JP5851350B2 - 二酸化炭素の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、二酸化炭素の精製方法に関する。
工場などの燃焼プロセスや反応プロセスからの排ガス中には二酸化炭素(CO2)が含まれている。二酸化炭素は温室効果により地球の温暖化をもたらす温室効果ガスであることが知られている。環境負荷の少ない持続可能な社会もしくは化学工業の実現のために、排ガスから二酸化炭素を分離・回収すること、さらには再利用することが望まれている。
そこで、排ガス中から二酸化炭素を分離して回収する方法が研究される。このような、分離回収の代表的な方法として、PSA法、アミン法、深冷分離法、膜分離法が知られているが、いずれの方法についても分離回収装置が大がかりであったり、コスト高であったり、回収した二酸化炭素の純度が低く、そのまま他の用途に用いることができないなどの問題があって、簡便に用いられる分離回収技術が求められている。
また、二酸化炭素を化学反応により、他の有価物を合成するための原料として用いることも検討されている。このような化学反応としては、特許文献1に記載のようにエポキシ化合物と二酸化炭素とを特定の触媒存在下で化1記載の反応を行うものがある。この環状カーボネートは強極性、高沸点という特性を有しているため、リチウム電池の非水電解質および、半導体製造工程やリソグラフィーの工程で用いられている。
特表2002−513787号公報
二酸化炭素を化学反応の原料として使用するのみでは、対象となる有価物の合成のみに限られてしまうため、二酸化炭素の再利用という点では使用量が少なく、広く一般に二酸化炭素を用いる技術に応用できないという問題があった。
そこで、本発明は、排ガス等から簡便かつ高純度に二酸化炭素を分離回収する技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々の用途に有用な環状カーボネート化合物を提供する目的で、種々の構造を有する環状カーボネート化合物を検討した結果、得られた環状カーボネートが熱分解を起こす際に、合成に用いられた二酸化炭素を優先的に放出することを見出し、本発明を完成するに至った。
記目的を達成するための本発明の二酸化炭素精製方法の特徴構成は、
エポキシ基を有する化合物に二酸化炭素を反応させて、環状カーボネート化合物を生成させる二酸化炭素吸収工程、および、
その環状カーボネート化合物における環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記エポキシ基を有する化合物の分解温度よりも低い温度において、環状カーボネート化合物を分解させて二酸化炭素を発生させる二酸化炭素再生工程
を順に行う点にある。
ここで説明を加えると、上記構成は、
分子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物に二酸化炭素を反応させて、環状カーボネート化合物を生成させる二酸化炭素吸収工程、および、
その環状カーボネート化合物における環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記基本骨格の分解温度よりも低い温度において、環状カーボネート化合物を分解させて二酸化炭素を発生させる二酸化炭素再生工程を順に行うものであり、
さらに、前記分子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物(原料化合物)がエポキシ基(化2)を有する化合物としたものである。
子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物:
ハロヒドリンのように分子内に水酸基とハロゲン基を有する化合物は、アルカリ処理により脱ハロゲン化水素化反応を起こして、環状エーテルを形成する。この環状エーテルで、特にエポキシ基等を有する化合物は、二酸化炭素ガスと反応して環状カーボネート化合物を形成する(化1参照)ことが知られている(以下単に原料化合物と呼ぶ場合がある)。
Figure 0005851350
ただし化1中
mは0以上の整数、
nは1以上の整数
Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基より選択される一価の基である。
また、本願では、Rを除く残基を環状カーボネート構造と呼ぶ。
二酸化炭素吸収工程:
原料化合物を、たとえば排ガスなどに含まれる純度の低い二酸化炭素を反応させると、二酸化炭素ガスが選択的に吸収分離されて、環状カーボネート化合物の合成に用いられ、環状カーボネート化合物の合成を行うことができる。
二酸化炭素再生工程:
合成された環状カーボネート化合物を昇温すると、上記新知見より、環状カーボネート化合物は、昇温したときに、環状カーボネート構造が優先的に分解され始める。つまり、環状カーボネート化合物を昇温すると、環状カーボネート構造のみが分解して、前記基本骨格が、分解しない温度に達する。この状況で、環状カーボネート化合物の分解反応を行うと、環状カーボネート化合物は基本骨格を崩すことなく二酸化炭素を放出する。
すなわち、上記化1における逆反応が生起することになり、環状カーボネート化合物は、純粋な二酸化炭素ガスを発生させるとともに、原料化合物に復元し、さらに二酸化炭素ガスを吸収分離可能な状況に再生される。
