JP2012224708A - イオン交換膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】相対的に分子量の大きいポリエチレン、相対的に分子量の小さいポリエチレン及び細孔形成用添加剤を含むポリエチレン組成物を用いてポリエチレンシートを作製する工程、前記ポリエチレンシートから細孔形成用添加剤を除去して、細孔が貫通している多孔性ポリエチレンシートを得る工程、イオン交換基導入可能な官能基又はイオン交換基を有する単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含有する重合性組成物を用意する工程、前記重合性組成物を、前記多孔性ポリエチレンシートの空隙部に充填することによりイオン交換膜前駆体を作製する工程、前記多孔性ポリエチレンシート中に含まれるポリエチレンの一部が溶融する温度で、前記イオン交換膜前駆体中の前記重合性組成物を重合する工程、を含むことを特徴とする。
【選択図】なし
Description
前記ポリエチレンシートから細孔形成用添加剤を除去して、微細な細孔が貫通している多孔性ポリエチレンシートを得る工程、
イオン交換基導入可能な官能基又はイオン交換基を有する単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含有する重合性組成物を用意する工程、
前記重合性組成物を、前記多孔性ポリエチレンシートの空隙部に充填することによりイオン交換膜前駆体を作製する工程、
前記多孔性ポリエチレンシート中に含まれるポリエチレンの一部が溶融する温度で、前記イオン交換膜前駆体中の前記重合性組成物を重合する工程、
を含むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法が提供される。
1.前記重合性組成物の単量体成分として、イオン交換基を導入可能な官能基を有する単量体を用いたときには、前記重合工程の後、該重合性組成物の重合体にイオン交換基を導入する工程を有していること、
2.前記ポリエチレン(A)として粘度平均分子量が70万以上のポリエチレンを使用し、前記ポリエチレン(B)として粘度平均分子量が50万以下のポリエチレンを使用すること、
3.前記多孔性ポリエチレンシートが未延伸であること、
4.前記重合性組成物の重合が105〜130℃の温度で行われること、
5.前記多孔性ポリエチレンシートは、厚さが10〜300μmであり、気孔率が30〜80%であること、
が好ましい。
本発明の製造方法で得られるイオン交換膜は、多孔性ポリエチレンシートが基材シートとして使用されており、この多孔性ポリエチレンシートの表裏を貫通している微細な細孔内にイオン交換樹脂が充填された構造を有している。
また、イオン交換基は、水溶液中で負又は正の電荷となり得る官能基であり、陽イオン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等が挙げられ、一般的に、強酸性基であるスルホン酸基が好適である。また、陰イオン交換基としては、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基等が挙げられ、一般的に、強塩基性である4級アンモニウム基や4級ピリジニウム基が好適である。
本発明の製造方法においては、上述した構造を有するイオン交換膜を製造するために、多孔性ポリエチレンシートを作製し、該多孔性ポリエチレンシートの空隙部(細孔内)にイオン交換樹脂を形成するための重合性組成物を充填してイオン交換膜前駆体を作製し、次いで、該イオン交換膜前駆体中の重合組成物の重合を行い、更に必要に応じて、重合工程で得られた重合体にイオン交換基を導入する。
本発明においては、高分子量ポリエチレン(A)と低分子量ポリエチレン(B)との少なくとも2種類のポリエチレンを使用し、これらのポリエチレンとともに細孔形成用添加剤を含むポリエチレン組成物を調製し、該ポリエチレン組成物の押出成形によりポリエチレンシートを作製し、次いで、該ポリエチレンシートから細孔形成用添加剤を除去することにより、基材シートとして使用される多孔性ポリエチレンシートが作製される。
例えば、有機溶剤による抽出が可能な添加剤としては、可塑剤が代表的であり、例えば、フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル、リン酸トリオクチル等のリン酸エステル、トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル、グリセリン酸エステル等の有機酸エステル等が挙げられる。上記以外にも、流動パラフィンや固形ソックスやミネラルオイル、クエン酸エステル、エポキシ化植物油等も有機溶剤により抽出が可能な添加剤として用いることができる。本発明においては、フタル酸エステル、特にフタル酸ジオクチルが好ましい。
また、酸またはアルカリに溶解可能な添加剤としては、無機粉末、具体的には、シリカ、アルミナ、マイカ、タルク等を例示することができ、特にシリカが好適である。
