JP5851260B2 - 酸無添加ジュースの製造方法及び流動化剤 - Google Patents

酸無添加ジュースの製造方法及び流動化剤 Download PDF

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本発明は、果物や野菜から酸成分を添加することなくジュースを得ることができる酸無添加ジュースの製造方法及び流動化剤に関するものである。
果物や野菜のジュースを製造する際に、通常、果物や野菜の搾汁液に加熱殺菌を施す。搾汁液中の菌類等を殺菌するためである。かかる加熱殺菌での加熱温度や加熱時間の調整には、搾汁液の酸度が重要な要素となる。搾汁液が高酸度の場合には、搾汁液中の菌類等が繁殖し難いため、加熱殺菌の加熱温度及び/又は加熱時間が緩和され、得られたジュースの風味及びビタミン等を良好に保持できる。このため、果物や野菜の搾汁液が低酸度の場合には、食酢やクエン酸を添加して、所望の酸度とすることが行われている。また、糖度の高いジュースには、その風味を整えるべく食酢やクエン酸を添加することも行われている。しかし、食酢やクエン酸の風味は、果物や野菜の搾汁液の風味と異なり、最終的に得られたジュースの風味が損なわれる弊害も生じている。更に、搾汁液の酸度調整に食酢やクエン酸を添加した場合には、最終製品のジュースの包装容器に、食品衛生法やJAS法に基づいて食酢やクエン酸を添加したことを表示する表示義務が発生する。
この様に、従来から果物や野菜の搾汁液の酸度調整剤として用いられていた食酢やクエン酸に代えて、下記特許文献1には、ペクチンを分解してモノガラクツロン酸を遊離する酵素を、ペクチンを含有する天然物に作用させることにより、得られたモノガラクツロン酸を、果汁飲料や野菜汁飲料のpH調整剤として用いることが記載されている。
特開2009-195158号公報
前掲の特許文献1に記載されたモノガラクツロン酸は、果物や野菜を形成する細胞の細胞壁を形成するペクチンを分解して得られたものである。そのため、食酢やクエン酸を添加した場合に比較して、モノガラクツロン酸を添加してもジュースの風味を損ねる程度は少なくできる。しかしながら、依然として、最終製品のジュースの包装容器には、モノガラクツロン酸を添加したことを表示することは必要である。一方、近年、消費者は、酸無添加の果物や野菜のジュースを求めているが、殺菌や風味等の観点から果物や野菜の搾汁液の酸度調整は必要である。
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、果物や野菜から酸成分を添加することなくジュースを得ることができる酸無添加ジュースの製造方法及びそれに用いる流動化剤を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された酸無添加ジュースの製造方法は、果物及び/又は野菜を破砕しつつそれの細胞を残存させた破砕物に、前記細胞の細胞壁を分解するセルラーゼ活性と、前記細胞壁を形成するペクチンを分解し遊離のガラクツロン酸を生成するペクチナーゼ活性とを併有する酵素として、アクレモニウム属菌が産生したアクレモニウムセルラーゼを含有する酵素剤を添加し、前記破砕物をペースト状又は液状となるように酵素反応を施して、前記ガラクツロン酸によりリンゴ酸換算の酸度を増加した酵素処理物とし、前記酵素処理物中又は前記酵素処理物を搾汁した搾汁液中の前記酵素剤に失活処理を施した後、前記酵素処理物又は前記搾汁液を酸成分の添加なく容器に充填することを特徴とする。
請求項2に記載された酸無添加ジュースの製造方法は、請求項1に記載されたものであって、前記酵素剤のCMCase法による力価が10000u/g以上であることを特徴とする。
請求項3に記載された酸無添加ジュースの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載されたものであって、前記酵素反応を、前記酵素剤を添加した前記粉砕物を20〜70℃で5〜90分保持して施すことを特徴とする。
請求項4に記載された酸無添加ジュースの製造方法は、請求項1〜3のいずれかに記載されたものであって、前記酵素剤を果物及び/又は野菜自身に本来的に含有されている酵素の失活処理を施した前記破砕物に添加することを特徴とする。
