JP5851370B2 - 車両用ペダルブラケットの取付部構造 - Google Patents

車両用ペダルブラケットの取付部構造 Download PDF

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Description

本発明は車両用ペダルブラケットに係り、特に、その車両用ペダルブラケットがスペーサを介してダッシュパネルに一体的に固定される取付部の構造に関するものである。
車両用ペダルブラケットの板状のベースプレート部に複数の取付穴が設けられ、ダッシュパネルから車室内へ突き出す複数の取付ボルトがそれぞれその取付穴内を挿通させられるとともに、その取付穴から突き出す先端部にナットが螺合されることにより、そのベースプレート部がそのダッシュパネルに一体的に固定される車両用ペダルブラケットの取付部構造が知られている(特許文献1参照)。その場合に、ダッシュパネルの車室側にインシュレータ(吸音材)等を配設するために、上記ベースプレート部の裏面側に前記取付穴に対応して複数の筒形状のスペーサを固設し、ベースプレート部をダッシュパネルから離間して固定するようにしたものがある。
図17は、このような車両用ペダルブラケットの取付部構造の一例を示す図で、ベースプレート部200には取付穴202が設けられるとともに、その取付穴202に対応して円筒形状のスペーサ204が溶接等で固設されており、ダッシュパネル206から車室内へ突き出す取付ボルト208が、そのスペーサ204および取付穴202内を挿通させられ、取付穴202から突き出す先端部にナット210が螺合されることにより、ベースプレート部200がダッシュパネル206との間でスペーサ204を挟んだ状態でダッシュパネル206に一体的に固定されている。取付ボルト208は、ブレーキブースタ212に一体的に立設されたスタッドボルトで、そのブレーキブースタ212をダッシュパネル206に固定する機能も備えており、複数本(例えば4本)設けられている。ダッシュパネル206には、その取付ボルト208に対応して挿通穴214が複数設けられているとともに、ベースプレート部200には、上記取付穴202およびスペーサ204が取付ボルト208に対応して複数設けられている。そして、その複数の取付ボルト208により、ベースプレート部200がダッシュパネル206に一定の姿勢で一体的に固定される。
特開平3−148355号公報
しかしながら、このような車両用ペダルブラケットの取付部構造においては、各部の寸法誤差や組付誤差を考慮して、上記挿通穴214の径寸法d2や取付穴202の径寸法d3が、取付ボルト208の直径d1よりも大き目に定められているため、ダッシュパネル206に対するベースプレート部200の配設位置がばらつき、操作ペダルのペダルシート(踏部)の位置精度が損なわれる。すなわち、図17は取付ボルト208の中心線Sに対して挿通穴214および取付穴202が略同心になるようにベースプレート部200が取り付けられた場合であるが、図18は挿通穴214の中心O1に対して取付ボルト208の中心線Sが下方へずれるとともに、その中心線Sに対して取付穴202の中心O2が更に下方へずれた場合で、図17に比較してベースプレート部200の位置が寸法eだけずれる。径寸法d2、d3は、寸法誤差や組付誤差の最大値に基づいて定められるため、通常はダッシュパネル206に対するベースプレート部200の取付位置には遊びが有り、その遊びによって取付位置がばらつく。
また、ベースプレート部200をダッシュパネル206に固定する際には、ダッシュパネル206から突き出す複数の取付ボルト208がそれぞれスペーサ204および取付穴202内を挿通させられた仮組み状態で、各取付ボルト208にナット210を螺合して締め付ける必要がある。しかし、取付穴202と取付ボルト208との間に遊びがあるとともに、スペーサ204と取付ボルト208との間にも更に大きな遊びがあるため、仮組み時に操作ペダルの重量などでベースプレート部200が運転席側へ傾いて、取付ボルト208から落下する可能性があり、ベースプレート部200が落下しないようにペダルブラケットを支えながら取付ボルト208にナット210を締め付ける必要があるなど組付時の作業性が悪かった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、寸法誤差や組付誤差を許容するように取付ボルトが遊びを持ってベースプレート部の取付穴を挿通させられる場合に、ペダルブラケットの取付位置のばらつきを抑制するとともに、仮組み時に取付ボルトからの落下を抑制してナット締付等の組付作業性を向上させることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 車両用ペダルブラケットの板状のベースプレート部に複数の取付穴が設けられるとともに、(b) 前記ベースプレート部をダッシュパネルから離間して固定するために、そのベースプレート部の裏面側に前記取付穴よりも大径の筒形状のスペーサがその取付穴に対応して複数固設されており、(c) 前記ダッシュパネルから車室内へ突き出す複数の取付ボルトがそれぞれ前記スペーサおよび前記取付穴内を遊びを持って挿通させられた状態で、その取付穴から突き出すその取付ボルトの先端部にナットが螺合されており、それ等の取付ボルトおよびナットの螺合に基づいて前記ベースプレート部が前記ダッシュパネルとの間でそのスペーサを挟んだ状態でそのダッシュパネルに一体的に固定されている車両用ペダルブラケットの取付部構造において、(d) 前記複数のスペーサの少なくとも一つには、前記取付ボルトの挿通を許容するように内周側へ突き出す内向き突起が全周に設けられており、前記取付穴よりも小さい内径寸法の貫通穴を有する弾性変形可能な組付補助部材が、前記内向き突起と前記ベースプレート部との間において前記筒形状の内側に配設されていることを特徴とする。
