部が突設され、前記ダイには前記ポンチの前記凸部が入り込むための凹部が形成されており、前記ポンチの前記凸部の縦壁部が金属板側に凸となる曲面とされ、この曲面に対向する前記ダイの前記凹部の縦壁部と金属板との間に空隙を生ずる部位と、前記ダイの前記凹部の縦壁部が金属板側に凸となる曲面とされ、この曲面に対向する前記ポンチの前記凸部の縦壁部と金属板との間に空隙を生ずる部位と、が交互に縦壁部における上下方向の一端から他端に亘って連続することを特徴とする。
請求項記載の熱間プレス製品は、請求項1〜の何れかに記載の熱間プレス装置によって製造された製品であることを特徴とする。
本発明によれば、ポンチとダイの相対向する縦壁部の少なくとも一方を曲面(凸曲面又は波形曲面)としたため、ポンチとダイ間のクリアランスが大きくても、又、多少のバラツキがあっても、金属板(製品)の表裏の少なくとも一方がポンチとダイの縦壁部に接触する範囲を広げることができ、その接触部において金属板(製品)の熱がポンチとダイによって奪われ、その部分も含めて金属板(製品)全体が急冷されてマルテンサイト変態するため、製品の部分的な硬度低下が発生せず、生産コストの増加を招くことなく、製品全体に亘って均一な硬度と強度を確保することができる。そして、このような効果はポンチとダイ間のクリアランスが大きくても、又、多少のバラツキがあっても得られるため、ポンチとダイ間のクリアランス管理を厳密に行う必要がなくなり、金型費を低く抑えつつ、製品に安定した強度品質を確保することができる。尚、金属板(製品)の表裏がポンチとダイの何れにも接触しない範囲が部分的に生じてもその範囲が狭ければ、その部分の熱は金属板(製品)内の熱伝導によりポンチとダイに奪われるため、非接触部分も急冷されて焼きが入るために製品に部分的な硬度低下が発生しない。
本発明の実施の形態1に係る熱間プレス装置要部の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図である。 (a)は本実施例に供された金属板の平面図、(b)は同金属板の側面図である。 (a)は測定に供された製品の縦断面図、(b)は(a)のX部拡大詳細図である。 金属板の各種条件下での温度変化を示す図である。 本発明の実施の形態1及び従来の熱間プレス装置によって成形された製品の各種条件下での左側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図である。 本発明の実施の形態1及び従来の熱間プレス装置によって成形された製品の各種条件下での右側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図である。 本発明の実施の形態1及び従来の熱間プレス装置によって成形された製品の各種条件下での左側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図である。 本発明の実施の形態1及び従来の熱間プレス装置によって成形された製品の各種条件下での右側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る熱間プレス装置要部の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る熱間プレス装置要部の断面図である。 本発明の実施の形態3に係る熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図である。 従来の熱間プレス装置要部の断面図である。 従来の熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る熱間プレス装置要部の断面図、図2は同熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図である。
図1に示す熱間プレス装置は、上型であるダイ1と下型であるポンチ2による熱間プレス成形によって図2に示すような断面ハット状の製品Wを成形するものであって、ポンチ2には製品の内側形状に沿った断面略台形の凸部2Aが突設され、ダイ1にはポンチ2の凸部2Aが入り込むための凹部1Aが形成されている。そして、ダイ1の凹部1Aの周囲とポンチ2の凸部2Aの周囲には複数の水管3が図1の垂直方向に挿通している。
而して、本実施の形態に係る熱間プレス装置においては、ポンチ2の凸部2Aの左右外面である縦壁部2aは外側に膨らむ凸曲面とされ、ダイ1の凹部1Aの左右内面である縦壁部1aは外側に膨らむ凹曲面とされている。
