JP5907809B2 - 発泡剤組成物および樹脂組成物の発泡方法 - Google Patents

発泡剤組成物および樹脂組成物の発泡方法 Download PDF

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Description

本発明は、発泡剤組成物および樹脂組成物の発泡方法に関する。
発泡樹脂は、断熱材、緩衝剤、軽量構造材等として一般的に用いられているが、このような発泡樹脂は、一般に、樹脂組成物を気泡とともに押し出し成形する方法、樹脂組成物に発泡剤組成物を含有させておき、成形する際にその発泡剤組成物を発泡させて発泡樹脂とする方法が知られている。
後者の方法にあっては、一般的には無機炭酸塩のほか、ヒドラジン系、アゾ系化合物等が用いられている。
これらの発泡剤は、合成経路においてヒドラジンを用いるため、製造に注意を要すること、アルカリ条件下で不安定であることなどから代替の発泡剤組成物が検討されている。
一方、環状カーボネート化合物も発泡樹脂に混合する技術が知られているが、発泡剤としての用途は考えられていない。たとえば、特許文献1では、発泡工程において環状カーボネート化合物が分解発泡するのではなく、成形工程において発泡生成した気泡中の二酸化炭素をエポキシド化合物が反応吸収して気泡中を真空にする用途で用いられており、特許文献2にあっては、発泡温度よりも沸点の高い環状カーボネート化合物を断熱性向上の目的で添加された例が示されているにすぎない。
特開平07−173314号公報 特開2010−111868号公報
ところで、本発明者らは二酸化炭素の固定化技術として、種々の環状カーボネート化合物の合成を行っており、この環状カーボネート化合物は強極性、高沸点という特性を有しているため、リチウム電池の非水電解質および、半導体製造工程やリソグラフィーの工程で用いることを検討している。
この開発の中で、種々環状カーボネート化合物を検討すると、環状カーボネート化合物は、合成に際して、たとえば、触媒下、エポキシドに二酸化炭素を吸収反応させることにより、温和な条件で合成することができ、エポキシドとして種々構造のものを採用することにより、種々構造の環状カーボネート化合物を得ることができることを見出しているが、このようにして得られた環状カーボネート化合物は可逆的に反応することにより、二酸化炭素ガスを安定的に放出することを実験的に確認している。
そこで、本発明は、新規な発泡剤組成物を提供する点にある。
本発明者らは、上記知見に基づき、環状カーボネート化合物が発泡樹脂を発泡成形する際の発泡剤組成物として利用できる点に想到し、本発明を完成させるに至った。
発明の発泡剤組成物の特徴構成は、樹脂組成物に添加して、その樹脂組成物を発泡成形させるための発泡剤組成物であって、環状カーボネート化合物を含有する点にある。
記知見によると、前記環状カーボネート化合物は、化5に示す反応により得ることができる。そのため、簡便かつ安定に得ることができる。また、生成した環状カーボネート化合物は、加熱により二酸化炭素を生成する逆反応を進行する。この反応を樹脂組成物中で行えば、この際生成する二酸化炭素は気泡となり前記樹脂組成物を発泡成形するのに用いることができる。
Figure 0005907809
ただし化5中
mは0以上の整数、
nは1以上の整数
Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基より選択される一価の基である。
また、本願では、Rを除く残基を環状カーボネート構造と呼ぶ。
そのため、樹脂組成物の成形温度に対応した温度で逆反応を進行する環状カーボネート化合物を用いれば、樹脂組成物の発泡成形を行えることになる。このような環状カーボネート化合物は、二酸化炭素の固定化に寄与するとともに、新規な発泡剤組成物の発泡方法を提供することにより、発泡樹脂の物性を種々に調整する効果も期待できる。
らに、前記環状カーボネート化合物を化6に示す10−(2’,5’−ビス(1”,3”−ジオキソラン−2”−オン−4”−イルメチルオキシ)フェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、または、化7に示すN,N,N−トリス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)シアヌレート、または、化8に示す1O,3O,4O,6O−テトラキス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ソルビトール、または、化9に示すビス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ビスフェノールAから選ばれる環状カーボネート化合物の少なくとも何れかを主成分とすることができる。
また、前記環状カーボネート化合物の原料化合物としては、(10−(2’,5’−ジグリシジルエーテルフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)(化6、化合物A)、トリグリシジルシアヌレート(化7、化合物B)、テトラグリシジルソルビトール(化8、化合物C)、ジグリシジルビスフェノールA(化9、化合物D)を採用することができる。
