JP5850764B2 - 長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法 - Google Patents

長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5850764B2
JP5850764B2 JP2012042004A JP2012042004A JP5850764B2 JP 5850764 B2 JP5850764 B2 JP 5850764B2 JP 2012042004 A JP2012042004 A JP 2012042004A JP 2012042004 A JP2012042004 A JP 2012042004A JP 5850764 B2 JP5850764 B2 JP 5850764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ion exchange
film
roll
exchange membrane
long
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012042004A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013177505A (ja
Inventor
健吾 織田
健吾 織田
和幸 貞末
和幸 貞末
福田 憲二
憲二 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokuyama Corp filed Critical Tokuyama Corp
Priority to JP2012042004A priority Critical patent/JP5850764B2/ja
Publication of JP2013177505A publication Critical patent/JP2013177505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5850764B2 publication Critical patent/JP5850764B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

本発明は、多数の微細な細孔が貫通している長尺の熱可塑性樹脂フィルム及び該フィルムを用いて該フィルムの細孔内に熱可塑性樹脂が充填された構造のイオン交換膜を製造する方法に関する。
イオン交換膜は、製塩や食品分野における脱塩工程などで利用される電気透析用膜や燃料電池の電解質膜として、また、鉄鋼業などで発生する金属イオンを含んだ酸からの酸回収に用いられる拡散透析用膜など多くの分野で工業的に利用されている。このようなイオン交換膜は、補強材としての機能を有する基材シートが芯材としてイオン交換樹脂中に設けられた構造を有しており、これにより一定の膜強度や膜の形状安定性が付与されている。もし芯材がないとイオン交換樹脂は、イオン交換基を多く持っているため、電解質水溶液に浸漬させると容易に膨潤してしまい、イオン交換膜は強度低下や形態変化が生じてしまう。
従来、上記の基材フィルムとして多孔性の熱可塑性樹脂フィルムを使用することが知られており、実際に使用されている。このような多孔性フィルムを基材とするイオン交換膜は、基材である多孔性フィルム中の細孔内にイオン交換樹脂が充填されており、この結果、膜の電気抵抗(以下、膜抵抗と呼ぶ)が低いという利点を有している。例えば、特許文献1には、多孔性の延伸ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ株式会社製ハイポアや東燃化学那須株式会社製セティーラ等)を基材フィルムとして含む製塩用陽イオン交換膜が開示されている。
特開2009−96923号公報
ところで、上記のように多数の細孔が設けられているフィルムは、このような細孔が設けられていないフィルムに比して強度が低く、また形態安定性が不満足であるという問題があり、このため、該フィルムを用いての種々の作業が極めて実行し難いという問題がある。
例えば、このようなフィルムは、長尺のフィルムの形態で製造され、通常、ロールに巻かれた状態で保管されており、イオン交換膜を製造する際には、該長尺フィルムをイオン交換樹脂形成用の重合性組成物に浸漬して、該フィルムの細孔内に該重合性組成物を充填し、この状態で重合を行うことにより、重合性組成物をイオン交換樹脂に転換させるわけである。即ち、重合性組成物の細孔内への充填のような作業は、長尺フィルムが巻かれている原反ロールから、長尺フィルムを巻き取りロールによって巻き取りながら行われ、重合は、巻き取りロールに巻き取られた状態で行われる。
このようにしてイオン交換膜を製造する場合、基材フィルムが多孔性であって低強度であるばかりか、形態が不安定であり、ロールでの送りに際して、位置設定を正確に行うことができず、位置ずれなどが生じ易い。特に長尺フィルムの幅が大きいほど、位置設定を正確に行うことが困難となり、位置ずれが生じ易い。このような位置ずれは、長尺フィルムのよじれやシワの発生の原因となり、そのまま、重合性組成物への浸漬や巻き取りロールの巻き取り及び重合などが行われると、得られるイオン交換膜の性能にばらつきを生じ易く、不良品の発生率も高くなってしまう。
長尺フィルムを巻き取るときのテンションを高くして、長尺フィルムのよじれやシワの発生を防止することが考えられるが、テンションを高くするには限界があり、適当な手段ではない。何故ならば、テンションの増大は、該長尺フィルムに設けられている細孔の変形をもたらし、部分的な破断などにより細孔同士が結合して大きな孔が形成され、さらなる強度低下などを生じてしまうおそれがあるからである。