請求項5に記載された酸無添加ジュースの製造方法は、請求項1〜4のいずれかに記載されたものであって、前記失活処理を、加熱処理で行うことを特徴とする。
請求項6に記載された流動化剤は、果物及び/又は野菜を破砕してそれの細胞を残存させている破砕物を流動化し且つリンゴ酸換算の酸度を酸成分の添加なく増加する流動化剤であって、前記流動化剤には、前記細胞の細胞壁を分解するセルラーゼ活性と、前記細胞壁を形成するペクチンを分解し遊離のガラクツロン酸を生成して前記酵素処理物の前記酸度を増加するペクチナーゼ活性とを併有する酵素として、アクレモニウム属菌が産生したアクレモニウムセルラーゼを含む酵素が含有されていることを特徴とする。
請求項7に記載された流動化剤は、請求項6に記載されたものであって、前記酵素剤のCMCase法による力価が10000u/g以上であることを特徴とする。
本発明によれば、果物及び/又は野菜を所定の大きさに粉砕した破砕物に、セルラーゼ活性とペクチナーゼ活性とを併有する酵素剤を添加する。酵素剤のセルラーゼ活性によって、破砕物中の果物や野菜に由来する細胞の細胞壁を分解して、破砕物をペースト状又は液状にしつつ、酵素剤のペクチナーゼ活性によって、その細胞壁を形成するペクチンを分解し遊離のガラクツロン酸を生成する。生成されたガラクツロン酸によって高酸度のペースト状又は液状の酵素処理物又はその搾汁液は、含有する酵素剤に失活処理を施された後、酸成分の添加なく容器に充填されて、酸無添加ジュースを得ることができる。また、酵素剤によって、果物及び/又は野菜の破砕物の細胞壁が分解されるため、酵素処理物中の繊維質が減少し、酵素処理物を搾汁する場合には、その搾汁率を向上でき、得られた酸無添加ジュースもさらっとした喉越しを呈することができる。尚、添加した酵素剤は失活処理が施されるため、得られた酸無添加ジュースの容器には、添加した酵素剤を表示する表示義務は生じない。
本発明に係る酸無添加ジュースの製造方法の一例を説明する工程図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明に係る酸無添加ジュースの製造方法の一例を図1に示す。図1に示す製造方法で原料として用いる果物や野菜としては、従来からジュースに用いられているものを用いることができる。野菜としては、例えばニンジン、トマト、レタス、キャベツ等を挙げることができる。また、果物としては、例えばりんご、ミカンやグレープフルーツ等の柑橘類、桃、洋ナシ等を挙げることができる。かかる果物・野菜は、単独であっても、両者を混合して用いてもよい。
原料としての果物や野菜は洗浄し且つ腐った箇所等を取り除くトリミングを施してから、所定の大きさに破砕する。この破砕程度は、果物や野菜の細胞の少なくとも一部が残存している程度とする。具体的には、手動による0.1mm〜5cm四方又は間隔程度の粗破砕やおろし金による擂りおろしやジューサーミキサーによる繊維組織乃至細胞残存程度の粉砕でよく、大型の破砕機を用いてピューレ状に細破砕することは要しない。得られた破砕物に、果物や野菜自身が本来的に含有する酵素(以下、単に含有酵素と称する)を失活させる失活処理を施す。この失活処理は、破砕物や搾汁液の変色防止処理、例えば擂りおろしりんごの場合のような褐変防止処理でもある。かかる失活処理としては、含有酵素が失活する温度での加熱処理が好ましい。加熱温度によっては、破砕物の殺菌も併せて施すことができる。原料としてりんごを用いた場合には、りんご中の含有酵素の失活処理としては、100℃で20分間程度の加熱処理を採用できる。この加熱処理では、破砕物を攪拌することが好ましい。また、桃等の比較的柔らかいものは、予め粉砕処理を実施せずに撹拌を施しつつ含有酵素失活のための加熱処理を行うことにより、粉砕処理と含有酵素の失活処理とを同時に行うことができる。
次いで、含有酵素を失活させた破砕物を冷却した後、所定の大きさの破砕物を流動化し且つ酸度を増加する流動剤を添加し、破砕物をペースト状又は液状の酵素処理物とする。かかる流動化剤には、破砕物の細胞壁を分解するセルラーゼ活性と、細胞壁を形成するペクチンを分解して遊離のガラクツロン酸を生成するペクチナーゼ活性とを併有する酵素剤が含有されている。酵素剤には、アクレモニウム属菌から産生された酵素が含有されていることが好ましい。特に、この酵素に、アクレモニウムセルラーゼが含有されていることが好適である。アクレモニウムセルラーゼは、破砕物の細胞壁を分解する強いセルラーゼ活性を有するため、破砕物を迅速にペースト化或いは液状化することができる。かかる酵素剤は、例えば特開昭59−166081号公報及び特開昭59−166095号公報に記載されているように、セルラーゼを生産するアクレモニウム属菌を培養し、培養液からセルラーゼを採取することによって得ることができる。また、市販の酵素剤、例えば協和化成株式会社製の「アクレモセルラーゼKM」(商品名)を用いることができる。「アクレモセルラーゼKM」に含有されている酵素は、糸状菌のAcremonium celluloyticusより産生されたものであって、強力な活性を呈するセルラーゼとペクチナーゼとを併有する。尚、アクレモニウム属菌から産生されたペクチナーゼについては、例えば特開2001−61473号公報に記載されている。
かかる酵素剤を添加した破砕物は、20〜70℃で5〜90分程度保持して酵素反応を施す。この酵素反応によって、破砕物の細胞壁は分解されてペースト状化或いは液状化されつつ、細胞壁を形成するペクチンが分解されて遊離のガラクツロン酸を生成する。かかるガラクツロン酸の生成は、ペースト状化或いは液状化された酵素処理物中にメタノールが生成されていることから、後述するように、ペクチンのメチルエステル結合を加水分解してメタノールを発生させてペクチン酸とした後、ペクチン酸を低分子化して遊離のガラクツロン酸を生成しているものと推察される。
破砕物に酵素剤を添加して得た酵素処理物に対し、図1に示す酸無添加のジュースの製造方法では、酵素処理物を搾汁機で搾汁して搾汁液を得る。この搾汁条件は、従来の果物や野菜のジュースを製造する際と同様な条件を採用できる。得られた搾汁液には、酵素剤が含有されているため、酵素剤に失活処理を施す。この失活処理としては、酵素処理物を100℃以上で5分程度加熱することによって施すことができる。かかる加熱処理では、搾汁液の殺菌処理も兼ねていてもよい。図1に示す酸無添加のジュースの製造方法では、加熱処理によって酵素剤の失活処理と搾汁液の殺菌とを同時に施した搾汁液を、酸成分を添加することなく缶等の容器に充填して酸無添加ジュースとして出荷できる。尚、酵素剤の失活処理と搾汁液の殺菌とを別工程で施してもよい。
酵素処理物の搾汁液から得た酸無添加ジュース(以下、酵素処理ジュースと称することがある)は、果物や野菜自身の酵素の失活処理を施した破砕物に酵素剤を添加することなく搾汁して得た酸無添加ジュース(以下、酵素無処理ジュースと称することがある)に比較して20%以上(好ましくは40%以上)の高酸度のものである。酵素処理ジュースには、酵素剤による酵素反応によって、破砕物の細胞壁を形成するペクチンを分解して生成された遊離のガラクツロン酸が充分に含有されているからである。ここで、得られた酵素処理ジュースの酸度が、酵素無処理ジュースの酸度に比較して20%未満の場合は、酸度が不足して酸成分の追加が必要となる。また、酵素処理ジュースの搾汁率も、酵素無処理ジュースの搾汁率よりも高い。酵素処理によって、破砕物の繊維質が分解されているからである。更に、酵素処理ジュースでは、破砕物の繊維質が分解されているため、搾汁液の喉越しも、酵素無処理ジュースに比較してさらっとしたものである。
このように高酸度の酸無添加ジュースを得ることができるのは、酵素剤の失活処理を施した搾汁液が高酸度であるからである。この搾汁液をクエン酸や食酢等の酸成分を添加することなく加熱殺菌処理の工程に供した場合でも、クエン酸や食酢等の酸成分を添加して酸度調整を施した従来の搾汁液と同等或いは緩和した加熱殺菌条件(温度、時間)を採用できる。尚、最終製品である高酸度の酸無添加ジュースが充填された包装容器には、破砕物に添加した酵素剤に失活処理が施されているため、酵素剤の添加を記載することは不要である。
これまで説明してきた図1に示す酸無添加ジュースの製造方法では、ペースト状又は液状の酵素処理物を搾汁していたが、ジュースの種類、例えばにんじんジュースのように繊維状物等が混在するジュースでは、ペースト状又は液状の酵素処理物中の酵素剤に失活処理を施した後、酵素処理物を搾汁することなく繊維状物等が混在するジュースとしてもよい。この場合であっても、酵素剤に失活処理を施した酵素処理物を異物等の除去工程に供し、得られたジュースの喉越しに影響を与える大きな残渣等を除去することが好ましい。また、酵素処理物やその搾汁液が、所望の酸度よりも高い場合には、低酸度の酵素処理物や搾汁液と混合して所望の酸度に調整してもよい。尚、図1は得られた搾汁液を缶充填する工程を示しているが、得られた搾汁液を紙袋充填や瓶充填してもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
りんご(品種「つがる」)を洗浄し且つ腐った箇所等を取り除くトリミングを施してから二等分に分割して一方を破砕機で0.1mm〜1.5cm程度に破砕した後、りんご破砕物を攪拌しつつ加熱して100℃で20分間保持し、りんご中の含有酵素を失活する褐変防止処理を施すと共に、殺菌処理も施した。加熱処理を施したりんご破砕物を冷却した後、酵素剤として「アクレモセルラーゼKM」(協和化成株式会社製)を0.1重量%となるように添加し、45℃で1時間保持して酵素反応を施した。「アクレモセルラーゼKM」は、Acremonium celluloyticusより産生された酵素として、強力な活性を呈するセルラーゼとペクチナーゼとを併有し、その力価は10000u/g以上(CMCase法)である。かかる酵素反応を施した酵素処理物は液状の流動性を呈するものであった。次いで、この酵素処理物を油圧搾汁機によって搾汁して搾汁液を得た。得られた搾汁液に、図1に示すように酵素剤の失活処理及び殺菌を施した。この失活処理では、100℃で5分間の加熱処理を搾汁液に施した。失活処理及び殺菌を施した搾汁液を、缶に充填し冷却して酸無添加のりんごジュースを得た。このりんごジュースの搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、糖度(Brix)、糖酸比及び粘度を下記表1に示す。ここで、酸度は0.1規定の水酸化ナトリウムを用いた中和滴定法にて測定し、リンゴ酸換算値で示す。また、糖度(Brix)はデジタル糖度計(ATAGO社製,IPR−101)で測定し、pHはガラス電極型pHメータ(株式会社堀場製作所製,F−22)で測定した。更に、ジュースの粘度は、粘弾性測定装置(日本シイベルヘグナー株式会社製、MCR300)を用い、パラレルプレートによるせん断速度100(1/s)で測定した。
(参照例1)
実施例1において、二等分したりんごの他方について、100℃で20分間保持してりんご自身が持っている酵素の失活処理(褐変防止処理)を施したりんご破砕物を、冷却及び酵素剤の添加を省略して搾汁した他は実施例1と同様に処理して酸無添加のりんごジュースを得た。このりんごジュースについて、実施例1と同様にして搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、甘味(Brix)、糖酸比及び粘度を測定して表1に併せて示す。
(比較例1)
実施例1において、酵素剤として「アクレモセルラーゼKM」に代えて、協和化成株式会社製の「TP−5」(Trichoderma sp.により産生されるセルラーゼ、ヘミセルラーゼに、Aspergillus sp.より産生されるエステラーゼを配合した酵素剤)を添加し、40℃で1.5時間反応させた他は実施例1と同様にして酸無添加のりんごジュースを得た。得たりんごジュースについて、実施例1と同様にして搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、甘味(Brix)、糖酸比及び粘度を下記表1に併せて示す。尚、下記表1には、市販されているりんごジュース(サンつがる)の酸度(リンゴ酸換算)、pH、甘味(Brix)及び糖酸比を測定して表1に併せて示す。
Figure 0005851260