第2発明は、第1発明の車両用ペダルブラケットの取付部構造において、(a) 前記組付補助部材は、前記貫通穴が前記取付穴と同心になるように前記スペーサに配設されており、(b) その貫通穴の内径寸法は、前記取付ボルトの外径と略同じであることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用ペダルブラケットの取付部構造において、前記貫通穴の内周面には、軸方向の全長に溝が設けられていることを特徴とする。
発明は、第1発明〜第3発明の何れかの車両用ペダルブラケットの取付部構造において、(a) 前記取付ボルトは、前記ダッシュパネルに設けられた挿通穴内を遊びを持って挿通させられて車室内に突き出している一方、(b) 前記内向き突起は、前記スペーサの前記ダッシュパネル側に位置する先端部の内周面の全周に連続して設けられるとともに、内径寸法が前記挿通穴よりも小さい小径段差部で、(c) その小径段差部の外側端面には、前記挿通穴内に挿入される円環状突起が前記スペーサの軸方向へ突き出すように設けられていることを特徴とする。
発明は、第1発明〜第発明の何れかの車両用ペダルブラケットの取付部構造において、(a) 前記貫通穴は、前記ベースプレート部と反対側へ向かうに従って大径になるテーパ穴部を有するとともに、(b) そのテーパ穴部には、軸方向断面において小径側へ傾斜する鋸歯状となるように複数の環状突部が設けられていることを特徴とする。
このような車両用ペダルブラケットの取付部構造においては、複数のスペーサの少なくとも一つに、取付穴よりも小さい内径寸法の貫通穴を有する組付補助部材が配設されているため、取付ボルトがその組付補助部材の貫通穴内を相対的に挿通させられることにより、取付ボルトと貫通穴との遊びが小さい分だけ車両用ペダルブラケットの取付位置のばらつきが抑制される。また、取付ボルトと貫通穴との遊びが小さいことから、ベースプレート部の取付穴内に取付ボルトを挿通させた仮組み状態でのベースプレート部の姿勢変化や取付ボルトに対する相対移動が制約され、組付作業時にその取付ボルトから車両用ペダルブラケットが落下し難くなるため、ナット締付等の組付作業を容易に行うことができるようになる。
ここで、組付補助部材は弾性変形可能で、ある程度の変形が許容されるため、取付ボルトと取付穴との遊びの範囲内で取付位置のばらつきが許容され、寸法誤差や組付誤差に拘らず車両用ペダルブラケットをダッシュパネルに対して適切に取り付けることができる。
一方、スペーサに内向き突起が設けられ、その内向き突起とベースプレート部との間に組付補助部材が配設されているため、組付補助部材が確実にスペーサの内側に保持される。また、内向き突起は全周に設けられているため、仮組み状態で内向き突起が取付ボルトと係合させられることによっても車両用ペダルブラケットの姿勢変化が制約され、取付ボルトからの落下が抑制される。
第2発明では、上記貫通穴が取付穴と同心になるように組付補助部材がスペーサに配設されているとともに、その貫通穴の内径寸法は取付ボルトの外径と略同じであるため、実質的に取付ボルトは貫通穴内に圧入されるようになり、取付位置のばらつきや、組付作業時の取付ボルトからの車両用ペダルブラケットの落下が一層適切に抑制される。また、組付補助部材の弾性で取付ボルトが相対的に取付穴と同心になる方向にセンタリングされるため、その取付穴と干渉することなく組み付けることができるようになり、干渉による疵付き等が防止される。なお、貫通穴の内径寸法が取付ボルトの外径より僅かに大きい場合でも、各部の寸法誤差や組付誤差による変位で、取付ボルトは貫通穴内に偏心状態で圧入される可能性が高く、弾性的に位置決めされる。
第3発明では、貫通穴の内周面に溝が設けられているため、その貫通穴の内周部が弾性変形し易くなり、取付ボルトを相対的に貫通穴内に挿入乃至は圧入する際の作業が容易になる。
第4発明では、スペーサに内向き突起が設けられ、その内向き突起とベースプレート部との間に組付補助部材が配設されているため、組付補助部材が確実にスペーサの内側に保持される。また、内向き突起は全周に設けられているため、仮組み状態で内向き突起が取付ボルトと係合させられることによっても車両用ペダルブラケットの姿勢変化が制約され、取付ボルトからの落下が抑制される。
発明は、取付ボルトがダッシュパネルに設けられた挿通穴内を遊びを持って挿通させられて車室内に突き出している場合で、前記内向き突起としてスペーサの先端部の内周面の全周に連続して小径段差部が設けられているとともに、その小径段差部の外側端面には上記挿通穴内に挿入される円環状突起が設けられているため、ダッシュパネルに対する車両用ペダルブラケットの取付位置精度が一層高くなる。
発明では、貫通穴がテーパ穴部を有するため、取付ボルトが貫通穴内に相対的に挿入乃至は圧入される際に、そのテーパ穴部の内周面に案内されて円滑に挿入されるようになり、挿入乃至は圧入する際の作業性が向上する。また、そのテーパ穴部には、軸方向断面において小径側へ傾斜する鋸歯状となるように複数の環状突部が設けられているため、仮組み状態で環状突部が取付ボルトに係合させられることにより、組付補助部材が取付ボルトから抜け出し難くなり、車両用ペダルブラケットがその取付ボルトから落下することが適切に抑制されて組付作業性が一層向上する。
本発明が適用された車両用ペダルブラケットを有する常用ブレーキ用の車両用ブレーキペダル装置の一例を示す図で、一部を切り欠いた側面図である。 図1の車両用ペダルブラケットのベースプレート部を運転席側から見た正面図である。 図1の車両用ペダルブラケットにおいて、スペーサが設けられてスタッドボルトによりダッシュパネルに固定される取付部分を拡大して示す図で、図2における III−III 矢視部分の断面図である。 図3におけるIV−IV矢視部分の断面図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図である。 図5におけるVI−VI矢視部分の断面図である。 図6における落下防止部材(組付補助部材)を単独で示す断面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図であり、(a) はダッシュパネルに取り付ける前の状態、(b) はダッシュパネルに取り付けた状態である。 図12の実施例の組付補助部材を単独で示す図で、軸方向から見た正面図である。 図13の組付補助部材の別の例を示す正面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、図3に相当する断面図であり、(a) はダッシュパネルに取り付ける前の状態、(b) はダッシュパネルに取り付けた状態である。 図15の実施例の組付補助部材を単独で示す図で、軸方向から見た正面図である。 本発明の背景技術を説明する図で、図3に相当する断面図である。 図17において、ベースプレート部が車両の下方側へ寸法eだけずれた状態を示す断面図である。
本発明は、オペレーティングロッド等によりペダル操作力を伝達するために、インシュレータに穴を空けてダッシュパネルに直接固定される車両用ペダルブラケット、例えば常用ブレーキ用のブレーキペダルやブレーキアクセル一体型ペダルなどのペダルブラケットに好適に適用される。アクセルペダルやクラッチペダル、パーキングブレーキペダル等の他の車両用ペダルブラケットの取付部構造にも適用され得る。
車両用ペダルブラケットは、ベースプレート部がダッシュパネルに一体的に固設されるもので、例えばベースプレート部に一体に設けられた支持部にペダルアームが回動可能に配設されて、下端部に設けられたペダルシートが運転者によって踏込み操作されるように構成される。この車両用ペダルブラケットは、例えば金属板材によって構成されるが、一部または全部を合成樹脂材料にて構成することも可能である。ダッシュパネルも、例えば金属板材にて構成される。
ベースプレート部には、例えばオペレーティングロッド等の出力部材を挿通させる挿通穴が設けられ、スペーサや取付穴は、その挿通穴の周囲に複数(例えば4つ)設けられる。出力部材を挿通させる挿通穴をベースプレート部に設けることなく、車両用ペダルブラケットから離間した位置に出力部材が配設されても良い。
スペーサは、例えば金属材料にて構成され、ベースプレート部の裏面(ダッシュパネル側の面)にプロジェクション溶接やアーク溶接等の溶接、圧入、接着剤などにより一体的に固設される。スペーサは、円筒形状等の単純な筒形状の部材であっても良いが、一端部に外向きのフランジが設けられ、そのフランジがベースプレート部に密着するように固定されても良い。このスペーサは、取付穴と略同心になるようにベースプレート部に固設することが望ましい。スペーサとして金属パイプを採用することもできるし、合成樹脂等の金属以外の材料製のスペーサを用いることも可能である。また、角筒形状や、径寸法が徐々に変化しているテーパ形状等のスペーサを用いることも可能である。
ベースプレート部に設けられる取付穴は、複数の取付穴の相互間の寸法誤差や複数の取付ボルトの組付誤差等を考慮して、取付ボルトの径寸法よりも大き目の寸法で設けられ、取付ボルトはその取付穴内を遊びを持って挿通させられる。ダッシュパネルに設けられる挿通穴も取付穴と同様に取付ボルトよりも大き目の径寸法で設けられる。取付ボルトは、例えばエンジンルーム側に配設されるブレーキブースタに設けられたスタッドボルトなどで、ダッシュパネルに設けられた挿通穴を挿通して車室内へ突き出すように配設されるが、取付ボルトがダッシュパネルに一体的に固設される場合などにも本発明は適用され得る。
組付補助部材は、例えば複数のスペーサの全部に配設することが望ましいが、一部のスペーサに配設するだけでも良く、少なくとも何れか一つのスペーサに配設されれば良い。組付補助部材は、所定の弾性を有する合成樹脂材料や金属材料などで構成される。合成樹脂材料としては、例えば塩化ビニル・エラストマ等の熱可塑性樹脂が好適に用いられるが、所定の弾性を有する他の合成樹脂材料を用いることもできる。組付補助部材は、例えば円筒形状に構成され、スペーサの内周面に圧入、接着などにより一体的に固設されるが、内向き突起とベースプレート部との間に位置決めされて保持されるように配設するだけでもよい。スペーサの内周面に環状の取付溝を設け、円板環状の組付補助部材の外周部をその環状溝に嵌め込んで取り付けるようにしても良い。この組付補助部材は、スペーサと略同じ長さ寸法で構成することもできるが、軸方向寸法が比較的短い板状のものでも良い。組付補助部材の貫通穴は、少なくとも取付穴よりも小さい内径寸法で設けられれば良いが、第2発明のように取付ボルトの外径と略同じであることが望ましい。取付ボルトの外径と略同じとは、取付ボルトの外径の公差寸法と同程度か、直径で±0.5mm程度以下であれば良い。
