JP2009096923A - 陽イオン交換膜およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】製塩に用いられる陽イオン交換膜について、従来使用されている膜と比較し、電気抵抗を増加させずに、濃縮性能を向上させる。
【解決手段】ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレンおよびジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合をおこなうことにより得られるポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内にスルホン酸基を有する共重体が充填されている製塩用陽イオン交換膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、製塩に用いられる陽イオン交換膜及びその製造方法に関する。
イオン交換膜製塩法における海水濃縮工程には、陽および陰イオン交換膜を利用した電気透析槽が用いられている。電気透析槽に利用するイオン交換膜は、食塩の製造費低減のために、膜の電気抵抗を増加させることなく、濃縮性能を向上させることが必要である。
製塩用イオン交換膜の製法については従来から数多くの方法が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)が、それらの中でもイオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体、架橋剤および重合開始剤を主たる成分として含有する混合物をポリ塩化ビニル製の織布等に塗布して重合した後、必要に応じてイオン交換基を導入する方法が広く知られている。
しかしながら、この方法により得られたイオン交換膜は、膜の電気抵抗を増加させることなく、濃縮性能を向上させることは困難であった。
かかる問題点を解決するため、ポリプロピレン繊維基材等に重合性単量体を含浸担持させた後、電離放射線でグラフト重合しイオン交換膜を得る方法や、ポリオレフィン製基材等に重合性単量体を含浸担持させた後、電離放射線で一部重合をおこない、続いて重合開始剤の存在下で加熱することにより、重合を完結させてイオン交換膜を得る方法が提案されている(例えば特許文献4〜6参照)。
しかし、いずれの方法も、膜の濃縮性能については満足のいく成果は見られなかった。
特公昭39−27861号公報 特公昭40−28951号公報 特公昭44−19253号公報 特開昭51−52489号公報 特開昭60−238327号公報 特開平06−271687号公報
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、製塩に用いられる陽イオン交換膜について、従来使用されている膜と比較し、電気抵抗を増加させずに、濃縮性能を向上させることを目的とするものである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエチレン等からなる多孔性基材の細孔内に、スルホン酸基を有するポリスチレン系ポリマー等が充填されている陽イオン交換膜が、従来使用されている製塩用のイオン交換膜と比較し、電気抵抗を増加させずに、濃縮性能を向上させることを見出した。より具体的には、超高分子量ポリエチレンからなる多孔性基材の細孔内に、スチレン及びジビニルベンゼン等の単量体を充填して熱重合し、得られたポリマーにスルホン酸基を導入することにより得られる陽イオン交換膜が、従来使用されている製塩用のイオン交換膜と比較し、電気抵抗を増加させずに、濃縮性能を向上させることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の構成とすることにより上記の目的を達成するに至った。
(1) ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スチレンとジビニルベンゼンとを少なくとも共重合成分とし、かつスルホン酸基を有する共重合体が充填された製塩用陽イオン交換膜。
(2) 前記細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレン及びジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合を行うことにより得られた前記(1)に記載の製塩用陽イオン交換膜。
(3) 前記ポリオレフィンがポリエチレンであることを特徴とする前記(1)または(2)記載の製塩用陽イオン交換膜。
(4) 前記ポリオレフィンが超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする前記(1)または(2)記載の製塩用陽イオン交換膜。
(5) 前記スルホン酸基を導入可能な官能基自体がスルホン酸基でない場合には、熱重合後に、スルホン酸基を付与できる化合物で処理したものである前記(2)〜(4)のいずれか1項に記載の製塩用陽イオン交換膜。
(6) 前記スルホン酸基を導入可能な官能基自体がスルホン酸基である前記(2)〜(4)のいずれか1項に記載の製塩用陽イオン交換膜。
(7) ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレン及びジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合を行う製塩用陽イオン交換膜の製造方法。
上記から明らかなように、本発明の骨子は、下記(1)〜(3)に存する。
(1) ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スチレンとジビニルベンゼンとを少なくとも共重合成分とし、かつスルホン酸基を有する共重合体が充填された製塩用陽イオン交換膜。
(2) 前記細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレン及びジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合を行うことにより得られた前記(1)に記載の製塩用陽イオン交換膜。
(3) ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレン及びジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合を行う製塩用陽イオン交換膜の製造方法。
本発明により、現在製塩に用いられている陽イオン交換膜と比較して、電気抵抗を増加させずに、濃縮性能を向上させた陽イオン交換膜を提供できることから、製塩コスト低減に寄与できる。
本発明の陽イオン交換膜製造方法は、包括的には、ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する重合性混合物を充填して、熱重合をおこない、必要に応じてクロロスルホン酸等を用いてスルホン酸基を導入することが特徴である。
より具体的には、ポリエチレンや超高分子量ポリエチレンからなる多孔性基材の細孔内に、スチレン及びジビニルベンゼン等の単量体を充填して熱重合をおこない、得られたポリマーにスルホン酸基を導入することを特徴とするものである。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明においてポリオレフィンとは、分子中に二重結合を有する化合物の重合体である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタジエン等の脂肪族オレフィンの重合体、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリジビニルベンゼン等芳香族オレフィンの重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等の含酸素オレフィンの重合体、ポリアクリロニトリル、ポリN−メチルピロリドン等の含窒素オレフィンの重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含ハロゲンオレフィンの重合体等が挙げられる。これらのポリオレフィンを単独で使用してもよいし、複数のポリオレフィンを混合してもよい。また、上記の2個以上のオレフィンの共重合体、あるいはグラフト共重合体でもよい。2個以上の二重結合を有する化合物との共重合あるいは電子線照射、プラズマ照射、紫外線照射、化学反応等により架橋構造を有するものでもよい。その中でも化学的安定性やコストの面等からポリエチレンが好ましく、特に分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンが好適である。
本発明での多孔性基材とは、平均孔径が0.001〜50μm、厚みが1〜300μm、空孔率が1〜95%のフィルム状物である。多孔性基材の平均孔径は、0.005〜5μmが好ましく、特に0.01〜2μmが好適である。また、多孔性基材の厚みは、5〜200μmが好ましく、特に10〜150μmが好適である。多孔性基材の空孔率は、10〜90%が好ましく、特に20〜80%が好適である。
本発明において多孔性基材の製造方法は、従来おこなわれている広範な方法が何の制限もなく使用できる。例えば、溶融ポリマーをシート化して、さらに熱処理によって積層ラメラ構造を形成させ、一軸延伸によって結晶界面の剥離をおこなう延伸開孔法や、ポリマーと溶剤を加熱溶融してシート化することでミクロ相分離させ、その溶剤を抽出除去しながら一軸あるいは二軸延伸する相分離法等があげられる。
本発明にかかる多孔性基材としては、例えば旭化成ケミカルズ株式会社製ハイポア(製品名)、東燃化学那須株式会社製セティーラ(製品名)等が挙げられる。
本発明において陽イオン交換基とは、陽イオンとイオン結合できる官能基のことである。具体的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等が挙げられ、特にスルホン酸基、カルボン酸基が好適である。
本発明においてポリマーとは、1種または2種以上の構造単位を繰り返して連結した分子からなる物質のことである。例えば、ポリスチレンのように二重結合を有する化合物が付加重合した重合体、ナイロン、ポリアミドのように同じあるいは異なる分子が重縮合した重合体、ポリウレタンのように同じあるいは異なる分子が重付加した重合体等があげられる。また、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体のように架橋構造を有する重合体も含まれる。
本発明において、多孔性基材の細孔内に陽イオン交換基を有するポリマーを充填する方法は、従来おこなわれている広範な方法が何の制限もなく使用できる。例えば、陽イオン交換基を有するポリマー溶液に多孔性基材を浸漬した後、溶媒を除去する方法、陽イオン交換基を有する単量体を多孔性基材の細孔内に充填した後、光照射により重合する方法、多孔性基材の細孔内に陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する重合性混合物を充填して、熱重合をおこなう方法等があるが、特に多孔性基材の細孔内に陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する重合性混合物を充填して、熱重合をおこなう方法が好適である。また、多孔性基材の細孔内に陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する重合性混合物を充填する方法としては、陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する液状重合性混合物またはその溶液に多孔性基材を浸漬する方法が好適である。
本発明において陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体とは、陽イオン交換基を導入しやすい官能基を有するか、あるいは陽イオン交換基を有する重合性単量体であり、具体的には、以下に列記する単量体が挙げられる。
(1)スルホン酸基を導入しやすい芳香族環を有する単量体。例えば、スチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン等。
(2)スルホン酸基を導入しやすいスルホン酸誘導体の単量体。例えば、ビニルスルホン酸エチル、アリルスルホン酸メチル、p−スチレンスルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸メチル等。
(3)カルボン酸基を導入しやすいカルボン酸誘導体の単量体。例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリルアミド、アクリロニトリル等。
(4)ホスホン酸基を導入しやすいホスホン酸誘導体の単量体。例えば、ビニルホスホン酸エチル、p−スチレンホスホン酸エチル、アリルホスホン酸メチル等。
(5)スルホン酸基を有する単量体。例えば、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等。
(6)カルボン酸基を有する単量体。例えば、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム、p−スチレンカルボン酸、p−スチレンカルボン酸ナトリウム等。
(7)ホスホン酸基を有する単量体。例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスホン酸ナトリウム、p−スチレンホスホン酸、p−スチレンホスホン酸ナトリウム、アリルホスホン酸、アリルホスホン酸ナトリウム等。
本発明において架橋性単量体は、ビニル基を少なくとも2個有するものであれば特に制限を受けずに使用できる。例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、1,2−ビス(ビニルフェニル)エタン等の芳香族ジエン類、エチレングリコールジメタクリレート、N,N−メチレンビスアクリルアミド等のアクリル酸系ジエンが挙げられ、特にジビニルベンゼンが好適である。
合成された陽イオン交換膜に柔軟性を付与するために、陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する重合性混合物にゴム等の弾性体を添加することもできる。ゴムとしては、従来製塩用イオン交換膜に使用されているものが何の制限もなく使用できるが、特にニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム等が好適である。
本発明において熱重合は、従来おこなわれている広範な方法が何の制限もなく使用できる。重合開始剤を使用せず、加熱のみで重合することも可能であるが、重合開始剤を添加した陽イオン交換基を導入可能な官能基を有する重合性単量体、架橋性単量体を含有する重合性混合物に多孔性基材を浸漬した後、多孔性基材をガラス板に挟んで、乾燥機中で加熱する方法等が好適である。
熱重合に使用する重合開始剤は、特に限定されないが、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ−ト)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、過酸化ベンゾイル(BPO)、ペルオキシ安息香酸t−ブチル、過酸化ジラウリル、過酸化ジt−ブチル、過酸化ジコハク酸等の過酸化物系重合開始剤等が使用でき、特にAIBN、BPOが好適である。
熱重合の具体例を以下に示す。以下の説明及び実施例において、部は全て重量部を示す。
スチレン80部、ジビニルベンゼン20部、NBR5部、AIBN1部を混合した重合性混合物中に多孔性基材を室温で3秒〜12時間浸漬する。所定時間後、多孔性基材を取り出し、ガラス板に挟んで、乾燥機に入れる。熱重合の温度は30〜120℃、好ましくは50〜100℃であり、3〜24時間保つ。
スチレンとジビニルベンゼンの共重合体等を細孔内に充填した多孔性基材に、次の段階としてスルホン酸基等の陽イオン交換基を導入する。スルホン酸基の導入は従来おこなわれている広範な方法が何の制限もなく使用できるが、具体例を以下に示す。
クロロスルホン酸濃度が1〜10重量%の1,2−ジクロロエタン溶液に、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体等を細孔内に充填した多孔性基材を0〜80℃で1〜72時間浸漬して反応させる。所定時間反応後、膜を十分に水洗する。その後、濃度1〜10重量%の水酸化ナトリウム水溶液に1〜24時間浸漬することで加水分解した後、膜を十分に水洗する。スルホン化反応に必要なスルホン化剤としては、濃硫酸、三酸化硫黄、チオ硫酸ナトリウムなども使用することができ、これらのスルホン酸基を導入できるものであれば特に限定されない。
以下、本発明の陽イオン交換膜およびその製造方法を実施例にもとづいてさらに詳細に説明する。なお、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス容器にスチレン80部、ジビニルベンゼン20部、NBR5部、AIBN1部からなる混合物を入れ、ポリエチレンからなる多孔性基材である旭化成ケミカル製ハイポアNA635(膜厚37μm、孔径0.048μm、空隙率42%)を3時間浸漬した。浸漬後、ハイポアNA635を取り出し、ガラス板に挟んで、乾燥機に入れて60℃で16時間、90℃で3時間熱重合をおこなった。
クロロスルホン酸濃度が10重量%の1,2−ジクロロエタン溶液に、熱重合後のハイポアNA635を室温で24時間浸漬した後、膜を十分に水洗した。その後、濃度10重量%の水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬した。得られた陽イオン交換膜をよく水洗し、0.5N−NaCl水溶液中に保存した。
さらに、該陽イオン交換膜と市販の陰イオン交換膜(旭硝子(株)ASA)を小型電気透析装置(膜面積8cm)に装着し、濃縮試験を実施した。脱塩室流速は6cm/s、電流密度3A/dmの濃縮条件で供給液は0.5Mの塩化ナトリウム水溶液を用いた。
実施例1と異なる方法で合成した陽イオン交換膜を実施例2〜18、現在製塩用陽イオン交換膜として使用されている膜(旭硝子(株)CSO)を比較例1、2とし、実施例1とあわせ、前記陽イオン交換膜の合成に用いた多孔性基材の物性、熱重合条件及び得られた陽イオン交換膜の膜特性を表1及び表2に示す。
Figure 2009096923
Figure 2009096923
濃縮試験の結果として膜抵抗と濃縮液の塩化ナトリウム濃度との関係を図1に示す。
表2及び図1に示したとおり本発明に従って合成したいずれの膜も、市販されている製塩用陽イオン交換膜と比較し、高い濃縮性能を示した。なお、図1中に示した直線は、市販イオン交換膜と同等の濃縮性能を示す直線であり、直線より上部に示される膜性能はすべて市販膜より高い濃縮性能であるといえる。
本発明の実施例及び比較例における陽イオン交換膜の膜抵抗と濃縮液の塩化ナトリウム濃度との関係を表すグラフである。

Claims (7)

  1. ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スチレンとジビニルベンゼンとを少なくとも共重合成分とし、かつスルホン酸基を有する共重合体が充填された製塩用陽イオン交換膜。
  2. 前記細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレン及びジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合を行うことにより得られた請求項1に記載の製塩用陽イオン交換膜。
  3. 前記ポリオレフィンがポリエチレンであることを特徴とする請求項1または2記載の製塩用陽イオン交換膜。
  4. 前記ポリオレフィンが超高分子量ポリエチレンであることを特徴とする請求項1または2記載の製塩用陽イオン交換膜。
  5. 前記スルホン酸基を導入可能な官能基自体がスルホン酸基でない場合には、熱重合後に、スルホン酸基を付与できる化合物で処理したものである請求項2〜4のいずれか1項に記載の製塩用陽イオン交換膜。
  6. 前記スルホン酸基を導入可能な官能基自体がスルホン酸基である請求項2〜4のいずれか1項に記載の製塩用陽イオン交換膜。
  7. ポリオレフィンからなる多孔性基材の細孔内に、スルホン酸基を導入可能な官能基を有するスチレン及びジビニルベンゼンを含有する重合性混合物を充填して、熱重合を行う製塩用陽イオン交換膜の製造方法。
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