Figure 0005907809
Figure 0005907809
Figure 0005907809
Figure 0005907809
れらの環状カーボネート化合物は、前記ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS・AS樹脂、MBS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする樹脂組成物、中でも、特にポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ABS・AS樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする樹脂組成物の成形温度よりもやや低い温度において前記逆反応が始まり、二酸化炭素気泡を発生させる。そのため、二軸混練押し出し機のような既存の樹脂発泡成形装置に適用しても大きく異なる温度管理等を要さず、発泡樹脂を製造するのに利用することができると考えられる。
また、前記樹脂組成物がポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS・AS樹脂、MBS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂、中でも、特に、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ABS・AS樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とするものとすることができる。
上記環状カーボネート化合物は、カーボネート構造を有することからポリカーボネートと相溶性が高く、また、それと類似する極性を持った樹脂組成物に対して容易に混合され、さらに、化5のRが非極性の基である環状カーボネート化合物は極性を持たない樹脂組成物に対しても容易に混合され、発泡樹脂を製造できる。このような樹脂組成物として、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS・AS樹脂、MBS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ABS・AS樹脂から容易に発泡樹脂を製造できることが確認されている。
また、本発明の樹脂組成物の発泡方法の特徴構成は、樹脂組成物に環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物を添加混合し、その混合物を昇温するとともに、前記環状カーボネート化合物を熱分解させて、二酸化炭素ガスを発生させて前記樹脂組成物を発泡形成する点にある。
上記環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物は、昇温により熱分解して二酸化炭素ガスを発生するから、樹脂組成物の発泡成形を行うことができ、従来発泡用途には用いられていなかった環状カーボネート化合物を有効に利用することができるとともに、発生した二酸化炭素ガスは成形された樹脂材中に封止されることになるから二酸化炭素の固定化にも寄与している。
前記環状カーボネート化合物としては、化6に示す10−(2’,5’−ビス(1”,3”−ジオキソラン−2”−オン−4”−イルメチルオキシ)フェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、化7に示すN,N,N−トリス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)シアヌレート、化8に示す1O,3O,4O,6O−テトラキス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ソルビトール、化9に示すビス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ビスフェノールAである場合、表1に示す温度で二酸化炭素を発生させることができる。
Figure 0005907809
つまり、後述の実施形態によると、表1の熱分解温度以上に加熱された環状カーボネート化合物は二酸化炭素を生成するから、250℃〜300℃程度で混練される樹脂組成物中で成形時に容易に発泡させることができるとともに、適度な温度域で分解反応を維持することができることがわかった。
なお、このような場合、環状カーボネート化合物は樹脂組成物中に混合されている状態で分解し、二酸化炭素を生成すればよいので、上限温度に特に制限は無いが、樹脂組成物の混練可能な温度域で発泡させる必要があることから、二酸化炭素生成ピーク温度が混練温度域の範囲内または混練温度範囲よりもやや高くなる樹脂組成物に適用されることが好ましい。なお、熱分解開始温度が樹脂組成物の混練温度よりも高い場合には、発泡剤組成物を樹脂組成物に混合した後、成形前に熱分解開始温度に昇温することで、上記樹脂組成物の発泡成形が可能となる。