また、長尺フィルムの厚みを厚くし、長尺フィルムに一定の強度を持たせることにより、上記の問題を解決することも考えられるが、このような手段も採用することができない。このフィルムの厚みが厚くなるほど、得られるイオン交換膜の膜抵抗が増大してしまい、イオン交換膜に求められる各種処理の効率が低下してしまうからである。
従って、本発明の目的は、多数の微細な細孔が貫通している長尺の熱可塑性樹脂フィルムであって、ロールにより巻き取り作業を位置ずれなく、正確に行うことができる長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、強度も高められた長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを基材フィルムとして用いたイオン交換膜の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、イオン交換膜の形成に用いる多孔性の熱可塑性樹脂フィルムについて鋭意検討した結果、このフィルムは、微細な細孔が多く形成されており、かかる細孔での散乱、乱反射等によって曇り度の高いものであることに着目し、かかるフィルムには、容易に透明なラインを形成し得ることを利用して本発明を完成し得るに至った。
即ち、本発明によれば、多数の微細な細孔が貫通しており且つ長尺である長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムであって、その長手方向に、少なくとも1本の透明ラインが直線状に延びている長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムが巻かれた原反ロールと、該フィルムを巻き取るための巻き取りロールとを用意し、
前記長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを原反ロールから巻出し、イオン交換樹脂形成用の重合性組成物に浸漬して、該フィルムの細孔内に該重合性組成物を充填してイオン交換膜前駆体を作製し、
得られたイオン交換膜前駆体を前記巻き取りロールで巻き取り、
該イオン交換膜前駆体が巻き取りロールに巻き取られている状態で前記重合性組成物を重合せしめる、
工程を含むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法が提供される。
本発明の製造方法においては、
)前記巻き取りロールには、前記長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムに形成されている透明ラインが位置する部分に対応して、溝部が全周にわたって形成されていること、
)前記巻き取りロールには、前記イオン交換膜前駆体と共に、剥離可能な樹脂フィルムが巻き取られること、
が好適である。
また、本発明の製造方法では、
)前記イオン交換樹脂形成用の重合性組成物として、イオン交換基を有する単量体を含有しているものを使用し、前記重合により、イオン交換樹脂が形成されること、
或いは、
)前記イオン交換樹脂形成用の重合性組成物として、イオン交換基を導入し得る官能基を有する単量体を含有するものを使用し、前記重合後に、イオン交換基の導入を行うこと、
という手段を採用することができる。
本発明の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムでは、その長手方向に直線状に延びている透明ラインが少なくとも1本形成されていることが顕著な特徴であり、このような透明ラインを利用して、ロール送りに際しての位置調整を容易に行うことができる。例えば、この透明ラインを長尺フィルムの幅方向中心部分に形成しておき、この透明ラインを送りロール等の各種ロールの幅方向中心に合わせることにより容易にセンタリングすることができ、長尺フィルムの位置ずれによるフィルムのよじれやシワの発生を有効に回避することができる。
しかも、本発明においては、上記のような透明ラインは、該フィルムに形成されている細孔を閉塞せしめることにより容易に形成することができる。即ち、ヒートバー等による熱溶着、接着剤の塗布硬化、2枚の長尺フィルムの側端部を重ね合わせての加熱溶着等により、ライン状に細孔を閉塞することができ、これにより、明確な透明ラインが形成される。
また、本発明の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムは、細孔を閉塞することにより透明ラインが形成されているため、腰が強くなっており、取り扱いが容易となっているばかりか、高い引っ張り強度を有しており、特に長手方向への引っ張りに対した高い強度を有している。従って、かかる長尺フィルムは、ロールの送りに際しての位置合わせを正確に行うことができるばかりか、高いテンションでロール送りを行うことができ、これにより、フィルムのよじれやシワの発生を有効に防止でき、さらには生産速度の向上ももたらされる。特に、2枚の長尺フィルムの側端部を重ね合わせての熱溶着により透明ラインを形成した場合には、該透明ライン部の厚みが増大するため、細孔の閉塞に加えての厚みの増大により、該フィルムの引っ張り強度の増大はさらに大きくなる。しかも、単体の長尺フィルムの幅が短い場合には、2枚を重ね合わせて幅広化することにより、イオン交換膜へと変換する膜の有効面積を広くすることができる。
このように、本発明の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムは、ロール送りを精度よく且つよじれやシワの発生なく、迅速に行うことが可能であり、特にロール送りによる連続してのイオン交換膜の製造に好適に利用することができる。