上記のようにして作製された多孔性ポリエチレンシートの空隙部(細孔内)に充填する重合性組成物は、上述したイオン交換基を導入し得る官能基(交換基導入用官能基)を有する単量体又はイオン交換基を有する単量体(以下、これらの単量体を「基本単量体成分」と呼ぶことがある)、架橋性単量体及び重合開始剤を含有するものであり、これらの成分を混合することにより調製される。
陰イオン交換基導入用官能基を有する単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
また、陰イオン交換基を有する単量体としては、ビニルベンジルトリメチルアミン、ビニルベンジルトリエチルアミン等のアミン系単量体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素複素環系単量体、それらの塩類などを挙げることができる。
このような架橋性単量体は、一般に、前述した基本単量体成分100重量部に対して、0.1〜80重量部が好ましく、さらに好ましくは1〜50重量部である。
このような重合開始剤は、基本単量体成分100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜10重量部である。
このようなマトリックス樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブチレン等の飽和脂肪族炭化水素系ポリマー、スチレンーブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のスチレン系ポリマー及びその水素添加体、ニトリルブタジエンゴム、水素添加ニトリルブタジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリエチレンゴム或いは、これらに、各種のコモノマー(例えばビニルトルエン、ビニルキシレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、α−ハロゲン化スチレン、α,β,β´−トリハロゲン化スチレン等のスチレン系モノマーや、エチレン、ブチレン等のモノオレフィンや、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンなど)を共重合させたものなどを使用することができる。
これらのマトリックス樹脂は、重合性組成物が垂れ等を生じることなく、多孔性ポリエチレンシートの空隙部に速やかに充填保持し得るような粘度となるような量で使用される。
また、重合性組成物には、重合後の膜状物の柔軟性を付与するために、あるいは交換基導入を容易に進めるために、必要に応じて可塑剤を配合することもできる。可塑剤としては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル、スチレンオキサイド等のエポキシ類、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル等のエーテル類等が使用される。
上記の重合性組成物を、前述した多孔性ポリエチレンシートの空隙部に充填し、空隙部に重合性組成物が充填されたイオン交換膜前駆体を得る。
本発明においては、このような多孔性ポリエチレンシートの空隙部に重合性組成物が充填されて重合が行われる結果、重合により得られるイオン交換樹脂と基材シートとなる多孔性ポリエチレンシートとの密着性が極めて高くなる。特に、基材シートとして用いる多孔性ポリエチレンシートが未延伸であるときには、ポリエチレン分子が配向されておらず、分子の配列がランダムとなっており、空隙部の表面部分において、重合性組成物中の単量体分子がポリエチレンの分子間間隙に侵入し易く、この結果として、重合により得られるイオン交換樹脂と基材シート(多孔性ポリエチレンシート)との間に、より高い密着性を確保することができるのである。
上記のようにして多孔性ポリエチレンシートの空隙部への重合性組成物の充填を行って得られるイオン交換膜前駆体は、重合工程に供される。即ち、基本単量体成分としてイオン交換基を有する単量体が使用されている場合には、この工程の完了により目的とするイオン交換膜が得られる。また、基本単量体成分として、交換基導入用官能基を有する単量体を用いた場合には、この工程の完了後に、イオン交換基の導入が必要となる。
先に述べたように、重合性組成物中の基本単量体成分としてイオン交換基を有する単量体を用いた場合には、上記の重合工程によりイオン交換樹脂が形成され、この段階で目的とするイオン交換膜が得られるが、基本単量体成分として交換基導入用官能基を有する単量体を用いた場合には、上記の重合工程で得られる樹脂はイオン交換基を有していないため、重合工程後にイオン交換基の導入を行う必要がある。
なお、実施例、比較例に示す各種ポリエチレン、多孔性ポリエチレンシート及びイオン交換膜の特性は以下の方法により測定した。
東洋精機製の微少測厚器(タイプKBN、端子径Φ5mm、測定圧62.47kPa)を用いて、雰囲気温度23±2℃で測定した。
100mm×100mm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(mm3)と質量(mg)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/膜密度)/体積×100
尚、体積は試料大きさと膜厚より計算し、膜密度は材料密度より計算した。