これにより、新規な発泡剤および発泡剤組成物を提供する事ができるようになるとともに、種々の樹脂組成物を発泡成形することができるようになった。
実施形態1における検証実験の結果を示すグラフ 実施形態2における検証実験の結果を示すグラフ 実施形態3における検証実験の結果を示すグラフ 実施形態4における検証実験の結果を示すグラフ
以下に、本発明の発泡剤組成物および樹脂組成物の発泡方法を説明する。なお、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
本発明の発泡剤組成物は、環状カーボネート化合物を含有してなる。環状カーボネート化合物は、エポキシドのように分子内の基本骨格に水酸基とハロゲン基を有する化合物の分子内脱ハロゲン化水素化物(原料化合物)に二酸化炭素を反応させて、生成される。
〔実施形態1〕
上記環状カーボネート化合物として、前記化合物(A2)を用いた例を以下に示す。なお、原料となる前記化合物(A)は、たとえば、新日鉄化学よりエポトート FX−305EK70として入手可能である。
〔環状カーボネート化合物(A2)の合成〕
フラスコにアンモニウム系イオン性化合物(触媒)としてN,N,N−トリエチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムブロマイドを0.50mmolを入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)(溶媒)10.0gを加える。また、この液に上記化合物(B)(10−(2’,5’−ジグリシジルエーテルフェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド)29.71g(68.1mmol)を加える。
この反応容器を還流管に取り付け、CO2を含有するガスを流しながら20分間反応液中に導入して室温、常圧でバブリングした。ついで玉栓で反応溶器を密閉した後、還流管の頭頂部の三方コックにおいてCO2を含有するガスを流しながら80℃で24時間加熱撹拌した。
上記反応溶液を蒸留水2Lに投入して得られた白色固体をガラスフィルターでろ過することにより、生成物として前記化6の反応式に示される環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物(A2)が32.20g、収率99%で得られていることがわかった。
得られた環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物の1HNMR(CDCl3)スペクトルは、8.3−6.2,m,(芳香族プロトン),4.94,bs,(環状カーボネート構造のプロトン),4.48,m,(環状カーボネート構造のプロトン),4.2−2.8,m,(環状カーボネート構造のプロトンとオキシメチレン部分のプロトン),1.82,s,(水酸基のプロトン)であった。
また、得られた環状カーボネート構造を有するホスフィン酸エステル化合物のC=O伸縮振動(IR)は1793cm-1であった。
これらのデータより、前記化3の反応式で得られた化合物は、化合物(A2)10−(2’,5’−ビス(1”,3”−ジオキソラン−2”−オン−4”−イルメチルオキシ)フェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドであることが確認できた。
得られた化合物(A2)を加熱すると、約210℃においてガスの発生を確認することができた。
上記二酸化炭素再生工程において、210℃において発生したガスを分析したところ、純粋な二酸化炭素であることがわかった。
次に、上記二酸化炭素再生工程における二酸化炭素ガスの発生温度域と、二酸化炭素ガスの発生に基づき原料化合物(A)が分解していないことを確認するために、下記検証実験を行った。
〔検証実験〕
二酸化炭素吸収工程により得られたホスフィン酸エステル化合物(A2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図1のようになった。なお、図1〜4を通じて、右上がりに増加する直線が左縦軸(温度)の推移を示し、上図において右下がりに減少する曲線が右縦軸(重量減少)の推移を示すものである。下図においてピークをもって増減する曲線が右縦軸(質量分析による二酸化炭素由来のピーク(m/z=44の強度))の推移である。
図1より、化合物(A2)は、210℃に達した頃から二酸化炭素を放出し始めるとともに重量減少が始まっていることが読み取れる。このときの質量分析計の出力は二酸化炭素由来のフラグメントピーク以外にピークはなく、化合物(A2)は、環状カーボネート構造のみが分解しているものと考えられる。すなわち、化合物(A2)の環状カーボネート構造の分解温度は210℃と考えることができ、熱分解開始温度として扱うことができる。
さらに昇温すると、二酸化炭素由来のフラグメントピークの強度は強くなり、305℃で二酸化炭素発生量がピークに達した。なお、化合物(A2)の温度が260℃に達すると、質量分析計の出力は二酸化炭素由来のフラグメントピーク以外のピークが発生しはじめる(リン酸部分と推定される)が二酸化炭素ガスの発生が見られている。また、このときの化合物(A2)の重量減少を見ると、約11%の重量減少が見られる。