特に、イオン交換膜は、使用される用途によっては、幅広なものが望まれており、本発明では、幅広のイオン交換膜の形成に使用される幅広の基材フィルムも熱溶着による貼り付けによって容易に製作することができ、このようなイオン交換膜の製造にも有利に適用される。
本発明の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムの概略平面図である。 図1の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムのA−A断面を示す図である。 図1のフィルムを用いてイオン交換膜を製造する際に使用されるロール送り工程を示す図。 図3のロール送り工程に使用されている巻き取りロールを示す図。
<長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルム>
本発明の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムの概略平面図を示す図1を参照して、このフィルム1(以下、単に長尺多孔フィルムと呼ぶ)には、表面から裏面に貫通する微細な細孔(引照数字は省略)が多数形成されている。例えば、イオン交換膜の基材フィルムとして使用されるものでは、適宜の交換膜特性が得られるように、細孔の平均孔径(表面もしくは裏面で観察)は0.01〜2.0μm、特に0.015〜0.4μm程度、空隙率(細孔が占める面積割合)は、20乃至95%、特に30〜90%、最も好ましくは、40〜60%の範囲にあり、その厚みは、一般に5〜150μm、特に10〜70μm、最も好ましくは10〜50μmの範囲となっている。また、幅は用途によって異なるが、一般に30〜1500mm、特に60〜1500mm、最も好ましくは200〜1500mmである。
本発明の長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムは、透明ラインを有するため、特に、厚みが薄いものであってもよい。具体的には、厚みが薄いフィルム(例えば、厚さ5〜30μm)においても、透明ラインを設けることで、ロール送りを精度よく且つよじれやシワの発生なく、迅速に行うことが可能である。
また、かかる長尺多孔フィルム1は、種々の熱可塑性樹脂で形成されていてよいが、イオン交換膜の基材フィルムとして使用する場合では、イオン交換基を有していない熱可塑性樹脂、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−オレフィン共重合体等の塩化ビニル系樹脂;ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロアルキルエーテル)等のフッ素系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂;エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘプテン等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体が形成されていることが好ましく、特に、後述する細孔の閉塞処理が容易であり、さらに成形性、配向性、コスト等の観点からオレフィン系重合体或いは共重合体が好適であり、ポリエチレンが最適である。
さらに、かかるフィルム1は、延伸されていてもよいし、未延伸であってもよいが、一般的には、強度等の観点から1軸或いは2軸方向に延伸されていることが好ましい。
尚、上記のような微細な細孔は、それ自体公知の方法、例えば、特開平9−216964号公報、特開平9−235399号公報、特開2002−3388721号公報などに記載されている方法によって形成することができる。即ち、フィルム成形用の熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン)に細孔形成用の添加材が配合された樹脂組成物を用い、押出成形等により所定厚みのフィルムを成形し、次いで必要により延伸成形を行った後、得られたフィルムに配合されている添加材を、有機溶剤による抽出、酸またはアルカリによる溶解などによって除去することにより、目的とする細孔が多数形成されたフィルムを得ることができる。
ところで、微細な細孔が多数形成されている多孔フィルムでは、これら細孔による散乱、多重反射等によって、その遮光性が高く、例えば全光線透過率は40%未満である。なお、全光線透過率の下限値は、厚みによって異なるため、一義的に限定できないが、通常であれば5%である。
本発明の長尺多孔フィルム1では、このような高い遮光性の部分に透明ライン3が形成されていることが顕著な特徴である。 即ち、この透明ライン3は、長尺多孔フィルム1の長手方向に沿って延びており、該長尺多孔フィルム1の両側端1a,1aと平行に直線状に延びている。このような透明ライン3の形成により、そのロール送り性が大きく高められる。
既に述べたように、一般にフィルムに各種の処理を施す場合、工業的には、ロール送りの過程で各種の処理が連続的に行われる。具体的には、長尺のフィルムが巻かれた原反ロールから該フィルムを巻出し、巻き取りロールに巻き取られる間のフィルムの移動工程で各種の処理が行われるわけである。このように各種の処理が行われたフィルムは、巻き取るロールから巻き出されて適宜の大きさに裁断されて使用或いは販売に供される。
