JP5849178B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、本発明は、ディーゼルエンジン等の排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集および燃焼除去する排気ガス浄化装置に関するものである。
ディーゼルエンジンが停止している期間を利用してディーゼルパティキュレートフィルタに捕集したパティキュレートを再生する方式の排気ガス浄化装置は、一般的に、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタと、ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集したパティキュレートを燃焼除去させるための再生用電気ヒータと、再生のための空気をディーゼルパティキュレートフィルタに送る送風手段とで構成される。
この一般的な排気ガス浄化装置は、送風手段が組み込まれているため、装置の小型化に課題があった。これに対し、車両の室内通風用のブロワと、再生のための空気をディーゼルパティキュレートフィルタに送る送風手段とを共用化することで小型化を実現した排気ガス浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、その排気ガス浄化装置について図5を参照しながら説明する。
排気ガス浄化装置101は、ディーゼルエンジン102の排気ガスに含まれるパティキュレート103を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ104と、このディーゼルパティキュレートフィルタ104に捕集したパティキュレート103を燃焼除去させるための再生用電気ヒータ105と、再生のための空気をディーゼルパティキュレートフィルタ104に送る送風手段106とを備えたものであって、再生のための空気をディーゼルパティキュレートフィルタ104に送る送風手段106と、車両107の室内108通風用のブロワとを共用化し、送風手段106からの送風空気を車両107の室内108側と、ディーゼルパティキュレートフィルタ104側とに送る切替手段109を配置している。
特開平6−117219号公報
上記従来の排気ガス浄化装置101は、再生のための空気をディーゼルパティキュレートフィルタ104に送る送風手段106と、車両107の室内108通風用のブロワとを共用化によって小型化できるものの、送風手段106からの送風空気を車両107の室内108側とディーゼルパティキュレートフィルタ104側とに送る切替手段109や、送風手段106の送風量を制御する制御部など別途必要になる。また、車両の種類によっては、室内送風用のブロワを備えていないものもあり、適用範囲の狭い排気ガス浄化装置101となっていた。
また、ディーゼルパティキュレートフィルタ104に捕集したパティキュレート103を燃焼除去させるためには、再生用電気ヒータ105を用いてパティキュレート103の可燃温度である600〜650℃程度まで昇温する必要があり、ディーゼルパティキュレートフィルタ104を保温するための断熱構造や大出力の再生用電気ヒータ105などによって排気ガス浄化装置101全体が大型化し、多量の消費電力を必要としていた。
従って、さらなる小型化及び消費電力の低減が困難という課題を有していた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、より小型化及び消費電力を低減化した排気ガス浄化装置を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、ディーゼルエンジンの排気通路のフィルタ部に排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを配置するとともに、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記パティキュレートを燃焼除去する再生用電気ヒータ、再生空気を送風する送風手段、及び前記再生用電気ヒータと送風手段の運転及び停止を操作する制御手段を配置した排気ガス浄化装置であって、前記ディーゼルパティキュレートフィルタには酸化触媒を担持し、このディーゼルパティキュレートフィルタと前記再生用電気ヒータとを近接配置し、前記送風手段は着脱可能で、前記送風手段と前記再生用電気ヒータの運転及び停止を制御する手段を有し、前記上流側排気通路途中に開閉部を配置し、前記ディーゼルエンジン運転時には前記開閉部を閉じ、前記送風手段を取り外し、前記ディーゼルエンジン停止時には前記開閉部を開き、前記送風手段を前記開閉部に接続し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記送風手段によって再生空気を送風し、制御手段が、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有し、検出したCO2濃度で再生の完了を判断し、前記開閉部は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できる、開閉動力を必要としない逆止弁構造を有し、逆止弁を開閉させる時の圧力は20〜200Paであることを特徴とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。また、本発明は、ディーゼルエンジンの排気通路のフィルタ部に排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを配置するとともに、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記パティキュレートを燃焼除去する再生用電気ヒータ、再生空気を送風する送風手段、及び前記再生用電気ヒータと送風手段の運転及び停止を操作する制御手段を配置した排気ガス浄化装置であって、前記ディーゼルパティキュレートフィルタには酸化触媒を担持し、このディーゼルパティキュレートフィルタと外部電源駆動の前記再生用電気ヒータとを近接配置し、前記送風手段は着脱可能で、前記フィルタ部の再生用電気ヒータが配置されている部分を覆うように配置された再生空気導入管と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路と前記再生空気導入管の間に配置された導入管開閉部とを有し、前記ディーゼルエンジン運転時には前記導入管開閉部を閉じ、前記送風手段を取り外し、前記ディーゼルエンジン停止時には前記導入管開閉部を開き、前記送風手段を前記再生空気導入管に接続し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記送風手段によって再生空気を送風し、制御手段が、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有し、検出したCO2濃度で再生の完了を判断し、前記導入管開閉部は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できる、開閉動力を必要としない逆止弁構造を有し、逆止弁を開閉させる時の圧力は20〜200Paであることを特徴とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、酸化触媒を担持したディーゼルパティキュレートフィルタと再生用電気ヒータとを近接配置し、上流側排気通路途中に開閉部を配置し、開閉部に着脱可能で再生空気を送風する送風手段、及び再生用電気ヒータと送風手段を操作する制御手段を構成したことにより、捕集したパティキュレートを燃焼除去する必要がある場合にのみ、開閉部に送風手段を装着して再生できるようになる。
また制御手段には、再生空気中のCO2濃度等を検出する検出手段を制御手段に接続した構成とすることにより、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時の再生用電気ヒータの出力や再生時間を適切に管理することができる。
従って、より小型化し、再生時の消費電力を低減可能な排気ガス浄化装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1の排気ガス浄化装置を示す構成図 本発明の実施の形態1の制御手段を示す構成図 本発明の実施の形態2の排気ガス浄化装置を示す構成図 本発明の実施の形態3の排気ガス浄化装置を示す構成図 本発明の実施の形態4の排気ガス浄化装置を示す構成図 本発明の実施の形態5の排気ガス浄化装置を示す構成図 本発明の実施の形態6の排気ガス浄化装置を示す構成図 従来の排気ガス浄化装置の側面を示す構成図
本発明の請求項1に記載の発明は、ディーゼルエンジンの排気通路のフィルタ部に排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを配置すると
ともに、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記パティキュレートを燃焼除去する再生用電気ヒータ、再生空気を送風する送風手段、及び前記再生用電気ヒータと送風手段の運転及び停止を制御する制御手段を配置した排気ガス浄化装置であって、前記ディーゼルパティキュレートフィルタには酸化触媒を担持し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタと前記再生用電気ヒータとを近接配置し、前記送風手段は着脱可能で、排気ガス浄化装置の温度やCO2濃度を検出する検出手段、再生用電気ヒータの出力の変圧手段を有する前記上流側排気通路途中に開閉部を配置し、前記ディーゼルエンジン運転時には前記開閉部を閉じ、前記送風手段を取り外し、前記ディーゼルエンジン停止時には前記開閉部を開き、前記送風手段を前記開閉部に接続し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記送風手段によって再生空気を送風し、制御手段が、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有し、検出したCO2濃度で再生の完了を判断し、前記開閉部は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できる、開閉動力を必要としない逆止弁構造を有し、逆止弁を開閉させる時の圧力は20〜200Paであることを特徴とする排気ガス浄化装置である。
装置の作用と効果を以下に記載する。
着脱可能な送風手段及び制御手段をディーゼルエンジン停止時のみ開閉部に接続することにより、ディーゼルエンジン運転時の排気ガス浄化装置全体を小型化することができので、エンジンルームの小型化につながり、運転者の視認性を向上できるという効果を奏する。
また再生用電気ヒータと酸化触媒を担持したディーゼルパティキュレートフィルタとを近接配置し、排気ガス浄化装置の状態を検出する検知手段が接続された制御手段で運転することにより、効率良くディーゼルパティキュレートフィルタを加熱して、パティキュレートを燃焼できるので、再生用電気ヒータを小型化することができ、再生時の消費電力も低減するという効果を奏する。またディーゼルパティキュレートフィルタに堆積するパティキュレートの量はディーゼルエンジンの運転時間や負荷状況などに応じて異なるため、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時間を適宜変更する必要があるが、パティキュレートの堆積量を把握することは難しいため、適切な再生時間に設定することが難しく、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時間が不足または過剰となる可能性がある。 ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時、ディーゼルパティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートが燃焼するとCO2が発生して再生空気中のCO2濃度が上昇するが、再生が進むにつれてパティキュレートの量が少なくなり、再生空気中のCO2濃度も低下し始める。すなわちディーゼルパティキュレートフィルタの下流側に再生空気中のCO2濃度を検出することで、再生開始前の再生空気と同程度のCO2濃度まで低下した時点、即ちディーゼルパティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートが燃焼し終えた時点で、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生が完了したと判断し、再生用電気ヒータへの出力が切れる構成とすることで、再生時間を過不足させることなく再生することができので、再生時の消費電力を低減することができるという効果を奏する。
本発明の請求項2に記載の発明は、制御手段が、再生用電気ヒータの出力を任意の出力値に変更するための変圧手段を有することを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルパティキュレートフィルタに堆積したパティキュレートを燃焼させるために、ディーゼルパティキュレートフィルタの温度をパティキュレートの燃焼温度以上に加熱し保持する必要があるが、再生装置内部の温度は再生空気として取り込まれた外気温度の影響を受けるため、例えば冬場では夏場に対し再生用電気ヒータの出力を大きくする必要がある。
制御手段に再生用電気ヒータの出力を任意の出力値に変更することができる構成とすることで、外気温度に応じた最適な出力値に変更することができ、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生効率を低下させることなく、再生時の消費電力を低減することができるという効果を奏する。
本発明の請求項3に記載の発明は、制御手段が、再生用電気ヒータのヒータ温度を検出するヒータ温度検出手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時に、再生用電気ヒータのヒータ温度を検出できる構成とすることで、再生時のディーゼルパティキュレートフィルタの温度を過剰または過小とすることなく適正な温度状態で効率的にかつ確実にパティキュレートを燃焼させることができ、再生時の消費電力を抑制することができるという効果を奏する。
また再生用電気ヒータが異常過熱した場合、制御手段または再生用電気ヒータ本体内に設けられた温度設定接点が作動し、再生用電気ヒータへの出力が切れる構成とすることで、無人/有人に関わらず安全に再生を行なうことができるという効果を奏する。
本発明の請求項4に記載の発明は、制御手段が、ディーゼルパティキュレートフィルタの内部温度を検出するフィルタ温度検出手段を有することを特徴とした請求項1乃至3のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時に、ディーゼルパティキュレートフィルタの内部温度を検出することで、再生時のディーゼルパティキュレートフィルタの温度を過剰または過小とすることなく適正な温度状態で効率的にかつ確実にパティキュレートを燃焼させることができ、再生時の消費電力を抑制することができるという効果を奏する。
またディーゼルパティキュレートフィルタの温度が異常過熱した場合、制御手段またはヒータ本体内に設けられた温度設定接点が作動し、再生用電気ヒータへの出力が切れる回路構成とすることで、無人・有人に関わらず安全に再生を行なうことができるという効果を奏する。
本発明の請求項5に記載の発明は、制御手段が、送風手段とディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路間の管路内の圧力を検出する圧力検出手段を有することを特徴とした請求項1乃至4のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルパティキュレートフィルタの再生時に、再生空気が流れていない状態で再生用電気ヒータに通電すると電気絶縁が低下したり、過熱により再生用電気ヒータが焼損したりするなどの不安全な状態となるため、管路内に再生空気が流れていない状態、即ち管路内の圧力が規定以上ない場合、インターロックにより再生用電気ヒータへの出力が切れる構成とすることで、無人・有人に関わらず安全に再生を行なうことができるという効果を奏する。
本発明の請求項に記載の発明は、制御手段が、タイマーを有することを特徴とした請求項1乃至のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
制御手段にタイマーを設けることで、無人の状態で再生しても所定時間または所定で再生用電気ヒータへの出力を切ることができ、出力された状態で放置されることがないため、再生時の消費電力を低減することができるという効果を奏する。
本発明の請求項に記載の発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス開閉部と、前記バイパス開閉部と外部取入口を送風手段の上流側で連通するバイパス管と、フィルタ部を通過した再生空気の一部を誘引した循環再生空気と外気取入口から吸引した外部空気とを混合して前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路に送風する送風手段とから構成されることを特徴とした請求項1乃至のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルエンジン停止時のディーゼルパティキュレートフィルタ再生時には、送風手段を開閉部に、バイパス管をバイパス開閉部に接続して送風手段を運転すると、送風手段はフィルタ部を通過した再生空気の一部をバイパス管に取り込んだ循環再生空気と、外気取入口からの外部空気とを混合して、上流側排気通路に再生空気として送風することにより、一度フィルタ部を通過し再生用電気ヒータで加熱された再生空気の一部をそのまま排気ガス浄化装置外に排気するのではなく、外部空気と混合して再生空気として再利用することで、上流側排気通路に送風する再生空気の温度を上げることができるので、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果を奏する。
本発明の請求項に記載の発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス切替部と、前記バイパス切替部が配置された部分で前記下流側排気通路に接続されたバイパス管接続部と、前記バイパス管接続部と送風手段を連通するバイパス管と、前記バイパス管の途中に管路内の圧力を逃がすために配置された大気開放部と、フィルタ部を通過した再生空気が前記バイパス管を通って送風手段に戻る循環再生空気または外部空気を再生空気として前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路に送風する送風手段とで構成されることを特徴とした請求項1乃至のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルエンジン停止時のディーゼルパティキュレートフィルタ再生時には、送風手段を開閉部に、バイパス管をバイパス管接続部に接続し、バイパス切替部によってフィルタ部から排気ガス浄化装置の外部に排気する流路からフィルタ部からバイパス管への流路に切替える。送風手段から上流側排気通路に送風された再生空気は再生用電気ヒータによって加熱されて、ディーゼルパティキュレートフィルタを通過し、バイパス切替部により下流側排気通路からバイパス管に流れて送風手段に戻る。送風手段はバイパス管からの空気を循環再生空気として、再び上流側排気通路を通じてフィルタ部に送風する。
これにより、一度フィルタ部を通過し再生用電気ヒータで加熱された再生空気の一部をそのまま排気ガス浄化装置の外部に排気するのではなく、再生空気として再利用することで、上流側排気通路に送風する再生空気の温度を高い状態で送風することができるので、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果を奏する。
本発明の請求項に記載の発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス切替部と、バイパス切替部が配置された部分で前記下流側排気通路に接続されたバイパス管接続部と、バイパス管接続部に接続し送風手段送気管を覆うようにして排気ガス浄化装置の外部に排気するバイパス加熱管で構成されることを特徴とした請求項1乃至のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルエンジン停止時のディーゼルパティキュレートフィルタ再生時には、送風手段を開閉部に、バイパス加熱管をバイパス管接続部に接続し、バイパス切替部によって排気ガス浄化装置の外部に排気する流路からバイパス加熱管への流路に切替える。送風手段は外部空気を取り込み再生空気としてフィルタ部に送風し、再生空気は再生用電気ヒータによって加熱されて、ディーゼルパティキュレートフィルタを通過し、バイパス切替部により下流側排気通路から送風手段送気管を覆うように配置されたバイパス加熱管を通過して排気ガス浄化装置の外部に排気される。
これにより、一度フィルタ部を通過し再生用電気ヒータで加熱された再生空気を、新しくフィルタ部に送風される再生空気を予備加熱してから排気ガス浄化装置の外部に排気することで、上流側排気通路に送風する再生空気の温度を高い状態で送風することができるので、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果を奏する。
本発明の請求項1に記載の発明は、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス切替部と、バイパス切替部が配置された部分で前記下流側排気通路に接続し、フィルタ部を覆うように配置された排気加熱管で構成されることを特徴とした請求項1乃至のいずれかに記載の排気ガス浄化装置である。
ディーゼルエンジン停止時のディーゼルパティキュレートフィルタ再生時には、送風手段を開閉部に接続し、バイパス切替部によって排気ガス浄化装置の外部に排気する流路からバイパス管への流路に切替える。送風手段は外部空気を取り込み再生空気としてフィルタ部に送風し、再生用電気ヒータによって加熱され、ディーゼルパティキュレートフィルタを通過してディーゼルパティキュレートに堆積したパティキュレートを燃焼除去し、バイパス切替部により下流側排気通路からフィルタ部を覆うように配置された排気加熱管を通過して排気ガス浄化装置の外部に排気される。
これにより、一度フィルタ部を通過し再生用電気ヒータで加熱された再生空気をフィルタ部の周りを通過して排気ガス浄化装置の外部に排気することで、フィルタ部の内部から外部に放出される熱量を抑制し、再生用電気ヒータによるディーゼルパティキュレートフィルタを効率的に加熱することができるので、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果を奏する。
本発明の請求項11に記載の発明は、ディーゼルエンジンの排気通路のフィルタ部に排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを配置するとともに、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記パティキュレートを燃焼除去する再生用電気ヒータ、再生空気を送風する送風手段、及び前記再生用電気ヒータと送風手段の運転及び停止を操作する制御手段を配置した排気ガス浄化装置であって、前記ディーゼルパティキュレートフィルタには酸化触媒を担持し、このディーゼルパティキュレートフィルタと外部電源駆動の前記再生用電気ヒータとを近接配置し、前記送風手段は着脱可能で、前記フィルタ部の再生用電気ヒータが配置されている部分を覆うように配置された再生空気導入管と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路と前記再生空気導入管の間に配置された導入管開閉部とを有し、前記ディーゼルエンジン運転時には前記導入管開閉部を閉じ、前記送風手段を取り外し、前記ディーゼルエンジン停止時には前記導入管開閉部を開き、前記送風手段を前記再生空気導入管に接続し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記送風手段によって再生空気を送風し、制御手段が、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有し、検出したCO2濃度で再生の完了を判断し、前記導入管開閉部は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できる、開閉動力を必要としない逆止弁構造を有し、逆止弁を開閉させる時の圧力は20〜200Paであることを特徴とした排気ガス浄化装置である。
ディーゼルエンジン停止時のディーゼルパティキュレートフィルタ再生時には、送風手段を再生空気導入管に接続し、送風手段と再生用電気ヒータを制御手段により運転する。送風手段から送風された再生空気は再生空気導入管、導入管開閉部、上流側排気通路を通過してフィルタ部に流れる。導入管開閉部は再生空気の送風圧により開く構造をしている。
これにより、送風手段から送風された再生空気が再生用電気ヒータが配置されたフィルタ部の外周に接触してから上流側排気通路内に流れることで、フィルタ部の内部から外部に放出される熱により予備加熱されるので、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1及び図2は本発明の実施の形態1の排気ガス浄化装置を示す図である。
実施の形態1の排気ガス浄化装置の構成を説明する。
図1に示すように、排気ガス浄化装置1を、ディーゼルエンジン2の排気通路3に設置する。排気ガス浄化装置1は、上流側排気通路3aと下流側排気通路3bの間の配置された排気ガス中のパティキュレート5を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ6と、ディーゼルパティキュレートフィルタ6に捕集されたパティキュレート5を燃焼除去する再生用電気ヒータ7を収納したフィルタ部4と、送風手段9とで構成している。
排気ガス浄化装置1は、車両のエンジンルーム内のレイアウトに応じて排気通路3の適切な位置に配置すればよいが、排気ガス浄化装置1に、極力高い排気ガス温度の排気ガスを流入させた方がパティキュレート5を燃焼除去するのに有利であることから、排気ガス浄化装置1と、ディーゼルエンジン2との間隔は短いほど望ましい。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6と、再生用電気ヒータ7とは近接配置し、互いの間隔は10〜20mm程度が望ましい。
再生用電気ヒータ7は、ディーゼルエンジン2の排気ガスに含まれる腐食性ガスやパティキュレート5への耐久性を考慮して、発熱体を金属で被覆したシーズヒータや、セラミックで被覆したセラミックヒータなどが望ましい。発熱体としては、鉄クロムアルミ、ニッケルクロム、白金、モリブデン、タンタル、タングステン、炭化珪素、モリブデンシリサイト、カーボンなどが挙げられる。被覆材料としては、高温耐久性や耐腐食性、耐振動性などを考慮して、ステンレス鋼(SUS304、SUS316L、SUS321、インコロイ800、インコロイ825、インコネル600)、アルミナ、窒化珪素などが挙げられる。また、再生用電気ヒータ7の形状としては、U字型、M型、渦巻き型などがあるが、小型化できる形状であれば特に限定しない。
開閉部8は、ディーゼルエンジン2運転時に閉じ、ディーゼルエンジン2停止時に開くような逆止弁構造を有している。逆止弁構造は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できるため、開閉動力を必要としない。逆止弁を開閉させる時の圧力(以降、クラッキング圧)は20〜200Pa程度が望ましい。この範囲以下だとディーゼルエンジン2運転時に完全遮断が難しく、これ以上だとディーゼルエンジン2停止時に通風が困難になり、送風手段9が大型化する。
送風手段9は、ディーゼルエンジン2停止時にのみ上流側排気通路3a途中の開閉部8に装着できる構造を有している。開閉部8と、送風手段9との着脱を平易にできるワンタッチカプラなどを用いると良い。送風手段9としては、ディーゼルパティキュレートフィルタ6にパティキュレート5が堆積した状態が示す圧力損失、及び開閉部8のクラッキング圧に打ち勝つだけの静圧を出力できるものであれば何でも良い。送風手段9の種類としては一般的に、圧縮比1.1以下のファンや、圧縮比1.1以上のブロワや、ポンプなどが挙げられる。ファンとしては、静圧の低いものから、軸流送風機(プロペラファン)、横断流送風機(クロスフローファン)、斜流送風機(斜流ファン)、遠心送風機(シロッコファン、ターボファン)が挙げられる。ブロワとしては、ターボブロワ、容積ブロワが挙げられる。ポンプとしては、非容積式ポンプ(遠心ポンプ、プロペラポンプ、粘性ポンプ)や、容積式ポンプ(往復動ポンプ、回転ポンプ)や、噴射ポンプ、気泡ポンプ、水槌ポンプ、水中ポンプなどが挙げられる。
図2に示すように、制御手段10は、再生用電気ヒータ7と送風手段9の運転及び停止を制御できる手段を有し、外部電源を駆動電源として再生用電気ヒータ7と送風手段9への供給、及び排気ガス浄化装置1の検出手段11と接続する構成としている。
検出手段11としては、再生用電気ヒータ7の出力を任意の出力値に変更するための変圧手段、再生用電気ヒータ7のヒータ温度を検出するヒータ温度検出手段、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の内部温度を検出するフィルタ内温度検出手段、送風手段9と上流側排気通路3a間の管路内の圧力を検出する圧力検出手段、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段が挙げられ、排気ガス浄化装置1の小型化するために、各検出手段ともなるべく小型なものが良い。
なお変圧手段として多段階調整(ステップコントロール)スイッチ、セレクトスイッチ、トグルスイッチなどで変圧器からの出力値をコントロールするものがあげられるが、再生用電気ヒータの出力をコントロールできる機能を有するものであれば特に手段を限定しない。
またヒータ温度検出手段及びフィルタ検出手段として、熱電対、白金測温抵抗体、サーミスタ、放射温度計、膨張式温度計などがあるが、ヒータ温度及びフィルタ温度を検出できる機能を有するものであれば特に限定しない。
また圧力検出手段として、プルドン式、半導体歪ゲージ式、静電容量式、半導体ピエゾ抵抗式、シリコンレゾナント式などがあるが、管路内の圧力を検出できる機能を有するものであれば特に限定しない。
またCO2濃度検出手段として、固体電解質方式、非分散型赤外線吸収方式などがあるが、再生空気中のCO2濃度を検出できる機能を有するものであれば特に限定しない。
またタイマーとして、あらかじめ設定した時間までの残り時間をカウントダウンする方式、再生開始時からの経過時間をカウントアップする方式などがあるが、設定した時間または時刻に再生運転を停止できる機能を有するものであれば特に限定しない。
実施の形態1の排気ガス浄化装置の動作と作用を説明する。
ディーゼルエンジン2運転時は、逆止弁構造の開閉部8が自動で遮断し、排気ガス浄化装置1にパティキュレート5を含む排気ガスをディーゼルパティキュレートフィルタ6に流通させる。
パティキュレート5は、ブラウン運動によって、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の多孔壁表面及び内部表面に移動し捕集され、さらに捕集されたパティキュレート5の堆積層によって後から来るパティキュレート5が捕集される。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6に捕集されたパティキュレート5は、排気ガス温度がパティキュレート5の燃焼温度に到達していれば燃焼除去され、燃焼温度以下であれば燃焼除去されずに堆積が進む。
ディーゼルエンジン2停止時は、送風手段9を開閉部8に接続し、制御手段10により送風手段9を駆動してディーゼルパティキュレートフィルタ6に外部空気を再生空気として送風し、この送風圧により開閉部8は開放され、また制御手段10からの出力で運転された再生用電気ヒータ7により再生空気を加熱して、ディーゼルエンジン2運転時に燃焼除去されずに堆積したパティキュレート5を燃焼除去してディーゼルパティキュレートフィルタ6を再生する。ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生は、検出手段11を制御手段10に接続し、検出手段11の信号をもとに制御しながら実施することも可能である。
再生が完了したら、再生用電気ヒータ7と送風手段9を停止した後、開閉部8から送風手段9を脱着し、開閉部8を閉じる。
この操作を繰り返すことによって、ディーゼルパティキュレートフィルタ6にパティキュレート5が過剰に堆積することを防止し、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の圧力損失増大によって引き起こされるディーゼルエンジン2の出力低下を回避する。
実施の形態1の排気ガス浄化装置の効果を説明する。
送風手段9が着脱可能で、ディーゼルエンジン2停止時にのみ開閉部8に接続することすることで、ディーゼルエンジン2運転時の排気ガス浄化装置1全体を小型化できる。すなわち、排気ガス浄化装置がエンジンルーム内に設置されている場合、ディーゼルエンジン運転時に排気ガス浄化装置全体を小型化できると、エンジンルームも小型化でき、運転者の視認性を向上できる。
また、ディーゼルパティキュレートフィルタ6に酸化触媒を担持することで、パティキュレート5を低温・高効率で燃焼可能なため、ディーゼルパティキュレートフィルタ6及び再生用電気ヒータ7を小型化でき、再生時の消費電力を低減できる。
従来のようにディーゼルパティキュレートフィルタ6に酸化触媒を担持しない場合は、パティキュレート5の可燃温度である600〜650℃程度まで昇温する必要があり、ディーゼルパティキュレートフィルタ6を保温するための断熱構造や再生用電気ヒータ7などが大型化するため、酸化触媒を担持することは非常に有効である。
特に、ディーゼルエンジン2停止時に堆積したパティキュレート5を燃焼除去して再生するためには、空気中の酸素を利用してパティキュレート5を燃焼する酸化触媒が有効である。
また、ディーゼルエンジン2運転時に堆積したパティキュレート5を強制的に燃焼除去して再生する強制再生方式は、パティキュレート5を燃焼する際に、燃料噴射するための燃料ポンプなどが必要であるが、本発明のようなディーゼルエンジン2停止時に堆積したパティキュレート5を燃焼除去して再生するバッチ再生方式は不要になるため、排気ガス浄化装置1全体を小型化できる。
また、強制再生方式の場合、噴射した燃料を燃焼して排気ガス温度を上昇させるための酸化触媒がディーゼルパティキュレートフィルタ6の前段に必要だが、本発明では不要のため、排気ガス浄化装置1全体を小型化できる。
また、再生用電気ヒータ7への電源供給する際に、ディーゼルエンジン2に搭載したバッテリーから供給する場合はその分だけバッテリー容量を大きくしておかなければならないが、再生用電気ヒータ7を外部電源駆動とすることで、搭載バッテリーを小型化することができる。
また、再生用電気ヒータ7とディーゼルパティキュレートフィルタ6とを近接配置することで、排気ガス浄化装置1全体を小型化することができる。
また、再生用電気ヒータ7をディーゼルパティキュレートフィルタ6に近接配置することで、再生空気を効率良く加熱し、加熱された再生空気が冷却される前にディーゼルパティキュレートフィルタ6に送り込むことで、効率良くディーゼルパティキュレートフィルタ6を加熱できるため、効率が良い分だけ再生用電気ヒータ7を小型化することができ、結果として排気ガス浄化装置1全体を小型化することができる。
また、制御手段10が再生用電気ヒータ7の出力を任意の出力値に変更するための変圧手段を有することで、外気温度に応じた最適な出力値に変更することができ、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生効率を低下させることなく、再生時の消費電力を低減することができる。
また、制御手段10が再生用電気ヒータ7のヒータ温度を検出するヒータ温度検出手段を有することで、再生時のディーゼルパティキュレートフィルタ6の温度を過剰または過小とすることなく適正な温度状態で効率的にかつ確実にパティキュレート5を燃焼させることができ、再生時の消費電力を低減することができる。
また、制御手段10がディーゼルパティキュレートフィルタ6の内部温度を検出するフィルタ温度検出手段を有することで、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の内部温度を検出することで、再生時のディーゼルパティキュレートフィルタ6の温度を過剰または過小とすることなく適正な温度状態で効率的にかつ確実にパティキュレート5を燃焼させることができ、再生時の消費電力を低減することができる。
また、制御手段が、送風手段9と上流側排気通路3a間の管路内の圧力を検出する圧力測定手段を有することで、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時に、再生空気が流れていない状態で再生用電気ヒータ7に通電すると電気絶縁が低下したり、過熱により再生用電気ヒータが焼損したりするなどの不安全な状態となるため、管路内に再生空気が流れていない状態、即ち管路内の圧力が規定以上ない場合、インターロックにより再生用電気ヒータ7への出力が切れ、無人/有人に関わらず安全に再生を行なうことが可能となる。
また、制御手段10がディーゼルパティキュレートフィルタ6の下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有することで、再生開始前の再生空気と同程度のCO2濃度まで低下した時点、即ちディーゼルパティキュレートフィルタ6に堆積したパティキュレート5が燃焼し終えた時点で、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生が完了したと判断し、再生用電気ヒータ7への出力が切れる構成とすることで、再生時間を過不足させることなく再生することができ、再生時の消費電力を低減することができる。
また、制御手段10がタイマーを有することで、予め設定した時間で再生用電気ヒータ7と送風手段9の出力が切れるため、夜間の再生時でも無人で実施することができ、再生時の消費電力を低減することができる。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2の排気ガス浄化装置を示す図である。
図3において、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、異なる点を説明する。
実施の形態2の排気ガス浄化装置の構成を説明する。
下流側排気通路3bに設けられたバイパス開閉部14と、バイパス開閉部14と外気取入口12とを送風手段9の上流側で連通するバイパス管13と、フィルタ部4を通過した再生空気の一部を誘引した循環再生空気と外気取入口12から吸引した外部空気とを混合して上流側排気通路3aに送風する送風手段9とで構成している。
実施の形態2の排気ガス浄化装置の動作と作用を説明する。
ディーゼルエンジン2停止時は、送風手段9を開閉部8に、バイパス管13をバイパス開閉部14に接続し、制御手段10により送風手段9と再生用電気ヒータ7を運転させる。
開閉部8は送風手段9からの送風による送風圧により開放され、バイパス開閉部14は手動または制御手段10からの信号により開放される。外気取入口12とバイパス管13は送風手段9の上流側で接続されて、送風手段9に接続される。送風手段9を運転すると、送風手段9はフィルタ部4を通過した再生空気の一部をバイパス管13に取り込んだ循環再生空気と、外気取入口12からの外部空気とを混合して、上流側排気通路3aに再生空気として送風する。バイパス管13は外気取入口12に対し管路が長く、曲がり等があるため圧力損失が大きく、この圧力損失差により送風手段9は外気空気を主として取り込み、上流側排気通路3aに送風する。
実施の形態2の排気ガス浄化装置の効果を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、フィルタ部4を一度通過し再生用電気ヒータで加熱された再生空気の一部をそのまま排気ガス浄化装置1外に排気するのではなく、外部空気と混合して再生空気として再利用することで、上流側排気通路3aに送風する再生空気の温度を上げることができるため、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果が得られる。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3の排気ガス浄化装置の側面図である。
図4において、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、異なる点を説明する。
実施の形態3の排気ガス浄化装置の構成を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、下流側排気通路3bに設けられたバイパス切替部15と、バイパス切替部15で下流側排気通路3bに接続されたバイパス管接続部16と、バイパス管接続部16と送風手段9を連通するバイパス管17と、バイパス管17の途中に管路内の圧力を逃がすために配置された大気開放部18と、フィルタ部4を通過した再生空気がバイパス管17を通って送風手段9に戻る循環再生空気または外部空気を再生空気として上流側排気通路3aに送風する送風手段9とで構成している。
実施の形態3の排気ガス浄化装置の動作と作用を説明する。
ディーゼルエンジン2停止時は、送風手段9を開閉部8に、バイパス管17をバイパス管接続部16に接続し、バイパス切替部15によってフィルタ部4から排気ガス浄化装置1の外に排気する流路からフィルタ部4からバイパス管17への流路に切替える。バイパス切替部15による流路切替は、手動あるいは制御手段10による自動のいずれでも良い。
送風手段9と再生用電気ヒータ7を制御手段10により運転する。送風手段9から上流側排気通路3aに送風された再生空気は再生用電気ヒータ7によって加熱され、ディーゼルパティキュレートフィルタ6を通過してパティキュレート5を燃焼除去し、バイパス切替部15により下流側排気通路3bからバイパス管17に流れて送風手段9に戻る。送風手段9はバイパス管17からの空気を循環再生空気として、再び上流側排気通路3aを通じてフィルタ部4に送風する。
バイパス管17の途中に配置された大気開放部18は、送風手段9、上流側排気通路3a、フィルタ部4、下流側排気通路3b及びバイパス管17で構成される再生空気の循環路の圧力が高くなったときに、管路内の圧力を外部に逃がす構造を有する。
実施の形態3の排気ガス浄化装置の効果を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、フィルタ部4を一度通過し再生用電気ヒータ7で加熱された再生空気の一部をそのまま排気ガス浄化装置1の外に排気するのではなく、再生空気として再利用することで、上流側排気通路3aに送風する再生空気の温度を高い状態で送風することができるため、再生用電気ヒータの出力値を下げることができ、再生時の消費電力を低減できるという効果が得られる。
(実施の形態4)
図5は本発明の実施の形態4の排気ガス浄化装置の側面図である。
図5において、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、異なる点を説明する。
実施の形態4の排気ガス浄化装置の構成を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、下流側排気通路3bに設けられたバイパス切替部15と、バイパス切替部15が配置された部分で下流側排気通路3bに接続されたバイパス管接続部16と、バイパス管接続部16に接続し送風手段送気管9aを覆うようにして排気ガス浄化装置1の外部に排気するバイパス加熱管19で構成される。
実施の形態4の排気ガス浄化装置の動作と作用を説明する。
ディーゼルエンジン2停止時は、送風手段9を開閉部8に、バイパス加熱管19をバイパス管接続部16に接続し、バイパス切替部15によって排気ガス浄化装置1の外に排気する流路からバイパス加熱管19への流路に切替える。バイパス切替部15による流路の切替えは、手動あるいは制御手段10による自動のいずれでも良い。
送風手段9と再生用電気ヒータ7を制御手段10により運転する。送風手段9は外部空気を取り込み再生空気としてフィルタ部4に送風され、再生空気は再生用電気ヒータ7によって加熱され、ディーゼルパティキュレートフィルタ6を通過してパティキュレート5を燃焼除去し、バイパス切替部15により下流側排気通路3bから送風手段送気管9aを覆うように配置されたバイパス加熱管19を通過して排気ガス浄化装置1の外部に排気される。
実施の形態4の排気ガス浄化装置の効果を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、フィルタ部4を一度通過し再生用電気ヒータ7で加熱された再生空気を排気ガス浄化装置1の外部に排気する際に、送風手段送気管9a覆うように配置されたバイパス加熱管19を通過することにより、フィルタ部4を通過して加熱された空気が、新しくフィルタ部4に送風される再生空気を予備加熱するので、再生用電気ヒータ7による再生空気の加熱を効率的に行うことができるため、再生用電気ヒータ7の出力を低減することができ、再生時の消費電力を低減できるという効果が得られる。
(実施の形態5)
図6は本発明の実施の形態5の排気ガス浄化装置の側面図である。
図6において、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、異なる点を説明する。
実施の形態5の排気ガス浄化装置の構成を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、下流側排気通路3bに設けられたバイパス切替部15と、バイパス切替部15が配置された部分で下流側排気通路3bに接続し、フィルタ部4を覆うように配置された排気加熱管20で構成される。
実施の形態5の排気ガス浄化装置の動作と作用を説明する。
ディーゼルエンジン2停止時は、送風手段9を開閉部8に接続し、バイパス切替部15によって排気ガス浄化装置1の外部に排気する流路から排気加熱管20への流路に切替える。バイパス切替部15による流路の切替えは、手動あるいは制御手段10による自動のいずれでも良い。
送風手段9と再生用電気ヒータ7を制御手段10により運転する。送風手段9は外部空気を取り込み再生空気としてフィルタ部4に送風し、再生用電気ヒータ7によって加熱され、ディーゼルパティキュレートフィルタ6を通過してディーゼルパティキュレートフィルタ6に堆積したパティキュレート5を燃焼除去し、バイパス切替部15により下流側排気通路3bからフィルタ部4を覆うように配置された排気加熱管20を通過して排気ガス浄化装置1の外部に排気される。
実施の形態5の排気ガス浄化装置の効果を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、フィルタ部4を一度通過し再生用電気ヒータ7で加熱された再生空気を排気ガス浄化装置1の外部に排気する際に、フィルタ部4を覆うように配置された排気加熱管20を通過することにより、フィルタ部4を通過して加熱された再生空気が、フィルタ部4の周りを通過して排気ガス浄化装置1の外部に排気されることにより、フィルタ部4の内部から外部に放出される熱量を抑制することができ、再生用電気ヒータ7によるディーゼルパティキュレートフィルタ6を効率的に加熱することができるので、再生用電気ヒータ7の出力を低減することができ、再生時の消費電力を低減できるという効果が得られる。
フィルタ部4の周りに断熱材・空気層・真空層等による断熱構造を施し、断熱構造を覆うように排気加熱管20を配置することで、フィルタ部4からの放熱量をより一層低減でき、再生時の消費電力も更に低減できるという効果が得られる。
(実施の形態6)
図7は本発明の実施の形態6の排気ガス浄化装置の側面図である。
図7において、実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略し、異なる点を説明する。
実施の形態6の排気ガス浄化装置の構成を説明する。
上流側排気通路3aと再生空気導入管21の間に配置された導入管開閉部22と、フィルタ部4の再生用電気ヒータ7が配置されている部分を覆うように配置された再生空気導入管21と、ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時は、送風手段9と再生空気導入管21を接続する構成としている。
実施の形態6の排気ガス浄化装置の動作と作用を説明する。
ディーゼルエンジン2停止時は、送風手段9を再生空気導入管21に接続し、送風手段9と再生用電気ヒータ7を制御手段10により運転する。送風手段9から送風された再生空気は再生空気導入管21、導入管開閉部22、上流側排気通路3aを通過してフィルタ部4に流れる。導入管開閉部22は再生空気の送風圧により開く構造をしている。
実施の形態の排気ガス浄化装置の効果を説明する。
ディーゼルパティキュレートフィルタ6の再生時、送風手段9から送風された再生空気が再生用電気ヒータ7が配置されたフィルタ部4の外周に接触して上流側排気通路3a内に流れることにより、フィルタ部4の内部から外部に放出される熱により予備加熱されるため、再生用電気ヒータ7の出力を低減することができ、再生時の消費電力を低減できるという効果が得られる。
本発明にかかる排気ガス浄化装置は、酸化触媒を担持したディーゼルパティキュレートフィルタと再生用電気ヒータとを近接配置し、排気通路途中の開閉部に着脱可能な外部電源駆動の送風手段を構成したので、捕集したパティキュレートを燃焼除去する必要がある場合にのみ、開閉部に送風手段を装着して再生できるようになり、より小型化することができる。これは、自動車だけでなく、建設機械、発電機、フォークリフト、耕運機、船舶などに搭載する排気ガス浄化装置として有用である。
1 排気ガス浄化装置
2 ディーゼルエンジン
3 排気通路
3a 上流側排気通路
3b 下流側排気通路
4 フィルタ部
5 パティキュレート
6 ディーゼルパティキュレートフィルタ
7 再生用電気ヒータ
8 開閉部
9 送風手段
9a 送風手段送気管
10 制御手段
11 検出手段
12 外気取入口
13 バイパス管
14 バイパス開閉部
15 バイパス切替部
16 バイパス管接続部
17 バイパス管
18 大気開放部
19 バイパス加熱管
20 排気加熱管
21 再生空気導入管
22 導入管開閉部

Claims (11)

  1. ディーゼルエンジンの排気通路のフィルタ部に排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを配置するとともに、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記パティキュレートを燃焼除去する再生用電気ヒータ、再生空気を送風する送風手段、及び前記再生用電気ヒータと送風手段の運転及び停止を操作する制御手段を配置した排気ガス浄化装置であって、前記ディーゼルパティキュレートフィルタには酸化触媒を担持し、このディーゼルパティキュレートフィルタと外部電源駆動の前記再生用電気ヒータとを近接配置し、前記送風手段は着脱可能で、前記排気通路途中に開閉部を配置し、前記ディーゼルエンジン運転時には前記開閉部を閉じ、前記送風手段を取り外し、前記ディーゼルエンジン停止時には前記開閉部を開き、前記送風手段を前記開閉部に接続し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記送風手段によって再生空気を送風し、
    制御手段が、ディーゼルパティキュレートフィルタの下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有し、
    検出したCO2濃度で再生の完了を判断し、
    前記開閉部は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できる、開閉動力を必要としない逆止弁構造を有し、逆止弁を開閉させる時の圧力は20〜200Paであることを特徴とする排気ガス浄化装置。
  2. 制御手段が、再生用電気ヒータの出力を任意の出力値に変更するための変圧手段を有することを特徴とした請求項1記載の排気ガス浄化装置。
  3. 制御手段が、再生用電気ヒータのヒータ温度を検出するヒータ温度検出手段を有することを特徴とした請求項1または2記載の排気ガス浄化装置。
  4. 制御手段が、ディーゼルパティキュレートフィルタの内部温度を検出するフィルタ温度検出手段を有することを特徴とした請求項1乃至3のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  5. 制御手段が、送風手段とディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路間の管路内の圧力を検出する圧力測定手段を有することを特徴とした請求項1乃至4のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  6. 制御手段が、タイマーを有することを特徴とした請求項1乃至5のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  7. ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス開閉部と、前記バイパス開閉部と外取入口を送風手段の上流側で連通するバイパス管と、フィルタ部を通過した再生空気の一部を誘引した循環再生空気と前記外気取入口から吸引した外部空気とを混合して前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路に送風する送風手段を有することを特徴とした請求項1乃至6のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  8. ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス切替部と、前記バイパス切替部が配置された部分で前記下流側排気通路に接続されたバイパス管接続部と、前記バイパス管接続部と送風手段を連通するバイパス管と、前記バイパス管の途中に管路内の圧力を逃がすために配置された大気開放部と、フィルタ部を通過した再生空気が前記バイパス管を通って送風手段に戻る循環再生空気または外部空気を再生空気として前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路に送風する送風手段を有することを特徴とした請求項1乃至6のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  9. ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス切替部と、バイパス切替部が配置された部分で前記下流側排気通路に接続されたバイパス管接続部と、バイパス管接続部に接続し送風手段送気管を覆うようにして排気ガス浄化装置の外部に排気するバイパス管を有することを特徴とした請求項1乃至6のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  10. ディーゼルパティキュレートフィルタの下流側排気通路に設けられたバイパス切替部と、バイパス切替部が配置された部分で前記下流側排気通路に接続し、フィルタ部を覆うように配置された排気加熱管を有することを特徴とした請求項1乃至6のいずれかに記載の排気ガス浄化装置。
  11. ディーゼルエンジンの排気通路のフィルタ部に排気ガス中のパティキュレートを捕集するディーゼルパティキュレートフィルタを配置するとともに、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに捕集された前記パティキュレートを燃焼除去する再生用電気ヒータ、再生空気を送風する送風手段、及び前記再生用電気ヒータと送風手段の運転及び停止を操作する制御手段を配置した排気ガス浄化装置であって、前記ディーゼルパティキュレートフィルタには酸化触媒を担持し、このディーゼルパティキュレートフィルタと外部電源駆動の前記再生用電気ヒータとを近接配置し、前記送風手段は着脱可能で、前記フィルタ部の再生用電気ヒータが配置されている部分を覆うように配置された再生空気導入管と、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの上流側排気通路と前記再生空気導入管の間に配置された導入管開閉部とを有し、前記ディーゼルエンジン運転時には前記導入管開閉部を閉じ、前記送風手段を取り外し、前記ディーゼルエンジン停止時には前記導入管開閉部を開き、前記送風手段を前記再生空気導入管に接続し、前記ディーゼルパティキュレートフィルタに前記送風手段によって再生空気を送風し、
    制御手段が、前記ディーゼルパティキュレートフィルタの下流で再生空気中のCO2濃度を検出できるCO2濃度検出手段を有し、
    検出したCO2濃度で再生の完了を判断し、
    前記導入管開閉部は、通風方向によって完全遮断と、通風とを実現できる、開閉動力を必要としない逆止弁構造を有し、逆止弁を開閉させる時の圧力は20〜200Paであることを特徴とした排気ガス浄化装置。
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