第2発明では、貫通穴が取付穴と同心になるように組付補助部材がスペーサに配設されるが、必ずしも厳密に同心である必要はなく、加工誤差や組付誤差などで多少ずれていても良い。また、第1発明の実施に際しては、貫通穴および取付穴が略同心であることが望ましいが、積極的に偏心させても良い。
第3発明において貫通穴の内周面に設けられる溝は、例えば貫通穴の軸心まわりに等角度間隔で放射状を成すように複数(3本以上)設けられるが、1本或いは2本程度設けるだけでも良い。また、組付補助部材の軸心と平行に直線状に設けても良いし、軸心に対して傾斜させたり捩じったりして設けることもできる。溝の断面形状は、V字状、円弧状、四角形状など種々の態様が可能である。また、逆に貫通穴の中心に向かって突き出すように複数の係止爪を設け、その係止爪の先端が取付ボルトと係合させられるようにしても良い。複数の係止爪の間の空間を上記溝と見做すことができるし、上記溝の間の部分を係止爪と見做すこともできる。他の発明の実施に際しては、溝や係止爪を設けることなく円筒内周面の貫通穴であっても良い。
向き突起は、内周面の全周に設けられるが、必ずしも周方向に連続している必要はなく、分断されていても良い。また、第発明のようにスペーサの先端部に設けることが望ましいが、軸方向の中間部分に設けることも可能である。内向き突起の内径寸法は、各部の寸法誤差や組付誤差を考慮して例えば取付穴と同程度に定められ、このような内向き突起が設けられる場合、組付補助部材は必ずしもスペーサに一体的に固設される必要はなく、相対移動可能であっても良い。
発明では、組付補助部材の貫通穴がテーパ穴部を備えているが、貫通穴全体がテーパ形状であっても良いし、一部だけテーパ形状であっても良い。テーパ穴部の大径端は、例えば取付穴や挿通穴と略同じかそれより大きく、小径端は取付ボルトの外径と略同じかそれより小さい寸法とすることが望ましいが、大径端が貫通穴や挿通穴よりも小径で、小径端が取付ボルトの外径よりも大径であっても良いなど、種々の態様が可能である。他の発明の実施に際しては、一定の径寸法の円筒状の貫通穴であっても良い。また、第発明では、テーパ穴部に、軸方向断面において小径側へ傾斜する鋸歯状となるように複数の環状突部が設けられているが、他の発明の実施に際しては単にテーパ穴部を設けるだけでも良いし、断面が対称形状の環状突部が設けられても良い。また、テーパ穴部を設けることなく、径寸法が略一定の貫通穴の内周面に、軸方向断面においてベースプレート部側へ傾斜する鋸歯状の環状突部や対称形状の環状突部を設けることもできる。上記テーパ穴部や環状突部は、貫通穴の内周面の全周に設けられるが、必ずしも周方向に連続している必要はなく、放射状に複数設けられる切欠や溝などで分断されていても良い。環状突部は、例えば先端が取付ボルトのねじ溝に入り込んで係止されるように設けられる。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が常用ブレーキ用の車両用ブレーキペダル装置10に適用された場合の一例を示す図で、その車両用ブレーキペダル装置10の一部を切り欠いた側面図である。この車両用ブレーキペダル装置10は、エンジンルームと車室とを区切るダッシュパネル12の車室側に配設された車両用ペダルブラケット14と、その車両用ペダルブラケット14に略水平な支持軸16の軸心まわりに回動可能に軸支されたペダルアーム18とを有する。そして、ペダルアーム18の下端部に設けられたペダルシート20が運転者によって踏込み操作されると、ペダルアーム18の中間位置にクレビスを介して連結されたオペレーティングロッド22が車両前方(図1の左方向)へ押圧され、ダッシュパネル12のエンジンルーム側に配設されたブレーキブースタ24により倍力されて、常用ブレーキ用のブレーキ油圧が発生させられる。
車両用ペダルブラケット14は金属製で、ダッシュパネル12に一体的に固定される板状のベースプレート部30と、そのベースプレート部30の表面側すなわち運転席に対面する側の面の左右両側に設けられた一対の支持部32とを有し、その一対の支持部32に跨がって略水平に配設された支持軸16にペダルアーム18が回動可能に配設されている。また、ベースプレート部30の裏面側すなわちダッシュパネル12に対面する側の面には、円筒形状の金属製のスペーサ36がプロジェクション溶接等により一体的に固設されており、ベースプレート部30がダッシュパネル12から離間する状態で、車両用ペダルブラケット14がダッシュパネル12に一体的に固定される。ダッシュパネル12の車室側には防音のためにフェルト等の柔軟性を有するインシュレータ40が取り付けられているが、車両用ペダルブラケット14が固定される部分には切欠穴42が設けられ、上記スペーサ36がダッシュパネル12に直接当接させられるようになっている。そして、このスペーサ36には、前記ブレーキブースタ24に立設されたスタッドボルト44がダッシュパネル12側から挿通させられ、車室内に突き出す先端部にナット46が螺合されることにより、ベースプレート部30がダッシュパネル12との間でスペーサ36を挟んだ状態でダッシュパネル12に一体的に固定される。
上記スタッドボルト44は取付ボルトに相当し、予めブレーキブースタ24の複数箇所(本実施例では4箇所)に組み付けられて立設されており、ブレーキブースタ24をダッシュパネル12に固定する機能も併せ備えている。図2は、上記車両用ペダルブラケット14のベースプレート部30を運転席側から見た正面図で、ベースプレート部30の中央部分には、オペレーティングロッド22を挿通させるための挿通穴50が設けられているとともに、その挿通穴50の周囲には、スタッドボルト44に対応して取付穴52が4個設けられている。前記スペーサ36は、これ等の取付穴52に対応してその取付穴52と略同心となるように4つ固設されており、これ等の取付穴52およびスペーサ36が設けられた部分がダッシュパネル12に固定される取付部である。
図3は、図2における III−III 矢視部分の拡大断面図、すなわちスペーサ36が設けられてスタッドボルト44によりダッシュパネル12に固定される取付部を拡大して示した断面図で、図4は、図3におけるIV−IV矢視部分の断面図である。これ等の図において、取付穴52は、複数の取付穴52の相互間の寸法誤差や複数のスタッドボルト44の組付誤差等を考慮して、スタッドボルト44の径寸法よりも大き目の寸法で設けられており、スタッドボルト44はその取付穴52内を遊びを持って挿通させられる。スタッドボルト44は、ダッシュパネル12に設けられた挿通穴54を挿通させられて車室内に突き出しているが、この挿通穴54も複数のスタッドボルト44の組付誤差等を考慮して、スタッドボルト44の径寸法よりも大き目の寸法で設けられており、スタッドボルト44はその挿通穴54内を遊びを持って挿通させられる。これ等の取付穴52および挿通穴54は、例えば互いに同じ径寸法で設けられる。これにより、各部の寸法誤差や組付誤差等に拘らず、4本のスタッドボルト44がそれぞれ挿通穴54、スペーサ36、および取付穴52内を相対的に挿通させられ、先端部にナット46が螺合されて締め付けられることにより、車両用ペダルブラケット14をダッシュパネル12に対して一体的に取り付けることができる。
一方、上記スペーサ36の内部には、取付穴52よりも小さい内径寸法の貫通穴56を有する円環形状の落下防止部材58が配設されている。この落下防止部材58は組付補助部材に相当し、所定の弾性を有する塩化ビニル・エラストマ等の熱可塑性樹脂にて構成されており、スペーサ36のベースプレート部30側の端部に圧入等により一体的に固設されている。貫通穴56は一定の径寸法の円筒穴で、本実施例ではスタッドボルト44の外径と略同じ径寸法(直径で±0.5mm以下)であり、スタッドボルト44は相対的に貫通穴56内に圧入されて挿通させられる。落下防止部材58は板状を成しているため、弾性変形させつつ貫通穴56内にスタッドボルト44を圧入することができる。このような落下防止部材58は、予めスペーサ36の内周面に圧入等によって固定され、その状態でスペーサ36がベースプレート部30の裏面に溶接等によって一体的に固設される。本実施例では、複数(実施例では4つ)のスペーサ36の全部に落下防止部材58が配設されるが、例えば対角線上の一対のスペーサ36に配設するだけでも良いし、何れか一つのスペーサ36に配設するだけでも良く、少なくとも一つのスペーサ36に配設されれば良い。
このようにスタッドボルト44が貫通穴56内に圧入されることから、ベースプレート部30の取付穴52内にスタッドボルト44が相対的に挿通させられた仮組み状態におけるベースプレート部30の姿勢変化やスタッドボルト44に対する相対移動が制約され、組付作業時にそのスタッドボルト44から車両用ペダルブラケット14が落下し難くなるため、ナット締付等の組付作業を容易に行うことができる。また、スタッドボルト44が貫通穴56内に圧入されるため、各部の寸法誤差や組付誤差が小さい場合には、図3に示すように、スタッドボルト44の軸心Sに対して取付穴52が略同心になるようにベースプレート部30が位置決めされてダッシュパネル12に一体的に固定される。現実には各部の寸法誤差や組付誤差に応じて落下防止部材58が弾性変形させられ、取付穴52が軸心Sから偏心した位置に取り付けられる。その場合でも、落下防止部材58の弾性でできるだけ同心になるように位置決めされるため、取付位置のばらつきが抑制される。
前記スペーサ36にはまた、ダッシュパネル12側に位置する先端部に、内径が前記挿通穴54と略等しい小径段差部38が全周に連続して内向きフランジ状に設けられている。このようにスペーサ36の先端部に小径段差部38が設けられると、ベースプレート部30の取付穴52内にスタッドボルト44が相対的に挿通させられた仮組み状態で、その小径段差部38がスタッドボルト44の外周面に当接させられることによってもベースプレート部30の姿勢変化が制約される。これにより、仮組み状態におけるベースプレート部30の姿勢変化で車両用ペダルブラケット12がスタッドボルト44から落下することが一層適切に抑制され、ナット締付等の組付作業が容易になる。小径段差部38は内向き突起に相当する。
このように、本実施例の車両用ペダルブラケット14の取付部構造においては、取付穴52よりも小さい内径寸法の貫通穴56を有する合成樹脂製の落下防止部材58がスペーサ36に配設されているため、スタッドボルト44がその落下防止部材58の貫通穴56内を相対的に挿通させられることにより、スタッドボルト44と貫通穴56との遊びが小さい分だけ車両用ペダルブラケット14の取付位置のばらつきが抑制される。すなわち、各部の寸法誤差や組付誤差に応じて落下防止部材58が弾性変形させられ、スタッドボルト44と取付穴52との遊びの範囲内で取付位置のばらつきが許容され、寸法誤差や組付誤差に拘らず車両用ペダルブラケット14をダッシュパネル12に対して適切に取り付けることができる一方、落下防止部材58の弾性でスタッドボルト44の軸心Sと取付穴52とができるだけ同心になるようにベースプレート部30が位置決めされるため、取付位置のばらつきが抑制される。
また、スタッドボルト44と貫通穴56との遊びが小さいことから、ベースプレート部30の取付穴52内にスタッドボルト44を挿通させた仮組み状態でのベースプレート部30の姿勢変化やスタッドボルト44に対する相対移動が制約され、組付作業時にそのスタッドボルト44から車両用ペダルブラケット14が落下し難くなるため、ナット締付等の組付作業を容易に行うことができるようになる。
また、本実施例では、貫通穴56が取付穴52と同心になるように落下防止部材58がスペーサ36に配設されているとともに、その貫通穴56の内径寸法はスタッドボルト44と略同じであるため、スタッドボルト44は貫通穴56内に圧入されるようになり、取付位置のばらつきや組付作業時のスタッドボルト44からの車両用ペダルブラケット14の落下が一層適切に抑制される。また、落下防止部材58の弾性でスタッドボルト44が相対的に取付穴52と同心になる方向にセンタリングされるため、その取付穴52と干渉することなく組み付けることができるようになり、干渉による疵付き等が防止される。
また、本実施例では、スペーサ36の先端部に小径段差部38が設けられ、その小径段差部38とベースプレート部30との間に落下防止部材58が配設されているため、落下防止部材58が確実にスペーサ36の内側に保持されるとともに、仮組み状態で小径段差部38がスタッドボルト44と係合させられることによっても車両用ペダルブラケット14の姿勢変化が制約され、スタッドボルト44からの落下が抑制される。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図5は前記図3に相当する断面図で、図6は図5におけるVI−VI矢視部分の断面図であり、前記実施例に比較して落下防止部材60が相違する。落下防止部材60は、前記実施例の落下防止部材58に比較して軸方向寸法が長い円筒形状を成しているが、前記実施例と同様にスペーサ36の内側に圧入等により一体的に固設されている。また、貫通穴62は、前記実施例と同様にスタッドボルト44の外径と略同じ径寸法であるが、その貫通穴62の内周面には、落下防止部材60を単独で示す図7から明らかなように複数の断面V字形状の溝64が軸方向の全長に軸心と平行に設けられている。この溝64は、軸直角断面において貫通穴62の軸心まわりに等角度間隔で放射状を成すように6本設けられている。なお、複数の溝64の間の部分を、スタッドボルト44に係合させられる係止爪と見做すこともできる。
本実施例においても、スタッドボルト44が落下防止部材60の貫通穴62内に相対的に圧入されて挿通させられるため、車両用ペダルブラケット14の取付位置のばらつきが抑制されるとともに、仮組み状態で車両用ペダルブラケット14が落下し難くなって組付作業性が向上するなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。加えて、本実施例では落下防止部材60が比較的長い円筒形状を成しているため、スタッドボルト44と落下防止部材60との嵌合長さが長く、仮組み状態での車両用ペダルブラケット14の姿勢が一層安定し、ナット締付等の組付作業性が一層向上する。しかも、貫通穴62の内周面には複数の溝64が軸方向の全長に設けられているため、その貫通穴62の内周部が弾性変形し易くなり、スタッドボルト44を相対的に貫通穴62内に圧入する際の作業が容易になる。
図8は前記図3に相当する断面図で、この落下防止部材70は、小径段差部38とベースプレート部30との離間寸法に相当する長さ寸法を有する円筒形状を成している。この場合は、スペーサ36の内部に必ずしも圧入等によって固設する必要はなく、小径段差部38とベースプレート部30との間で位置決めされて保持されるように配設するだけでも良い。勿論、前記実施例と同様にスペーサ36の内部に圧入等によって一体的に固設しても良い。また、この落下防止部材70の貫通穴72は、小径段差部38側へ向かうに従って大径になるテーパ形状を成しており、大径端は前記取付穴52や挿通穴54よりも大径で、小径端はスタッドボルト44の外径と略同じ径寸法である。本実施例では、貫通穴72が略全長に亘ってテーパ形状を成しており、貫通穴72の全体がテーパ穴部に相当する。
本実施例においても、スタッドボルト44が落下防止部材70の貫通穴72内に相対的に圧入されて挿通させられるため、車両用ペダルブラケット14の取付位置のばらつきが抑制されるとともに、仮組み状態で車両用ペダルブラケット14が落下し難くなって組付作業性が向上するなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。加えて、本実施例では貫通穴72がテーパ形状を成しているため、スタッドボルト44が貫通穴72内に相対的に圧入される際に、そのテーパ形状の内周面に案内されて円滑に挿入されるようになり、貫通穴72内に圧入する際の作業性が向上する。
図9は前記図3に相当する断面図で、この落下防止部材74は、貫通穴76を有する円筒形状を成しており、前記実施例と同様にスペーサ36の内部に圧入等によって一体的に固設される。また、貫通穴76は、スタッドボルト44の外径と略同じ径寸法でベースプレート部30側の所定の長さ範囲に設けられた円筒穴部76aと、その円筒穴部76aから小径段差部38側の端部へ向かうに従って大径になるテーパ形状のテーパ穴部76bとを有し、その大径端すなわち開口端は落下防止部材74の外周面に達している。
本実施例においても、スタッドボルト44が貫通穴76内に相対的に圧入される際に、テーパ穴部76bの内周面に案内されて円滑に挿入されるようになり、貫通穴76内に圧入する際の作業性が向上する、という図8の実施例と同様の作用効果が得られる。また、本実施例の落下防止部材74は、スタッドボルト44の外径と略等しい内径の円筒穴部76aが所定の長さ範囲に設けられているため、図8の実施例に比較して仮組み状態での車両用ペダルブラケット14の姿勢が安定し、ナット締付等の組付作業性が向上する。
図10は前記図3に相当する断面図で、この落下防止部材80は、前記図8の落下防止部材70と同様に小径段差部38側へ向かうに従って大径になるテーパ形状の貫通穴82を有するとともに、貫通穴82の内周面には、図に示す軸方向断面において小径側へ傾斜する鋸歯状となるように複数の環状突部84が設けられている。したがって、本実施例においても、テーパ形状の貫通穴82によって図8の実施例と同様の作用効果が得られる。加えて、本実施例の貫通穴82の内周面には複数の環状突部84が設けられているため、仮組み状態でそれ等の環状突部84がスタッドボルト44に係合させられることにより、落下防止部材80がスタッドボルト44から抜け出し難くなり、車両用ペダルブラケット14がそのスタッドボルト44から落下することが適切に抑制されて組付作業性が一層向上する。
なお、上記図8〜図10の落下防止部材70、74、80や前記図3の落下防止部材58についても、図5の実施例の溝64と同様の溝を設けることができる。
図11は前記図3に相当する断面図で、本実施例では図3の実施例に比較してスペーサ90が相違する。すなわち、このスペーサ90の小径段差部92の内径寸法は、ダッシュパネル12に設けられた挿通穴96よりも小径で、小径段差部92の外側端面の内周部には、その挿通穴96内に挿入される円環状突起94がスペーサ90の軸方向へ突き出すように設けられている。このように挿通穴96内に挿入される円環状突起94が設けられることにより、ダッシュパネル12に対する車両用ペダルブラケット14の取付位置精度が一層高くなる。小径段差部92の内径は、複数のスタッドボルト44の組付誤差等に拘らず組み付けることができるように前記挿通穴54と略同じ径寸法で設けられており、挿通穴96は、円環状突起94を挿入できるように前記挿通穴54よりも大径である。
図12は前記図3に対応する断面図で、(a) はダッシュパネル12に取り付ける前の状態、(b) はダッシュパネル12に取り付けた状態であり、上記図11の実施例を基本とするもので、落下防止部材100が相違する。図13は落下防止部材100を単独で示す図で、軸方向から見た正面図である。この落下防止部材100は、ばね鋼等の金属製で薄板の円板環状を成しており、スペーサ90の内周面に設けられた環状の取付溝104内に外周部が弾性的に嵌め込まれることにより、そのスペーサ90の内側に一体的に取り付けられている。また、貫通穴102は、取付穴52と略同心になるように設けられているとともに、複数の係止爪106が中心に向かって突き出すように設けられることにより、星型形状に形成されている。そして、それ等の係止爪106の先端の径寸法はスタッドボルト44の外径よりも小さく、スタッドボルト44が貫通穴102内に挿入されると、図12の(b) に示すように軸方向へ撓み変形させられる。したがって、その撓み変形に伴って生じる弾性により、スタッドボルト44の軸心Sに対して取付穴52が略同心になるようにベースプレート部30が位置決めされ、ダッシュパネル12に対する車両用ペダルブラケット14の取付位置精度が向上する。また、仮組み状態で係止爪106がスタッドボルト44と係合させられることにより、落下防止部材100がスタッドボルト44から抜け出し難くなるため、車両用ペダルブラケット14がそのスタッドボルト44から落下することが適切に抑制されて組付作業性が向上するなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。落下防止部材100の板厚がスタッドボルト44の雄ねじのピッチより小さい場合、係止爪106が雄ねじのねじ溝に侵入して噛み込むため、スタッドボルト44からの落下が一層効果的に防止される。なお、上記複数の係止爪106の相互間の空間は、第3発明の溝と見做すことができる。
図14は、図13に対応する正面図で、この落下防止部材110は、上記図12の実施例の落下防止部材100の代わりに用いることができるものである。落下防止部材110は、ばね鋼等の金属製で薄板の円板環状を成しており、貫通穴112には、120°間隔で中心に向かって突き出す3個の係止爪114が設けられている。この係止爪114の先端の径寸法もスタッドボルト44の外径より小さく、スタッドボルト44が貫通穴112内に挿入されると、そのスタッドボルト44と係合させられて撓み変形させられ、図12の実施例と同様の作用効果が得られる。なお、落下防止部材100、110は何れも金属製であるが、所定の弾性を有する硬質合成樹脂にて構成することも可能である。
図15は前記図3に相当する断面図で、(a) はダッシュパネル12に取り付ける前の状態、(b) はダッシュパネル12に取り付けた状態であり、前記図11の実施例を基本とするもので、落下防止部材120が相違する。図16は落下防止部材120を単独で示す図で、軸方向から見た正面図である。この落下防止部材120は硬質の合成樹脂材料製で、スペーサ90の内周側に嵌め入れられる円筒部122、およびその円筒部122の軸方向の中間位置に内側へ突き出すように設けられた薄板状の内向きフランジ124を備えており、その内向きフランジ124に、多数の係止爪128を有する貫通穴126が取付穴52と略同心になるように設けられている。円筒部122の軸方向長さは、ベースプレート部30と小径段差部92との間の内寸法と略同じで、それ等の間で位置決めされる。係止爪128の先端の径寸法はスタッドボルト44の外径よりも小さく、スタッドボルト44が貫通穴126内に挿入されると、そのスタッドボルト44と係合させられて図15の(b) に示すように軸方向へ撓み変形させられ、図12の実施例と同様の作用効果が得られる。上記複数の係止爪128の相互間の空間は、第3発明の溝と見做すことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
12:ダッシュパネル 14:車両用ペダルブラケット 30:ベースプレート部 36、90:スペーサ 38、92:小径段差部(内向き突起) 44:スタッドボルト(取付ボルト) 46:ナット 52:取付穴 54、96:挿通穴 56、62、76、102、112、126:貫通穴 58、60、70、74、80、100、110、120:落下防止部材(組付補助部材) 64:溝 72、82:貫通穴(テーパ穴部) 76b:テーパ穴部 84:環状突起 94:円環状突起

Claims (5)

  1. 車両用ペダルブラケットの板状のベースプレート部に複数の取付穴が設けられるとともに、
    前記ベースプレート部をダッシュパネルから離間して固定するために、該ベースプレート部の裏面側に前記取付穴よりも大径の筒形状のスペーサが該取付穴に対応して複数固設されており、
    前記ダッシュパネルから車室内へ突き出す複数の取付ボルトがそれぞれ前記スペーサおよび前記取付穴内を遊びを持って挿通させられた状態で、該取付穴から突き出す該取付ボルトの先端部にナットが螺合されており、該取付ボルトおよび該ナットの螺合に基づいて前記ベースプレート部が前記ダッシュパネルとの間で該スペーサを挟んだ状態で該ダッシュパネルに一体的に固定されている車両用ペダルブラケットの取付部構造において、
    前記複数のスペーサの少なくとも一つには、前記取付ボルトの挿通を許容するように内周側へ突き出す内向き突起が全周に設けられており、前記取付穴よりも小さい内径寸法の貫通穴を有する弾性変形可能な組付補助部材が、前記内向き突起と前記ベースプレート部との間において前記筒形状の内側に配設されている
    ことを特徴とする車両用ペダルブラケットの取付部構造。
  2. 前記組付補助部材は、前記貫通穴が前記取付穴と同心になるように前記スペーサに配設されており、
    該貫通穴の内径寸法は、前記取付ボルトの外径と略同じである
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用ペダルブラケットの取付部構造。
  3. 前記貫通穴の内周面には、軸方向の全長に溝が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ペダルブラケットの取付部構造。
  4. 前記取付ボルトは、前記ダッシュパネルに設けられた挿通穴内を遊びを持って挿通させられて車室内に突き出している一方、
    前記内向き突起は、前記スペーサの前記ダッシュパネル側に位置する先端部の内周面の全周に連続して設けられるとともに、内径寸法が前記挿通穴よりも小さい小径段差部で、
    該小径段差部の外側端面には、前記挿通穴内に挿入される円環状突起が前記スペーサの軸方向へ突き出すように設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用ペダルブラケットの取付部構造。
  5. 前記貫通穴は、前記ベースプレート部と反対側へ向かうに従って大径になるテーパ形状のテーパ穴部を有するとともに、
    該テーパ穴部には、軸方向断面において小径側へ傾斜する鋸歯状となるように複数の環状突部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の車両用ペダルブラケットの取付部構造。
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