このようなロール送りを行う場合、多数の細孔が形成され且つ厚みが薄いものは、腰がなく、しかも長尺に形成されているため、その形態が著しく不安定であり、位置合わせなどの作業が極めて難しい。例えば、ロール送りに際しては、原反ロールと巻き取りロールとの間には、送りロール、テンションロール、ニップロールなど、多数のロールが設けられており、長尺のフィルムは、一定の位置を通るようにニップロール等によって位置調整されるが、その位置合わせが難しく、位置ずれを生じ易い。このような位置ずれが生じてしまうと、容易によじれやシワが生じてしまう。また、生産速度を高めたり或いはフィルムに発生したシワやよじれを矯正するために、フィルムに加えるテンションを高めると、細孔の変形や拡大が生じてしまい、フィルム物性が損なわれてしまうおそれもある。
しかるに、本発明の長尺多孔フィルム1では、長手方向に直線状の透明ライン3が形成されており、しかも、この透明ライン3は、周囲の透明度が低いため、高い視認性を有している。従って、ロール送りに際しての位置合わせ作業を極めて容易に行うことができ、常に一定の位置で各ロール上を通過するようにしてロール送りを行うことができる。
さらに、この透明ライン3は、細孔を閉塞することによって容易に形成されるものである。即ち、このような透明ライン3の形成は、強度の増大をもたらし、特に長手方向の引っ張りに対する強度が大きく向上させる。従って、本発明の長尺多孔フィルム1は、高いテンションでロール送りを行うことができるという利点も有する。
本発明において、上記の透明ライン3は、特にロール送りに際しての位置決めのために形成されるものであるから、その透明度は、他の部分(細孔が形成されている部分)との識別が可能な程度であればよいが、細孔を閉塞することによって形成されるものであることから、透明ライン3の全光線透過率は、長尺多孔フィルム1自体の生産性、長尺多孔フィルムの加工性(例えば、イオン交換膜への加工性)を考慮すると、40%以上95%以下であることが好ましく、さらに、50%以上95%以下であることが好ましく、特に70%以上90%以下であることが好ましい。
さらに、その幅wは、透明ライン3の存在が明確に視認できる程度の大きさであればよく、必要以上に幅wを大きくすると、細孔を閉塞した弊害が生じるようになってしまう。従って、この幅wは、通常、1乃至20mm、好ましくは1〜10mm、最も好ましくは5〜10mmの範囲であることが好ましい。
また、本発明において、透明ライン3の位置は、特に限定されるものではないが、通常は、図1に示されているように、幅方向の中心線O上を通るように形成されていることが好ましい。この位置に透明ライン3が形成されているときに、ロール送りに際しての位置合わせを容易に行うことができるからである。
さらに、透明ライン3の数は1本に限らず、複数本形成することもできる。透明ライン3複数本形成することによってもロール送りに際しての位置合わせを行うことができるし、また、透明ライン3の数が多くなるほど、透明ライン3による強度の向上効果が大きくなる。ただし、このような透明ライン3の数が必要以上に多く形成されると、細孔を閉塞したが弊害が生じるようになってしまう。従って、このような細孔閉塞の阻害を有効に回避するという観点から、透明ライン3の数は、隣り合う透明ライン3の間隔が10mm以上、好ましくは100mm以上、最も好ましくは200mm以上となる程度に留めることが好ましい。尚、該間隔の上限値は、1200mmである。
透明ライン3を形成するための手段としては、一定のラインに沿って細孔を閉塞し得る限り、特に制限されず、種々の手段を採用することができる。
即ち、先のも述べたが、ヒートバー等による熱溶着、接着剤(例えば糊)の塗布硬化、2枚の長尺フィルムの側端部を重ね合わせての加熱溶着等により、ライン状に細孔を閉塞することができ、透明ライン3を形成することができる。また、接着剤では、漏れの可能性、また厚みを薄くすることはできないが、熱溶着では漏れなどの問題はなく、また厚みを薄くすることができる。
本発明においては、2枚の長尺フィルムの側端部を重ね合わせて圧着しながら熱溶着(こ熱溶着の代わりに接着剤を用いてもよい)により透明ライン3を形成することが最も好適である。即ち、この手段により透明ライン3が形成された長尺多孔シート1の断面を示す図2において、この場合には、透明ライン3の部分での厚みdが増大するため、通常、他の部分の厚みtの100乃至200%、好ましくは110〜190%、最も好ましくは120〜180%程度であることが好ましい。この範囲であれば、強度向上効果が最大に発揮される。
このような手段により透明ライン3が形成された長尺多孔フィルム1は、イオン交換膜用の基材フィルムとして最適である。即ち、イオン交換膜は、一般に幅が広く、従って、その基材フィルムも幅広となるが、重ね合わせにより透明ライン3を形成する場合には、そのフィルム幅を用途に応じた広幅のものに拡大することができるからである。
上述した長尺多孔フィルム1は、この細孔内にイオン交換樹脂が充填されたイオン交換膜として好適に使用される。即ち、細孔内にイオン交換樹脂が充填された構造を形成するためには、当然、ロール送りを利用した連続充填作業が行われるからである。
<イオン交換樹脂>
長尺多孔フィルム1の細孔内に充填されるイオン交換樹脂は、公知のものでよく、例えば、炭化水素系又はフッ素系の樹脂に、イオン交換能を発現させるイオン交換基、具体的には、陽イオン交換基或いは陰イオン交換基を導入したものである。
前記炭化水素系の樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が、また、フッ素系の材質としては、パーフルオロカーボン系樹脂等が挙げられる。