表1から明らかなように、実施例1のりんごジュースの酸度は、参照例1及び比較例1のりんごジュースよりも増加している。このため、ジュースの味に影響を与える糖酸比も実施例1のりんごジュースは参照例1及び比較例1のりんごジュースよりも低下し、クエン酸等の酸成分を添加することなく市販品のりんごジュースと同程度とすることができた。更に、実施例1のりんごジュースの粘度は、参照例1及び比較例1のりんごジュースよりも低下している。実施例1のりんごジュースは、参照例1及び比較例1のりんごジュースに比較して清澄化されていることから、ペクチン等の多糖類が加水分解されて低分子化されているものと考えられる。
(実施例2)
実施例1、比較例1及び参照例1で得たりんごジュースの各々について、パネラー8名で官能評価を行った。その結果、実施例1のりんごジュースは、甘酸のバランスがよく且つ喉越しがスッキリして良好であると評価された。比較例1及び参照例1のりんごジュースは、やや甘味の強い味わいであって、甘酸のバランス及び喉越しが実施例1のりんごジュースよりも劣ると評価された。
(実施例3)
実施例1、比較例1及び参照例1のりんごジュースの各々について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて有機酸組成及び濃度を測定し、下記表2に示す。表2から明らかなように、実施例1ではガラクツロン酸の濃度が著しく増加している。また、ガラクツロン酸のpKa値は3.30±0.35(25℃)であるため、実施例1の搾汁液の酸度向上は、ガラクツロン酸濃度の増加によるものである。この測定では、サンプルを蒸留水で希釈した後、メンブランフィルター(ザルトリウス社製、Ministart RC15、孔径0.45μm)でろ過したものを測定サンプルとした。有機酸の検出は、ブチモールブルー(BTB)を用いたポストラベル法によって行った。使用したHPLCシステム及び分析条件を下記に示す。
〔HPLCシステム〕
グラジェントポンプ:LC−20AD 株式会社島津製作所製
オートサンプラー :SIL−20ACHT 株式会社島津製作所製
カラムオーブン :CTO−20A 株式会社島津製作所製
UV検出器 :SPD−20A 株式会社島津製作所製
〔分析条件〕
分離カラム :昭和電工株式会社製 RSpak KC-811(8.0mmID×300mm)×2
ガードカラム:昭和電工株式会社製 RSpak KC-LG(8.0mmID×50mm)
カラム温度 :60℃
移動相 :3mM HClO
反応液 :10-fold diliuted ST3-R(for post-column method)
流量 :1.0mL/min
検出波長 :440nm
Figure 0005851260
(実施例4)
実施例1、比較例1及び参照例1のりんごジュースの各々について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて下記の条件で糖組成及び糖濃度を測定した。その結果を下記表3に示す。表3から明らかなように、実施例1及び比較例1では、セロビオースが参照例1よりも増加している。りんごの細胞壁を形成する繊維質が分解されたためである。また、実施例1では、スクロースと共にアラビノースが生成されている。スクロースは、人の小腸内のスクラーゼによって分解されて血糖値を急激に増加させるが、アラビノースと同時に摂取された場合には、アラビノースがスクラーゼの働きを阻害して血糖値の上昇を抑制することが判明している。このため、実施例1のりんごジュースを摂取しても、血糖値の急激な上昇を抑制できる可能性がある。尚、糖組成及び糖濃度の測定は、実施例2の有機酸組成及び濃度の測定と別途行ったため、グルクロン酸及びガラクツロン酸の濃度が実施例2の結果と多少異なる値となった。
〔HPLCシステム〕
高速グラジェントポンプ:LC−20A×2台 株式会社島津製作所製
オートサンプラー :SIL−20ACT 株式会社島津製作所製
カラムオーブン :CTO−20A 株式会社島津製作所製
蛍光検出器 :RF−10AXL 株式会社島津製作所製
化学反応槽 :CRB−6A 株式会社島津製作所製
反応液ポンプ :KP−12 株式会社FLOM
〔分析条件〕
カラム :NH2P−50 4E(4.6×250mm)
カラム温度 :40℃
化学反応槽温度:150℃
移動相 :(A)CH3CN/H3PO4(98.5/1.5)
:(B)H2O/H3PO4(98.5/1.5)
反応液 :H3PO4/酢酸/フェニルヒドラジン(220/180/6)
流量 :1.0mL/min(溶離液)、0.4mL/min(反応液)
検出波長 :470nm
励起波長 :320nm
Figure 0005851260
(実施例5)
実施例1、比較例1及び参照例1のりんごジュースの各々について、ヘッドスペースGC−MS法によってメタノール濃度を測定した。このメタノール濃度の測定では、下記機器及び分析条件下で、20mlのバイアルに試料5mlに内標準液(アセトン500ppm)を0,5ml添加して密栓した。これをオートサンプラーにより53℃で25分間攪拌後、1mlをスプリット比20でガスクロマトグラフに注入し測定した。測定結果を下記表4に示す。表4に示すように、実施例1のりんごジュース中のメタノール濃度が比較例1及び参照例1よりも多い。また、表2及び表3から、実施例1のりんごジュース中の遊離のガラクツロン酸濃度が比較例1及び参照例1よりも多い。このことから実施例1の酵素剤によれば、ペクチンのメチルエステル結合を加水分解してメタノールを発生させてペクチン酸とした後、ペクチン酸を低分子化して遊離のガラクツロン酸を生成しているものと推察される。
装置 :GC−17A(株式会社島津製作所製)
カラム :CBP20−S25−050(0.32mm×L25m)
カラム温度 :70℃
試料気化温度 :200℃
検出器温度 :210℃
キャリアガス :He
検出器 :wFID
Figure 0005851260
(実施例6)
実施例1において、酵素反応の時間を48時間とした他は、実施例1と同様にしてりんごジュースを得た。このりんごジュースについて、実施例2と同様にして有機酸組成及び濃度を測定し、下記表5に示す。表1及び表5から明らかなように、酵素反応の時間を長くすることによって得られるジュース中のガラクツロン酸の濃度を高めることができる。
Figure 0005851260
(実施例7)
実施例1において、りんご(品種「つがる」)に代えて、りんご(品種「ふじ」)を用い、酵素反応の時間を15分とした他は、実施例1と同様にして酸無添加のりんごジュースを製造した。また、りんご(品種「つがる」)に代えて、「にんじん」を用い、酵素反応の時間を15分とし、且つ搾汁に代えてピューレ状となるまで再破砕した後、ピューレ状の酵素処理物に酵素剤の失活処理及び殺菌(100℃で5分間保持)を施した他は、実施例1と同様にしてピューレ状のにんじんジュースを製造した。得られたジュースについて、実施例1と同様にして搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、糖度(Brix)及び糖酸比を下記表6に示す。また、下記表6には、酵素剤を添加しなかった他は実施例7と同様に処理して得たりんごジュース(参照例2)及びにんじんジュース(参照例3)の各々について、搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、甘味(Brix)及び糖酸比を併せて示す。更に、りんごジュースについては、実施例1と同様にして粘度を測定し、その結果を表6に示す。表6から明らかなように、りんご(品種「ふじ」)及びピューレ状のにんじんジュースでも、酵素反応によって酸度を各々の参照例よりも著しく増加できる。また、りんごジュースでは、酵素反応によって粘度を参照例2よりも低下できる。
Figure 0005851260
(実施例8)
実施例7及び参照例2,3のジュースの各々について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて実施例2と同様の条件で有機酸組成及び濃度を測定し、下記表7に示す。表7から明らかなように、実施例7の酸度の増加は、主としてガラクツロン酸の濃度増加によるものである。
Figure 0005851260
(実施例9)