次に上記環状カーボネート化合物を発泡剤組成物として種々の樹脂に混練し、昇温したところ、表2に示す温度および時間で樹脂組成物の発泡が確認されるとともに、樹脂組成物の発泡成形が可能であることが明らかになった。
Figure 0005907809
ただし表2において
PC:ポリカーボネート
PBT:ポリブチレンテレフタレート
ABS:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂
また、PBTと類似の物性を有するPETや、ポリエステル樹脂組成物の類は同様に発泡成形可能であることも推察できた。さらにいえば、たとえば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS・AS樹脂、MBS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする樹脂組成物等の混練成形温度と近似する熱分解開始温度を有する環状カーボネート化合物であれば、同様に樹脂組成物を発泡成形できることがわかった。
〔実施形態2〕
上記原料化合物(A)に代えて原料化合物としてトリグリシジルシアヌレート(B)を用いて実施形態1と同様に検証実験を行った。前記化合物(B)は、たとえば、日産化学社より入手可能である。
〔検証実験〕
実施形態1と同様に二酸化炭素吸収工程により得られたシアヌレート化合物(B2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図2のようになった。
上記反応の際、この原料化合物(B)を用いて得られた化合物(B2)は、約243℃のきわめて狭い温度領域で急激に化7の逆反応を生起する。また、原料化合物の基本骨格に含まれるグリシジル基の分解は260℃、シアヌレート骨格の分解は300℃から始まることが、質量分析計によるフラグメントピークの観測よりわかった。また、このときの化合物(B2)の重量減少を見ると、約29%の重量減少が見られる。
すなわち、化合物(B2)は本発明の発泡剤組成物として用いることができることがわかった。
また、樹脂組成物として成形温度240℃以上となるものを選択すれば好適に樹脂組成物を発泡成形することができることがわかる。
〔実施形態3〕
上記原料化合物(A)に代えて原料化合物としてテトラグリシジルソルビトール(C)を用いて実施形態1と同様に検証実験を行った。前記化合物(C)は、たとえば、ナガセケムテック社より、ソルビトールポリグリシジルエーテルとして入手可能である。
〔検証実験〕
実施形態1と同様に二酸化炭素吸収工程により得られたソルビトール化合物(C2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図3のようになった。
上記反応の際、この原料化合物(C)を用いて得られた化合物(C2)は、約230℃で化8の逆反応を生起しはじめ、二酸化炭素ガスのみを発生した。また、重量計より278℃において二酸化炭素発生量はピークに達し、化合物(B2)の吸収二酸化炭素量20.1%を超えて約27%の質量減少が観測された。また、原料化合物の基本骨格に含まれるグリシジル基の分解は250℃、ソルビトール骨格の分解は280℃から始まることが質量分析計によるフラグメントピークの観測よりわかった。
すなわち、化合物(C2)は本発明の発泡剤組成物として用いることができることがわかった。
また、樹脂組成物として成形温度230℃以上となるものを選択すれば好適に樹脂組成物を発泡成形することができることがわかる。
〔実施形態4〕
上記原料化合物(A)に代えて原料化合物としてジグリシジルビスフェノールA(D)を用いて実施形態1と同様に検証実験を行った。前記化合物(D)は、たとえば、ジャパンエポキシレジン社より、エピコート828として入手可能である。
〔検証実験〕
実施形態1と同様に二酸化炭素吸収工程により得られたビスフェノール化合物(D2)を2℃/分で昇温しつつ、重量計により重量減少率の推移、および、質量分析計により二酸化炭素フラグメント検出強度の推移を調べたところ、図4のようになった。
上記反応の際、この原料化合物(D)を用いて得られた化合物(D2)は、約240℃で化9の逆反応を生起しはじめ、二酸化炭素ガスのみを発生した。また、重量計より262℃(ピーク温度)に昇温するまでの二酸化炭素発生量は4%程度であり、化合物(B2)の吸収二酸化炭素量18.9%の範囲内であった。なお、300℃程度に最も大きな質量分析によるピークが見られるが、分解フラグメントの質量が44を有する他の物質であることが確認されている。また、原料化合物の基本骨格に含まれるグリシジル基の分解は290℃から始まることが質量分析計によるフラグメントピークの観測よりわかった。
すなわち、化合物(D2)は本発明の発泡剤組成物として用いることができることがわかった。
また、樹脂組成物として成形温度240℃以上となるものを選択すれば好適に樹脂組成物を発泡成形することができることがわかる。
具体的にはポリカーボネート樹脂組成物に化合物(D2)を混練し、昇温したところ、260℃にて8分間で樹脂組成物の発泡が確認されるとともに、樹脂組成物の発泡成形が可能であることが明らかになった。
本発明によると、新規な発泡剤組成物を用いて種々発泡条件において発泡させることにより、樹脂組成物を発泡樹脂成形体として用いることができる様になった。

Claims (7)

  1. 樹脂組成物に添加して、その樹脂組成物を発泡成形させるための発泡剤組成物であって、環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物であって、
    前記環状カーボネート化合物が化1に示す10−(2’,5’−ビス(1”,3”−ジオキソラン−2”−オン−4”−イルメチルオキシ)フェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、または、化2に示すN,N,N−トリス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)シアヌレート、または、化3に示す1O,3O,4O,6O−テトラキス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ソルビトール、または、化4に示すビス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ビスフェノールAから選ばれる環状カーボネート化合物の少なくとも何れかを主成分とする発泡剤組成物
    Figure 0005907809
    Figure 0005907809
    Figure 0005907809
    Figure 0005907809
  2. 前記樹脂組成物がポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
    リアセタール、ポリフェニレンエーテル、PTFE、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ABS・AS樹脂、MBS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする請求項1に記載の発泡剤組成物。
  3. 前記樹脂組成物がポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ABS・AS樹脂よりなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を主成分とする請求項1に記載の発泡剤組成物。
  4. 樹脂組成物に環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物を添加混合し、その混合物を昇温するとともに、前記環状カーボネート化合物を熱分解させて、二酸化炭素ガスを
    発生させて前記樹脂組成物を発泡形成する樹脂組成物の発泡方法であって、
    前記環状カーボネート化合物が化1に示す10−(2’,5’−ビス(1”,3”−ジオキソラン−2”−オン−4”−イルメチルオキシ)フェニル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドであり、210℃以上に昇温して熱分解を行う樹脂組成物の発泡方法
  5. 樹脂組成物に環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物を添加混合し、その混合物を昇温するとともに、前記環状カーボネート化合物を熱分解させて、二酸化炭素ガスを
    発生させて前記樹脂組成物を発泡形成する樹脂組成物の発泡方法であって、
    前記環状カーボネート化合物が化2に示すN,N,N−トリス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)シアヌレートであり、240℃以上に昇温して熱分解を行う樹脂組成物の発泡方法
  6. 樹脂組成物に環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物を添加混合し、その混合物を昇温するとともに、前記環状カーボネート化合物を熱分解させて、二酸化炭素ガスを
    発生させて前記樹脂組成物を発泡形成する樹脂組成物の発泡方法であって、
    前記環状カーボネート化合物が化3に示す1O,3O,4O,6O−テトラキス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ソルビトールであり、230℃以上に昇温して熱分解を行う樹脂組成物の発泡方法
  7. 樹脂組成物に環状カーボネート化合物を含有する発泡剤組成物を添加混合し、その混合物を昇温するとともに、前記環状カーボネート化合物を熱分解させて、二酸化炭素ガスを
    発生させて前記樹脂組成物を発泡形成する樹脂組成物の発泡方法であって、
    前記環状カーボネート化合物が化4に示すビス(1’,3’−ジオキソラン−2’−オン−4’−イルメチル)ビスフェノールAであり、240℃以上に昇温して熱分解を行う樹脂組成物の発泡方法
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