また、イオン交換基は、水溶液中で負又は正の電荷となり得る官能基であり、陽イオン交換基の場合には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等が挙げられ、一般的に、強酸性基であるスルホン酸基が好適である。また、陰イオン交換基の場合には、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基等が挙げられ、一般的に、強塩基性である4級アンモニウム基や4級ピリジニウム基が好適である。
上記のようなイオン交換基を有するイオン交換樹脂は、前述した長尺多孔フィルム1の空隙率や該イオン交換樹脂に導入されているイオン交換基の量に応じて適宜のイオン交換容量(例えば、0.1乃至4.0meq/g程度)となるような量でイオン交換膜中に存在する。
<イオン交換膜の製造>
本発明において、上述した長尺多孔フィルム1を基材フィルムとするイオン交換膜は、イオン交換樹脂を形成するための重合性組成物を用意し(重合性組成物調製)、図3に示されているように、長尺多孔フィルム1が巻かれた原反ロール10から該フィルム1を巻き取りロール20により巻き取る際に重合性組成物を充填し(ロール送り工程)、次いで、細孔内に充填された重合性組成物を巻き取りロール20上で重合し(重合工程)、更に必要に応じて、重合工程で得られた重合体(イオン交換樹脂前駆体)にイオン交換基を導入すること(イオン交換基導入工程)により製造される。
1.重合性組成物調製;
イオン交換基を形成するための重合性組成物は、上述したイオン交換基を導入し得る官能基(交換基導入用官能基)を有する単量体又はイオン交換基を有する単量体(以下、これらの単量体を「基本単量体成分」と呼ぶことがある)、架橋単量体及び重合開始剤を含有するものであり、これらの成分を混合することにより調製される。
交換基導入用官能基を有する単量体及びイオン交換基を有する単量体は、イオン交換樹脂を製造するために、従来から使用されているもので良い。
例えば、陽イオン交換基導入用官能基を有する単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−ハロゲン化スチレン類等を挙げることができる。
陰イオン交換基導入用官能基を有する単量体としては、スチレン、ブロモブチルスチレン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
陽イオン交換基を有する単量体としては、α−ハロゲン化ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸系単量体、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等のカルボン酸系単量体、ビニルリン酸等のホスホン酸系単量体、それらの塩類およびエステル類等を挙げることができる。
また、陰イオン交換基を有する単量体としては、ビニルベンジルトリメチルアミン、[4−(4−ビニルフェニル)−メチル]−トリメチルアミン、ビニルベンジルトリエチルアミン等のアミン系単量体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素複素環系単量体、それらの塩類及びエステル類を挙げることができる。
尚、上記のような単量体として、イオン交換基を有する単量体を用いた場合には、後述する重合工程が完了した段階で目的とするイオン交換膜が得られるが、イオン交換基導入用官能基を有する単量体を用いた場合には、重合工程後にイオン交換基導入工程を実施することにより、目的とするイオン交換膜を得ることができる。
また、架橋性単量体は、イオン交換樹脂を緻密化し、膨潤抑止性や膜強度等を高めるために使用されるものであり、特に制限されるものでは無いが、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ブタジエン、クロロプレン、ジビニルビフェニル、トリビニルベンゼン類、ジビニルナフタリン、ジアリルアミン、ジビニルピリジン等のジビニル化合物が挙げられる。
このような架橋性単量体は、一般に、前述した基本単量体成分100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜40重量部である。
更に、上述した交換基導入用官能基を有する単量体、イオン交換基を有する単量体及び架橋性単量体の他に、必要に応じて、これらの単量体と共重合可能な他の単量体を添加しても良い。こうした他の単量体としては、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メチルスチレン、アクロレイン、メチルビニルケトン、ビニルビフェニル等が用いられる。
重合開始剤としては、従来公知のものが特に制限されること無く使用される。具体的には、オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパ−オキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物が用いられる。
このような重合開始剤は、基本単量体成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜10重量部である。
上述した各種成分を含有する重合性組成物には、粘度を調整するために、必要に応じてマトリックス樹脂を配合することもできる。