桃(品種「あかつき」:白桃と白鳳との交雑品種)を洗浄し且つ腐った箇所等を取り除くトリミングを施した後、攪拌しつつ加熱して100℃で20分間保持し、桃の粉砕処理と桃中の含有酵素の失活処理とを施すと共に、殺菌処理も施した。加熱処理を施した桃破砕物を冷却した後、その一部(10kg)を採取した。採取した桃破砕物に、酵素剤として「アクレモセルラーゼKM」(協和化成株式会社製)を0.1重量%となるように添加し、50℃で40分保持して酵素反応を施した。かかる酵素反応を施した酵素処理物は液状の流動性を呈するものであった。次いで、この酵素処理物を、搾汁機としてパルパーフィニッシャーを用いて搾汁して搾汁液を得た。得られた搾汁液に100℃で5分間の加熱処理を搾汁液に施した。失活処理及び殺菌を施した搾汁液を、ペットボトルに充填し冷却して酸無添加の桃ジュースを得た。この桃ジュースについて、実施例1と同様にして搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、糖度(Brix)、糖酸比及び粘度を測定して下記表8に示す。
(参照例4)
実施例8において、加熱処理を施した桃破砕物の残部(5.5kg)について、酵素剤の添加を省略して搾汁した他は実施例8と同様に処理して酸無添加の桃ジュースを得た。この桃ジュースについて、実施例1と同様にして搾汁率、酸度(リンゴ酸換算)、pH、甘味(Brix)、糖酸比及び粘度を測定して表8に併せて示す。
Figure 0005851260
表8から明らかなように、実施例9の桃ジュースの酸度は、参照例4の桃ジュースよりも増加している。このため、ジュースの味に影響を与える糖酸比も実施例9の桃ジュースは参照例4の桃ジュースよりも低下し、クエン酸等の酸成分を添加することなく酸度の向上を図ることができた。更に、実施例9の桃ジュースの粘度は、参照例4の桃ジュースよりも低下している。このため、実施例9と参照例4との桃ジュースについて、試飲してみると、実施例9の桃ジュースは、参照例4の桃ジュースと比較して、甘酸のバランスがよく且つ喉越しがスッキリして良好であった。
本発明によれば、原料として果物及び/又は野菜を用いた酸無添加ジュースを提供できる、また、原料として用いる果物及び/又は野菜を細かく破砕することを要せず、簡単な破砕機で効率よくジュースを製造できる。

Claims (7)

  1. 果物及び/又は野菜を破砕しつつそれの細胞を残存させた破砕物に、前記細胞の細胞壁を分解するセルラーゼ活性と、前記細胞壁を形成するペクチンを分解し遊離のガラクツロン酸を生成するペクチナーゼ活性とを併有する酵素として、アクレモニウム属菌が産生したアクレモニウムセルラーゼを含有する酵素剤を添加し、前記粉砕物をペースト状又は液状となるように酵素反応を施して、前記ガラクツロン酸によりリンゴ酸換算の酸度を増加した酵素処理物とし、
    前記酵素処理物中又は前記酵素処理物を搾汁した搾汁液中の前記酵素剤に失活処理を施した後、
    前記酵素処理物又は前記搾汁液を酸成分の添加なく容器に充填することを特徴とする酸無添加ジュースの製造方法。
  2. 前記酵素剤のCMCase法による力価が10000u/g以上であることを特徴とする請求項1に記載の酸無添加ジュースの製造方法。
  3. 前記酵素反応を、前記酵素剤を添加した前記粉砕物を20〜70℃で5〜90分保持して施すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸無添加ジュースの製造方法。
  4. 前記酵素剤を、果物及び/又は野菜自身に本来的に含有されている酵素の失活処理を施した前記破砕物に添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸無添加ジュースの製造方法。
  5. 前記失活処理を、加熱処理で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸無添加ジュースの製造方法。
  6. 果物及び/又は野菜を破砕してそれの細胞を残存させている破砕物を流動化し且つリンゴ酸換算の酸度を酸成分の添加なく増加する流動化剤であって、
    前記流動化剤には、前記細胞の細胞壁を分解するセルラーゼ活性と、前記細胞壁を形成するペクチンを分解し遊離のガラクツロン酸を生成して前記酸度を増加するペクチナーゼ活性とを併有する酵素として、アクレモニウム属菌が産生したアクレモニウムセルラーゼを含む酵素剤が含有されていることを特徴とする流動化剤。
  7. 前記酵素剤のCMCase法による力価が10000u/g以上であることを特徴とする請求項に記載の流動化剤。
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