JIS P−8117に準拠し、ガーレー式透気度計(東洋精器(株)製、G−B2(商標))を用いた。
JIS K7127に準拠し、株式会社オリエンテック社製の引張試験機、テンシロン万能試験機 RTG−1210(商標)を用いて、MD及びTDサンプル(図1)について測定した。サンプルは、チャック間を50mmとした。引張伸度(%)は、接触式伸び計を標線間に装着して、破断に至るまでの伸び量(mm)を標線間距離(20mm)で除して、100を乗じることにより求めた。なお、測定は、温度23±2℃、チャック圧0.50MPa、引張速度100mm/分で行った。
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η]を求め、次式により、ポリエチレンの粘度平均分子量(Mv)を算出した。
[η]=6.77×10−4×Mv0.67
白金黒電極を有する2室セル中にイオン交換膜を挟み、イオン交換膜の両側に0.5mol/L−NaCl溶液を満たし、交流ブリッジ(周波数1000サイクル/秒)により25℃における電極間の抵抗を測定し、該電極間抵抗とイオン交換膜を設置しない場合の電極間抵抗との差により膜抵抗を求めた。上記測定に使用するイオン交換膜は、予め0.5mol/LNaCl溶液中で平衡にしたものを用いた。
0.5mol/L−NaCl溶液に浸漬した後、ティッシュペーパーで膜の表面を拭いてマイクロモメ−タ MED−25PJ(株式会社ミツトヨ社製)を用いて測定した。
次式により算出した。
単位厚さ当りの膜抵抗(Ω・cm2/cm)=膜抵抗(Ω・cm2)/膜の厚さ(cm)
実施例および比較例で示した陽イオン交換膜は、製塩用陰イオン交換膜ACS(株式会社アストム社製)と、実施例および比較例で示した陰イオン交換膜は、製塩用陽イオン交換膜CIMS(株式会社アストム社製)とをそれぞれ対にして、小型電気透析装置(通電膜面積100cm2)に組み込み、海水濃縮試験を実施した。濃縮条件は、脱塩室の流速6cm/秒、電流密度3A/dm2として、25℃で海水を供給した。得られた濃縮液のCl−濃度をかん水濃度とした。
製造例1;
高分子量のポリエチレン(A)として、粘度平均分子量が100万の超高分子量ポリエチレンを用意した。
また、低分子量のポリエチレン(B)として、粘度平均分子量が25万の高密度ポリエチレンを用意した。
上記のポリエチレン(A)及び(B)を使用し、下記の処方により、混合造粒した後、先端にTダイを装着した二軸押出機にて溶融混練してポリエチレン組成物を調製した。
超高分子量ポリエチレン(高分子量のポリエチレン(A)) 19.2重量部
高密度ポリエチレン(低分子量のポリエチレン(B)) 12.8重量部
フタル酸ジオクチル(DOP) 48重量部
微粉シリカ 20重量部
厚さ;90μm
気孔率:50%
透気度:1,150(秒/100cc)
引張伸度;MD 590%、TD 941%
スチレン80.0重量部、クロルメチルスチレン20.0重量部、ジベンジルエーテル25.0重量部、スチレンオキサイド2.9重量部、カヤブチルD(ジ−t−ブチルパーオキシド 化薬アクゾ株式会社製)7.7重量部を混合して重合性組成物を調製した。
この重合性組成物500gを1000mlのガラス容器に入れ、ここに基材シートとして前記製造例1で作製された多孔性ポリエチレンシートを浸漬して、該シートの空隙部に重合体組成物を充填した。
得られた膜状物を98%濃硫酸と純度90%以上のクロロスルホン酸の1:1(重量比)の混合物中に40℃で60分浸漬した。その後、膜状物を90%硫酸、60%硫酸、イオン交換水に順次浸漬し、さらに4mol/L−NaOH水溶液に12時間浸漬、水洗することによりスルホン酸型陽イオン交換膜を得た。
得られた陽イオン交換膜の電気抵抗は、0.87Ω・cm2、膜の厚さは99.5μm、かん水濃度は3.42mol/Lであった。
カヤブチルDの代わりにパーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 日本油脂株式会社製)を同重量部用い、重合条件を80℃として5時間、さらにその後90℃で2時間とした以外は、実施例1と全く同様にしてスルホン酸型陽イオン交換膜を得た。得られた陽イオン交換膜の膜特性の測定結果を表1に示す。
尚、90℃以下の温度では、上記多孔性ポリエチレンシートに含まれるポリエチレンの溶融は全く生じていない。
スチレン66.7重量部、クロルメチルスチレン33.3重量部とした以外は、実施例1と全く同様にして陽イオン交換膜を得た。得られた陽イオン交換膜の膜特性の測定結果を表1に示す。
カヤブチルDの代わりにパーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 日本油脂株式会社製)を同重量部用い、重合条件を80℃で5時間、さらにその後90℃で2時間とした以外は、実施例2と全く同様にして陽イオン交換膜を得た。得られた陽イオン交換膜の膜特性の測定結果を表1に示す。実施例1、2及び比較例1、2で得られた陽イオン交換膜の単位厚さ当りの膜抵抗とかん水濃度との関係を図2に示す。
クロロメチルスチレン91.2重量部、ジビニルベンゼン(純度57%)8.8重量部、スチレンオキサイド2.0重量部、カヤブチルD4重量部を混合して重合性組成物を調製した。