このようなマトリックス樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブチレン等の飽和脂肪族炭化水素系ポリマー、スチレンーブタジエン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリ塩化ビニル、或いは、これらに、各種のコモノマー(例えばビニルトルエン、ビニルキシレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、α−ハロゲン化スチレン、α,β,β´−トリハロゲン化スチレン等のスチレン系モノマーや、エチレン、ブチレン等のモノオレフィンや、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンなど)を共重合させたものなどを使用することができる。
これらのマトリックス樹脂は、重合性組成物が、垂れ等を生じることなく、長尺多孔フィルム1の細孔内に速やかに充填保持し得るような粘度となるような量で使用される。
2.ロール送り;
この工程では、図3に示されているように、原反ロール10から長尺フィルム1を巻き取りロール20により巻き取られるが、この間に、前述した重合性組成物が充填された槽25が設けられており、巻き取られる長尺フィルム1は、この槽25内の重合性組成物中に浸漬され、この浸漬によって、重合性組成物が細孔内の充填されたイオン交換膜前駆体1’が得られ、このような前駆体1’の形でロール20に巻き取られる。
即ち、図3では、送りロール等は最小限の数で示されているが、実際の製造ラインでは、各種のロールが多数配置されている。本発明の長尺多孔フィルム1を用いた場合には、透明ライン3を利用して各種のロールを通過するときの位置決めを容易に行うことができるため、ロール送りに際しての位置ずれなどによるフィルム1のよじれやシワの発生を有効に防止することができるわけである。また、引っ張り強度も向上しているため、ロール送りに際してのテンションを高め、よじれやシワの発生を矯正し、さらには生産速度を向上させることも可能となるわけである。
尚、図2の例では、重合性組成物の細孔内への充填が浸漬により行われているが、浸漬に代わりに、スプレー塗布などによって行うことも可能である。このような作業をロール送りの間に行う限り、本発明の利点は十分に発揮される。
一方、巻き取りロール20には、ニップロール(圧ロール)30を介して離型性フィルム35が原反ロール40から巻き取られるようになっている。
即ち、巻き取りロール20には、イオン交換膜前駆体1’(重合性組成物が充填された長尺フィルム1)が重ね合わされ、離型性フィルム20で挟まれ且つ加圧された状態で巻回されている。このことから理解されるように、巻き取りロール20には、イオン交換膜前駆体1’が離型性フィルム20で挟持され且つロール圧により加圧された状態で保持されていることとなる。
尚、離型性フィルム20としては、後述する重合に耐え得る耐熱性を有し、且つ重合後に容易に引き剥がせるものが使用される。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテンあるいはエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同士のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等や、ポリ乳酸など生分解性樹脂、あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂からなるフィルムを挙げることができ、係るフィルムは2軸延伸されていてもよい。
即ち、上記のフィルムの中から、重合性組成物中の単量体成分の種類に応じて適宜なものを選択して離型性フィルムとして使用すればよい。特に、耐熱性及び剥離性の点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルムが最も好適である。
ところで、長尺多孔フィルム1の透明ライン3が2枚のフィルムを重ね合わせての圧着により形成されている場合には、この透明ライン3の部分は厚みが他の部分よりも厚いため凸部となっている。従って、このようなフィルム1が巻き取られている巻き取りロール20では、ニップロール30による加圧が全体にわたって均等に行われず、長尺フィルム1の透明ライン3に対応する部分が膨らみ、その近傍に空間や樹脂溜りが形成されやすくなってしまう。このような不都合を防止するため、図4に示すように、巻き取りロール20の透明ライン3に対応する部分(例えば中心部)には、溝20aを全周にわたって設けておくことが好ましい。このような溝20aの形成により、ニップロール30による加圧を巻き取られたフィルム1の全体にわたって均等に行うことができ、内部に空隙部や樹脂溜りなどが発生することが効果的に防止される。
尚、溝20aは、巻き取りロール20の切削等によって形成することができるが、一般的には、図4に示されているように、巻き取りロール20に離型性フィルム50,50を間隔を置いて巻きつけて貼着することにより形成することが好適である。このようにして溝20aを形成すれば、長尺フィルム1に形成されている透明ラインの位置或いは数に応じて、巻き取りロール20を変えることなく、溝20aを容易に形成することができる。
尚、ここで用いる離型性フィルム50は、前述した離型性フィルム35と同じものである。
3.重合;
上記のようにして、長尺多孔フィルム1の細孔内に重合性組成物が充填されたイオン交換膜前駆体1’は、巻き取りロール20に巻かれたまま加熱オーブン等の重合装置内で加圧下で加熱されての重合工程に供される。即ち、基本単量体成分としてイオン交換基を有する単量体が使用されている場合には、この工程の完了により目的とするイオン交換膜が得られる。また、基本成分として、交換基導入用官能基を有する単量体を用いた場合には、この工程の完了後に、イオン交換基の導入が必要となる。
即ち、この重合工程では、ニップロールによる加圧(一般に0.1乃至1.0MPa程度)によりフィルム1の界面に存在している余剰の重合性組成物が該フィルムの細孔内に押し込まれた状態で重合が行われ、樹脂溜りの発生などが効果的に防止される。