以上のように構成された熱間プレス装置による熱間プレス成形においては、焼入れが可能なAc3点以上の900℃〜950℃のオーステナイト域まで加熱された鋼板が熱間プレス装置のダイ1とポンチ2の間に投入された後、鋼板がダイ1とポンチ2によってプレス加工及び焼入れされる。このように高い温度域で軟化した鋼板をプレス成形することによって精度の高い加工が可能となり、図2に示すように断面ハット状の製品Wを得ることができる。又、製品Wはダイ1とパンチ2及び両者に通された複数の水管3を流れる冷却水によって急冷されるためにマルテンサイト変態し、焼き入れによって硬化する。
而して、本実施の形態では、前述のようにポンチ2の凸部2Aの左右外面である縦壁部2aを外側に膨らむ凸曲面としたため、ダイ1とポンチ2間のクリアランスが大きくても、又、多少のバラツキがあっても、図1に示すように例えば製品W(鋼板)の内面がポンチ2の縦壁部2aに図示の広い範囲Rに亘って接触する。このため、製品W(鋼板)は広い接触範囲Rから抜熱され、急冷されることによってマルテンサイト変態し、この結果、製品Wの部分的な硬度低下が発生せず、ポンチ2の縦壁部2aの形状を変更するだけの簡単な構成で、生産コストの増加を招くことなく、製品Wの全体に亘って均一な硬度と強度を確保することができる。そして、このような効果はダイ1とポンチ2間のクリアランスが大きくても、又、多少のバラツキがあっても得られるため、ダイ1とポンチ2間のクリアランス管理を厳密に行う必要がなくなり、金型費を低く抑えつつ、製品Wに安定した強度品質を確保することができる。
ところで、図1に示す例では、製品W(鋼板)は図示の僅かな領域Sにおいてダイ1とポンチ2の何れにも接触していないが、その範囲が狭いため、この非接触領域Sの熱は製品W(金属板)内の熱伝導によりポンチ2とダイ1に奪われるため、非接触領域Sも急冷されて焼きが入り、この結果、製品Wに部分的な硬度低下が発生しない。
次に、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、本発明の前記効果を確認するために従来と本発明に係る熱間プレス装置を用いて種々の条件下で成形された製品について硬度と板厚減少率を測定したが、その測定条件と測定結果について以下に説明する。
図3(a)は本実施例に供された鋼板の平面図、図3(b)は同鋼板の側面図、図4(a)は測定に供された製品の縦断面図、図4(b)は図4(a)のX部拡大詳細図であり、測定には図3に示す長さ235mm、幅45mm、厚さ1.8mmの鋼板W1が使用された。 そして、図3に示す鋼板W1を図1に示す熱間プレス装置を用いて熱間プレス加工することによって図4に示すような断面ハット状の製品Wを得た。この製品Wの縦壁部Waの高さは70mmであり、その縦壁部Waの中央高さ位置の温度を測定するため、図3(a)に示すように、鋼板W1の長手方向中央から60mmの位置に直径φ1mmの熱電対を埋め込んだ。尚、比較のために図3に示す鋼板W1を図14に示す従来の熱間プレス装置を用いて図15に示すような断面ハット状の製品W’を得た。
ここで、熱間プレスの加工条件を表1に示す。
Figure 0005715768
又、加工条件A〜Fを表2に示す。
Figure 0005715768
尚、表2に示す「最大突出量」は、図4に2点鎖線にて示す基本形状(図14の従来形状)に対する製品Wの縦壁部Waの最大突出量であり、「縦壁R」は、製品Wの縦壁部Waの曲率半径である。
表2に示す条件D,E,F(ダイとポンチのクラアランス:2.8mm)における鋼板の温度変化を図5に(D),(E),(F)としてそれぞれ示すが、図5に示す結果から製品の縦壁部の最大突出量が大きい(縦壁Rが小さい)ほど冷却速度が速くなることが分かるが、これは材料がポンチに押し付けられる力(接触面圧)が増加するためであると考えられる。尚、図5には表2に示す条件A,B,C(ダイとポンチのクラアランス:2.4mm)における鋼板の温度変化は示されていないが、条件D,E,Fと同様の傾向があり、ダイとポンチのクラアランスが板厚よりも大きい場合、ダイとポンチのクリアランスの冷却速度への影響は殆どないことが確認された。
次に、表2に示す条件A〜Fの下に熱間プレス加工されて得られた製品W(W’)の縦壁Wa(Wa’)に沿う硬度分布と板厚減少率分布の結果を図6〜図9にそれぞれ示す。尚、硬度と板厚減少率は、図4(a)に示すように製品Wの縦壁部Waの頂面を基準(0)としてそこから5mmピッチで測定された。
図6は条件A〜C下で成形された製品の左側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図、図7は条件A〜C下で成形された製品の右側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図、図8は条件D〜F下で成形された製品の左側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図、図9は条件D〜F下で成形された製品の右側縦壁部に沿う硬度分布と板厚減少率分布を示す図である。