この重合性組成物500gを1000mlのガラス容器に入れ、ここに基材シートとして前記製造例1で作製された多孔性ポリエチレンシートを浸漬して、該シートの空隙部に重合体組成物を充填した。
得られた膜状物を30%トリメチルアミン水溶液15重量部、水52.5重量部、アセトン22.5重量部の混合物中に30℃で16時間浸漬して、4級アンモニウム型陰イオン交換膜を得た。
得られた陰イオン交換膜の抵抗は、1.37Ω・cm2、膜の厚さは102.5μm、かん水濃度は3.68mol/Lであった。
クロロメチルスチレン82.5重量部、ジビニルベンゼン(純度57%)17.5重量部、カヤブチルDの代わりにパーブチルOを4重量部用い、重合条件を80℃で5時間、さらにその後90℃で2時間とした以外は、実施例3と全く同様にして陰イオン交換膜を得た。得られた陰イオン交換膜の膜特性の測定結果を表2に示す。
クロロメチルスチレン86.0重量部、ジビニルベンゼン(純度57%)14.0重量部とした以外は、実施例3と全く同様にして陰イオン交換膜を得た。得られた陰イオン交換膜の膜特性の測定結果を表2に示す。
クロロメチルスチレン75.4重量部、ジビニルベンゼン(純度57%)24.6重量部、カヤブチルDの代わりにパーブチルOを4重量部用い、重合条件を80℃で5時間、さらにその後90℃で2時間とした以外は、実施例3と全く同様にして陰イオン交換膜を得た。得られた陰イオン交換膜の膜特性の測定結果を表2に示す。実施例3、4及び比較例3、4で得られた陰イオン交換膜の単位厚さ当りの膜抵抗とかん水濃度との関係を図3に示す。
前記ポリエチレンシートから細孔形成用添加剤を除去して、微細な細孔が貫通している多孔性ポリエチレンシートを得る工程、
イオン交換基導入可能な官能基又はイオン交換基を有する単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含有する重合性組成物を用意する工程、
前記重合性組成物を、前記多孔性ポリエチレンシートの空隙部に充填することによりイオン交換膜前駆体を作製する工程、
前記多孔性ポリエチレンシート中に含まれるポリエチレン(B)が溶融する温度で、前記イオン交換膜前駆体中の前記重合性組成物を重合する工程、
を含むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法が提供される。
前記ポリエチレンシートから細孔形成用添加剤を除去して、微細な細孔が貫通している多孔性ポリエチレンシートを得る工程、
イオン交換基導入可能な官能基又はイオン交換基を有する単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含有する重合性組成物を用意する工程、
前記重合性組成物を、前記多孔性ポリエチレンシートの空隙部に充填することによりイオン交換膜前駆体を作製する工程、
前記多孔性ポリエチレンシート中に含まれるポリエチレン(B)が溶融するがポリエチレン(A)の融点以下の温度で、前記イオン交換膜前駆体中の前記重合性組成物を重合する工程、
を含むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法が提供される。
Claims (6)
- 相対的に分子量の大きいポリエチレン(A)、相対的に分子量の小さいポリエチレン(B)及び細孔形成用添加剤を含むポリエチレン組成物を用いてポリエチレンシートを作製する工程、
前記ポリエチレンシートから細孔形成用添加剤を除去して、微細な細孔が貫通している多孔性ポリエチレンシートを得る工程、
イオン交換基導入可能な官能基又はイオン交換基を有する単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含有する重合性組成物を用意する工程、
前記重合性組成物を、前記多孔性ポリエチレンシートの空隙部に充填することによりイオン交換膜前駆体を作製する工程、
前記多孔性ポリエチレンシート中に含まれるポリエチレンの一部が溶融する温度で、前記イオン交換膜前駆体中の前記重合性組成物を重合する工程、
を含むことを特徴とするイオン交換膜の製造方法。 - 前記重合性組成物の単量体成分として、イオン交換基を導入可能な官能基を有する単量体が使用され、前記重合工程の後、該重合性組成物の重合体にイオン交換基を導入する工程を有する請求項1に記載のイオン交換膜の製造方法。
- 前記ポリエチレン(A)として粘度平均分子量が70万以上のポリエチレンを使用し、前記ポリエチレン(B)として粘度平均分子量が50万以下のポリエチレンを使用する請求項1又は2に記載のイオン交換膜の製造方法。
- 前記多孔性ポリエチレンシートが未延伸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のイオン交換膜の製造方法。
- 前記重合性組成物の重合が105〜130℃の温度で行われる請求項1〜4のいずれかに記載のイオン交換膜の製造方法。
- 前記多孔性ポリエチレンシートは、厚さが10〜300μmであり、気孔率が30〜80%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のイオン交換膜の製造方法。
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