したがって、上述の二酸化炭素吸収工程を行った後、二酸化炭素再生工程を行えば、排ガス等に含まれる二酸化炭素を精製して純度の高いものとして取り出すことができる。
なお、上述の工程は、バッチ式に順次行うことができ、連続的に行うこともできる。
なお、前記分子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物(原料化合物)エポキシ基(化2)を有する化合物としている
Figure 0005851350
つまり上記原料化合物としては、エポキシ基を有する化合物を選択することで、二酸化炭素ガスとの反応性が高く、2−オキソ−1,3−ジオキソリル基を形成し、対応する環状カーボネート化合物を容易に生成することができる。
記原料化合物としては、(10−(2’,5’−ジグリシジルエーテルフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)(化3、化合物A)、トリグリシジルシアヌレート(化4、化合物B)、テトラグリシジルソルビトール(化5、化合物C)、ジグリシジルビスフェノールA(化6、化合物D)を採用することができる。
Figure 0005851350
Figure 0005851350
Figure 0005851350
Figure 0005851350
後述の実施形態より、上記原料化合物は、所定の二酸化炭素再生工程下限温度以上で二酸化炭素再生工程を行え、二酸化炭素を回収分離することができるとともに、表1の二酸化炭素再生工程上限温度以下の温度では原料化合物の基本骨格の分解を起こさず、原料化合物の再生を行えることが明らかになり、一般的にこれらの原料化合物は、二酸化炭素吸収工程を常温〜100℃程度の低温で速やかに行えることから、低温で二酸化炭素吸収工程を行った後、二酸化炭素吸収工程を行った原料化合物を昇温して二酸化炭素再生工程に供するだけの簡便な手順で二酸化炭素ガスの精製を行うことができる。
Figure 0005851350
これにより、二酸化炭素ガスを精製しつつ分離回収して、種々用途に有効に利用することができるようになった。
実施形態1における検証実験の結果を示すグラフ 実施形態2における検証実験の結果を示すグラフ 実施形態3における検証実験の結果を示すグラフ 実施形態4における検証実験の結果を示すグラフ
以下に、本発明の二酸化炭素精製方法を説明する。なお、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の二酸化炭素精製方法は、分子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物(原料化合物)に二酸化炭素を反応させて、環状カーボネート化合物を生成させる二酸化炭素吸収工程を行い、ついで、その環状カーボネート化合物における環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記基本骨格の分解温度よりも低い温度において、環状カーボネート化合物を分解させて二酸化炭素を発生させる二酸化炭素再生工程を順に行う。
ここで、分子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物(原料化合物)には、エポキシ基(化2)を有する化合物を用いる。以下、原料化合物として記載するものは全てエポキシ基(化2)を有する化合物である。
〔実施形態1〕
上記原料化合物として、前記化合物(A)を用いた例を以下に示す。なお、前記化合物(A)は、たとえば、新日鉄化学よりエポトート FX−305EK70として入手可能である。
〔二酸化炭素吸収工程〕
フラスコにアンモニウム系イオン性化合物(触媒)としてN,N,N−トリエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマイドを0.50mmolを入れ、2−ブタノン(MEK)(溶媒)10.0gを加える。また、この液に上記化合物(B)(10−(2’,5’−ジグリシジルエーテルフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)29.71g(68.1mmol)を加える。
この反応容器を還流管に取り付け、CO2を5%含有する混合ガスを流しながら20分間反応液中に導入して室温、常圧でバブリングした。ついで玉栓で反応容器を密閉した後、還流管の頭頂部の三方コックにおいて模擬排ガスを流しながら80℃で24時間加熱撹拌した(二酸化炭素吸収工程)。
なお、本実施形態においては、溶媒として沸点80℃の2−ブタノン(MEK)を用いたため80℃で二酸化炭素吸収行程を行っているが、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いれば二酸化炭素吸収行程を100℃以上で行っても良く、二酸化炭素吸収行程の温度が80℃以下に限定されるわけではない。
〔二酸化炭素再生工程〕
反応終了後、反応溶液を、加熱すると、約210℃においてガスの発生を確認することができた(二酸化炭素再生工程)。
上記二酸化炭素再生工程において、210℃において発生したガスを分析したところ、純粋な二酸化炭素であることがわかった。
また、上記反応溶液を蒸留水2Lに投入して得られた白色固体をガラスフィルターでろ過することにより、生成物として前記化3の反応式に示される環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物(A2)が32.20g、収率99%で得られていることがわかった。
得られた環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物の1HNMR(C
DCl3)スペクトルは、8.3−6.2,m,(芳香族プロトン),4.94,bs,
(環状カーボネート構造のプロトン),4.48,m,(環状カーボネート構造のプロトン),4.2−2.8,m,(環状カーボネート構造のプロトンとオキシメチレン部分のプロトン),1.82,s,(水酸基のプロトン)であった。
また、得られた環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物のC=O伸縮振動(IR)は1793cm-1であった。
これらのデータより、前記化3の反応式で得られた化合物は、化合物(A2)10−(2’,5’−ビス(1”,3”−ジオキソラン−2”−オン−4”−イルメチルオキシ)フェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドであることが確認できた。
次に、上記二酸化炭素再生工程における二酸化炭素ガスの発生温度域と、二酸化炭素ガスの発生に基づき原料化合物(A)が分解していないことを確認するために、下記検証実験を行った。
〔検証実験〕
二酸化炭素吸収工程により得られたホスフィン酸エステル化合物(A2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図1のようになった。なお、図1〜4を通じて、右上がりに増加する直線が左縦軸(温度)の推移を示し、上図において右下がりに減少する曲線が右縦軸(重量減少)の推移を示すものである。下図においてピークをもって増減する曲線が右縦軸(質量分析による二酸化炭素由来のピーク(m/z=44の強度))の推移である。
図1より、化合物(A2)は、210℃に達した頃から二酸化炭素を放出し始めるとともに重量減少が始まっていることが読み取れる。このときの質量分析計の出力は二酸化炭素由来のフラグメントピーク以外にピークはなく、化合物(A2)は、環状カーボネート構造のみが分解しているものと考えられる。すなわち、化合物(A2)の環状カーボネート構造の分解温度は210℃と考えることができ、二酸化炭素再生工程下限温度として扱うことができる。
さらに昇温すると、二酸化炭素由来のフラグメントピークの強度は強くなり、260℃程度で重量減少も2%程度にいたる。ここまでの間、二酸化炭素由来のフラグメント以外のフラグメントが観測されていないことから原料化合物(A)の基本骨格の分解はまだ始まっていないことも確認できる。さらに、原料化合物(A)から化合物(A2)を生成した際、化合物(A2)が吸収した二酸化炭素量は8.2%であるから、この時点でも主に二酸化炭素は環状カーボネート構造の分解に由来すると考えられる。しかし、化合物(A2)の温度が260℃に達すると、質量分析計の出力は二酸化炭素由来のフラグメントピーク以外のピークが発生しはじめる(リン酸部分と推定される)。そのため、化合物(A2)は、260℃以上になると原料化合物(A)の基本骨格が分解しはじめると考えられ、基本骨格の分解温度を260℃と考えることができ、二酸化炭素再生工程上限温度として扱うことができる。
すなわち、原料化合物(A)を用いて本発明の二酸化炭素精製方法を行う場合には、室温から80℃程度の低温において二酸化炭素吸収工程を行い、210℃〜260℃程度の加熱状態で二酸化炭素再生工程を行うことにより、可逆的に化3の反応が進行するため、二酸化炭素の精製を繰り返して行え、純度の高い二酸化炭素を効率よく回収することができることがわかった。
〔実施形態2〕
上記原料化合物(A)に代えて原料化合物としてトリグリシジルシアヌレート(B)を用いて実施形態1と同様に検証実験を行った。前記化合物(B)は、たとえば、日産化学社より入手可能である。
〔検証実験〕
実施形態1と同様に二酸化炭素吸収工程により得られたシアヌレート化合物(B2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図2のようになった。
上記反応の際、この原料化合物(B)を用いて得られた化合物(B2)は、約243℃のきわめて狭い温度領域で急激に化4の逆反応を生起する。また、原料化合物の基本骨格に含まれるグリシジル基の分解は260℃、シアヌレート骨格の分解は300℃から始まることが、質量分析計によるフラグメントピークの観測よりわかり、また、重量計の記録から、243℃における二酸化炭素発生量は29%であり、化合物(B2)の吸収二酸化炭素量30.8%にきわめて近い値となっていた。
すなわち、原料化合物(B)を用いて本発明の二酸化炭素精製方法を行う場合には、室温から80℃程度の低温において二酸化炭素吸収工程を行い、240℃〜260℃程度の加熱状態で二酸化炭素再生工程を行うことにより、可逆的に化4の反応が進行するため、二酸化炭素の精製を繰り返して行え、純度の高い二酸化炭素を効率よく回収することができることがわかった。
また、急激に化4の逆反応を生起し、基本骨格が分解しはじめるまでの温度(二酸化炭素再生工程上限温度)までの温度差が十分にあることから、原料化合物(B)は、繰りかえし二酸化炭素精製を行っても原料化合物(B)の劣化を抑制することのできる温度管理を容易に行えることがよみとれる。