又、条件A〜Fにおけるダイとポンチの各縦壁部間の左右のクリアランスの実測結果を表3に示す。
Figure 0005715768
図6及び図7に示す結果より、ダイとポンチのクリアランスを2.4mmに設定した場合、従来の熱間プレス装置を用いて条件A(最大突出量:0mm)にて加工された製品W’の平均硬度(ビッカース硬度、以下同じ)はHv449.5、最小硬度はHv392.9であり、縦壁部Wa’全体の64%の範囲で硬度低下が見られる。又、表3に示すように、条件Aでのダイとポンチのクリアランスの左右差が0.01mmと非常に小さいにも拘らず、図6と図7に示す結果から左右の最小硬度の差はHv46と非常に大きいことが分かる。
これに対して本発明に係る熱間プレス装置を用いて条件B(最大突出量:0.9mm)にて加工された製品Wの平均硬度はHv468、最小硬度はHv452.5であり、縦壁部Waの全範囲で硬度低下は見られない。又、条件C(最大突出量:1.8mm)にて加工された製品Wの平均硬度はHv464.8、最小硬度はHv449.4であり、縦壁部Waの全範囲で硬度低下は見られない。表3に示すように、条件Cでのダイとポンチのクリアランスの左右差が0.24mmと大きいにも拘らず、図6と図7に示す結果から左右の最小硬度の差と平均硬度の差は共にHv10.5以下とクリアランスの左右差の影響は殆ど見られない。
以上の結果より、本発明のように熱間プレス装置のポンチ2の凸部2Aの縦壁部2aを凸曲面とすることによって、製品Wの部分的な硬度低下を防ぐことができ、製品Wの全体に亘って十分な焼き入れ硬度が得られることが分かる。
他方、図8及び図9に示す結果より、ダイとポンチのクリアランスを2.8mmに設定した場合、従来の熱間プレス装置を用いて条件D(最大突出量:0mm)にて加工された製品W’の平均硬度はHv441.4、最小硬度はHv388.8であり、縦壁部Wa’全体の64%の範囲で硬度低下が見られる。又、表3に示すように、条件Dでのダイとポンチのクリアランスの左右差が0.08mmと非常に小さいにも拘らず、図8と図9に示す結果から左右の最小硬度の差は大きいことが分かる。
これに対して本発明に係る熱間プレス装置を用いて条件E(最大突出量:0.9mm)にて加工された製品Wの平均硬度はHv443.8、最小硬度はHv402.5となり、縦壁部Wa全体の43%の範囲で硬度低下が見られる。又、条件F(最大突出量:1.8mm)にて加工された製品Wの平均硬度はHv460.8、最小硬度は439.1となり、縦壁部Waの全範囲で硬度低下は見られない。表3に示すように、条件Fでのダイとポンチのクリアランスの左右差が0.24mmと大きいにも拘らず、図8と図9に示す結果から左右の最小硬度の差と平均硬度の差は共にHv10.5以下とクリアランスの左右差の影響は殆ど見られない。
以上の結果より、本発明のように熱間プレス装置のポンチ2の凸部2Aの縦壁部2aを凸曲面とすることによって、製品Wの部分的な硬度低下を防ぐことができ、製品Wの全体に亘って十分な焼き入れ硬度が得られることが分かる。但し、条件E(最大突出量:0.9mm)にて加工された製品Wにおいては、ポンチ2側上部での非接触範囲で硬度Hvが低下しているが、条件F(最大突出量:1.8mm)のようにポンチ2の縦壁部2aの最大突出量を大きくして材料の非接触範囲を狭くすると硬度低下は見られない。よって、最大突出量は板厚以上であることが好ましいことが分かる。
又、図6〜図9に示す結果から明らかなように、全条件A〜Fにおいて製品W(W’)の縦壁部Wa(Wa’)の板厚減少は殆どなく、部分的な硬度低下は板厚減少によるものではないことが分かる。ここで、本実施例では、断面ハット状の製品Wはハット状断面が一定で、一方向に連続した製品での例を示したが、必ずしもその必要はなく、例えばハット状断面を有する製品であればハット状断面が一定でなくても良く、又、ハット状断面が曲線的に連続していても良い。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2を図10及び図11に基づいて説明する。
図10は本発明の実施の形態2に係る熱間プレス装置要部の断面図、図11は同熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図であり、これらの図においては図1及び図2において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
本実施の形態に係る熱間プレス装置においては、図10に示すように、実施の形態1とは逆にポンチ2の凸部2Aの左右外面である縦壁部2aは凹曲面とされ、ダイ1の凹部1Aの左右内面である縦壁部1aは凸曲面とされている。