重合温度は、長尺多孔フィルム1を形成する熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度とすればよく、一般に、ポリオレフィン製のフィルムの場合で40乃至130℃程度の範囲である。即ち、係る温度範囲に加熱して重合を行うことによりフィルム1を形成している熱可塑性樹脂の一部が重合性組成物中に溶解し、この状態で重合が行われることとなり、この結果、基材フィルムとイオン交換樹脂との接合強度を高めることができ、膜強度を一層向上させることができる。
尚、重合時間は、重合温度等によっても異なるが、一般には、3乃至20時間程度である。
4.イオン交換基導入;
先に述べたように、重合組成物中の基本単量体成分として、イオン交換基を有する単量体を用いた場合には、上記の重合工程によりイオン交換樹脂が形成され、この段階で目的とするイオン交換膜が得られるが、基本単量体成分として、交換基導入用官能基を有する単量体を用いた場合には、上記の重合工程で得られる樹脂にはイオン交換基を有していないため、重合工程後にイオン交換基の導入を行う必要がある。
イオン交換基の導入は、それ自体公知の方法で行われ、例えば、陽イオン交換膜を製造する場合には、スルホン化、クロルスルホン化、ホスホニウム化、加水分解等の処理により行われ、陰イオン交換膜を製造する場合には、アミノ化、アルキル化等の処理により行われる。
これらの処理は、通常、重合終了後、前述した離型フィルム35を引き剥がした後に行われる。
このようにして形成されたイオン交換膜は、適宜、適当な大きさに裁断されて、使用或いは販売に供される。
イオン交換膜の製造;
2枚のポリエチレン製の多孔フィルム(平均孔径が0.01〜2μm、空隙率45%、幅450mm、厚み24μm、長さ90m、全光線透過率29.6%、材質:ポリエチレン)の長手方向の側端部同士を、重なり部分が10mmとなるように重ねた。次いで、重ねた部分の上下から140℃の熱で連続的に圧着した。この圧着部分が透明ライン3となり、該透明ライン3は幅10mm、幅部分厚みdは40μm、全光線透過率89.7%である長尺多孔フィルム1を作製した。
続いて、このように作製した長尺多孔フィルム1を巻いた原反ロール10から巻取りロール20により巻き取る際に、イオン交換樹脂形成用の重合性組成物(クロロメチルスチレン:95質量部、57%ジビニルベンゼン:5質量部、t―ブチルパーオキシエチルヘキサノエート:5質量部、エチレングリコールジグリシジルエーテル:5質量部)が充填された槽25内に浸漬し該重合性組成物を長尺多孔フィルム1の細孔内に充填した。
続いて、長尺多孔フィルム1の細孔内に重合性組成物が充填されたイオン交換膜前駆体1’を巻取りロール20に巻き取る際に、原反ロール40から50μmの離型性フィルム35であるポリエチレンテレフタレートを送り出し、ニップロール30を介してイオン交換膜前駆体1’の両側を被覆しながら巻き取った後、3kg/cmの窒素加圧下、70℃で2h保持後、90℃で3h保持した。尚、巻取りロール20は、50μmの離型性ポリエチレンテレフタレートを、間隔を置いて通常のロールに巻きつけて貼着したものを使用した。50μmの離型性ポリエチレンテレフタレートを巻きつけた部分が剥離性フィルム50である。この実施例で使用した巻取りロール20は、溝20aの幅は3cm、深さは2mmであった。
上記操作おいて、位置ズレ、よじれ、シワ等は発生せず、また得られたイオン交換用前駆体1’には樹脂溜りは発生しなかった。
続いて、上記操作にて得られたイオン交換膜前駆体1’と離型性フィルム35を引き剥がした後、イオン交換基導入用溶液(トリメチルアミン:6、アセトン:25、イオン交換水:69(重量%))に16h浸漬した。その後、0.5N
水酸化ナトリウムに3h浸漬する工程を6回行い、続いて水洗を行うことにより、イオン交換膜を製造した。上記操作にて得られた未溶着部分(透明ライン3以外の部分)のイオン交換膜は、外観、物性共に問題のない良好な膜であることが分かった。
1:長尺多孔フィルム
3:透明ライン
10:原反ロール
20:巻き取りロール

Claims (5)

  1. 多数の微細な細孔が貫通しており且つ長尺である長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムであって、その長手方向に、少なくとも1本の透明ラインが直線状に延びている長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムが巻かれた原反ロールと、該フィルムを巻き取るための巻き取りロールとを用意し、
    前記長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを原反ロールから巻出し、イオン交換樹脂形成用の重合性組成物に浸漬して、該フィルムの細孔内に該重合性組成物を充填してイオン交換膜前駆体を作製し、
    得られたイオン交換膜前駆体を前記巻き取りロールで巻き取り、
    該イオン交換膜前駆体が巻き取りロールに巻き取られている状態で前記重合性組成物を重合せしめる、
    工程を含むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法。
  2. 前記巻き取りロールには、前記長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムに形成されている透明ラインが位置する部分に対応して、溝部が全周にわたって形成されている請求項に記載の製造方法。