〔実施形態3〕
上記原料化合物(A)に代えて原料化合物としてテトラグリシジルソルビトール(C)を用いて実施形態1と同様に検証実験を行った。前記化合物(C)は、たとえば、ナガセケムテック社より、ソルビトールポリグリシジルエーテルとして入手可能である。
〔検証実験〕
実施形態1と同様に二酸化炭素吸収工程により得られたソルビトール化合物(C2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図3のようになった。
上記反応の際、この原料化合物(C)を用いて得られた化合物(C2)は、約230℃〜250℃の温度領域で化5の逆反応を生起し、二酸化炭素ガスのみを発生した。また、原料化合物の基本骨格に含まれるグリシジル基の分解は250℃、ソルビトール骨格の分解は280℃から始まることが質量分析計によるフラグメントピークの観測よりわかった。また、重量計より250℃に昇温するまでの二酸化炭素発生量は3%程度であり、化合物(B2)の吸収二酸化炭素量20.1%の範囲内であった。
すなわち、原料化合物(C)を用いて本発明の二酸化炭素精製方法を行う場合には、室温から80℃程度の低温において二酸化炭素吸収工程を行い、230℃〜250℃程度の加熱状態で二酸化炭素再生工程を行うことにより、可逆的に化5の反応が進行するため、二酸化炭素の精製を繰り返して行え、純度の高い二酸化炭素を効率よく回収することができることがわかった。
〔実施形態4〕
上記原料化合物(A)に代えて原料化合物としてジグリシジルビスフェノールA(D)を用いて実施形態1と同様に検証実験を行った。前記化合物(D)は、たとえば、ジャパンエポキシレジン社より、エピコート828として入手可能である。
〔検証実験〕
実施形態1と同様に二酸化炭素吸収工程により得られたビスフェノール化合物(D2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図4のようになった。
上記反応の際、この原料化合物(D)を用いて得られた化合物(D2)は、約240℃〜285℃の温度領域で化6の逆反応を生起し、二酸化炭素ガスのみを発生した。また、原料化合物の基本骨格に含まれるグリシジル基の分解は290℃から始まることが質量分析計によるフラグメントピークの観測よりわかった。また、重量計より285℃に昇温するまでの二酸化炭素発生量は8%程度であり、化合物(B2)の吸収二酸化炭素量18.9%の範囲内であった。
すなわち、原料化合物(D)を用いて本発明の二酸化炭素精製方法を行う場合には、室温から80℃程度の低温において二酸化炭素吸収工程を行い、240℃〜285℃程度の加熱状態で二酸化炭素再生工程を行うことにより、可逆的に化6の反応が進行するため、二酸化炭素の精製を繰り返して行え、純度の高い二酸化炭素を効率よく回収することができることがわかった。
本発明によると、燃焼排ガス等に含まれる二酸化炭素ガスを、高純度で回収利用することができる。

Claims (5)

  1. エポキシ基を有する化合物に二酸化炭素を反応させて、環状カーボネート化合物を生成させる二酸化炭素吸収工程、および、
    その環状カーボネート化合物における環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記エポキシ基を有する化合物の分解温度よりも低い温度において、環状カーボネート化合物を分解させて二酸化炭素を発生させる二酸化炭素再生工程を順に行う二酸化炭素の精製方法。
  2. 前記エポキシ基を有する化合物が、(10−(2’,5’−ジグリシジルエーテルフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)であり、
    前記環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記エポキシ基を有する化合物の分解温度よりも低い温度が210℃以上260℃以下の温度とする
    請求項記載の二酸化炭素の精製方法。
  3. 前記エポキシ基を有する化合物が、トリグリシジルシアヌレートであり、
    前記環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記エポキシ基を有する化合物の分解温度よりも低い温度が240℃以上260℃以下の温度とする
    請求項記載の二酸化炭素の精製方法。
  4. 前記エポキシ基を有する化合物が、テトラグリシジルソルビトールであり、
    前記環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記エポキシ基を有する化合物の分解温度よりも低い温度が230℃以上250℃以下の温度とする
    請求項記載の二酸化炭素の精製方法。
  5. 前記エポキシ基を有する化合物が、ジグリシジルビスフェノールAであり、
    前記環状カーボネート構造の分解温度よりも高く、前記エポキシ基を有する化合物の分解温度よりも低い温度が240℃以上285℃以下の温度とする
    請求項記載の二酸化炭素の精製方法。
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