以上のように構成された熱間プレス装置による熱間プレス成形も前記実施の形態1と同様になされ、図11に示すような断面ハット形の製品Wが得られるが、前述のように熱間プレス装置のダイ1の凹部1Aの縦壁部1aを凸曲面としたため、ダイ1とパンチ2間のクリアランスが大きくても、又、多少のバラツキがあっても、製品W(鋼板)がダイ1の縦壁部1aに広い範囲に亘って接触する。このため、製品W(鋼板)は広い接触範囲から抜熱されることによって急冷されてマルテンサイト変態し、この結果、製品Wの部分的な硬度低下が発生せず、ダイ1の縦壁部1aの形状を変更するだけの簡単な構成で、生産コストの増加を招くことなく、製品Wの全体に亘って均一な硬度と強度を確保することができるという前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
<実施の形態3>
次に、本発明の実施の形態3を図12及び図13に基づいて説明する。
図12は本発明の実施の形態3に係る熱間プレス装置要部の断面図、図13は同熱間プレス装置によって成形された製品の斜視図であり、これらの図においても図1及び図2において示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
本実施の形態に係る熱間プレス装置においては、図12に示すように、ポンチ2の凸部2Aの左右外面である縦壁部2aとダイ1の凹部1Aの左右内面である縦壁部1aは共に波形曲面とされている。
以上のように構成された熱間プレス装置による熱間プレス成形も前記実施の形態1と同様になされ、図13に示すような断面ハット形の製品Wが得られるが、前述のようにダイ1の縦壁部1aとポンチ2の縦壁部2aを共に波形曲面としたため、ダイ1とパンチ2間のクリアランスが大きくても、又、多少のバラツキがあっても、製品W(鋼板)がダイ1の縦壁部1aとポンチ2の縦壁部2aの少なくとも一方に広い範囲に亘って接触する。このため、製品W(鋼板)は広い接触範囲から抜熱されて急冷されることによってマルテンサイト変態し、この結果、製品Wの部分的な硬度低下が発生せず、ダイ1とポンチ2の各縦壁部1a,2aの形状を変更するだけの簡単な構成で、生産コストの増加を招くことなく、製品Wの全体に亘って均一な硬度と強度を確保することができるという前記実施の形態1と同様の効果が得られる。
尚、本実施の形態においては、縦壁部は凸と凹1つずつが連続した波形曲面としたが、凸と凹が交互に複数連続した波形曲面としても良い。
1 ダイ
1A ダイの凹部
1a ダイの縦壁部
2 ポンチ
2A ポンチの凸部
2a ポンチの縦壁部
3 水管
R 製品(金属板)の接触領域
S 製品(金属板)の非接触領域
W 製品
Wa 製品の縦壁部
W1 鋼板(金属板)

Claims (4)

  1. 加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を成形する熱間プレス装置において、
    前記ポンチには断面ハット状の製品の内側形状に沿った凸部が突設され、前記ダイには前記ポンチの前記凸部が入り込むための凹部が形成されており、
    前記ポンチの前記凸部の縦壁部は上下方向の一端から他端に亘り金属板側に凸となる曲面とされるとともに、前記ダイの前記凹部の縦壁部における上下方向の一端から他端に亘って金属板との間に空隙を生ずることを特徴とする熱間プレス装置。
  2. 加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を成形する熱間プレス装置において、
    前記ポンチには断面ハット状の製品の内側形状に沿った凸部が突設され、前記ダイには前記ポンチの前記凸部が入り込むための凹部が形成されており、
    前記ダイの前記凹部の縦壁部は上下方向の一端から他端に亘り金属板側に凸となる曲面とされるとともに、前記ポンチの前記凸部の縦壁部における上下方向の一端から他端に亘って金属板との間に空隙を生ずることを特徴とする熱間プレス装置。
  3. 加熱された金属板をダイとポンチを用いてプレス加工及び焼入れして断面ハット状の製品を成形する熱間プレス装置において、
    前記ポンチには断面ハット状の製品の内側形状に沿った凸部が突設され、前記ダイには前記ポンチの前記凸部が入り込むための凹部が形成されており、
    前記ポンチの前記凸部の縦壁部が金属板側に凸となる曲面とされ、この曲面に対向する前記ダイの前記凹部の縦壁部と金属板との間に空隙を生ずる部位と、
    前記ダイの前記凹部の縦壁部が金属板側に凸となる曲面とされ、この曲面に対向する前記ポンチの前記凸部の縦壁部と金属板との間に空隙を生ずる部位と、
    が交互に縦壁部における上下方向の一端から他端に亘って連続することを特徴とする熱間プレス装置。
  4. 請求項1〜の何れかに記載された熱間プレス装置により製造された熱間プレス製品。
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