  3. 前記巻き取りロールには、前記イオン交換膜前駆体と共に、剥離可能な樹脂フィルムが巻き取られる請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記イオン交換樹脂形成用の重合性組成物として、イオン交換基を有する単量体を含有しているものを使用し、前記重合により、イオン交換樹脂が形成される請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 前記イオン交換樹脂形成用の重合性組成物として、イオン交換基を導入し得る官能基を有する単量体を含有するものを使用し、前記重合後に、イオン交換基の導入を行う請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
JP2012042004A 2012-02-28 2012-02-28 長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5850764B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012042004A JP5850764B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012042004A JP5850764B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013177505A JP2013177505A (ja) 2013-09-09
JP5850764B2 true JP5850764B2 (ja) 2016-02-03

Family

ID=49269478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012042004A Expired - Fee Related JP5850764B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5850764B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55109618A (en) * 1979-02-19 1980-08-23 Showa Prod Kk Method of sealing-up ultrasonic wave
JPS58204029A (ja) * 1982-05-25 1983-11-28 Chlorine Eng Corp Ltd 陽イオン交換膜の接合方法
JPS63122522A (ja) * 1986-11-13 1988-05-26 Asahi Glass Co Ltd 新規な複層隔膜の接合方法
JPH093229A (ja) * 1995-06-20 1997-01-07 Nitto Denko Corp 多孔質プラスチック製袋
JP5120543B2 (ja) * 2007-10-18 2013-01-16 財団法人塩事業センター 陽イオン交換膜およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013177505A (ja) 2013-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101835906B1 (ko) 이온 교환막 및 그의 제조 방법
KR101840900B1 (ko) 이온 교환막
US10486151B2 (en) Ion-exchange membrane with multi-layered support substrate
JP4992019B2 (ja) 酸とアルカリの製造方法
CN106536051B (zh) 离子交换膜及其制造方法
JP5436357B2 (ja) イオン交換膜の製造方法
CN115298249B (zh) 阴离子交换膜及其制造方法
JP2009096923A (ja) 陽イオン交換膜およびその製造方法
CN106589432B (zh) 一种卷式双极膜的制造方法
JP5850764B2 (ja) 長尺多孔性熱可塑性樹脂フィルムを用いたイオン交換膜の製造方法
JP2018127506A (ja) 水電解用イオン交換膜、及び該イオン交換膜の製造方法
JP5475520B2 (ja) 陰イオン交換膜の製造方法
JP6517404B2 (ja) イオン交換膜
WO2022230998A1 (ja) イオン交換膜、イオン交換膜の製造方法及びイオン交換膜セル
JP2011072860A (ja) 複合イオン交換体及びその製造方法
JP4828130B2 (ja) イオン交換膜用原膜の製造方法
JP5626684B2 (ja) 一価陰イオン選択透過性製塩用陰イオン交換膜及びその製造方法
JP2009039694A (ja) バイポーラ膜及びその製造方法
WO2024135590A1 (ja) イオン交換膜とその製造方法
JP2012224708A (ja) イオン交換膜の製造方法
JP6219755B2 (ja) イオン交換膜およびその製造方法
JP2014070094A (ja) 複合イオン交換膜及びその製造方法
JP2006290935A (ja) イオン交換膜用原膜の製造方法
JP2016028125A (ja) イオン交換膜およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150908

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5850764

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees